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ゼルダの伝説 ふしぎの木の実 大地の章/時空の章 - (2023/06/22 (木) 15:25:31) の1つ前との変更点

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*ゼルダの伝説 ふしぎの木の実 大地の章/時空の章 【ぜるだのでんせつ ふしぎのきのみ だいちのしょう/じくうのしょう】 |ジャンル|アクションアドベンチャー|CENTER:&amazon(B00005OVBN)[[高解像度で見る>https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=4256&file=zelda_kinomi_001.jpg]]&br()[[裏を見る>https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=4256&file=zelda_kinomi_003.jpg]]|CENTER:&amazon(B00005OVBO)[[高解像度で見る>https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=4256&file=zelda_kinomi_002.jpg]]&br()[[裏を見る>https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=4256&file=zelda_kinomi_003.jpg]]| |対応機種|ゲームボーイカラー(専用)|~|~| |メディア|8MbitROMカートリッジ|~|~| |発売元|任天堂|~|~| |開発元|カプコン|~|~| |発売日|2001年2月27日|~|~| |定価|各3,800円|~|~| |配信|バーチャルコンソール&br()【3DS】2013年2月27日/各600円|~|~| |レーティング|CERO:A (全年齢対象)|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| |ポイント|異なる二つのバージョンとそれらを繋げるリンクシステム&br()時間または季節を変化させながら進行&br()収集要素も豊富&br()斬新さはあるがゼルダらしい安定の出来|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[ゼルダの伝説シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 前作『[[夢をみる島(同・DX)>ゼルダの伝説 夢をみる島]]』に続くGBゼルダ作品。当時としては初の試みだった任天堂とカプコンの共同開発で制作された。~ シリーズで唯一2バージョンが発売された作品だが、[[『ポケモン』>ポケットモンスターシリーズ]]等に代表される一般的なバージョン商法とは異なり、ストーリーのみならずマップやダンジョン、一部アイテムに至るまで、全く異なる内容になっている。~ そのため、どちらかというと''連動要素の存在する別物の2作品''と考えた方が適切といえる。 ***本作の特徴 A・Bボタンに装備品を割り当てるシステムやジャンプアクションがあるなど根幹部分は前作のものを踏襲しているが、以下のような新要素がある。 -''木の実'' --「木の実ぶくろ」を使うと自分や周りの物に、「パチンコ」(大地の章)や「豆鉄砲」(時空の章)を使うと遠くの物に使える。火をつけることができる「アチチの実」、遠くに吹き飛ばすことができる「ピューの実」など全部で5種類。木の実を使った謎解きも多数存在する。 --同じ木の実でも、そのまま使うのと飛ばすのとで効果が異なる場合もある。例えば「サッサの実」は自分で使うと一時的に移動速度が上がるが、飛ばして敵に当てると動きが止まる。 -''ガチャのタネ'' --各地の「やわらかい土」のあるところに植えられる。一定の条件を満たすと実がなり、指輪やルピー、時にはハートのかけらが手に入る。 -''ゆびわ'' --コレクションアイテム。装備するとライフや攻撃力がパワーアップしたり外見が変わったりするなど、役に立つものから一発ネタまで様々。最大5個まで持てるので、いろいろつけ替えてみるだけでも楽しい。 --指輪は通信交換もできる。 -''3匹の仲間'' --物語を進めると「リッキー」「ウィウィ」「ムッシュ」という3匹の動物に出会う。これ以降、ここまでにリンクが取った行動に応じて1匹だけをアイテムの笛で呼び出せるようになる。3匹にはそれぞれ得意な地形があり、彼らの助けを借りないと攻略できないところも多い。 --また仲間に応じてある一定区間の地形も変化する。リッキーなら崖が、ウィウィなら(水流のある)水辺が多い地形となる。 -''リンクシステム'' --片方の章をクリアすると表示される「あいことば」をもう片方の章のスタート時に入力すると、''2本目の章のストーリーの内容が前章のクリア後の物語(『続きのお話』)として一部変化し、その章のラスボスを倒した後に真のラスボスが登場する''。 --また、『続きのお話』として2本目の章をプレイすると各地に「あいことば」を教えてくれるNPCが登場する。その「あいことば」を1本目の章のクリアデータの所定の場所にいるNPCに伝えると追加のミニイベントが発生し、クリアしていくことで2本目の章でもアイテムがパワーアップする等の特典を得られる。 ---その際に入力する「あいことば」もたったの5文字であるため、さほど手間を感じさせられる事もない。 --『続きのお話』のデータでは他にも「1本目の章で入手した指輪を全てそのまま引き継いで使える」「1本目の章の登場人物が再登場するサブイベントが発生」「高難易度の謎解き部屋のみで構成された追加ダンジョン『勇者の洞窟』に挑戦できる」といった特典・追加要素が楽しめる。 --2本のソフトを「リンク」させて遊ぶという、2本同時発売という要素をうまく活かした意欲的な要素とも言えるだろう。 ***『夢をみる島』との違い -攻撃判定に高さの概念が追加され、同じ高さにいないと敵に攻撃が当たらなくなった。 -ツボを押すことができるようになった。 --『夢をみる島』ではツボは持ち上げて投げることしかできなかった。これに伴いツボを押して動かしてスイッチを押す仕掛け等も登場。 ---一応「重いものを押せるようになる」ことについてはブレスレット取得時に説明はされているものの、説明を読み飛ばしてしまったり、前作での仕様が染みついている人ほど今作のこの仕様に気付きにくく、人によっては詰まりやすい。 #region(ブレスレット取得時の説明文) |~夢をみる島|パワーブレスレットを みつけた!&br;これで、ツボやいわをが かつげるぞ!| |~ふしぎの木の実|パワーブレスレットを手に入れた!&br;ボタンを押しながら十ボタンで&br;おもいモノを もちあげたり&br;おしたりできるぞ!| #endregion -被ダメージ時のリンクの無敵時間が短くなった。 --突進してくる敵に密着していると3~4HIT食らったり、敵を無視して進んでいるといつの間にか瀕死になっている、なんてことも。 -担ぎ上げた物を投げる操作が「方向キー+ボタン」に変更された。 --『夢をみる島』ではボタン一つで向いている方向の数マス先に投げていたが、今作では方向キーと同時押ししないとその場にポトリと落とす形になる。 -爆弾を担ぎ上げている状態でも爆発するようになった。 --特定の指輪で爆発しないようにはできる。 -フィールドで道を塞いでいる岩や小さな木などの障害物は、一度アイテムを使って除去すれば画面をスクロールしても復活しなくなった。 -ダンジョンの1部屋が1画面に収まる範囲より広くなった。そのため画面外から敵の攻撃が飛んでくることも。 -セーブの仕様が変わった。 --スタートボタンとセレクトボタンの同時押しでセーブ画面を開くようになった。 --『夢をみる島』では上記に加えAボタンとBボタンも同時押しする必要があったが、本作では4つのボタンを同時押しするとリセットしてタイトル画面に戻る。 --『夢をみる島』を遊んでいたプレイヤーにとっては紛らわしいが、「4つのボタン同時押しでリセット」という仕様は他のゲームボーイ作品にも多く採用されていたため、むしろ『夢をみる島』の方が特殊といえる。 ---『夢をみる島』の操作に慣れているプレイヤーは''セーブしようと思ってリセットしてしまう''という事故を起こしてしまいやすいので要注意。 ---- ***『大地の章』 ''あらすじ'' >トライフォースの力でホロドラムという世界に導かれたリンクは、力尽きて倒れたところをディンという踊り子に助けられるが、そこに闇の将軍ゴルゴンがあらわれ、ディンを連れ去ってしまう。~ ゼルダ姫の乳母インパの話によると、実はディンはホロドラムの四季を司る「大地の巫女」であり、その力を封印しようとするゴルゴンから狙われていた彼女は、旅芸人の一座に扮してゼルダを訪ねる予定だったのである。~ ディンが封印され、四季が乱れたホロドラムからは大地の恵みが奪われていく。リンクはディンを救出し、ホロドラムに四季を取り戻すために立ち上がる。 ''概要''~ 『大地の章』では''「四季のロッド」''というアイテムで季節を変えることで地形を変化させ、謎解きをしていく。入手時は冬に変えることしかできないが、ストーリーを進めていくと変えられる季節が増えていく。 -春になると吹き上げ花という上に飛ばす花が咲き、夏になると一部の水が干上がり、秋になると落ち葉が積もって穴を塞ぎ、冬になると水面が凍結して足場になるなど、各季節ごとに大きく特徴が変わる。 -入手できるアイテムやダンジョンの仕掛け、ボス戦はダイナミックなアクション性を重視しているのが特徴。 ***『時空の章』 ''あらすじ'' >トライフォースの力でラブレンヌという世界に導かれたリンクは、ゼルダ姫の乳母インパに頼まれ「時の巫女」ネールに会う手助けをする。~ しかし、ネールに会うやいなやインパに憑りついていた闇の司祭ベランが正体をあらわし、ネールの体を乗っ取ってしまう。~ ベランはネールの力を利用して過去の人々から「嘆き」の力を集めようとしており、インパはそれを阻止するためにネールをゼルダのもとに連れて行こうとした結果、ベランに利用されてしまったのだった。~ 正気に戻ったインパの頼みを聞き、リンクはネールを救出しラブレンヌの時空を元に戻すために立ち上がる。 ''概要''~ 『時空の章』では''「時のたてごと」''というアイテムで現在と過去を移動しながら謎解きをしていく(1つのダンジョンの中で現在と過去を行き来することもある)。初めは一方通行しかできないが、ストーリーが進むと現在と過去を自由に行き来できるようになる。 -過去と現在ではBGMだけでなく地形も大きく変化する他、過去の行動が現在に何らかの影響を及ぼす場所もある。これを利用した謎解きも非常に多い。 --入手できるアイテムやダンジョンの仕掛け、ボス戦はパズル性の高いものが多く、頭を使って攻略することが求められる。 ---- **評価点 -2バージョンで発売されたが前述の通り内容は全く異なっており、指輪などの収集要素も多いため、単体でも十分に楽しむことができる。また、2つのストーリー(どちらから攻略しても問題ない)をパスワードでリンクさせることで真のエンディングが見られるという構成も、両方をプレイしてみたいという気持ちをうまくかき立てている。 --2バージョン構成でありつつ、双方の内容にしっかりとした違いを打ち出して異なる遊び方を掲示し単体でも十分遊べる構成に仕上げており、ただのバージョン違いに終わらせていないことは評価に値する。 -また2本目は1本目で登場したキャラクターが道中で登場し、更に最後のダンジョンよりも難易度の高いダンジョンが追加される。正しくストーリーが続いているのだということが再認識出来る。 -季節または時間を変えながら物語を進めていくというのは今までのゼルダシリーズになかったものである。それらを変化させると、当然画面も変わり、視覚的にも楽しめる。 -基本的な部分はいつものゼルダといったところで、やり応えのあるダンジョンが待ち受けている。かといって本作での新要素によりマンネリ感もあまり感じなくなっている。 -実益とやり込みを兼ねた収集要素「ゆびわ」システム --剣で与えるダメージを2倍にする「あかいゆびわ」、数歩あるくごとにハートが回復する「ハートのゆびわ」といった実益のあるものから、リンクの見た目が[[初代>ゼルダの伝説]]に変わる「しょだいのゆびわ」のような遊び要素のものに至るまで、実に多種多様。 --特に、モンスターを一定数倒すと手に入る「まものキラーのゆびわ」といった記念系のゆびわは、いわゆる実績やトロフィーを先取りした要素であり、開発したカプコンの先見性の高さが窺えるやり込み要素となっている。 ---- **賛否両論点 -上記の評価点の裏返しとなるが、結局のところ、2本を遊んで初めて真のボスが登場するということはすなわち''「2本のソフトをプレイしないと完全クリアができない」''ということでもあり、バージョン商法に対して否定的なスタンスを持つユーザーにとってはやはり抵抗感は否めないだろう。 --ただ、上述のように単なるバージョン商法の作品と違って2本のソフトはそれぞれが別物と言っていい内容であり、両方購入して遊んでも損を感じさせないほどにしっかりと作られている。少なくともソフト2本分に見合うだけの価値はある。 --逆に''「2本のソフトをプレイすることで追加の完結編シナリオを楽しめる」''と考えるユーザーにとっては、この点については気にもならないだろう。 ---片方のソフトだけクリアすると「あいつは敗れたが計画は進んでいる」と真のボスがいることを匂わせる形で終わる。 -本作はモンスターやオブジェクト・エフェクト等のグラフィックの大部分を前作『夢をみる島』から流用しており、見た目的な変化はほとんど感じられない。 --元々前作の画面構成やグラフィックはGBのゼルダとして質が高く、前作に慣れ親しんだプレイヤーはほぼそのままの感覚で遊べる利点はあるものの、約8年の期間を経た続編にしては新鮮味の薄さは否めない。 ---特に雑魚モンスターは新規のものがほとんどおらず、一部は中ボスも流用されている。 -前作では多くの敵の攻撃力がハート1つ分だったが、今作ではハート半分に弱体化している。その代わりにダメージ時の無敵時間が少なくなっており、連続でダメージを受けやすい。ボスも前作より攻撃力は低めの物が多く、弱点を狙ったりアイテムを使い分けて攻略するという点に重きを置いた傾向がある。 --前作はHPの少ない序盤から強いキャラが多く(特にボス)、最初から挫折するプレイヤーも多くいたと思われるので適度な調整と言えるかもしれない。 -2本目の章でのリンクの強さがインフレ気味。 --『続きのお話』として遊ぶ2本目の章では初期ハートが+1される特典があるほか、1本目の章で手に入れた指輪がそのまま持ち越し可能。 ---それぞれの章では終盤に「剣の威力が倍になる」「受けるダメージが半分になる」といった超強力な指輪が入手できる隠し要素があるのだが、これらも前章で入手していればゲーム開始時から使えてしまう。 --前述のあいことばによる強化サブイベントも序盤から頻繁に発生するため、こなしていけばリンクの装備がどんどん充実していく。最強のLv3の剣も中盤辺りには入手可能。 --これらが合わさると雑魚モンスターはもちろんボスですら数回剣で斬っただけで勝ててしまったりと、ゲームバランス的にはやや過剰な強さになってしまう。 ---もっとも、連動要素によって戦闘を快適に済ませられるようになることそのものは一概に悪いことではなく、ボス戦も上述の通り「どのように攻略するか(どうやって剣でダメージを与えられる状態に持っていくか等)」に主眼を置いた趣が強いため、それほど大きく楽しみが損なわれるほどではないが。 ---- **問題点 -ストーリー面の格差。 --謎解きやアクション等、ゲーム性の面においては2作とも高い完成度を誇る本作であるが、ストーリー面に関しては2作間で露骨な格差が存在する。 #region((ネタバレ注意)) -『時空の章』では ネールの身体を乗っ取り過去の時代で暗躍する闇の司祭ベラン、元は善良な人物であったがべランに唆され利用されてしまう過去のラブレンヌの長アンビ女王、ネールを救うためにリンクとは別行動で邁進するネールの幼馴染ラルフと、敵方・味方ともにメインストーリーに大きく関わるキャラが複数存在する。 --リンクの目標はラブレンヌに散らばる8つのダンジョンを攻略し『時空のことわり』を集めることだが、要所でネールの救出・べランの野望の阻止を図るイベントが挿入され、王道ながらも熱いストーリーが展開される。 --過去の時代でベランが歴史を歪めていることでラブレンヌには様々な悪影響が及んでおり、物語の進行に応じてべランの計画が進むごとに町の状況も悪化の一途を辿っていくため、プレイヤーも使命感を駆り立てられる。~ -一方『大地の章』ではディン・ゴルゴン以外にメインストーリーに関わるキャラは(共通で登場するインパを除き)一切登場せず、物語に深く絡むイベントもほぼ起こらない。ヒロインであるディンもプロローグで攫われて以降はエンディングまで封印されたままであり思い入れが抱きにくい。 --印象的なキャラやイベントは存在するものの、彼らはリンクの「ホロドラムに四季を取り戻す」という目的に直接協力しているわけではないため、全編を通してやや孤独で寂しい冒険という印象を受けてしまう。 --四季が乱れて大地の恵みが失われつつあるホロドラムの様子も『時空の章』のラブレンヌの惨状と比べるとあまり危機感が感じられない。 --総じて『時空の章』との比較として見ても単品のAADVとして見てもかなり薄味なストーリーとなっており、物語性を重視するプレイヤーにとっては『大地の章』側だけ物足りないという奇妙な作りになっている。 #endregion -盾の存在意義が薄い。 --『夢をみる島』から継続する問題。『大地の章』『時空の章』共にジャンプができるようになるアイテムが最序盤のダンジョンで手に入ってしまうため、今作でも盾を構えて敵と戦う必要のある場面は少ない。 --結局のところ、2つしかないA・Bボタンにそれぞれ装備品を割り当てるGBゼルダのシステムと、その枠を1つ使ってしまう盾の仕様が噛み合っていない。『神々のトライフォース』のように常に前方に盾を構えているシステムであれば良かったのだが。 ---ちなみに本作ではリンクシステムを利用することで盾もLv3まで強化ができるのだが、今作のLv2の盾は前作で防げたビーム攻撃が防げなくなる弱体化をしており、Lv3でようやく前作Lv2基準の性能に追いつくだけになっている。 ---おまけにLv3の盾はアイテム欄では青くスタイリッシュな見た目をしているのに、実際に装備して構えると何故かLv2の盾と何ら変わらない見た目。とことん不遇である。 -進行に必須の一部のミニゲームの難易度が高い。 --『大地の章』『時空の章』ともにミニゲームの攻略が進行に必須となる場面がいくつか存在する。基本的にはアクション要素を活かしたゲームのため『ゼルダ』のプレイヤーであればそれほど難しくはないが、中にはアクション以外の要素を要求される上に難易度が高く詰まりがちなものも存在する。 --特に詰みポイントとして名高いのが『時空の章』中盤のゴロンダンス。お手本と同じ振り付けをA/Bボタンでタイミングよく刻むリズムゲームなのだが、ボタンを押すタイミングがシビア・お手本の振り付けパターンが多い・ノルマも厳しめ とやたらと難しく、苦手なプレイヤーにとっては鬼門となる。 //-上記の評価点の裏返しとなるが、結局のところ、2本を遊んで初めて真のボスが登場するということはすなわち''「2本のソフトをプレイしないと完全クリアができない」''ということでもあり、リンクシステム自体も「2本のソフトを使った2周目プレイ」と見ることもできる。バージョン商法に対して否定的なスタンスを持つユーザーにとってはやはり抵抗感は否めないだろう。 //--ただ、上述のように単なるバージョン商法の作品と違ってしっかりと2本のソフトそれぞれで内容も差別化されており、両方購入して遊んでも損を感じさせないほどにしっかりと作られている。少なくともソフト2本分に見合うだけの価値はある。 //---片方のソフトだけクリアすると「あいつは敗れたが計画は進んでいる」と真のボスがいることをにおわせる形で終わる。 // →今作が2作別物の内容であることを鑑みると「2本のソフトを使った2周目プレイ」とは考えられないため、文を整理して"賛否両論点"へ移しました。 -「ハートのかけら」の入手条件に運の要素が強いものがある。 --一つは先に紹介した「ガチャの実」から入手するもの、もう一つはマップ上に時々あらわれる女の子「メイプル」とのアイテム争奪戦で入手するもので、どちらも一定の条件を満たせば出現するようになるのだが、必ずハートのかけらが出てくるとは限らない。 --また、この2つについてはゲーム中に一切ヒントがないため、気づかないと最後まですべてのハートのかけらが集まらないこともある。 //--一応リンクシステムを使った引継ぎ・2周目はボーナスとしてハートが4個で始まるため、かけらを全て集めなくてもハートを限界まで増やせるようにはなっている。 //引継ぎするとハートを15に出来る(前作の限界を超える)のでCO。 -ゲームを進めると『大地の章』ではムッシュの能力、『時空の章』ではウィウィの能力と同じアイテムが手に入るため、2匹が役立たずになってしまう(リッキーはどちらの章でも有用)。 --ただし上記「3匹の仲間」でも触れたが、一定区域を仲間を呼ばずに通り抜けられるというメリットも生まれる。もっとも突破した後はピューの実で越えられるのでこれも些細なことであるが。 -大地の章からの引き継ぎでないと時空の章のマップを全て埋めることが出来ない。 --そのエリアには洞窟があり、中にはここでしか入手できないゆびわがある。 -2周目の攻略が作業的になりがち。 --先述の通り、本作は『大地→時空』『時空→大地』のどちらの順で攻略したか(=どちらを『続きのお話』として遊んだか)によって見られるイベントが大きく異なる。そのため、この時期のゼルダシリーズにしては珍しく 全ての要素を回収するには2周(各章2回ずつ)のプレイが必須となる。 --2周目のプレイでも1周目で入手した指輪の引継ぎが可能なため攻略そのものは大幅に楽になり、1周目では見られなかったイベントも見られる点では変化はあるものの、本作のプレイ時間の大部分を占めるダンジョン攻略の内容は一切変わらないため、流石に作業感が強くなってしまう。 ---続けて2周目を遊ぼうとすると順番的に「先程クリアしたばかりの章をもう一度遊ぶ」ことになってしまうのもモチベーションを保ちづらい点。 --先述の『続きのお話』の特典の高難易度ダンジョン『勇者の洞窟』はゼルダファンであれば是非挑戦したい内容なのだが、大地側・時空側の2種類を制覇するためには2周目の2本目の章を終盤まで攻略する必要がある((完全制覇のために必要なアイテムを本編で入手する必要があるため。))ためなかなかハードルが高い。 -指輪の小箱バグ。 --「指輪の小箱」が合言葉でレベルアップしない場合がある。 --L-1からL-2にする分には問題ないが、すでにL-2の状態だとL-3にならない。 --コンプリートを目指す場合、発生してしまったが最後、モヤモヤと虚無感だけが残る。 ---- **総評 二つのバージョンによって発売されるという大胆な試みがゼルダシリーズにおいてなされた。~ バージョン分けには賛否あるが、内容は全く違うといってもいいレベルであり、両方買っても割高感は感じられない。~ 根本的なところはいつものゼルダであり、任天堂作らしい万人向けの高水準なゲームである。~ かといってマンネリはなく、時間や季節を変えながら進むというのは斬新である。ゼルダファンならばプレイしておくべき一(二)作であろう。 ---- **余談 -本作はもともと初代『[[ゼルダの伝説]]』のリメイク版として開発される予定で、トライフォースにちなんだ「力の章」「勇気の章」「知恵の章」((本作に登場する巫女の名前はハイラルを創造した三女神ディン・ネール・フロルに由来する。))の3バージョンで構成されていたが、最終的に「力の章」が『大地の章』、「知恵の章」が『時空の章』となった。最終的に2バージョンになったのは、3バージョンだと入力する「あいことば」が長くなってしまうなどの難点があったからだという。 --本作にはいくつかその名残があり、『大地の章』のフィールド画面やボスの大半が初代『ゼルダの伝説』から流用されている。また、「勇気の章」に登場する予定だった巫女フロルが「あいことば」を入力する場所で「あいことばの巫女」として登場している。ちなみに、本作に登場した巫女たちは後に『[[ゼルダの伝説 ふしぎのぼうし]]』にゲスト出演している。 -本作のタイトルである『ふしぎの木の実』は作中では単なる消費アイテムであり、2作品を通して多岐にわたって活躍するものの、「四季のロッド」「時のたてごと」のような特別ストーリーに深く関わる重要アイテムというわけではなかったりする。 -本作のガノンは魔獣ガノンとしての姿しか登場しないが、実はガノンドロフとしての幻のデザイン案が存在する。『[[時のオカリナ>ゼルダの伝説 時のオカリナ]]』のガノンドロフに近いデザインで、使われることが一切なかったのが惜しいところ。 -本作はゼルダシリーズの時系列のどこに位置するのかがはっきりしておらず、本作の「リンク」の経歴も作中では一切語られなかった。ただし当時のゲーム雑誌での紹介やリンクの描写から「『[[神々のトライフォース>ゼルダの伝説 神々のトライフォース]]』と関係があるのでは?」という考察はあった。 --その後、2011年に発売されたファンブック『ハイラル・ヒストリア』で公式の時系列が判明した。それによると、~ ''『神々のトライフォース』→『ふしぎの木の実』→『夢をみる島((真エンドでリンクがホロドラム(又はラブレンヌ)から小舟で大海原に旅立つシーンが挿入されていたことから、スタッフ自身当時からこの時系列を想定していたと思われる。))』''~ という流れ。つまりデザインはやや異なるが、本作のリンクと『神々のトライフォース』のリンクは同一人物である。~ …とされてきたが、2017年に発売された『ハイラル百科』にて''『神々のトライフォース』→『夢をみる島』→『ふしぎの木の実』''~ と神々のトライフォースとは別の時代が舞台であり、リンクも別人という設定に変更された。 ---本作のゼルダはリンクと初対面のため、その矛盾を解消するための変更と思われる。 -「あくまのゆびわ」という指輪を装備すると、''「剣の攻撃力半減・被ダメージ2倍」''という完全なデメリットだけが発動する。これだけを見ると誰得アイテムのようだが、よくよく考えてみると「指輪1つでプレイヤーが意図的にゲームの難易度を変えられる」という事である。ゼルダシリーズでは「ハートの器(かけら)」の有無で事実上の難易度選択が行えるのがおなじみだが、公式側から更にこのような形で提示されるケースは珍しい。 -大地の章の「水びたしの村」にある空き家は、村の外にいるボスブリンを倒すとボスブリン一味が住み着くようになり、再起のためにせっせと爆弾を作る様子が見られる。 --実はこの爆弾、アチチの実かバクダンで起爆し、爆発するまで家の中にいると''ゲームオーバーになる''。~ 家から出るとボスブリン一味が逃げ出した後に家が壊れるのだが、画面を切り替えると何事もなかったかのように復活している。 ---そしてこれを何度か繰り返すと、起爆の瞬間に気づかれた後、子分に捕まり壁に叩きつけられて''操作不能となり、そのまま大爆発で壊れる家と運命を共にすることとなる。''~ もちろん、ゲームオーバーである。 -『夢をみる島』と同じく本作にも他作品からのゲスト出演があり、大地の章には『時のオカリナ』から、時空の章には『ムジュラの仮面』からキャラクターが登場している。また、『夢をみる島』のキャラクターも多数ゲスト出演している。 -バーチャルコンソールはGBCで動かしていることになっている為、GBAでプレイしている時にのみ入手出来る指輪を入手することが出来ない。 --どうしても手に入れたい場合はあらかじめ実機で入手したデータを用意し、あいことばで引き継ぎプレイを行うか、ネットで公表されているあいことばを利用するしかない。 -「ゼルダ」という任天堂看板ソフトがカプコン開発なのは、「スタッフのゼルダ好きが高じて「うちでゼルダの伝説を作らせてくれ! 駄目だというならゼノレダ(ぜのれだ)の伝説っていうソフト作る!」と押しかけたから」だという。 --ちなみにカプコンは以前にSFCで『グーフィーとマックス 海賊島の大冒険』という、見た目も操作もゼルダそっくりなアクションゲームを開発したことがある。 --なお、本作と『ふしぎのぼうし』のディレクターは後に任天堂に移籍し、『[[スカイウォードソード>ゼルダの伝説 スカイウォードソード]]』や『[[ブレス オブ ザ ワイルド>ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド]]』などの2010年代主要作品のディレクターを務めている。
*ゼルダの伝説 ふしぎの木の実 大地の章/時空の章 【ぜるだのでんせつ ふしぎのきのみ だいちのしょう/じくうのしょう】 |ジャンル|アクションアドベンチャー|CENTER:&amazon(B00005OVBN)[[高解像度で見る>https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=4256&file=zelda_kinomi_001.jpg]]&br()[[裏を見る>https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=4256&file=zelda_kinomi_003.jpg]]|CENTER:&amazon(B00005OVBO)[[高解像度で見る>https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=4256&file=zelda_kinomi_002.jpg]]&br()[[裏を見る>https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=4256&file=zelda_kinomi_003.jpg]]| |対応機種|ゲームボーイカラー(専用)|~|~| |メディア|8MbitROMカートリッジ|~|~| |発売元|任天堂|~|~| |開発元|カプコン|~|~| |発売日|2001年2月27日|~|~| |定価|各3,800円|~|~| |配信|バーチャルコンソール&br()【3DS】2013年2月27日/各600円|~|~| |レーティング|CERO:A (全年齢対象)|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| |ポイント|異なる二つのバージョンとそれらを繋げるリンクシステム&br()時間または季節を変化させながら進行&br()収集要素も豊富&br()斬新さはあるがゼルダらしい安定の出来|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[ゼルダの伝説シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 前作『[[夢をみる島(同・DX)>ゼルダの伝説 夢をみる島]]』に続くGBゼルダ作品。当時としては初の試みだった任天堂とカプコンの共同開発で制作された。~ シリーズで唯一2バージョンが発売された作品だが、[[『ポケモン』>ポケットモンスターシリーズ]]等に代表される一般的なバージョン商法とは異なり、ストーリーのみならずマップやダンジョン、一部アイテムに至るまで、全く異なる内容になっている。~ そのため、どちらかというと''連動要素の存在する別物の2作品''と考えた方が適切といえる。 ***本作の特徴 A・Bボタンに装備品を割り当てるシステムやジャンプアクションがあるなど根幹部分は前作のものを踏襲しているが、以下のような新要素がある。 -''木の実'' --「木の実ぶくろ」を使うと自分や周りの物に、「パチンコ」(大地の章)や「豆鉄砲」(時空の章)を使うと遠くの物に使える。火をつけることができる「アチチの実」、遠くに吹き飛ばすことができる「ピューの実」など全部で5種類。木の実を使った謎解きも多数存在する。 --同じ木の実でも、そのまま使うのと飛ばすのとで効果が異なる場合もある。例えば「サッサの実」は自分で使うと一時的に移動速度が上がるが、飛ばして敵に当てると動きが止まる。 -''ガチャのタネ'' --各地の「やわらかい土」のあるところに植えられる。一定の条件を満たすと実がなり、指輪やルピー、時にはハートのかけらが手に入る。 -''ゆびわ'' --コレクションアイテム。装備するとライフや攻撃力がパワーアップしたり外見が変わったりするなど、役に立つものから一発ネタまで様々。最大5個まで持てるので、いろいろつけ替えてみるだけでも楽しい。 --指輪は通信交換もできる。 -''3匹の仲間'' --物語を進めると「リッキー」「ウィウィ」「ムッシュ」という3匹の動物に出会う。これ以降、ここまでにリンクが取った行動に応じて1匹だけをアイテムの笛で呼び出せるようになる。3匹にはそれぞれ得意な地形があり、彼らの助けを借りないと攻略できないところも多い。 --また仲間に応じてある一定区間の地形も変化する。リッキーなら崖が、ウィウィなら(水流のある)水辺が多い地形となる。 -''リンクシステム'' --片方の章をクリアすると表示される「あいことば」をもう片方の章のスタート時に入力すると、''2本目の章のストーリーの内容が前章のクリア後の物語(『続きのお話』)として一部変化し、その章のラスボスを倒した後に真のラスボスが登場する''。 --また、『続きのお話』として2本目の章をプレイすると各地に「あいことば」を教えてくれるNPCが登場する。その「あいことば」を1本目の章のクリアデータの所定の場所にいるNPCに伝えると追加のミニイベントが発生し、クリアしていくことで2本目の章でもアイテムがパワーアップする等の特典を得られる。 ---その際に入力する「あいことば」もたったの5文字であるため、さほど手間を感じさせられる事もない。 --『続きのお話』のデータでは他にも「1本目の章で入手した指輪を全てそのまま引き継いで使える」「1本目の章の登場人物が再登場するサブイベントが発生」「高難易度の謎解き部屋のみで構成された追加ダンジョン『勇者の洞窟』に挑戦できる」といった特典・追加要素が楽しめる。 --2本のソフトを「リンク」させて遊ぶという、2本同時発売という要素をうまく活かした意欲的な要素とも言えるだろう。 ***『夢をみる島』との違い -攻撃判定に高さの概念が追加され、同じ高さにいないと敵に攻撃が当たらなくなった。 -ツボを押すことができるようになった。 --『夢をみる島』ではツボは持ち上げて投げることしかできなかった。これに伴いツボを押して動かしてスイッチを押す仕掛け等も登場。 ---一応「重いものを押せるようになる」ことについてはブレスレット取得時に説明はされているものの、説明を読み飛ばしてしまったり、前作での仕様が染みついている人ほど今作のこの仕様に気付きにくく、人によっては詰まりやすい。 #region(ブレスレット取得時の説明文) |~夢をみる島|パワーブレスレットを みつけた!&br;これで、ツボやいわをが かつげるぞ!| |~ふしぎの木の実|パワーブレスレットを手に入れた!&br;ボタンを押しながら十ボタンで&br;おもいモノを もちあげたり&br;おしたりできるぞ!| #endregion -被ダメージ時のリンクの無敵時間が短くなった。 --突進してくる敵に密着していると3~4HIT食らったり、敵を無視して進んでいるといつの間にか瀕死になっている、なんてことも。 -担ぎ上げた物を投げる操作が「方向キー+ボタン」に変更された。 --『夢をみる島』ではボタン一つで向いている方向の数マス先に投げていたが、今作では方向キーと同時押ししないとその場にポトリと落とす形になる。 -爆弾を担ぎ上げている状態でも爆発するようになった。 --特定の指輪で爆発しないようにはできる。 -フィールドで道を塞いでいる岩や小さな木などの障害物は、一度アイテムを使って除去すれば画面をスクロールしても復活しなくなった。 -ダンジョンの1部屋が1画面に収まる範囲より広くなった。そのため画面外から敵の攻撃が飛んでくることも。 -セーブの仕様が変わった。 --スタートボタンとセレクトボタンの同時押しでセーブ画面を開くようになった。 --『夢をみる島』では上記に加えAボタンとBボタンも同時押しする必要があったが、本作では4つのボタンを同時押しするとリセットしてタイトル画面に戻る。 --『夢をみる島』を遊んでいたプレイヤーにとっては紛らわしいが、「4つのボタン同時押しでリセット」という仕様は他のゲームボーイ作品にも多く採用されていたため、むしろ『夢をみる島』の方が特殊といえる。 ---『夢をみる島』の操作に慣れているプレイヤーは''セーブしようと思ってリセットしてしまう''という事故を起こしてしまいやすいので要注意。 ---- ***『大地の章』 ''あらすじ'' >トライフォースの力でホロドラムという世界に導かれたリンクは、力尽きて倒れたところをディンという踊り子に助けられるが、そこに闇の将軍ゴルゴンがあらわれ、ディンを連れ去ってしまう。~ ゼルダ姫の乳母インパの話によると、実はディンはホロドラムの四季を司る「大地の巫女」であり、その力を封印しようとするゴルゴンから狙われていた彼女は、旅芸人の一座に扮してゼルダを訪ねる予定だったのである。~ ディンが封印され、四季が乱れたホロドラムからは大地の恵みが奪われていく。リンクはディンを救出し、ホロドラムに四季を取り戻すために立ち上がる。 ''概要''~ 『大地の章』では''「四季のロッド」''というアイテムで季節を変えることで地形を変化させ、謎解きをしていく。入手時は冬に変えることしかできないが、ストーリーを進めていくと変えられる季節が増えていく。 -春になると吹き上げ花という上に飛ばす花が咲き、夏になると一部の水が干上がり、秋になると落ち葉が積もって穴を塞ぎ、冬になると水面が凍結して足場になるなど、各季節ごとに大きく特徴が変わる。 -入手できるアイテムやダンジョンの仕掛け、ボス戦はダイナミックなアクション性を重視しているのが特徴。 ***『時空の章』 ''あらすじ'' >トライフォースの力でラブレンヌという世界に導かれたリンクは、ゼルダ姫の乳母インパに頼まれ「時の巫女」ネールに会う手助けをする。~ しかし、ネールに会うやいなやインパに憑りついていた闇の司祭ベランが正体をあらわし、ネールの体を乗っ取ってしまう。~ ベランはネールの力を利用して過去の人々から「嘆き」の力を集めようとしており、インパはそれを阻止するためにネールをゼルダのもとに連れて行こうとした結果、ベランに利用されてしまったのだった。~ 正気に戻ったインパの頼みを聞き、リンクはネールを救出しラブレンヌの時空を元に戻すために立ち上がる。 ''概要''~ 『時空の章』では''「時のたてごと」''というアイテムで現在と過去を移動しながら謎解きをしていく(1つのダンジョンの中で現在と過去を行き来することもある)。初めは一方通行しかできないが、ストーリーが進むと現在と過去を自由に行き来できるようになる。 -過去と現在ではBGMだけでなく地形も大きく変化する他、過去の行動が現在に何らかの影響を及ぼす場所もある。これを利用した謎解きも非常に多い。 --入手できるアイテムやダンジョンの仕掛け、ボス戦はパズル性の高いものが多く、頭を使って攻略することが求められる。 ---- **評価点 -2バージョンで発売されたが前述の通り内容は全く異なっており、指輪などの収集要素も多いため、単体でも十分に楽しむことができる。また、2つのストーリー(どちらから攻略しても問題ない)をパスワードでリンクさせることで真のエンディングが見られるという構成も、両方をプレイしてみたいという気持ちをうまくかき立てている。 --2バージョン構成でありつつ、双方の内容にしっかりとした違いを打ち出して異なる遊び方を掲示し単体でも十分遊べる構成に仕上げており、ただのバージョン違いに終わらせていないことは評価に値する。 -また2本目は1本目で登場したキャラクターが道中で登場し、更に最後のダンジョンよりも難易度の高いダンジョンが追加される。正しくストーリーが続いているのだということが再認識出来る。 -季節または時間を変えながら物語を進めていくというのは今までのゼルダシリーズになかったものである。それらを変化させると、当然画面も変わり、視覚的にも楽しめる。 -基本的な部分はいつものゼルダといったところで、やり応えのあるダンジョンが待ち受けている。かといって本作での新要素によりマンネリ感もあまり感じなくなっている。 -実益とやり込みを兼ねた収集要素「ゆびわ」システム --剣で与えるダメージを2倍にする「あかいゆびわ」、数歩あるくごとにハートが回復する「ハートのゆびわ」といった実益のあるものから、リンクの見た目が[[初代>ゼルダの伝説]]に変わる「しょだいのゆびわ」のような遊び要素のものに至るまで、実に多種多様。 --特に、モンスターを一定数倒すと手に入る「まものキラーのゆびわ」といった記念系のゆびわは、いわゆる実績やトロフィーを先取りした要素であり、開発したカプコンの先見性の高さが窺えるやり込み要素となっている。 ---- **賛否両論点 -上記の評価点の裏返しとなるが、結局のところ、2本を遊んで初めて真のボスが登場するということはすなわち''「2本のソフトをプレイしないと完全クリアができない」''ということでもあり、バージョン商法に対して否定的なスタンスを持つユーザーにとってはやはり抵抗感は否めないだろう。 --ただ、上述のように単なるバージョン商法の作品と違って2本のソフトはそれぞれが別物と言っていい内容であり、両方購入して遊んでも損を感じさせないほどにしっかりと作られている。少なくともソフト2本分に見合うだけの価値はある。 --逆に''「2本のソフトをプレイすることで追加の完結編シナリオを楽しめる」''と考えるユーザーにとっては、この点については気にもならないだろう。 ---片方のソフトだけクリアすると「あいつは敗れたが計画は進んでいる」と真のボスがいることを匂わせる形で終わる。 -本作はモンスターやオブジェクト・エフェクト等のグラフィックの大部分を前作『夢をみる島』から流用しており、見た目的な変化はほとんど感じられない。 --元々前作の画面構成やグラフィックはGBのゼルダとして質が高く、前作に慣れ親しんだプレイヤーはほぼそのままの感覚で遊べる利点はあるものの、約8年の期間を経た続編にしては新鮮味の薄さは否めない。 ---特に雑魚モンスターは新規のものがほとんどおらず、一部は中ボスも流用されている。 -前作では多くの敵の攻撃力がハート1つ分だったが、今作ではハート半分に弱体化している。その代わりにダメージ時の無敵時間が少なくなっており、連続でダメージを受けやすい。ボスも前作より攻撃力は低めの物が多く、弱点を狙ったりアイテムを使い分けて攻略するという点に重きを置いた傾向がある。 --前作はHPの少ない序盤から強いキャラが多く(特にボス)、最初から挫折するプレイヤーも多くいたと思われるので適度な調整と言えるかもしれない。 -2本目の章でのリンクの強さがインフレ気味。 --『続きのお話』として遊ぶ2本目の章では初期ハートが+1される特典があるほか、1本目の章で手に入れた指輪がそのまま持ち越し可能。 ---それぞれの章では終盤に「剣の威力が倍になる」「受けるダメージが半分になる」といった超強力な指輪が入手できる隠し要素があるのだが、これらも前章で入手していればゲーム開始時から使えてしまう。 --前述のあいことばによる強化サブイベントも序盤から頻繁に発生するため、こなしていけばリンクの装備がどんどん充実していく。最強のLv3の剣も中盤辺りには入手可能。 --これらが合わさると雑魚モンスターはもちろんボスですら数回剣で斬っただけで勝ててしまったりと、ゲームバランス的にはやや過剰な強さになってしまう。 ---もっとも、連動要素によって戦闘を快適に済ませられるようになることそのものは一概に悪いことではなく、ボス戦も上述の通り「どのように攻略するか(どうやって剣でダメージを与えられる状態に持っていくか等)」に主眼を置いた趣が強いため、それほど大きく楽しみが損なわれるほどではないが。 ---- **問題点 -ストーリー面の格差。 --謎解きやアクション等、ゲーム性の面においては2作とも高い完成度を誇る本作であるが、ストーリー面に関しては2作間で露骨な格差が存在する。 #region((ネタバレ注意)) -『時空の章』では ネールの身体を乗っ取り過去の時代で暗躍する闇の司祭ベラン、元は善良な人物であったがべランに唆され利用されてしまう過去のラブレンヌの長アンビ女王、ネールを救うためにリンクとは別行動で邁進するネールの幼馴染ラルフと、敵方・味方ともにメインストーリーに大きく関わるキャラが複数存在する。 --リンクの目標はラブレンヌに散らばる8つのダンジョンを攻略し『時空のことわり』を集めることだが、要所でネールの救出・べランの野望の阻止を図るイベントが挿入され、王道ながらも熱いストーリーが展開される。 --過去の時代でベランが歴史を歪めていることでラブレンヌには様々な悪影響が及んでおり、物語の進行に応じてべランの計画が進むごとに町の状況も悪化の一途を辿っていくため、プレイヤーも使命感を駆り立てられる。~ -一方『大地の章』ではディン・ゴルゴン以外にメインストーリーに関わるキャラは(共通で登場するインパを除き)一切登場せず、物語に深く絡むイベントもほぼ起こらない。ヒロインであるディンもプロローグで攫われて以降はエンディングまで封印されたままであり思い入れが抱きにくい。 --印象的なキャラやイベントは存在するものの、彼らはリンクの「ホロドラムに四季を取り戻す」という目的に直接協力しているわけではないため、全編を通してやや孤独で寂しい冒険という印象を受けてしまう。 --四季が乱れて大地の恵みが失われつつあるホロドラムの様子も『時空の章』のラブレンヌの惨状と比べるとあまり危機感が感じられない。 --総じて『時空の章』との比較として見ても単品のAADVとして見てもかなり薄味なストーリーとなっており、物語性を重視するプレイヤーにとっては『大地の章』側だけ物足りないという奇妙な作りになっている。 #endregion -盾の存在意義が薄い。 --『夢をみる島』から継続する問題。『大地の章』『時空の章』共にジャンプができるようになるアイテムが最序盤のダンジョンで手に入ってしまうため、今作でも盾を構えて敵と戦う必要のある場面は少ない。 --結局のところ、2つしかないA・Bボタンにそれぞれ装備品を割り当てるGBゼルダのシステムと、その枠を1つ使ってしまう盾の仕様が噛み合っていない。『神々のトライフォース』のように常に前方に盾を構えているシステムであれば良かったのだが。 ---ちなみに本作ではリンクシステムを利用することで盾もLv3まで強化ができるのだが、今作のLv2の盾は前作で防げたビーム攻撃が防げなくなる弱体化をしており、Lv3でようやく前作Lv2基準の性能に追いつくだけになっている。 ---おまけにLv3の盾はアイテム欄では青くスタイリッシュな見た目をしているのに、実際に装備して構えると何故かLv2の盾と何ら変わらない見た目。とことん不遇である。 -進行に必須の一部のミニゲームの難易度が高い。 --『大地の章』『時空の章』ともにミニゲームの攻略が進行に必須となる場面がいくつか存在する。基本的にはアクション要素を活かしたゲームのため『ゼルダ』のプレイヤーであればそれほど難しくはないが、中にはアクション以外の要素を要求される上に難易度が高く詰まりがちなものも存在する。 --特に詰みポイントとして名高いのが『時空の章』中盤のゴロンダンス。お手本と同じ振り付けをA/Bボタンでタイミングよく刻むリズムゲームなのだが、ボタンを押すタイミングがシビア・お手本の振り付けパターンが多い・ノルマも厳しめ、とやたらと難しく、苦手なプレイヤーにとっては鬼門となる。 //-上記の評価点の裏返しとなるが、結局のところ、2本を遊んで初めて真のボスが登場するということはすなわち''「2本のソフトをプレイしないと完全クリアができない」''ということでもあり、リンクシステム自体も「2本のソフトを使った2周目プレイ」と見ることもできる。バージョン商法に対して否定的なスタンスを持つユーザーにとってはやはり抵抗感は否めないだろう。 //--ただ、上述のように単なるバージョン商法の作品と違ってしっかりと2本のソフトそれぞれで内容も差別化されており、両方購入して遊んでも損を感じさせないほどにしっかりと作られている。少なくともソフト2本分に見合うだけの価値はある。 //---片方のソフトだけクリアすると「あいつは敗れたが計画は進んでいる」と真のボスがいることをにおわせる形で終わる。 // →今作が2作別物の内容であることを鑑みると「2本のソフトを使った2周目プレイ」とは考えられないため、文を整理して"賛否両論点"へ移しました。 -「ハートのかけら」の入手条件に運の要素が強いものがある。 --一つは先に紹介した「ガチャの実」から入手するもの、もう一つはマップ上に時々あらわれる女の子「メイプル」とのアイテム争奪戦で入手するもので、どちらも一定の条件を満たせば出現するようになるのだが、必ずハートのかけらが出てくるとは限らない。 --また、この2つについてはゲーム中に一切ヒントがないため、気づかないと最後まですべてのハートのかけらが集まらないこともある。 //--一応リンクシステムを使った引継ぎ・2周目はボーナスとしてハートが4個で始まるため、かけらを全て集めなくてもハートを限界まで増やせるようにはなっている。 //引継ぎするとハートを15に出来る(前作の限界を超える)のでCO。 -ゲームを進めると『大地の章』ではムッシュの能力、『時空の章』ではウィウィの能力と同じアイテムが手に入るため、2匹が役立たずになってしまう(リッキーはどちらの章でも有用)。 --ただし上記「3匹の仲間」でも触れたが、一定区域を仲間を呼ばずに通り抜けられるというメリットも生まれる。もっとも突破した後はピューの実で越えられるのでこれも些細なことであるが。 -大地の章からの引き継ぎでないと時空の章のマップを全て埋めることが出来ない。 --そのエリアには洞窟があり、中にはここでしか入手できないゆびわがある。 -2周目の攻略が作業的になりがち。 --先述の通り、本作は『大地→時空』『時空→大地』のどちらの順で攻略したか(=どちらを『続きのお話』として遊んだか)によって見られるイベントが大きく異なる。そのため、この時期のゼルダシリーズにしては珍しく 全ての要素を回収するには2周(各章2回ずつ)のプレイが必須となる。 --2周目のプレイでも1周目で入手した指輪の引継ぎが可能なため攻略そのものは大幅に楽になり、1周目では見られなかったイベントも見られる点では変化はあるものの、本作のプレイ時間の大部分を占めるダンジョン攻略の内容は一切変わらないため、流石に作業感が強くなってしまう。 ---続けて2周目を遊ぼうとすると順番的に「先程クリアしたばかりの章をもう一度遊ぶ」ことになってしまうのもモチベーションを保ちづらい点。 --先述の『続きのお話』の特典の高難易度ダンジョン『勇者の洞窟』はゼルダファンであれば是非挑戦したい内容なのだが、大地側・時空側の2種類を制覇するためには2周目の2本目の章を終盤まで攻略する必要がある((完全制覇のために必要なアイテムを本編で入手する必要があるため。))ためなかなかハードルが高い。 -指輪の小箱バグ。 --「指輪の小箱」が合言葉でレベルアップしない場合がある。 --L-1からL-2にする分には問題ないが、すでにL-2の状態だとL-3にならない。 --コンプリートを目指す場合、発生してしまったが最後、モヤモヤと虚無感だけが残る。 ---- **総評 二つのバージョンによって発売されるという大胆な試みがゼルダシリーズにおいてなされた。~ バージョン分けには賛否あるが、内容は全く違うといってもいいレベルであり、両方買っても割高感は感じられない。~ 根本的なところはいつものゼルダであり、任天堂作らしい万人向けの高水準なゲームである。~ かといってマンネリはなく、時間や季節を変えながら進むというのは斬新である。ゼルダファンならばプレイしておくべき一(二)作であろう。 ---- **余談 -本作はもともと初代『[[ゼルダの伝説]]』のリメイク版として開発される予定で、トライフォースにちなんだ「力の章」「勇気の章」「知恵の章」((本作に登場する巫女の名前はハイラルを創造した三女神ディン・ネール・フロルに由来する。))の3バージョンで構成されていたが、最終的に「力の章」が『大地の章』、「知恵の章」が『時空の章』となった。最終的に2バージョンになったのは、3バージョンだと入力する「あいことば」が長くなってしまうなどの難点があったからだという。 --本作にはいくつかその名残があり、『大地の章』のフィールド画面やボスの大半が初代『ゼルダの伝説』から流用されている。また、「勇気の章」に登場する予定だった巫女フロルが「あいことば」を入力する場所で「あいことばの巫女」として登場している。ちなみに、本作に登場した巫女たちは後に『[[ゼルダの伝説 ふしぎのぼうし]]』にゲスト出演している。 -本作のタイトルである『ふしぎの木の実』は作中では単なる消費アイテムであり、2作品を通して多岐にわたって活躍するものの、「四季のロッド」「時のたてごと」のような特別ストーリーに深く関わる重要アイテムというわけではなかったりする。 -本作のガノンは魔獣ガノンとしての姿しか登場しないが、実はガノンドロフとしての幻のデザイン案が存在する。『[[時のオカリナ>ゼルダの伝説 時のオカリナ]]』のガノンドロフに近いデザインで、使われることが一切なかったのが惜しいところ。 -本作はゼルダシリーズの時系列のどこに位置するのかがはっきりしておらず、本作の「リンク」の経歴も作中では一切語られなかった。ただし当時のゲーム雑誌での紹介やリンクの描写から「『[[神々のトライフォース>ゼルダの伝説 神々のトライフォース]]』と関係があるのでは?」という考察はあった。 --その後、2011年に発売されたファンブック『ハイラル・ヒストリア』で公式の時系列が判明した。それによると、~ ''『神々のトライフォース』→『ふしぎの木の実』→『夢をみる島((真エンドでリンクがホロドラム(又はラブレンヌ)から小舟で大海原に旅立つシーンが挿入されていたことから、スタッフ自身当時からこの時系列を想定していたと思われる。))』''~ という流れ。つまりデザインはやや異なるが、本作のリンクと『神々のトライフォース』のリンクは同一人物である。~ …とされてきたが、2017年に発売された『ハイラル百科』にて''『神々のトライフォース』→『夢をみる島』→『ふしぎの木の実』''~ と神々のトライフォースとは別の時代が舞台であり、リンクも別人という設定に変更された。 ---本作のゼルダはリンクと初対面のため、その矛盾を解消するための変更と思われる。 -「あくまのゆびわ」という指輪を装備すると、''「剣の攻撃力半減・被ダメージ2倍」''という完全なデメリットだけが発動する。これだけを見ると誰得アイテムのようだが、よくよく考えてみると「指輪1つでプレイヤーが意図的にゲームの難易度を変えられる」という事である。ゼルダシリーズでは「ハートの器(かけら)」の有無で事実上の難易度選択が行えるのがおなじみだが、公式側から更にこのような形で提示されるケースは珍しい。 -大地の章の「水びたしの村」にある空き家は、村の外にいるボスブリンを倒すとボスブリン一味が住み着くようになり、再起のためにせっせと爆弾を作る様子が見られる。 --実はこの爆弾、アチチの実かバクダンで起爆し、爆発するまで家の中にいると''ゲームオーバーになる''。~ 家から出るとボスブリン一味が逃げ出した後に家が壊れるのだが、画面を切り替えると何事もなかったかのように復活している。 ---そしてこれを何度か繰り返すと、起爆の瞬間に気づかれた後、子分に捕まり壁に叩きつけられて''操作不能となり、そのまま大爆発で壊れる家と運命を共にすることとなる。''~ もちろん、ゲームオーバーである。 -『夢をみる島』と同じく本作にも他作品からのゲスト出演があり、大地の章には『時のオカリナ』から、時空の章には『ムジュラの仮面』からキャラクターが登場している。また、『夢をみる島』のキャラクターも多数ゲスト出演している。 -バーチャルコンソールはGBCで動かしていることになっている為、GBAでプレイしている時にのみ入手出来る指輪を入手することが出来ない。 --どうしても手に入れたい場合はあらかじめ実機で入手したデータを用意し、あいことばで引き継ぎプレイを行うか、ネットで公表されているあいことばを利用するしかない。 -「ゼルダ」という任天堂看板ソフトがカプコン開発なのは、「スタッフのゼルダ好きが高じて「うちでゼルダの伝説を作らせてくれ! 駄目だというならゼノレダ(ぜのれだ)の伝説っていうソフト作る!」と押しかけたから」だという。 --ちなみにカプコンは以前にSFCで『グーフィーとマックス 海賊島の大冒険』という、見た目も操作もゼルダそっくりなアクションゲームを開発したことがある。 --なお、本作と『ふしぎのぼうし』のディレクターは後に任天堂に移籍し、『[[スカイウォードソード>ゼルダの伝説 スカイウォードソード]]』や『[[ブレス オブ ザ ワイルド>ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド]]』などの2010年代主要作品のディレクターを務めている。

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