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--打撃とは殴りや蹴りといった攻撃であり、投げとは相手を掴み、投げる攻撃であり、ホールドは言ってしまえばカウンターのような所作となる。これはシリーズでおなじみとなっており、ホールドこそが本シリーズの特徴といっても良い。 --これらの攻撃方法は三すくみの関係であり「打撃は投げに強い」「投げはホールドに強い」「ホールドは打撃に強い」性質を持っている。 ---この三すくみによるプレイヤー同士の駆け引きは本シリーズの醍醐味となっている。 --実際の対戦においても、例えば打撃一辺倒で攻めようとしてもホールドで簡単に覆される。技術だけでなく読み合いが必要になる。 ---但し、本作ではホールドが弱化、結果として打撃重視のバランスとなってしまったため、他の格闘ゲームほどではないが、コンボなどの重要性が増している。 -パワーブローは体力が半分以下の時に溜めて利用することでガードブレイク+大ダメージを与える必殺技。 --また吹き飛ばす方向を選ぶことが可能であり、このとき専用のアニメーション演出が入る。 -サイドステップは素早く画面の手前や奥に移動する。攻撃を回避することも可能であるが投げに対しては弱い。 -クリティカルバーストはクリティカル状態((クリティカル状態になると、ガードやホールドといった回避行動が一切とれなくなる。))を誘発する攻撃であり、スキの大きいパワーブローをヒットさせるためにも有効な攻撃手段である。 -対戦とは直接関係ないが、動き回ったり攻撃したりすることでキャラクターは汗をかき、服が濡れたり、場合によっては透けたりする。 -また、ダメージを受けたり、地面に倒れたりすることでキャラクターの服や肌が汚れる、といった描写もされる。 --これらは対戦中はよくみないと分からないが、ポーズして拡大したり、ムービーを確認したりするとよく分かる。 -女性キャラクターの場合は(ほぼ全員)胸が大きいため、''よく揺れる''。設定で揺れを減らすことも出来るが、逆にものすごく揺れるモードもある。 -試合結果はリプレイとして残せる他、写真として保存することも可能。 --写真はアングルやカメラの距離などを変更して撮ることができる。 **評価点 ''キャラクターのきめ細かな描写'' -『4』までの半アニメ調のキャラクターモデルから一新し、リアリティが増した。 --分かりやすく言えば『[[真・三國無双シリーズ>無双シリーズ]]』と似ている。 -グラフィック面でいえばPS3/Xb360の作品としてもトップクラスの出来といえる。 -汗をかいたり、汚れたりするといったリアリスティックな描写は先に述べたとおりであるが、表情の変化もしっかりとしている。対戦中はそれほど気にならなくとも、リプレイなどで確認してみるとよく分かる。 -服などもキャラクターの動きに合わせてしっかりと動く。場合によっては下着が見えることもある。 ''初心者でも取っつきやすい'' -複雑なコンボを覚えるよりも重要なことは三すくみを覚えることであり、取っつきやすい。 -ボタンごとに打撃、投げ、ホールドが分けられているため、どのような行動をする時にどのボタンを押せば良いかが分かりやすい。 -複雑なコマンド入力があまりないため、初心者でも取り敢えず触っていると技が出せ、適当にやっているだけでもそこそこ戦える(初心者同士、低レベルのCPU相手なら)。 ''リプレイ機能で写真を撮れる'' -対戦でリプレイを残すと、自由に一時停止し、写真を撮ることが出来る。 --アングルなどは変更がきくが、ある程度の制約はある。 **賛否両論点 ''ホールドの弱体化'' -ホールドが弱くなったことによって打撃重視のバランスとなってしまった。 --三すくみでホールドが弱くなったということは必然的に打撃が強くなっており、折角の読み合いが損なわれてしまったことを批判する者も。 --一方で読み合いだけでなくプレイヤーの実力も必要となったため、これを評価する者もおり、賛否が分かれている。 ''コマンドトレーニングが不親切'' -トレーニングではコマンドを入力して技を出す練習が出来る。 --しかしながら、課題の中で「(後ろ向きで)」といったコマンドが存在する場合があるが、肝心の後ろ向きになる方法を教えてくれない。 --初心者ならあまり気にすることもないのだが、キャラによっては状態(前向き、後ろ向きなど)を変化させることが出来る場合がある。これらの変化方法もキャラによって異なるため、極めようとすると途端に難しくなる。 --お手本でも「後ろ向きであることは前提」として技を出してくれるため、結果として後ろ向きになる方法は自分で調べるしかなく、かなり不親切である。 **問題点 ''難易度の設定が雑'' -難易度が全部で8段階と非常に多くなっている……が。 --高い難易度は前作でも問題になったような「超反応」を見せてくる。 --流石に前作ほどの理不尽さはなくなっているが、やはり、コンピューターらしい超反応が見受けられることは間違いない。 --逆に低い難易度になると、まるで接待プレイをしているかのように動いてくる。結果としてちょうど良い難易度を見つけづらくなっている。 ''ストーリーが分かりづらい'' -ゲームの進行に応じて視点となるキャラクターが変化するが、このため、非常に分かりづらいものとなってしまっている。 --一つ一つのストーリーが短く、描写も最小限、そして気付けば次のキャラクターとなっているため、理解し辛い。 --一応時間軸のようなものは付けられているのだが、読み解きにくいことに変わりはない。 ''オンライン周りの不具合が多い'' -現在はパッチによって修正がされているが、オンライン周りの不具合は少なくない。 --ラグやグレードポイント(強さのレーティング)の不具合、条件を指定してもそれ以外のプレイヤーとマッチングしたりといった不具合など、オンライン絡みでの問題点はかなりあった。 ---パッチによる修正は見られているが、オンライン関係に対する技術力不足からか、後の『5U』や『5LR』でも同じような不具合が出ている。 ''ダウンロードコンテンツ(DLC)のコスチュームが多い'' -ゲーム内のキャラクターの衣装の他に、DLCのコスチュームが配信されているが、かなり数が多い。 --しかも、1キャラクターの1コスチュームが300円程度であるため、全て購入しようとするとソフトを軽く超える費用が必要となる。 ---当たり前といえば当たり前かもしれないが、コスチュームの配信量は男性キャラクターと女性キャラクターでかなり違う。 --もちろん、「買わなければいいだけ」ではあるのだが、あまりにも数が多いため槍玉に挙がることが多い。 ---デフォルトで用意されているコスチュームがカラーバリエーションだったり、なんとも微妙な出来のものが多いだけに尚更。 **総評 7年ぶりの新作ということでキャラクターのモデリングは大幅な向上が見られる。格闘ゲームということでそこまで見る余裕がなくとも、美しいグラフィックと艶めかしいキャラクターはすばらしいの一言である。~ 一方でゲームシステムそのものは旧作において作られた三すくみのシステムをベースとしたものであり、取っつきやすいのは事実であるが、新要素に乏しい。~ 他の格闘ゲームと比較した場合に、初心者でも取っつきやすいシステムと美麗なグラフィックは十分強みであるのだが、他の格闘ゲームと比べて決して上達しやすいというわけではない点には留意が必要である。~ 前作での理不尽なまでのコンピューターの強さは改善されてはいるものの未だ不十分であり、折角難易度を8段階に分けた割には調整が雑である。~ ウリとなっているオンラインの対戦も現在ではパッチによって改善されているが、発売当初は不具合も多く、ユーザーの要求に応えられていたとは言いがたい。~ その一方で、DLCによるコスチュームの販売には余念がなく、全て買いそろえようとすると何万という金額が必要になり、この悪印象から評価が悪くなっている面もある。~ 女の子は可愛く、(初心者にとっては)プレイしやすい格闘ゲームということであり、キャラクターに興味があるならば楽しめるだろう。~ ただし、オンライン対戦を一切しないとなると、出来るモードの少なさもネックになるため飽きが来やすいゲームとなってしまう。~ 友人がいるならば一緒にプレイできないこともないが、ゲームの内容がゲームの内容だけに変な目で見られてしまう可能性があるのも難点といえるだろう。 ---- *DEAD OR ALIVE 5 Ultimate 【でっど おあ あらいぶ ふぁいぶ あるてぃめっと】 //以降共通部分は割愛します。 |発売日|2013年9月5日|&amazon(B00CYA7354)| |定価|パッケージ版:5,800円&br;ダウンロード版:5,143円(共に税別)|~| |判定|なし|~| |備考|基本無料版あり|~| |ポイント|新キャラクター、新システムが若干追加されたマイナーチェンジ&br;基本無料版というプレイスタイルは斬新&br;マイナーチェンジなのにフルプライス|~| **概要 -2012年9月27日に発売された『5』のマイナーチェンジ版。基本システムはそのままに新キャラ、新ステージ、新システムといった要素がある。 --同じくコーエーテクモゲームスから同年同月に『[[無双OROCHI2 Ultimate]]』が発売された。Ultimateが共通なだけであんまり関連性はないが。 ---ただ、無双側には本作から『かすみ』『あやね』『リュウ・ハヤブサ』と『レイチェル』((ただし、レイチェル自身はNINJA GAIDENのキャラクターとして本作に参戦したキャラクター。))が登場し、本作側には無双のキャラクターの衣装のプロダクトコード(初回限定、後にDLCで有料配信された)がつき、相互にコラボはしていた。 -マイナーチェンジであるが、『5』を持っているユーザーに対する割引は一切なし。 --『5』のデータの引き継ぎやDLCの利用は可能。 -基本無料版がダウンロード限定で配信。利用出来るキャラクターなどの制限はあるが、対戦回数などの制限はなく、製品版とも対戦可能。 **追加システム -新キャラクターとして「紅葉」と「レイチェル」が『NINJA GAIDEN』から、「ジャッキー・ブライアント」が『バーチャファイター』から参戦。 -チームバトルモードが追加。 -パワーランチャーが追加。相手を打ち上げることが出来る必殺技であり、空中でコンボをつなげることが出来る上級者向けのシステムといえる。 **評価点 ''基本無料版というプレイスタイルの提供'' -格闘ゲームのネックというべき「初心者がプレイし辛い環境」に対する一つの打開策といえる。 -使えるキャラクターが非常に限られている、コスチュームも限られているといった制約はあるが、オフライン対戦、オンライン対戦共に回数制限はない。 --製品版ともオンライン対戦出来るため、使用できる4人が好きなキャラであるなら、基本無料版でも然したる問題はない。 -ストーリーモードはロックされているが、&strike(){ぶっちゃけあってないようなものなので問題はない。}; -興味があれば取り敢えず触ってみるだけ触ってみることが出来るのは、格闘ゲームという間口が狭い作品においては大きいといえる。 -基本無料版では気に入ったキャラクターのみを有料でアンロックするといったことも可能なので、取り敢えずこのキャラが使いたい、というのが決まっていれば製品版を買わずに基本無料版で特定キャラのみをアンロックするのも手。 **問題点 ''『5』を持っていたユーザーに対する企業態度の悪さ'' -ゲームのシステムそのものはほとんど変わっていない。にも関わらず6,000円というフルプライス。 --同社の作品の完全版としては無双シリーズの猛将伝がよく挙げられるが、あちらと比べても追加要素が少ない。猛将伝の方が遙かに良心的に見えるレベル。 --『5』を持っているユーザーに対するフォローも一切なし。『5』と『5U』の間ではオンライン対戦が不可能であるため尚更不満が多い。 -しかも、後にアーケード版で追加された「マリー・ローズ」「Phase-4」「女天狗」については有料DLCである。 -また、新キャラクターが登場しているのにも関わらずストーリーモードに一切の追加要素はない。 #region(完全版商法に関する補足) >格闘ゲームにおいて、完全版と題して後でマイナーチェンジバージョンが発売されるのは決して珍しい話ではない。~ しかしながら、DOAシリーズにおいては『2』においてデバッグが未完成のものを出してしまった過去を持ち、『2』は何度もバージョンアップ版が発売された。~ その反省を活かしてか、『2』の最後を締めくくったといえる『DOAU』においては『3』のキャラクターである「ヒトミ」が利用可能であったり、大量のコスチュームが追加されたりといった大盤振る舞いであった。~ なお、インタビューにおいて当時のTeam NINJAの板垣氏は「長らくお待たせしたお詫びとしてヒトミを利用可能とした」と述べている。 >この『DOA2』の反省点からか、『DOA3』『[[DOA4>DEAD OR ALIVE 4]]』においてはアップデートバージョンを出すことなく一本の作品としてまとめ上げている。~ 『DOA4』においては後にアップデートバージョンとしてオンラインバージョンがダウンロード版として登場しているが、こちらは無料の追加となっている。~ 要するに、本シリーズでは『2』の失敗以後は一発で作品を作り上げ、俗に言う完全版は出さない、というスタイルといえる。~ 『4』はCPUの強さなどから本wikiでは「不安定」の評価がされているが、それでも、対戦のバランスなどは十分練られていたことは注目すべき要素といえるだろう。 >さて、ここで板垣氏退社後のTeam NINJAが開発した『5』つまり、本作になるのだが、この『2』における失敗を忘れてしまったように、わずか1年弱で一度目のバージョンアップである『5U』を、~ そして、更に1年半後には二度目のバージョンアップである『5LR』を発売するに至っている。~ しかも、ファンをバカにしているようなフルプライスであり、「ファンの方に楽しんでもらいたくて」出したというより「新しくしたから是非また買って欲しくて」出したという印象が強い。~ これが2回も行われたことが、完全版を出したことでファンが憤怒する理由となっている。 #endregion() **総評 新キャラクター追加、ちょっとしたゲームモードの追加、パワーランチャー追加……で、フルプライスと『5』を持っていないプレイヤーであれば『5』より安価で追加要素を楽しむことが出来るため、ややお得感のあるソフトかも知れない。~ しかしながら、『5』を持っているプレイヤーからすれば、ほんの少しの追加要素で6,000円近くも取られるのだからたまったものではない。~ 正直、追加要素だけをみるならば、有料であっても1,000~2,000円程度のDLCで対応可能なレベルである。~ 事実、ACからキャラが追加されたり、ステージが追加されたりしたことを思えば、皮肉にもメーカー自身が「DLCでも出来たけど、敢えてパッケージで出したよ」とでも言わんことをしているのが一目瞭然となっている。~ 追加の収録コスチュームもなく、パワーランチャーも、実質あってもなくてもそれほど変わらないシステムとなってしまっており『5』をプレイ済みのユーザーからは酷評が目立つ。~ 『5』非所持者はともかく、所持者であれば値段に見合うだけの内容を期待するのは無駄といえる。 ---- *DEAD OR ALIVE 5 Last Round 【でっど おあ あらいぶ ふぁいぶ らすと らうんど】 |対応機種|プレイステーション3、プレイステーション4、&br;XboxOne、Windows(Sterm)|&amazon(B00OU9E8EG)| |発売日|【PS4/One/PS3】2015年2月19日&br;【Win】2015年3月31日|~| |定価|パッケージ版:【PS4/One】6,800円/【PS3】5,800円&br;ダウンロード版:【PS4/One】6,000円/【PS3】5,143円&br;【Win】6,800円(全て税別)|~| |判定|なし|~| |ポイント|まさかの2度目のマイナーチェンジ&br;PS4とOneでは''やわらかエンジン''の導入&br;旧世代機は名前だけのLR|~| **概要 -『5』2度目のマイナーチェンジ。『5U』で完全版だと思っていたプレイヤーの多くを(悪い意味で)驚かせた。 --次世代機であるPS4とXboxOne、そしてSteamでWin版が配信されており、対応プラットフォームは4種類となった。 ---Xb360については『5LR』としての販売はされていないが、『5U』を無料アップデートすることで『5LR』となる。 ---PS3版も同様に『5U』を持っていれば無料アップデートで『5LR』にすることが出来る。''但し、PS3/Xb360共に無料アップデートでは追加要素は一切反映されない。'' --次世代機では''やわらかエンジン''なるものが導入されており、肌の質感などが更にクオリティアップしている。 ---PS3及びXb360版だけでなく、Win版であってもこのやわらかエンジンは導入されていない。というよりもPS4版、One版より画質等が劣る。 **新要素 ***全機種共通 -新キャラクターとして「ほのか」が追加。また、DS版の『DOAD』より「雷道」が追加され、キャラクターは2キャラ増えた。 --但し、新キャラクターのほのかの技は既存キャラクターの技を組み合わせたものであるため、目新しさには欠ける。 --『5U』からのアップデート版の場合、これらのキャラクターは有料DLCとなる。 ***PS4版/One版/Win版 -女性キャラクターに髪型が追加された。 ***PS4版/One版 -旧作のステージをアレンジしたステージが2つ追加された。 -やわらかエンジンの導入。これにより、肌の質感が増した。 --じっくり見比べないと分からない程度であるが、公式サイドでは、この導入をかなり大々的に推していた。 -各ステージのエフェクトが派手になった。 -閃乱カグラのコラボコスチューム(有料DLC)においてコスチューム破壊((原作準拠のシステムと思われる))のギミックが導入された。 **評価点 実質''ない''といってしまいたいところであるが、敢えていうなら、PS4やOneといった次世代機やPCで発売されたため、これらのプラットフォームでプレイ出来るようになったこと。~ また、『5』や『5U』のDLCコスチュームが一部収録されているため、(これらを購入していないプレイヤーにとっては)評価点だろう。 **問題点 ''基本的な部分の追加などがほぼない'' -『5U』もそうだが、キャラの追加やステージの追加、コスチュームの追加以外のゲームシステム面での追加要素はほとんどない。 -ストーリーモードも『5』と変わらず。『5U』『5LR』の追加キャラクターのストーリーは一切語られない。 --『5U』で追加され、人気を博したと思われる「マリー・ローズ」は本作のパッケージイラストにも起用されているが、こちらもストーリーモードに登場しない。 ''名ばかりの無料アップデートと旧世代機の切り捨て'' -PS3とXb360では、『5U』を持っていれば無料アップデートで『5LR』にアップデートされる、と謳われているが……。 --結局のところ、追加要素は入らない。『5LR』のプレイヤーと対戦可能になるだけである。 --やわらかエンジン自体もこれらのハードでは未実装。新コスチュームもなし、髪型も同様。新ステージもなし。敢えて言うならタイトルが変わるだけである。 --というより製品版自体も一緒であるが、PS3の場合、追加要素はほぼない。『5U』との違いは、「マリー・ローズ」等の無料追加くらいのものである(無料アップデートの場合は当然この追加もない)。 -結局新要素の大半はPS4/One版でないと楽しめない。 ''相変わらずのユーザー軽視の企業態度'' -PS4とOne版では髪型や新ステージの追加、そして目玉システムのやわらかエンジンの実装などの追加要素があるが……。 -上述の無料アップデートはあくまで「PS3」「Xb360」で『5U』を『5LR』にアップデートする、といったものであり、PS3で『5U』を持っていてもPS4で『5LR』にアップデート出来るわけではない。 --つまり、''『5』『5U』を持っていても新要素を楽しむにはまたフルプライスの出費を強要''される。 ---PS3で購入したDLCはPS4で使えるし、Xb360で購入したDLCはOneでも使える。当たり前のことかもしれないがその当たり前さえ出来てるかが不安に思えるので一応。 -『5U』と同様だが、追加要素自体にフルプライスを出すのは非常に高いと思える価格設定。しかも2度目であるため、ユーザーの不満は殊更大きい。 ''家庭用版に劣るWin版'' -性能次第では最高設定で遊べるはずのWin版がPS4/One版より劣る内容になっている。 --具体的に画質はPS3/Xb360準拠。一部PS4/One準拠の部分もあるが、そもそも、性能次第でPS4/Oneを凌駕するはずのWin版で旧世代機を準拠にしていることがおかしい。 ---本作は格闘ゲームであるが、正直「女性キャラクターの魅力を前面に押し出した作品」であるため、Win版の美麗なグラフィックに期待したプレイヤーが数多かったであろうことを補足しておく。 -2015年発売のPCゲームだが「キーコンフィグ」((PCのキーボード操作に利用するキーを変更するシステム))にすら未対応。流石に手抜き感が漂う。 -発売後3ヶ月以内にパッチで対応するとしていたオンラインモードは半年以上経った2015年9月27日現在βテスト版となっており、''正式対応していない''。 --『5』や『5U』の時のオンラインモードの不具合でもわかりきっているが、Team NINJAのオンライン技術の不足が露骨に現れてきた格好といえる。 **総評 ただでさえ、『5U』の時のユーザーを小馬鹿にしたような完全版商法でユーザーの怒りや落胆が大きかった中において、更に追い打ちを掛けた作品。~ 『5U』の時と同様に既にプレイしていたユーザーを嘲笑うかのような少ない追加要素、それに見合わぬフルプライスに多くのファンが憤怒した。~ そもそも、『5』の時点で高いグラフィック性能を誇っていたため、次世代機で発売された『5LR』もグラフィック面で飛躍的な進歩を遂げたわけでもなく、メーカー一押しのやわらかエンジンも、しっかりと見比べてみないと分からない程度のものであるため、『5U』を持っているプレイヤーであれば、ソフトを買うお金でコスチュームを買った方がよい、とさえ言われる出来となってしまっている。~ 『5U』でもそうなのだが、作品そのものが悪いわけではない。『5』『5U』を共にプレイしたことがないプレイヤーであれば、十分にオススメは出来る作品である。~ しかしながら、既にこれらを持っているプレイヤーが、改めてこのソフトを買う価値があるかと聞かれれば正直ないだろう。~ 2015年9月現在では『6』が発表されていないため、この『Last Round』が『5』の本当の完全版であるかは分からない((DEAD OR ALIVE 6が発表されれば、おそらく5シリーズは完結したと考えていいと思われるため))が、DOAシリーズにとっての『Last Round』になってしまわないことを切に願うほどに、ファンの感情を逆撫でした作品であることは間違いない。
「[[修正依頼]]」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。 ---- このページでは『DEAD OR ALIVE 5』及びそのアッパーバージョンである『DEAD OR ALIVE 5 Ultimate』(5U)『DEAD OR ALIVE 5 Last Round』(5LR)について解説する。 // 5+及び5UACについては執筆者未プレイなので省略します。 ---- #contents(fromhere) ---- *DEAD OR ALIVE 5 【でっど おあ あらいぶ ふぁいぶ】 |ジャンル|格闘|&amazon(B0088VH6OG)| |対応機種|プレイステーション3、Xbox360|~| |発売元|コーエーテクモゲームス|~| |開発元|コーエーテクモゲームス(Team NINJA)|~| |発売日|2012年9月27日|~| |定価|パッケージ版:7,800円&br;ダウンロード版:【PS3】7,048円/【Xb360】6,858円(全て税別)|~| |レーティング|CERO:D(17才以上対象)|~| |判定|なし|~| |ポイント|グラフィックが大幅に進化&br;艶めかしいほどの汗や汚れの描写&br;露骨なDLC商法と完全版(?)商法|~| |>|>|CENTER:''[[DEAD OR ALIVEシリーズリンク>DEAD OR ALIVEシリーズ]]''| **概要 -早矢仕洋介率いる新生Team NINJAによる3D格闘ゲーム『DEAD OR ALIVE』シリーズの第5弾。 --前作より7年ぶりの新作で、本作はマルチプラットフォームとなっている。PS系のハードとしては『[[2>DEAD OR ALIVE 2]]』以来12年ぶりの登場。 -グラフィックが旧作から大きく進化しモデリングも一新されている。汗や水で濡れたり、ダメージを受けることで汚れていったりとリアリスティックな「生っぽい」「色っぽい」描写が増えている。 -パワーブロー、サイドステップ、クリティカルバーストといった要素が追加 -全て買おうとするとソフトの値段を軽く凌駕するダウンロードコンテンツのコスチュームの多さは批判が多い。 **システム -本シリーズの攻撃方法は大きく分けて「打撃」「投げ」「ホールド」の3種類となる。 --打撃とは殴りや蹴りといった攻撃であり、投げとは相手を掴み、投げる攻撃であり、ホールドは言ってしまえばカウンターのような所作となる。これはシリーズでおなじみとなっており、ホールドこそが本シリーズの特徴といっても良い。 --これらの攻撃方法は三すくみの関係であり「打撃は投げに強い」「投げはホールドに強い」「ホールドは打撃に強い」性質を持っている。 ---この三すくみによるプレイヤー同士の駆け引きは本シリーズの醍醐味となっている。 --実際の対戦においても、例えば打撃一辺倒で攻めようとしてもホールドで簡単に覆される。技術だけでなく読み合いが必要になる。 ---但し、本作ではホールドが弱化、結果として打撃重視のバランスとなってしまったため、他の格闘ゲームほどではないが、コンボなどの重要性が増している。 -パワーブローは体力が半分以下の時に溜めて利用することでガードブレイク+大ダメージを与える必殺技。 --また吹き飛ばす方向を選ぶことが可能であり、このとき専用のアニメーション演出が入る。 -サイドステップは素早く画面の手前や奥に移動する。攻撃を回避することも可能であるが投げに対しては弱い。 -クリティカルバーストはクリティカル状態((クリティカル状態になると、ガードやホールドといった回避行動が一切とれなくなる。))を誘発する攻撃であり、スキの大きいパワーブローをヒットさせるためにも有効な攻撃手段である。 -対戦とは直接関係ないが、動き回ったり攻撃したりすることでキャラクターは汗をかき、服が濡れたり、場合によっては透けたりする。 -また、ダメージを受けたり、地面に倒れたりすることでキャラクターの服や肌が汚れる、といった描写もされる。 --これらは対戦中はよくみないと分からないが、ポーズして拡大したり、ムービーを確認したりするとよく分かる。 -女性キャラクターの場合は(ほぼ全員)胸が大きいため、''よく揺れる''。設定で揺れを減らすことも出来るが、逆にものすごく揺れるモードもある。 -試合結果はリプレイとして残せる他、写真として保存することも可能。 --写真はアングルやカメラの距離などを変更して撮ることができる。 **評価点 ''キャラクターのきめ細かな描写'' -『4』までの半アニメ調のキャラクターモデルから一新し、リアリティが増した。 --分かりやすく言えば『[[真・三國無双シリーズ>無双シリーズ]]』と似ている。 -グラフィック面でいえばPS3/Xb360の作品としてもトップクラスの出来といえる。 -汗をかいたり、汚れたりするといったリアリスティックな描写は先に述べたとおりであるが、表情の変化もしっかりとしている。対戦中はそれほど気にならなくとも、リプレイなどで確認してみるとよく分かる。 -服などもキャラクターの動きに合わせてしっかりと動く。場合によっては下着が見えることもある。 ''初心者でも取っつきやすい'' -複雑なコンボを覚えるよりも重要なことは三すくみを覚えることであり、取っつきやすい。 -ボタンごとに打撃、投げ、ホールドが分けられているため、どのような行動をする時にどのボタンを押せば良いかが分かりやすい。 -複雑なコマンド入力があまりないため、初心者でも取り敢えず触っていると技が出せ、適当にやっているだけでもそこそこ戦える(初心者同士、低レベルのCPU相手なら)。 ''リプレイ機能で写真を撮れる'' -対戦でリプレイを残すと、自由に一時停止し、写真を撮ることが出来る。 --アングルなどは変更がきくが、ある程度の制約はある。 **賛否両論点 ''ホールドの弱体化'' -ホールドが弱くなったことによって打撃重視のバランスとなってしまった。 --三すくみでホールドが弱くなったということは必然的に打撃が強くなっており、折角の読み合いが損なわれてしまったことを批判する者も。 --一方で読み合いだけでなくプレイヤーの実力も必要となったため、これを評価する者もおり、賛否が分かれている。 ''コマンドトレーニングが不親切'' -トレーニングではコマンドを入力して技を出す練習が出来る。 --しかしながら、課題の中で「(後ろ向きで)」といったコマンドが存在する場合があるが、肝心の後ろ向きになる方法を教えてくれない。 --初心者ならあまり気にすることもないのだが、キャラによっては状態(前向き、後ろ向きなど)を変化させることが出来る場合がある。これらの変化方法もキャラによって異なるため、極めようとすると途端に難しくなる。 --お手本でも「後ろ向きであることは前提」として技を出してくれるため、結果として後ろ向きになる方法は自分で調べるしかなく、かなり不親切である。 **問題点 ''難易度の設定が雑'' -難易度が全部で8段階と非常に多くなっている……が。 --高い難易度は前作でも問題になったような「超反応」を見せてくる。 --流石に前作ほどの理不尽さはなくなっているが、やはり、コンピューターらしい超反応が見受けられることは間違いない。 --逆に低い難易度になると、まるで接待プレイをしているかのように動いてくる。結果としてちょうど良い難易度を見つけづらくなっている。 ''ストーリーが分かりづらい'' -ゲームの進行に応じて視点となるキャラクターが変化するが、このため、非常に分かりづらいものとなってしまっている。 --一つ一つのストーリーが短く、描写も最小限、そして気付けば次のキャラクターとなっているため、理解し辛い。 --一応時間軸のようなものは付けられているのだが、読み解きにくいことに変わりはない。 ''オンライン周りの不具合が多い'' -現在はパッチによって修正がされているが、オンライン周りの不具合は少なくない。 --ラグやグレードポイント(強さのレーティング)の不具合、条件を指定してもそれ以外のプレイヤーとマッチングしたりといった不具合など、オンライン絡みでの問題点はかなりあった。 ---パッチによる修正は見られているが、オンライン関係に対する技術力不足からか、後の『5U』や『5LR』でも同じような不具合が出ている。 ''ダウンロードコンテンツ(DLC)のコスチュームが多い'' -ゲーム内のキャラクターの衣装の他に、DLCのコスチュームが配信されているが、かなり数が多い。 --しかも、1キャラクターの1コスチュームが300円程度であるため、全て購入しようとするとソフトを軽く超える費用が必要となる。 ---当たり前といえば当たり前かもしれないが、コスチュームの配信量は男性キャラクターと女性キャラクターでかなり違う。 --もちろん、「買わなければいいだけ」ではあるのだが、あまりにも数が多いため槍玉に挙がることが多い。 ---デフォルトで用意されているコスチュームがカラーバリエーションだったり、なんとも微妙な出来のものが多いだけに尚更。 **総評 7年ぶりの新作ということでキャラクターのモデリングは大幅な向上が見られる。格闘ゲームということでそこまで見る余裕がなくとも、美しいグラフィックと艶めかしいキャラクターはすばらしいの一言である。~ 一方でゲームシステムそのものは旧作において作られた三すくみのシステムをベースとしたものであり、取っつきやすいのは事実であるが、新要素に乏しい。~ 他の格闘ゲームと比較した場合に、初心者でも取っつきやすいシステムと美麗なグラフィックは十分強みであるのだが、他の格闘ゲームと比べて決して上達しやすいというわけではない点には留意が必要である。~ 前作での理不尽なまでのコンピューターの強さは改善されてはいるものの未だ不十分であり、折角難易度を8段階に分けた割には調整が雑である。~ ウリとなっているオンラインの対戦も現在ではパッチによって改善されているが、発売当初は不具合も多く、ユーザーの要求に応えられていたとは言いがたい。~ その一方で、DLCによるコスチュームの販売には余念がなく、全て買いそろえようとすると何万という金額が必要になり、この悪印象から評価が悪くなっている面もある。~ 女の子は可愛く、(初心者にとっては)プレイしやすい格闘ゲームということであり、キャラクターに興味があるならば楽しめるだろう。~ ただし、オンライン対戦を一切しないとなると、出来るモードの少なさもネックになるため飽きが来やすいゲームとなってしまう。~ 友人がいるならば一緒にプレイできないこともないが、ゲームの内容がゲームの内容だけに変な目で見られてしまう可能性があるのも難点といえるだろう。 ---- *DEAD OR ALIVE 5 Ultimate 【でっど おあ あらいぶ ふぁいぶ あるてぃめっと】 //以降共通部分は割愛します。 |発売日|2013年9月5日|&amazon(B00CYA7354)| |定価|パッケージ版:5,800円&br;ダウンロード版:5,143円(共に税別)|~| |備考|基本無料版あり|~| |判定|なし|~| |ポイント|新キャラクター、新システムが若干追加されたマイナーチェンジ&br;基本無料版というプレイスタイルは斬新&br;マイナーチェンジなのにフルプライス|~| **概要 -2012年9月27日に発売された『5』のマイナーチェンジ版。基本システムはそのままに新キャラ、新ステージ、新システムといった要素がある。 --同じくコーエーテクモゲームスから同年同月に『[[無双OROCHI2 Ultimate]]』が発売された。Ultimateが共通なだけであんまり関連性はないが。 ---ただ、無双側には本作から『かすみ』『あやね』『リュウ・ハヤブサ』と『レイチェル』((ただし、レイチェル自身はNINJA GAIDENのキャラクターとして本作に参戦したキャラクター。))が登場し、本作側には無双のキャラクターの衣装のプロダクトコード(初回限定、後にDLCで有料配信された)がつき、相互にコラボはしていた。 -マイナーチェンジであるが、『5』を持っているユーザーに対する割引は一切なし。 --『5』のデータの引き継ぎやDLCの利用は可能。 -基本無料版がダウンロード限定で配信。利用出来るキャラクターなどの制限はあるが、対戦回数などの制限はなく、製品版とも対戦可能。 **追加システム -新キャラクターとして「紅葉」と「レイチェル」が『NINJA GAIDEN』から、「ジャッキー・ブライアント」が『バーチャファイター』から参戦。 -チームバトルモードが追加。 -パワーランチャーが追加。相手を打ち上げることが出来る必殺技であり、空中でコンボをつなげることが出来る上級者向けのシステムといえる。 **評価点 ''基本無料版というプレイスタイルの提供'' -格闘ゲームのネックというべき「初心者がプレイし辛い環境」に対する一つの打開策といえる。 -使えるキャラクターが非常に限られている、コスチュームも限られているといった制約はあるが、オフライン対戦、オンライン対戦共に回数制限はない。 --製品版ともオンライン対戦出来るため、使用できる4人が好きなキャラであるなら、基本無料版でも然したる問題はない。 -ストーリーモードはロックされているが、&strike(){ぶっちゃけあってないようなものなので問題はない。}; -興味があれば取り敢えず触ってみるだけ触ってみることが出来るのは、格闘ゲームという間口が狭い作品においては大きいといえる。 -基本無料版では気に入ったキャラクターのみを有料でアンロックするといったことも可能なので、取り敢えずこのキャラが使いたい、というのが決まっていれば製品版を買わずに基本無料版で特定キャラのみをアンロックするのも手。 **問題点 ''『5』を持っていたユーザーに対する企業態度の悪さ'' -ゲームのシステムそのものはほとんど変わっていない。にも関わらず6,000円というフルプライス。 --同社の作品の完全版としては無双シリーズの猛将伝がよく挙げられるが、あちらと比べても追加要素が少ない。猛将伝の方が遙かに良心的に見えるレベル。 --『5』を持っているユーザーに対するフォローも一切なし。『5』と『5U』の間ではオンライン対戦が不可能であるため尚更不満が多い。 -しかも、後にアーケード版で追加された「マリー・ローズ」「Phase-4」「女天狗」については有料DLCである。 -また、新キャラクターが登場しているのにも関わらずストーリーモードに一切の追加要素はない。 #region(完全版商法に関する補足) >格闘ゲームにおいて、完全版と題して後でマイナーチェンジバージョンが発売されるのは決して珍しい話ではない。~ しかしながら、DOAシリーズにおいては『2』においてデバッグが未完成のものを出してしまった過去を持ち、『2』は何度もバージョンアップ版が発売された。~ その反省を活かしてか、『2』の最後を締めくくったといえる『DOAU』においては『3』のキャラクターである「ヒトミ」が利用可能であったり、大量のコスチュームが追加されたりといった大盤振る舞いであった。~ なお、インタビューにおいて当時のTeam NINJAの板垣氏は「長らくお待たせしたお詫びとしてヒトミを利用可能とした」と述べている。 >この『DOA2』の反省点からか、『DOA3』『[[DOA4>DEAD OR ALIVE 4]]』においてはアップデートバージョンを出すことなく一本の作品としてまとめ上げている。~ 『DOA4』においては後にアップデートバージョンとしてオンラインバージョンがダウンロード版として登場しているが、こちらは無料の追加となっている。~ 要するに、本シリーズでは『2』の失敗以後は一発で作品を作り上げ、俗に言う完全版は出さない、というスタイルといえる。~ 『4』はCPUの強さなどから本Wikiでは「不安定」の評価がされているが、それでも、対戦のバランスなどは十分練られていたことは注目すべき要素といえるだろう。 >さて、ここで板垣氏退社後のTeam NINJAが開発した『5』つまり、本作になるのだが、この『2』における失敗を忘れてしまったように、わずか1年弱で一度目のバージョンアップである『5U』を、~ そして、更に1年半後には二度目のバージョンアップである『5LR』を発売するに至っている。~ しかも、ファンをバカにしているようなフルプライスであり、「ファンの方に楽しんでもらいたくて」出したというより「新しくしたから是非また買って欲しくて」出したという印象が強い。~ これが2回も行われたことが、完全版を出したことでファンが憤怒する理由となっている。 #endregion() **総評 新キャラクター追加、ちょっとしたゲームモードの追加、パワーランチャー追加……で、フルプライスと『5』を持っていないプレイヤーであれば『5』より安価で追加要素を楽しむことが出来るため、ややお得感のあるソフトかも知れない。~ しかしながら、『5』を持っているプレイヤーからすれば、ほんの少しの追加要素で6,000円近くも取られるのだからたまったものではない。~ 正直、追加要素だけをみるならば、有料であっても1,000~2,000円程度のDLCで対応可能なレベルである。~ 事実、ACからキャラが追加されたり、ステージが追加されたりしたことを思えば、皮肉にもメーカー自身が「DLCでも出来たけど、敢えてパッケージで出したよ」とでも言わんことをしているのが一目瞭然となっている。~ 追加の収録コスチュームもなく、パワーランチャーも、実質あってもなくてもそれほど変わらないシステムとなってしまっており『5』をプレイ済みのユーザーからは酷評が目立つ。~ 『5』非所持者はともかく、所持者であれば値段に見合うだけの内容を期待するのは無駄といえる。 ---- *DEAD OR ALIVE 5 Last Round 【でっど おあ あらいぶ ふぁいぶ らすと らうんど】 |対応機種|プレイステーション3、プレイステーション4、&br;XboxOne、Windows(Sterm)|&amazon(B00OU9E8EG)| |発売日|【PS4/One/PS3】2015年2月19日&br;【Win】2015年3月31日|~| |定価|パッケージ版:【PS4/One】6,800円/【PS3】5,800円&br;ダウンロード版:【PS4/One】6,000円/【PS3】5,143円&br;【Win】6,800円(全て税別)|~| |判定|なし|~| |ポイント|まさかの2度目のマイナーチェンジ&br;PS4とOneでは''やわらかエンジン''の導入&br;旧世代機は名前だけのLR|~| **概要 -『5』2度目のマイナーチェンジ。『5U』で完全版だと思っていたプレイヤーの多くを(悪い意味で)驚かせた。 --次世代機であるPS4とXboxOne、そしてSteamでWin版が配信されており、対応プラットフォームは4種類となった。 ---Xb360については『5LR』としての販売はされていないが、『5U』を無料アップデートすることで『5LR』となる。 ---PS3版も同様に『5U』を持っていれば無料アップデートで『5LR』にすることが出来る。''但し、PS3/Xb360共に無料アップデートでは追加要素は一切反映されない。'' --次世代機では''やわらかエンジン''なるものが導入されており、肌の質感などが更にクオリティアップしている。 ---PS3及びXb360版だけでなく、Win版であってもこのやわらかエンジンは導入されていない。というよりもPS4版、One版より画質等が劣る。 **新要素 ***全機種共通 -新キャラクターとして「ほのか」が追加。また、DS版の『DOAD』より「雷道」が追加され、キャラクターは2キャラ増えた。 --但し、新キャラクターのほのかの技は既存キャラクターの技を組み合わせたものであるため、目新しさには欠ける。 --『5U』からのアップデート版の場合、これらのキャラクターは有料DLCとなる。 ***PS4版/One版/Win版 -女性キャラクターに髪型が追加された。 ***PS4版/One版 -旧作のステージをアレンジしたステージが2つ追加された。 -やわらかエンジンの導入。これにより、肌の質感が増した。 --じっくり見比べないと分からない程度であるが、公式サイドでは、この導入をかなり大々的に推していた。 -各ステージのエフェクトが派手になった。 -『閃乱カグラ』のコラボコスチューム(有料DLC)においてコスチューム破壊((原作準拠のシステムと思われる。))のギミックが導入された。 **評価点 実質''ない''といってしまいたいところであるが、敢えていうなら、PS4やOneといった次世代機やPCで発売されたため、これらのプラットフォームでプレイ出来るようになったこと。~ また、『5』や『5U』のDLCコスチュームが一部収録されているため、(これらを購入していないプレイヤーにとっては)評価点だろう。 **問題点 ''基本的な部分の追加などがほぼない'' -『5U』もそうだが、キャラの追加やステージの追加、コスチュームの追加以外のゲームシステム面での追加要素はほとんどない。 -ストーリーモードも『5』と変わらず。『5U』『5LR』の追加キャラクターのストーリーは一切語られない。 --『5U』で追加され、人気を博したと思われる「マリー・ローズ」は本作のパッケージイラストにも起用されているが、こちらもストーリーモードに登場しない。 ''名ばかりの無料アップデートと旧世代機の切り捨て'' -PS3とXb360では、『5U』を持っていれば無料アップデートで『5LR』にアップデートされる、と謳われているが……。 --結局のところ、追加要素は入らない。『5LR』のプレイヤーと対戦可能になるだけである。 --やわらかエンジン自体もこれらのハードでは未実装。新コスチュームや髪型、新ステージもなし。敢えて言うならタイトルが変わるだけである。 --というより製品版自体も一緒であるが、PS3の場合、追加要素はほぼない。『5U』との違いは、「マリー・ローズ」等の無料追加くらいのものである(無料アップデートの場合は当然この追加もない)。 -結局新要素の大半はPS4/One版でないと楽しめない。 ''相変わらずのユーザー軽視の企業態度'' -PS4とOne版では髪型や新ステージの追加、そして目玉システムのやわらかエンジンの実装などの追加要素があるが……。 -上述の無料アップデートはあくまで「PS3」「Xb360」で『5U』を『5LR』にアップデートする、といったものであり、PS3で『5U』を持っていてもPS4で『5LR』にアップデート出来るわけではない。 --つまり、''『5』『5U』を持っていても新要素を楽しむにはまたフルプライスの出費を強要''される。 ---PS3で購入したDLCはPS4で使える上、Xb360で購入したDLCはOneでも使える。当然のことかもしれないが、その「当然」を理解出来ているかが不安に思えるため一応書いておく。 -『5U』と同様だが、追加要素自体にフルプライスを出すのは非常に高いと思える価格設定。しかも2度目であるため、ユーザーの不満は殊更大きい。 ''家庭用版に劣るWin版'' -性能次第では最高設定で遊べるはずのWin版がPS4/One版より劣る内容になっている。 --具体的に画質はPS3/Xb360準拠。一部PS4/One準拠の部分もあるが、そもそも、性能次第でPS4/Oneを凌駕するはずのWin版で旧世代機を準拠にしていることがおかしい。 ---本作は格闘ゲームであるが、正直「女性キャラクターの魅力を前面に押し出した作品」であるため、Win版の美麗なグラフィックに期待したプレイヤーが数多かったであろうことを補足しておく。 -2015年発売のPCゲームだが「キーコンフィグ」((PCのキーボード操作に利用するキーを変更するシステム。))にすら未対応。流石に手抜き感が漂う。 -発売後3ヶ月以内にパッチで対応するとしていたオンラインモードは半年以上経った2015年9月27日現在βテスト版となっており、''正式対応していない''。 --『5』や『5U』の時のオンラインモードの不具合でもわかりきっているが、Team NINJAのオンライン技術の不足が露骨に現れてきた格好といえる。 **総評 ただでさえ、『5U』の時のユーザーを小馬鹿にしたような完全版商法でユーザーの怒りや落胆が大きかった中において、更に追い打ちを掛けた作品。~ 『5U』の時と同様に既にプレイしていたユーザーを嘲笑うかのような少ない追加要素、それに見合わぬフルプライスに多くのファンが憤怒した。~ そもそも、『5』の時点で高いグラフィック性能を誇っていたため、次世代機で発売された『5LR』もグラフィック面で飛躍的な進歩を遂げたわけでもなく、メーカー一押しのやわらかエンジンも、しっかりと見比べてみないと分からない程度のものであるため、『5U』を持っているプレイヤーであれば、ソフトを買うお金でコスチュームを買った方がよい、とさえ言われる出来となってしまっている。~ 『5U』でもそうなのだが、作品そのものが悪いわけではない。『5』『5U』を共にプレイしたことがないプレイヤーであれば、十分にオススメは出来る作品である。~ しかしながら、既にこれらを持っているプレイヤーが、改めてこのソフトを買う価値があるかと聞かれれば正直ないだろう。~ 2015年9月現在では『6』が発表されていないため、この『Last Round』が『5』の本当の完全版であるかは分からない((6が発表されれば、おそらく5シリーズは完結したと考えてよいと思われるため。))が、DOAシリーズにとっての『Last Round』になってしまわないことを切に願うほどに、ファンの感情を逆撫でした作品であることは間違いない。

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