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#contents() ---- *ROBOTICS;NOTES 【ろぼてぃくすのーつ】 |ジャンル|拡張科学アドベンチャー|&amazon(B007BK2GMW)|&amazon(B007BK2HNK)| |対応機種|プレイステーション3&br;Xbox360|~|~| |発売・開発元|5pb.(MAGES.)|~|~| |発売日|2012年6月28日|~|~| |定価|通常版:7,300円&br()限定版:9,300円(共に税5%込)|~|~| |レーティング|CERO:C(15才以上対象)|~|~| |判定|なし|~|~| |ポイント|これまでと異なり王道なシナリオ&br()使いにくさに拍車のかかったシステム|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[科学アドベンチャーシリーズリンク>科学アドベンチャーシリーズ]]''| ---- #center{&size(18){世界を救うのはヒーローじゃない― ''オタクだ!''}} ---- **概要 『[[CHAOS;HEAD]]』『[[STEINS;GATE]]』に続く『科学アドベンチャーシリーズ』第3作。~ 『STEINS;GATE』トゥルーEDから9年後となる2019年の種子島が舞台((科学アドベンチャーシリーズの中で最も後の時系列となる。))となり、「ロボット」と「拡張現実」を主題としたストーリーが展開される。~ 限定版には劇中に登場する端末「ポケコン」のバックを模したスマートフォンケースと設定資料集が付属している。 アニメ化企画が同時進行され発売から程なくした後にフジテレビ深夜アニメ枠「ノイタミナ」にてアニメ版が放送されるなど従来作以上にメディアミックスに力を入れた他、人型ロボットの競技イベント「ROBO-ONE」との提携も行っていた。 **ストーリー 携帯端末フォンドロイド、通称「ポケコン」が普及した近未来の種子島。~ 中央種子島高校にある廃部の危機に瀕している「ロボット研究部」に所属する高校生・八汐海翔はある日、~ 「君島レポート」なる告発文を纏めたA.R.アノテーションを発見し、陰謀に巻き込まれていく事となる。 **特徴 -シリーズお馴染みのトリガーシステム「ポケコントリガー」。 --ARアプリ「居ル夫。」を駆使して背景内に隠されているレポートを探したり、SNSアプリ「ツイぽ」による他人物との発言への返信によりストーリーが変化していく。 --システムメニューもポケコンに収録されている。 -「居ル夫。」による背景のAR情報としてジオタグが存在。内容はストーリーと直接関係のない小ネタが多いが、世界観の掘り下げを担っている。 --ストーリーが進むことでアンロックが解除されるジオタグも存在する。ジオタグ収集で会得できる実績もある。 -立ち絵が3Dモデル化され、会話に合わせてキャラクターが動くようになった。 -現実に存在する宇宙開発機関「JAXA」が作中でも登場し、ストーリーと密接に絡んでいく。 -また、『STEINS;GATE』のサブキャラクターである「天王寺綯」が成長した姿で引き続き登場。シリーズ初となる立ち絵が二作品に跨って存在するキャラクターとなった((後の『CHAOS;CHILD』の百瀬克子や(正確には同一人物ではないが)エリンのコスプレをした店員が登場し、彼女のみではなくなった))。 --『CHAOS;HEAD』の西條拓巳や『STEINS;GATE』の橋田至と牧瀬紅莉栖も「ツイぽ」にて(それぞれHNではあるが)登場する。((岡部倫太郎など一部の人物も直接登場はしないが存在が示唆されている。)) **評価点 -種子島を始めとする情景描写。 --背景CGなどで島の様子が美しく描かれており、良質なBGMと相まって島ののどかな雰囲気が感じられる。パッケージなどでも描かれている「青空」は本作を象徴していると言える。 -若者たちが織りなす爽やかな青春ストーリー。 --サスペンス色が強かったこれまでのシリーズとはガラリと変わって、ジュブナイル色が強めな王道ストーリーとなっている。 --テーマこそロボットというギークなものだが、ノリとしては王道スポ根ものにかなり近い。~ 「潰れそうな弱小野球部にクセの強いメンバーが集まり、最初はガタガタだけど次第にチームワークを発揮して甲子園に出る」みたいな定番のプロットをロボットに置き換えたような感じである。 -シリーズではもはやお馴染みの難解な科学・SF用語やネットスラングネタも健在。 --当然、俗に言う「キモオタ」キャラも存在。しかも今回はヒロインの一人である「神代フラウ」が該当し、天才プログラマーだが引きオタ腐女子と、声優である名塚佳織女史の名演(怪演?)もありインパクトも強い。無論、本作きっての人気キャラクターである。 -SNSを活用したストーリーテリング --ポケコントリガーで確認できるSNSアプリ「ツイぽ」は『STEINS;GATE』のメールの発展版だが、その情報量は比較にならないほど膨大。~ 登場キャラクターたちは全員がツイぽで繋がっており、ほぼシーン単位でつぶやきは更新される。 --直前のシーンで起こったことに対するキャラクターの意外な心情がつぶやかれたり、そのシーンで登場していなかったキャラクターたちの動向がつぶやかれたりするので、いわばSNSのタイムラインが物語をより埋没させる役割を果たしている。 --SNSなので作中に登場しない一般人たちのつぶやきも閲覧可能。それらの多くはゴシップだが、作中で直接語られていない裏設定の考察に繋がる伏線が散りばめられている。 --特定のフラグを立てることで、科学AVGの他作品のキャラクターのアカウントをフォローでき、彼らのつぶやきも閲覧できるようになる。 --2019年を舞台にした本作のストーリーの本筋においては、SNSを使ったフェイクニュース拡散によるプロパガンダが重要な要素として取り扱われている。 ---これが発売されたのは2012年。作ってる側からすれば「科学AVGらしい嘘くさい陰謀論」のつもりであったろうが、実際の2019年を迎えた今みると、リアルすぎてゾッとする内容となっている。 -高速スキップ、情報量が豊富なTIPS、読み戻しと音声再生が可能なバックログなど使いやすいインターフェイスは過去作を踏襲している。 **賛否点 -これまでのシリーズとの方向性の違い --王道青春モノなので、基本的には明るく牧歌的な雰囲気が最後まで維持される。 --この点を好む人は多いが、過去作で定番だった「日常が壊されていく衝撃感」は全く無いわけではないが比較的弱い。 -高校生らしい青臭さを強調したキャラ描写 --登場キャラはみんなどこか青臭さが抜け切れておらず、高校生らしいリアルな様子がよく描かれている。~ 特に主人公の八汐海翔は「青臭さ」が一番強い。この年頃らしい冷めた皮肉屋で、ロボ部所属でありながらロボットから一歩引いた立ち位置にあり、~ 歴代シリーズの主人公とはまた別方向で賛否分かれるキャラとなっている。 --むしろロボットの方に入れ込んでいるのはメインヒロインの瀬乃宮あき穂であり、皮肉屋な八汐と異なり前向きな性格を持つ彼女の方に感情移入したというユーザーが多く、~ 事実上のダブル主人公として見なしている人も多い。彼女も彼女で行動が空回りしているなど青臭い未熟さが目立っているが。 -他の科学AVGシリーズの疑似科学の採用 --『CHAOS;HEAD』と『STEINS;GATE』の疑似科学に関する設定が本作では多分に盛り込まれており、過去作の疑似科学の技術を応用したアイテムが出てきたり、現象が発生したりもする。出典に気づけた人はニヤリとできるだろう((「人間にリアルな幻を見せる装置」「他人の思考を盗撮し、操る電磁波」「SERNのマイクロブラックホール」「アメリカの大学で研究されている記憶のデータ化技術」など。なお本作は『STEINS;GATE 0』より前の発売だが、『0』の原作である小説版はすでに既刊だったのでそちらを採用している。)) --もちろん、本作独自の疑似科学要素もあるが、一つの作品に数多くの疑似科学が盛り込まれたことで、本作独自の疑似科学要素が相対的に目立たなくなっているかもという意見もある。 **問題点 -ポケコントリガーによる分岐が使いにくい。科学アドベンチャーシリーズではトリガーによる分岐が分かりにくいという意見が散見されるが、本作は特に顕著。 --作中に登場するSNS「ツイぽ」に対して相手が好みそうな文を選んでリプライすることを積み重ねていくことで、シナリオ分岐のフラグが管理される仕組み。 --『STEINS;GATE』のメールの発展型と言えば聞こえはいいが、上述したように更新頻度が早いのが問題。リプライは基本的に最新のつぶやきに対してしかリプライできず、さらに日付が変われば前日までのつぶやきは表示もされなくなる。~ 特定ルートに行くならポケコンの「ツイぽ」画面のこまめなチェックが必要になり、やや面倒。気が付いたら重要な更新を見落としてしまっていた事もままある程。 ---日にちごとにオートセーブされ、振り返る事も出来るためやり直しは容易なのが救いではある。また、アップデートにより画面に更新通知が表示されるようにもなった。 --ARによるレポート探しも、肝心のレポートのアイコンが小さくて見つけづらく探索で迷いやすいなど、ストレスが溜まる。 -劇中劇である格闘ミニゲーム「キルバラッド」においてコマンド操作を要求される。複雑なものではないがスキップできないため周回で鬱陶しく感じてくる事も。 --一応、実績の解除となる場面も存在する。 -3Dモデルの表情パターンが少なく、会話内容と乖離している事もある。 --この点はのちに販売された完全版に当たる『ELITE』(下記参照)で改善された。 -ルート分岐のさせ方が微妙 --5章までが共通((条件を満たしていないと6章以降に行かず専用のルートへと進んでしまい強制的にエンディングとなる。))で、6~8章が分岐によるヒロインごとの個別ルート、9章からが終章トゥルールートとなる。9章以降の怒涛の展開については評価する声が高いが、問題は分岐ルートとなる6~8章のプレイ順。 ---6~8章が個別ルートである関係上、進め方によっては5章をクリアしたらいきなり8章に飛んでしまう事もある。~ ところが、6~8章はストーリー的には時系列で繋がっている。6章、7章、8章と順番でプレイしないと、ストーリーが理解しにくい。~ つまり、個別ルートを持ちながら本当の意味で一本道なストーリーなのである。 -一部に未回収の伏線ががあり、結末が尻切れトンボに感じた人も多い。 --後に続編の『DaSH』が発売されたことでこのあたりはフォローされた **総評 出来自体は特別悪いものではなく、高校生らしい青臭い青春ストーリーとしてはむしろ良くできている部類。~ だが、科学AVGシリーズ過去作のようなSFサスペンスな雰囲気を期待していたら肩透かしを食らうかもしれない。そのあたりを割り切ってプレイする必要はあるだろう。~ 感情移入しづらい主人公や分岐システムの難度の高さについては、完全版に当たる『ELITE』(下記参照)でいくつか改善されたので、今からプレイするならそちらをお勧めする。 **余談 -シリーズでは唯一、Windows版が発売されていない。 -2019年1月31日に本作エンディングから半年後を舞台とした続編『ROBOTICS;NOTES DaSH』が発売された。 --前作でツイぽでのみの登場となったダルこと橋田至が表舞台に登場するなど、他シリーズとの関連がより強調される。 ---『[[CHAOS;CHILD]]』を経てからの発売となっているため、そちらについても触れられている。 --続編というよりも完結編に近く、後述の『ELITE』と『DaSH』と合わせることで初めて『ROBOTICS;NOTES』の物語が綺麗に幕を閉じるような感じである。 ---- *ROBOTICS;NOTES ELITE 【ろぼてぃくすのーつ えりーと】 ※データはPS3・360版との違いのみを記載 |対応機種|プレイステーション・ヴィータ&br;Nintendo Switch(DLのみ)&br;プレイステーション4(DLのみ)|&amazon(B00IZT5Y6S)|&amazon(B00IZT5XZ0)| |発売日|【PSV】2014年6月26日&br;【Switch/PS4】2019年1月31日|~|~| |定価|通常版:7,344円&br()限定版:9,504円(共に税8%込)&br;Switch・PS4ダウンロード版:6,480円(税込)|~|~| |判定|なし|~|~| |ポイント|シナリオを一部整理&br;3Dモデルは劇的に改善|~|~| **概要(ELITE) -追加要素を交えた移植作品で実質完全版に当たる。 --限定版には資料集と高画質ムービーを収録したBDが付属している。 -発売前には本作を題材としたVITA用ARアプリも配信された。 -2019年1月31日には続編『DaSH』発売に合わせる形でHDリマスター版がプレイステーション4とNintendo Switchにて移植される。~ 2作品を纏めたバンドルパッケージ『ROBOTICS;NOTES お得セット』も発売。 **追加点 -シナリオの整頓 --大筋は変わらないが、各登場人物視点での心情描写が多く追加されており、語りきれなかった物語の裏側などが理解できるようになっている。 --こんなの言われないとまず気づかないというレベルのことまで明かされるので、人によっては物語の印象は大きく変わるだろう。 --ただしストーリー自体に追加はないので、結末の尻切れトンボ感は変わっていない。 -演出面の強化 --3Dモデルの最適化が行われ、元と比べて全体的に表情が生き生きするようになった。新モーションも追加されている。 --随所にアニメや新規ムービーが挿入されるようになり個別ルートに入った時の時系列など、一部の場面が解り易くなった。 ---ちなみに使用しているアニメムービーはアニメ版映像の流用となっている。 ---また、本作に用いられたアニメ再生技術は後に『Steins;Gate ELITE』に流用されている。 -ポケコントリガーがVITA本体をポケコンに見立てるように画面レイアウトなどが最適化。 --タッチ操作に対応した他、「居ル夫。」がジャイロ操作にも対応した。
#contents() ---- *ROBOTICS;NOTES 【ろぼてぃくすのーつ】 |ジャンル|拡張科学アドベンチャー|&amazon(B007BK2GMW)|&amazon(B007BK2HNK)| |対応機種|プレイステーション3&br;Xbox360|~|~| |発売・開発元|5pb.(MAGES.)|~|~| |発売日|2012年6月28日|~|~| |定価|通常版:7,300円&br()限定版:9,300円(共に税5%込)|~|~| |レーティング|CERO:C(15才以上対象)|~|~| |判定|なし|~|~| |ポイント|これまでと異なり王道なシナリオ&br()使いにくさに拍車のかかったシステム|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[科学アドベンチャーシリーズリンク>科学アドベンチャーシリーズ]]''| ---- #center{&size(18){世界を救うのはヒーローじゃない― ''オタクだ!''}} ---- **概要 『[[CHAOS;HEAD]]』『[[STEINS;GATE]]』に続く『科学アドベンチャーシリーズ』第3作。~ 『STEINS;GATE』トゥルーEDから9年後となる2019年の種子島が舞台((科学アドベンチャーシリーズの中で最も後の時系列となる。))となり、「ロボット」と「拡張現実」を主題としたストーリーが展開される。~ 限定版には劇中に登場する端末「ポケコン」のバックを模したスマートフォンケースと設定資料集が付属している。 アニメ化企画が同時進行され発売から程なくした後にフジテレビ深夜アニメ枠「ノイタミナ」にてアニメ版が放送されるなど従来作以上にメディアミックスに力を入れた他、人型ロボットの競技イベント「ROBO-ONE」との提携も行っていた。 **ストーリー 携帯端末フォンドロイド、通称「ポケコン」が普及した近未来の種子島。~ 中央種子島高校にある廃部の危機に瀕している「ロボット研究部」に所属する高校生・八汐海翔はある日、~ 「君島レポート」なる告発文を纏めたA.R.アノテーションを発見し、陰謀に巻き込まれていく事となる。 **特徴 -シリーズお馴染みのトリガーシステム「ポケコントリガー」。 --ARアプリ「居ル夫。」を駆使して背景内に隠されているレポートを探したり、SNSアプリ「ツイぽ」による他人物との発言への返信によりストーリーが変化していく。 --システムメニューもポケコンに収録されている。 -「居ル夫。」による背景のAR情報としてジオタグが存在。内容はストーリーと直接関係のない小ネタが多いが、世界観の掘り下げを担っている。 --ストーリーが進むことでアンロックが解除されるジオタグも存在する。ジオタグ収集で会得できる実績もある。 -立ち絵が3Dモデル化され、会話に合わせてキャラクターが動くようになった。 -現実に存在する宇宙開発機関「JAXA」が作中でも登場し、ストーリーと密接に絡んでいく。 -また、『STEINS;GATE』のサブキャラクターである「天王寺綯」が成長した姿で引き続き登場。シリーズ初となる立ち絵が二作品に跨って存在するキャラクターとなった((後の『CHAOS;CHILD』の百瀬克子や(正確には同一人物ではないが)エリンのコスプレをした店員が登場し、彼女のみではなくなった))。 --『CHAOS;HEAD』の西條拓巳や『STEINS;GATE』の橋田至と牧瀬紅莉栖も「ツイぽ」にて(それぞれHNではあるが)登場する。((岡部倫太郎など一部の人物も直接登場はしないが存在が示唆されている。)) **評価点 -種子島を始めとする情景描写。 --背景CGなどで島の様子が美しく描かれており、良質なBGMと相まって島ののどかな雰囲気が感じられる。パッケージなどでも描かれている「青空」は本作を象徴していると言える。 -若者たちが織りなす爽やかな青春ストーリー。 --サスペンス色が強かったこれまでのシリーズとはガラリと変わって、ジュブナイル色が強めな王道ストーリーとなっている。 --テーマこそロボットというギークなものだが、ノリとしては王道スポ根ものにかなり近い。~ 「潰れそうな弱小野球部にクセの強いメンバーが集まり、最初はガタガタだけど次第にチームワークを発揮して甲子園に出る」みたいな定番のプロットをロボットに置き換えたような感じである。 -シリーズではもはやお馴染みの難解な科学・SF用語やネットスラングネタも健在。 --当然、俗に言う「キモオタ」キャラも存在。しかも今回はヒロインの一人である「神代フラウ」が該当し、天才プログラマーだが引きオタ腐女子と、声優である名塚佳織女史の名演(怪演?)もありインパクトも強い。無論、本作きっての人気キャラクターである。 -SNSを活用したストーリーテリング --ポケコントリガーで確認できるSNSアプリ「ツイぽ」は『STEINS;GATE』のメールの発展版だが、その情報量は比較にならないほど膨大。~ 登場キャラクターたちは全員がツイぽで繋がっており、ほぼシーン単位でつぶやきは更新される。 --直前のシーンで起こったことに対するキャラクターの意外な心情がつぶやかれたり、そのシーンで登場していなかったキャラクターたちの動向がつぶやかれたりするので、いわばSNSのタイムラインがキャラクターへの理解を深める役割を果たしている。 --SNSなので作中に登場しない一般人たちのつぶやきも閲覧可能。それらの多くはゴシップだが、ストーリー中では最後まで謎のままとなっている一部設定の考察に繋がる伏線も散りばめられている((特に神代フラウ関係に顕著。個別ルートで提示された謎はそのルート中では明確な答えは出ず、断片的な情報からプレイヤーが想像するしかない。しかし別のチャプターのツイぽをみると、プレイヤーの想像を補完できる様々な情報がいろんなつぶやきに隠されている)) --特定のフラグを立てることで、科学AVGの他作品のキャラクターのアカウントをフォローでき、彼らのつぶやきも閲覧できるようになる。 --2019年を舞台にした本作のストーリーの本筋においては、SNSを使ったフェイクニュース拡散によるプロパガンダが重要な要素として取り扱われている。 ---これが発売されたのは2012年。作ってる側からすれば「科学AVGらしい嘘くさい陰謀論」のつもりであったろうが、実際の2019年を迎えた今みると、リアルすぎてゾッとする内容となっている。 -高速スキップ、情報量が豊富なTIPS、読み戻しと音声再生が可能なバックログなど使いやすいインターフェイスは過去作を踏襲している。 **賛否点 -これまでのシリーズとの方向性の違い --王道青春モノなので、基本的には明るく牧歌的な雰囲気が最後まで維持される。 --この点を好む人は多いが、過去作で定番だった「日常が壊されていく衝撃感」は全く無いわけではないが比較的弱い。 -高校生らしい青臭さを強調したキャラ描写 --登場キャラはみんなどこか青臭さが抜け切れておらず、高校生らしいリアルな様子がよく描かれている。~ 特に主人公の八汐海翔は「青臭さ」が一番強い。この年頃らしい冷めた皮肉屋で、ロボ部所属でありながらロボットから一歩引いた立ち位置にあり、~ 歴代シリーズの主人公とはまた別方向で賛否分かれるキャラとなっている。 --むしろロボットの方に入れ込んでいるのはメインヒロインの瀬乃宮あき穂であり、皮肉屋な八汐と異なり前向きな性格を持つ彼女の方に感情移入したというユーザーが多く、~ 事実上のダブル主人公として見なしている人も多い。彼女も彼女で行動が空回りしているなど青臭い未熟さが目立っているが。 -他の科学AVGシリーズの疑似科学の採用 --『CHAOS;HEAD』と『STEINS;GATE』の疑似科学に関する設定が本作では多分に盛り込まれており、過去作の疑似科学の技術を応用したアイテムが出てきたり、現象が発生したりもする。出典に気づけた人はニヤリとできるだろう((「人間にリアルな幻を見せる装置」「他人の思考を盗撮し、操る電磁波」「SERNのマイクロブラックホール」「アメリカの大学で研究されている記憶のデータ化技術」など。なお本作は『STEINS;GATE 0』より前の発売だが、『0』の原作である小説版はすでに既刊だったのでそちらを採用している。)) --もちろん、本作独自の疑似科学要素もあるが、一つの作品に数多くの疑似科学が盛り込まれたことで、本作独自の疑似科学要素が相対的に目立たなくなっているかもという意見もある。 **問題点 -ポケコントリガーによる分岐が使いにくい。科学アドベンチャーシリーズではトリガーによる分岐が分かりにくいという意見が散見されるが、本作は特に顕著。 --作中に登場するSNS「ツイぽ」に対して相手が好みそうな文を選んでリプライすることを積み重ねていくことで、シナリオ分岐のフラグが管理される仕組み。 --『STEINS;GATE』のメールの発展型と言えば聞こえはいいが、上述したように更新頻度が早いのが問題。リプライは基本的に最新のつぶやきに対してしかリプライできず、さらに日付が変われば前日までのつぶやきは表示もされなくなる。~ 特定ルートに行くならポケコンの「ツイぽ」画面のこまめなチェックが必要になり、やや面倒。気が付いたら重要な更新を見落としてしまっていた事もままある程。 ---日にちごとにオートセーブされ、振り返る事も出来るためやり直しは容易なのが救いではある。また、アップデートにより画面に更新通知が表示されるようにもなった。 --ARによるレポート探しも、肝心のレポートのアイコンが小さくて見つけづらく探索で迷いやすいなど、ストレスが溜まる。 -劇中劇である格闘ミニゲーム「キルバラッド」においてコマンド操作を要求される。複雑なものではないがスキップできないため周回で鬱陶しく感じてくる事も。 --一応、実績の解除となる場面も存在する。 -3Dモデルの表情パターンが少なく、会話内容と乖離している事もある。 --この点はのちに販売された完全版に当たる『ELITE』(下記参照)で改善された。 -ルート分岐のさせ方が微妙 --5章までが共通((条件を満たしていないと6章以降に行かず専用のルートへと進んでしまい強制的にエンディングとなる。))で、6~8章が分岐によるヒロインごとの個別ルート、9章からが終章トゥルールートとなる。9章以降の怒涛の展開については評価する声が高いが、問題は分岐ルートとなる6~8章のプレイ順。 ---6~8章が個別ルートである関係上、進め方によっては5章をクリアしたらいきなり8章に飛んでしまう事もある。~ ところが、6~8章はストーリー的には時系列で繋がっている。6章、7章、8章と順番でプレイしないと、ストーリーが理解しにくい。~ つまり、個別ルートを持ちながら本当の意味で一本道なストーリーなのである。 -一部に未回収の伏線ががあり、結末が尻切れトンボに感じた人も多い。 --後に続編の『DaSH』が発売されたことでこのあたりはフォローされた **総評 出来自体は特別悪いものではなく、高校生らしい青臭い青春ストーリーとしてはむしろ良くできている部類。~ だが、科学AVGシリーズ過去作のようなSFサスペンスな雰囲気を期待していたら肩透かしを食らうかもしれない。そのあたりを割り切ってプレイする必要はあるだろう。~ 感情移入しづらい主人公や分岐システムの難度の高さについては、完全版に当たる『ELITE』(下記参照)でいくつか改善されたので、今からプレイするならそちらをお勧めする。 **余談 -シリーズでは唯一、Windows版が発売されていない。 -2019年1月31日に本作エンディングから半年後を舞台とした続編『ROBOTICS;NOTES DaSH』が発売された。 --前作でツイぽでのみの登場となったダルこと橋田至が表舞台に登場するなど、他シリーズとの関連がより強調される。 ---『[[CHAOS;CHILD]]』を経てからの発売となっているため、そちらについても触れられている。 --続編というよりも完結編に近く、後述の『ELITE』と『DaSH』と合わせることで初めて『ROBOTICS;NOTES』の物語が綺麗に幕を閉じるような感じである。 ---- *ROBOTICS;NOTES ELITE 【ろぼてぃくすのーつ えりーと】 ※データはPS3・360版との違いのみを記載 |対応機種|プレイステーション・ヴィータ&br;Nintendo Switch(DLのみ)&br;プレイステーション4(DLのみ)|&amazon(B00IZT5Y6S)|&amazon(B00IZT5XZ0)| |発売日|【PSV】2014年6月26日&br;【Switch/PS4】2019年1月31日|~|~| |定価|通常版:7,344円&br()限定版:9,504円(共に税8%込)&br;Switch・PS4ダウンロード版:6,480円(税込)|~|~| |判定|なし|~|~| |ポイント|シナリオを一部整理&br;3Dモデルは劇的に改善|~|~| **概要(ELITE) -追加要素を交えた移植作品で実質完全版に当たる。 --限定版には資料集と高画質ムービーを収録したBDが付属している。 -発売前には本作を題材としたVITA用ARアプリも配信された。 -2019年1月31日には続編『DaSH』発売に合わせる形でHDリマスター版がプレイステーション4とNintendo Switchにて移植される。~ 2作品を纏めたバンドルパッケージ『ROBOTICS;NOTES お得セット』も発売。 **追加点 -シナリオの整頓 --大筋は変わらないが、各登場人物視点での心情描写が多く追加されており、語りきれなかった物語の裏側などが理解できるようになっている。 --こんなの言われないとまず気づかないというレベルのことまで明かされるので、人によっては物語の印象は大きく変わるだろう。 --ただしストーリー自体に追加はないので、結末の尻切れトンボ感は変わっていない。 -演出面の強化 --3Dモデルの最適化が行われ、元と比べて全体的に表情が生き生きするようになった。新モーションも追加されている。 --随所にアニメや新規ムービーが挿入されるようになり個別ルートに入った時の時系列など、一部の場面が解り易くなった。 ---ちなみに使用しているアニメムービーはアニメ版映像の流用となっている。 ---また、本作に用いられたアニメ再生技術は後に『Steins;Gate ELITE』に流用されている。 -ポケコントリガーがVITA本体をポケコンに見立てるように画面レイアウトなどが最適化。 --タッチ操作に対応した他、「居ル夫。」がジャイロ操作にも対応した。

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