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//目次が長くなってしまっていたため小見出し(***)を普通の太字に変更。 *マリオパーティDS 【まりおぱーてぃでぃーえす】 |ジャンル|パーティーゲーム|&image(http://ecx.images-amazon.com/images/I/619NG7FtcFL.jpg,width=200);| //画像サイズが大きすぎて見栄えが悪くなってしまっていたためサイズを小さく変更。 |対応機種|ニンテンドーDS|~| |メディア|256MbitDSカード|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|ハドソン&brシーエイプロダクション|~| |発売日|2007年11月8日|~| |定価|4,571円(税別)|~| |プレイ人数|1~4人|~| |セーブデータ|2|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |配信|バーチャルコンソール&br;【WiiU】2016年4月27日/950円(税8%込)|~| |判定|なし|~| |ポイント|ハドソン最後のマリオパーティ&br;DSならではのミニゲームや通信対戦|~| |>|>|CENTER:''[[マリオシリーズ・関連作品リンク>マリオシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -『[[マリオパーティアドバンス]]』以来となる携帯機向けのマリオパーティ。 --ナンバリングには含まれていないが、基本的な内容は本家シリーズと同じ。 **特徴・システム ''ボードゲーム'' -ボードゲームのルールは過去作とほぼ同様。 --順番に「サイコロブロック」をたたいて出た目だけ進み、止まったマスによってイベントが発生し、全員が移動を終えるとミニゲームが始まる。~ これを繰り返し、ゲーム終了時にスターを最も多く持っているプレイヤーの勝ち。 ---携帯機である事以外は、これまでの『マリオパーティ』シリーズと同内容である。 -アイテムに「しかけマス」が追加された。 --「しかけマスエリア」と呼ばれる地点を通過するときにランダムで1枚貰える。 --「しかけマス」は自分の前後5マスのいずれかに仕掛けることができ、そのマスにぴったり止まったライバルからコインやスターを奪ったり、プレイヤーの位置やコイン枚数を入れ替えたりできる。 ---過去作に存在した「カプセル」を少しアレンジしたものといえる。 -本作では「アイテムショップ」で一度に何個でもアイテムが買えるようになり、それに伴ってアイテムの値段がかなり安くなっている。 --他にも過去作からゲームバランスを大きく変えている要素も多い。 -携帯機で(対人戦で通信しながら)プレイするという点を配慮している為か、ボードマップは従来のシリーズにくらべるとマスの総数が少なく、狭め。 --また、本作のボードゲームでプレイできるターン数は10~30ターンまでとなっており、より短時間で遊べるようになっている。 ''ミニゲーム'' -DSの特徴である、2画面の連動や、タッチペンやマイク機能を利用したミニゲームが多数収録されている。 -過去作のパズルミニゲームを収録した「パズルコレクション」モードを搭載。1人でプレイしたり、2人で対戦が可能。 ---- **評価点 ''通信'' -通信対戦では、人数分のDS本体とゲームカードが1枚あれば、ボードゲームや対戦用のモードを1枚のソフトで何の制限もなく遊ぶことができる。 --「エクストラモード」「パズルモード」は2人専用のモード。「パーティモード」「ミニゲームモード」は、4人まで参加可能。 --本作ではダウンロードプレイにのみ対応している。他のDS作品では、マルチプレイとダウンロードプレイの間で、プレイできるゲーム内容に制限が設けられている事が多い。ダウンロードプレイへの特化はマリオシリーズならでは。 ''世界観'' -「ストーリーモード」では、マリオ達がクッパの謀略により手のひらサイズにまで体を小さくされてしまう。 --それに伴い、マップのオブジェクトはとにかく巨大(に見える)。ミニゲームは身近な生活用品などを利用、といった具合にゲームの世界観が良く表れている。 ---このような設定を活かした演出は過去作(『[[マリオパーティ3]]』など)でも存在した。そちらも概ね高評価。 ''ボードゲーム'' -ボードゲームでは、アイテムの値段が安く何個でも同時に買う事が出来る為、積極的にアイテムを利用する機会が増えた。 --無料で貰える「しかけマス」をマスにしかけて、相手がそのマスにぴったり止まるとコインやスターをうばって逆転を狙える。 ---なお、しかけマスを大量に入手できる機会はなく、一度効果を発揮したしかけマスは消滅するため、盤面を埋め尽くすことはない。 --サイコロブロックを同時に3つ叩ける「サイコロサイコロサイコロ」や、スターの場所にいきなり移動する「スタードカン」といった強力なアイテムもあるが、過去作とくらべて価格は安く、入手する機会も多いので、全員が平等に使用しやすい。 ---ちなみに、誰かに直接妨害を仕掛けるアイテムは、しかけマスをのぞくと「よこどりぶくろ」のみ。つかうと指定した相手の手持ちのアイテムを1つ横取りできる(どのアイテムかはランダム)。 -過去作から指摘があった「ミニゲームが強い=勝利」の方程式だが、本作ではミニゲームが比較的内容が易しくなり、「対決」よりも「ノルマ達成」でコインを貰えるようなミニゲームが増えている。「全員勝利」しても「引き分け」にならないミニゲームも多い。 --また、今作ではマップ上の仕掛けでもコインを大量に得られるイベントが多い。従って、サイコロ運やミニゲームの技術が相対的に無くても、一定の実力さえあればコインは一方的に溜まる=アイテムを駆使してのし上がれることも。 --しかけマスとの兼ね合いもあって、最後まで誰が勝つか分からないパーティーゲームとしてのバランスは非常によく取れている。 -マップ上のマスは「ハプニングマス」が占める割合が大きく、ほぼ毎ターン何かしらのイベントが起こりやすい。 -ターン終了時にプレイするミニゲームは過去作と同様にルーレットで決定されるが、今作ではまだ一度もプレイしたことのないミニゲームがルーレットで必ず優先して選ばれるようになっている。 --ボードゲームで一度プレイしたことのあるミニゲームは、「ミニゲームモード」で自由にプレイできるようになるため、過去作ではミニゲームの解禁のために何度もボードゲームをあそぶ必要があった。今作でもそれは同様だが、上記の仕様により、ミニゲームの解禁がしやすくなっている。 ''ミニゲーム'' -迷路のようなマップを一人称視点で動き回りライバルを探すといった、相手の画面が見れない携帯機ならではのミニゲームが多数用意されている。 -ミニゲームパックは「ぜんぶ」「かんたん」「マイクなし」に分かれている。名前の通りの分類。 -「パズルモード」では、過去作のパズルミニゲームをリメイクして収録。さらに、条件を満たすと新作のパズルミニゲームもプレイ可能となる。 --ただし1人用はいずれもスコアアタック形式のルールであり、COMとの対戦は不可。対戦では2人までプレイ可能。 ''やり込み要素'' -プレイ中に特定の条件を満たすことで「マップコレクション」とよばれるおまけの鑑賞要素や、ゲームモードなどが解放される。 -マップコレクションでは、マップ上の目に付く巨大な物体から、小さくて気付きにくいオブジェクトにまで、一つ一つ丁寧な解説がある。 **問題点・賛否両論点 ''ボードゲームに関して'' 今作では、パーティゲームらしさは残っているものの、過去作に比べると戦略的な要素が強く、ゲーム性が過去のマリオパーティとはややかけ離れている。~ 具体的には以下のような点が挙げられる。 -携帯ゲーム機故かボードマップが総じて小さめ(マップによるが、マス数も少なめ)になっている為、すぐにマップを1周できてしまう。 --そのため、スターを比較的入手しやすく、スターの数のインフレは過去最高。 ---マップによっては、アイテム「サイコロサイコロサイコロ」を使って1ターンで2~3回スターをゲットという珍事が起こることも多い。 -一部のマップのバランスが極端である。 --「ドンキーコングのせきぞう」では、マップの頂上にスターの位置が固定されており、さらにコインがある限り一度に何個でもコインとスターを交換できるルールとなっている。 ---今作では、ラスト5ターンに発生する追加ルールのイベントで、以降のスターとの交換に必要なコイン数が安くなる場合がある。そこで、コインを使用せずひたすらためておき、最終ターンにアイテム「スタードカン」を使ってスターの位置へ移動し、ためたコインと交換でスターを一気に大量ゲット……という荒業が使える。 ---要するに、「コイン枚数≒順位」となりやすいマップなので、ミニゲームが苦手な人には厳しい。ただし、COMがこの戦法を意識して使ってくることはない。 --「クッパのピンボール」では、他のマップとくらべて過激なイベントが多い((初期のマリオパーティからだが、クッパのマップは過激なイベントが多く難易度が高いので、上級者向けのマップである))。 ---ある位置にある「ハプニングマス」に止まると、「クッパゾーン」とよばれるエリアに強制移動させられることがある。クッパゾーンには多数のハプニングマスが設置されており、止まるとクッパに攻撃され、自分が持っているコインとスターをすべて失ってしまう。 ---マップ上に手持ちのコインをかけて挑戦できるルーレットイベントが設置されている。ルーレットの出目によって賭けたコインが倍増するのだが、ルーレットは多少「目押し」が効く為、多少慣れていればコインがいきなり大量入手できてしまう(''最大で495枚増える'')。また、マップ中央のスロット(目押し可)でも、一度に最大60コイン入手できることもある。他のマップですらコインが余りがちな本作ではそこまで問題にはならないが、かなり極端。 --上記のようなコインやスターを稼ぐ戦法は全員が等しく使えるので、一概に「バランスが悪い」とは言えない。どちらかというと、バランスを崩して再構築した感じである。 ---ちなみに、稼いだコインは「マリパポイント」に反映されるので、上記のコイン稼ぎはポイント稼ぎには最適である。 ''ミニゲームに関して'' -本作のデュエルミニゲーム(1対1で対戦するミニゲーム)は、すべて4人用・2VS2ミニゲームを流用し、1対1で対戦するルールに変更されたものとなっており、このジャンル専用のゲームは無い。 ''COMの思考に関して'' 今作の対戦相手となるCOMは、以下のような、ボードゲームのプレイヤーとしては成立していない行動をすることがある。 -スターとの交換に必要な枚数に足りないのにアイテムを買う、スターの手前で「スタードカン」を使う、残り3ターン以下なのにアイテムを3つ買う…等々。 -他人のアイテムをうばう「よこどりぶくろ」を、人間のプレイヤーに対して使用する事がほとんどない((もっとも、逆に人間のプレイヤーばかりを狙う思考ならそれはそれで問題だが))。 -そのため、ミニゲームで勝利を重ね、アイテムの使い方に慣れていれば、運がよほど悪く無い限り、COM相手に負けることはない。 --なお、上記の難点はCOMの強さを「さいきょう」にしても、改善される事はない。 -COMのミニゲームの上手さにバラつきがあまりなく、一部の競争型ミニゲームでは同じ強さのCOMが横一列に並んでいることもある。なかなかシュールである。 ''収集要素に関して'' -ゲーム終了後にプレイ内容に応じて「マリパポイント」が加算される。たまったポイント数によってコレクションが解放されていく。 --フィギュアとスタンプのコンプリートには''50000ポイント''必要。1回のプレイでは良くても300~400程度しか入手できないので、ポイント稼ぎには少々骨が折れる。ただのおまけ要素なので、無理に解放する必要はないが。 -ミニゲームを自由に遊ぶ「フリープレイ」モードでは、COMにミニゲームで勝つたびにポイントの加算画面が登場するのでうっとうしい。 -ストーリーモードをクリアすると、使用したキャラのフィギュアとスタンプが貰える。 --逆に言うと、全部のフィギュアとスタンプを集めるには、8人のキャラ全員((マリオ、ルイージ、ピーチ、ヨッシー、ワリオ、ワルイージ、デイジー、キノピオの計8キャラ))でストーリーモードをクリアしなければならない。~ マップは10ターン固定でコンティニューによるペナルティ等も無い為、1周クリアにそこまで時間がかかる訳ではないが、コンプリートしようとすると、なかなか骨の折れる作業となる。 **総評 携帯機でありながら、過去シリーズの良作と肩を並べる完成度となっている。~ 全体的に小規模な面が目立つが、それに合わせた仕様変更はキチンと機能しており、整っている。 悔やまれるのは、携帯機ゆえに据え置き機と比べると対人戦が少々しにくい点であろう。~ しかし、パーティーゲームとして盛り上がるには十分な内容であることに違いない。 ---- **余談 -今作は、ハドソンが開発した最後の『マリオパーティ』シリーズとなった。 --後の『[[マリオパーティ9]]』以降はエヌディーキューブが開発を担当しているが、こちらには元ハドソンのマリオパーティスタッフが参加しているようだ。
*マリオパーティDS 【まりおぱーてぃでぃーえす】 |ジャンル|パーティゲーム|CENTER:&amazon(B000VQMR7W,image=https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/619NG7FtcFL.jpg,height=160);&image(https://img-eshop.cdn.nintendo.net/i/bb71406b8738683de55800659387310b0ba9229eb027aba5dbef734f9a047985.jpg,height=160);| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|ハドソン&brシーエイプロダクション|~| |発売日|2007年11月8日|~| |定価|4,571円(税別)|~| |プレイ人数|【DS】1~4人&br;【WiiU】1人|~| |セーブデータ|2個|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |配信|バーチャルコンソール&br;【WiiU】2016年4月27日/950円(税8%込)|~| |判定|なし|~| |ポイント|''ハドソン最後のマリオパーティ''&br;DSならではのミニゲームや通信対戦&br;アンバランスなストーリーモード|~| |>|>|CENTER:''[[マリオシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[マリオパーティアドバンス]]』以来となる携帯機向けのマリオパーティ。ハドソンが開発した最後のシリーズ作品でもある((開発元のハドソンは2012年にコナミデジタルエンタテインメントに吸収合併された。))。~ ナンバリングには含まれていないが、『アドバンス』とは違い基本的な内容は本家シリーズと同じ。 ---- **特徴・システム ''ボードゲーム'' -ボードゲームのルールは過去作とほぼ同様。 --順番に「サイコロブロック」をたたいて出た目だけ進み、止まったマスによってイベントが発生し、全員が移動を終えるとミニゲームが始まる。~ これを繰り返し、ゲーム終了時にスターを最も多く持っているプレイヤーの勝ち。 ---携帯機である事以外は、これまでの『マリオパーティ』シリーズと同内容である。 -アイテムに「しかけマス」が追加された。 --「しかけマスエリア」と呼ばれる地点を通過するときにランダムで1枚貰える。 --「しかけマス」は自分の前後5マスのいずれかに仕掛けることができ、そのマスにぴったり止まったライバルからコインやスターを奪ったり、プレイヤーの位置やコイン枚数を入れ替えたりできる。 ---過去作に存在した「カプセル」を少しアレンジしたものといえる。 -本作では「アイテムショップ」で一度に何個でもアイテムが買えるようになり、それに伴ってアイテムの値段がかなり安くなっている。 --他にも過去作からゲームバランスを大きく変えている要素も多い。 -携帯機で(対人戦で通信しながら)プレイするという点を配慮している為か、ボードマップは従来のシリーズにくらべるとマスの総数が少なく、狭め。 --また、本作のボードゲームでプレイできるターン数は10~30ターンまでとなっており、より短時間で遊べるようになっている。 ''ミニゲーム'' -DSの特徴である、2画面の連動や、タッチペンやマイク機能を利用したミニゲームが多数収録されている。 -過去作のパズルミニゲームを収録した「パズルコレクション」モードを搭載。1人でプレイしたり、2人で対戦が可能。 ---- **評価点 ''通信'' -通信対戦では、人数分のDS本体とゲームカードが1枚あれば、ボードゲームや対戦用のモードを1枚のソフトで何の制限もなく遊べる。 --「エクストラモード」「パズルモード」は2人専用のモード。「パーティモード」「ミニゲームモード」は、4人まで参加可能。 --本作ではダウンロードプレイにのみ対応している。他のDS作品では、マルチプレイとダウンロードプレイの間で、プレイできるゲーム内容に制限が設けられている事が多い。ダウンロードプレイへの特化はマリオシリーズならでは。 ''世界観'' -「ストーリーモード」では、マリオ達がクッパの謀略により手のひらサイズにまで体を小さくされてしまう。 --それに伴い、マップのオブジェクトはとにかく巨大(に見える)。ミニゲームは身近な生活用品などを利用、といった具合にゲームの世界観が良く表れている。 ---このような設定を活かした演出は過去作(『[[マリオパーティ3]]』など)でも存在した。そちらも概ね高評価。 ''ボードゲーム'' -ボードゲームでは、アイテムの値段が安く何個でも同時に買う事が出来る為、積極的にアイテムを利用する機会が増えた。 --無料で貰える「しかけマス」をマスにしかけて、相手がそのマスにぴったり止まるとコインやスターをうばって逆転を狙える。 ---なお、しかけマスを大量に入手できる機会はなく、一度効果を発揮したしかけマスは消滅するため、盤面を埋め尽くすことはない。 --サイコロブロックを同時に3つ叩ける「サイコロサイコロサイコロ」や、スターの場所にいきなり移動する「スタードカン」といった強力なアイテムもあるが、過去作とくらべて価格は安く、入手する機会も多いので、全員が平等に使用しやすい。 ---ちなみに、誰かに直接妨害を仕掛けるアイテムは、しかけマスをのぞくと「よこどりぶくろ」のみ。つかうと指定した相手の手持ちのアイテムを1つ横取りできる(どのアイテムかはランダム)。 -過去作から指摘があった「ミニゲームが強い=ボードゲームで上位」の方程式だが、本作ではミニゲームが比較的内容が易しくなり、「対決」よりも「ノルマ達成」でコインを貰えるようなミニゲームが増えている。「全員勝利」しても「引き分け」にならないミニゲームも多い。 --また、今作ではマップ上の仕掛けでもコインを大量に得られるイベントが多い。従って、サイコロ運やミニゲームの技術が相対的に無くても、一定の実力さえあればコインは一方的に溜まる=アイテムを駆使してのし上がれることも。 --しかけマスとの兼ね合いもあって、最後まで誰が勝つか分からないパーティゲームとしてのバランスは非常によく取れている。 -マップ上のマスは「ハプニングマス」が占める割合が大きく、ほぼ毎ターン何かしらのイベントが起こりやすい。 -ターン終了時にプレイするミニゲームは過去作と同様にルーレットで決定されるが、今作ではまだ一度もプレイしたことのないミニゲームがルーレットで必ず優先して選ばれるようになっている。 --ボードゲームで一度プレイしたことのあるミニゲームは、「ミニゲームモード」で自由にプレイできるようになるため、過去作ではミニゲームの解禁のために何度もボードゲームをあそぶ必要があった。今作でもそれは同様だが、上記の仕様により、ミニゲームの解禁がしやすくなっている。 ''ミニゲーム'' -収録されているミニゲームは概ね好評。ハイスコアやベストタイムが記録されるミニゲームもやりがいがある。公式サイトには制作スタッフの記録が載っている(これがかなり強い)ので目指してみるといいだろう。 --ミニゲームのやり直しが非常に早く行えるのも魅力的。携帯機の強みといった所か。 -迷路のようなマップを一人称視点で動き回りライバルを探すといった、相手の画面が見れない携帯機ならではのミニゲームが多数用意されている。 -ミニゲームパックは「ぜんぶ」「かんたん」「マイクなし」に分かれている。名前の通りの分類。 -「パズルモード」では、過去作のパズルミニゲームをリメイクして収録。さらに、条件を満たすと新作のパズルミニゲームもプレイ可能となる。 --ただし1人用はいずれもスコアアタック形式のルールであり、COMとの対戦は不可。対戦では2人までプレイ可能。 --なお、このパズルミニゲーム中に流れる「ひらめきもじゅうよう」は収録されているパズルゲームの原作で使われていた曲のフレーズを盛り込んだファン感涙ものの一曲になっている。 ''やり込み要素'' -プレイ中に特定の条件を満たすことで「マップコレクション」とよばれるおまけの鑑賞要素や、ゲームモードなどが解放される。 -マップコレクションではマップ上の目に付く巨大な物体から、小さくて気付きにくいオブジェクトにまで一つ一つ丁寧な解説がある。これが中々凝っている。 -既に獲得したコレクションの図鑑の前後のものには条件のヒントが出るようになっており、自力でもコンプリートは可能。最初はコレクションのことを気にせず自由に遊び、ある程度図鑑が埋まってからヒントを見て難しいコレクションを狙うのがいいだろう。 ---- **賛否両論点 ''ボードゲームに関して''~ 今作では、パーティゲームらしさは残っているものの、過去作に比べると戦略的な要素が強く、ゲーム性が過去のマリオパーティとはややかけ離れている。 具体的には以下のような点が挙げられる。 -携帯ゲーム機故かボードマップが総じて小さめ(マップによるが、マス数も少なめ)になっている為、すぐにマップを1周できてしまう。 --そのため、スターを比較的入手しやすく、スターの数のインフレは過去最高。 ---マップによっては、アイテム「サイコロサイコロサイコロ」を使って1ターンで2~3回スターをゲットという珍事が起こることも多い。 -一部のマップのバランスが極端である。 --「ハナチャンのガーデン」は最初のマップでありながらアイテムショップやしかけマスエリアがスタートしてすぐの一か所ずつにしかなくアイテムが枯渇しやすい。そのため純粋にサイコロの出目による勝負になりやすく、特にストーリーモードでは自分の位置から遠い場所にスターが出現する事態が連続で続いた場合の巻き返しが難しい。 ---マップ中央部分のマイナスマスやハプニングマス「ハエとりぐさ」((挟まれて5コイン失う。既に同じマスに他のキャラがいた場合は、そのハプニングマスに止まっているキャラ全員が5コインを失う。))の連続地帯、マップ北部分の3マス連続したパックンフラワーのハプニングマス((ファイヤーを喰らって10コイン失う。たまに失敗して火を吐かない時がある。))などコインを失うマスが連続した場所が妙に多い。 ---極めつけには1週してスタート地点に戻ってくる直前になんとクッパマスが2マス連続で配置されている。一応道中にある分岐点で道を変えたりハプニングマス「ワープのハナ」に止まってスタート地点に飛ばされることである程度回避は可能だが…。 --「キノピコのおんがくしつ」は、スターを誰かが手に入れるか誰かが該当のハプニングマスに止まるたびにスターとの交換に必要なコイン数が変化する。 ---コイン数の変化は「5コイン→10コイン→15コイン→20コイン→30コイン→5コイン(以下繰り返し)」となっている。通常のルールと比べれば分かる通り、コインの消費が全体的に少なくやたら余る。加えて最初に運良く大きな目を出したプレイヤーが明らかに有利であるためせっかくのルールが面白さに繋がっているとは言い難い。 --「ドンキーコングのせきぞう」では、マップの頂上にスターの位置が固定されており、さらにコインがある限り一度に何個でもコインとスターを交換できるルールとなっている。 ---今作ではラスト5ターンに発生する追加ルールのイベントで、以降のスターとの交換に必要なコイン数が5コインに安くなることがある。そのためこのマップでは序盤でスターを交換せずに、イベントを見てからアイテム「スタードカン」を使ってスターマスへ移動し大量ゲット…という荒業が使える。 ---もちろん上記のイベントが起こる確率はそう高くはないのだが、これを知っているかどうかで順位が変わる可能性はある。 ---とあるコレクションの入手方法はこのテクニックを前提としている設定であり、意図的な調整であると思われる。 --「クッパのピンボール」では、他のマップとくらべて過激なイベントが多い((初期のマリオパーティからだが、クッパのマップは過激なイベントが多く難易度が高いので、上級者向けのマップである))。 ---ある位置の「ハプニングマス」に止まると、「クッパゾーン」とよばれるエリアに強制移動させられることがある。クッパゾーンには多数のハプニングマスが設置されており、止まるとクッパに「ゼロファイヤー」を食らわされ、自分が持っているコインとスターを容赦なくすべて失ってしまう。しかし、運が良ければスターゾーン((たどり着くと1~3までのどれかのスターを獲得できる。))に移動できるというパターンもある。 ---マップ上に手持ちのコインをかけて挑戦できるルーレットイベントが設置されている。ルーレットの出目によって賭けたコインが倍増するのだが、ルーレットは多少「目押し」が効く為、多少慣れていればコインがいきなり大量入手できてしまう(×5の倍率に99枚かけることで''最大で495枚増える'')。また、マップ中央のスロット(目押し可)でも、一度に最大60コイン入手できることもある。他のマップですらコインが余りがちな本作ではそこまで問題にはならないが、かなり極端。 --上記のようなコインやスターを稼ぐ戦法は全員が等しく使えるので、一概に「バランスが悪い」とは言えない。どちらかというと、バランスを崩して再構築した感じである。 ---ちなみに、稼いだコインは「マリパポイント」に反映されるので、上記のコイン稼ぎはポイント稼ぎには最適である。 ---- **問題点 ''ミニゲームに関して'' -本作のデュエルミニゲーム(1対1で対戦するミニゲーム)は、すべて4人用・2VS2ミニゲームを流用し、1対1で対戦するルールに変更されたものとなっており、このジャンル専用のゲームは無い。 ''COMの思考に関して''~ 今作の対戦相手となるCOMは、以下のような、ボードゲームのプレイヤーとしては成立していない行動をすることがある。 -スターとの交換に必要な枚数に足りないのにアイテムを買う、スターの手前で「スタードカン」を使う、残り3ターン以下なのにアイテムを3つ買う…等々。 -他人のアイテムを奪う「よこどりぶくろ」を、人間のプレイヤーに対して使用する事がほとんどない。もっとも、逆にプレイヤーばかりを狙う思考ならそれはそれで問題だが。 --一応他のCOM2人が何も持っていない状況でプレイヤーだけがアイテムを持っていた場合は使ってくるが、そのような状況が発生するのは先述の理由でアイテムが枯渇しやすくなる「ハナチャンのガーデン」ぐらいである。 -だがこれらの行動はまだ可愛い方で、中でも最大の問題点は「クッパのピンボール」のクッパゾーンでの行動。クッパゾーンにたどり着いた頃には、最低でも6以上目が出なければ許されない状況にもかかわらず、COMはどういう訳かクッパゾーンでも''なんと「はんぶんサイコロ」を使うことがある。当然こうした場合どの目が出ても「ゼロファイヤー」は確定。''例えば「タッグマッチ」で自分チームのCOMがこの行動を行ってしまったら、プレイヤー側としてはこれまでの苦労が全て水の泡になるというとんでもない大迷惑である。このような不可解な行動はまず断じてやらない事であろう。 -その他、道中獲得したしかけマスはなぜか必ず手元に残そうとするため、20コインうばいマスを捨てて10コインうばいマスを手元に残したり、2スターうばいマスを捨てて1スターうばいマスを手元に残したりといった完全下位互換のものに差し替えることも珍しくない。 -そのため、ミニゲームで勝利を重ね、アイテムの使い方に慣れていれば、運がよほど悪く無い限り、COM相手に負けることはない。~ 決闘マスに止まると必ずプレイヤーばかりに仕掛けてくるため、ミニゲームに慣れていれば返り討ちにしてコインやスターをぶんどることもできる。ストーリーモードでは特にこれは重要な要素である。 --なお、上記の行動パターンはCOMの強さを「さいきょう」にしても改善される事はない。 -COMのミニゲームの上手さにバラつきがあまりなく、一部の競争型ミニゲームでは同じ強さのCOMが横一列に並んでいることもある。なかなかシュールである。 ''収集要素に関して'' -ゲーム終了後にプレイ内容に応じて「マリパポイント」が加算される。たまったポイント数によってコレクションが解放されていく。 --フィギュアとスタンプのコンプリートには''50000ポイント''必要。1回のプレイでは良くても300~400程度しか入手できないので、ポイント稼ぎは少々骨が折れる。とはいえ、これはただのおまけ要素なので、無理に解放する必要はないが。 -ミニゲームを自由に遊ぶ「フリープレイ」モードでは、COMにミニゲームで勝つたびにポイントの加算画面が登場するのでうっとうしい。 -ストーリーモードをクリアすると、使用したキャラのフィギュアとスタンプが貰える。 --逆に言うと、全部のフィギュアとスタンプを集めるには、8人のキャラ全員((マリオ、ルイージ、ピーチ、ヨッシー、ワリオ、ワルイージ、デイジー、キノピオの計8キャラ))でストーリーモードをクリアしなければならない。~ マップは10ターン固定でコンティニューによるペナルティ等も無い為、1周クリアにそこまで時間がかかる訳ではないが、コンプリートしようとすると、なかなか骨の折れる作業となる。 ---ちなみに過去作の『[[マリオパーティ4]]』にも同様の問題点が存在していた。 ''ボスミニゲームに関して'' -ストーリーモードで遊ぶことになるボスミニゲームも調整不足なものが多い。 --「たいけつハンマーブロス」はハンマーブロスの叩いた4種類の太鼓を記憶して叩くというミニゲームだが、覚える回数が「3回→4回→5回」の3セットと短すぎる。しかも最初の3回は固定でそこから1回ずつ覚えるものが増えるだけなので非常に難易度が低い。子供にも優しいと言えなくはないが… --「たいけつカロン」は指定された場所のスイッチをヒップドロップするミニゲームなのだが、スイッチ同士が近すぎるため普通にやっていてもカロンに何もさせずに倒すことが出来てしまう。 ---カロン自身は踏みつけや骨を投げる妨害をしてくるし、画面に落ちてくる木の実をパンチでカロンにぶつけたり、トゲトゲした木の実をカロンに踏ませて行動不能にするなどやれることはたくさんある。しかしそんなことをするまでもなく一瞬でミニゲームが終わってしまう。 --「たいけつカメック」は逆にプレイ時間が長すぎる。本体のカメックに出会うまでに強制的に50秒ほどのシューティングゲームが入るのだがあまり面白いとは言えない。 -以上の問題から、ミニゲームモードの「ボスタイムアタック」にも大きな問題が波及している。 --「たいけつパックンフラワー」はパックンフラワーの動きが固定であるしこちらの攻撃できるタイミングも限られているため誰がやってもタイムがほぼ同じ。ハンマーブロスとカロンもすぐに終わりタイム更新の余地はほぼ無い。最後のボス「たいけつクッパ」の出来がタイムのほぼ全てを決定すると言っても過言ではない。 #co(){ ''ストーリーモードに関して'' -ストーリーモードは前述のゲームバランスの影響を強く受けてしまっており、どれほどミニゲームに勝ってコインを増やしても、スターが自分の近くに現れてくれるか、サイコロで良い目が出るかの運勝負に終わりがち。 --CPUは例え「よわい」でも、サイコロでは普通に良い目を出してくるので、ミニゲームで勝ちやすいという恩恵があまり無い。(ただ「ドンキーコングのせきぞう」の場合はコインがあるだけスターに交換できるので、このマップでは若干緩和される) -本作のボードマップには分かれ道がよくあり、それぞれルート自体の価値も違う。前述のマップ構造もあって本作ではここが問題点となっており、例えばその場その場で必要に見えるルートでも、結局はそこを通らない方が勝てる(いつ場所が変わるかわからないスターに近づこうと同じ道を行くより、常に場所が変わらないショップで強力なアイテムを買った方が何倍も強い)など、ルート毎のバランスには粗が多い。 //-また、プレイヤーがあまりリードされていなくてもCPU同士のつぶし合い(決闘など)で相対的にCPUが上位に来ることも序盤から結構あり、自分のスキルとは関係ないところで負けを感じさせる。 //↑これ自体は程度の差はあれ過去作でも同じではないだろうか? //ここらの話がストーリーモードに限った話ではないと思うのでコメントアウトしました。 自分が勝たないとストーリーが進まないというのはシリーズ恒例のことですし… -ストーリーモードでCPUが優勝した場合、ボス戦には当然(?)負けてしまう。そのため進めるには同じマップをもう一度プレイして自分が優勝し、その上でボス戦に勝利しなくてはならない。とはいえ、COMがスターとの交換に必要な枚数に足りないのにアイテムを買う、スターの手前で「スタードカン」を使うとかアホらしいことをやらかすので、実力と運、自分に都合の良いことが起きた時にそのターンをセーブしておき、COMが隠しブロックでスターを取るとかの都合の悪いことがあればリセットしてそのターンをやり直せるため、そんなことはそうそうないだろうが。 --仕様上『マリオカート』や『マリオブラザーズ』のように気軽にやり直せる作りではないので、これらはその都度ストレスが溜まる要素となってしまっている。~ 通信対戦でもこうした要素は顕著に現れ、単純なパーティゲームとしてというより、「''友情崩壊ゲー''」と言わんばかりのネタゲーとしてお呼びがかかることが多いだろう。 } ---- **総評 携帯機でありながら、過去シリーズの良作と肩を並べる完成度となっていて、特にネタ要素が大きくなっている。~ また、本作以降の作品ではライトユーザーを意識してかルールのシンプル化や運要素重視の傾向が強まっており、良くも悪くも戦略性重視の本作はハドソン時代のマリオパーティを象徴しているとも言え、同社開発作品の最後を飾るにはふさわしいかもしれない。~ しかしストーリーモード自体はあまり褒められたバランスではなく、「マリオパーティにストーリー"要素"は要るがストーリー"モード"は要らない」との評価が定着してしまった。~ 携帯機ゆえに据え置き機と比べると対人戦が少々しにくい点も悔やまれる。~ しかし、ちょっとした暇つぶしのお供となってくれることは間違いない。 ---- **余談 -後の『[[マリオパーティ9]]』以降はエヌディーキューブが開発を担当しているが、こちらにも元ハドソンのマリオパーティスタッフが参加しているようだ。 -DSで発売されたマリオパーティは本作のみ。携帯機の次回作は3DSの『[[マリオパーティ アイランドツアー]]』である。 //-YouTubeに投稿された英語版のコピーガード作動時の動画が一時期話題になった。マリオたちが檻に囚われるなどのショッキングな演出が目立つが、これらは''ファンが創作したフェイクムービー''であり、実際の解析データにはこのような演出は存在しない。 //--マリオたちが檻に囚われ「ゲームの海賊利用は深刻な犯罪であり、いますぐ電源を切りこの盗まれたソフトについて報告してください(和訳)」と表示される。「いますぐ電源を切れ」という警告メッセージが点滅しながらクッパの笑い声が混じった不気味なBGMも特徴的である。 //--また、コピーガードが作動した状態でショップに行くとチョロプーから「ああ、ごめん。犯罪者には売れないよ(和訳)」と拒否され、そのままチョロプーから逃げるミニゲームが始まるが、ミニゲームの説明欄には「あなたにできることは何もありません(和訳)」と書かれてあり、そのままチョロプーに捕まって先述の警告画面に移行する。 //↑↑マリオ関連の二次創作や勝手に作られたMODは大量にありますが、アングラなものなので書かないほうが良いのでは。

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