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バトルロボット烈伝 - (2015/08/12 (水) 21:32:55) の最新版との変更点

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*バトルロボット烈伝 【ばとるろぼっとれつでん】 |ジャンル|シミュレーションRPG|CENTER:&image(000001-6094.jpg,http://www.amazon.co.jp/dp/B000068HP8,height=190)[[高解像度で見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=611&file=000001-6094.jpg]]&br()[[裏を見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=611&file=img00249477260.jpg]]| |対応機種|スーパーファミコン|~| |発売元|バンプレスト|~| |開発元|ウィンキーソフト|~| |発売日|1995年9月1日|~| |定価|12,800円|~| |判定|なし|~| |ポイント|疾風のように外しよる&br()盾出すな俺の同志&br()誰も背中撃たないでくれ|~| |>|>|CENTER:''[[バンダイナムコゲームス クロスオーバー関連作品シリーズ]]''| #contents(fromhere) ---- **概要 『[[スーパーロボット大戦シリーズ]]』(以下『スパロボ』)同様、複数のアニメ作品のロボットが共演するゲームソフト。~ 発売元・開発元も会社は当時の『スパロボ』と同じだが別ラインの企画で、スパロボシリーズには数えられておらず、世界観・システムなども全く異なっている。~ 但し後に間接的な関連を持つ事にはなる。 #region(参戦作品一覧) -機動戦士ガンダム 逆襲のシャア -機動戦士Zガンダム -戦闘メカ ザブングル -聖戦士ダンバイン -重戦機エルガイム -無敵超人ザンボット3 -無敵鋼人ダンターン3 -機動戦士ガンダム(敵ユニットのみ) #endregion **世界観 『スパロボ』のように版権作品の世界観をミックスさせたわけではなく、完全にオリジナルの世界とも違う、キャラゲーとしては独特の世界観である。 -舞台の名は「惑星ウルス」。登場する版権キャラ達は、「デュプリケーター」と呼ばれる装置で各原作世界からコピーされた複製人間で、「ブランチ戦士」と呼ばれている。 --ウルス人達は地球人より戦闘力が低い為、このブランチ戦士を呼び出す事で戦争の主戦力として利用している。 **特徴 -出演作品は「富野由悠季氏が監督を務めたサンライズのロボットアニメ(通称「土曜5時半シリーズ」+『逆襲のシャア』)」で統一されており、説明書にも富野氏による各作品へのコメントが載っている。 --スパロボに続き、『逆襲のシャア』・『Zガンダム』・『[[ダンバイン>聖戦士ダンバイン ~聖戦士伝説~]]』・『エルガイム』の各主役メカが共演。更に『[[スパロボ>スーパーロボット大戦α外伝]]』に先駆けて『ザブングル』が出演している。 --ザンボット3とダイターン3も登場するが、条件を満たさないと仲間にならない隠しキャラ扱い。 -ロボット達はSDではなく、『[[新スーパーロボット大戦]]』に先駆けてリアルな等身で描かれている。 -ゲームオリジナルキャラも登場するが、味方側で戦闘に参加するのは版権キャラとメカのみ。 -シナリオは基本1本道。特定の戦闘の勝敗でセリフが若干変わる程度の変化しかない。 -マップはヘックス式で高低の概念がある。また、背後から攻撃されるとダメージがアップする。これは『[[魔装機神>魔装機神 ~THE LORD OF ELEMENTAL~]]』の先駆けである。 --戦闘は、ロボット1~5体1組の「小隊」を組んで行う。最初に登録した機体は隊長機となり、マニュアル操作ができるが、その他の仲間は「命令」コマンドに応じたオート戦闘を行う。 --変形・分離・合体は行えない。敵を説得する事もできない。 -経験値は存在しない。レベルは、特定の敵を倒すと手に入る「アップル」というアイテムを使ってプレイヤーが任意で上げる事ができる。但し、物語の進み具合によってレベルの上限は決まっている。 --この他、お金に相当する「補給値」という数値があり、ロボットのHPを上げることができる。上げた回数に応じて、移動回数・攻撃回数を増やせる場合もある。 --武装数が5以下のロボットに装備できる強化パーツもある。 **評価点 -当時のSFCゲーム内ではグラフィックが綺麗。バンプレ作品では珍しくリアル等身のロボットが見れるのはファンなら嬉しい。 --特に隠し機体のザンボット3がリアル等身で登場したゲームは未だにこれだけ((ダイターン3は後に『スーパーロボットスピリッツ』で3Dながらリアル等身化された。))。 -各ロボットの攻撃時のカットインもなかなか凝っており、SEにも力が入っている。 -敵味方共、各キャラには表情グラフィックが豊富に用意されている。この点も『スパロボ』の先駆けと言える。 **問題点 -セーブデータは2つだが、2つとも使用中だとニューゲーム自体が行えない。 -サウンドテストなどのオマケモードは一切無い。 -説明書には''ソフト開発中の画面写真が使われており、説明文もその画面に沿った内容になっている。''つまり実際のゲーム中には出てこない(或いは名称変更された)パラメータが紹介されている。 --パイロットの「気合い」というパラメータは攻撃力の補正値なのだが、「クリティカル率に影響」と間違って解説されている。 --機体のステータス画面の写真に「火力」という実際には登場しないパラメータがある。 -マップは、基本的に「全く移動しない敵小隊ばかり出てくる面」と「こちらに突っ込んでくる敵小隊しか出てこない面」のどちらかばかり。 --前者はただ攻め込むだけ、後者はただ母艦で待ち受けていた方が効率の良い面となっている。 --例外の面は2つくらいしかない。 -隊長機以外は全員強制オートな上に、仲間のオート操作がバカで、''何が何でも射撃ばかり行いたがる''。 --特にザブングルは、威力も命中率も高くこの機体の代名詞と呼ばれるほどのパンチではなく、当たりもしないランチャーや、最弱武器のライフルばかり使いたがる。 --ダンバインも威力の低いオーラショットばかり撃ちたがる。 --アムロは行動回数が残っていても、頻繁に盾を使って自分ばかり守ろうとする。 ---また弾数制限のあるバズーカを殆んど使おうとしない。確かにバズーカは命中率が低めに設定されているが、''そもそも当たっても効きもしないバルカンを使われるよりよっぽどマシ''なのだが。 --ビーム攻撃のダメージを減らす「ビームコート」を持った敵にはビーム兵器を極力使わないぐらいの頭はある一方で、なぜか''ビーム完全無効の敵には平気でバンバン浴びせまくる''。 --敵の残りHPは考慮できない。瀕死の敵に大技を浴びせて倒した後、HP満タンの敵に最弱武器を見舞ったりもする。 --行動回数を無理に使い切ろうとするため、''無意味な移動の消費ポイントを考慮に入れた上で弱い攻撃を行いたがる''。 --『エルガイム』のダバとアムだけは、特定の武器に拘る事なく使い分けてくれるので、AIの賢さでパイロットの個性付けを行おうとした可能性はある。 ---とはいえ仮にそうだとしても、ジロンがまったくパンチを使わない時点で、原作再現を意識した個性付けでないことは確かだが。 -手に入る補給値はかなり少ない。特に稼ごうとしないでプレイしていると、「ユニット1機をフルチューンして少し余る」程度しか手に入らない。 --『スパロボ』と違って全滅プレイはできない。無限に敵が出てくる章が2つ存在する為、稼ぐ事自体は可能だが、最終章に行ってしまうともう稼げなくなる。 ---しかもその稼ぎポイントの1つは敵小隊が全て中ボスを含んでいるため、稼ぐには効率が悪い。 ---もう1つの稼ぎポイントは、よりによってダイターン3が登場する章である為、初期出荷版ソフトでは少なくとも小隊長機だけは改造するわけにはいかない(詳細は「改善点」にて)。また所持できる補給値の上限は妙に低い為、ここでいくら稼いでも全機をフルチューンする為には上記の2つ目のポイントも利用せざるを得なくなる。 -機体改造を最高まで行っても、画面ではもう1回改造できるかのように表示される。ご丁寧に''改造後の能力値まで表示される(もちろん実際には上げられない)''。 -敵を倒してアップルや強化パーツを入手しても、「○○を手に入れた」などとは表示されない。 -パーツは9種類あり、基本的には全て1つずつ入手できるのだが、これも問題だらけ。 --その内4種類は修理装置なのだが、前半に入手できる2つよりも後半の2つの方が性能が低い。 ---一番性能が低いものは、負けても先に進めるバトルに勝利すれば入手できるのだが、勝つのに苦労する割に入手してもまるで使い道がない。 --パーツを装備できるのは、後半ほぼ戦力外となるダンバイン・ザブングル・エルガイムを除くと、ビルバインとウォーカーギャリアだけ。しかもこの2体はパーツを1つずつしか装備できない。 ---ビーム兵器の威力を強化できる「B強化パック」は、そもそもこの5体の中でビーム兵器を装備しているのがエルガイムとビルバインだけなので、実質使い道は無い。初期に入手できれば使えたかもしれないが、手に入る頃はビルバインには修理装置が必須になっている。 -ラスボスには、エルガイムMK-IIとZガンダムのランチャーぐらいしかまともなダメージを与えられない。ビルバインとギャリアは修理装置を装備できるから回復役にはなるが、νガンダムは弾避けぐらいにしかならない。 --ザンボット3とダイターン3は、どちらも最強武器が一度の戦闘で1回ずつしか使えない上、やはりろくなダメージを与えられない。 -出演作品の数のせいもあるが、敵メカの種類が少ない。ボス級の敵は基本的にいつも同じ機体にばかり乗って現れる為、変化に乏しい。 --ザコ小隊は、1つの章の中では同じような組み合わせばかりで現れる為、確実に見飽きる。 --ギュネイが本ソフトオリジナルの「緑色の量産型ヤクトドーガ」に乗っていたり、トッドがライネックではなくビアレスでハイパー化したりと、妙な描写もある((ハイパー化はオーラマシン操縦者の精神の問題であり機体にこだわる必要はないが、あえて原作から機体を変える必要もない。))。 //「量産機カラーのヤクト」は、元々このゲームの捏造カラー(後にスパロボFにも輸入された)。原作映画ではヤクトはそもそも量産されておらず、量産予定があったという設定もない。 ---因みにこの量産ヤクト、移動画面では原作のギュネイ機同様、青色である。もしかして''緑色なのは単なる色指定ミスか''? --その一方で、『重戦機エルガイム』で''カルトな人気のキャラのマクトミンが乗るアトールVが出ていたり、黒いガンダムMK-IIが敵専用メカとして登場したりする''。白いMK-IIはまったく登場せず。 **改善点(?) -初期出荷版のソフトには、以下の様なバグ・不具合が存在した。 --新規に入手したユニットの改造段階が、その章での小隊長機と同じになってしまう。''しかしステータスはまったく上がっていない''。つまり限られた改造回数を無駄に消費してしまうのである。 ---ふざけた事に、攻略本ではこのバグを逆手にとって''「無改造の隊長機でクリアすれば新メカを早期成長させられるぞ!」と裏技であるかのように紹介している''。 --説明書には「背後から攻撃を受けると武装が故障する事がある」と明記されており、攻略本にも画面写真が載っているが、実際は武装が故障する事はない。 --ソフト発売前の雑誌記事に、剣を持った敵に剣で攻撃するとノーダメージになる「鍔迫り合い」なる現象((『スパロボ』でいうところの「斬り払い」。))が紹介されたが、説明書には載っておらず、ゲーム中でもイベントで1回発生するだけである。 後にこれらの不具合が全て修正されたバージョンも販売されたが、パッケージ・カセット共、''初期出荷版と見分ける方法が存在しない''。~ また、これらが修正された結果、修正前とは良くも悪くもゲームバランスが大きく変化してしまっている。 //因みに筆者は修正版でのみ、νガンダムがたまに敵にビーム攻撃を無効化する現象(Iフィールド?)を目撃したが、これは攻略本などにも全く載っていない。またオーラバリアの発生率が上がっている気もするが、あくまで主観なのでcoに留めておく。 **総評 戦闘は『スパロボ』よりも単調になりがちだが、成長に必要なアイテムはほぼ強制で十分入手できるため、詰む危険性はほぼない。~ 原作番組のファンにとっては、少なくとも「無難」未満の評価にはならないであろう作品である。 **余談 -独特な惑星ウルスの世界観を企画したのは沼田やすひろ(バハムート有限会社)氏。 --『スパロボ』関連では、一応コンパチヒーローシリーズと関連のあるSLG『GranDread(グランドレッド)』も彼の企画。 -上記の「緑色の量産ヤクトドーガ」だが、後に同じウィンキーソフト製の『スパロボ』にも輸入された。 --『[[F完結編>スーパーロボット大戦F(F完結編)]]』では、オープニングデモにのみ出演している。しかも''なぜかクェスの角無しヤクトを緑色にした機体''である。 --『[[コンプリートボックス>スーパーロボット大戦コンプリートボックス]]』にも出演。こちらは本ソフト同様、ギュネイ機の色替えである。 -講談社刊の攻略本には、「本作はブランチ戦士達の物語の序章に過ぎない」と、続編を意識するかのような記述がある。また、ゲーム中には語られない陰鬱な裏設定も載っている。 --制作側としても、これらの世界観や設定をもう一度使いたかったのか、後にこれらを練り直したかのような作品『[[リアルロボット戦線]]』が発売されている。 ---とはいえそちらでは本作の存在自体が触れられておらず、単なる続編ともパラレルワールドとも言い切れない、複雑な存在となっているのだが…詳細は当該項目参照。
*バトルロボット烈伝 【ばとるろぼっとれつでん】 |ジャンル|シミュレーションRPG|CENTER:&image(000001-6094.jpg,https://www.amazon.co.jp/dp/B000068HP8,height=190)[[高解像度で見る>https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=611&file=000001-6094.jpg]]&br()[[裏を見る>https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=611&file=img00249477260.jpg]]| |対応機種|スーパーファミコン|~| |発売元|バンプレスト|~| |開発元|ウィンキーソフト|~| |発売日|1995年9月1日|~| |定価|12,800円|~| |判定|なし|~| |ポイント|疾風のように外しよる&br()盾出すな俺の同志&br()誰も背中撃たないでくれ|~| |>|>|CENTER:''[[バンダイナムコ クロスオーバー関連作品シリーズ]]''| #contents(fromhere) ---- ~ #center(){{ &big(){''奴らが、戦うために現れた!''} }} ~ ---- **概要 『[[スーパーロボット大戦シリーズ]]』(以下『スパロボ』)同様、複数のアニメ作品のロボットが共演するゲームソフト。~ 発売元・開発元も会社は当時の『スパロボ』と同じだが別ラインの企画で、スパロボシリーズには数えられておらず、世界観・システムなども全く異なっている。~ 但し後に間接的な関連を持つ事にはなる。 #region(参戦作品一覧) -機動戦士ガンダム 逆襲のシャア -機動戦士Ζガンダム -戦闘メカ ザブングル -聖戦士ダンバイン -重戦機エルガイム -無敵超人ザンボット3 -無敵鋼人ダイターン3 -機動戦士ガンダム(敵ユニットのみ) #endregion ---- **世界観 『スパロボ』のように版権作品の世界観をミックスさせたわけではなく、完全にオリジナルの世界とも違う、キャラゲーとしては独特の世界観である。 -舞台の名は「惑星ウルス」。登場する版権キャラ達は、「デュプリケーター」と呼ばれる装置で各原作世界からコピーされた複製人間で、「ブランチ戦士」と呼ばれている。 --ウルス人達は地球人より戦闘力が低い為、このブランチ戦士を呼び出す事で戦争の主戦力として利用している。 ---- **特徴 -出演作品は「富野由悠季氏が監督を務めたサンライズのロボットアニメ(通称「土曜5時半シリーズ」+『逆襲のシャア』)」で統一されており、説明書にも富野氏による各作品へのコメントが載っている。 --スパロボに続き、『逆襲のシャア』・『Ζガンダム』・『[[ダンバイン>聖戦士ダンバイン ~聖戦士伝説~]]』・『エルガイム』の各主役メカが共演。更に『[[スパロボ>スーパーロボット大戦α外伝]]』に先駆けて『ザブングル』が出演している。 --ザンボット3とダイターン3も登場するが、条件を満たさないと仲間にならない隠しキャラ扱い。 -ロボット達はSDではなく、『[[新スーパーロボット大戦]]』に先駆けてリアルな頭身で描かれている。 -ゲームオリジナルキャラも登場するが、味方側で戦闘に参加するのは版権キャラとメカのみ。 -シナリオは基本一本道。特定の戦闘の勝敗でセリフが若干変わる程度の変化しかない。 -マップはヘックス式で高低の概念がある。また、背後から攻撃されるとダメージがアップする。これは『[[スーパーロボット大戦外伝 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL]]』の先駆けである。 --戦闘は、ロボット1~5体1組の「小隊」を組んで行う。最初に登録した機体は隊長機となり、マニュアル操作ができるが、その他の仲間は「命令」コマンドに応じたオート戦闘を行う。 --変形・分離・合体は行えない。敵を説得する事もできない。 -経験値は存在しない。レベルは、特定の敵を倒すと手に入る「アップル」というアイテムを使ってプレイヤーが任意で上げる事ができる。但し、物語の進み具合によってレベルの上限は決まっている。 --この他、お金に相当する「補給値」という数値があり、ロボットのHPを上げることができる。上げた回数に応じて、移動回数・攻撃回数を増やせる場合もある。 --武装数が5以下のロボットに装備できる強化パーツもある。 ---- **評価点 -当時のSFCゲーム内ではグラフィックが綺麗。バンプレ作品では珍しくリアル頭身のロボットが見れるのはファンなら嬉しい。 --特に隠し機体のザンボット3がリアル頭身で登場したゲームは未だにこれだけ((ダイターン3は後に『スーパーロボットスピリッツ』で3Dながらリアル頭身化された。))。 -各ロボットの攻撃時のカットインもなかなか凝っており、SEにも力が入っている。 -敵味方共、各キャラには表情グラフィックが豊富に用意されている。この点も『スパロボ』の先駆けと言える。 -エルガイムから出演しているギャブレット・ギャブレーがシナリオ面で中盤活躍する。原作に居た補佐官の役割をオリジナルキャラが担ったり、色々あって自身に恋焦がれるようになったオリジナルキャラの姫が居るなど、製作陣から妙に愛を注がれている。 -BGMの出来も良い。選曲もかなり凝っており、この時代では珍しくアニメの戦闘時に流れる曲が多めに採用されている。いまだにこのゲームでしか採用していない物も。 ---- **問題点 -セーブデータは2つだが、2つとも使用中だとニューゲーム自体が行えない。 -サウンドテストなどのオマケモードは一切無い。 -説明書には''ソフト開発中の画面写真が使われており、説明文もその画面に沿った内容になっている。''つまり実際のゲーム中には出てこない(或いは名称変更された)パラメータが紹介されている。 --パイロットの「気合い」というパラメータは攻撃力の補正値なのだが、「クリティカル率に影響」と間違って解説されている。 --機体のステータス画面の写真に「火力」という実際には登場しないパラメータがある。 -マップは、基本的に「全く移動しない敵小隊ばかり出てくる面」と「こちらに突っ込んでくる敵小隊しか出てこない面」のどちらかばかり。 --前者はただ攻め込むだけ、後者はただ母艦で待ち受けていた方が効率の良い面となっている。 --例外の面は2つくらいしかない。 -隊長機以外は全員強制オートな上に、仲間のオート操作がバカで、''何が何でも射撃ばかり行いたがる''。 --特にザブングルは、威力も命中率も高くこの機体の代名詞と呼ばれるほどのパンチではなく、当たりもしないランチャーや、最弱武器のライフルばかり使いたがる。 --ダンバインも威力の低いオーラショットばかり撃ちたがる。 --アムロは行動回数が残っていても、頻繁に盾を使って自分ばかり守ろうとする。 ---また弾数制限のあるバズーカを殆んど使おうとしない。確かにバズーカは命中率が低めに設定されているが、''そもそも当たっても効きもしないバルカンを使われるよりよっぽどマシ''なのだが。 --ビーム攻撃のダメージを減らす「ビームコート」を持った敵にはビーム兵器を極力使わないぐらいの頭はある一方で、なぜか''ビーム完全無効の敵には平気でバンバン浴びせまくる''。 --敵の残りHPは考慮できない。瀕死の敵に大技を浴びせて倒した後、HP満タンの敵に最弱武器を見舞ったりもする。 --行動回数を無理に使い切ろうとするため、''無意味な移動の消費ポイントを考慮に入れた上で弱い攻撃を行いたがる''。 --『エルガイム』のダバとアムだけは、特定の武器に拘る事なく使い分けてくれるので、AIの賢さでパイロットの個性付けを行おうとした可能性はある。 ---とはいえ仮にそうだとしても、ジロンがまったくパンチを使わない時点で、原作再現を意識した個性付けでないことは確かだが。 -手に入る補給値はかなり少ない。特に稼ごうとしないでプレイしていると、「ユニット1機をフルチューンして少し余る」程度しか手に入らない。 --『スパロボ』と違って全滅プレイはできない。無限に敵が出てくる章が2つ存在する為、稼ぐ事自体は可能だが、最終章に行ってしまうともう稼げなくなる。 ---しかもその稼ぎポイントの1つは敵小隊が全て中ボスを含んでいるため、稼ぐには効率が悪い。 ---もう1つの稼ぎポイントは、よりによってダイターン3が登場する章である為、初期出荷版ソフトでは少なくとも小隊長機だけは改造するわけにはいかない(詳細は「改善点」にて)。また所持できる補給値の上限は妙に低い為、ここでいくら稼いでも全機をフルチューンする為には上記の2つ目のポイントも利用せざるを得なくなる。 -機体改造を最高まで行っても、画面ではもう1回改造できるかのように表示される。ご丁寧に''改造後の能力値まで表示される(もちろん実際には上げられない)''。 -敵を倒してアップルや強化パーツを入手しても、「○○を手に入れた」などとは表示されない。 -パーツは9種類あり、基本的には全て1つずつ入手できるのだが、これも問題だらけ。 --その内4種類は修理装置なのだが、前半に入手できる2つよりも後半の2つの方が性能が低い。 ---一番性能が低いものは、負けても先に進めるバトルに勝利すれば入手できるのだが、勝つのに苦労する割に入手してもまるで使い道がない。 --パーツを装備できるのは、後半ほぼ戦力外となるダンバイン・ザブングル・エルガイムを除くと、ビルバインとウォーカーギャリアだけ。しかもこの2体はパーツを1つずつしか装備できない。 ---ビーム兵器の威力を強化できる「B強化パック」は、そもそもこの5体の中でビーム兵器を装備しているのがエルガイムとビルバインだけなので、実質使い道は無い。初期に入手できれば使えたかもしれないが、手に入る頃はビルバインには修理装置が必須になっている。 //-ラスボスには、エルガイムMK-IIとΖガンダムのランチャーぐらいしかまともなダメージを与えられない。ビルバインとギャリアは修理装置を装備できるから回復役にはなるが、νガンダムは弾避けぐらいにしかならない。 //↑3桁ダメージではあるけどちゃんと活躍する。 -ザンボット3とダイターン3は、どちらも最強武器が一度の戦闘で1回ずつしか使えない上、ラスボスにろくなダメージを与えられない。 -出演作品の数のせいもあるが、敵メカの種類が少ない。ボス級の敵は基本的にいつも同じ機体にばかり乗って現れる為、変化に乏しい。 --ザコ小隊は、1つの章の中では同じような組み合わせばかりで現れる為、確実に見飽きる。 --ギュネイが公式設定には見られない「緑色の量産型ヤクトドーガ」に乗っていたり、トッドがライネックではなくビアレスでハイパー化したりと、妙な描写もある((ハイパー化はオーラマシン操縦者の精神の問題であり機体にこだわる必要はないが、あえて原作から機体を変える必要もない。))。 //「量産機カラーのヤクト」は、元々このゲームの捏造カラー(後にスパロボFにも輸入された)。原作映画ではヤクトはそもそも量産されておらず、量産予定があったという設定もない。 ---因みにこの量産ヤクト、移動画面では原作のギュネイ機同様、青色である。もしかして''緑色なのは単なる色指定ミスか''? --その一方で、『重戦機エルガイム』で''カルトな人気のキャラのマクトミンが乗るアトールVが出ていたり、黒いガンダムMK-IIが敵専用メカとして登場したりする''。白いMK-IIはまったく登場せず。 ---- **改善点(?) -初期出荷版のソフトには、以下の様なバグ・不具合が存在した。 --新規に入手したユニットの改造段階が、その章での小隊長機と同じになってしまう。''しかしステータスはまったく上がっていない''。つまり限られた改造回数を無駄に消費してしまうのである。 ---ふざけた事に、攻略本ではこのバグを逆手にとって''「無改造の隊長機でクリアすれば新メカを早期成長させられるぞ!」と裏技であるかのように紹介している''。 --説明書には「背後から攻撃を受けると武装が故障する事がある」と明記されており、攻略本にも画面写真が載っているが、実際は武装が故障する事はない。 --ソフト発売前の雑誌記事に、剣を持った敵に剣で攻撃するとノーダメージになる「鍔迫り合い」なる現象((『スパロボ』でいうところの「斬り払い」。))が紹介されたが、説明書には載っておらず、ゲーム中でもイベントで1回発生するだけである。 //↑修正版のソフトでは、これも普通に発生する。筆者が確認済み --後に上記3点の不具合が全て修正されたバージョンも販売されたが、パッケージの外見からでは''初期出荷版と見分ける方法が存在しない''(カートリッジからの見分け方は((「カセット裏面のシール右上にある刻印が3桁(リビジョン表記あり)だと修正版、2桁(リビジョン表記なし)だと初期版となる。)))。初回にかなりの数が出たらしく生産数も初回出荷分と比べ相当少ないと思われる。 ---また、これらが修正された結果、修正前とは良くも悪くもゲームバランスが大きく変化してしまっている。 //因みに筆者は修正版でのみ、νガンダムがたまに敵にビーム攻撃を無効化する現象(Iフィールド?)を目撃したが、これは攻略本などにも全く載っていない。またオーラバリアの発生率が上がっている気もするが、あくまで主観なのでcoに留めておく。 ---- **総評 戦闘は『スパロボ』よりも単調になりがちだが、成長に必要なアイテムはほぼ強制で十分入手できるため、詰む危険性はほぼない。~ 原作番組のファンにとっては、少なくとも「無難」未満の評価にはならないであろう作品である。 ---- **余談 -独特な惑星ウルスの世界観を企画したのは沼田やすひろ(バハムート有限会社)氏。 --『スパロボ』関連では、一応コンパチヒーローシリーズと関連のあるSLG『GranDread(グランドレッド)』も彼の企画。 -上記の「緑色の量産ヤクト・ドーガ」だが、実はそれ以前にもウィンキーソフト製のSFCソフト『第3次スーパーロボット大戦』でも採用されており、 終盤戦において敵軍の強化兵が搭乗する機体が大量に登場する。ただし、配色は白地にザクのような「よもぎ色」を基調とした機体である。 --『[[F完結編>スーパーロボット大戦F]]』では、オープニングデモにのみ出演している。しかも''なぜかクェスの角無しヤクトを緑色にした機体''である。『[[コンプリートボックス>スーパーロボット大戦コンプリートボックス]]』にも出演。 //間違った情報のため編集 -講談社刊の攻略本には、「本作はブランチ戦士達の物語の序章に過ぎない」と、続編を意識するかのような記述がある。また、ゲーム中には語られない陰鬱な裏設定も載っている。 --制作側としても、これらの世界観や設定をもう一度使いたかったのか、後にこれらを練り直したかのような作品『[[リアルロボット戦線]]』が発売されている。 ---とはいえそちらでは本作の存在自体が触れられておらず、単なる続編ともパラレルワールドとも言い切れない、複雑な存在となっているのだが…詳細は当該項目参照。

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