「スーパーロボット大戦R」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

スーパーロボット大戦R - (2015/04/05 (日) 03:20:34) の最新版との変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*スーパーロボット大戦R 【すーぱーろぼっとたいせんあーる】 |ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B000067UED)| |対応機種|ゲームボーイアドバンス|~| |発売元|バンプレスト|~| |開発元|バンプレソフト、エーアイ|~| |発売日|2002年8月2日|~| |価格|5800円|~| |判定|なし|~| |ポイント|難易度大幅低下&br()システム的な完成度は高い&br()オリジナル敵勢力は好みが別れがち&br()ストーリー上の都合によるクロスオーバーの少なさ&br()メガネ|~| |>|>|CENTER:''[[スーパーロボット大戦シリーズリンク>スーパーロボット大戦シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -GBAにおけるスパロボ第2作目。 -タイトルの「R」は「Reversal(逆転、反転)」という意味でありストーリーのテーマも歴史改変物なのだが、改変前のストーリーがなんと''デキムのクーデターが成功しリリーナが処刑され、他作品も原作における鬱展開以上の事が起きている''という凄まじいものであり、今作の評価を大きく分けるものになっている。 -初参戦作品は『劇場版 機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-』『真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ』『GEAR戦士電童』の3作品。 --また『機動新世紀ガンダムX』が携帯機初参戦。 #region(参戦作品一覧) ★マークは新規参戦、☆マークは携帯機初参戦。 -マジンガーZ -グレートマジンガー -劇場版マジンガーシリーズ -★真ゲッターロボ 対 ネオゲッターロボ -機動戦士Ζガンダム -機動戦士ガンダムΖΖ -機動戦士ガンダム 逆襲のシャア -機動武闘伝Gガンダム -新機動戦記ガンダムW Endless Waltz -☆機動新世紀ガンダムX -無敵超人ザンボット3 -無敵鋼人ダイターン3 -超電磁ロボ コン・バトラーV -超電磁マシーン ボルテスV -機動戦艦ナデシコ -★劇場版 機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness- -★GEAR戦士電童(ギアファイターデンドー) -バンプレストオリジナル #endregion ---- **特徴・評価点 ***システム -シナリオやバランスは賛否が分かれるが、明確に評価出来るのは前作『スーパーロボット大戦A』に比べて''インターフェイスが格段に進化した事''である。&br()携帯機・コンシューマ問わず以後のスパロボ作品に受け継がれている要素が多い。 --戦闘デモやインターミッションのカット機能の搭載。 --敵フェイズの早送り。 --敵フェイズでのセーブ。 ---敵フェイズセーブ以外はコンシューマでは導入されていたが、携帯機においては初めて導入されたシステムである。 --『A』では不完全だった援護システムが改良された。 ---援護に入るユニットや使用武器を指定出来るようになった。 ---また合体攻撃にも援護攻撃ができるようになった。だが合体攻撃で敵ユニットの援護防御を無効化するテクニックは使えなくなった。 --精神コマンド「愛」の効果が変わった。従来は味方ユニット全員のHPを全回復するコマンドだった(それ故にシステムに慣れてくると使用機会がなくなる)が、今作からは従来の「奇跡」((ド根性・気合×3・加速・幸運・努力・必中・ひらめき・魂が同時にかかる。))に近い攻撃的な精神コマンド((気合・加速・幸運・努力・必中・ひらめき・熱血が同時にかかる。))へ変わった。 --武器の改造方式が個別改造から一括改造に変更された。 --周回引き継ぎも前のプレイのデータを引き継ぐことができるようになった。引き継がれるボーナスはユニットの改造段階、撃墜数、最終話クリア時点で持っている資金。 -携帯スパロボでは定番となりつつある特殊技能「撃ち落とし」の採用。劣化切り払いと見られるが、演出としては一級品。本作では特定のMSパイロットしか使用できないため目に掛かる機会が少ないが、『スーパーロボット大戦D』以降では使えるパイロットの幅が広がった。 -本作では主人公は男か女どちらか選択できるが、選ばなかった方はシナリオには一切登場しない。&br()また搭乗機体も男女共に「エクサランス」で固定であるが、シナリオを進めて行くと射撃型・空中型・水中型と様々な形態に換装できるようになっていく。また最終形態は男女で外見が異なっている。 ***デュミナス -オリジナルの敵勢力「デュミナス一味」はキャラクター性、ならびに個々のシチュエーションに''限って''言えば好評。 -一言で説明すると「自分探しに耽るでかい目玉とそれにこき使われる幼女2人とショタ1人」という訳の分からない勢力。 --デュミナスは何のために作られたのかわからない存在であり、失敗作と呼ばれ処分されかけたが、逆に抵抗して創造主を殺してしまい、以降宇宙を放浪している。&br()失敗作扱いされた事から「過ち」に興味を持ち、あらゆるところで「過ち」を起こさせその何たるかを学ぼうとしている…はた迷惑な存在である。 --配下の3人(幼女2人と少年1人)の狙い澄ましたキャラビジュアルと言動は一部の紳士達に好評を博している。少年が混じっているがファンからは大抵「3人娘」「過ち姉妹」などと呼ばれる。 --最終話前における彼女たちの会話シーンは深い家族愛を感じさせるもので、涙なくしては見られないというプレイヤーも多数((アンソロや4コマでの登場率も高く、作家によってはまるまる娘達ネタで統一していた人もいたほどである。))。 ---デュミナス一味の設定資料が一般には出回っていなかったため、「3人娘を描きたいのに描けない」という作家も多かった。&br()その後、『OG外伝』付属の設定資料集の中に晴れて設定画が(モノクロだが)収録されたため、資料皆無という作家泣かせの状況は一応脱している。 #region(最終話のネタバレ) --最終戦での彼女たち3人は弱ったデュミナスを支えるために全てを使い果たした抜け殻となっているため、撃破しても一言もセリフを発さずに死ぬ。悲しく、そして不気味な演出である。&br()ただし抜け殻になっても能力はそのままなので、舐めて掛かると痛い目を見る。 --最終的に彼らは目的を果たせないまま味方勢力に皆殺しにされるという救いのない結末を迎える事となり、「自業自得とはいえいくら何でもあんまりすぎやしないか」という同情的な意見も多かった。 --男主人公ルートなら前述のミズホがデュミナスに「人間になるはずだった」と一応のレゾンデートルを与えるため、少しは救いがある(尤もあくまで推測であるが)。&br()しかし女主人公ルートではラージがそのポジションなので気の利いた事は言ってくれない。尤も、こちらはこちらでデュミナスの境遇に同情した上で彼の行動とそれに至った考えの問題点を指摘している。 #endregion ***版権(特徴・評価点) -御三家であるゲッターロボが初めてOVA版の『真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ』で登場したのは多くのファンを驚かせた。 --性能面で優遇され、原作再現がしっかりしていることもあり評価は高い。しかしその後の参戦機会にはあまり恵まれていない((『GC』及びそのリメイクである『XO』のみ。))。 --クロスオーバーでもそこそこ出番があり、特にゲッター線によってDG細胞が復活したというクロスオーバーは評価されている。 -初参戦の『GEAR戦士電童』はシナリオ・性能ともに優遇されている。 --主役ロボ・電童は後の『MX』では省かれた細かい技も実装している。また各形態のユニット性能差も表現され、状況に応じた使い分けができるようになっている。 --そして最強形態であるフェニックスエールのEN回復(∞)のおかげでファイナルアタックが撃ち放題である。ただし使用期間はラスト2~3話と非常に短い。 ---しかし即座に回復するというわけでも無いので、基本は輝刃ストライカーやアカツキの大太刀の使える形態で戦いENが切れたら変形して回復、という戦法が強い。 --ベガが搭乗する機体(というかバイク)のワルキューレが非常に強く((サイズSS=最終命中補正×0.4なので敵の攻撃が殆ど当たらない。))、無双も可能。ただし宇宙では出せない。 ---ちなみにベガ自身も『ΖΖ』のプルより少し高い程度のパラメータを持っており、セルファイターやセルブースターに乗せ換えた場合でもほとんどモビルスーツ感覚で使える。 -前作『A』では微妙な性能だった『ナデシコ』勢も本作では大幅に性能が強化された。 --さらにはパイロット全員にカットインが用意されていたり、ダイゴウジ・ガイと白鳥九十九が最後まで無条件で生存している点などもファンを喜ばせた。 --終盤でTV版の設定のまま劇場版の機体に乗り換えることになる。九十九がアルストロメリアに乗ったり、原作にはなかったガイ専用のスーパーエステバリスが新規設定されたりと、ナデシコ優遇の始まりとも言える。 ---ただ、スーパーエステバリスは射撃主体の機体で換装もできないので、格闘が得意なガイとは能力的に噛み合わないのがネック。 -『ガンダムX』系のユニットのバリエーションが敵味方合わせて非常に豊か。ユニットの種類数で言えば初参戦作品の『α外伝』やスパロボ本流シリーズの1作目である『Z』すら上回るほど。 --フロスト兄弟の後継機だが『α外伝』に出なかったヴァサーゴCBとアシュタロンHCが後半から登場。改修前・後共に合体攻撃も実装された。 --水中戦があまり起きないスパロボにおいて、(隠し機体とはいえ)レオパルドS-1ユニットの登場は誰も予測していなかった。 --更に地味なところであるが、コルレル・ブリトヴァ・ガブルの3人組やラスヴェートがパイロット付きで登場する点は、スパロボどころか『Gジェネ』シリーズをも超える扱いの良さである。 -ガンダムエックス(GX)及びダブルエックス(DX)は、『α外伝』にあったサテライトキャノンの使用制限(月が出ていなければ使用不可)が無くなったため、元から強かった『α外伝』より更に使い勝手が増した(MAP兵器の射程に制限はついたが)。&br()ルート次第でガロードにティファがサブパイロット化してニュータイプ(X)技能&Gビットが追加、DXにそのガロードを載せGファルコンと合体すればパイロット3人化&サテライトキャノンのターン数制限が減る等、反則レベルの強さを誇る。なお、最強武装の『Gビットサテライトキャノン(DX + Gビット4機のサテライトキャノン一斉発射)』は威力・性能・戦闘外見から非常に人気が高いが、本作以降で再現されたことは一度もない。 --さらにDXとGXでツインGビットやツインサテライトキャノンなどの合体攻撃が可能。Gビットはチャージ制限も無いので非常に火力も高く使い勝手が良い。というか''サテライトキャノンの合体攻撃が出来る''など、今作くらいなものである。((セリフは通常のサテライトキャノンからの流用が多いが、ガロード&パーラのみ会話内容が少し増えるというオマケまである。)) -『A』で多かった版権の壁を越えた会話やシチュエーションが今作でも豊富であり、火星で九十九を(自転車で)追いかけるギャリソン、原作同様恐怖に支配された銀河を諭すチボデー、(ダイターン3の)ソルジャーをかじるガルファの3バカ等、本作の明るい作風を構築する物が多い。 ---- **問題点 -『A』と『D』という名作に挟まれたせいもあって、『K』が現れるまでは同作が携帯機最低シナリオ作品と評されていた。『K』が現れた現在ではせいぜい中の下というところ。 ***版権(問題点) -会話などの端々に推敲不足・ライターの知識不足が目立つ。以下は顕著な例。 --ナデシコの艦長制度(メカニックの高度発展で艦長自身が与える影響が少なくなっている)での艦長選抜の際、ナデシコの会計係であるプロスペクターが、ブライト達に対して「本質的な意味での艦長は必要としない」と、逆撫でするような説明をしてしまう。&br()一応、「オートメーション化が進んでいないガンダム系の戦艦ではまだまだ艦長が必要とされる」と弁解はするが、すぐに「現実を見てください。ブライト艦長とユリカさん、どちらのために死ねますかと問えば、若者はユリカさんを選びますよ」と火に油を注ぐ。そして以後フォローも無い。&br()この後システムを利用されてナデシコを敵に乗っ取られ、「やっぱり艦長も大事」という結論に至る話なのだが、話の前振りとしては些か棘があり過ぎる。 ---原作を知っていれば分かることだが、見ての通りプロスペクターが原作と全く違うキャラとなっており、やたらと周囲の神経を逆なでする守銭奴の嫌味なおっさんという描かれ方をしている。&br()今作では登場しないアカツキやエリナの役割を担っているためと思われるが、嫌な部分が増えてしまった感は否めない。因みにアカツキの不遇な扱いは本作から始まっている。 //---ちなみに『逆襲のシャア』原作には''「極めて危険な作戦を立案するも、部下達はブライトを信頼し命を預ける」という名シーンが存在している''ため、本作のこの件は正に原作破壊としか言いようがない。 //プロスペクターの性格改変はともかく、「おっさんより美女の為に死ぬやつの方が多いだろ?」っていう一般論を言っただけで、原作破壊なんてのは言いすぎ。R作中で逆シャアのシーンを「おっさんのために死ぬのを嫌がった」なんて改悪したわけでもないし。 //--とあるインターミッションでの暗黒大将軍の台詞''「闇の帝王様!闇の帝王様!」''。暗黒大将軍ってこんなはしゃぐような台詞言うキャラだっけ・・・。 //前後がわからないから変なのかどうかわかりません。 //確認してみた。「闇の帝王様!闇の帝王様!」→「何ぞ」→「ドラゴノサウルスの卵がかえった!」みたいな感じ。確かになんかこう、アレだった。 //やけに微笑ましいやり取りだなおいww --ジャミル自身のコロニー落としの告白の際の「私に比べれば、アムロの戦果など微々たるものさ。」という発言。この後「もっとも、私の残した戦果は、虐殺だったが」と続くのだが自虐というにしても、ジャミルのキャラではないと批判された。 //--「コロニー落としでの被害者数がニュータイプにどれほどの心理影響を及ぼすのか」というシーンの際、カミーユが「俺もコロニー落としを感じた事があったけど、あんなのは二度とごめんだ」と発言する。&br()しかし原作『Ζ』でのコロニー落としは地球ではなく月であり、しかも目標地点から180km離れた地点に落着するという明らかな失敗であるため、カミーユがこのような発言をするのはシナリオライターが原作を理解し切れてない証拠である。((実際に被害を被ったコロニー落としは『1st』『0083』『ΖΖ』。)) //そのZZでカミーユはコロニー落としを経験してるからむしろZZの原作をしっかり理解してるような //「Z・ZZ共に原作エピソード終了済みでの参戦」ならその言い分は正しい。しかしRは「Zが終了済み、ZZはネオジオンの地球侵攻作戦(コロニー落とし前)が成功している」という状況での開始だから、やっぱり不適切だよ。 //それ以前の過去に感じたことがある可能性は? --本編の時間軸では未来にあたる『劇場版ナデシコ』や『逆襲のシャア』の機体にTV版時代のキャラが乗るのだが、それが誕生したきっかけはミズホが未来世界で収集した機体データを、『ガンダムX』のキッド・サルサミルが''無断で拝借''して製作したためである。&br()原作のキッドはメカニックとしてのプロ意識があり、当初ガロードを「ガンダム坊や」とバカにしていたぐらいで、同業者のデータを盗み見るようなキャラではない。&br()なおこの際、『ナデシコ』のウリバタケと『電童』のドクター井上が共謀している。ウリバタケはともかく井上も止めようとしないというのは…。 //--クワトロの「わかった。あいつらを倒せばいいのだな」という台詞。「''あいつら''を''倒す''」というおよそ彼らしくもない散文的な言い回しがファンサイドでウケ、当時ネタにされた。 //---後に劇場版Zで「私の分は?」(尻を触ったと言われ)「違うぞ」等の上を行く迷言が飛び出ることになるが。 //コレは推敲不足というのとは違うんじゃないですか?他キャラみたいに明らかにキャラ的におかしいというセリフじゃあありませんし --ヒイロがマリーメイア派の篭るシェルターを破壊するシーンにおいて、ガロードがティファに頼まれてガンダムDXのツインサテライトキャノンで割り込んで止めた展開が問題視された。 ---デキムをリリーナもろとも殺すつもりでシェルターを攻撃するも、最後の一撃を放つ寸前に過去を思い出して狙いをずらし、奇跡的な穴の開け方をした…というのが原作の展開なのだが、本作では「狙いをずらした最後の一撃を放った後にガロードがサテライトキャノンをチャージし、ヒイロに銃口を向ける」という妙な展開になってしまっている。これもまた原作についての知識が足りていない。 //---原作ではデキムをリリーナもろとも殺すつもりでシェルターを攻撃しており(小説・漫画版の独白)、最後の一撃を放つ寸前に「犬と少女」を思い出して狙いをずらし、奇跡的な穴の開け方をしたのだが、『A』や『α外伝』では特にそういうドラマもなく淡々とシェルターを攻撃してそれで問題無く話が進んでいるため、過去作をプレイしたプレイヤーから「リリーナ達を殺す気がないのに邪魔した」と言われる事になってしまった。ただし、仮に本作でもリリーナ達を殺す気がなくても、シェルター内に居るマリーメイアや一般兵の恐怖は相当な物なのは想像に難くないため(原作では天井が崩落している)、他者の感情を感知するティファが止めに入らせる、という事自体はさほどおかしな事ではない。 //「バスターライフルを2発→ガロードが止める→3発目を中断」ならこの言い分は正しいが、今確認してみたところ「バスターライフルを2発→ガロードが止めに入る→それで踏みとどまって3発目を逸らしつつ撃つ→ガロードがキャノンをチャージして構える→ヒイロ無言」という展開だったのでやっぱりおかしいよこれ。 //---ちなみに前作の『A』にも「一矢に威圧されて気圧される」という原作のヒイロからすればありえない描写が存在している。原作においてヒイロが誰かにビビるようなシーンは一度たりともなく、またそのようなキャラでもないため、本作も合わせて扱い方が今一つ悪い。 //Aの内容はAに書いた方がいいのでは…? --鉄也を見舞いに来た子供たちの花束を見たミナトが「安い花ばかり、きっとお小遣いをためて買ったのね」と発言する。言いたい事は分かるが言い回しが適切ではない。 -根本的な問題として、''参戦作品の約7割が『A』と被っている''ため新鮮味が極めて薄い。 --『ネオゲ』『電童』『ガンダムX』『劇場版ナデシコ』以外の参戦作品は全て『A』にも参戦している。武装の追加や性能の変化こそあれど、戦闘デモもほぼ全て『A』の使い回しである。 ***オリジナル -主人公たちは未来からやってきたという設定があり、歴史を変えないため版権キャラたちとはなるべく絡まないようにしている。そのため版権作品とのクロスオーバーが控えめ。また、言動に一部問題がある。 --デキムのクーデターが起こる日(改変前の歴史ではそのままリリーナが処刑されている)の戦いの際、男主人公のラウルが「歴史の転換期を目の当たりにするってのは、感動ものだけど」という不謹慎な発言をする。 ---女主人公のフィオナの場合、同じ場面での台詞は仲間を見捨てる事への罪悪感や後ろめたさであるため、ラウルの場合は自分達への皮肉と自嘲でこういう台詞になったと思われる。&br()しかしラウルはそれまであまり皮肉を言うようなキャラではなかったため、「いきなり何を言い出すんだ」と感じたプレイヤーが多かった。 --メカニックのミズホは「人命救助を目標にしている」という設定の筈が、序盤で基地が襲撃された際に犠牲になった連邦兵がいるにも関わらず、自分の造った機体の事しか心配していないなどの矛盾も存在する。 ---ついでにいうと、とあるアンソロで「危険なところへと向かうレスキューマシンなのに必ず中にパイロットを乗せる仕様にするよね(意訳)」とつっこまれていた。 ---ミズホは[[災害救助ロボを作りたい>第2次スーパーロボット大戦OG]]と思っているが、戦争をしている今現在にそんなものに資金を出す奴はいない(意訳)という嫌なリアリティがラウル編にて解説されているのでこちらはまだ擁護できなくもないが……。 --ラージ・モントーヤ(主人公の幼馴染であるメカニック)の存在が著しく低評価。ファンからは「メガネ」呼ばわりされることも。 ---前述のクーデター戦において、仲間達が必死で戦っている裏で「未来が変わると危ないから手を抜けor戦うな」と主人公に告げる場面は特に批判の的になった。本人としては当然の事だろうが、プレイヤーには共感しにくかった。 ---尤も主人公は電童を守るために自ら盾になって機体を大破させる、決死のボソンジャンプをかけたアキトを救出する等、仲間の危機を見捨てる事はしなかったが。 ---ラージは動力源オタクであり、未知の動力に対して強い好奇心を示す。が、それが高じて''コン・バトラーVを解体して分析しようとする''。しかも''素でそれが悪いことだと気がつかない''。ギャグのつもりなのだろうが、一線を越えているため笑えない。 ---ちなみにコン・バトラーVの動力は、スーパーロボットには珍しく何の変哲もない原子力である。ライターの知識不足の現れだろう。 ---女主人公の場合はラージとの恋愛描写がちょくちょく挟まれるのだが、上記の通り人間的魅力が皆無なのでプレイヤーからすれば白けるばかりである((一応女主人公にしていると、動力源に固執したり過去の戦いに積極的でない理由も描写が多くなり、フォローはされている。))。 -男主人公の方は「最終形態はかっこいいが、BGMがダサい」と言われている。そして女主人公の方は「BGMはかっこいいが、最終形態がダサい」という逆パターンであり、消極的な意味でどっちを選んだらいいか困ってしまうプレイヤーもいた。後の『OG外伝』では改善されている。 -デュミナスも全体的には設定が推敲不足。 --デュミナスの正体が最後まで明言されることがなかった。最終話のミズホの発言も推測に過ぎず、しかもその説は最後で一気に導き出される。プレイヤーは完全に蚊帳の外。 --主人公とデュミナスの関連が極めて希薄。他の携帯機シリーズだけを見ても主人公と敵との間には強い関連性があるのだが、本作の場合「地球圏で主人公たちが開発した技術をデュミナスがたまたま見つけ、利用しようとした」だけ。その距離感はバンプレオリというより別々の版権作品であるかのよう。 --また行動自体悪い意味でやりたい放題で、最も酷評されたのが東方不敗関連。''東方不敗の墓を発き、DG細胞を植え付けて無理矢理復活させた上でデビルガンダムの生体ユニットにする''という、人道・道徳の点でも最悪の所業をしでかしている。ガイゾックよりも遥かに酷い。 ---ただし、原作でガイゾックが人間爆弾をつけたのは罪もない一般市民。此方ではある意味人類最強ともいえるぶっとんだ人に対しての扱いの為、その後の東方不敗復活の流れのアツさからか、そこまで批判はされていない。 ***仕様の問題点 -特殊能力「底力」による装甲増加が明らかに低い。従来のスパロボでは装甲が5%ずつ増えていくのだが、(最高でも)HP60%以下でしか発動せず、発動した段階で装甲値が''+105''されるという使えない仕様なのが原因。 --その後はHPが10%下がる度に装甲値が''+5''される。 ---スパロボを知らない人のために説明すると、被ダメージが1000単位で飛び交っているところでダメージが500も減らないということである。ましてや+5では10ダメージ減るかどうか…。 -指揮補正が従来と違い、''効果の高い結果ではなく指揮レベルが高い者の計算結果''を優先してしまう。 --例を挙げるとレベル2の者と隣接(補正値12%)していてもレベル4の者が5マス先(5%)にいると後者が優先。 --次回作『D』以降では敵のみしか指揮レベル4の者はいないのだが、''今回に限って戦艦のパイロットは指揮レベルが4まで上昇する。'' -UIは進化しているが、多少劣化しているものもある。 --『A』のエステ勢は出撃直前にワンタッチでフレームを変更できたのに対し、本作では戦闘前のインターミッションで事前に換装する仕様になっている。 --『A』の敵フェイズではL/Rボタンで援護の有無を変更できたが、本作では援護コマンドを開いて1回1回オン/オフにする必要がある。 ***バグ -「エニルバグ」と呼ばれる致命的バグが存在する。 --バグ内容は説得可能な敵ユニットの一つ「ジェニス改 エニルカスタム」が周回を重ねる毎に改造限界値を超えて強化されていくというもの。このバグにより、同ユニットが登場するルートは最終的にクリアが困難となる。 ---本作は周回引継ぎで味方の改造が引き継がれるのだが、上記のユニットは敵から味方になるため、データを別に指定しておくのを忘れたと思われる。 ---某有名匿名掲示板に降臨した解析者によると、(異様な量のクリアボーナスは必須なものの)ガンダムDXのサテライト・キャノンやコン・バトラー&ボルテスの合体攻撃を使えば一応撃退は可能な模様。彼らは必中を使えるので攻撃をミスすることもない。 ---また、精神コマンド「自爆」((隣接ユニットに現在HPのダメージを与えるが、使用した機体が破壊される。当然機体の修理費がかかる。))を使うといった荒業もあるので、(壮絶な下準備はいるが)計画的にプレイすれば積みを回避できる。 -隣接しているユニットがカウンター技能を持つパイロットの場合、カウンターが発動するとそのユニットに重なってしまい操作不能になるバグがある。 --実際に移動したのはユニットのアイコンのみで、一見何も居なくなったマスを選択するとデータが残っており操作できる場合もある。 ---- **賛否の分かれる点 -ストーリー上の試みとして新路線を切り開こうという意志は見える。「素材は良かったが、調理がまずかった」という評価をされることもあり、全部が全部ダメだったというわけではない。 --『機動武闘伝Gガンダム』は本編終了後の扱いで関連話は全てオリジナル。賛否両論だったがスパロボでこういった表現は珍しい(原作終了後は空気参戦になり易いため)。 ---その代わりデビルガンダムは終盤に敵側に量産されて大量に登場する。弱いのでたいした問題ではないが。 --UCガンダムの地球連邦や『X』の新連邦といったガンダム系の政府組織ではなく、いわゆるスーパー系の味方組織である『GEAR戦士電童』の地球防衛組織GEARが自軍の中心になるという非常に珍しい試みが成されている。 ---これにより、今作では「敵の現れた地点に向けて基地から発進する」というスーパーロボット的な話の始まり方が多くなる。これまでは「アーガマやナデシコに乗り地球各所を飛び回る」という展開が多かったため、新鮮であるという意見がある。 --スーパー系の再現も多く、前後の繋がりの無い単発話の多いスーパー系シナリオはなかなかスパロボでは再現されていなかったので、スーパー系好きからは評価されている。 ---特に『ダイターン3』はコメディ要素が多く再現され、『R』でしか出ていない名有りメガノイドも数多い。また『グレートマジンガー』の生田信一郎など、前述した『ガンダムX』といい、レアなキャラが多いスパロボである。 --このため自軍の戦いの戦争臭や重苦しさといった部分がかなり薄められており、全体的に明るい雰囲気のシナリオが展開されている。この手法やノリは後の『[[W>スーパーロボット大戦W]]』や『[[NEO>スーパーロボット大戦NEO]]』などにも引き継がれている。 ---ただしこの弊害としていわゆるリアル系の敵がただの「地球を狙う悪役」に見えてしまうため、リアル系ファンからは不満の声が出ることもある。&br()特にネオ・ジオンは「首領ラカン・ダカラン率いる悪の秘密組織。アルタネイティヴ社を根城に世界征服を狙う」というノリがぴったり。 --『機動戦艦ナデシコ』の劇場版が初参戦。これ自体はいいのだが、序盤1~4話で原作再現が終了してしまい、しかもデュミナスの横槍で原作より悪い状況で終わってしまう。&br()歴史改変をテーマとした本作ならではと言えるが、初参戦の劇ナデの再現に期待したファンはがっかりした。 ---タイムスリップ後の世界では当然劇場版のキャラは登場せず、TV版のストーリーが展開される。ただし劇場版の機体は終盤になれば使えるようになる。&br()しかし劇場版アキトの機体であるブラックサレナは、ファンの間では「復讐鬼となったアキトを象徴する機体である」という認識が強かったためか、TV版のアキトがこれに乗るのは賛否両論だった。 ---未来が変わったためにナデシコのキャラたちが劇場版の不幸な展開に陥ることなくハッピーエンドを迎えられたことを良しとするファンもいる。 ---またTV版のシナリオ面では、敵組織の木連の士官である白鳥九十九がアキトのお株を奪う大活躍をする。お陰でシナリオ面でのアキトの影は物凄く薄い。 --『ガンダムX』の敵・フロスト兄弟が様々な組織で暗躍するが、ネオ・ジオンや木連など人間側に鞍替えするのはまだしも、最終的に異星の侵略者であるガルファ(『電童』の敵勢力)に付いてしまう点は、やや展開に無理があるという声もある。 -周回で改造を引き継ぐこともあり、シリーズ全体と比較しても難易度がかなり低く、スパロボ経験者には物足りない。 --EN切れを気にせず戦えるエステバリス、サテライトキャノンを持ち最後まで一線を張れるガンダムXなど、序盤から強力なユニットが多いというのも理由ではある。 --順当に強化していけば初見でも中盤以降リアル系が攻撃を貰うケースが殆ど無くなる。 --ラスボスの異常なまでの弱さ。順当にゲームを進める程度の改造で、ステージ通して相手の攻撃は全て命中率0パーセントになり負ける要素は絶無なので、シリーズ最弱どころか''あらゆるSRPGの中でも屈指の弱さ''を誇る。 ---ラスボスは数形態ある上に条件を満たさないと何度も復活するが、それを逆手に取られ次の周回に向けての資金稼ぎで何度も墜とされる。 ---前のシナリオでのガルファ皇帝とゼロを同じターンに撃破する勝利条件の方がまだ厄介である。 --ただ『J』、『W』、『K』など任天堂携帯機はどちらかと言えば難易度低めの作品がほうが多い。サクサクと進められるので''スパロボ入門としては良作であるとも言える''。 -上記のように、良い点・悪い点が極端であるため、「減点法だとクソゲー、加点法だと良ゲー」とも呼ばれる。良くも悪くもアクの強い仕上がりである。 ---- **総評 -難易度は低いなりにバランスが取れており、どの作品が著しく使えない、ということはない。 -今日に至る任天堂携帯機シリーズのシステムをほぼ完成させ、操作性・快適性を大幅に向上させた功績は大きい。 ---- **余談 -後に本作のオリジナルキャラが『OG外伝』に本格参戦(『OGs』でも僅かだが登場する)。味方側はラージの性格も多少改善されており、それなりに好評を博した。&br()しかし救済を期待されていたデュミナス一味は改悪され、三人娘を愛する紳士達は悲嘆にくれた…がなんと、三人娘のあるキャラが生存しラウルと共闘するというサプライズが。しかも、エンディングではラウル達と暮らす事に。&br()次回作である『第2次OG』にも登場し、一部ファンが歓喜した。 --『R』と『OG』の世界は並行世界で、両者は似て異なる別存在だとする説もあるので、デュミナス一行が『R』の設定で再登場するかもしれない。スパロボはシリーズ全体で並行世界設定を多用しているのでありえない話ではないが…。 --尤も、デュミナス一味は同情出来る点や家族愛などの温かみのあるキャラ造形があったとは言え、「自身のアイデンティティ確立の為に星を滅ぼす」「版権キャラの誇りを踏みにじる」などやっていることは外道そのもの。&br()『R』ファン・アンチの双方から「デュミナス一味の救済は為されるべきではない」という意見も目立っていたことは留意すべきである。 -携帯電話(iアプリ)に移植されていたが、『スーパーロボット大戦モバイル』の配信に伴い入れ替わりで配信終了となった。 ----
「[[検証依頼]]」が出ています。依頼内容は「問題点の項にある底力の設定ミスの真偽の確認」です。対応できる方はご協力をお願いします。 ---- *スーパーロボット大戦R 【すーぱーろぼっとたいせんあーる】 |ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B000067UED)| |対応機種|ゲームボーイアドバンス|~| |メディア|64MbitROMカートリッジ|~| |発売元|バンプレスト|~| |開発元|バンプレソフト&br()エーアイ|~| |発売日|2002年8月2日|~| |定価|5,800円|~| |判定|なし|~| |ポイント|難易度大幅低下&br()システム的な完成度は高い&br()好みが分かれがちなオリジナルキャラ&br()ストーリー上の都合によるクロスオーバーの少なさ|~| |>|>|CENTER:''[[スーパーロボット大戦シリーズリンク>スーパーロボット大戦シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -GBAにおけるスパロボ第2作目。 -タイトルの「R」は「Reversal(逆転、反転)」という意味であり、ストーリーのテーマも歴史改変物となっている。改変前のあらすじは「『ガンダムW』におけるデキムのクーデターが成功しリリーナが処刑されている前提であり、他作品も原作における鬱展開以上の事が起きている」という、改変ありきとはいえ凄まじいものである。 -初参戦作品は『劇場版 機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-』『真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ』『GEAR戦士電童』の3作品。 --また『機動新世紀ガンダムX』が携帯機初参戦。『Gガンダム』『ガンダムW』『ガンダムX』の、いわゆる「アナザーガンダム三部作」が全て参戦したスパロボは、ソーシャルゲームを除けば本作が唯一となる。 #region(参戦作品一覧) ★マークは新規参戦、☆マークは携帯機初参戦。 -マジンガーZ -グレートマジンガー -劇場版マジンガーシリーズ -★真ゲッターロボ 対 ネオゲッターロボ -機動戦士Ζガンダム -機動戦士ガンダムΖΖ -機動戦士ガンダム 逆襲のシャア -機動武闘伝Gガンダム -新機動戦記ガンダムW Endless Waltz -☆機動新世紀ガンダムX -無敵超人ザンボット3 -無敵鋼人ダイターン3 -超電磁ロボ コン・バトラーV -超電磁マシーン ボルテスV -機動戦艦ナデシコ -★劇場版 機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness- -★GEAR戦士電童(ギアファイターデンドー) -バンプレストオリジナル #endregion ---- **特徴・評価点 ***システム -前作『[[スーパーロボット大戦A]]』に比べてインターフェイスが格段に進化している。携帯機・据置機問わず、本作以降のシリーズ作品に受け継がれている要素が多い。 --「戦闘デモやインターミッション会話のカット機能」「敵フェイズの早送り」「敵フェイズでのセーブ」が搭載され、快適にプレイできるようになった。 ---敵フェイズセーブ以外は過去の据置機作品でも導入されていたが、携帯機作品においては初めて導入されたシステムである。 --『A』では不完全だった援護システムが改良された。 ---援護に入るユニットや使用武器を指定できるようになった。 ---合体攻撃にも援護攻撃ができるようになった。代わりに合体攻撃で敵ユニットの援護防御を無効化する仕様が廃止された。 --武器の改造方式が個別改造から一括改造に変更された。『Gガンダム』のスーパーモード・ハイパーモード発動時に追加される武器もちゃんと改造段階が反映されるようになった。 --周回引き継ぎも前のプレイのデータを引き継ぐことができるようになった。引き継がれるボーナスはユニットの改造段階、撃墜数、最終話クリア時点で持っている資金。 -精神コマンド「愛」の効果が変わった。従来は味方ユニット全員のHPを全回復するコマンドだった(それ故にシステムに慣れてくると使用機会がなくなる)が、今作からは従来の「奇跡」((ド根性・気合×3・加速・幸運・努力・必中・ひらめき・魂が同時にかかる。))を少し弱くした攻撃的な精神コマンド((気合・加速・幸運・努力・必中・ひらめき・熱血が同時にかかる。))へ変わった。Gガンダムのドモンなどに恩恵が大きい。 -以降の任天堂携帯機スパロボで定番となる特殊技能「撃ち落とし」の採用。実弾兵器やファンネルなどが無効化対象で切り払いより有効範囲は狭いが、演出としては一級品。 --本作では特定のMSパイロットしか使用できないため目に掛かる機会が少ないが、『[[D>スーパーロボット大戦D]]』以降では使えるパイロットの幅が広がった。 -本作では主人公は男(ラウル)か女(フィオナ)のどちらかを選択できるが、『A』と違い選ばなかった方はシナリオには一切登場しない。大まかな話の流れは共通だが、男女で一部イベントの内容やエンディングの展開が異なる。 --搭乗機体は男女共に「エクサランス」で固定であるが、シナリオを進めて行くと射撃型・空中型・水中型と様々な形態に換装できるようになっていく。また最終形態は男女で外見と一部性能が異なっている。 ***デュミナス -オリジナルの敵勢力「デュミナス一味」はキャラクター性、ならびに個々のシチュエーションに限って言えば好評。 -一言で説明すると「自分探しに耽るでかい目玉と、それにこき使われる少女2人と少年1人」という訳の分からない勢力。 --デュミナスは何のために作られたのかわからない存在であり、失敗作と呼ばれ処分されかけたが、逆に抵抗して創造主を殺してしまい、以降宇宙を放浪している。失敗作扱いされた事から「過ち」に興味を持ち、あらゆるところで「過ち」を起こさせその何たるかを学ぼうとしているという、はた迷惑な存在である。 --配下の3人の狙い澄ましたキャラビジュアルと言動は一部の紳士達に好評を博している。少年が混じっているがファンからは大抵「3人娘」「過ち姉妹」などと呼ばれる。 ---しかし外見に反してボス格らしい強さはしっかり持っている。肉弾戦も(見た目で躊躇されていたとはいえ)人外的な強さを持つシャッフル同盟に引けを取らないというビックリ設定。 --最終話前における彼女たちの会話シーンは深い家族愛を感じさせるもので、涙なくしては見られないというプレイヤーも多数。 #region(最終話のネタバレ) --最終戦での彼女たち3人は弱ったデュミナスを支えるために全てを使い果たした抜け殻となっているため、撃破しても一言もセリフを発さずに死ぬ。悲しく、そして不気味な演出である。&br()ただし抜け殻になっても能力はそのままなので、舐めて掛かると痛い目を見る。 //--最終的に彼らは目的を果たせないまま味方勢力に皆殺しにされるという救いのない結末を迎える事となり、「自業自得とはいえいくら何でもあんまりすぎやしないか」という同情的な意見も多かった。 //デュミナスたちがやってきたことも考えるとあまりに偏りすぎな意見だと思う --男主人公ルートならヒロインのミズホがデュミナスに「人間になるはずだったのではないか」と(あくまで推測であるが)一応のレゾンデートルを与えるため、少しは救いがある。&br()しかし女主人公ルートでは現実的な思考を持つラージがそのポジションなので気の利いた事は言ってくれない。ただしこちらはこちらでデュミナスの境遇に同情した上で彼の行動とそれに至った考えの問題点を指摘している。 #endregion ***版権(特徴・評価点) -スパロボ御三家(マジンガー・ゲッターロボ・ガンダム)の一角であるゲッターロボが初めてOVA版の『真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ』で登場し、多くのファンを驚かせた。 --性能面で優遇され、原作再現がしっかりしていることもあり評価は高い。 --クロスオーバーでもそこそこ出番があり、特に隠し条件を満たすと判明するあるクロスオーバーは驚きと共に評価されている。 -初参戦の『GEAR戦士電童』はシナリオ・性能ともに優遇されている。 --主役ロボ・電童と凰牙はデータウェポン搭載の有無を問わず非常に多くの技が再現されている。必殺技であるファイナルアタックは「EN残量に応じて威力が変化し、使用後全ENを消費する」という癖の強い技だが、演出は素晴らしい。 --そして最強形態であるフェニックスエールは、特殊能力「EN回復(∞)」のおかげでファイナルアタックが撃ち放題という豪快な性能。 ---ただし使用期間はラスト2~3話と非常に短く、通常のEN回復能力と同じくプレイヤーフェイズ開始時に回復するため、バランスブレイカーにはなっていない。 --ベガが搭乗する機体(というかバイク)のワルキューレは、非常に小さいサイズのおかげで敵の攻撃がほとんど当たらず、火力も十分あるため無双も可能。宇宙では出せないのが欠点。 ---ちなみにベガ自身も『ΖΖ』のプルより少し高い程度のパラメータを持っており、セルファイターやセルブースターに乗せ換えた場合でもリアル系の主役級とほぼ同じ感覚で使える。 -前作『A』では微妙な性能だった『ナデシコ』勢も本作では大幅に性能が強化された。 --パイロット全員にカットインが用意され、ダイゴウジ・ガイと白鳥九十九が最後まで無条件で生存するなど、演出面でもファンを喜ばせた。 --終盤でTV版の設定のまま劇場版の機体に乗り換えることになる。九十九がアルストロメリアに乗ったり、原作には無かったガイ専用のスーパーエステバリスが新規設定されたりと、ナデシコ優遇の始まりとも言える。 ---ただ、スーパーエステバリスは射撃主体の機体で換装もできないので、格闘が得意なガイとは能力的に噛み合わないのがネック。 --劇場版の扱いについては問題点の項を参照。 -『ガンダムX』系のユニットのバリエーションが敵味方合わせて非常に豊か。ユニットの種類数で言えば初参戦作品の『[[α外伝>スーパーロボット大戦α外伝]]』を上回るほど。 //ユニットの種類数で言えば初参戦作品の『[[α外伝>スーパーロボット大戦α外伝]]』やスパロボ本流シリーズの1作目である『[[Z>スーパーロボット大戦Z]]』すら上回るほど。 //未来の作品に言及されていた箇所をCO。 --フロスト兄弟の後継機だが『α外伝』に出なかったヴァサーゴCBとアシュタロンHCが後半から登場。改修前・後共に合体攻撃も実装された。 --水中戦があまり起きないスパロボにおいて、(隠し機体とはいえ)レオパルドS-1ユニットの登場を予測できた人はいたのだろうか? --更に地味なところであるが、コルレル・ブリトヴァ・ガブルの3人組やラスヴェートがパイロット付きで登場する点は、スパロボどころか『Gジェネ』シリーズをも超える扱いの良さである。 -ガンダムエックス(GX)及びダブルエックス(DX)は、『α外伝』にあったサテライトキャノンの使用制限(月が出ていなければ使用不可)が無くなったため、元から強かった『α外伝』より更に使い勝手が増した(MAP兵器の射程に制限はついたが)。&br()ルート次第でガロードにティファがサブパイロット化してニュータイプ(X)技能&Gビットが追加、DXにそのガロードを載せGファルコンと合体すればパイロット3人化&サテライトキャノンのターン数制限が減る等、反則レベルの強さを誇る。なお、最強武装の『Gビットサテライトキャノン(DX + Gビット4機のサテライトキャノン一斉発射)』は威力・性能・戦闘外見から非常に人気が高いが、採用されたのは現時点で本作のみ。 --さらにDXとGXでツインGビットやダブルサテライトキャノンといった合体攻撃が可能。Gビットはチャージ制限も無いので非常に火力も高く使い勝手が良い。というか''サテライトキャノンの合体攻撃ができる''など、今作くらいなものである。((セリフは通常のサテライトキャノンからの流用が多いが、ガロード&パーラのみ会話内容が少し増えるというオマケまである。)) -『A』で多かった、版権の壁を越えた会話やシチュエーションが今作でも豊富。火星で九十九を(自転車で)追いかけるギャリソン、原作同様恐怖に支配された銀河を諭すチボデー、『ダイターン3』のソルジャーをかじるガルファの3バカ等、本作の明るい作風を構築する物が多い。 --原作では生存したフロスト兄弟が死亡する一方で、ハイネルが生存しカザリーンと共にどこかへ消えていくなど、原作と違う結末を迎えたキャラも一部いる。 -『ネオゲッター』や『電童』以外のスーパー系作品の原作再現も多い。前後の繋がりの無い単発話の多いスーパー系シナリオはなかなかスパロボでは再現されていなかったので、スーパー系好きからは評価されている。 --特に『ダイターン3』はコメディ要素が多く再現され、原作でも印象深いエピソードを残したコマンダー・エドウィンを初めとして、現時点で本作にしか出ていない名有りメガノイドも数多い。また『グレートマジンガー』の生田信一郎など、前述した『ガンダムX』といい、レアなキャラが多いスパロボである。 -本作の自軍の中心は、宇宙世紀ガンダムシリーズの地球連邦や『ガンダムX』の新連邦といったガンダム系の政府組織ではなく、いわゆるスーパー系の味方組織である『GEAR戦士電童』の地球防衛組織GEARが担っている。 --従来は「アーガマやナデシコなどリアル系戦艦に乗り地球各所を飛び回る」という展開が多かったが、今作では「敵の現れた地点に向けて基地から発進する」というスーパーロボット的な話の始まり方が多くなるという、実に新鮮な内容になっている。 -後述の通り難易度が低い点は賛否両論だが、低いなりにバランスは取れており、強弱の差はあれど著しく使えないユニットは特に存在しない。 ---- **賛否両論点 -新路線のストーリー --評価点や問題点にあるように、上手くいったものから失敗したものまである為、こういった路線に踏み切った事は賛否両論となっている。 -自軍の戦いの戦争臭や重苦しさといった部分がかなり薄められており、全体的に明るい雰囲気のシナリオが展開されている。~ この手法やノリは後の『[[W>スーパーロボット大戦W]]』や『[[NEO>スーパーロボット大戦NEO]]』などにも引き継がれている。 --ただし、この弊害として所謂リアル系の敵がただの「地球を狙う悪役」に見えてしまうため、リアル系作品のファンからは不満意見が出やすい。~ 特にネオ・ジオンはティターンズや新連邦など地球側の敵組織が登場しない((従って本作において『ガンダムW』のマリーメイア軍および『ガンダムX』のNT研究所などはネオ・ジオンの傘下である。))のもあって、「首領ラカン・ダカラン率いる悪の秘密組織。アルタネイティヴ社を根城に世界征服を狙う」というノリがぴったり。本来のトップであるはずのハマーンが今回目立たないのも拍車をかける。 -周回で改造を引き継ぐこともあり、シリーズ全体と比較しても難易度がかなり低く、スパロボ経験者には物足りない。 --EN切れを気にせず戦えるエステバリスや、その大火力で終始スタメンのガンダムXなど、序盤から強力なユニットが多いのも理由ではある。~ 順当に強化していけば、初見でも中盤以降は、リアル系ユニットが攻撃をもらうケースが殆ど無くなる。 --ラスボスが''あらゆるスパロボの中で最弱''。~ 順当にゲームを進める程度の改造で、ステージ通して相手の攻撃は全て命中率0パーセントになり負ける要素は皆無((前作『A』のラスボスも1ターン目プレイヤーフェイズで倒せてしまえるため最弱候補に挙げられているが、あちらは特定の機体の武器改造や特定の強化パーツ使用・精神コマンドを駆使するという前提条件はある。))。 ラスボスは数形態ある上に条件を満たさないと何度も復活するが、それを逆手に取られ次の周回に向けての資金稼ぎで何度も墜とされる。~ 前のシナリオでの「大ボスであるガルファ皇帝とゼロを同じターンに撃破する」という勝利条件の方がまだ厄介である。 ---- **問題点 ***版権(問題点) -会話等の端々に推敲不足・ライターの知識不足が目立つ。以下は顕著な例。 --ナデシコの艦長制度((「メカニックの高度発展で艦長自身が与える影響が少なくなっている」という設定。))での艦長選抜の際、ナデシコの会計係であるプロスペクターが、ブライト達に対して「本質的な意味での艦長は必要としない」と、逆撫でするような説明をしてしまう。~ 一応、「オートメーション化が進んでいないガンダム系の戦艦ではまだまだ艦長が必要とされる」と弁解はするが、すぐに「現実を見てください。ブライト艦長とユリカさん、どちらのために死ねますかと問えば、若者はユリカさんを選びますよ」と火に油を注ぐ。そして以後フォローも無い。~ この後システムを利用されてナデシコを敵に乗っ取られ、「やっぱり艦長も大事」という結論に至る話なのだが、話の前振りとしては些か棘があり過ぎる。 ---このように本作のプロスペクターは「やたらと周囲の神経を逆なでする守銭奴の嫌味なおっさん」という描かれ方をしているが、原作ではここまで酷い性格ではない。正確には「目立つ場面だと原作と違う性格になっている」が近い。本作では登場しないアカツキやエリナの役割を担っているためと思われるが、彼の株を下げてしまった感は否めない。~ ガロードやティファがまだ15歳だと知って、「ネルガルが出資する学校で普通の学生生活を送らないか」と勧める原作のプロスペクターらしいオリジナルシーンもあるため、余計に目立つ。 ---そもそも原作の『逆襲のシャア』には、''ブライトが「すまんが、みんなの命をくれ」と言い、それにクルー全員が賛同するという描写がはっきり存在している''。『逆襲のシャア』屈指の名シーンの一つとしてファンに認知されているため、本作のこの展開は原作を侮辱していると捉えられても仕方のないものである。 --ナデシコキャラでは白鳥九十九の妹のユキナも原作との乖離が激しい。 ---原作では地球人の実像を知り、木連と地球の和平を肯定するようになるキャラクターなのだが、本作では和平の使者であるのに地球人という民族そのものを見下したキャラクターになっている。さらに木連の暗部を知っても尚「地球人が元凶だ」と言い放つシーンまで存在する。~ 兄の九十九が生存しているため原作とは状況が違うとはいえ、これでは完全に別人である。 //--『ネオゲ』の流竜馬は原作においては主人公の號とはほぼ関係がないのだが、本作では號のスカウトに立ち会うほか、號からロートル呼ばわりされ、出会うたびに喧嘩する関係となっている。キャラクター性にブレはなく、「会う方を逆にした原作漫画版リスペクトのオリジナル設定だ」と言われればそれまでなのだが…。 //他と違い問題点という程のものではないと思います --ジャミル自身のコロニー落としの告白の際の「私に比べれば、アムロの戦果など微々たるものさ。」という発言。この後「もっとも、私の残した戦果は、虐殺だったが」と続くのだが、自虐だとしても自分の戦果を自慢するような発言は「ジャミルのキャラではない」と批判された。 --ヒイロがマリーメイア派の篭るシェルターを破壊するシーンにおいて、ガロードがティファに頼まれてガンダムDXのツインサテライトキャノンで割り込んで止めた展開がかなりおかしい。 ---デキムをリリーナもろとも殺すつもりでシェルターを攻撃するも、最後の一撃を放つ寸前に過去を思い出して狙いをずらし、奇跡的な穴の開け方をした…というのが原作の展開である。しかし本作では「狙いをずらした最後の一撃を放った後にガロードがサテライトキャノンをチャージし、ヒイロに銃口を向けて止める」という妙な展開になってしまっている。これもまた原作についての理解が足りていない。 --本編の時間軸では未来にあたる『劇場版ナデシコ』や『逆襲のシャア』の機体にTV版時代のキャラが乗るのだが、それが誕生したきっかけはミズホが未来世界で収集した機体データを、『ガンダムX』のキッド・サルサミルが''無断で拝借''して製作したためである。 ---原作のキッドはメカニックとしてのプロ意識があり、当初ガロードを「ガンダム坊や」とバカにしていたぐらいで、同業者のデータを盗み見るようなキャラではない。~ なおこの際、『ナデシコ』のウリバタケと『電童』のドクター井上が共謀している。ウリバタケはともかく井上も止めようとしないというのは…。 --以上のように「原作をきちんと確認せずにイメージだけでシナリオを書いていないか?」と思えるような部分が多い。 -『ガンダムX』の敵・フロスト兄弟が様々な組織で暗躍するが、ネオ・ジオンや木連など人間側で鞍替えするのはまだしも、最終的に異星の侵略者であるガルファ(『電童』の敵勢力)に付いてしまう点は、やや展開に無理がある。 -初参戦の劇場版『機動戦艦ナデシコ』のシナリオ上の扱いは悪い。 --シナリオ序盤数話で『逆襲のシャア』とのルート分岐で原作再現が行われるが、原作より悲惨な展開になったところで話が終了し、以降はTV版シナリオで話が進む。 ---最終的に未来が変わったためにナデシコのキャラたちが劇場版の不幸な展開に陥ることなくハッピーエンドを迎えられたことは『ナデシコ』という作品のEDとしては良いのだが、劇場版のシナリオを期待していたプレイヤーから見ればやはり残念な形だった。 --劇場版の機体は終盤になれば使えるようになるが、ブラックサレナについては「復讐鬼となったアキトを象徴する機体であり、TV版のアキトにはふさわしくない」という意見もある。 --なお序盤の分岐で中盤以降に入手できる隠し機体が異なるのだが、『逆襲のシャア』ルートを通ると量産型νガンダムに加え、ルート内で特定の条件を満たすとガンダムMk-IIIも入手できる(どちらも終盤まで十分使える性能)のに対し、『ナデシコ』ルートを通った場合はブラックサレナの高機動ユニットの換装パーツが入手できるのみと明らかに釣合が取れておらず、『ナデシコ』ルートを選ぶメリットが薄い。 -根本的な問題として、''参戦作品の約7割が『A』と被っている''ため新鮮味が極めて薄い。 --『ネオゲ』『電童』『ガンダムX』『劇場版ナデシコ』以外の参戦作品は全て『A』にも参戦している。武装の追加や性能の変化こそあれど、戦闘デモもほぼ全て『A』の使い回しである。 --そしてシナリオや小ネタでもAの使い回し、二番煎じと思われても仕方ないシーンが見受けられる。 #region(使い回されたシナリオのネタ(ネタバレ注意)) --例えば上述の「ハイネルが生存し、カザリーンと共に遠くの星へ逃亡する」という結末は''大同小異こそあれど前作であるAとほぼ変わらない。'' ---一応遺留品からから健一との血縁関係が仄めかされる、逃亡にオリキャラの手助けがあるという違いこそあれど、代わり映えしない結末である。原作のようにボアザン本星へ殴り込むのは距離的に難しく、地底城時点で後味が良い締めくくりとするためとはいえ変化が少ない。 --この他にも「木連との交渉にシャッフル同盟が尽力し窮地を脱する」''「演算ユニットを究極石破天驚拳で破壊しようとする東方不敗」''という流れもAと変わらない。前者は白兵戦要員としては自然なチョイスなので仕方ないといえば仕方ないが。 #endregion ***オリジナル -主人公たちは「事故により5年後の未来からタイムスリップしてきた」という設定があり、歴史を変えないため版権キャラたちとはなるべく絡まないようにしている。そのため版権作品とのクロスオーバーが控えめ。また、一部の言動に問題がある。 --概要で述べたデキムのクーデターが発生した際、男主人公のラウルが「歴史の転換期を目の当たりにするってのは、感動ものだけど」と発言する。本来起きている内容が内容だけに不謹慎である。 ---女主人公のフィオナの場合、同じ場面での台詞は仲間を見捨てる事への罪悪感や後ろめたさであるため、ラウルの場合は自分達への皮肉と自嘲でこういう台詞になったと思われる。~ しかしラウルはそれまであまり皮肉を言うようなキャラではなかったため、「いきなり何を言い出すんだ」と感じたプレイヤーが多かった。 --主人公の幼馴染であるメカニック「ラージ・モントーヤ」が著しく低評価。ファンからは名前で呼ぶのも煩わしいからか「メガネ」呼ばわりされる事も。 ---前述のクーデター戦において、仲間達が必死で戦っている裏で''「未来が変わると危ないから手を抜けor戦うな」''と主人公に告げる場面は特に批判の的になった。本人としては当然の事だろうが、プレイヤーには共感しにくかった。 ---尤も主人公は他の場面でも「電童を守るために自ら盾になって機体を大破させる」「決死のボソンジャンプをかけたアキトを救出する」等仲間の危機を見捨てる事はせず、最終的にラージの忠告を振り払って仲間と協力しクーデターを阻止している。 ---ラージは動力源オタクであり、未知の動力に対して強い好奇心を示す。が、それが高じて''コン・バトラーVを解体して分析しようとする''。しかも''素でそれが悪いことだと気付かない''。ギャグのつもりなのだろうが、一線を越えているため笑えない((しかもコン・バトラーVの動力源は、スーパーロボットとしては何の変哲もない原子力エンジンである。))。 ---女主人公の場合はラージとの恋愛描写がちょくちょく挟まれるが、上記の通り人間的魅力が皆無なのでプレイヤーからすれば白けるばかり。ただし動力源に固執したり過去の戦いに積極的でない理由についての描写が多くなり、フォローはされている。 -男主人公の方は「最終形態はかっこいいが、BGMがダサい」と言われている。そして女主人公の方は「BGMはかっこいいが、最終形態がダサい」という逆パターン。周回時に消極的な意味でどっちを選んだらいいか困ってしまうプレイヤーもいた。後の『OG外伝』では改善されている。 //-ついでにいうと、とあるアンソロで「危険なところへと向かうレスキューマシンなのに必ず中にパイロットを乗せる仕様にするよね(意訳)」とつっこまれていた。 //--ミズホは[[災害救助ロボを作りたい>第2次スーパーロボット大戦OG]]と思っているが、戦争をしている今現在にそんなものに資金を出す奴はいない(意訳)という嫌なリアリティがラウル編にて解説されているのでこちらはまだ擁護できなくもないが……。 //コメントアウトが中途半端だったので両方コメントアウト -デュミナスも全体的には設定が推敲及び描写不足。 --デュミナスの正体が最後まで明言されることがなかった。男主人公を選んだ時の最終話においてミズホがデュミナスの正体に対して推測を立てているものの、最後の最後で一気に導き出されておりそれまでの伏線等は殆どない。 --主人公とデュミナスの関連も極めて希薄。他の携帯機シリーズだけを見ても主人公と敵との間には強い関連性があるのだが、本作の場合「地球圏で主人公たちが開発した技術をデュミナスがたまたま見つけ、利用しようとした」だけ。その距離感は同じバンプレストオリジナルというより別々の版権作品であるかのよう。 -デュミナス一味の一人が「『Gガンダム』の東方不敗の墓を暴き、DG細胞を植え付けた上でデビルガンダムのコアとする」という、あまりに衝撃的な行動をとっている。 --『Gガンダム』のファンからは「東方不敗の最期をぶち壊しにした」として批判が強く、原作ファンでなくても「死者の墓を掘り起こして兵器として利用するというやり方は惨酷すぎる」という印象を持たれている。 --敵ユニットとしても格闘主体のマスターガンダムではなく、基本的に射撃主体のデビルガンダムに乗せられているため噛み合わせが良くない。 --流石にメーカー側も重く見たのか、以降の作品ではオリジナルキャラが版権キャラに非道な行いをするような展開は大きく控えられた。東方不敗が原作終了後の時系列で登場する場合も別のアプローチが取られている。 ***仕様の問題点 -特殊能力「底力」による装甲増加が明らかに低い。従来のスパロボでは装甲が5%ずつ増えていくのだが、(最高でも)HP60%以下でしか発動せず、発動した段階で装甲値が''+105''されるという使えない仕様なのが原因。 --その後はHPが10%下がる度に装甲値が''+5''される。おそらく従来通り「装甲値×105%(110%、115%、…)」とすべきところを「装甲値+105(110、115、…)」としてしまったプログラムミスと思われる。 ---スパロボを知らない人のために説明すると、被ダメージが1000単位で飛び交っているところでダメージが500も減らないということである。ましてや+5では10ダメージ減るかどうか…。 -指揮補正が従来と違い、''効果の高い結果ではなく指揮レベルが高い者の計算結果''を優先してしまう。 --例を挙げるとレベル2の者と隣接(補正値12%)していてもレベル4の者が5マス先(5%)にいると後者が優先。 --次回作『D』以降では敵のみしか指揮レベル4の者はいないのだが、''今回に限って戦艦のパイロットは指揮レベルが4まで上昇する。'' -UIは進化しているが、多少劣化しているものもある。 --『A』のエステバリスは出撃直前にワンタッチでフレームを変更できたのに対し、本作では戦闘前のインターミッションで事前に換装する仕様になっている。 --『A』の敵フェイズではL/Rボタンで援護の有無を変更できたが、本作では援護コマンドを開いて1回1回オン/オフにする必要がある。 ***バグ -「エニルバグ」と呼ばれる致命的バグが存在する。 --バグ内容は説得可能な敵ユニットの一つ「ジェニス改 エニルカスタム」が周回を重ねる毎に改造限界値を超えて強化されていくというもの。このバグにより、同ユニットが登場するルートは最終的にクリアが困難となる。 ---本作は周回引継ぎで味方の改造が引き継がれるのだが、上記のユニットは敵から味方になるため、データを別に指定しておくのを忘れたと思われる。 ---某有名匿名掲示板に降臨した解析者によると、(異様な量のクリアボーナスは必須なものの)ガンダムDXのサテライト・キャノンやコン・バトラー&ボルテスの合体攻撃を使えば一応撃退は可能な模様。彼らは必中を使えるので攻撃をミスすることもない。 ---また、精神コマンド「自爆」((隣接ユニットに現在HPのダメージを与えるが、使用した機体が破壊される。当然機体の修理費がかかる。))を使うといった荒業もあるので、(壮絶な下準備はいるが)計画的にプレイすれば積みを回避できる。 -隣接しているユニットがカウンター技能を持つパイロットの場合、カウンターが発動するとそのユニットに重なってしまい操作不能になるバグがある。 --実際に移動したのはユニットのアイコンのみで、一見何も居なくなったマスを選択するとデータが残っており操作できる場合もある。 ---- **総評 任天堂携帯機におけるスパロボシリーズのシステムをほぼ完成させ、操作性・快適性を大幅に向上させた功績は大きい。~ シナリオ面では難もあるものの、「悲しい結末を迎えたキャラを救済する」というスパロボが持っていた1つの側面を、未来から過去へのタイムスリップを用いてストーリーの根幹に据えたのは全シリーズを通しても珍しい。~ 良い点・悪い点が極端であるため、「減点法だとクソゲー、加点法だと良ゲー」とも言われ、良くも悪くもアクの強い仕上がりである。 ---- **余談 -『[[K>スーパーロボット大戦K]]』が現れるまでは本作が携帯機最低シナリオ作品と評されていた。 -デュミナス一味は各社から発売されていた4コマやコミックアンソロジーでの登場率も高く、作家によってはまるまる娘達ネタで統一していた人もいたほどである。 --彼らの設定資料が一般には出回っていなかったため、「3人娘を描きたいのに描けない」という作家も多かった。&br()その後、『[[OG外伝>スーパーロボット大戦OG外伝]]』付属の設定資料集の中に晴れて設定画が(モノクロだが)収録されたため、資料皆無という作家泣かせの状況は一応脱している。 -OGシリーズでは『[[OGs>スーパーロボット大戦OG ORIGINAL GENERATIONS]]』のOG2シナリオで本作のオリジナルキャラが追加登場し、『OG外伝』にて本格参戦した。 --味方側はラウルとフィオナが双子の兄妹という設定で共存しているほか、ラージの性格が多少改善されており、それなりに好評を博した。 --しかし救済を期待されていたデュミナス一味の扱いが悪く、三人娘を愛する紳士達は悲嘆にくれた。しかし三人娘の一人だけが生存してラウルと共闘し、エンディングではラウル達と暮らす事になるという嬉しいサプライズ。『[[第2次OG>第2次スーパーロボット大戦OG]]』以降もラウル達と共にレギュラー参戦している。 --本作と違い、OGシリーズでは今のところ女主人公とラージの恋愛要素は一切描かれていない。一方男主人公とミズホの方は触れられている。 -携帯電話(iアプリ)に移植されていたが、『スーパーロボット大戦モバイル』の配信に伴い入れ替わりで配信終了となった。 -冒頭シナリオで人類を粛清しようとしたシャアが、歴史が変わった後のエンディングではコロニー連合国家の大統領になって人類を導こうとするなど、続編の『D』への布石とも思える展開もある。 --前作である『A』で並行世界の概念が語られ、そこでもシャアは原作とは異なる道を歩んだ事が明かされている。今作以降もシャアは「ただ隕石を落とそうとして終わる」というだけのキャラクターにならない展開が多くなった。 ----

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: