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*キアイダン00 【きあいだんだぶるおー】 |ジャンル|シューティング|~| |対応機種|PCエンジン スーパーCD-ROM2|~| |メディア|CD-ROM 1枚|~| |発売元|RIOT(日本テレネット)|~| |開発元|アルファ・システム|~| |発売日|1992年10月23日|~| |定価|6,980円|~| |ポイント|70年代ロボットアニメ風シューティング&br()ツボは得ている演出の数々&br()しかし、キャラのやり取りは気薄|~| **概要 -1992年に日本テレネット発売、アルファ・システム開発にてリリースされた横シューティングゲーム。『[[サイキックストーム]]』に次ぐ、PCE スーパーCD-ROM×2におけるアルファ・システム名義のシューティング第2段でもある。 -西暦20XX年、マッドサイエンティストであるドクター・ギガガ率いる「十二機甲将軍」を乗せた機甲獣達が全世界を襲撃してきた。圧倒的な機甲獣達の戦闘力に前に一般軍隊はあまりにも非力、このまま世界壊滅を待つしかないのか…。と思われたその時、天才科学者の佐倉博士が開発、その息子、猛が操縦するロボット「キアイダン00」が好き放題に暴れるギガガ一味に反撃を開始する。…というストーリー設定。 -ちなみにゲームタイトル、及び主人公操縦の機体である「キアイダン00」は「キアイダンダブルオー」と発音する。「00」はゼロ(数字)であって、オー(英字)ではないとの事。 -一人プレイ専用、全7ステージ構成、オプションにて四段階の難易度調整が可能。 **主なルール -ゲーム中の下画面はキアイダン00(以下自機)のシールド表示や使用している武器とパワーゲージ、今自機が飛行している場所のナビゲート、ボス側のシールドなどが常に表示されている。 -十字キーにて自機の操作、使用するボタンは各自、ショットボタンとショット切り替えボタンに使用する。 --自機にはあらかじめ5つの武器が装備されており、ショット切り替えボタンにてその中から自由に選択する事が可能だ。各武器に使用制限は一切なく、特に制限されるようなペナルティも存在しない。また、このゲームにはパワーアップという概念は一切ない(初期状態から終始最強形体である)。 --何もボタンを押さないでいるとパワーゲージが溜まり、ゲージがMAX状態でショットボタンを押すと、強力な「キアイダン攻撃(以下溜め撃ち)」が発射できる。どの武器を使用しているかによって溜め撃ちの性能に相違あり。但し、ゲージが溜まりきらない状態で使用ボタン(ショット、切り替え)を押してしまうと一からの溜め直しとなってしまう。 -自機が装備している武器の紹介を以下に示す。なお、ステージ開始時はバルカンから始まり、ボタンを押す度に下の武器に変更、スマッシュの次はバルカンからのループ切り替えとなる。 --「ナックル・バルカン」…自機前方に連射の効く直進型ショットを放つ。クセが少なく最も使いやすい武器。 ---溜め撃ちはブーメラン状の射程を持つロケットパンチ。単発攻撃だが攻撃力が高く、すべての敵を貫通する。 --「バーニング・ウェイブ」…自機前方に扇型に広がる三方向ショットを放つ。攻撃範囲が広くすべての敵を貫通するが、攻撃力が全武器中最も低いのが難である。 ---溜め撃ちは自機時計回りにレーザーを360度回転して攻撃。敵貫通+敵弾かき消し能力あり。 --「キアイ・トマホーク」…自機を中心に時計回りに武器を振り回す。近距離武器なのでリーチの面では心細いが、攻撃力が高く敵弾かき消し効果も持つ。 ---溜め撃ちはリーチの長い武器を放つ。溜め撃ち中にてショットボタンを押しっぱなしにすると、十字キーにて武器を好きな方向へ振り回せる半面、自機の一切の移動ができなくなる危険も伴う。なお、ボタンを離さない限りはずっと溜め撃ち効果が持続される。通常弾同様、敵弾かき消し能力あり。 --「エナジー・エレメンタル」…自機前方に攻撃範囲が狭いが攻撃判定の強い攻撃を、後方にバックファイヤーを同時に放つ。共に敵貫通能力があり、接近戦においては脅威的な強さを持つが、いかんぜんリーチが短すぎて使い辛い問題を持つ。 ---溜め撃ちは通常の強化版で、前方に敵かき消し能力が付き、後方バックファイヤーのリーチが伸びる。また、この溜め撃ち中は自機スピードが極端に早くなり、使い方を誤ると自爆する恐れがあるので注意。 --「グラビティー・スマッシュ」…自機前方に三方向ショットを放つ。ウェイブに似た性能だが、攻撃範囲に相違がある他、ショット連射がやや効きにくくなっている。 ---溜め撃ちは自機上下に攻撃範囲が強く画面端まで届くサンダーを放つ。敵弾かき消し能力あり。 -ステージ中、稀に丸型のアイテムが放置されており、これを取るとシールドが1回復する。なお、本作に登場するアイテムはこれ以外には存在しない。 //説明書には得点アイテムもあると書かれているが、プレイ中に見たことが全くない。どなたか情報求む。 by執筆者 -ライフ制ですべてなくなるとゲームオーバー。「敵や敵弾ダメージをもらう」「地形に触れる」のいずれかでシールドが1減る。また、あくまでシールドなのでゲージが0になっても即ミスにはならず、0状態でダメージをもらえばアウトとなる。 --初期/最大シールドはステージ1開始時では3ゲージあり、ステージが進むにつれ初期/最大シールドが1づつ増える((ステージ2では4ゲージ、ステージ3では5ゲージ、といった具合))。最大シールドは7ゲージであり、前ステージをクリアしても一切のシールドの引継ぎはできない。 -中ボス、及びボス戦においては、ボス側にも自機同様シールドという形でゲージが表示されており、自機がボスに攻撃を当てる度にこれが消費されていく。ボスシールドを0にさせると「気合い弾でとどめよ」というオペレート会話が発生するので、5つの武器のどれかの溜め攻撃をぶつけると、ようやくそのボスを倒せる仕掛けとなっている。逆にいえば通常ショットだけでボスにとどめを刺す事は絶対にできない(必ず溜め攻撃を当てる必要がある)仕様である。 --ボス撃破後はどの溜め撃ちで倒したかによって、ステージクリア画面の演出が変わる。例えば、ナックル・バルカンの溜め攻撃でとどめを指せば、ロケットパンチでボスを破壊する演出となる。但し、最終ステージに関しては専用のイベントが発生するのでこの限りではない。 --また、とどめ表示がされているのに溜め攻撃を当てないでいると、しばらくして「敵が自爆(自殺)する」という形で倒す結果となる。恐らくは永久パターンによるスコア稼ぎ防止対策だと思われる。 -本作はプレイした難易度によってエンディング後のボーナス映像が変化する。但し、一番低い難易度でのクリアは、エンディングのみでボーナスは存在しない。また、エンディング自体はどの難易度でも同じである。 **評価点 -徹底的に70年代のロボットアニメの設定を再現したこだわりぶり。スタッフはかなり本気で作っている気配を感じる。 --ゲームを起動すると、いきなり気合の入ったビジュアルシーンを交えたストーリーデモが流される。ギガガ率いる機甲獣どもが街を破壊して「これはひどい」と思わせ、そこで救世主的にキアイダンが現れて機甲獣どもに反撃する展開が異様に熱い。''ベタベタだけど熱い、これが70年代ロボットアニメクオリティってやつだ''。 ---ちなみにこのOPデモは「キアイダン00 予告編」という表記付けがされている。 ---また、このデモシーンのナレーションもやたらと熱い。「機甲獣の恐るべき力によって、すべてが破壊されていく!」「しかしその時!」「天才科学者佐倉博士達が作り上げたスーパーロボット、それがキアイダン00なのだっ!」などと挟まれた後に、OPデモの最後に「''良い子の皆さんに贈る熱血シューティング、キアイダン00にご期待下さい!!''」と締められるあたりがにくすぎる。 --ステージ1が始まる前にオープニングテーマ(ボーカル入り)「キアイダン00の唄」がビジュアルシーンと共に流される。意外としっとり系の歌で暑苦しさは少ないが、これはこれでいい曲だったりする。 --各ステージが始まる前にてタイトルカットが入り、その間にギガガが「おのれキアイダンめ!」「次こそは仕留める」といった今の心情を語る演出があり、これもかっこいい。あえてタイトルコールではなく、敵側の心情を語ってくれるあたりがやはりにくい。 --敵デザインはいかにも70年代を彷彿とさせる(今みると)ダサかっこいい系統なものが多く、マジンガーやゲッター世代にとってはニヤリとしてしまうのではなかろうか。 --機甲獣のパイロットは全員キアイダンに会話の駆け引きを行った後に襲い掛かってきたり、宿命のライバル機が存在したり、と70年代アニメのお約束演出が目白押しとなっている。 --ボスを倒すと主人公である佐倉猛の熱いボイスと共にとどめを刺すステージクリア画面の演出があり、やはりかっこいい。また、キアイダンが撃沈されるとコンティニュー画面に移行するが、余裕を見せるボスに背を向け無残にも倒れるキアイダンの絵が表示され、コンティニューすると猛の「負けてたまるかぁぁぁっ!!!」の熱いボイスが聞ける演出もかっこいい。 --ラスボスのギガガ戦のBGMは「キアイダン00の唄」のアレンジバージョン(もちろんボーカル入り)となっており、宇宙をバックとした壮大さも相まって、嫌でも盛り上がる趣向となっているのだ。 -当時のPCEのCD-ROM×2ソフトではあまり珍しくもないが、やっぱり声優陣はやけに豪華。以下キャストの詳細。 --飛田展男氏…キアイダンのパイロット(主人公)、佐倉猛役。「キアイダン00の唄」のボーカルも務める。 --掛川裕彦氏…キアイダンの生みの親、佐倉博士役。 --菊地ありさ氏…猛のガールフレンドであり、キアイダンのオペレート担当、菊地ありさ役。 --郷里大輔氏…本作最凶の敵、ドクター・ギガガ役。 --広中雅志氏…ギガガの側近であり、猛をライバル氏するクールガイ、ジョウ・ダグボーン役。 -もちろんシューティングとしての土台はしっかりしており、単に外観だけに力を入れて中身がクソゲだなんて事は断じてない。 **問題点 -難易度がやけに高く、初心者が気軽にクリアできるような敷地ではない。普通にプレイすれば大半のプレイヤーは後半ステージに進めるかどうかも怪しい程。 --特に難易度を上げている要因としては、キアイダンの虚弱体質が挙げられる。元のシールドが少ない上に、ダメージ後の無敵時間が極めて少なく、それでいてシールドアイテムも各ステージに数える程しか存在しない影響で、常に死と隣り合わせなバランスと化してしまった。 --本作にはボンバーのような緊急動作がなく、敵などに囲まれるとどうしようもない状況に陥りやすいのも難易度向上に拍車をかけてしまっている。 --さらにいうと、一番低い難易度ですら''他のPCEシューティングと比べても上位クラスの難しさ''であり、初心者が入り込めるような難易度が用意されていない。難易度を上げると、撃ち返し弾が大量に降ってくる鬼畜っぷりで、上級者でも普通に苦戦するレベル。 --但し、敵の攻撃自体はそんなに陰湿ではなく、このゲームの難易度上昇要因はキアイダンの虚弱っぷりと撃ち返し弾の件が大半を占めているといっても過言ではないだろう。 --また、裏技でキアイダンを完全無敵化する((厳密にいえば、シールド残数を好きな時に全回復できる))チート技も用意されているので、「手段を選ばないのなら」誰でもクリア可能である。 --純粋にシューティングとして見ると、やや大味であまり洗練された作りともいい難い。これは以前作『サイキックストーム』と共通で、「頑張って作ったが、センスが感じられない」という問題であろう。一応、単に大味なだけでゲーム自体は普通に遊べる部類というフォローもしておくが…。 -オープニングデモの力の入り様とは裏腹に、ゲーム中のストーリー描写がほとんどなく、どういった展開で話が進んでいるのかがわかり辛いままエンディングを迎えてしまう。ストーリーを補うには、説明書のストーリー記事と照らし合わせながら事の事情を想像する必要があるかもしれない。 --このゲームでビジュアルシーンが入るのは、OPデモとステージ1前とエンディングのみ。それ以外では、評価点で述べたタイトルコールのギガガの語り口や、ステージ内での敵キャラの会話の駆け引きが聞ける位で、詳細なストーリー描写が薄いままラストバトルに突入する流れとなっている。良くいえばイベントに媚びない硬派な作りともいえるが、悪くいえば70年代ロボットアニメの設定は再現できても、''要であるキアイダンなどの設定が作中にてあまり活かされていない''という現状。 --本来目立つべきはずである主人公の佐倉猛がステージ中に一切の会話をせず((溜め攻撃を出すと「くらえ!」と、キアイダンがダメージをもらうと「うわー」という悲鳴はあげるが、ステージ中のまともな会話は全く無し))、いくら敵が会話の駆け引きをしようが、ありさがオペレート対応しようが、無反応、無口状態なスルーっぷりで何も喋ってくれない。ぶっちゃけいうと''主人公のくせにメインキャストの中で一番空気''というあんまりな配役で、完全に主人公(笑)状態である。 ---ありさ、ジョウ、ギガガは普通にステージ中にて会話しているだけに、何で猛だけがこんな空気扱いされているのかが謎である。スタッフはなんか猛に恨みでもあったのだろうか? ---ちなみに、猛はOPデモやエンディングでは人並みに会話しているし、ステージクリアやコンティニュー時には熱い雄叫びをあげているので、決して無口な性格な訳ではない(むしろイベントを見る限りではかなりの熱血感として描かれている)。本来は熱いキャラなのに、ステージ中の無口さとのギャップが激しい気がしてならない…。 -ステージ中は常に画面下にてオペレート表示がされている事情も相まって、全体的に小ぢんまりしており、あまり迫力のある絵とはいえない。ビジュアルシーンのかっこいいキアイダンに反して、ステージ中は「なんか薄っぺらいロボットがぬぼ~と飛行している」といった感じ。 -ときおり背景と敵弾が同化している場面に遭遇し、異様に敵弾が避けにくいという問題も多々ある。特に撃ち返し弾も兼ねた場面だとさらに回避が困難な事に…。 **賛否が分かれそうな点 -70年代ロボットアニメを意識している割には、キアイダンや一部ボス関係の機体が80~90年代のデザインっぽいという突っ込みがあるが、これは個々の感じ方次第なので割愛させて頂く。 -ステージBGMは良曲揃いではあるが、これまた「ありがちなCD-ROM2サウンドで、あんまり70年代ロボットアニメという感じがしない」という意見もあるらしい。これに関しても割愛させて頂く。 -実はそんなにボイス量は多くない。ビジュアルイベントは流石にフルボイスだが、ステージ中にボイス会話があるのはジョウ(ステージ3と6)とギガガ(最終ステージ)のみで、ありさや十二機甲将軍の会話は文章に留まっている。 --これには「感情移入がし辛い」と「テンポが極力損なわれずシューティングに集中できる」という両意見に分かれやすい予感。一概に問題点とは断定できないのが複雑である。 --ちなみにありさや十二機甲将軍にも掛け声程度のボイスは聞ける((ありさは主に猛に対して「頑張ってね」「お疲れ様」、十二機甲将軍も「いくぞ! (攻撃時)」「うわー(ダメージ時)」などと軽く喋る))。そして主人公(笑)はシカト野郎という謎。 -主要キャラのドクター・ギガガの存在感が強すぎて、他のキャラの存在感を食ってしまっている。ギガガの外見の濃いインパクトとカリスマ性、郷里氏が演じるしぶいボイス、と目立つ要因が強すぎた。 --OPデモからしていきなりギガガの登場で始まり、タイトルコールは全部ギガガが担当、ラスボス前の濃厚なるボイスの語り口に、エンディングの悪の華として壮大に散る様、など終始この人の存在感が先立っている有様。 --ギガガ以外の主要キャラの印象を述べると以下の通りとなる。 ---佐倉猛…主人公(笑)。敵との駆け引きに一切応じないせいで、キアイダンのパイロットとしての存在感はナッシング。エンディングでは好演しているが、それまでの過程が空気すぎた…。 ---菊地ありさ…オペレーター業はなかなか様になっているが、どのステージでも同じような会話しかしないので、存在は結構地味なヒロインで収まっている。彼氏が主人公(笑)なので、ガールフレンドとしての役割はどうも薄い。 ---佐倉博士…出番が少ない人だが、キアイダンの設計者であって直接的な戦闘要員ではないので、こればかりは仕方がないところ。エンディングはなかなかの熱演。 ---ジョウ・ダグボーン…ステージ中でギガガと並んでボイスで会話のやり取りをする人だが、いかんぜん主人公(笑)が彼に絡んでくる気配がないので、どういう因縁でライバルの関係があるのかがいまいち不透明(いきなり現れて「決着を付けよう」と会話しているが)。広中氏が演じる痺れるボイスは普通にかっこいいのに、主人公(笑)のせいで彼もまた空気気味である。しかも、エンディングには一切登場しない冷遇ぶり。 ---十二機甲将軍…ボイスキャストは存在せず、どの将軍も一回倒されてそれっきりの使い捨て要因なのが悲しいところ。といっても各将軍に会話シーンが発生する分、主人公(笑)よりは目立っているが。 **総評 -実のところ、バカゲー要因はあまり高くなく「70年代ロボットアニメなりきりシューティング」としての趣旨が強い模様。やはりPCEの容量の限界なのか、あまり多くの演出が入れられずに無難なシューティングで収まっている気がする。 -説明書では作中の詳細な設定が記載されているのだが、ゲーム内でその設定があまり堪能できないのが惜しい。とりあえず「''主人公頼むから敵のリアクションに反応してあげて(涙)''」と突っ込みたくなる悲しさ。 -''良い子の皆さんが普通にクリアできるとは思えない''位に異様な難しさなのはアレだが、とりあえず「遊べる」系統のシューティングではあるので、今こそバーチャルコンソールやPCエンジンアーカイブスに配信すべき一作だと思うが現実は厳しいか。頼むよサン電子(願)((日本テレネットはすでに倒産 今現在、テレネットの版権はサン電子とスターフィッシュ・エスディの2社が所持しており、ほとんどの版権はサン電子側が所持している))。 -本作の後にプレイステーションにてアローマからリリースされたソフト『[[70年代風ロボットアニメ ゲッP-X>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/1315.html]]』は本作と同系統の存在として引き合いに出される事が多い。
*キアイダン00 【きあいだんだぶるおー】 |ジャンル|シューティング|~| |対応機種|PCエンジン スーパーCD-ROM2|~| |メディア|CD-ROM 1枚|~| |発売元|RIOT(日本テレネット)|~| |開発元|アルファ・システム|~| |発売日|1992年10月23日|~| |定価|6,980円|~| |判定|なし|~| |ポイント|70年代ロボットアニメ風シューティング&br()ツボは得ている演出の数々&br()しかし、キャラのやり取りは気薄|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -1992年に日本テレネット発売、アルファ・システム開発にてリリースされた横スクロールシューティングゲーム。 --本作の前にリリースされた『[[サイキックストーム]]』に次ぐ、PCエンジン スーパーCD-ROM×2におけるアルファ・システム名義のシューティング第2段でもある。 --ちなみにゲームタイトル、及び主人公操縦の機体である「キアイダン00」は「キアイダンダブルオー」と発音する。「00」はゼロ(数字)であって、オー(英字)ではない。 -一人プレイ専用。全7ステージ構成、オプションにて四段階の難易度調整が可能。 **ストーリー 西暦20XX年、マッドサイエンティストであるドクター・ギガガ率いる「十二機甲将軍」を乗せた機甲獣達が全世界の襲撃を開始した。~ 圧倒的な機甲獣達の戦闘力に前に一般軍隊はあまりにも非力、このまま世界壊滅を待つしかないのか…。~ と思われたその時、天才科学者の佐倉博士が開発し、その息子の佐倉猛が操縦するロボット「キアイダン00」が好き放題に暴れるギガガ一味に反撃を開始する。 **主なルール -操作系統。 --主な操作方法は、十字キーにてキアイダン00(以下:自機)の八方向移動操作、ボタンは各自、ショットボタンとショット切り替えボタンに使用する。 ---ショットボタン押しっぱなしにてオート連射のメインショットを放つ。 ---何もボタンを押さないとパワーゲージが溜まり、ゲージMAX状態でショットボタンを押すと「キアイダン攻撃(以下:溜め撃ち)」が発射できる。 ---ショット切り替えボタンにて、使用したいショットの武器切り替えができる。 --ショット切り替えに関して。 ---自機にはあらかじめ5つの武器が装備されており、ショット切り替えボタンにて使用している武器(メインショット)をチェンジできる。 ---チェンジした武器はメインショットだけではなく溜め撃ちの性能も変化する。 --以下に5つの武器(メインショット・溜め撃ち)の性能を表記する。 |武器|メインショット・溜め撃ちの性能| ||| |ナックル・バルカン|自機前方に連射の効く直進型ショットを放つ。クセが少なく最も使いやすい武器。| |~|溜め撃ちはブーメラン状の射程を持つロケットパンチ。単発攻撃だが攻撃力が高く、すべての敵を貫通する。| |バーニング・ウェイブ|自機前方に扇型に広がる3方向ショットを放つ。攻撃範囲が広くすべての敵を貫通するが、攻撃力が全武器中最も低いのが難。 | |~|溜め撃ちは自機時計回りにレーザーを360度回転して攻撃。敵貫通 + 敵弾かき消し能力あり。| |キアイ・トマホーク|自機を中心に時計回りに武器を振り回す。近距離武器なのでリーチの面では心細いが、攻撃力が高く敵弾かき消し効果も持つ。| |~|溜め撃ちはリーチの長いムチ型の武器を放つ。&br()溜め撃ち中にてショットボタンを押しっぱなしにすると、十字キーにて武器を好きな方向へ振り回せる半面、自機の一切の移動ができなくなる危険も伴う。&br()なお、溜め中はボタンを離さない限り、ずっと溜め撃ち効果が持続される。通常弾同様、敵弾かき消し能力あり。| |エナジー・エレメンタル|自機前方に攻撃範囲が狭いが攻撃判定の強い攻撃を、さらには後方にバックファイヤーを同時に放つ。&br()共に敵貫通能力があり、接近戦においては脅威的な強さを持つが、リーチが短すぎて敵に当て辛い問題を持つ。| |~|溜め撃ちはメインショットの強化版で、前方に敵かき消し能力が付き、後方バックファイヤーのリーチが伸びる。&br()また、この溜め撃ち中は自機スピードが極端に早くなり、使い方を誤ると自爆する恐れがある。| |グラビティー・スマッシュ|自機前方に3方向ショットを放つ。ウェイブに似た性能だが、攻撃範囲に相違がある他、ショット連射がやや効きにくくなっている。| |~|溜め撃ちは自機上下に攻撃範囲が強く画面端まで届くサンダーを放つ。敵弾かき消し能力あり。| -ボスとどめ演出について。 --中ボス、及びボス戦においては、ボスのシールドゲージが表示されており、自機がボスに攻撃を当てる度にこれが消費されていく。 ---ボスシールドを0にさせると「気合い弾でとどめよ」というオペレート会話が発生するので、5つの武器のどれかの溜め攻撃をぶつけると、ようやくそのボスを倒せる。 ---メインショットだけでボスにとどめを刺す事は絶対にできない。敵シールドを0にしてもなお一向に溜め攻撃を当てないでいると、自爆という形で勝手にボスが沈んでしまう。 -ミス条件について。 --敵・敵弾・地形に触れる事でダメージのライフ制。残機の概念はない。 ---自機にはシールド値が設定されており、ダメージをもらう度に値が1づつ減ってしまう。これが0になった状態でダメージをもらうとミス(ゲームオーバー)となる((シールド値0状態ではダメージ耐性がなくなるだけでミスにはならない。))。 ---シールド最大値はゲーム開始時(ステージ1)では3だが、ステージを進めていくと最大で7まで増加する。 --ステージ中、稀に丸型のアイテムが放置されており、これを取るとシールドが1回復する。なお、本作に登場するアイテムはこれ以外には存在しない。 -クリア特典について。 --本作はプレイした難易度によってエンディング後のボーナス映像が変化する。 ---但し、一番低い難易度でのクリアは、エンディングのみでボーナスは存在しない。また、エンディング自体はどの難易度でも同じである。 ---- **評価点 -徹底的に70年代のロボットアニメの設定を再現したこだわりぶり。 --ゲームを起動すると、いきなり気合の入ったビジュアルシーンを交えたオープニングデモが流される。 ---ギガガ率いる機甲獣どもが街を破壊する絶望感の最中に、救世主的にキアイダンが現れて機甲獣どもに反撃する展開が異様に熱い。 ---「機甲獣の恐るべき力によって、すべてが破壊されていく!」「しかしその時!」「天才科学者佐倉博士達が作り上げたスーパーロボット、それがキアイダン00なのだっ!」などと挟まれた後に、&br()OPデモの最後に「''良い子の皆さんに贈る熱血シューティング、キアイダン00にご期待下さい!!''」と締められるナレーションボイスがいちいちにくい。 ---ちなみにこのOPデモは「キアイダン00 予告編」という表記付けがされている。「本編はゲームで確かめろ!」という粋な予告編である。 --ゲーム内でも熱い展開が描かれる。 ---ステージ1が始まる前にオープニングテーマ(ボーカル入り)「キアイダン00の唄」がビジュアルシーンと共に流される。&br()意外としっとり系の歌で暑苦しさは少ないが、これはこれで哀愁感があっていい曲だったりする。 ---各ステージが始まる前にてタイトルカットが入り、その間にギガガが「おのれキアイダンめ!」「次こそは仕留める」といった今の心情を語る演出がある。&br()あえてタイトルコールではなく、敵側の心情を語ってくれるあたりがやはりにくい。 ---敵デザインはいかにも70年代を彷彿とさせるダサかっこいい系統なものが多く、マジンガーやゲッター世代にとってはニヤリとしてしまうのではなかろうか。 ---「機甲獣のパイロットは全員キアイダンに会話の駆け引きを行った後に襲い掛かる」「宿命のライバル機が存在する」と70年代アニメのお約束演出が目白押しとなっている。 ---ボスを倒すと佐倉猛(主人公)の熱いボイスと共にとどめを刺すステージクリア画面の演出がある。 ---キアイダンが撃沈されるとコンティニュー画面に移行するが、余裕を見せるボスに背を向け無残にも倒れるキアイダンの絵が表示され、&br()コンティニューすると猛の「負けてたまるかぁぁぁっ!!!」の熱いボイスが聞ける演出もかっこいい。 --ラスボスのギガガ戦のBGMは「キアイダン00の唄」のアレンジバージョン(もちろんボーカル入り)となっており、宇宙をバックとした壮大さも相まって、大きく盛り上がる趣向となっている。 -豪華声優陣揃い。 --当時のPCEのCD-ROM×2ソフトではあまり珍しくもないが、やっぱり声優陣はやけに豪華。 --「飛田展男氏」 ---キアイダンのパイロット(主人公)、佐倉猛役。「キアイダン00の唄」のボーカルも務める。 ---佐倉博士の実の息子で、ギガガとは世代を超えた因縁を持つ。説明書曰く「正義を愛し、悪にくじけぬ強さと、優しさをあわせ持つ熱血少年」らしい。 --「掛川裕彦氏」 ---キアイダンの生みの親である科学者、佐倉博士役。 ---ギガガの元助手で、ギガガの狂気を察知し所属していた研究所を脱走。その後、天才的な頭脳を駆使してキアイダンを開発、息子の猛にギガガの野望阻止を託す。 --「萩森佝子氏」 ---猛のガールフレンドであり、キアイダンのオペレート担当、菊地ありさ役。 ---普段はスポーツ好きな活発な女の子だが、オペレーターとしては的確にキアイダンをサポートする優秀な実力を持っている。 --「郷里大輔氏」 ---本作最凶の敵、ドクター・ギガガ役。 ---元々は純粋な天才学者だったが、いつしか世界征服の欲に取り付かれ、自ら制作した機甲獣を放ち暴虐の限りを尽くす事となる。&br()ギガガを慕う十二機甲将軍の面子は、悪魔の頭脳を持つ彼が生み出した有機アンドロイドである。 --「広中雅志氏」 ---ギガガの側近であり、猛をライバル視するクールガイ、ジョウ・ダグボーン役。 ---ギガガが最も認める男で、キアイダン打破と十二機甲将軍の統一が彼にあたえられた任務となっている。&br()しかし、実のところギガガの野望なんてものはなっから眼中にはなく、強敵であるキアイダン(猛)を正々堂々と対決して倒す事こそが彼の行動力の源となっている。 -しっかりと作られているシューティングの土台。 --単に外観だけに力を入れて中身がクソゲだなんて事は断じてなく、横シューティングとしては分かりやすいシステムでプレイできる。 ---しかし、「分かりやすい」と「優しい」は同じ意味ではない訳で…。 **問題点 -難易度がやけに高く、初心者が気軽にクリアできるような易しさではない。 --普通にプレイすれば大半のプレイヤーは後半ステージに進めるかどうかも怪しい程に理不尽気味な難易度となっている。 ---特に難易度を上げている要因としては、キアイダンの虚弱体質が挙げられる。元のシールドが少ない上に、ダメージ後の無敵時間が極めて短い。&br()それでいてシールドアイテムも各ステージに数える程しか存在しない影響で、常に死と隣り合わせなバランスとなってしまった。 ---本作にはボンバーのような緊急回避動作がなく、敵などに囲まれるとどうしようもない状況に陥りやすいのも難易度向上に拍車をかけてしまっている。 ---一番低い難易度ですら''他のPCEシューティングと比べても上位クラスの難しさ''であり、初心者が入り込めるような難易度が用意されていない。&br()難易度調整を上げると、撃ち返し弾が大量に降ってくる鬼畜っぷりで、上級者でも普通に苦戦するレベル。 --但し、敵の攻撃自体はそんなに陰湿ではなく、このゲームの難易度上昇要因はキアイダンの虚弱っぷりと撃ち返し弾の件が大半を占めているといっても過言ではないだろう。 ---実は裏技でキアイダンを完全無敵化する((厳密にいえば、シールド残数を好きな時に全回復できる))チート技も用意されているので、「手段を選ばないのなら」誰でもクリア可能である。 -シューティングとしては大味な一面がある。 --敵配置がやや適当臭く、特別に爽快感などを持っている訳でもなく、純粋に微妙な内容となっている。 ---これは以前作『サイキックストーム』と共通で、「頑張って作ったが、センスが感じられない」という問題であろう。 ---一応は単に大味なだけでゲーム自体は普通に遊べる部類というフォローもしておくが…。 -ストーリー描写が薄い。 --オープニングデモの力の入り様とは裏腹に、どういった展開で話が進んでいるのかがわかり辛いままエンディングを迎えてしまう。 ---ストーリーを補うには、説明書のストーリー記事と照らし合わせながら事の事情を想像する必要があるかもしれない。 ---このゲームでビジュアルシーンが入るのは、「OPデモ」「ステージ1前」「エンディングデモ」のみ。&br()それ以外では、評価点で述べたタイトルコールのギガガの語り口や、ステージ内での敵キャラの会話の駆け引きが聞ける位で、素っ気なくラストバトルに突入する流れとなっている。 ---良くいえばイベントに媚びない硬派な作りともいえるが、悪くいえば70年代ロボットアニメの設定は再現できても、''要であるキアイダンなどの設定が作中にてあまり活かされていない''。 --空気な主人公(笑)。 ---本来目立つべきはずである主人公の佐倉猛が、ステージ中にまともな会話をしてくれない((溜め攻撃を出すと「くらえ!」と、キアイダンがダメージをもらうと「うわー」という悲鳴はあげるが、ステージ中のまともな会話は全く無し。))。 ---いくら敵が会話の駆け引きをしようが、ありさがオペレート対応しようが、無反応、無口状態なスルーっぷりで何も喋らない。&br()「''主人公頼むから敵らのリアクションに反応してあげて(涙)''」と突っ込みたくなる。 ---ぶっちゃけいうと''主人公のくせにメインキャストの中で一番空気''というあんまりな配役で、完全に主人公(笑)状態である。 ---ありさ、ジョウ、ギガガは普通にステージ中にて会話しているだけに、何で猛だけがこんな空気扱いされているのかが謎である。スタッフはなんか猛に恨みでもあったのだろうか? --ちなみに、猛はOPデモやエンディングでは人並みに会話しており、決して無口な性格ではない。 ---猛はステージクリアやコンティニュー時には熱い雄叫びをあげ、イベントデモを見る限りではかなりの熱血感として描かれている。 ---本来は熱いキャラなはずなのに、ステージ中の無口さとのギャップが激しい気がしてならない…。 -グラフィック周りに関する難点。 --ステージ内では全体的にキャラ表示が小ぢんまりしており、あまり迫力のある絵とはいえない。 ---ビジュアルシーンのかっこいいキアイダンに反して、ステージ中は「''なんか薄っぺらいロボットがぬぼ~と飛行している''」といった感じ。 --時折、背景と敵弾が同化している場面に遭遇し、異様に敵弾が避けにくいという問題も多々ある。特に撃ち返し弾も兼ねた場面だとさらに回避が困難な事に…。 -70年代ロボットアニメ風としての違和感。 --70年代風と謳っている割には、キアイダンや一部ボス関係の機体のデザインが80~90年代風。 --ステージBGMは良曲揃いではあるが、これまた「ありがちなCD-ROM2サウンドで、あんまり70年代ロボットアニメという感じがしない」。 -ボイス量は多くない。 --ビジュアルイベントは流石にフルボイスだが、ステージ中にボイス会話があるのはジョウ(ステージ3と6)とギガガ(最終ステージ)のみで、ありさや十二機甲将軍の会話は文章に留まっている。 ---ちなみにありさや十二機甲将軍にも掛け声程度のボイスは聞ける((ありさは主に猛に対して「頑張ってね」「お疲れ様」、十二機甲将軍も「いくぞ! (攻撃時)」「うわー(ダメージ時)」などと軽く喋る))。 -主要キャラのドクター・ギガガの存在感が強すぎる。 --ギガガの外見の濃いインパクトとカリスマ性、郷里氏が演じるしぶいボイス、と目立つ要因が強すぎた。 ---「OPデモから一番乗りでギガガが登場」「タイトル表示ボイスは全部ギガガ担当」「ラスボス前の濃厚なる語り口」「エンディングの悪の華として壮大に散る様」と目立ち方が優遇されている。 --ギガガ以外の主要キャラの印象を述べると以下の通りとなる。 ---「佐倉猛」…主人公(笑)。敵との駆け引きに一切応じないせいで、キアイダンのパイロットとしての存在感はほぼない。エンディングでは熱演しているが、それまでの過程が空気すぎた…。 ---「菊地ありさ」…オペレーター業はなかなか様になっているが、どのステージでも同じような会話しかしないので、存在は割と地味なヒロインで収まっている。 ---「佐倉博士」…出番が少ない人だが、キアイダンの設計者であって直接的な戦闘要員ではないのでこればかりは仕方がないところ。エンディングはなかなかの好演。 ---「ジョウ・ダグボーン」…広中氏の渋いボイス演技は光るも、いかんせん主人公(笑)が彼に絡んでくる気配がないので、彼もまた存在が空気気味である。 ---「十二機甲将軍」…ボイスキャストは存在せず、どの将軍も一回倒されてそれっきりの使い捨て要因なのが悲しい。といっても、ステージ内においては主人公(笑)よりは目立っている。 ---- **総評 「70年代ロボットアニメなりきりシューティング」としての趣旨が強いが、PCEの容量の限界なのか、あまり多くの演出が入れられずに無難なシューティングで収まっている。~ 説明書では作中の詳細な設定が記載されているのだが、ゲーム内でその設定があまり堪能できないのが惜しい。 ---- **余談 -本作の後にプレイステーションにてアローマからリリースされたソフト『[['70年代風ロボットアニメ ゲッP-X]]』は本作と同系統の存在として引き合いに出される事が多い。

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