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こみっくパーティー」を以下のとおり復元します。
*こみっくパーティー
【こみっくぱーてぃー】
|ジャンル|恋愛アドベンチャー+恋愛シミュレーション|
|対応機種|Windows 98~XP|
|発売・開発元|Leaf|
|発売日|1999年5月28日|
|定価|初回パッケージ版:6,090円|
|レーティング|ソフ倫:18歳未満禁止|
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#center{&size(35){''WARNING!!!!!!!''}&br()&size(20){''本作は18歳以上のみ対象のアダルトゲームです。''}}
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**ストーリー
 美術大学の入学に失敗した千堂和樹は、滑り止めに入った大学でのキャンパスライフを満喫できずにいた。そんな彼を心配する高瀬瑞希は、和樹に色々な事をやらせて普通の大学生としての生活を勧めるが、和樹の幼馴染である九品仏大志が「これは運命、必然だ!」と豪語。和樹は半ば強引に同人誌即売会「こみっくパーティー」に連れて行かれる。その異様な熱気、未知の異常世界に戸惑いはしたものの、そこでは自分が見失っていた創作に対する熱い情熱が渦巻いている事に気づき、自分も同人誌製作に乗り出す事を決意。しかし、ヲタク系カルチャーに否定的な瑞樹や、和樹の決断に不快感を顕わにするのだった。

**概要
-東京開発室Leafの処女作。同社の作品としては久しぶりにビジュアルノベルではなく、通常のアドベンチャー方式になっている。
-「漫画製作」をモチーフとしたゲームとしては、おそらくPC-FXの「こみっくロード」に次いで二作目になる。
//確固たる情報求む

**システム
-本作は「主人公育成型アドベンチャー」を起用しており、主人公のステータスをある程度管理してスケジュールを組んでいく。
--プレイヤーはその日の予定を組み立てていく事ができる。出かけるのも原稿を書くのも、即売会で入手した同人誌を元に他サークルに原稿を依頼しても良い。
---同人誌製作を進めることで経験値が蓄積され、同人誌製作効率が上昇していく。
---同人誌即売会で入手した同人誌を元に原稿を依頼する事ができるが、その際実在の(する、またはした)同人サークルが出現する。
--アルバイトを選択する事で資金を稼ぐ事ができる。稼いだ資金は次回イベントの同人誌内容に変化をもたらす他、画材を購入するのに使う。
-コミックパーティーは毎月一回行われる。月頭に次の同人誌のジャンル、ページ数、カラー等を選択する。
--月末の締め切りまでに製作が間に合わなければゲームオーバーになる。
--締め切りが近づくと通常よりも効率が良くなる「修羅場モード」に突入し、体力の減りが激しくなるが製作進行率が上昇する。
---修羅場モードではマップ移動型アドベンチャーパートで入手した画材を使う事ができる。
-「出かける」を選択する事で街に出かける。マップ移動型アドベンチャーパートに突入し、画材の購入のほか、街中で小イベントが発生する事もある。
-同人誌即売会では即売会開場を自由に移動するマップ移動型アドベンチャーになる。
--攻略対象の女の子のサークルスペースに行ったり、コスプレスペースを覗いたりして交友を重ねていく。イベント展開によっては、女の子のサークルと合体サークルとして出展する事も。

**評価点
-古臭さを感じさせないBGMは評価が高い。
-みつみ美里と甘露樹の手がけたキャラクターグラフィックは現代もなおファンが多い。
--とくにみつみ美里の評価は高く、この頃の同人誌界隈には当作の絵柄を模倣した「みつみクローン」と呼ばれるサークルが現れた。
---現在もなおこの頃の影響を引きずっている同人サークルは多い。
-256色で表現されており、多少低スペックでも楽しむ事ができる。
--言われなければ256色とは気づかないほどグラフィッククオリティは高い。むしろ、言われても俄には信じがたい。
--この頃はまだWindows95のPCユーザーも少なくなかった。
-個性的で魅力的なキャラクター。
--ヒロイン達の殆どが同人誌製作に関っているが、現代に良く見かけるテンプレート的なヲタクをしておらず、どちらかといえば「物作りを楽しむ」と言う、古典的なヲタク気質を持っているのが特徴。
--サブキャラクターの九品仏大志の強烈な個性はインパクトが非常に強く、言動はかなり異常で痛々しい狂人なのだが、決して悪人ではなく、ファンから嫌われるような事は無い。
--Leaf名義では初の声優起用も後押ししている。
-ベースとなる世界観は同人誌製作という極めてヲタク的なものだが、ストーリー展開は「自分の知らない世界に足を踏み入れて、変わってしまう主人公に抱く孤独感」や「創作における迷いや葛藤」といった普遍的なテーマを基調としており、その手の世界に詳しくなくても楽しむ事ができる。

**難点
-ある意味大変マイノリティな世界を舞台にしたため、同人界隈に弊害が発生した。
--同人誌業界は作り手も買い手も「参加者」と言う関係である事が望まれ、独特のルールを持って秩序が保たれていたが、本作を切欠に同人誌の存在を知り即売会に参加するもののルールを持たない人が増えたため、同人誌即売会が混沌とし始めた。
---元々同人誌即売会ではそういった人々が少なからずいたため、必ずしも本作が全ての原因とは言えないが。
-ポップでライトな見た目とは裏腹に、一部キャラクターのルート攻略にはランダムイベントや、膨大な同人誌の売り上げが必要だったりと難易度が高い。
--他にも、攻略とは関係ないサブイベントもランダム発生要素が強い。
--そもそも、同人誌製作はある程度ステータスによって左右されるとはいえランダム進行。運が悪いと引きこもらないと間に合わない。
---もっとも、それほど確立が低いわけではないため、よほど運が悪くなければ気にならないが。
-即売会での行動時間が少なく、他サークルの同人誌を購入したり、同人誌即売会イベントを見ている余裕が無い。
--そもそも同人誌を購入し、原稿依頼をすると一日の行動数が減るため、効率が良いとは言えない。原稿依頼をしている暇があったら自分で書いた方が早く、ゲーム的に見れば完全な死に要素。

**総評
 アドベンチャーゲームとしては重大な欠陥であるランダム要素が足を引っ張っているが、その点を除けばただの異色世界観のアドベンチャーになりかねなかったところを、同人誌製作パートが程よいアクセントになっており、ゲームとして完成度の高いものに仕上がっている。~
 その魅力的なキャラクターや世界観にひかれ、本作を切欠に同人界隈に落ちた人と言うのは決して少なくない。と同時に、本作からギャルゲー業界で「主人公がヲタクでヒロインもヲタク。エンディングを迎えても脱ヲタせずにディープな世界にどっぷりはまったままだがそれでも良し」と言う展開が散見されるようになる。ヲタクにとって、決して脱ヲタする事が幸せな結末ではないと言う事が語られるようになったのは、本作によるところが大きいといえるだろう。

**移植
-DC版
--アダルト要素が無くなった代わりに、新キャラクターが登場。他にもサブイベントや、エンディングも多く追加された。更に、同人誌製作進行がコマンド入力式になり、ランダム要素が薄れた。しかし、音声の音質が悪く、ノイズが乗っているというギャルゲーとしては重大な欠陥がある。
-DCE版
--DC版をPCに移植したもの。同人誌制作進行がタイピング方式に変更され、腕さえあればゲーム序盤から大手サークル同様の売り上げを稼げるが、その分サブイベント発生条件を満たさない事が多くなり、ゲームとしては欠陥が大きい。
-PSP版
--DC版をPC版同様ランダム進行に変更したもの、他にもOP/EDが新調されている。

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