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ニンジャコマンドー」を以下のとおり復元します。
*ニンジャコマンドー
【にんじゃこまんどー】
|ジャンル|シューティング|&amazon(B001HN6FOY)|
|対応機種|アーケード(MVS)|~|
|発売・開発元|アルファ電子|~|
|稼働開始日|1992年|~|
|配信|バーチャルコンソール&br;【Wii】2008年6月24日/900Wiiポイント|~|
|判定|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~|
|~|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~|
|ポイント|超大味なゲームバランス&br;爆烈究極拳無双&br()歴史を守った?&br()名言ラッシュ|~|
|>|>|CENTER:''ADKニンジャシリーズ''&br;[[ニンジャコンバット]] / ''ニンジャコマンドー'' / [[ニンジャマスターズ>ニンジャマスターズ 覇王忍法帖]]|
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#contents(fromhere)
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**概要
『[[ニンジャコンバット]]』に続くアルファ電子のニンジャシリーズ第二弾。~
ただし物語的な繋がりはなく、ベルトスクロールアクションだった前作と違い、任意縦スクロールシューティングとなっている。~
ライフ残機併用制。また特徴として、シューティングゲームとしては初めて「コマンド必殺技」を導入している。その必殺技が問題なのだが。

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**ストーリー
マルスコーポレーションがタイムマシーンを使い、歴史を操ろうと企んでいる。ニンジャコマンドーの3人はマルスコーポレーションからタイムマシーンを奪い、歴史を守る命令を受けた。

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**ゲームシステム
-8方向レバー3ボタン
--Aボタン:通常攻撃。連射速度により強化される。攻撃方向は画面上に固定。
--Bボタン:緊急回避。わずかに速い速度でバク転移動する。見た目はバク転だが移動方向はレバーの方向。バク転中にAボタンで移動方向とは逆向きに攻撃する。
--Cボタン:忍法。体力を消費して放つ無敵の全画面攻撃。
--Dボタン:MVSなのでボタン自体は存在するが本作では使わない。

-使用基板がMVSであることが前提の、横長画面の縦スクロールゲームである本作は、敵が横からワラワラ湧いてくる。
--それに対抗してプレイヤーキャラクターもコマンド技を駆使して戦う。ただし強制スクロールではなく任意スクロールなので、後ろ溜め技を多用すると先に進めずタイムアップになる。

-落ちている巻物を3つ集めると、一定時間動物に変身して無敵になる。

-ボスの耐久力はもちろん高く、ガードもする。ガードされると必殺技と忍法以外は効かない。
--例外が紅蓮分身。まぁ分身しただけで、攻撃は通常攻撃だから仕方がない。倒された敵が落とすコインに限れば必殺技扱いの大コインだが。
--ボスの耐久力を0にすると画面いっぱいこれでもかという程に大爆発をし、そのあとボーナスとして空からコインが大量に降ってくる。後述の爆烈究極拳と合わせてこのゲームが超ド派手に爆発するゲームという印象を与えることとなる。

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**キャラクター
プレイヤーキャラクターは3種類のコマンド技をそれぞれ持つ。コマンド技は一旦連射を止めてから入力しないと出ない。

-ジョー・タイガー
--ニンジャコマンドーのリーダーらしきアメリカ人の甲賀忍者でポスター等でも真ん中。本名はジョー・ドラグ・ラングレーン。3人の中では落ち着いた性格、ゆえに地味。一人だけ通常攻撃が扇状に広がる。~
コマンド技「雷神の術」と忍法「火炎龍」を持つが、ニンジャコンバットのジョーとの関係は不明((コンバットではジョーが忍法「火炎龍」、ハヤブサが忍法「雷神の術」を持つ。どちらも体力消費ボム。また、コンバットのジョーの服は赤でハヤブサは青に対し、コマンドーのジョーは青。))。
--「雷神の術」は3人の後ろ溜め技の中で一番使いやすいが、持続時間の長さから緊急回避を使いづらい。「竜巻神拳」は自分を中心に竜巻状に広がる火の玉を放ち、全方位を攻撃できる。「ダブル竜巻神拳」はその名の通り右回りと左回りの2重に竜巻神拳を出す奥義。もっとも無理に使わなくても竜巻神拳の連発で事が足りるが。

-レイア・ドラゴン
--デモシーンで状況説明役を勤める伊賀流忍者のイギリス人少女。本名はレイア・スローン。デモシーンでは可愛いが、ポートレイトでは濃いメリケン顔。死ぬ時は「びじんはくめいいいい!」と(字幕で)叫ぶ((『ADKワールド』のキャラプロフィールでは座右の銘がこのセリフだったりする))。
--「紅蓮分身」は通常攻撃最大からさらに連射することにより分身を生み出す。ただし分身が本体からあまり離れないため、攻撃範囲はそれほど広がらない。連射装置がないと維持もキツイ。「ファイヤーウォール」は左右に炎の壁を作るが、射程が2キャラ分しかない。ただし分身にも付く。「鳳凰拳」は後ろ溜め技。範囲は広いが攻撃力が低い。
---当初、紅蓮分身の所為で初心者向けキャラと思われたが、貫通能力が弱くボス戦が長期化する、溜め技を使わない限り攻撃範囲が狭く雑魚戦も苦労する、紅蓮分身と他の技が噛み合わない((コマンドが「↓+A」のファイヤーウォールでさえ一旦連射を止めてからでないと出ないため。))、連射装置付きでないと紅蓮分身の維持も大変、と言う最弱キャラ。

-リュー・イーグル
--本名は「荒鷲龍騎(あらわし りゅうき)」。見た目は一番まともな忍者だが、性格は熱血気味。実は『[[ワールドヒーローズ]]』のフウマの子孫((ワールドヒーローズのほうが後発なため、後付設定である。ちなみにフウマが5代目、リューが32代目。))。後に出た『ADKワールド』でのプロフィールではひたすら「&bold(){みねうち}」が強調されている。
---本作品のバカゲー、不安定ゲーという評価の半分以上はコイツのせい。
--「爆烈覇王拳」は溜め時間が長く範囲も狭いと3人の中では最弱。「爆烈虚空拳」は左右に衝撃波を飛ばす。射程は画面いっぱいでファイヤーウォールより強い。「爆烈究極拳」は覇王拳を前方3方向に放つ最強奥義。
--忍法は「ぶらっくほーる」。まぁタイムマシーンが発明された未来のニンジャだからアリなのだろう。

-スパイダー
--敵キャラクターでマルスコーポレーションの社長(?)。でもメインコンピュータより格下扱い。
--ステージクリアごとにタイムマシーンに付いている通信機で捨て台詞を吐いてくれるが、実際に戦うのはステージ1と6だけ。なおステージ1で乗り込んだマシーンは爆発したのだが、どうやって逃げ出したのかは不明(しかも直後にタイムマシーンに工作もしているし)。ステージ6では未来戦車の爆発とともに命運が尽きる。

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**バカゲーな点
アルファ電子作品らしくバカゲーな点は大量にある。~
なおステージ2から4はランダムに決まる。

-ステージ1
--マルスコーポレーションに正面突入。忍者?ニンジャです。スパイダーも待ち構えており、完全にばれている。
--タイムマシーンを奪うも調子が悪くて何処に行くか判らない、というかスパイダーにマシーンを操られている。それでも巧く目的地に着いてしまうが。

-原始時代
--恐竜と原始人が闊歩している。ゆえに原始人はマルスコーポレーションの人造人間と断定されてしまう。もっともボスの恐竜はロボットだったが。
--ただし中ボスは巨大化もする人造人間だったため、間違いではないらしい。

-エジプト時代
--そもそもエジプト時代って何? 「四大文明時代のエジプト」と言いたかったのだろうが。
--ミイラ等を倒すが、エジプトの呪いは本物でマルスコーポレーションとは一切関係なかったらしい。歴史を守った?
--一応ボスの巨大なツタンカーメンのマスクはマルスコーポレーション製だったらしい。中ボスのミイラ以外はすべてマルスコーポレーション製だったのか? 道中でスパイダーが(背広のまま)現れ敵をけしかけているし。

-日本戦国時代
--敵は織田信長。リューが信長を風魔の宿敵((史実では、豊臣秀吉が北条家を滅ぼしたことにより主を失い没落、盗賊に身をやつした5代目風魔小太郎が徳川家康に処刑されて滅んだのだが。))として「まおう うつべし!」といきなり歴史改変宣言。
//5代目風魔小太郎と言っても「ワールドヒーローズのフウマ本人」という表現は誤解を招く。あくまであれはADKワールドの風魔の頭領で、史実とは無関係なキャラ。←それを言うと信長が風魔の宿敵なのもADKワールドの一言で説明が付くけどね。
---信長は登場時には普通サイズで敦盛を踊っていたが、戦闘に入るといきなり巨大化。マルスコーポレイションの仕業か? やはり道中でスパイダーが現れている。
--敵を皆殺しにしたあとにクリアデモで、レイアが「じょせい(腰元)に てをだしたのは やりすぎじゃないの!」と言い出し、リューが「&bold(){しんぱい ごむよう!  みねうち でござる!}」と返している。ただし「みねうち」したのは女性だけだそうである。歴史を守った?
---会話の流れ的に「信長を爆死させておいてみねうちでござるとのたまった」と捉えてしまう人も多く、この場面はゲーマーの間で様々なネタにされた。それ以前に爆烈究極拳(炎柱を飛ばす)の何処に「みね」があると言うのか。なおリューは通常攻撃も火の玉である(いや、手裏剣や火矢にだって「みね」があるなんて聞いた事が無いが)。

-三国時代
--此処からは固定ステージ。要は中国の三国志の時代。何故「日本戦国時代」と違い「中国三国時代((イギリスや朝鮮にも三国時代があった。))」にしなかったのかは謎。
--ボスは呂布だが、最初から巨大。倒すと首だけになり竜に変身する。これもマルスコーポレーションの仕業か?

-第2次世界大戦
--第2次世界大戦中のドイツらしい。戦車がニンジャに蹴散らされるが、ゲームでこの突っ込みは野暮だろう。
--マルスコーポレーションが未来兵器を持ち込んでいるとの予想に反し、実際にはスパイダーの乗るボスのみが未来戦車だった。他は見た目を誤魔化しているのか?

-未来マルスコーポレーション
--我々から見れば未来だろうが、プレイヤーキャラクターから見れば現代のはずだが。
--歴史を守った(?)もののマルスコーポレーションを潰さないと同じことの繰り返しだと気付いて未来に戻ってきた。最初から気付け。
--いわゆるボスラッシュ。2-5面のボスと雑魚、つまり呂布も現れるため、総てマルスコーポレーションの人造人間だったというのも嘘ではないらしい。でも、日本戦国時代の信長達は出ない。
--メインコンピュータを破壊してエンディング。夕日をバックに3人(のシルエット)が走るだけだが。

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**評価点
-ステージ1と最終ステージ以外は色々な世界と時代を舞台にしているので、バリエーションに富んだステージが登場する。

-後に『[[ワールドヒーローズ]]』などにも採用された「コメントシステム((キャラアイコンの横に台詞が表示されるシステムで、キャラクター造詣に一躍買った(ボイスが付いている必殺技や死亡時以外でも「いくでござる」等の台詞がある)。尤もプレイヤーはそんなのを読んでいる暇はないが。))」を初採用した作品。ADK作品以外でも似たシステムが使われた事も。
--容量不足でボイスを付けられなかったのが原因なのだろうが、逆にコメントシステム並みにボイス付きで喋られてもウザがられていただろう事から、結果的に良い方向に。

-結果論だが、52代目風魔小太郎、呂布、博士(ブラウン博士)の存在が後の『ワールドヒーローズ』シリーズの世界観に広がりを与えた。

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**賛否両論点
-必殺技(特に究極拳)さえ出せれば簡単なゲームであり(レイア除く)、ヌルいシューターでも爽快感満点。
--一方で濃いシューターの腹を満たせなかった点は、家庭用ゲームならともかくアーケードゲームとしては微妙とも言える。

-最強の必殺技、爆烈究極拳。
--六芒星を描くと言う(当時としては)難しいコマンドだからという考えからか、画面半分を覆いつくすほどの火柱を放つうえ、近距離から大型ボスに放てば火柱が三つとも当たって、そのまま覇王拳の3倍のダメージを与える。
---ちなみに超必殺技なんて考えが無い時代の作品のため、ゲージや残り体力等の使用条件はなく、コマンド入力さえ成功すれば際限なく撃てる。
---しかも、コマンド判定がかなり甘く、レバー9/8回転の後、逆方向に5/8回転するだけで出せてしまう。さらにコマンド受付時間中にボタンを連打すると究極拳が連射されるため、ボスを文字通り瞬殺することもできる((某動画での計測では1面ボスを0.46秒。おそらく体力ゲージ出現前にコマンドを成立させてはいたのだろうが。))。雑魚もボスも出現した瞬間に燃え尽きる、まさに地獄絵図である。バッバッバクレツキュウキョクケン!
---それでもコマンドが長いのは確かなので、ボスラッシュ時に一度コマンドに失敗すると、際限なく湧く雑魚敵に圧倒されてコマンドを再入力する余裕が無くなり死ぬ事もあるが((後述するが、ダメージを食らうとコマンドがキャンセルされるため敵の攻撃を避ける必要があり、(6/60秒でコマンド入力が可能な)外部装置でも使わないコマンド入力はまず不可能。余談だが外部装置を使うのなら、入力が甘いのをを利用して移動しながらのコマンド入力さえ可能(当然移動速度は低くなるが)。))。
--爆烈究極拳程のインパクトはないが、竜巻神拳(ダブル竜巻神拳)も十分強い技であり、こちらもコマンド受付時間中の連射が可能。
--ファンからは好意的に見られているが、傍目から見ればゲームバランスを崩壊させた元凶である。

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**問題点
-画面の上端に写っている敵はどれだけ攻撃が当たってもダメージを受けない。しかしその敵からの攻撃はこちらにヒットする。
-こちらの通常弾は障害物によって無効化されるが、敵の移動を除く攻撃全てとこちらの技は素通りとなっている。これにより複数の敵を相手にする場合はこちらが不利になる。まぁ本作に限らずスクロールシューティングではよくある話だが。

-回避の難しさ
--自機の通常移動は遅く、当り判定も厳しいのに、緊急回避に無敵時間は存在しない。一応緊急回避は通常移動と比較すれば少しだけ素早くやや距離も稼げるのだが、初動が遅い。
--こんな自機に対してボスの攻撃は速いか隙間が無いか((例えば巨大呂布の方天画戟(槍)による薙ぎ払いは画面1/3を覆うほどなうえ隙間が無い。))である。よってボス戦は画面端に追い込まれないようにパターンを覚えておいてなおかつバク転を満足に利用できるようになってはじめてまともに戦える。%%まぁ攻撃される前に爆烈究極拳で瞬殺すれば良いんですけどね。%%

-役立たずな忍法
--他のSTGで言うボンバー当たる技だが、使用後の無敵時間が無いため、忍法で倒しきれない体力を持った敵の体当たりを避けることは不可能。もちろん、それ以外の雑魚と弾を消し去ることはできるのだが。
--さらには、ダメージを負うと入力途中のコマンドの無効化、および非常に短い無敵と硬直が同時に発生する。これにより体当たりやモーションの長い攻撃は即死技となる((呂布の薙ぎ払いも、薙ぎ払った後のエフェクト部分にまで攻撃判定があるのか連続ヒットして即死する。))。一応、死亡からの復帰時にはそれなりの無敵時間がある為、連続死することはない。

-キャラバランス
--基本的に、リュー>ジョー>>>>レイア
---ただし(当時の目で見れば)コマンド技が複雑な事を考えると、レイアでの難しさこそ想定されたバランスとも考えられるが。%%入力判定の甘さや連射可能な所為で台無しだが。%%
---個別エンディングは存在しないので、どうしても女キャラでなきゃ嫌だと言うのでなければ気にしなくても良い。
--レイア以外でも爆烈究極拳や竜巻神拳(ダブル竜巻拳)を封印すれば難易度が急上昇するが、こちらは縛りプレイな話なので無視して良いだろう。

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**総評
アルファ電子を代表するバカゲーの一つ。トンチキな台詞はニコニコ動画などで未だネタにされている((特に「スモウパワーにはまいったな」は相撲にSFX合成を施した架空競技「SUMOU」や、格闘ゲームの相撲キャラを魔改造したものに対する称賛(ネタ的な意味で)として使われている。))。ゲームバランスも酷いが、逆に爆烈究極拳等で爽快感を味わうゲームとしての地位を獲得した。

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**余談
-PS2ソフト『ADK魂』にニンジャコンバットなどとともに収録されているのはもちろん、カルト的な人気を誇ったためかバーチャルコンソールでの配信までされている。
-『ワールドヒーローズ2JET』でフウマが爆裂究極拳を覚えたが、本作では「爆烈」ワーヒーでは「爆裂」と微妙に字が違う所為か、技の内容は別物になっている。もっとも本作品の技そのままだと「連射可能でガード不可能の[[隙無し3WAY飛び道具>カイザーナックル]]」となってしまうが。一応企画段階では「連射不可能でガード可能な隙有り3WAY飛び道具」だったらしいが、それでもヤバくて没になったそうだ。ただし『PERFECT』ではゲージマックス時に、これに似たものに変化するようになった。
-ゲーメストの読者コーナー担当が本作品(特にリュー)のファンで、人気の割には(ネタとして)何度も取り上げられている。
-SNKプレイモアの作品『どきどき魔女神判2』では前作であるニンジャコンバットが人気作品という設定があるが、そのアニメ版の作画崩壊した話の内容が「エジプト時代」など本作を匂わせるものとなっている(どき魔女のプロデューサーは元ADK社員)。
-実は本作には後期出荷版が存在しており、「爆烈究極拳が際限無く連発できることで大量のエフェクト表示がスプライトの表示上限数を超えてしまい、他のグラフィックが消えてしまう問題」が発売後に発覚し、SNKからクレームが入ってしまった。~
その為、爆烈究極拳の連打数に制限を加えた「修正版」に相当するものが後期出荷版という形で出回っている。

復元してよろしいですか?