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「[[修正依頼]]」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。~ 依頼内容は合同記事における主従関係の修正です。 現状ではSFC版がメインでFM-TOWN版がそれと比較されている構成となっていますが、~ FM-TOWNS版はSFC版よりも先に発売されている作品なので、先に発売された版をメインとする構成にしてください。 ---- #contents(fromhere) ---- *ドラッケン 【どらっけん】 |ジャンル|RPG|~| |対応機種|Amiga|~| |メディア|フロッピーディスク|~| |発売元|Infogrames|~| |開発元|Draconian|~| |発売日|1989年|~| |判定|BGCOLOR(lightsteelblue):''スルメゲー''|~| |ポイント|疑似3Dフィールド&br();全体的に漂う独特な雰囲気&br();ゲームバランスは良くも悪くも当時の洋PCゲー&br();''Hak!Hak!Drakkhen!''|~| ---- **概要 フランスのInfogrames(インフォグラム)社から発売された、ロールプレイングゲーム。フィールドでは疑似3Dで移動することになり、ダンジョン(ドラッケンの城)の中では個室を移動する2D形式になるのが特徴。 **ストーリー ドラゴンが滅びる時、新世界が誕生し人間は滅ぶ。~ ある時、突然魔法がこの世界から消えてしまった。愚かな戦士が、魔力の源となっているドラゴンを殺して絶滅させてしまったからであった。 その後発見された謎の島、ドラッケン島では人型ドラゴンであるドラッケンと、人間が暮らしている事が明らかになった。~ またドラッケン島は徐々に大きくなっていき、いずれは世界中を食いつぶし、人間を滅亡させてしまうことが明らかになってきていた。~ ドラッケン島は空、水、大地、炎の4つの地域に分けられた。~ それぞれの地域は、2匹のドラッケン王族が支配していた。~ このままでは人間の世界は、ドラッケンによって滅ぼされてしまう。~ かくして、世界の危機を救うため、4人の英雄(プレイヤー達)がこの島に旅立つことになった。~ 4人の英雄は、ドラッケン島の調査を続ける内に、ドラッケン王族達の内乱を鎮め、8つの宝石である「8つの涙」を集めなくてはならないことを知る。~ **特徴 -初めにプレイヤーとなる4人をメイキングする。 --職業はファイター(アマゾン)、スカウト、マジシャン、プリースト(プリーステス)の4種ある。各職業の中から一つを選択し、名前や初期能力値を決めていく。職業によってステータスの傾向とレベルが上がった時に習得する魔法が異なってくる。 --ファイターは攻撃力を上げるパワーと回避率を上げるシースルーという全員覚える基本的な魔法しか使えないが、ステータスが良い。スカウトはファイターよりステータスが劣るが、基本魔法に加えて解毒魔法やダンジョンから脱出する魔法、後述のアンロックというお役立ち魔法が使える。ファイターとスカウトは重装備が可能。 --マジシャンとプリーストはより強力な魔法を習得する。どちらも回復魔法と攻撃魔法を習得する。他のゲームと比べるとかなり変則的な設定がされており、例として弱い回復魔法であるヒールマイナー(SFC版だとヒール)はマジシャンが先に習得するが、強力な回復魔法であるヒールメジャーはプリーストが先に覚える。最強の補助呪文はマジシャン、蘇生魔法はプリーストのみが習得する。プリーストはファイターとスカウトに次いで装備可能な防具が多く、マジシャンが最も装備品を制限される。なお、この作品のマジシャンとプリーストは普通に剣や弓を持てる(武器に装備制限が無い)。 --慣れればマジシャン4人でもクリアできるが、基本的には全職業を揃えるのが無難。 ---ファイター2名、プリースト2名という変則的なパーティ構成も可能。しかし……(後述) --デフォルトで用意されたキャラを使用することもできる。その場合はファイター、スカウト、プリーステス、マジシャンになる(機種によっては性別と名前が異なるが、構成自体は被り無しで同じ)。 -プレイヤーは擬似3Dフィールドを360度自由に移動する事が出来、非常に開放的である。 --またこのゲームには時間の概念があり、現実の時間で約10分経過すると一昼夜となる。夕暮れになると徐々に空が赤く染まり、夜になると空には星が現れ、画面も夜が更けるにつれて暗くなっていく。 -フィールドは3Dだが、ダンジョンは1画面分の2D室内を、そこにある幾つかのドアを通って探索する形になっている。 --隠された扉もあり、怪しい壁をくまなく調べないと進めない場所もある。 -画面左側にはプレイヤーの状態を表すスペースがあり、プレイヤーが装備している武器や防具の様子が示されており、装備を変えるとちゃんとグラフィックが変わる。装備が強くなると見た目がどんどんゴツくなるので達成感を得られる。 -武器や防具は破損することがある上に、比較的あっさりと壊れる。 --上記の通り装備品がキャラの見た目に反映されるため、防具が破損していく内にどんどんみずぼらしい見た目になっていく。 --ダンジョンにある装備はダンジョンの出入りを繰り返すといくらでも取れるので場所を覚えておくと安心。また、フィールド上では店が存在するのでそこで購入することもできる。 -フィールド上で敵とエンカウントするとプレイヤー達が下から画面内に現れ、事前に指示した行動に従って(戦闘中も変更可能)オートで敵キャラを攻撃する。ダンジョン内では敵とエンカウントした時点でシームレスに戦闘が始まる。 -ダンジョンの泉から「空きビン」を使用して水を汲むことが可能。汲んだら薬系アイテムとなる。 **評価点 -擬似3Dフィールドの演出は当時としてはかなりのもの --当時としては迫力のある演出であり、ユーザーから他機種への移植が渇望されたほど。 -敵のデザインのセンスはともかく、アニメーション自体は非常に滑らかに動く。特にフィールド中の墓場に接触した時に現れるマッド・ドッグの動きは必見。 --敵とエンカウントした時は敵が滑らかかつ高速でスライドしてくる。しかも慣性が付いているという謎のこだわり。 -ドラッケン王族の人間関係の描写がしっかりかつ複雑に描写されている。 --ドラッケン島ではドラッケン王族が炎と死の王子ハズルケンが率いる人間滅亡を目的とした過激派「炎の連合」と水の王女アーカが率いる人間との共存を望む穏健派「第九の涙の連合」に分かれて抗争を続けている。 このうち、大地の王子ホドケンは8人のドラッケン王族の中で唯一どちらにも属しておらず、炎の連合に入りたがっているのだが、炎の連合に属している空の王女ナクトカに蛇蝎の如く嫌われているため入れてもらえない、というのが作中のダンジョンに置いてある手紙を見ると分かる。更にホドケンは自分の土地の民衆にも嫌われている。しかしホドケンの妹かつ第九の涙の連合に属している大地の王女ホドカは兄の身を案じて手紙を送ったり、ホドケンもホドカを心配して主人公達をホドカの城へ向かうように命令するなど、ホドケンに限らず、ただの敵役だけに収まらないほど人物描写が詳しく書かれている。 -酒場でのBGMは&bold(){作中唯一まとも}に仕上がっており、陽気な雰囲気が伝わってくる。 -流血表現がある。敵を殴っていく内に床に血が飛び散っていく。後発のSFC版と比べれば敵にダメージを与えている実感は得られる。 **変な点 -シュールな戦闘光景 --戦闘時のBGMは大抵が''無音。''剣をぶつける「カンカン」、何かを殴る「ボスッ」、ダメージ音の「バシィッ」、後は敵の叫びらしい「ウェア!ウェア!」(このバリエーションはいくつかある)、という効果音だけ。 --一応、BGMらしきものが用意されている敵もいるが、それらもシュールなものばかり。 --&bold(){敵を倒すと画面いっぱいにパーツが爆散する。} ---ボスのドラッケン王族のみ特殊な消滅エフェクトになるが、機種によってはこちらも&bold(){爆散}する。 ---後発のSFC版では全キャラ共通の煙と&bold(){肉塊}が爆散するように変更されたが、それでも無駄に派手でシュール。 -敵のデザイン、及び挙動が異質 --その場から動かずに反時計回りにゆっくり剣を振り回す全身ワイヤーフレームのような人型の敵「サムライ」、「ゴーファー!ゴーファー!」と叫びながら、高速に左右で動きつつファイアボールを連発してくる「ケンタウロス」、雪原地帯で「ドンドドドン ドドドドドン」というBGMと共に地中から出現する、射撃場に出てくるマンターゲットの全身版のような敵「ジャイアント」、砂漠地帯で「アアーン アアーン」と吠える上半身だけの赤いシルエット「イリュージョン」、MAP上の墓にぶつかってしまうと出現する巨大な犬の頭の魔物「マッド・ドッグ」など。 --とあるダンジョンでは暖炉の中の「燃えカス」が襲いかかってくる。一応敵扱いではあるが、その場から動く事はなく、「グギョギョグギョギョ」という奇妙なBGMが流れるだけで、一切こちらはダメージを受けないし、倒しても何も無い。 -エンディングの曲も異質 --エンディングのテキストを載せながらBGMのテンポや音階がどんどん上がっていき、人によっては恐怖心も煽られるような仕上がりになっている。 -&bold(){Hak! Hak! Drakkhen!} --一部のドラッケンが突然叫びだす謎の台詞。後発のSFC版だと「&bold(){ハック!!ハック!!ドラッケン!!}」になり、よりシュールさが増す。 --どうも「〇〇万歳!!」という意味合いがあるようで、「Hak!Hak!Hhaagkha!(ハック!!ハック!!アーカ姫!!)」という亜種をアーカ王女直属の兵士が叫ぶこともあるのだが、作中でこの言葉が詳しく解説されることはない。 ---「Hakk Hakk Hhaagkhen(ハック ハック アーケン王子(アーカの弟))」というパターンもあり、こうなるとHakとHakkは何が違うのか非常に気になってくる。 **問題点 -初見殺し要素多数。 --&bold(){ゲームが始まるといきなり草原のど真ん中に突っ込まれる((SFC版と違い正面に進めばホドケン城があるという説明がゲーム中に無い。))。}少し歩くと敵とエンカウントし、初期状態ではパーティは何も装備していない状態なのでまず倒すことができず、気付いたら全滅。 ---実は開始時点で初期装備品は持っているのだが、何故かそれを装備していない。ゲーム開始直後に自分で装備させる必要がある。 --すぐ隣に見える湖に近づくとパーティキャラが勝手に画面の中で動き出し、&bold(){そのまま湖の中に入水して沈んでいき全員溺死。} --やっと最初の目的地であるホドケン城へたどり着くと&bold(){今度は堀にサメのヒレが動いているのが見える。}タイミングよく橋を渡って中に入らないといけないのだが、渡るタイミングがかなりシビアで大抵の場合&bold(){最初に渡ろうとしたキャラは突然飛び出てきたサメに食われて即死。} --ホドケン城の城主のホドケンに対して会話後うっかり戦闘を挑むことも可能。当然この時点では勝ち目がなく、&bold(){ホドケンがファイアーボールの魔法を連射してパーティキャラを瞬殺する。} --ホドケン城より更に奥の場所は島の中央(センターオブアイランド)となっており、エンディング以外でうっかり足を踏み入れると&bold(){巨大なドラゴンが登場してパーティキャラを瞬殺する((空中から飛ぶように登場した時の演出の接地にすら攻撃判定があり、運悪く踏み潰されたキャラは即死する。その後、残りのメンバーが炎で焼かれる。))。} ---センターオブアイランドでは光る三角形(水判定)が地面に大量に敷かれているので、初見ではどうしても気になって侵入してしまう。 --イベントの進行度によりその時点では関係の無いダンジョンに入れなかったりはするが、フィールドの移動そのものには制限が無いため、ゲームが進まない内に草原の世界の隣の砂漠の世界(&bold(){ラストダンジョンがある})に入ると&bold(){終盤の敵が登場してパーティキャラを瞬殺する。} --夜になっている時にフィールド上で特定の方角を向いていると、突然夜空の星座が動き出して空中から敵が急襲。&bold(){そのまま空中を飛びながらレーザーを乱射してきてパーティキャラを瞬殺する。} ---&color(red){''序盤だとまず勝てない''}ので、夜間は、常に安全な場所である「建物前」で待機したほうがいい。 --この通り、不条理な死因がドラッケン島では常に襲いかかってくる。慣れない内は何度もゲームオーバー画面を見ることになるだろう。 -パーティの構成によっては詰みポイントがある。 --ゲームが進行すると、水の王子アーケンの城に行くことになる。アーケン城もホドケン城と同様に入り口に罠が仕掛けられており、普通に橋を渡って入ろうとすると&bold(){橋が突然閉じて城に入ろうしたキャラが即死する((バツンッと勢い良く閉じて血しぶきも出るため、まるで城に食われたような表現になっている。))。} --これを突破するにはアンロックという魔法が必要になる。アンロックを習得するのはスカウトとマジシャンのみ。つまり&bold(){ファイターとプリーストしか居ないパーティはこの時点で詰む。} -戦闘がオートであり、しかも戦闘バランスは大味。 --敵、味方とも攻撃が命中するかどうかはステータスにもよるがランダムであり、ダメージ量も非常にバラツキがある。 ---特に開始直後は初期装備を身に着けても勝てる時はあっさり勝てる、死ぬ時はあっという間に1人死ぬ、という事も起こりがちである。 ---ちなみに後発のSFC版とは違い、戦力差が著しい場合は常に一桁台のダメージしか入らない。 --画面外のキャラ(現在操作中のキャラとは別の部屋に居るキャラ)と同じ部屋に敵が居ると、そのキャラと敵が勝手に戦闘を行う。放っておくと敵の増援が駆けつけていて囲まれて殴られていることも…… -基本的にBGMは無く、音が出ても鳥のさえずりやカエルの鳴き声などを意識した環境音&bold(){だと思われる}奇妙な鳴き声や風の音が延々と流れ続ける。 --ドラッケン王族が登場した時のみ、珍妙なリズムの変なBGMが流れ出す。しかも謎のボーカル(のようなもの)付き。 ---更に戦う際には「ゴンガンゴンガンゴンガンゴンガンゴンゴンゴン!」という奇妙なフレーズのBGMが何度も繰り返される。 --上述の通り酒場では明るいBGMが流れる。教会でも一応BGMらしいBGMが流れるが、低音の陰惨な曲。 -グラフィックはフィールドは美しいが、反面ダンジョン内はかなり粗く、何がどこにあるのか非常に分かりづらい。 --ダンジョンではリーダーキャラ(切り替え可能)を操作して隣接する部屋のドアへと移動するのだが、この動きもかなりカクカクしている。 -フィールドの地図を表示する機能はあるのだが、現在位置は表示されない上に水辺等の地形があまりにも細かく表示されすぎて逆に分かりづらい。縮小しても拡大しても下手したらバグっているようにすら見える。 -シナリオそのものは一本道かつほぼ完全にお使いゲー --キャラ設定そのものには光るものはあるのだが、ゲームのシナリオ自体は最初から最後の一歩手前まで「主人公たちが誰かに頼まれて動く」という展開になる。 --しかしラスボス撃破後の最後の最後にとんでもない謎解きが仕掛けられており、プレイヤーは突如として突き放される。それまでの各ダンジョンに置いてあった特定のメッセージが必要になるため、チェックしなかったプレイヤーは各ダンジョンを駆けずり回る羽目になる。 -一部のイベント演出が雑。 --とあるキャラに会いに行ったところそのキャラが殺されている、という場面があるのだが、&bold(){その死んでいるはずのとあるキャラがアニメーションして動いてしまっている。}&color(#F54738){''しかもプレイヤーが戦闘を仕掛けて撃破可能。''} --その後、別のキャラがそのキャラの仇を討つことを誓うという流れになるのだが、上記の有様なのでなんとも興ざめなことになっている。 -ドラッケン文字 --このゲームではドラッケン文字という架空の文字が使われている部分がある。アルファベットを記号に置き換えたもので、謎解きに関わることもあるが、「&bold(){プレイヤーが使用する魔法の名前が全てドラッケン文字で表示される}」という点でプレイヤーを大いに苦しめる。 --呪文は左下の剣のマーク(この状態のままだと剣攻撃をする)をマウスでクリックすることにより呪文名に切り替えて使用するのだが、ドラッケン文字なのでかなり分かりづらく面倒。更に一部のアイテムの詳細もドラッケン文字で表されている始末。 --取説にドラッケン文字の変換図解が載っているので一種のマニュアルプロテクトとも思われるが、ドラッケン文字を覚えないとまともに魔法を使うことすらままならない。 --移動中の魔法に関してはショートカットキーで使用することも可能なのが救いか。また、ドラッケン文字を翻訳する魔法もあるのだが、まずその呪文を唱える為にドラッケン文字で調べなければならないというなんとも本末転倒なことになっている。 -ラスボス弱すぎ --マジシャンが最強の剣で数発殴っただけで倒せる。明らかに直前のボス二体の方がラスボスより硬い上に、ラスボスは設定上はかなり高位の魔術師なのだが魔法を使ってくることもない。ホドケンですらファイアーボールを唱えてくるのに…… **総評 「すぐに死ぬから」「何をしたらいいか分からないから」という理由で現在の価値観ではクソゲー扱いされがちな本作ではあるが、ドラッケン島に4つある教会では無償で全キャラの蘇生&回復が可能である。ゲーム直後は装備が貧弱だが、最初のダンジョンで装備を調え、教会付近でレベルを上げればすぐに死ぬ事も無くなる。 ストーリーは「ドラゴン王家を巡る愛憎劇」であり、他に類を見ないという点では独特ではあるが、内実は良くも悪くも「お使いゲー」。「~したから~に行ってくれ」というものばかりである。一部多少分かりづらい謎解きや、非常に難易度の高い最後の最後の謎解きがあるが、行く先々の話を聞いてダンジョン中のメッセージをしっかり回収しておけば詰まるような事はない。 フィールドを自由に歩く感覚、刻々と切り替わる空の様子など、じっくりプレイすると独特の世界観に浸れる「味」のあるゲームである。多くの機種に移植されたことからも、それが窺える。 **余談 -Amiga版のみ、体防具を装備していない女性スカウトが胸を完全に露出させており、こういった表現に大らかな時代であったことを感じることができる。 --以降の移植版では下着を付けている。なお、スカウト以外の女性キャラの素体グラフィックは全機種で固定。 -エンディングの最後に続編を示唆する一枚絵が表示される。 --当時の海外のゲーム雑誌で「Drakkhen2」の記事とプレイ画像の写真が掲載されていたが、発売されることは無かった。 この時雑誌に掲載されていた「ケザー島」などの設定の一部が[[スーパードラッケン]]にて使われることになる。 -2018年2月9日に海外メーカーのPiko InteractiveからWindows版がSteamにて配信された。 --起動時にDOSBoxを介していることから、IBM-PC版を復刻したものとなっている。 //適当に書いているようだがAmiga版じゃなくてIBM-PC版だぞ。 ---- *ドラッケン(FM-TOWNS版) 【どらっけん】 |ジャンル|RPG|~| |対応機種|FM-TOWNS|~| |メディア|CD-ROM|~| |発売元|富士通|~| |開発元|インフォグラム|~| |発売日|1990年11月|~| |定価|8,500円(税別)|~| |判定|BGCOLOR(lightsteelblue):''スルメゲー''|~| |ポイント|''豪華声優陣''&br();''ハックハック ドラッケン!''|~| ---- **Amiga版との相違点(FM-TOWNS版) -基本はAmiga版と同じだが、松井菜桜子、水谷優子、富山敬、古川登志夫、麦人などの豪華声優陣が声を担当している。 --特に、Amiga版だと女性なのにえらい低い声で喋っている(ように聞こえていた)ホドカ王女、アーカ王女が女性らしい美声で語りかけてくれる。 -武器・防具は壊れない。 **余談 -説明書の表紙はパッケージとは異なりアニメ調の絵だが、そのためいっそう女性の服装が刺激的である。 ---- *ドラッケン(SFC版) 【どらっけん】 |ジャンル|RPG|CENTER:&amazon(B000068H0J)[[高解像度で見る>https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/71Y2p1%2B52qL.jpg]]| |対応機種|スーパーファミコン|~| |メディア|8MbitROMカートリッジ|~| |発売元|ケムコ(コトブキシステム)|~| |開発元|Infogrames|~| |発売日|1991年5月24日|~| |定価|8,500円(税別)|~| |セーブデータ|2個(バッテリーバックアップ)|~| |判定|BGCOLOR(lightsteelblue):''スルメゲー''|~| |ポイント|ノスタルジックなBGM&br();''ハックハック ドラッケン!''|~| |>|>|CENTER:''ドラッケンシリーズ''&br;''ドラッケン'' / [[スーパードラッケン]]| ---- **Amiga版との相違点(SFC版) -キャラクターメイキングでは各職業1人ずつしか就けなくなった。 --このため、パーティ構成は必ずファイター(アマゾン)、スカウト、マジシャン、プリースト(プリーステス)になる。アーケン城での詰み防止対策と思われる。 -オープニングが微妙に変更されており、Amiga版には存在しなかった神がドラッケン島を作り、人間に最後のチャンスとしてドラッケン島に向かって8つの涙を探すように神が伝えるという下りになっている。 -ゲーム中ヘルプ、及び解説メッセージの追加。 --上記のオープニングが追加され、更に最初にホドケン城へ行くようにプレイヤーに説明するようになった。更にゲーム中で操作方法のヘルプをいつでも開くことができる。 -店の廃止。その代わり、フィールド上で「さすらいの商人」とエンカウントするようになっており、そこでアイテムの購入と売却が可能。ストーリーが進むと品揃えも変わっていく。 --とある場所に元々存在していた「酒場」では必ず商人に会えるようになったため、これが従来の店の代わりの要素になっている。 -フィールドの地図が地形が分からない大雑把な表示になった代わりに現在位置と方角が表示されるようになった。 **評価点(SFC版) -理不尽な要素のほとんどが廃止されている。 --序盤の内にホドケンと戦えなくなっている、ホドケン城の鮫はホドカ城を訪問するまで登場しない、ホドカ城訪問後にホドケンに会うまでは草原の世界から別の世界に行けない、センターオプアイランドに入っても追い出されるだけ、アーケン城入口の即死ギミックの廃止など初見殺しポイントがかなり減らされている。 --一方で星座の敵はそのまま続投している。相変わらず取説でも星座の敵の存在には触れていない。 --最後の謎解きも廃止されており、ラスボスを撃破すれば後はすんなりエンディングへ行ける。 -厳しいゲームバランスの緩和。 --初見殺しポイントの廃止もさることながら、ゲーム中でヘルプを参照することも可能になり、Amiga版に比べれば全体的に分かりやすくなりゲームの進行がスムーズになるようになっている。その他、敵が弱体化していて序盤でもそれなりに勝ちやすくなっている。 --ドラッケン文字も廃止されている。そのため、翻訳呪文も没呪文となっている。 ---SFCの他のゲームと比較されてSFC版のドラッケンが難ゲーとして扱われることもあるが、&bold(){これでも元に比べればかなり優しくなっているのである。} -BGMの大量追加。 --BGMの曲数は25曲程度とかなり多い。曲のレパートリーも重々しいオープニング曲からSFCのケムコゲー特有のベース音を利かせたノリノリのキャラメイキング曲、旅情・旅愁をかきたてる各種の昼夜フィールドなど多岐にわたっている。 --フィールドは草原、湿地、雪原、砂漠の4種類あるが、それぞれにつき昼のBGM、夜のBGM、民家のBGMが専用に用意されている。 --プレイヤーが立ち入る事の出来るダンジョン(城)は6つあるが、これもそれぞれ異なるBGMが用意されている。 ---この内、夜の草原の世界、夜の砂漠の世界、砂漠の世界の民家、アーケン城は特に必聴の価値あり。他のBGMも良質なものが揃っている。 --&bold(){よりによってAmiga版のドラッケン王族の戦闘BGMをほぼ完全再現している。}というか、変なBGMはだいたいAmiga版の再現。例外は&bold(){変な鼻歌のようなBGM}のメッセンジャーのBGMくらいか。 ---酒場のBGMもAmiga版の再現アレンジとなっている。 --エンディングの曲はSFC版オリジナルで、冒険の終わりに相応しいしんみりとした曲になっている。 -イベントで殺害されたキャラが動かなくなりプレイヤーがトドメを刺すことも出来なくなるように修正されている。 **賛否両論点(SFC版) -敵が一度に一体までしか出てこなくなった。 --Amiga版では敵が二体まで同時に登場していた。 ---この変更により当然難易度は下がるのだが、とあるキャラとの戦闘時にそのキャラが衛兵を呼んでいるのに衛兵が来ない((Amiga版では衛兵が増援として登場していた。))など作中の台詞と矛盾する場面も出た。 -ダンジョン内に居る時に、メニューコマンドから一瞬で外で脱出できるようになっている。 --しかしこのせいでスカウトが習得するダンジョンから脱出する魔法であるテレポートの存在意義が分からなくなっている。 -最後の謎解きは廃止されているが、関係するメッセージは削除されていないので、PC版を知らないと意味不明なメッセージにしか見えない。 **問題点(SFC版) -ダメージ表示が分かりにくい。 --流血表示が廃止された上に他機種では存在したメッセージウィンドウが存在せず、敵にダメージを与えた時はキャラのHP表示に「矢印付きの数字」、逆に敵からダメージを受けた時は「矢印無しの数字」が表示される。慣れない内は非常に分かりづらく、直感的とは言えない。 -弓矢強過ぎ --SFC版では「ゆみ・や」という飛び道具である武器が異様に強力で、これさえあれば他の武器(接近戦用)は全くと言っていいほど必要が無くなる。 ---なおAmiga版だと「ゆみ・や」は途中からカスダメージしか入らなくなるのでほとんど役に立っていなかった。恐らくバランス調整で敵の防御力を下げた結果「ゆみ・や」ゲーになってしまったものと思われる。 -グラフィック面はやや劣化した。 --グラフィックそのものはAmiga版のものをそのまま使ったり手直しして使用していたりするのだが、流石に滑らかなアニメーションの完全再現が出来ず、敵の動きが若干カクカクするようになった。 --ダンジョン内のオブジェクトの種類が減っており、例としてAmiga版では小さなベッドが置いてあった部屋がただの部屋になっていたり、どのような部屋なのかより分かりづらくなっている。 -一部の敵の削除。 --Amiga版ではダンジョンの扉を潜ろうとすると突然現れるトラップドアという敵が居たが、SFC版のゲーム中には登場しない。ただし没データにはグラフィックが残っている。 -「あきビン」というアイテムこそあるが、Amiga版と違ってダンジョン内の泉の水を汲むことはできないので、売って金にするだけの存在になっている。 -一部のボスは強化されている((上記の衛兵を呼んで戦わせていたボスが衛兵を出せなくなったので、Amiga版では使わなかったパラライズの魔法で麻痺させてくるようになった。))が、ラスボスは相変わらず弱いまま。 -アーカ城のBGMが敵側のドラッケンの城よりも何故かおどろおどろしい上に緊迫感を煽るような曲調でミスマッチ。人間に友好的なドラッケンの本拠地で、別に衝撃的な事実が明らかになるような場所でもないのだが… **総評(SFC版) 元々独特な個性を持っていたゲームに情緒のあるBGMが追加されたことで、ドラッケンが持つ世界観の神秘的な雰囲気が更に増幅された。 相変わらずゲームバランスが尖っていて人を選ぶものの、移植に伴い調整されたことでAmiga版に比べればずっと簡単かつ簡潔になっている。 夜の草原の世界や夜の砂漠の世界の夜空を眺めながら((メニューを開いてメッセージを出している最中ならエンカウントしない。))美しいBGMを堪能するということもできるため、興味があれば手に取ってみるのもいかがだろうか? **余談(SFC版) -エンディングの最後に続編を示唆するメッセージが表示される。 --その後、1994年8月26日に続編にあたる[[スーパードラッケン]]が発売された。 -エンディングを迎えた時に死亡しているパーティメンバーの数によって、スタッフロール中の1シーンに出てくるギターの数が変わるというイースターエッグがある。 ----