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*カケフくんのジャンプ天国 スピード地獄 【かけふくんのじゃんぷてんごく すぴーどじごく】 |ジャンル|アクション|&amazon(B000068HIF)| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~| |発売元|ビック東海|~| |発売日|1988年7月22日|~| |分類|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |ポイント|キャラゲー屈指の難易度&br()極端に早いか極端に遅い主人公&br()|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -当時フジテレビ系で放送され、高視聴率をマークしていたバラエティ番組『所さんのただものではない』に出演していた「阪神(当時)の掛布雅之選手にそっくり」な子供タレント・カケフくんを主人公にしたアクションゲーム。 --なお同番組には田代まさしも出演しており、『[[田代まさしのプリンセスがいっぱい]]』もコンセプトとしては同番組のオマージュに近いものがあった。 -ぽこにょっこり王国の王様の病気を治すため、カケフくんを操作してステージをクリアし、3日以内に薬草を採ってくるのが目的。全21ステージ。 **問題点 -特定の草むらの前を高速で走ると赤もじゃの投擲アイテム「ウィッキー」が登場し、ウィッキーを装備してそのまま投げていない場合は一回だけ敵に当たってもウィッキーを失うだけで死ぬことはない(投げて手元にいない場合は1ミスとなる)。 --が、それを逆手に取ったトラップがあり、敵の目の前でBボタンで投げてもウィッキーは敵を倒さず、そのままウィッキーを失ったカケフくんが敵に激突して1ミスになることがある。 --また、ステージは決して左にスクロールしないため、一度ウィッキーを取り逃したらあきらめなければいけない。 -「スピード地獄」を地で行く制御困難さ。カケフくんの走りは後の『[[ソニック・ザ・ヘッジホッグ]]』を更に極端にした様な速度差。~ 具体的には初速が遅すぎ・最高速がとんでもなく速い。遅い場合は穴を飛び越えられず、速い場合は敵に激突、などといった具合で死にまくる。 ~ 大凡常人には困難な制御難易度でそれなのに精度の高いジャンプ操作を常に要求してくるステージ構成、といった具合。 --それゆえ難易度は狂ったように高く、あの『[[高橋名人の冒険島]]』を超える超難関ソフトと称された。 --超スピードがウリなのに、それを生かせるステージ構成でないため、結果的に爽快感の欠片もないストレスを溜めやすいゲーム性となってしまっている。 -ジャンプ中は空中での制御が一切効かない。一度宙に飛び上がったが最後、着地まで一切コントロールができなくなる。 -特定のステージでは水面で連続ジャンプする場所があるのだが、タイミングが難しく失敗すればミスになる。3回目まではオートジャンプだが、その後は自分でコマンド入力しなければならない。 -画面の一番上に到達すると必ず画面が縦にスクロールする仕様になっている。このせいで地上にいる敵を攻撃しにくく、さらに足場の確認も困難にしている。 -所々に透明なアイテムブロック(所謂「''孔明の罠''((ニコニコ動画上における用語で、主に改造マリオシリーズで見られる。プレイヤーキャラの進行を妨げるように隠しブロックなどを巧妙に配し、残機などのリソースを喪失させてやる気を削がせる仕掛けを指す。三国志における「孔明の罠」と配置の「巧妙さ」をかけている。))」)が配置されており、たまに移動や攻撃の妨げになる。そのため安全確認の為に無駄なジャンプが要求される。 -落下するまで下に足場があるのかどうかが全く分からず、初見では高確率でミスする場所が多々ある。 -このようにただでさえ高難易度なのに更に制限時間があり、3時間以内にクリアできなければ国王が死に侍従長が悲しむバッドエンドという無茶な仕様。 --ただ最短でクリアすると感動的なエンディングが待っているかというとそんな事は無く、まさかのメタネタ・内輪ネタオンパレード。報われない。『海腹川背』にも似たようなシステムがある。 **評価点 -音楽はステージに合わせて、陸上ステージでは明るかったり、地下ステージでは陰気だったり、ラストステージでは緊迫感あふれたりとバリエーションがある。 -当時としては珍しいマルチエンディング。クリアまでにかかった時間により6パターンに分岐する。 --しかしその内容は前述の通り褒められたものではない。 -一応このゲームは、ゲームオーバー後のコンティニューが何度でも可能。 --その時は''病気の国王が魔法でカケフくんを生き返らせる''という設定。「薬草がなくてもお前の魔法でどうにかできるだろ」というツッコミをしたくなる。 **総評 -FCキャラゲー作品の例に漏れず、本作もゲームバランスに難のある作品であった。むしろ他のキャラゲーと比べてもその難易度は群を抜いていたかもしれない。 -理想としては後に発売される『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』のような、スピード感あふれるゲームを作りたかったのかもしれない。ただハードスペックといいゲームシステムといい、あまりにも時代を先取りしすぎて、空回りに終わった一本であろう。 **余談 -発売元のビック東海は何を狂ったか、本作発売後に『Kid Kool』のタイトルで北米版を発売。 --案の定、AVGNで「Kid Koolはクールじゃない」とディスられるなど評価は芳しくなかった。 --カケフくんもとい、ゲーム中のキャラとは似ても似つかない衝撃的なパッケージイラストは一見の価値あり。 -後に制限時間以外の本作のシステムは同社開発のSMS(海外のみ)『Psycho Fox』やMD『まじかるハットのぶっとびターボ!大冒険』、GEN(海外MD)『Decap Attack』にも引き継がれた。 --またMD『タイムドミネーター1st』もよくソニックのパクリと言われるが、系譜としてはこのカケフシステムのひとつであると思われる。 --何れの作品も例にもれず(?)サウンドは良質だったりする。 -カケフくんはその後ドラマにも出演するなど徐々に人気を確立していったものの、本作発売から1年半後の小学校卒業と同時に芸能界を引退。事務所から強く慰留されたそうだが、父親が「子供を芸能人にしたくない」と猛反対したとのこと。現在はコンビニエンスストアを経営しているという。 -2011年にAVGNことジェームズ・ロルフ氏が本作をレビュー。上記の問題点を7つの大罪(それぞれ「クソタレ一方通行」「二速ギア下痢」「ジャンプFuckness」「ケツ溺死」「トンデモ空中待機」「インビジビッチ」「タマキン自由落下」)と称し、ボロクソに批判した。 ----