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エスプガルーダ」を以下のとおり復元します。
*エスプガルーダ
【えすぷがるーだ】
|ジャンル|シューティング|&amazon(B0001TXPAW)|
|対応機種|アーケード&br();プレイステーション2|~|
|販売元|【AC】エイエムアイ&br();【PS2】アリカ|~|
|開発元|【AC】ケイブ&br();【PS2】アリカ(移植)|~|
|稼動開始日【AC】|2003年11月|~|
|発売日【PS2】|2004年6月17日|~|
|価格【PS2】|7,344円|~|
|レーティング【PS2】|CERO:B(12歳以上対象)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|過去作に比べて低難度&br;弾消しによる初心者救済&得点稼ぎシステム&br;珍しい世界観&br;突然性転換する自機キャラ|~|
|>|>|CENTER:''[[ケイブ弾幕系STGリンク>ケイブ弾幕系STGシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
-『[[怒首領蜂大往生]]』や『[[ケツイ>ケツイ~絆地獄たち~]]』など高難易度の作品が出された後に稼働した、比較的低難易度な弾幕シューティング。
-『[[エスプレイド]]』の流れを一部汲む要素がある。
--世界観・キャラクターなどは全くと言っていいほど共通していないが、ガードバリアシステム、5面後半に大量に出現するクローン、そしてラスボスが展開する光の翼のデザインなどに共通点がみられる。
-シューティングゲームとしては珍しく、ファンタジー+スチームパンクという世界観を持つ。
-人工生物兵器「ガルーダ」である兄妹・アゲハとタテハの内の一人を自機として進んでいく。

**ストーリー
時代は乱世。シンラ皇帝であるジャコウは、自国をより強大なものにするため、「プロジェクト・エスプガルーダ」と名付けられた、人と聖霊を結びつけて新たな力を得る計画を発案。プロジェクトの成果としてアゲハとタテハの2人のガルーダが生み出される。ジャコウの野望が達成されようとしたとき、プロジェクトの中心人物であったヒオドシが2人を連れて逃亡。ジャコウはその行方を捜し出すため執拗に追っ手を差し向ける。そして16年がたち、ついに3人の隠れ住む町にシンラが侵攻してきたところから物語は始まる。
(Wikipediaより)

-1面:血別
--アゲハとタテハ、ヒオドシの3人はついにシンラ兵に発見されてしまう。~
兄妹を庇い、凶弾に倒れるヒオドシ。~
兄妹は互いに自らに眠るガルーダの力を解放し、何かに導かれるかのように敵の本拠地を目指す。~
彼らの前に現れたのは、彼らの腹違いの妹に当たるシンラ第一皇女・セセリだった。
--''「貴様らの存在を消してやる!」'' ''「お父様ァー!」''
---1面ボスにしてはやたら敵弾が多いが回避は難しくはない。
-2面:渓谷の街
--訪れた渓谷の街。この街も、既にシンラの支配下にあった。戦いはより激しさを増す。
-3面:巨大戦艦エリニエス
--二人はついにシンラ国内に突入する。出迎えるのはシンラの誇る巨大戦艦エリニエス。
-4面:要塞都市
--シンラの軍事拠点。二人を導く声の先にあるシンラ中枢には、ここを越えていかなければならない。
-5面前半:浮遊城ウツロブネ
--シンラの中枢であるウツロブネへとたどり着く。猛烈な最終防衛ラインを突破した先から、突如爆風と共に現れる1つの影。~
それは体の多くを装甲で纏い、二人を抹殺すべく再び立ちふさがるセセリの姿だった。
--''「消えろォ!」'' ''「ああ…消えていく…」''
--''どんな理由があっても決して足元を見てはいけない!''
-5面後半:血着
--ついにウツロブネ内部へと潜入した二人。~
そこで見たものは、プロジェクト・エスプガルーダの残滓として産み出された無数の「クローン」たちの姿だった……。~
壮絶な戦いの末に待つのは、彼らの実の父親であり、シンラ国王であるジャコウ。そしてもう1つの――。
--''「さあ、我が前に力を示せ!」''

**システム
-操作系統はレバー+「ショット」「覚聖」「ガードバリア」の3ボタン(店舗によっては連射ボタンが付加されていることもある)。
-通常攻撃
--ショットボタンを連打することで広範囲に攻撃が可能な「ショット」、押しっぱなしにすることで低速移動&一点集中型の強力な「レイピア」という二種類の攻撃を使い分けることができる。
-ガードバリア
--一般的なシューティングにおけるボムの役割(溜め撃ち可能なボム)。ボタンを押している間は自機の周囲にバリアを展開し、一切ダメージを受けなくなる。ボタンを離すと、強力なエネルギー波を撃ち出す。
--使用の際は専用のゲージを消費する。バリアを溜めることで威力や攻撃範囲が強化されるが、ゲージ消費量も増える。
-自機
--兄・アゲハ
---直線型のショット(左右の入力で振ることができる)を持ち、覚聖時にはレイピアの性能が大幅に向上する。初心者から上級者まで扱いやすいキャラクター。
--妹・タテハ
---画面の広範囲をカバーするショットを持ち、覚聖時にはショットの性能が大幅に向上。但しボス戦ではショットが扱い辛いため、やや中級以上向けのキャラクターと言える。何気に通常時のレイピアの威力は兄に勝る。
-覚聖システム
--本作最大の中核をなすシステム。
--覚聖ボタンを押すと自機が変身し(''性別が変わる'')、性能が大幅にパワーアップする(弱体化する部分もあるが)。
---覚聖中は被弾してもバリアゲージがあれば自動でガードバリアが発動し、ミスを防ぐことができる(いわゆるオートボム)。この場合のバリアゲージの消費量は通常最低消費量の2倍というデメリットはあるが、初心者に対する配慮、そして万が一の保険としては充分。
---とは言え覚聖ボタンを押してから覚聖が完了するまでには一瞬のラグがあり、他のゲームにおけるボムと同様の緊急回避感覚で覚聖するとまず間に合わない。そう言う場面では即座に発動できるガードバリアを展開すべきである。
--覚聖中に、聖霊石(緑の宝石、ユーザー間の通称「クロレッツ」)というアイテムの所持数が残っている時は、自動的に「覚聖死界」を展開する。
--覚聖死界展開中は自機の性能が大幅にパワーアップし、また画面のスクロール速度や敵機・敵弾の速度が低下する。また、この時に敵機を破壊すると、その敵が発射した弾が金塊(得点アイテム)に変わり、安全を確保することができる(通称「錬金」)。
---1回の覚聖死界展開中に消した敵弾が多ければ多いほど、錬金時の得点に倍率が掛かっていき(最大100倍)、よりスコアを稼ぐことができる。この為、上級シューターにはいかに覚聖状態で画面を埋め尽くすほど大量の敵弾を吐かせた後に敵を殲滅するか……という戦略性が問われる。
--覚聖死界の展開中は聖霊石が時間経過で減り続け、さらに覚聖死界の展開中に敵機を破壊すると大きく減少する。
--覚聖中に聖霊石が0の時は、覚聖死界を展開できず、逆に敵弾が高速化する(通称「赤走行」。敵弾が赤くなるため)。
---基本的には危険な状態だが、攻略やスコア稼ぎに利用できる部分もある。赤走行中は何もしなくてもスコアが加算されるため(さすがに覚聖状態で得られるスコアには劣る)、上級シューターの一部によっては敢えて赤走行を織り交ぜる攻略パターンも組まれる。また、一定時間赤走行を維持すると通常状態で獲得できる聖霊石の量が増えたり、また処理落ちの発生、攻撃力の増加によって敵弾の軌道に変化が現れるなど、逆に赤走行状態だと難易度が下がる場面も存在するため、初心者にとっても完全にデメリットというわけではない。
---赤走行状態をあえて維持する危険プレイにより、スリルを味わうこともできる。

**アイテム
-聖霊石:覚聖カウンタが回復。覚聖していない時に敵を破壊すると出現する。
-P:パワーアップ。
-MP:パワーマックス(ゲームオーバー時のみ出現)。
-E:バリアゲージが回復。
-L:エクステンド(3面で条件を満たすと出現)。
-金塊:得点アイテム。覚聖中に敵を倒すと出現する。

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**評価点
-難易度の低下
--それまでの『大往生』『ケツイ』といったケイブシューは、コアなシューティングファンからの人気は高かったものの、その難易度の高さ、そして何よりも「弾幕」という見た目からくるハードルの高さで敬遠するプレイヤーも多かった。そんな中でリリースされたのが、あえて低難易度&キャラクター面を前面に押し出した本作である。
--特筆すべきは、「覚聖」システムである。
---覚聖システムにより、初心者は''難易度を抑えることができ''弾を避ける楽しさや敵の破壊を楽しめ、逆に上級者は''より多くのスコアを稼ぐことができる。''初級者にも上級者にもマッチしたシステムであるといえるだろう。
---敵弾を多く消すほど、画面一杯に「×100」の数字が表示され、大量の金塊が出現する演出は壮観。その気持ち良ささから、初心者やクリアラーでもスコア稼ぎのプレイスタイルに入りやすい。
---オートボムの装備は東亜プランの『[[BATSUGUN]]』以来の英断((『BATSUGUN』のSP版はショットのレベルアップ時に敵弾を1発だけ耐えられるバリアがつく。))といえる。
--弾幕自体も、他作品に比べると低速で見切りやすいものが多い。かといって単純なわけではなく、多種多様な攻撃を躱して行く楽しさをちゃんと楽しめる。
--エクステンドアイテム(1UP)の出現条件もケイブシュー屈指の易しさである。
#region(出現条件。ネタバレ注意)
---「所定の場所を覚聖して撃ち込む」だけである。他作品だと「ボム不使用で中ボス撃破」など難しい条件が多い。
#endregion

-音楽
--メロディラインを強調したトランス風((具体例を挙げると『beatmaniaIIDX』に多くあるdjTAKAの楽曲に近い作風))のものという他のシューティングに類を見ないBGMであり、評価が高い。
--サウンドトラックは再販が行われるまではかなりのレア物として扱われていた。
--続編『[[エスプガルーダII]]』でも本作のBGMのアレンジが使用されている((『II』の5面BGMは本作3~5面のメドレーである。))。

**賛否両論点
-覚聖時の設定
--覚聖時の''性別が変わる''という設定はあまり受けなかった(ゲームシステムに影響があるわけではなく、プレイ中はそんな設定も忘れるが……)。
---自機選択画面で「イケメンを選んだと思ったら巨乳のお姉さんになった」「かわいい子を選んだと思ったら腹筋が割れている少年になった」と初見時に戸惑ったプレイヤーは少なくないと思われる。そのあたりの要素もキャラクター人気の一因と言えば一因なのだが。

-地上の敵を倒すとその場所に血だまりができるなど、演出は若干残酷である(後述のPS2移植版はCERO:Bである)。

**問題点
-基板の性能が低いため、細かい部分で制約が多い。
--あまり音質が良くない。
--ゲームの肝である「覚聖時に敵弾を色を変え、敵を撃破すると金塊に変化する」という処理が非常に重く、敵弾は100発程度でキャラオーバーを起こし、この状態で錬金するとかなり画面が乱れる。一瞬の出来事だが、自機に迫る敵弾がいきなり乱れて金塊に変わるのは少々怖い。
---ただしこの制約自体が前述の難易度低下に繋がっているので、必ずしも欠点にはならない。またこの制約を考慮した上で弾幕設計が行われているため、貧相な感じはしない。

-低難易度なのは実は最終面(5面)手前まで。最終面は飛び抜けて難しい。
#region(close,ネタバレ注意)
--最終面は2部構成になっており、前半は道中が難しくシューティングののテクニック(切り返し)が求められ、ボスも手強い。後半道中は開始10秒で敵弾に追い詰められ、ボス前のアリスラッシュが非常に厳しい。
--そしてラスボスは''3連戦''。最終形態(3戦目)はケイブシューよろしくボムなどによるゴリ押しが不可能。ラスボスは''自機が覚聖するとバリアを張り、ガードバリアで攻撃すると回復する(無効ではない)。''
--オマケに最後の弾幕は上と左右からくる敵弾の列をくぐり抜けるという単純だが小細工が通じない難しさ。ちまちま避け続ける必要がある。
#endregion
---ただし最終面だけ比較しても、他の同時期のケイブシュー(『大往生』『ケツイ』等)より、覚聖やガードバリアがあるため比較的''簡単な方である。''

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**総評
これまでの「ケイブシュー=難易度が高く初心者お断り」というイメージが初めて崩された作品。現在でも稼働している店舗が結構あり、シューティング入門作としてもおすすめできる。~
それでいながら上級者にとってもスコアアタック等の楽しみがあり、最も間口の広いシューティングゲームの一つと言える作品である。

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**PS2移植版について
-AC版に忠実なアーケードモードに加え、各種の変更が加えられたアレンジモードが収録されている。
--アレンジモードでは自機が「Black」と「千裕」になる。どちらも『エスプレイド』の自機「J-B 5th」「いろり」に覚聖モードを追加したような性能であるが(さすがに性転換はしない)、その関係は公式では明言されていない。%%バレー部なんていなかった。%%
-『大往生』と同様、攻略DVDやリプレイ、多彩な設定によるシミュレーションモードが搭載されている。
--攻略DVDは『大往生』のように凝った演出はないものの、アゲハ・タテハの両パターンを収録し、『大往生』では事情によりカットされたステージごとのチャプターセレクト装備と実用性は上がっている。
-移植度は高いが、『大往生』に比べるとロードが少し長め。アレンジモードはアーケード版以上の難易度がある。
-錬金時の画面の乱れはPS2版では発生しない。
--またアレンジモードでは敵弾数の制約も無くなり、画面内を埋め尽くしている弾幕や弾塊を一気に錬金するのが''非常に気持ち良い。''

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**余談
-後の作品への影響
--本作以降のケイブ作品では、難易度選択などの初心者から上級者までを幅広くサポートするゲームシステム、そしてキャラクター重視の方向性が取られていくこととなる。
--プレイヤー(子)とボス(親)による「親子ゲンカ」のシチュエーションも本作から始まった((以降の作品では『虫姫さま ふたり』『デススマイルズ(MBL)』『赤い刀』などがある。))。
---親子ゲンカという意味では『[[ぐわんげ]]』の方が先だが、あちらは「プレイヤーが父・ボスが娘」という逆パターン。
-セセリについて
--そのボイスがあまりに棒読みに聴こえることもあってか、一部のファンからはネタにされている。
--シナリオ上の扱い的にも「父親と異母兄姉に翻弄される悲劇の皇女」という側面があり、敵方のキャラクターながら人気は高い。
---父であるジャコウはアゲハ、タテハを単なる強力な兵器としてしか見ておらず、愛しているのはセセリ一人なのだが、セセリは父がアゲハとタテハに執着するのは愛情故だと思い込んでおり、二人よりも優れている事を証明して父の愛を自分に向けようとしている…という切ない設定が存在する。ぶっちゃけ主人公達より設定が作りこまれている。
--なお、『II』においても条件を満たすとラスボスを上回る弾幕を披露する裏ボスとして再登場する(さすがに声優が変わって棒読みは解消されているが)。
---さらに『II』の家庭用移植版では、なんと自機としても使用可能になっている。また、ソーシャルシューティングゲーム『ゴシックは魔法乙女』でもある条件を満たすと加入する仲間として登場する。
--ちなみにセセリはIKD氏のお気に入りであるらしい。妙に優遇されてるのはこのためか。
-タテハについて
--義父が目の前で殺された数秒後には(アイテムを取得して)「ヤッタネ♪」としゃべったり、セセリの手足をもぎ取るというネタが一部で定着したり(再登場セセリの手足は武器を満載した義手・義足という設定である)、4面クリア時のイラストに表示される通称「謎料理」、そして『II』におけるアゲハエンディングでの一言などから一部ファンの間では腹黒説が絶えない。

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