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Transformers: War for Cybertron」を以下のとおり復元します。
*Transformers: War for Cybertron
【とらんすふぉーまー うぉー ふぉー さいばとろん】
|ジャンル|サードパーソンシューティング|&amazon(B0030HM2WO)|&amazon(B0030HIULQ)|&amazon(B0030HRNY6)|
|対応機種|プレイステーション3&br()Xbox360&br()Windows XP/Vista/7|~|~|~|
|発売元|アクティビジョン|~|~|~|
|開発元|ハイムーンスタジオ|~|~|~|
|発売日|2010年6月22日|~|~|~|
|備考|''日本未発売''|~|~|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|~|
|ポイント|「I have a plan.(''私にいい考えがある!'')」&br()トランスフォーマーには珍しい良ゲー&br()『プライム』の前日談だが切り離して考えても問題ない|~|~|~|
|>|>|>|>|CENTER:''[[トランスフォーマーゲームリンク>トランスフォーマーシリーズ]]''|

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#contents(fromhere)
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**概要
日本でも放送された『超ロボット生命体トランスフォーマープライム』の前日談とされる作品。~
…が、内容的には初代である『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』及び日本ではその続編にあたる『2010』をモチーフにしたものになっている。~
ビジュアルは『プライム』のように、ディセプティコン((日本での旧名はデストロン。))軍団への大きなアレンジは加えられず、デザインは明らかに初代のものを踏襲したものである。

よって本作は「初代トランスフォーマーのサイバトロン((日本におけるセイバートロン星のこと。日本ではオートボットの和名として有名だが、原語版ではトランスフォーマーが暮らしていた惑星の名前である。))戦争を現代風にして物語としてまとめた作品」とする方が違和感なくストーリーを見られる。~
ただし公式としては「プライムの前日談」というスタンスは変わっておらず、後に小説などで補完が行われている。また、共通のキーアイテムとして「ダーク・エネルゴン」も登場する。~

ゲームとしては、同社で展開されていた実写トランスフォーマーのゲーム版のシステムをある程度受け継いだTPSである。~
トランスフォーマーの特徴である「変形」を自在に扱いつつ、武器を変えながら敵対勢力に挑んでいく。~
なお、ストーリーを進めるごとに視点が変わり、前半は主にディセプティコン、後半は主にオートボット((日本名はサイバトロン。))のトランスフォーマーの目線で話が進む。

日本でゲーム展開はされなかったが、玩具に関しては日本においても発売された。そのため日本国内にはこのゲームをプレイしたいという人も多かったが、輸入は実質3作目まで待つこととなる。

**ストーリー
ディセプティコン軍団を率いるメガトロンは、強大な力を持つという「ダーク・エネルゴン」に目を付けた。~
それを管理しているオートボットの衛生施設を攻撃し、スタースクリームらオートボット達をも味方に付け、彼等はゼータ・プライムの抹殺に乗り出す。~
死闘の末に、メガトロンはオートボットを指揮していたゼータ・プライムを殺害、要のオメガスプリームや星そのものすら「ダーク・エネルゴン」によって汚染してしまう。
かくして目的を達成したディセプティコンは、一気に戦争における優位を得る。

ゼータ・プライムを失ったオートボット。バンブルビーは若き指揮官オプティマス((本作ではただの「オプティマス」であり、「オプティマス・プライム」ではない。))に事の次第を告げる。~
評議会の指示を受けようとするオプティマスだったが、死んだはずのゼータ・プライムからの救難信号を受けた。~
ラチェットらは罠だと警戒を促すが、司令官を取り戻すため、オプティマスは策を弄してディセプティコンの内部に潜入するが…。~
果たしてオートボットは、ダーク・エネルゴンに汚染されゆくサイバトロン星を救うことが出来るのか?

**特徴
トランスフォーマー達は大きく分けて4つのタイプに分かれている。~
攻防強化の補助能力を持つ「リーダー」、弾薬補充が可能な「ソルジャー」、透明化の能力を持つ「スカウト」、味方の回復が出来る「サイエンティスト」が存在する。

それぞれミッションごとに選択出来るトランスフォーマーがある程度限られているが、各トランスフォーマーごとに使えるアビリティや格闘攻撃方法などはある程度異なる。~
武器は格闘武装を除いて、本来のトランスフォーマーのように固定武装ではなく、用意されたいくつかの武器を取り替えたりしながら戦っていくことになる。

ミッションにおいては僚機として他のトランスフォーマーが参加することもあるが、僚機が撃破されることは一部を除いて無い。~
トランスフォーマーらしく、各トランスフォーマーは変形能力を駆使して敵と撃ち合いながら、それぞれストーリー中のミッションをこなし、最終目的を達成するのが目標である。

**評価点
-「トランスフォーマー」という作品をよく理解したストーリーやキャラ造型
--いきなり悪側となるディセプティコン視点から物語が進んでいくという思い切りの良さはかなり奇抜だが、「君が選ぶ君のヒーロー」というトランスフォーマーのコンセプトをある意味忠実になぞっていると言える。
--内容もとても凝っており、旧作ファンならニヤリとする設定や展開を随所に散りばめている。
---日本で「隠れオートボット(サイバトロン戦士)」などと揶揄されていたスタースクリームだが、本作ではなんとオートボットとして最初は登場する。同僚であるサンダークラッカーやスカイワープも同様の設定で、ダーク・エネルゴンの力を物にしたメガトロンに驚き、彼の傘下に入る。
---ちなみに、この時一人だけ逃走する同僚がいるが、初代アニメ版でもスタースクリームのかつての友とされたジェットファイアー(スカイファイヤー)であり、これがキッカケでスタースクリームと実質的に縁を切ることになる。
--登場キャラクターは前日談とされたプライムを元にしているというより初代がモチーフで、性格もそれぞれよく踏襲されている。
---先のサンダークラッカーやスカイワープは勿論、オートボットではアイアンハイドやワーパスなどといったキャラが登場する。アイアンハイドはかなり久しぶりにシンプルな造形となっており、ワーパスに至ってはほとんどそのままである。
---実写版の影響で無言キャラが板につき始めていたバンブルビー(バンブル)は、本作ではちゃんと喋る。

-ゲームとしての完成度
--実写版のゲームの経験則からか、ロボットTPSとしてはかなりの完成度を誇る。
---特にトランスフォーマーの特徴である変形を活かしたシステム設計のTPSというコンセプトは、トランスフォーマーゲームとしてだけでなく、ゲームの個性としてしっかり演出されている。
--マルチプレイもかなり熱く、オフラインモードに加えてオンラインでの対戦も可能。
---ちなみにそちらでは、ストーリーでは登場しなかったキャラも使用できる。

-その他旧作ファンへのサービス
--オプティマスの声優はすっかりお馴染みとなったピーター・カレンである。ただし、メガトロンは残念ながら初代のフランク・ウェルカーではない。
--その代わり、本編には残念ながら登場しないが、ショックウェーブ(レーザーウェーブ)の声は初代と同じくコーリー・バートンが担当。ただし続編では何故か交代となった。

**問題点
-難易度の高さ
--イージーにすればかなり緩和されるが、それ以外では敵の攻撃を受けた時の痛手もさることながら、武器の弾切れに常に悩まされる。
---すぐ弾切れ(エネルギー切れ)になるのは、ある意味トランスフォーマーらしいとも言えるかも知れない。
--トランスフォーマーのファン心だけでプレイするにはかなりハードルが高いので、プレイするなら最初の難易度設定はとても重要である。

-変形対象はあくまでエイリアンビークル
--サイバトロン星がモチーフなので仕方ないし、一応初代でスキャンしていたマシーンをモチーフにしているのだが、そちらのデザインはやや独特なので違和感がある人には受け入れられないだろう。
---オプティマスはトラックではないためコンテナなどを引き連れていることもなく、今一こじんまりした印象になっている。
---メガトロンも昨今の作品と同じく、初代でお馴染みのライフル型でなくエイリアンタンクとなっている。自主規制的に彼は仕方ないのだが。

-説明された操作方法と実際の操作方法が違う
--「×はジャンプ、○はグレネード投擲」と説明書はおろか、チュートリアルでもそう解説されるのだが、実際はは「○でジャンプ、×でグレネード投擲」となっている。何故こんなミスが放置されたのだろうか。

**総評
日本のトランスフォーマーが息を呑むほどファンの心を楽しませてくれる作品である。~
初代をイメージしているとはいえ、それをさらにSFとして完成度を高くしてあるため、単品の作品としてもそのストーリー展開は完成度が高い。~
トランスフォーマーのゲームと言えば日本ではろくなイメージがないだろうが、本作と次作に限って言えばそんな負のイメージを吹き飛ばせるほどの出来である。~
かねてから日本への輸入が望まれていたが、アクティビジョンが日本から既に撤退していたこともあり、絶望的な状況である。~
3作目はスクウェア・エニックスから変化球的に輸入されたが評価は芳しいとは言えず、本作と次作品「Fall of Cybertron」の日本版を望む声は多い。

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