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*この青空に約束を―
*この青空に約束を―てのひらのらくえん
【このあおぞらにやくそくを】&br()【このあおぞらにやくそくをてのひらのらくえん】
|ジャンル|ハートフル学園アドベンチャー|&amazon(B000E5ONJU)|&amazon(B001O2STR4)|
|対応機種|Windows 98~XP&br()プレイステーション・ポータブル|~|~|
|発売・開発元|【Win】戯画&br()【PSP】TGL|~|~|
|発売日|【Win】2006年3月31日&br()【PSP】2009年6月25日|~|~|
|レーティング|【Win】ソフ倫:&color(crimson){''18歳未満禁止''}&br()【PSP】CERO:B(12才以上対象)|~|~|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|
|ポイント|夏、泣きゲーの定番&br()主題歌も名曲&br()別名『こんにゃく』|~|~|
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#contents(fromhere)

#center{&size(35){''WARNING!!!!!!!''}&br()&size(20){''本作はPSP版を除いて18歳以上のみ対象のアダルトゲームです。''}}
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**概要
古参ゲーム会社「戯画」の一般層向けのエロゲーとして発売されていた『ショコラ』『パルフェ』と同じ流れを組む形で発売された夏を舞台とした作品。~
主要スタッフもその過去作からのメンバーが勢揃いしている。~
一応前述した2作品とは世界観を合わせているが、舞台が違うのでプレイする必要はない。~
ファンの間では『こんにゃく』という愛称が一般的。(&bold(){KON}oaozora&bold(){N}i&bold(){Y}a&bold(){KU}wo)((実際、アニメ版のドメインに使われていたり、スタッフ間でもこの略称で呼ばれている。))~
基本設計はありがちな王道ものでありながらも、泣きどころや落とし所をきっちりまとめており、エロゲー界隈では非常に評価が高い作品。~
美少女ゲームアワード(現:萌えゲーアワード)2006年では大賞その他4部門を受賞するなど、実績もそれに伴っており、多数のユーザーから評価された夏ゲーの傑作である。

**シナリオ
 本州から少し南にある離島。
 坂の多い島のふもとからずっと続く石段を登りきると、
 下の町や海まで一望できる高台になっており
 その高台の上に主人公・星野航(ほしの・わたる)たちの通う学園がある。
 しかし島の産業の大部分を占めていた大企業の工場が来年撤退することになり、
 学生の数は次第に減少していた。
 島にあるもう一つの高台の上に学園の旧校舎を改装した寮がある。
 寮生の減少にともない現在は主人公とヒロインたちのみが住んでいるその寮は、
 島の住人からは主人公のハーレムだと噂されている。
 そんな寮になぜかこの時期にやってきた転校生も巻き込み、
 時には反発したりしながらもドタバタと楽しい毎日を過ごしていく。

**キャラクター

#region(クリックで展開)
''星野 航(ほしの わたる)''~
主人公。つぐみ寮唯一の男子生徒。運動神経は抜群だが、勉学に関してはレッドカードを何度も受けるほど危ない。~
風紀的な意識も薄く、ゲリラライブなどを決行して停学処分になったり、島でほとんどの女子に声をかけたりするなど、だらしない部分が目につく。~
しかしその分人望は厚く、島民には全幅の信頼を得ている(名物的な存在ともいえるが)。

''沢城 凛奈(さわき りんな)''~
転入生。当初は人との繋がりを拒絶するような態度をしていたが、マラソン対決をしたことで少しだけ寮生と絆を結び始める。~
基本的に冷たい態度を取っているが、本来は誰よりも仲間のことを思う優しい少女である。つまりはツンデレ。~
陸上に凄まじい情熱をかけており、そのクールな性格からか生徒の人気も高い。~
スタイルの割にブラのカップはC、ということで全体的にガタイがいいのではないかと思われる。

''羽山 海己(はやま うみ)''~
航の幼馴染で、いわゆる全体的なスペック(スタイル以外)が貧弱なへっぽこキャラ。航にかなり依存していることから、彼女のパートは夫婦漫才のようにも見える。~
一応寮内では貴重な炊事ができるキャラなので、完全な無能というわけではない。~
あることがきっかけで航の家族と絶縁されてしまったことが、後々シナリオに大きく絡んでくる。

''浅倉 奈緒子(あさくら なおこ)''~
上級生で、姉御肌が強いキャラ。外面は模範生だが、寮内では航を筆頭に奴隷扱い(もちろん本気ではないが)する女王様兼猫被りキャラである。~
だがそれは寮に対する愛情表現の裏返しであり、寮に対する問題についてはいの一番で立ち向かう頼れる存在。~
年長である沙衣里がほとんど型なしである。

''六条 宮穂(ろくじょう みやほ)''~
理事長の孫であり、クォーター。寮に入る必要性は皆無だったのだが、何故か寮生となってしまう。~
本来はお嬢様キャラなのだが、あまりそういった扱いはされないことが本人にとっては満足な模様。~
お嬢様らしく海己に負けず劣らずのドジっぷりが目立ち、航からはよくバカにされる。

''藤村 静(ふじむら しず)''~
全ヒロインで一番小粒なキャラ。ネグレクトされた過去があったためか、感情表現が乏しい。~
沙衣里に保護されたせいか、彼女には懐いている。スペックは割と高く、運動神経も炊事も上手。ただし興味がないとやる気を出さないため、~
炊事当番になることは稀(なので海己のアイデンティティは保っている)。~
航が入浴中でも何故か自然に混浴してくる(一応スク水を着ている)。ルート攻略後の成長した姿は必見。

''桐島 沙衣里(きりしま さえり)''~
航のクラスの担任。れっきとした教師なのだが、いわゆるダメな大人の典型なせいか、年上として敬われることはない(主に奈緒子の存在のせいだが)。~
学生の頃は名門女子大にいたのだが、何故か当校配属となったことから、その頃から低スペが露見していたのかもしれない。~
学園側の人間なので必ずしも味方になりうるわけではないが、つぐみ寮のことは大切に思っている。

#endregion

**評価点
-ゲームのクオリティに則した秀逸なオープニングテーマ
--本作で使われている「Allegretto~そらときみ~」はこの業界では多作で有名なKOTOKO氏の楽曲だが、そのKOTOKO氏の全楽曲の中でもトップレベルで人気が高い。~
もちろん、その人気は本作の魅力が付加しているのも一因であり、この作品でなければこの曲が映えないくらい、『歌と作品がマッチしすぎている』と言われるほどである。
-雰囲気が良い
--舞台は片田舎なのだが、田舎ならではの温かさが非常に心に沁みる。~
寮生は最初手放しで仲がいい、とは言えない他人行儀な節が見られるものの、出会いと触れ合いを重ねていくことで、『同級生』から『寮内の家族』という風に絆を強めていく過程が垣間見れる。~
もちろん寮内に限らず、田舎という特徴を活かした地元住民との友情もしっかり描かれており、学生特権の舞台背景を存分に使った青春が謳歌できる。
-涙腺に容赦無いシナリオ
--共通ルートは笑いアリのドタバタシナリオで、キャラルートまでの繋ぎとしては十分。~
もちろんギャグだけではなく、学生らしい青春ドラマもしっかり抑えてああり、ありがちなように見えてキャラの個性を絡めた斬新かつ面白愉快なショートストーリーがてんこ盛り。~
キャラルートはどれも人気が高く、どれかが圧倒的、というものがないのも評価点((『パルフェ』も全体的にシナリオは評価されているが、特定ルートが圧倒的すぎて他が霞むほどだった。))。伏線の散らし方とその回収もきっちり行われており、消化不良となることはない。~
また、最初から既にわかりきっている結末が、全てのヒロインを攻略後に知ることができる。~
本作の『絆』や『優しさ』に思い入れが強いほど、この最終シナリオで一気に涙腺が崩壊することだろう。

**賛否両論点
-一部のキャラ
--よくやり玉に挙がるのが、幼なじみキャラの海己。一言で表現してしまうと『精神面が弱すぎる』。~
この部分が少々煩わしく感じることもある。また、彼女への風当たりもライターの意図しているところなのか妙に強いものを感じる。~
だからこそ、彼女の見せ場のシーンが見栄えするのかもしれないが、そこまで我慢すべきほど愛着が持てるかは意見が割れると思われる。
-癖がやや強いキャラ
--どのキャラも色々と鼻につくほどの個性が与えられており、共通ルートではその個性が何度も衝突する様を見せつけられる。~
もちろん、その個性をしっかり調理できているからこそ名作たる保障がつくのだが、最初はやはり抵抗を感じるかもしれない。~
(戯画の作品ではありがちだが)主人公もややチャラい性格であるが、ヒロインに比べると弱く感じられるほど。

**総評
夏らしさ、学園らしさ、青春らしさ、という要素をしっかり揃えた作品。~
戯画は多作のメーカーなので当たり外れが非常に極端であるが、本作はその中では最高レベルの『当たり』作品なのは間違いない。~
キャラが尖っている部分も、個性だと割り切れば魅力的に見れる面が優っているだろう。~
まだこの作品を知らない、という方は是非手にとって青春を思い起こして欲しい。

**余談
『ようこそつぐみ寮へ』としてアニメ化しているが、中途半端なシナリオの拾い方が目立ち、ファンの間ではほとんど黒歴史レベルで無かったことにされている。~
作曲はあの伊藤賢治氏であるが、話題にしたくないせいか、氏の話題でもほとんどこの作品の曲は語られないのが悲しいところ。~
サントラも初回特典のみの付随なので、視聴できた人がわずかなのも原因か。

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