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「[[要強化記事>要強化記事一覧]]」に修正依頼が出ています。加筆できる方は修正をお願いします。 ---- 注意:このページでは、オリジナル版のAC『アームドF』(判定なし)と、PCE移植版(劣化ゲー)を併せて紹介する。 ---- *アームドF 【あーむどえふ】 |ジャンル|シューティング| |対応機種|アーケード| |開発・販売元|日本物産| |稼働開始日|1988年| |判定|なし| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 日本物産(通称ニチブツ)の開発した縦STG。~ 同社が開発したシューティングゲーム『テラクレスタ』のフォーメーションシステムを、当時流行していた『R-TYPE』を参考により簡略化したものを内蔵している。 **システム -パワーアップアイテムを収得すると自機両脇に無敵子機が出現する。 --子機からはサブショットが発射される。威力は自機のメインショットと変らないが、軌道等が異なる4種類が用意されている。 --子機には弾消し効果と攻撃力があり、敵にめり込ませて攻撃を行なう事も可能。 -Fと書かれたアイテムを収得する事により、フォーメーションを使用する事ができる。 --フォーメーションは子機を斜め前方に切り離す。フォーメーションボタンをもう一度押す事で斜め後方に切り替える事ができる。その際サブショットの発射方向も逆になる。 --フォーメーション使用中は自機のメインショットが3点バースト式になり、実質3倍の威力に強化される。 --その一方で、フォーメーション展開中は両脇を固める防御がなくなるので守りが手薄になるという欠点もある。フォーメーションは時間経過でしか元に戻す事ができない。 **特徴 -このゲームは「自機の当り判定が見た目よりも小さく敵弾が見た目より大きい」という特徴を持っている。 --だが、本作は地形当り判定が見た目より微妙にでかい。ショットを打ち込むことで確認可能。 -敵弾発射位置が敵の体から少し離れている。 --シューティングに限らず、普通ゲームに出てくる戦車が弾を撃ってくる場合は、砲身の先端から弾が発射されるのだが、本作では砲身の少し先から敵弾が出現する。 ---そのため、子機を戦車にめり込ませていると敵弾をかき消さずに直撃を受ける場合がある。 **長所 -過去のニチブツシューティングではあまり大きな変化が見られなかったが、本作の世界観は昆虫の多数いる宙域/機械まみれの領域/生物の体内と、STG全体から見ても世界観の幅が広く、見た目に飽きが来難い。 --敵の攻撃や特徴もそれにあわせてあり、機械まみれの領域では弱点を隠すように移動する戦車や、障害物の陰に隠れた砲台が。生物の体内では鋭い牙と細い体を使って壁から姿を現す寄生虫や、侵入者に反応して拡散する抗体風の爆弾等が出現。世界観と敵のシステムをあわせてデザインしているのは珍しい。 -吉田健志によるニチブツサウンドは健在。オーケストラ・ヒットの1面や、ニチブツらしいキンキンの電子音による軽快なネームエントリー等人気のある曲も多い。 -ゲームバランスは優秀。覚えゲーの多いニチブツゲームの中ではアドリブの効くステージ構成になっているが、何よりフォーメーションを使用して敵に子機をめり込ませたり、障害物を利用して一方的に攻撃したりと、爽快感溢れる仕様になっている。 --アイテムも割りと多く出現し、復帰がそれほど難しくないのも美点。 **短所 -グラフィックは時代を考慮すると優秀ではあるが、頭一つぬけているというわけでは無い。 --同時代には『[[グラディウスII -GOFERの野望-]]』という化け物STGがいたため、商業的にも敗北している。それに伴い出回りも悪い。 -アドリブの効くゲーム展開なのに、一部ボスはガチガチのパターンゲーで、方向性がまとまっていない。 -敵弾の当たり判定が大きいので、精密な弾避けを好むシューターとは相性が悪く、人によっては高難易度に感じる。 --当り判定の大きい敵弾を当り判定の大きい子機でかき消して進むゲームであり、後に流行する「当り判定の小さい自機で当り判定の小さい敵弾を回避する」とは正反対の方向を向いている。 --『[[ムーンクレスタ]]』からニチブツSTGに見られる、独特の軌道でプレイヤーを幻惑する敵も少ない。 -攻撃アイテムは4種類あるものの、クラッシャーとボール以外選択する必要性が無い。 --直進するレーザー、誘導性のあるミサイル、真横に飛んでいくボール、斜め前方のクラッシャーがあるが、レーザーは威力が高いわけでも地形を貫通するわけでもなく、ミサイルは一度後ろから発射される上連射性能が悪く、使いどころが限られる。その一方で最大パワーアップするとクラッシャーの攻撃範囲もカバーできるボール、連射性能が高く判定の広いクラッシャーは非常に使い勝手が良い。 -BGMも評価は高いものの、作曲者本人から「一般受けしない」と評される程、一般受けしない物が多い。 --ステージ世界観とマッチしてドロドロと怪しい雰囲気の2面や4面の曲は雰囲気は良い物の、かっこよさとは無縁で「多くの人をひきつける」とは言い難い。 **総評 ゲームバランスは大味で、覚えゲーの多いニチブツSTGの中でも大胆かつアドリブの効くステージ構成になっている。BGMも典型的なニチブツサウンドだが、PCM音源を採用しているので普段とはちょっと違った「ニチブツSTG」を楽しむ事ができる、同社ファン垂涎の一作である。~ だが、あくまでも「それだけ」と言うのが非常にニチブツらしい。出来も良いしメリハリもあるが、一般的なSTGとは少し違った特徴が独特の難しさとを成り立たせており、シューターならばなおの事難易度と癖が鼻につく。シューターからは嫌煙され、非シューターがやるにはマイナーすぎる。出来は良いのに名作では無いと言う不可思議な矛盾点を抱えているのがこのアームドFである。~ なお、ドマイナーな本作は何故かPC-Eに移植されている。詳しくは下記を参照。 ---- *アームドF (PCE) 【あーむどえふ】 |ジャンル|シューティング|&amazon(B0000ZPSP2)| |対応機種|PCエンジン|~| |発売元|パック・イン・ビデオ|~| |開発元|漫充堂|~| |発売日|1990年3月23日|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''劣化ゲー''|~| **概要 日本物産のアーケードゲーム、『[[アームドF]]』の移植版。~ テラクレスタにあったフォーメーションによる広範囲攻撃をアレンジしたSTG。生物的なグラフィックを取り入れており、縦STGだが障害物が多い。知名度が低くマイナーな部類に入る。~ 自機両脇に攻撃判定と弾消し効果を持つ子機が搭載される。フォーメーションボタンで子機を斜め前方に切り離し、離れた敵に子機をめり込ませたり、壁ごしに射撃したりする。~ 本作はそんな知名度の低いSTGをなぜか移植した物。 **問題点 -元々『アームドF』は縦画面筐体の縦STGだったが、一般家庭用テレビで遊べるよう画面を縦に潰している。 --これにより、自機の当り判定及び敵機の当り判定が見た目よりも巨大化。元々アーケード版も敵弾の当り判定が見た目よりも少し大きく設定されていたのに、それがあまりにも極端になっている。 --元となる『アームドF』が「敵弾の発射位置が敵の体から少し離れた場所」なので、子機をめり込ませて敵を攻撃していると自機と子機の隙間から敵弾が発射される事があった。そのため狭い場所では、子機の端だけを敵にめり込ませて攻撃させる必要がある等、位置取り/立ち回りが重要なゲームであった。 ---が、当り判定の巨大化により、子機をめり込ませる場所が甘いと子機の端で敵弾が発射。弾は子機にかき消される物の、弾の当り判定は一瞬画面上に現れるので自機は接触したと判定される事に。 ---アーケード版では敵弾発射地点が少しでも子機に触れていれば自機に接触する事無くかき消されたのだが、子機と自機の間隔が狭まり、敵弾の当り判定も巨大化しているためこう言った事が起きる。 -ハード性能の問題もあり、グラフィックが大幅劣化。その側面に関しては致し方ないのだが、色使いが不味い。 --第4ステージは宇宙空間に広がる巨大な肉塊で、グロテスクな触手や寄生虫が多数出現するのだが、背景がピンクで敵弾もピンク。更に障害物もピンクで、寄生虫のような敵は障害物から出るとピンク色に変色する。 ---アーケード版では敵は変色しないし、背景も赤い。 -サウンドも劣化。キンキンとしたニチブツサウンドはのっぺりとした物になっており、「電子音」ではあるのだが「ニチブツサウンド」とは呼べない別の何かになっている。 --アーケード版では自機がミスをすると爆発後、何かが落下するような音が鳴っていたが、移植版では間の抜けた奇妙なジングルが鳴る。これが特に評判が悪い。 **総評 -ハード性能による音源とグラフィックの劣化は致し方ないとしても、ゲーム部分を何の調節もせずにただ単純に縦に潰しただけと言う時点で、この劣化移植は実現したわけである。 --皮肉な事に、この部分を抜きに考えると移植度は結構高い。 //つまり、グラフィック・サウンド以外を忠実に移植して完成させた後、画面を縦に潰してたいした調節もせずに出荷したわけである。 //---流石に不味いと思ったのか、敵が上から下りてくる速度は調整されている。が、調整が適当すぎて今度はやたら遅い。 //作業工程なんかわかるわけもないし、憶測で断定して叩くのはさすがにどうかと。 -そもそも『アームドF』自体の知名度が低く、移植作である本作もワゴンの主だったので、本作の劣化移植内容を知る人は少ないと思われる。 --一応STGとして遊べないわけではない。知名度が高ければ「アームドFの名を冠するに値しない」と言われても反論しようのないほどだが。