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コープスパーティー -THE ANTHOLOGY- サチコの恋愛遊戯 HystericBirthday 2U - (2014/05/21 (水) 05:01:40) の編集履歴(バックアップ)


コープスパーティー -THE ANTHOLOGY- サチコの恋愛遊戯 HystericBirthday 2U

【こーぷすぱーてぃー じ・あんそろじー さちこのれんあいゆうぎ ひすてりっくばーすでい とぅーゆー】

ジャンル 廃校監禁ホラーアドベンチャー
対応機種 プレイステーション・ポータブル
発売元 5pb.(MAGES.)
発売日 2012年8月2日
定価 通常版:5,040円
数量限定版:7,140円(税込)
レーティング 通常版:CERO:D(17才以上対象)
数量限定版:CERO:Z(18才以上のみ対象)*1
ポイント 公式番外編
コープスパーティーシリーズリンク


概要

迷い込んだ者を無残な死へと追いやる、霊的な力によって作り出された異次元の廃校舎・天神小学校を舞台としたADVシリーズの3作目。
天神小学校の呪いが弱まる一年で一度の日、サチコ*2の誕生日を舞台に繰り広げられる物語をアンソロジー形式で綴ったADV。
ゲームシステムなどは前作『コープスパーティー Book of Shadows』に近いが、猟奇色は薄くなっている。
冒頭でサチコ自身が「番外編みたいなもの」と言うとおり、あちこちおかしい部分もある。
ゲストとしてスピンオフ小説に登場した「丹羽亜衣子」と「犬丸晴行」、過去に制作中止となった『コープスパーティー2 さつきの心臓』から「水原さつき」が登場している。
また、本作オリジナルキャラクターとして「古林蘭」と「高井梓紗」の二人が登場。
シナリオライターには原作者である祁答院慎をはじめ、小説版に関わった新井輝・恵莉ひなこ・村田治、ドラマCDに関わった御立弾、他第一線で活躍しているマフィア梶田・城崎火也・雑破業・日暮茶坊と言った豪華ライター陣が参加している。
数量限定版にはOVA『コープスパーティー Missing Footage』が同梱された。

システム

  • 基本的には前作同様のテキストアドベンチャー形式。
    • 探索モードなどはなく、純粋にテキストを読み進めていくだけになっている。
    • 選択肢があるのも前作同様。選んだルートによって展開が異なったり、Wrong End(バッドエンド)になってしまう点も同じ。

ストーリー

#0;Hysteric Birthday! 前々作である『コープスBR』のLoop Endから繋がる話。
いつものループとは違う雰囲気の中、集められた生存者たち。そこへサチコが現れて…。
#1;戦場に架ける恥 「一位になったら、誰か好きな人と一緒に開放してあげる」という恩赦つきで突如開かれた運動会。
果たして脱出できるのは誰なのか?
#2;テンジン座の怪人 演劇に興味を持ったサチコ。
芝居に関しては妥協しない森繁に指導され、舞台に上がることになったのだが…。
#3;私情最大!地下防空壕縦断ウルトラクイズ 鬼碑忌を人質にされ、防空壕にちりばめられたクイズに挑む羽目になった七星たち。
しかし意地の悪い問題や無茶な仕掛けに苦しめられ…。
#4;天神小の中心で、愛を叫ぶ? 名ばかり主人公といわれ続けた哲志が、なぜかミスコンでハーレム状態に?
だが底意地の悪いサチコの行動が、それで済むはずもなく…。
#5;王様とわたしたち 「大人の遊びがしたい」と言い出したサチコ。
ならば、と田久地の仕切りで突如合コンが始まってしまう。
#6;料理の凡人 サチコたちの審査で繰り広げられる料理対決。
しかしマトモな勝負になどなるはずもなく阿鼻叫喚のカオス展開に。
#7;懺悔リア充爆発しろ 「女優になってセレブになりたい」とまた無茶を言い出したサチコ。
ゾンビ映画の大家・フルティン監督を地獄から呼び出して映画を作り始めるが…。
#8;今日の日よ、さようなら 日付が変わるまであと少し、また離れ離れになることを嘆く面々。
そしてサチコの心にも小さな変化が訪れる。
#EX;死線流し シナリオ全編を通して仲良し百合ップルだった梓紗と蘭の、本当の関係が描かれるEXシナリオ。

評価点

  • 豊富なイベントCG。
    • 今回は番外編ということもあり、今までのような猟奇的な物は少なめでサービスシーンが多め。
      • 触手プレイや水着・メイドといったマニアックな要素も豊富なので、ファンなら思わず萌えてしまうはず。
    • 前作同様、メモリースティックに出力できるので壁紙としても使用可能。
  • ホラーゲームの枠をはみ出した強烈なネタ要素。
    • 複数のゲストシナリオライターが参加するアンソロジー形式ということもあってか、本作には下ネタやパロディ、メタ発言といったお遊びが数多く仕込まれている。
      • 本作で追加された立ち絵差分は、はっちゃけたコスプレの数々などどう見ても本作にしか使えないものが満載。
      • 『BR』のWrong Endのセルフパロがあったり、『コープスパーティー(初代)*3』をプレイした人でなければ分からないようなマニアックなネタも。
      • 普段(?)は極限状況に置かれてもがく姿以外はなかなか見れない登場人物達の、意外な一面が見れたりするのでファンは必見。
      • 各シナリオのタイトルも、古今東西の小説や映画・ドラマ等のパロディとなっている*4
  • 良質なサウンド。
    • 今回もBGMは雰囲気にマッチした良曲揃い。勿論、音声もフルボイスなので今回もヘッドホン推奨。
    • 主題歌である「Limited Love」は前作・前々作同様今井麻美が歌唱を担当している。
      シリアスなAメロ・Bメロから一転、サビで一気に明るい曲調へと切り変わる点は本作の雰囲気をよく表しており、評価は高い。
    • 『BR』のメインテーマをアレンジしたBGMも収録されており、こちらも不気味なイントロはそのままに、途中からいかにも恋愛ゲームのような明るい曲調へと急変するようになっている。
  • 前作同様、クリア後の特典要素は充実している。
    • CVキャストのコメントが試着できる「言霊集」は、収録数が前作の19人分から29人分に増え、かなりボリュームアップしている。
    • 過去作のあらすじや一部のファイル、キャラクター相関図、脇役も含めた全キャラクターのプロフィールなどを見ることができるようになっている。

賛否両論点

  • これまでのシリーズ作との雰囲気の違い。
    • 前作までのような陰惨なイメージは薄く、ドタバタコメディの色が強い。一応猟奇的な展開などもあるのだが、かなりマイルドになっている。
      • とは言え、最後の最後で今までの雰囲気を全て台無しにするようなシーンが入る。
        ハートフルに見せかけてハートフルボッコな展開、いかにラブコメ風味の番外編であろうとあくまでホラーな辺りはやはり『コープス』らしい。
      • ちなみに、数量限定盤の同梱DVDに収録されたOVAは、これが原因でCERO:Zとなっていることからも分かるように凄まじいグロ描写のオンパレードである。
        本作プレイ後に鑑賞してみると「…そうだよね、こういう作品なんだよね『コープス』シリーズって」と(色々な意味で)納得できること請け合い。
    • 本来は残虐非道な悪霊であるはずのサチコがツンデレ寄りの性格になっている。ワガママは相変わらずだが。
      一応、作中では「悪霊としての力が一時的に弱まっているため、生前の無邪気な性格が表に出ている」と説明されている。
    • クラスメイトの梓紗を「」と呼んで憚らない新キャラクターの蘭など、いわゆる「百合」要素が本編に比べてかなり強調されているため、苦手な人もいるかもしれない。
    • あくまでも「番外編」であり、前作のエンディングを補完するような部分は一切ない。
      • かといって次回作への伏線らしきものも全くないかと言われるとそうでもないのだが、プレイしていなくても本筋の理解には問題ないと思われる。
  • 一部のキャラ崩壊。
    • それぞれ別のライターがシナリオを担当しているということもあってか、章によってはシリーズ本編とは全く別人になったようなキャラクターもいる。
      • 特に刻命のネタ度は凄まじく、各章ごとに微妙にベクトルが違う変態ぶりを見せ付け、多くのユーザーを大爆笑させた。
      • 七星やさやかは、犬丸の登場もあってか口調や性格がシリーズ本編よりも小説版に近くなっている。本作でさやかが頻繁に口にする「めろはぁん」は元々小説版での彼女の口癖だった。

問題点

  • 1シーンの丸ごとスキップがなくなり、インターフェイスがやや退化してしまった。
    • また、本作は音声や画像の読み込みに少し時間が掛かるため、周回プレイが少々煩わしい。
  • エンディングリストを埋めるのが相変わらず面倒。
    • やはり前作と同じで、どのエンディングを出していないのか分かりにくい。
    • 探索パートがないので、選択肢を虱潰しにすれば比較的埋めやすい。ただし、途中でその手が通じないシナリオもあるが。
  • 前作にはあった、過去作との連動要素がない。
    • 番外編扱いなので、ということなのだろうか。

総評

  • 『コープスパーティー』シリーズの番外編ということで、本編の正当な続編ではない。早い話ファンディスクである。
    そういうものだと割り切ってみれば結構楽しめるので、シリーズのファンならば手にとっては如何だろうか。
    なお、本来は『サチコの恋愛遊戯』の後にハートマークが入る。