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マリオパーティDS - (2020/07/04 (土) 22:21:38) の編集履歴(バックアップ)


マリオパーティDS

【まりおぱーてぃでぃーえす】

ジャンル パーティゲーム
対応機種 ニンテンドーDS
発売元 任天堂
開発元 ハドソン
シーエイプロダクション
発売日 2007年11月8日
定価 4,571円(税別)
プレイ人数 【DS】1~4人
【WiiU】1人
セーブデータ 2個
レーティング CERO:A(全年齢対象)
配信 バーチャルコンソール
【WiiU】2016年4月27日/950円(税8%込)
判定 なし
ポイント ハドソン最後のマリオパーティ
DSならではのミニゲームや通信対戦
アンバランスなストーリーモード
マリオシリーズ・関連作品リンク


概要

  • マリオパーティアドバンス』以来となる携帯機向けのマリオパーティ。ハドソンが開発した最後のシリーズ作品でもある。
    • ナンバリングには含まれていないが、『アドバンス』とは違い基本的な内容は本家シリーズと同じ。

特徴・システム

ボードゲーム

  • ボードゲームのルールは過去作とほぼ同様。
    • 順番に「サイコロブロック」をたたいて出た目だけ進み、止まったマスによってイベントが発生し、全員が移動を終えるとミニゲームが始まる。
      これを繰り返し、ゲーム終了時にスターを最も多く持っているプレイヤーの勝ち。
      • 携帯機である事以外は、これまでの『マリオパーティ』シリーズと同内容である。
  • アイテムに「しかけマス」が追加された。
    • 「しかけマスエリア」と呼ばれる地点を通過するときにランダムで1枚貰える。
    • 「しかけマス」は自分の前後5マスのいずれかに仕掛けることができ、そのマスにぴったり止まったライバルからコインやスターを奪ったり、プレイヤーの位置やコイン枚数を入れ替えたりできる。
      • 過去作に存在した「カプセル」を少しアレンジしたものといえる。
  • 本作では「アイテムショップ」で一度に何個でもアイテムが買えるようになり、それに伴ってアイテムの値段がかなり安くなっている。
    • 他にも過去作からゲームバランスを大きく変えている要素も多い。
  • 携帯機で(対人戦で通信しながら)プレイするという点を配慮している為か、ボードマップは従来のシリーズにくらべるとマスの総数が少なく、狭め。
    • また、本作のボードゲームでプレイできるターン数は10~30ターンまでとなっており、より短時間で遊べるようになっている。

ミニゲーム

  • DSの特徴である、2画面の連動や、タッチペンやマイク機能を利用したミニゲームが多数収録されている。
  • 過去作のパズルミニゲームを収録した「パズルコレクション」モードを搭載。1人でプレイしたり、2人で対戦が可能。

評価点

通信

  • 通信対戦では、人数分のDS本体とゲームカードが1枚あれば、ボードゲームや対戦用のモードを1枚のソフトで何の制限もなく遊ぶことができる。
    • 「エクストラモード」「パズルモード」は2人専用のモード。「パーティモード」「ミニゲームモード」は、4人まで参加可能。
    • 本作ではダウンロードプレイにのみ対応している。他のDS作品では、マルチプレイとダウンロードプレイの間で、プレイできるゲーム内容に制限が設けられている事が多い。ダウンロードプレイへの特化はマリオシリーズならでは。

世界観

  • 「ストーリーモード」では、マリオ達がクッパの謀略により手のひらサイズにまで体を小さくされてしまう。
    • それに伴い、マップのオブジェクトはとにかく巨大(に見える)。ミニゲームは身近な生活用品などを利用、といった具合にゲームの世界観が良く表れている。
      • このような設定を活かした演出は過去作(『マリオパーティ3』など)でも存在した。そちらも概ね高評価。

ボードゲーム

  • ボードゲームでは、アイテムの値段が安く何個でも同時に買う事が出来る為、積極的にアイテムを利用する機会が増えた。
    • 無料で貰える「しかけマス」をマスにしかけて、相手がそのマスにぴったり止まるとコインやスターをうばって逆転を狙える。
      • なお、しかけマスを大量に入手できる機会はなく、一度効果を発揮したしかけマスは消滅するため、盤面を埋め尽くすことはない。
    • サイコロブロックを同時に3つ叩ける「サイコロサイコロサイコロ」や、スターの場所にいきなり移動する「スタードカン」といった強力なアイテムもあるが、過去作とくらべて価格は安く、入手する機会も多いので、全員が平等に使用しやすい。
      • ちなみに、誰かに直接妨害を仕掛けるアイテムは、しかけマスをのぞくと「よこどりぶくろ」のみ。つかうと指定した相手の手持ちのアイテムを1つ横取りできる(どのアイテムかはランダム)。
  • 過去作から指摘があった「ミニゲームが強い=ボードゲームで上位」の方程式だが、本作ではミニゲームが比較的内容が易しくなり、「対決」よりも「ノルマ達成」でコインを貰えるようなミニゲームが増えている。「全員勝利」しても「引き分け」にならないミニゲームも多い。
    • また、今作ではマップ上の仕掛けでもコインを大量に得られるイベントが多い。従って、サイコロ運やミニゲームの技術が相対的に無くても、一定の実力さえあればコインは一方的に溜まる=アイテムを駆使してのし上がれることも。
    • しかけマスとの兼ね合いもあって、最後まで誰が勝つか分からないパーティゲームとしてのバランスは非常によく取れている。
  • マップ上のマスは「ハプニングマス」が占める割合が大きく、ほぼ毎ターン何かしらのイベントが起こりやすい。
  • ターン終了時にプレイするミニゲームは過去作と同様にルーレットで決定されるが、今作ではまだ一度もプレイしたことのないミニゲームがルーレットで必ず優先して選ばれるようになっている。
    • ボードゲームで一度プレイしたことのあるミニゲームは、「ミニゲームモード」で自由にプレイできるようになるため、過去作ではミニゲームの解禁のために何度もボードゲームをあそぶ必要があった。今作でもそれは同様だが、上記の仕様により、ミニゲームの解禁がしやすくなっている。

ミニゲーム

  • 迷路のようなマップを一人称視点で動き回りライバルを探すといった、相手の画面が見れない携帯機ならではのミニゲームが多数用意されている。
  • ミニゲームパックは「ぜんぶ」「かんたん」「マイクなし」に分かれている。名前の通りの分類。
  • 「パズルモード」では、過去作のパズルミニゲームをリメイクして収録。さらに、条件を満たすと新作のパズルミニゲームもプレイ可能となる。
    • ただし1人用はいずれもスコアアタック形式のルールであり、COMとの対戦は不可。対戦では2人までプレイ可能。

やり込み要素

  • プレイ中に特定の条件を満たすことで「マップコレクション」とよばれるおまけの鑑賞要素や、ゲームモードなどが解放される。
  • マップコレクションでは、マップ上の目に付く巨大な物体から、小さくて気付きにくいオブジェクトにまで、一つ一つ丁寧な解説がある。

賛否両論点

ボードゲームに関して
今作では、パーティゲームらしさは残っているものの、過去作に比べると戦略的な要素が強く、ゲーム性が過去のマリオパーティとはややかけ離れている。

具体的には以下のような点が挙げられる。

  • 携帯ゲーム機故かボードマップが総じて小さめ(マップによるが、マス数も少なめ)になっている為、すぐにマップを1周できてしまう。
    • そのため、スターを比較的入手しやすく、スターの数のインフレは過去最高。
      • マップによっては、アイテム「サイコロサイコロサイコロ」を使って1ターンで2~3回スターをゲットという珍事が起こることも多い。
  • 一部のマップのバランスが極端である。
    • 「ドンキーコングのせきぞう」では、マップの頂上にスターの位置が固定されており、さらにコインがある限り一度に何個でもコインとスターを交換できるルールとなっている。
      • 今作では、ラスト5ターンに発生する追加ルールのイベントで、以降のスターとの交換に必要なコイン数が安くなる場合がある。そこで、コインを使用せずひたすらためておき、最終ターンにアイテム「スタードカン」を使ってスターの位置へ移動し、ためたコインと交換でスターを一気に大量ゲット……という荒業が使える。
      • 要するに、「コイン枚数≒順位」となりやすいマップなので、ミニゲームが苦手な人には厳しい。ただし、COMがこの戦法を意識して使ってくることはない。
    • 「クッパのピンボール」では、他のマップとくらべて過激なイベントが多い*1
      • ある位置にある「ハプニングマス」に止まると、「クッパゾーン」とよばれるエリアに強制移動させられることがある。クッパゾーンには多数のハプニングマスが設置されており、止まるとクッパに攻撃され、自分が持っているコインとスターをすべて失ってしまう。
      • マップ上に手持ちのコインをかけて挑戦できるルーレットイベントが設置されている。ルーレットの出目によって賭けたコインが倍増するのだが、ルーレットは多少「目押し」が効く為、多少慣れていればコインがいきなり大量入手できてしまう(×5の倍率に99枚かけることで最大で495枚増える)。また、マップ中央のスロット(目押し可)でも、一度に最大60コイン入手できることもある。他のマップですらコインが余りがちな本作ではそこまで問題にはならないが、かなり極端。
    • 上記のようなコインやスターを稼ぐ戦法は全員が等しく使えるので、一概に「バランスが悪い」とは言えない。どちらかというと、バランスを崩して再構築した感じである。
      • ちなみに、稼いだコインは「マリパポイント」に反映されるので、上記のコイン稼ぎはポイント稼ぎには最適である。

問題点

ミニゲームに関して

  • 本作のデュエルミニゲーム(1対1で対戦するミニゲーム)は、すべて4人用・2VS2ミニゲームを流用し、1対1で対戦するルールに変更されたものとなっており、このジャンル専用のゲームは無い。

COMの思考に関して
今作の対戦相手となるCOMは、以下のような、ボードゲームのプレイヤーとしては成立していない行動をすることがある。

  • スターとの交換に必要な枚数に足りないのにアイテムを買う、スターの手前で「スタードカン」を使う、残り3ターン以下なのにアイテムを3つ買う…等々。
  • 他人のアイテムをうばう「よこどりぶくろ」を、人間のプレイヤーに対して使用する事がほとんどない*2。もっとも、逆にプレイヤーばかりを狙う思考ならそれはそれで問題だが。
  • その場で拾ったしかけマスはなぜか必ず手元に残そうとするため、20コインうばいマスを捨てて10コインうばいマスを手元に残したり、2スターうばいマスを捨てて1スターうばいマスを手元に残したりといった完全下位互換のものに差し替えることも珍しくない。
  • そのため、ミニゲームで勝利を重ね、アイテムの使い方に慣れていれば、運がよほど悪く無い限り、COM相手に負けることはない。
    • なお、上記の行動パターンはCOMの強さを「さいきょう」にしても改善される事はない。
  • COMのミニゲームの上手さにバラつきがあまりなく、一部の競争型ミニゲームでは同じ強さのCOMが横一列に並んでいることもある。なかなかシュールである。

収集要素に関して

  • ゲーム終了後にプレイ内容に応じて「マリパポイント」が加算される。たまったポイント数によってコレクションが解放されていく。
    • フィギュアとスタンプのコンプリートには50000ポイント必要。1回のプレイでは良くても300~400程度しか入手できないので、ポイント稼ぎには少々骨が折れる。ただのおまけ要素なので、無理に解放する必要はないが。
  • ミニゲームを自由に遊ぶ「フリープレイ」モードでは、COMにミニゲームで勝つたびにポイントの加算画面が登場するのでうっとうしい。
  • ストーリーモードをクリアすると、使用したキャラのフィギュアとスタンプが貰える。
    • 逆に言うと、全部のフィギュアとスタンプを集めるには、8人のキャラ全員*3でストーリーモードをクリアしなければならない。
      マップは10ターン固定でコンティニューによるペナルティ等も無い為、1周クリアにそこまで時間がかかる訳ではないが、コンプリートしようとすると、なかなか骨の折れる作業となる。

ストーリーモードに関して

  • ストーリーモードは、どんなにミニゲームに勝ってコインを増やしても、スターが自分の近くに現れてくれないと意味が無い、ましてやサイコロの目が悪いとコインも価値が無い。
  • CPUは例え「よわい」でもミニゲームは「よわい」CPUがサイコロで有利な目を簡単に出してくるので、ミニゲームの恩恵もあまり無い。(ただ「ドンキーコングのせきぞう」の場合はコインがあるだけスターに交換できるので、その点は若干緩和される)
  • このゲームのボードマップには分かれ道がよくあり、それぞれルート自体の価値も違う。実はそれが問題なのだが、例えばその場その場で必要に見えるルートでも、結局はそこを通らない方が勝てる(いつ場所が変わるかわからないスターに近づこうと同じ道を行くより、常に場所が変わらないショップで強力アイテムを買った方が何倍も強い)など、全体的なゲームバランスとしての疑問が多い。
  • また、プレイヤーがあまりリードされていなくてもCPU同士のつぶし合い(決闘など)で相対的にCPUが上位に来ることも序盤から結構あり、自分のスキルとは関係ないところで負けを感じさせる。
  • ストーリーモードでCPUが優勝した場合、ボス戦には当然(?)負けてしまう。そのため進めるには同じマップをもう一度プレイして自分が優勝し、その上でボス戦に勝利しなくてはならない。 これらの点はマリオカートやマリオブラザーズのように気軽にやり直せるものではないので、その都度ストレスが溜まる仕様となっている。 通信対戦でも、こうした要素が顕著に現れ単純なパーティゲームとしてというより、「友情崩壊ゲー」と言わんばかりのネタゲーとしてお呼びがかかることが多いだろう。

総評

携帯機でありながら、過去シリーズの良作と肩を並べる完成度となっていて、特にネタ要素が大きくなっている。
また、本作以降の作品ではライトユーザーを意識してかルールのシンプル化や運要素重視の傾向が強まっており、良くも悪くも戦略性重視の本作はハドソン時代のマリオパーティを象徴しているとも言え、同社開発作品の最後を飾るにはふさわしいかもしれない。
しかしストーリーモード自体はあまり褒められたバランスではなく、「マリオパーティにストーリー"要素"は要るがストーリー"モード"は要らない」との評価が定着してしまった。

携帯機ゆえに据え置き機と比べると対人戦が少々しにくい点も悔やまれる。
しかし、ちょっとした暇つぶしのお供となってくれることには違いない。


余談

  • 後の『マリオパーティ9』以降はエヌディーキューブが開発を担当しているが、こちらにも元ハドソンのマリオパーティスタッフが参加しているようだ。