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【ゆびーと そーさー】
ジャンル | 音楽ゲーム | |
対応機種 | アーケード | |
発売元 | コナミデジタルエンタテインメント | |
稼動開始日 | 2012年9月25日 | |
判定 | 賛否両論 | |
ポイント |
他BEMANIシリーズからの移植曲多数 過去最大数の楽曲追加 それと引き換えに頻繁に訪れる楽曲削除の恐怖 楽曲入れ替え以外は概ね好評 |
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jubeatシリーズ |
音楽シミュレーションゲーム『BEMANIシリーズ』の人気作jubeatの5作目。
前作まで頑なに他機種からの楽曲の移植を拒んできたjubeatであったが、本作・saucerではロケテスト時に
「saucerでは移植曲を入れる」「リクエストにも答えていく」
という発表をし、ユーザーを歓喜させた。
それと同時に
「楽曲をどんどん入れ替えようと思ってます」
という発言もあり、一部のプレイヤーを不安がらせたりもしたが、定期的な楽曲追加が予告されており危惧するプレイヤーは少なかった。…が、この「入れ替え」システムが大波乱を巻き起こすこととなった。
「やはり楽曲は少しでも多く収録したいんですよね。楽曲配信に関しては、やっと実現できたというところです。これで楽曲を増やして、さまざまなニーズに応えれるようになりそうだなということが見えました。しかし、その反面、一曲一曲の良さが目立ちにくくなってしまったり、選曲する時の足かせになってしまったりするという問題も出てくるんですよね。消えるという選択肢はかなり悩んだのですが、ゴールを目指すゲームではなく常に変化し続けて、飽きないゲームを作りたいという思いもあり導入を決断しました。より楽曲の一曲一曲をみんなで楽しめるように、常に「今」一番熱いラインナップが収録されている状態にして、いつ遊んでも面白い『jubeat』にしていきます!」(saucer稼働前のアルカディア2012年10月号掲載のディレクター・まっする氏のインタビューより抜粋)
「毎作新規楽曲を追加してきたこともあり、今に至るまでに楽曲がどんどん増え続けてきました。もちろんそれはとても良いことではあるのですが、楽曲が多過ぎてユーザーの皆さまが、どれをプレイしたらいいか分からなくなるといった一面もあるのかなと思います。また、今後もすごいペースで楽曲を追加していく予定ですが、今度は収録曲のボリュームが今までを遥かに凌ぐものとなり、飽和状態となり得ます。こういった事態を避けたかったというのが楽曲入れ替えシステムを導入した経緯ですね。」(アルカディア2012年12月号掲載のサウンドディレクター・ショッチョー氏のインタビューより抜粋)
+ | 調整不足な削除の数々 |
jubeatシリーズにおいて以前から渇望されていた「定期的な楽曲追加」を「楽曲入れ替え」というシステムによって実現させた作品。
稼働半年足らずで前作「jubeat copious」の新曲数を超すなど、新曲の総数・追加速度は過去のBEMANIシリーズと比較してもトップクラスであり、本作最大の評価点である。
また、新曲には移植曲も多く提供され、他機種のプレイヤーにも積極的に楽しんでもらおうという姿勢が見える。以前から移植曲の収録を望んでいたプレイヤーも多く、好評を博している。
しかし、その代償として旧曲が削除されるという看過しがたい事態により、既存プレイヤーの怒りを買う結果となった。
そもそも、音楽ゲームにおける「楽曲」というものは、ゲーム性やイベント運営と同様に、システムの根幹に関わる非常に重要な要素である。
事実、楽曲の大量削除が行われた「GUITARFREAKS 7thMIX & drummania 6thMIX」や「DDRMAX -Dance Dance Revolution 6thMIX-」の評価は(楽曲削除だけが原因とは言えないが)決して高い物とは言えず、繰り返しの楽曲削除を伴った本作も同様に厳しい評価を受けるのは必然であろう。
大量削除を伴った前述の2作品については、逆に言ってしまえば「どんなに削除されても、稼働時に生き残った曲はその作品内では削除されない」という事であり、残った楽曲やその作品で新たに登場する楽曲を楽しむことも出来た。しかし、この「楽曲入れ替えシステム」では毎月の入れ替えにより、「稼働時に生き残った楽曲」に加え「その作品で新たに登場した楽曲」さえもその作品内で事実上削除されるようになってしまっており(*17)、ある意味前述2作品の稼働時の悲劇が毎月繰り返されているとも言える。
毎回の削除の明確な基準も不明で、アンケートによる復活曲の要望がどの程度反映されているかも全く見えない現状、プレイヤーは自分の好きな楽曲がいつ削除されてしまうのか、いつ復活するのかが全く分からず、不安が生まれる状態となってしまった。
一方で、デフォルトのマーカーが見づらいことを除けば初心者に対する配慮が多く、ライト層や今作からjubeatを始めるプレイヤーにとっては嬉しい環境であると言える。
「楽曲入れ替え」も初心者救済の面が多く、従来のプレイヤーからの批判を承知で行ったものであると推察できる。
「入れ替え」で消えてしまうことや、新曲の追加スピードの速さのためか、楽曲の解禁については相当に楽になっており、時に「貢ぎ」とすら揶揄されるような昨今の音ゲーのそれとは一線を画する。特に、メインの解禁イベント(bistro saucer)については、次の月まで待てば伝導解禁可能になり条件が大幅緩和される、という抜け道が用意された形となった。
さらに、旧曲を持っていないプレイヤーにとっては、「いまだけ楽曲」や伝導で楽曲を獲得できる救済措置が強化された。メインの解禁イベントでの旧曲枠の復活もあり、「デフォルトのKONAMIオリジナル曲が少ない」という、時に欠点ともされる特徴を「プレイすれば簡単に楽曲が増える」「解禁可能な曲が多いので飽きない」という長所にしたとして評価が高い。
多くの評価点によりゲームセンターでは休日に行列が絶えないほどの人気作であるが、ネット上では入れ替えシステムへの不満の声が強く賛否が強く分かれがちである。