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ドラキュラ伝説 - (2013/10/30 (水) 01:40:54) の編集履歴(バックアップ)


ドラキュラ伝説

【どらきゅらでんせつ】

ジャンル アクション
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対応機種 ゲームボーイ
発売・開発元 コナミ
発売日 1989年10月27日
定価 3,300円
配信 3DSバーチャルコンソール:2012年3月14日/400円
分類 ゲームバランスが不安定
ポイント 常にマイペースを貫く漢(おとこ)らしい主人公
最凶キノコ
突き詰めると最強の敵はコウモリ
悪魔城ドラキュラシリーズリンク

概要

  • ゲームボーイで発売された『悪魔城ドラキュラ』シリーズの1つ。完全オリジナル作品として登場。
  • 主人公は「クリストファー・ベルモンド」。
    • シモン・ベルモンド(ファミコン版『悪魔城ドラキュラ』(以下「初代」))のご先祖様であり、後に「英雄クリストファー伝説」として長きにわたり語り継がれるようになる存在である。
    • 続編の『ドラキュラ伝説II』の設定から考えると、この時点ですでに息子のソレイユは誕生していたと考えられる。
  • 「魔王となったドラキュラ伯爵を倒すため、単身立ち向かう」という単純明快なストーリーは初代同様。ただし、見逃すことができない矛盾点も…(後述)。
  • 携帯機でいつでも『悪魔城ドラキュラ』がプレイできるお手軽さがウリ…かと思いきや…。

システム

  • 横スクロール・ライフ制・残機制・時間制の2D面クリア型アクションゲーム。全4ステージ。
    • コンティニューは無制限だが、セーブやパスワードなどの機能は無し。
  • メインウェポンは従来通りムチで、パワーアップアイテム(本作は水晶)を手に入れることで二段階にパワーアップするのも同様。
    • 本作オリジナル要素として、最強段階になると攻撃と同時にムチの先端からファイヤーボールが発生し、遠距離攻撃が可能になる。動きの遅いクリストファーにとっては非常に頼れる存在。
    • ただし、ムチは敵から攻撃を受けるたびに一段階パワーダウンしてしまう欠点も持ち合わせている。最強段階になった直後に敵にぶつかったりするともう涙目である。
  • サブウェポンは廃止(後の作品で再び復活)。それに伴って(?)ハートが体力回復アイテムに変更になった。
  • クリストファーの体力は12ポイントと少ないが、敵から受けるダメージは1周目の時点では1~2ポイントがほとんど(最終ボスの体当たりのみ3ポイント)なので、初代のシモンよりも耐久力は高い(後述)。
  • ステージ中の大きな段差は、階段の代わりにロープで移動する方式になった。

評価点

  • 歴代最弱(暫定)の主人公ながら、どんな窮地でも決して慌てない男らしさは評価に値する(例:天井が落ちてきても慌てず歩く。下や右からトゲが迫ってきても慌てず歩く)。プレイヤーにとってはやきもきするだけだろうが。
  • グラフィックの緻密な描き込み、ステージの独特なギミックは評価されており、その難易度からコアなユーザーにも支持を受けている。
    • 難しいといっても理不尽なものではなく、ごく一部を除いてパターン化は容易にできる。「それをいかに正確にこなせるか」が本作の醍醐味でもある。
  • BGMは12曲と少ないが、全て新曲であると同時に個々の出来も非常に良い。続編の『ドラキュラ伝説II』ではさらに昇華される。
    • 加えて音の左右の振り分けも効果的に使われている。イヤホンの使用を推奨。
  • クリア後は難度が上がった次周が始まる。周回ごとに受けるダメージが2倍…4倍…8倍と倍々になり、5周目では全てのダメージが一撃死となる超絶難度と化す。
    • この点から考えれば、耐久力もシモンに劣る…と言えなくもない。
    • 続編の『ドラキュラ伝説II』では難易度は適度なレベル(それでも十分難しいが)に落ち着き、操作性も良くなり、パスワードコンティニューも導入されるなど大幅に改善されている。

問題点

  • ストーリーが初代と矛盾している。
    • 「ドラキュラが一介の呪術者(人間)から魔王(吸血鬼)になった」というストーリーは、初代の「過去に一度、ドラキュラはこの世に復活した。しかし、ドラキュラの全世界を暗黒の雲でおおい、闇の世界に君臨しようとする野望は、英雄クリストファー・ベルモンドによって打ち砕かれたのであった。」という内容と矛盾する。
      • コナミ社の公式年表では、この件は完全にスルーされている。
  • 重い操作性。
    • 1989年というゲームボーイ初期を考慮しても、クリストファーの動きが全体的に重く、遅い。
    • ムチの振りがワンテンポ遅れるため、コウモリや後述のブナグチーの胞子のような動き回る敵には、常に先読みで対処しなければならない。
  • 前述の通り、敵から攻撃を受けるとムチが一段階パワーダウンしてしまう。
    • 初期状態のムチではとことん苦戦するバランスとなっており、1回のミスが致命傷になりやすい。また、後のステージになるほど水晶の配置が少なく、立て直しが困難になる。この容赦のなさはいかにも当時のコナミ社作品らしい。
    • ムチがパワーダウンしないモードがあれば…という声も多い。
  • サブウェポンが無い。結果、攻撃手段の減少によりパターン化が必須。戦略性も薄れることに。
  • 穴、トゲ天井、トゲ床、トゲ壁など、即死トラップが多い(特に後半ステージは山積み)。
  • ギリギリジャンプを要求するシビアな局面が多数ある。
    • ステージ1から早々と登場。もっとも、下が地面であるため単にやり直しで済む辺り、「ここで練習しろ」という意図なのだろうが…。
    • ステージ3では、トゲが迫ってくるため急がなければならないうえに、ロープからのジャンプ(これも高さの見切りが重要)や落ちる足場との複合パターンが多くあり、特に難関となっている。
  • 乗ると落ちる足場の落下スピードが異常に速い。クリストファーの落下スピードも異常に速い。
  • 「ブナグチー」というキノコ状の敵は、地形に当たると反射する胞子を飛ばしてくるのだが、この胞子が極めて速い上に、ムチの出の遅さがあいまって叩き落とすのが難しく、難度を上げる要因となっている。
    • といってもパターン化は出来るので、慣れればコウモリほど嫌な存在ではなくなる。
    • しかし、さすがに厳しくしすぎたと思ったのか、続編では速度が劇的に落とされた。
  • セーブやパスワードが存在せず、携帯ゲーム機向けではない不親切さが問題視された。
    ゲーム自体は慣れれば30分程度でクリアできる長さではあるが、そこまで上達するにはやはりそれ相応の時間がかかるわけで、苦手なステージ(特に後半)をすぐに練習できない点は不満が多かった。
  • やる気の無いドラキュラ最終形態。
    • 「巨大コウモリになる」まではまだ良かったのだが、最後は画面上部を左右にウロウロし、時折思い出したかのようにコウモリを数匹出す…という無気力試合に。しかも出されたコウモリは何をするでもなくただ一直線に飛び去っていくというオチまでつく。

総評

シリーズの一つでありながら共通要素があまりない、良く言えば意欲作、悪く言えば異端作。
ドラキュラ以外で他シリーズと共通する敵といえばコウモリくらいのもので、他もボス、アイテム、仕掛け、BGMなどどれをとっても本作オリジナルが極めて多い。
ゲーム中の爽快感は皆無で、とにかく忍耐に忍耐を重ねたプレイを要求されるが、その分このゲームをねじ伏せた(クリアした)ときの達成感はかなりのものである(その点で、3DSのまるごとバックアップ機能を使ってのクリアはオススメしない。このゲームはあくまで自力でクリアしてなんぼのものである)。
操作性の悪さなどものともしない豪の者はぜひ挑戦してみてほしい(目標はもちろん5周だ!)。

その他

  • 本作は『コナミGBコレクションvol.1』で『グラディウス(ネメシス)』、『コナミレーシング』、『コントラ』と共に収録されている。また、海外版ではカラー対応となっている(そのせいで隠し通路や一部のトラップがバレバレになっているのはご愛嬌)。
  • 3DSのバーチャルコンソールで配信されている。お値段は400ポイントで移植具合は極めて良好。『ドラキュラ伝説II』への布石かと思いきや、一年以上経った今も音沙汰がない。
  • Wiiウェアにて本作のアレンジ版『ドラキュラ伝説Rebirth』が配信されている。お値段は1000ポイント。他のRebirthシリーズ(グラディウス、魂斗羅)同様、完成度は高い。
    • ただし、当初の予定では「ドラキュラ伝説のアレンジ」ではなかったらしく、本作ならではの敵・仕掛け・BGMなどはほとんど採用されていない。『悪魔城ドラキュラ』シリーズの1つとしては良作なのだが、「ドラキュラ伝説のアレンジ」を期待するとコレジャナイ感が強い。
      • 爆発しても橋を壊さないビッグアイ。段差移動はロープではなく階段。etc. せめて本作のボスが1体でも登場してくれれば…。