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用語集/全般/1 - (2023/05/10 (水) 15:00:22) の編集履歴(バックアップ)



用語集/全般/あ行

ゲームに関する専門用語や、当Wikiの記事中に登場する固有名詞に関する一覧。
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アーケードゲーム

業務用ゲーム機である「arcade game」のことで、「AC」と略す。店舗の軒先を借りて設置されていた事から由来する。
ゲームセンターや商業施設に設置され、1プレイごとに料金を徴収するスタイルが一般的。近年では、プリペイドカードや電子マネーの導入といった試みもなされている。

アーケードゲームを大きく分けると、ビデオモニターに映像出力を行う「ビデオゲーム」と、ビデオゲームには該当しないが電子制御を行う「エレメカ」の2種類。
この他に、基板やコントロールパネルを入れ替える事で色々なゲームを動かせる「汎用筺体」と、所定のゲームのみを遊ぶ目的で設計された「専用筺体」といった形態がある。
かける予算にもよるが、人が乗り込めるような大型筺体を使ったり景品を扱ったりと、ゲーム制作の自由度は非常に高い。アーケードゲームの歴史に関してはこちらを参照。
ただし当Wikiでは、景品の獲得・引換を目的とするメダルプライズゲームなどは取扱いを禁止している。詳細は「このWikiで扱う作品」参照。

アーリーアクセス

早期アクセス版とも言われる。開発中のソフトを公開することで開発資金を得たり、ユーザーからのフィードバックを反映させたりする、Steamで知られるリリース方法。
MMORPGやFPSで行われる「クローズドベータ」等と違う点は基本的に先行販売となり、有料であるという点。またアーリーアクセス終了後はそのまま正式版を引き続き遊ぶことが可能であるということ。
開発側の利点として上記の通り、開発途中で開発費用の回収ができたりデバッグをユーザーが遊びながら行うことで品質を上げられる点。ユーザーは早く遊べたり、自身の意見が開発に取り入れられる可能性があるという点が利点になる。
問題点としてはアーリーアクセスの期間が明確でない点。アーリーアクセス期間が延々と続いている作品も珍しくない。また、アップデートが長期に渡って行われなかったり、開発者と連絡が取れなくなるなど実質開発中止の状態になることも多々ある*1
そのため、利用するにあたってはユーザー側にも心構え*2が必須とも言えよう。

RPG要素

RPGではないゲームにRPGのようなシステムがあること。
具体的には戦闘で経験値をためてレベルアップしたり、お金で装備品を買い替えたりできるシステムのこと。
複合ジャンルとしてはアクションRPG、シミュレーションRPGの作品が多い。
例えばアクションRPGなら「レベルを上げればアクションが苦手な人にもクリアしやすくなる」効果があり、アクションゲームは苦手だが他ジャンルのゲームは好きというユーザーの取り込みが期待できる。
だが調整次第では「RPGと同じノリでレベル上げに勤むと一気にヌルゲーと化す」ものや、逆に「レベルがその時の理論上の最大値近くまで上がっていないと厳しい」という本末転倒な実態になったり、はたまた「レベルを上げても影響が小さすぎて意味がない」といった事例も高難易度ゲームを中心に増えつつある。開発側としては匙加減が難しい要素と言えるだろう。

  • RPG要素のあるゲームの例
    • DEAD RISING』……ゾンビを倒したり、いい写真を取ればフランクがレベルアップして様々な技を覚える。
    • Borderlands』……FPSにRPGをプラス。レベルアップで新しいスキルを取得したり、ランダムに生成された武器をやりくりして進んでいく。このスタイルのゲームは「ルーターシューター」と呼ばれるようになった。
    • ASSASSIN'S CREED ORIGINS』……元々レベルの概念のないシリーズだったが、本作からRPG要素が導入された。が、敵とレベル差があると暗殺で一撃死しないなど色々と問題も抱えている。

アイテム課金

ゲーム内で取得できるアイテムを課金して販売するビジネスモデル。新しい要素を追加するDLC(ダウンロードコンテンツ)とは異なり、普通に遊んでいればゲーム内で取得できるアイテムを販売している場合が多い。
当初は基本無料のオンラインゲームでキャラクターを着せ替えるアバターアイテム等で始まったが、やがて課金通貨でランダム購入し低確率で強力なキャラ・アイテムが当たるランダムアイテム提供方式、いわゆるガチャが登場。
レアアイテム目当てに数万~数十万円をつぎ込むヘビーユーザーが現れ、スマホで遊べるソーシャルゲームの多くでも基本無料アイテム課金方式が取られ、未成年が親のクレジットカードを使って大金をつぎ込むといった社会問題にも発展した。

ガチャは基本無料のオンライン/スマートフォンゲームが中心となる問題であり、パッケージ販売しているコンシューマゲームの多くはDLCによる少量のアイテム課金(『テイルズ オブ シリーズ』等)こそあれど、ガチャのようなランダム提供はなく、あまり問題視されてこなかった。
しかし、『ASSASSIN'S CREED ORIGINS』『スター・ウォーズ バトルフロントII』といったAAAタイトルでガチャ(海外ではルートボックスと呼ばれている)が実装され始めたことで、一気に全世界的な問題となった。
特に後者はマルチプレイ対人戦ゲームであるにもかかわらずガチャの中にプレイヤーキャラの能力にかかわるものがあり、いわゆる「Pay to Win (金をかけた方が勝つ)」であると批判され、この件についてオランダ、ベルギーはルートボックス自体が賭博にあたるという判断を下している。
また、ゲームをするために必要なスタミナ*3を回復するための消耗アイテムを有料で購入する「スタミナ課金」というスタイルはガチャ以上に基本無料ゲーム定番の要素なのだが、累積ポイントやクリア回数といったイベントランキングの上位報酬のためにスタミナ課金が必須で、課金額がそのまま順位に反映されるようなエグいタイトルもある。

スマホの普及と、スマホ用「基本無料ゲーム」の隆盛以降、日本のゲーム業界全体の収益の大部分はこのアイテム課金(ないしガチャ)が占める様になった。そして、このシステムをフルプライスで堂々と導入したとんでもないゲームまで登場するような事態に。

IP

Intellectual Propertyの略で知的財産のこと*4
一般的には著作物や商標等において、その創出者に対して与えられる民法上の所有権に類似した独占権を指す。
ゲーム業界では主にゲームタイトルやキャラクターのことを指すことが多い。

自社IP / 他社IP

自社IPは任天堂における『スーパーマリオ』のような文字通り自社が持つIPを使ったゲームのこと。
対して他社IPは、例えば集英社が持つIP『ワンピース』をバンダイナムコがゲーム化と言ったような場合に用いられる。
また、スクエニが日本国内においてユービーアイソフトの販売権を持つような場合でも、他社IPとして扱われる。

休眠IP

しばらく新作が発売されていないゲーム、すなわち途絶えてしまったシリーズ作品のこと。
途絶えてしまった理由は様々で、単にシリーズが完結しただけの作品もあれば、市場や経営方針の変化で途絶えた作品、メインスタッフが退社した、メーカーが倒産した、最新作でやらかしてファンや会社から見限られたような作品もある。
こうした作品がリメイクやリブートとして復活することもあるが、諸々の事情から新作の発売はおろか過去作の再販すらも絶望的なは場合も。
2010年代以降、和ゲーの一時的な衰退にゲーム業界における市場の急激な変化も相まって、途絶えてしまったシリーズ作品も多い。
しかし、現在はカプコンやセガと言った大手が休眠IPの活用に意欲を見せている為、今後は復活するシリーズ作品も増えるかもしれない。
ただし、近年ではシリーズ最新作が基本無料のスマホゲームであることも増えており、物議を醸すこともある。
また、シリーズが途絶えた経緯次第では「復活なんかしないで眠ったままでいくれた方がマシ」「思い出の中でじっとしていてくれ」なんて言われる場合もあったりする。

新規IP

従来のシリーズ作品の新作ではない、完全新規のゲームのこと。
商業的に成功すれば一定以上の期間でジワ売れしてブランドを確立し、場合によってはその作品の新作が出てシリーズ化につながり、メーカーの長期的な成長につながるというメリットがある。
一方、従来シリーズの続編ではないため初動の売上が少なくなりやすく、それで商業的に失敗するとブランドを確立できず、メーカーが大きな損失を被り中長期的な成長に悪影響を及ぼすというデメリットもはらんでいる。
1980~90年代の頃は各メーカーから新規IPが数多く発売されていたが、2000年代以降はゲームソフトの開発費高騰に伴い従来シリーズの続編が増えて新規IPが減少してしまい、コンシューマゲーム市場の縮小につながる遠因となった。

煽り行為

対人戦やオンラインゲームなどで人を不快にさせるような行為、いわゆる挑発のこと。
チャットでの罵詈雑言といった直接的な物や、倫理観に欠ける行為、無意味な行動で敢えて隙を晒す行為などが、煽り行為としてよく挙げられる。 いずれにしても、ゲーム内でのメリットは無く、通報された場合はアカウント停止やオンラインプレイの停止といった罰則が科されることもある。 なお、格闘ゲームなどではキャラクターのリアクションとしての挑発行為が標準で搭載されているものが多いが、相手の感情を刺激する行為に変わりないため挑発も煽り行為のひとつとしてみなして嫌う人も多い。
これらは相手の感情を刺激し冷静なプレイを妨げることを狙っているのでやられても気にしないのが一番
格闘ゲームのように標準で挑発アクションが搭載されているゲームであったとしても、煽り行為が行き過ぎてリアルファイトに発展したり、果ては殺人事件に発展した事例もある。
適度に空気を読み、度を越した煽り行為は慎もう。特に挑発のシステムが存在していないゲームのプレイ内外で煽り行為を働くことは言語道断である。
煽るのであれば、それが冗談と通用する身内でやること。
煽り行為の例は下記を参照。

死体撃ち(死体蹴り)

FPSや格闘ゲームで、体力がなくなって倒れた相手に執拗に攻撃を加え続けること。
ただし、弾を撃ち切らないとマガジンを交換出来ない(任意のリロードが出来ない)、死体撃ちでもゲージが溜まる(明確なメリットがある)、動作が任意で止められないコンボ*5等の理由がある場合は、ある程度までは許される事も。

ティーバッグ

(主にFPSにおいて倒れた相手の顔面の上で、)屈伸行動を繰り返すこと。股間のナニを上下させる様が性行為ティーバッグを揺するように見えることからこう呼ばれる。
転じて2D、3D格闘ゲームでも屈伸は煽りと認識される場合が多いが、しゃがみと立ちを繰り返すことで相手の投げをスカす事が出来る等、仕様によってはテクニックとして成立しているタイトルがあるので注意。

罵詈雑言

チャットやメッセージ機能が実装されているソフト・ハードだと文字、ボイス問わず言葉で直接煽ってくる者もいる。言語が違うと何を言っているのか分からない事があるのが救いか。
一般的なSNSと同様に、誹謗中傷や脅迫は規約違反になるだけでなく、悪質な場合は犯罪行為として処罰される可能性もあるので慎むこと。 一部界隈では「ファンレター」と通称される。

舐めプ

「舐めたプレイ」の略で、倒せる状況にもかかわらず相手を倒さない、低威力の攻撃をし続ける、あえて無防備な状況を晒すなどの行為が該当する。
相手に対して「本気を出すまでもない」「手を抜いても勝てる」といった意思表示であり、格下相手や優勢時に行う者が多い。
やられた相手からすれば気分が良い物では無いが、たまにそれで逆転を許してしまう間抜けな結末も迎える事もある。

また、善意のつもりでも相手からすれば「舐めプ」に見えてしまう事もあるので、初心者相手に手加減する際は注意が必要。

悪人プレイ

フリーシナリオのオープンワールド系RPGの様なゲームの進め方が自由度の高いゲームにて、商品・所持品の窃盗や攻撃すべきでないNPCキャラの殺害といった(ゲーム内においても)犯罪行為を主だって行うプレイの総称。反意語は善人プレイ。
当然犯罪行為がやすやすと許される訳もなく、犯罪行為が衛兵や警察に見つかると逮捕されたり攻撃を受けたり、悪名が広まるとNPCに嫌われたり、マルチエンディングであまり良い結末を迎えられない等のペナルティが用意されている事が多く、一種の縛りプレイとなりやすい。
それでも現実で出来ない事をゲーム内でやりたくなるのも人の性だが、あまりに「出来るにもかかわらず」悪人プレイにデメリットばかりだとゲームの批判点となる可能性がある。
なお自由度が高いゲーム性でも『Grand Theft Auto』シリーズの様に主人公がアウトローでメインミッションに犯罪行為が組み込まれている様なゲームにはこの用語は基本使われない(悪人プレイが基本な為)。

アセットフリップ

ここでいうアセットとはアセットストアなどで配布・販売されている、ゲーム制作において商用利用可能な素材やテンプレートのこと。

アセットフリップとは「既存のアセットを多用し、工夫もせずにそれっぽく仕上げただけの粗悪なゲーム」のことを指す。
アセット自体はゲーム開発のコストが増してきた昨今において素材作成のコストを削減できる点で有用であり、大手のゲーム会社でも一部に使用されている。
だが、アセットフリップではゲーム中の素材の大半、悪質な場合はゲームを構成するプログラムすらも既存のアセットをそのまま流用したものも存在し、さらに酷い場合アセットのプログラムには存在しなかったバグが放置されたまま販売されることすらある。

対応するアセットが多く存在するUnity製のゲームを販売できるハードの普及や個人や小規模なデベロッパーでも無償でレーティングを取得できるIARCに対応したストアの存在などにより、2020年以降こうしたアセットフリップは急激に増加している傾向にある。
「誰でもアセットを使うことで一定の見た目やシステムを保った(だけ)のゲームを作って販売できる」という点からも、この事態がしばしば問題視されている。

当たり判定

物体同士の接触があったかどうかの判定、あるいはその判定に使われる領域のこと。
処理方法として、見た目とは別に物体を円や長方形といった簡単な図形で近似し、互いの図形が重なるか否かを随時計算している。

2Dシューティングゲームの自機と敵弾を例に説明すると、双方のグラフィックとは別に長方形、作品によっては1ドットの図形が設定されていて、プレイヤーは自機の長方形が敵弾の長方形と重ならないよう動かすことでゲームを進めていく。
見た目には当たっているように見えても被弾とみなされないのは、内部計算されている当たり判定上では重なっていない為であり、重なったと判定されて初めて相互の関係に応じた反応が発生する。
RPGでダンジョンの壁をすり抜けられないのも、レースゲームで他のマシンに接触すると減速するのも、全て当たり判定の発生に伴う処理である。

重要なのは、見た目と当たり判定の差異をどう設計するかである。
当たり判定が見た目に忠実な場合、例えば対戦格闘ゲームで当たっていないのにダメージを食らったように感じることが増えプレイヤーのイライラの元になる。
また、パンチが相手の顔面にギリギリ届いたのに盛大にのけぞるといった現実離れした挙動となり、違和感を感じやすい。
処理上の問題として、身体の指1本に至るまで忠実に再現しようとすると計算負荷が増大し処理落ちの原因となる場合も。
逆に当たり判定が見た目よりあまりに小さいと、パンチが顔面に派手にめり込んでいるのにノーダメージといった不条理を感じることになる。見た目より大きい場合は言わずもがな。
上記理由により、特にアクション・対戦格闘・シューティングあたりのジャンルにおいては、見た目より若干小さく設定されていることが多い。 明らかに何もない空間に当たり判定がはみ出している場合「詐欺判定」「真空判定」などと揶揄される。

操作性と並び、「動かしてみて楽しいか」を司る一番の勘所と言っても過言ではない要素である。

当て身技

格闘ゲーム用語。単に「当て身」とも。コマンドを入力すると一定時間ポーズをとり、ポーズ中に相手の攻撃が命中すると相手を投げ飛ばすなどして反撃するというカウンターアタック専用技の総称。
ほぼすべての場合で「次に相手はどんな技を撃つか?判定は上段か?下段か?」などを、相手の動きを先読みして出す必要があり、読みを外すと無防備になるようになっているため、初心者には癖が強く扱いづらい。

元々「当て身」とは掌打や手刀といった拳や手を使って相手を倒す技の総称であったが*6、『餓狼伝説』のキャラ「ギース・ハワード」の「相手の当て身(攻撃)を受け止めて投げる」技である「当て身投げ」が「当て身」と略された事から上記の様な誤認が生まれるようになった。
ゲーム全体の一個人が持つ技というのがほとんどだが、『DEAD OR ALIVE』シリーズの「ホールド」等、システム化され全員に実装されている場合もある。
このような場合「攻撃<当身<投げ<攻撃」という三竦みの読み合い要素として機能するように設計されている。

アナログスティック

その名の通り、360度自由な方向へのアナログ操作が可能な棒状のデバイスのことで、現在のゲームハードにはほとんど搭載されている。
上下左右+斜め4方向の計8方向(45度ずつ)にしか操作できない十字ボタンと違い360度自由な方向へ操作可能であり、スティックを倒す深さによって入力の強弱を決められる*7

1996年6月23日に発売されたN64で初めて実装され、ローンチタイトルの『スーパーマリオ64』ではアナログスティックで3D空間を360度自由な方向に移動可能という革新的な操作方法で革命を起こしたことで知られる。

N64の発売2週間後の同年7月5日にはSS用のアナログスティック付きコントローラー「セガマルチコントローラー」が発売され、N64の発売10か月後の1997年4月にはPS1用のDUALSHOCKの前身となるアナログスティック付きコントローラーが発売された。
さらに、同年11月以降に発売されたモデルのPS1ではDUALSHOCKが標準コントローラーとなった。以降の全ての据置ゲームにはアナログスティックが標準搭載されるようになった。
近年は携帯機でも搭載され、PSPのアナログパッドや3DSのスライドパッドといったように少し変わったアナログスティックが搭載されている。

3Dゲームにおいて3D空間を360度自由な方向に移動するためにはアナログスティックが必要不可欠である。
確かにN64以前にもPS1/SS/3DO等で3Dゲームは発売されていたがそれらは3D空間の移動を全て十字ボタンで行ってい為、3D空間を8方向にしか移動できなかった。
アナログスティックを提案したのはマリオやゼルダの生みの親である任天堂の宮本茂氏であり、宮本氏は「3D空間を360度自由な方向に移動できなければならない」という課題にいち早く気付いていたのであった。

3Dゲームにおいては左スティックで移動、右スティックで視点操作(FPSでは照準も)を行うのがほとんどになっているが、右スティックはFPS以外の3Dゲームでは照準操作をほとんど行わない上、操作ボタンの配置の問題もありあまり使われないのが現状である。
一方、2Dゲームでは左スティックを移動に使い、右スティックはショットの方向を決める*8、「ツインスティックシューター」といった活用方法もしばしば存在する*9

接点部分のゴミや汚れにより、スティックを操作していないのに勝手にキャラが移動したり、視点が移動してしまうような不具合(いわゆるドリフト現象)が起こる場合があるのが弱点。

PS系は左右スティックが対称位置に存在するが、XboxやSwitch系のコントローラーは左右非対称が基本。
ただしこの非対称スティックは「左手アナログスティック、右手サムボタン」という標準の持ち方をすると、指の位置は左右対称になる。
PS系の配置の場合、左右で指の位置がずれてしまうが、「左手親指でアナログスティックを入力しつつ、左手人差し指で十字ボタンの入力が出来る*10」という利点がある。
どちらがプレイしやすいかは人やタイトルによって異なるため、永遠の議論対象である。

アニメーション

コマ送りで少しずつずらした静止画を連続表示する事で、まるで動いているかのように見せる表現技法。
ゲームよりも歴史は古く、ビデオゲームの映像演出においてもアニメーションの技法の多くが流用されている。これは海外作品も同様である。

「アニメ」と略される事も多い。Fanatical(旧Bundle Star)やIndie Galaの「Anime Bundle」には『ニッポンマラソン』や『Analogue: A Hate Story』のような、アニメとは無関係の日本の漫画調の絵柄の海外ゲームも含まれることがあり、アニメの定義を真剣に語ることがもはやバカバカしい事態になっている。

古くは「LDゲーム」という、元々アニメ/実写映像の再生を目的とする装置のソフトにささやかなゲーム性を持たせたジャンルが存在した。
その一方で、そうした動画再生機能を持たなかった当時のパソコンでも、「ビジュアルシーン」と呼ばれるアニメ表現の試みがなされた。
その多くは画面の一部を動かす程度のものであったが、スクウェア(現:スクウェア・エニックス)の『クルーズチェイサーブラスティー』のような、非常に短い時間ながらフルアニメーションを実現した作品もある。
家庭用ゲーム機においても90年代初期までは部分アニメが主流であり、ソフトウェアレベルで動画再生を実現したものはごく限られていた。
その後、動画再生(motionJPEG)専用チップを搭載したPSやPC-FXの登場によりついにハードがアニメーションそのものを扱える時代に突入、現在に至る*11

一般的に、ゲームのアニメ化、アニメのゲーム化はどちらも多く、最初からゲームとアニメで同時進行する場合も在る。
ゲームとアニメはファン層の似通っている部分があるのか、互いに何かと関わりは深い。

アバター

ゲーム内でユーザーの分身となるキャラクターである、英語の「avatar」のこと。
語源はサンスクリット語の「アヴァターラ」であり、神が別の姿を取って現れることを指す。
性別や髪型や輪郭といった容姿を選んだり、ゲームで手に入るアイテムで着飾ったりすることで個性を表現することができる場合が多い。
ゲームによっては有料課金でのみ手に入るアイテムもあり、その中には期間限定配信のものもあったりする。
自分そっくりにするか、ゲーム内では敢えて(性別も含めて)全く別の姿にするか、遊び方は人それぞれ。
中にはパーツを駆使して著名人や漫画やアニメ、別ゲームのキャラそっくりに作り上げてしまう人も。
近年は自前のデータを使用や加工が可能な作品も登場している。そういったMODの領域にある代物を含めるかどうかは人にもよるが、
いずれにせよ、ゲーム内機能だけでアバター制作の自由度が高いとその方面のマニアや、イラスト制作や3Dモデリングができないユーザーから一定の支持を受けられる。

台詞のパターンが膨大になるため、声をプレイヤーが任意で設定できる場合はイベントでは一切喋らない作品がほとんどとなっている。イベントでアバターキャラが喋ったのは『GOD EATER BURST』が初となる。

アペンド

英語で加える、付け足すといった意味の「append」のこと。
ここでは、ゲームに大規模なアップデートを加える拡張プログラムを指す。
以前は「アペンドディスク」という呼び方が一般的だったが、最近では必ずしもディスクメディアとは限らないため、単に「アペンド」と呼ばれることが多い。
基本的に対応する本編ソフトに付随するものであり、これ単体では動作しないという点がバージョンアップ版とは異なる。

発売されたゲームのプログラムに後付けするシステムが確立されてから、アペンド版を販売する例は増えている。
日本ではコーエーテクモゲームス(旧コーエー)が古くから「パワーアップキット(PK)」や「猛将伝」といったアペンド版を販売しているため、「コーエー商法」と呼ばれることもある。

お気に入りのゲームに新たな要素が加えられ、新鮮な気分で深く広く楽しめるためファンからは歓迎される。
一方メーカーにとっても、旧作を改良して評判をいっそう高めることができ、しかも完全新作ソフトよりも少ない製作工程で済み、売り上げ本数の予測も立てやすいという、とてもメリットの大きい商品形態と言える。
しかし追加要素と価格のバランスが取れていなかったり、無料のパッチでフォローされて然るべきバグ修正などがこれで行われたり、追加プログラムの販売を見越して元ソフト制作で手を抜いた形跡が認められたりする場合は、大きな批判を浴びる結果になる。

拡張が容易なその構造上、ある程度人気・売り上げの高い海外のPCゲームはその多くでアペンドが発売される。
反対に日本のCSゲームでは元ソフト不要のバージョンアップ版の方が好まれる様子で、バージョンアップ版とアペンド版の両方を発売される例が多く見られる。
DLC販売が定着化した近年においては、アペンド版を有料DLCという形で提供することも増えてきた。

  • コナミのCS版『BEMANI』シリーズのアペンドディスク……プレイにはキーディスクが必要*12である代わりに低価格で販売されていた。
    • 必ずキーディスクから起動して、それから画面の指示に従ってディスクを入れ替えなければプレイできないという問題点があり、ユーザーには不評だったためか、2000年12月21日発売の『beatmania APPEND ClubMIX』を最後に廃止された。
    • 購入したのにプレイできないというトラブル防止のため、店頭での購入時に店員が「キーディスクを持っていますか?」と確認することがあった。
  • コーエーの『パワーアップキット』や「無双シリーズ」の『猛将伝』……後者はアペンド版単体でも追加モード/ステージだけなら遊べるという珍しい存在。
  • カプコン『モンスターハンター』『戦国BASARA』……家庭用向けシリーズではあるが、アッパー版発売が定番化しつつあるシリーズ。
  • バンダイナムコゲームス『GOD EATER BURST』やアトラス『ペルソナ3フェス』アペンド版……前者はバージョンアップ版と併売。
  • セガ『Project DIVA f おおもじパック』など……携帯機(PSV)に、遅れて発売された据置機版(PS3)の新規要素を追加するケース。DL販売のみ・統合DLCである場合もある。
  • ベセスダ・ソフトワークスなど海外ゲームにおける「Game of the Year Edition」「Legendary Edition」「Ultimate Edition」……ゲーム本体とほぼ全てのDLCを同梱したパッケージ。厳密に言うと完全廉価版に近い。
    • バイオウェア/エレクトロニック・アーツ/スパイク『Dragon Age: Origins』……廉価版である「PlayStation 3 the Best / PLATINUM COLLECTION(日本版)」はアペンドの内容を含んだ完全版となっている。
  • レベルファイブ『妖怪ウォッチ2 真打』『妖怪ウォッチ3 スキヤキ』……先発2バージョンのセーブデータを両方とも引き継ぐことが出来るアッパー版。
  • スクウェア・エニックス『ファイナルファンタジーXI』『ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン』『ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア』……「拡張ディスク」と呼ばれるアペンド版を不定期に発売。
  • 任天堂『New スーパールイージ U』『ゼノブレイド2 黄金の国イーラ』DLCに含まれた外伝タイトルだが、一時期単独パッケージ版として発売していた。後者パッケージ版は本編のDLCを同梱している。

Amazon

言わずと知れた大手通販サイト。世界有数のIT企業であり、「Google」「Apple」「Facebook」と並んで「GAFA (ガーファ)」と呼ばれている*13
日本ドメイン(.co.jp)は法人「アマゾンジャパン合同会社」が運営する。本やCD、果てはペットボトル飲料からアダルトグッズまで扱っている。
当然ゲームも扱っており、パッケージ写真等が掲載されている。新しいゲームはパッケージ画像の他にサンプル画面を公開することもあり、当Wikiのゲーム記事で画像サンプルとして掲載可能。
特にサイト内レビューは作品の評価を判断する材料に使われることも多い。しかし、あらゆるゲームに意図的に星1評価、または星5をつける荒らしなどもいるため一概に信用はできないことには留意したい。
Amazonのレビュー規約の変遷に日本のゲーム業界が与えた影響は大きいと言われている。2009年『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』のレビューが発売前から大荒れになったことを契機に発売前レビューを禁止。
2012年にはレビュアーがAmazonで購入したかどうかがわかるようになり、2016年には未購入商品のレビュー数が制限、2017年12月にはついに未購入商品のレビューそのものが出来なくなった。

一方、Amazonという企業自体もゲーム業界への参入を狙っており、2014年8月にGoogleを退けてゲーム実況サービスの「Twitch」を買収。
2016年9月にはゲーム開発部門である「Amazon Game Studios」が、PCゲーム『Breakaway』『Crucible』『New World』の3本を発表。
そして、2020年9月にサブスクリプション制クラウドゲームサービス「Luna」を発表し、ゲーム業界への本格的な参入が始まった。

だが2018年3月には『Breakaway』が、2020年10月には『Crucible』が開発中止となっており、現在残っているタイトルは『New World』のみとなっている。
また、2019年6月には「Amazon Game Studios」が開発者の大量解雇を行っており、世界有数のIT企業であってもゲーム業界への参入は一筋縄ではいかないようである*14

なお、前述した『New World』は4回も延期を繰り返すも2021年9月29日に正式リリースされ、Amazon初のMMORPGとして世界的な大ヒットとなっている。

アンチ

特定対象のゲームやキャラ、メーカー等に対し、否定的な感情を持つ人のこと。「ファン」「信者」の反義的な意味でも使われる。
英単語本来の意味は「反対の」であり、「ヘイト」の様に「嫌う」や「憎む」といったニュアンスはない。「アンチファン」を変に省略した様である。
アンチとは言っても、ファン等に迷惑をかけない場所で理に適った批判を行うよう配慮できる常識の持ち主なら特に問題無い。
しかし悪質なアンチになってくると、出鱈目や的外れな事ばかり言う、(作品やファン等を)下品な蔑称で呼ぶ、ファンに成りすまして暴れる、ファンにいちゃもんをつける、スタッフやメーカーの誹謗中傷と言った行為を行う。
本wikiにおいても良作判定のゲームを無理やりクソゲーや賛否両論として編集してくるなどの暴挙に出る事がある。
近年は、広告収入目的でアンチ活動を行うまとめブログや動画投稿者も現れており、問題視されている。

誤解され易いが、ゲームの良くない部分を批判する行為自体は悪ではない。
「ゲームの良くない部分を批判する」という行為はそのゲームの製作者にとってはこれからの参考になりえるし、ユーザーとしてもお世辞ばかりでヨイショするより真っ当な姿勢と言えるだろう。
しかしアンチという言葉は上のような「悪質行為を伴う過度なアンチ行為をする者」を指して使われる事が多いため、批判をしたからといって即アンチ認定とすると摩擦が起こる危険性が高いので注意。

もっとも、過激なアンチは元々は熱心なファンだったが、開発側の自己満足で作られた続編などの許しがたい事象がきっかけとなり、可愛さ余って憎さ百倍的な流れでアンチ化した者に多い傾向がある。
彼らは「裏切られた」という思いが強いだけに極大のヘイトを向けることになり、貶める対象ありきでどんなクソゲーでも比較対象として無理矢理持ち上げたり、デマを流したりする。
さらに酷くなると、スタッフ・関係者への名誉棄損や脅迫、個人情報特定といった違法な行為すら厭わない過激な行動に発展することもある。

当然ながら行き過ぎた行為*15は犯罪行為として取り締まられる場合もあるので度を越した行動は慎むべきである。

多種の兵科が登場するゲームで、相手の兵に対して強いユニットを「AはBのアンチユニット」と称したり、特定の戦術に強い戦術を行う「アンチAラッシュ*16」と使われる事がある。
こちらが本来のアンチという言葉の意味するところである。

アンロック

英語の「unlock」のことで、ある要素をプレイヤーから遮断する事を「ロック」と、特定の条件を達成してロックを解除する事を「アンロック」と言う。

固定と解除の仕組みだけ見ると、特定条件の成立・不成立をチェックする「フラグ」と似た意味を持つ。
それと比べるとロック/アンロックは「錠」のイメージに近く、あえてカギをかけ開放を抑止している事を前面に押し出すニュアンスが強い。
やりこみ要素などの報酬として隠し要素やオマケを設け、解除に向けてプレイヤーを奮起させるという訳である。

アンロック条件を大きく分けると、ゲームプレイで達成するもの、時期を見計らって無料で配布されるもの(この場合「タイムリリース」とも呼ばれる)、別途料金を支払ってアンロックキーを購入するものがある。
ゲームソフト内にデータはあり、それにロックがかけられているだけの話なので、有料のアンロックキーに対する風当たりは非常に強い。
有料の場合、「事前に周知が無い」場合や「本体の要素がDLC側全体に比重で劣る(本体に対しDLCで解禁される要素が多すぎる)」といったケースでは強く批判される。

アンロックキー配信(解除キーのみ配信)とデータ配信(追加コンテンツのデータそのものを配信)はよく比較される。
両者の本質的な違いはケースごとに様々であり一概には言えない*17のだが、有料ソフトに含まれているデータの利用権にさらに追加料金を払う事に、違和感・嫌悪感を感じる人は少なくないのだろう。
そもそもアンロック込みでソフト一本分の内容量ということが多かったり、従来の作品なら客へのサービスとして頑張っていた部分を有料に…という高く売りつけたいだけのものが目立つので反感を買うことが多いことも仕方ない。
また、配信タイプのものにはメーカー倒産やそのハード向けのネット接続サービスの終了によって二度とアンロック・追加データ入手が出来なくなるという欠点も。

追加データに比べ批判されることが多いアンロックキーであるが、アンロックキーは「メーカーにとっては配信料が安い」「ユーザーにとってはダウンロードに時間がかかりにくい」といったメリットがある。

オンラインプレイ搭載ゲームでは、新規キャラや武器をアンロックキー形式での配信となるパターンが大半となっている。
理由としてはDLC購入者と非購入者の間でもマッチングさせるため、DLC解禁日と同時にゲーム本体もバージョンアップ、その中にDLCのデータを入れておいて、DLC購入者のみそれらを使用可能という形になっている。
こうすることでマッチング人数が絞られないのでマッチング待ちの時間を減らしやすく、さらには新規キャラを相手に使わせることでDLCの宣伝にもなるという複数の利点が存在するのである。
この手法を取らず「DLCキャラ使用者はDLC購入者とのみマッチング」「DLC非購入者はDLC非購入者か、DLCを購入しているがDLCキャラを選んでいない人のみマッチング」と分離マッチングが行われている時代もあった。


イースター・エッグ

ゲームソフトに仕込まれた、本編を普通にクリアする分には見る事のない画面や文字列のこと。隠しメッセージ。日本では単純に「小ネタ」と呼ばれる。
キリスト教の復活祭で見られる、中にものを入れて装飾した卵をあちこちに隠す遊び「イースター・エッグ」に由来する。

ユーモアの一種で、その内容は多くの場合、スタッフの一覧や謝辞。それらをゲーム内に馴染ませたものは「スタッフルーム」などとも呼ばれる。
メディアがCD-ROMの時代になると、音楽CD再生機器やパソコンで読み込ませた時専用の隠しボイス・隠しテキストファイル等を仕込むものも登場した。これもイースター・エッグの一種と言える。

しかし中には、ソフトの解析などを行って初めて発覚するような本来は表面化しないはずだったものもある。
そういったメッセージには、やはり表沙汰にしてはならない内容が含まれていることもあり、その方面では『元祖西遊記スーパーモンキー大冒険』『えりかとさとるの夢冒険』のものが有名で、特に後者は16年以上もの長期間発覚しなかった事でも知られている。

時代は下り、ソフト解析も情報の伝播も容易かつあっという間になったこともあり、いつしか黒い内容の隠しメッセージは見られなくなっていった。
そんな世の中を想定していなかったのか、後先考えていなかったのか…既に仕込まれてしまった分については、今でもネタとして長く語られ続けている。

イースターエッグの例
  • Atari 2600用ゲーム「ADVENTURE」
    • ゲーム業界のみならずIT業界で最初に仕組まれたと言われるイースターエッグ。その内容は特定の場所で特定のアクションをすると…「ウォレン・ロビネット作」と開発者のクレジットが見れる、だけ。というのも、当時は開発者の名前をどこにもクレジットさせてもらえず、待遇も悪かったため、会社に対する反抗の意味を込めたものだった。
  • 「お墓連鎖」
    • 『リンクの冒険』に『DQ』の勇者ロトの墓があった事からはじまり、『ファイナルファンタジー』にはリンクの墓が、『ケルナグール』には『FFII』のフリオニールの墓が隠されている。

いわゆる隠しコマンドや隠しキャラの意味で用いられることもある。
日本語で言うところの「裏技」は、イースターエッグ(意図的に仕込まれた隠し技)と、グリッチ(意図せず発覚した、不具合を悪用した技)に大別される*18
グリッチとイースターエッグの分岐点は「メーカーがその行為を容認するか否か」と言え、オンライン運営されるタイトルなら、即座に修正されたり、使用者にアカウント停止やロールバックなどのペナルティが課せられたりするならそれはグリッチであり、運営者が存在を認めながら容認されているならイースターエッグということになる。

e-Sports

「イー・スポーツ」と読む。「エレクトロニック・スポーツ」の略称で、コンピューターゲームを使った競技のこと。
高額な賞金がかけられた世界的な大会もあり、競技人口は5000万人を超えるとも言われ、スポンサー契約を結んでe-Sportsに出場するプロゲーマーも存在する。
日本では梅原大吾がプロゲーマーの1人として有名になるのと同時にe-Sportsという競技も知れ渡っていった。
体を動かさないのに「スポーツ」という単語がなぜ使われるのかと思われるだろうが、チェスや囲碁を「マインド・スポーツ」と呼ぶこともあるように「スポーツ」とは「ある一定のルールの元で行われる競技」という意味がある。
海外では盛んに行われ、高額な賞金が出ることもあるが、日本では興行や懸賞金における法律が複雑なことから*19、ゲームの大会では高額な賞金を出しにくい環境となっている。
この状況を打開すべく2018年あたりから官民合同でe-Sports環境を整備する動きが始まっている。

近年ではこれを明確に意識したゲームが見受けられ、ごく一部のプロゲーマーはともかく、(結果的にターゲット外とされた)大多数の一般ゲーマーから反感を買うこともある。
さらに日本では(TV)ゲームは「遊技」というイメージがいまだ根強いため、e-Sportsと言う言葉自体が揶揄の対象になることもあれば、前述のプロゲーマー優遇とも言えるゲーム仕様による(一般ユーザーから見た)悪影響もある。
そのため、e-Sports自体に反感を持ったり、プロゲーマーと呼ばれる存在を「(一般ユーザーが遊ぶゲームとしてみた場合の)害悪*20」と批判されることも少なくない。
また、e-Sportsという文化が認められるようになってきたのは良いが、業界団体による利権を巡った争いやe-Sportsの専門学校や部活動化が物議を醸す事もある。

E3

正式名称は「Electronic Entertainment Expo」で、アメリカのロサンゼルスで毎年6月頃から1週間程度開催される世界最大のゲーム見本市。
クリスマス商戦に向けた流通見本市という位置づけのため流通・報道関係者しか入場できなかったが、2017年開催からは有料で一般人の入場もできるようになった。
かつては新ハードや超大作ソフトはこのイベントで初お披露目となることが定番で、ゲーマーにとってはこれから1年のゲームの購入スケジュールが決まるようなイベントであった。
しかし、ゲーム開発期間が長期化するに伴ってE3のタイミングにあわせて毎年新作を発表することも難しくなっていき、いつ発売出来るかも分からない企画段階のタイトルをイメージPVだけ発表するケースが続出するようになる。
その結果、ついに2017年からは同じタイトルを発表できるのは2回までという縛りが導入されるに至り*21、それ以降はAAAタイトルの初報をE3ではなく自社のSNSから行うメーカーが増えている。
また、ハードを提供するプラットフォーマーも近年では「自慢の作品をE3で発表しても、他のメーカーの情報にのまれてインパクトが薄くなる」としてE3で新ハードのような大きな情報を発表することはむしろ避けられがちとなっている*22
だが、現在でもE3は今後のコンピュータ娯楽業界の動向を占うものとして重要視されている。近年ではネットを通じた映像配信も行われており、一般人でもリアルタイムで最新情報を入手する事ができる。
とかく感情を顕にするアメリカ人達が新作発表を見て歓喜の声を上げる映像は割と有名。

2020年は新型コロナウイルスのパンデミックによりE3が史上初の中止となり、「東京ゲームショウ」を含む他のゲーム見本市は全てオンラインイベントとしてネット配信された。
2021年になってもパンデミックは収まる気配がない為、2年ぶりとなる「E3 2021」は完全オンラインイベントとして開催され、それに伴いイベントの正式名称も「Electronic Entertainment Experience」に変更された。
しかし、翌年の2022年は感染力の強いオミクロン株の影響で再びE3が中止になってしまった。
さらに翌年の2023年は当初会場イベントが復活するとされていたが、任天堂・ソニー・マイクロソフトの3社に加えユービーアイソフトが不参加を表明した結果、2年連続の中止が決定。
このように、現在のE3は存在自体が危ぶまれる状況にある。

Summer Game Fest

前述したE3の史上初となる中止を受け、2020年から新たに始まったばかりのゲーム見本市。
世界最大のゲームアワード「The Game Awards」の主宰で知られる、ゲームジャーナリストのジェフ・ケイリー氏によって立ち上げられた。
一般的に会場でステージ等を行う他のゲーム見本市と異なり、このSummer Game Festは複数のオンライン配信で成り立っている新しいスタイルのイベントとなっている。
最初の2020年こそE3ほどのインパクトはなかったSummer Game Festだが、翌年の2021年は『ELDEN RING』の発売日発表と言ったビッグニュースで大きな話題となった。
逆に完全オンラインイベントだった「E3 2021」はニュースに恵まれなかった為、今後Summer Game FestがE3を超えるゲーマーにとってのビッグイベントとなる可能性は充分にある。

移植

ある機種のコンピュータ専用に作られたソフトウェアを、別の機種で動作するように作りなおすこと。
多くの場合では移植元を明かし、ユーザーからは「ほぼ同じゲームとして遊べるもの」と解釈される。
そのため、移植作は「オリジナル版の再現度」がひとつの評価基準であり、これにハード性能・ゲーム環境・時代性・追加要素などを加味したものが、総合的な評価につながる。
わざわざ同じものを出すくらいなので、元のゲームは大抵一定水準以上の人気作・注目作である。しかし、移植作の出来そのものは「移植に際して改悪」「移植元の問題点を放置」「何故かクソゲーを完全移植」といった地雷も潜んでいるので注意。
レトロゲームの時代*23に於ける移植は美術や音響・システムの再現が困難でも、オリジナル要素の追加・移植ハードへの操作の最適化・劣化を考慮したグラフィックやBGMの大幅アレンジなど、開発元のセンスを測る指標にもなっていたのが面白い部分でもある。
当Wikiでは、元と比較して無視できない劣化点を持つ移植作は「劣化ゲー判定」を付けているため、完全な移植でないからといって単に劣悪という訳ではない*24
また、その劣化点以外は問題なく、絶対的な評価としては良作レベルの作品も含まれるため、購入の際は「その劣化点を、自身が気にするかどうか」をよく見極めるべし。

一昔前はPCやAC用のゲームをCS機に移植すれば、性能の差が大きいのが原因で劣化するのが普通であったが、現在はCS機の高性能化が進み、それに応じてオリジナルの再現度も向上している。
CS機の性能がACに追いついた第6世代(DC/PS2/GC/Xbox)辺りから劣化移植は減少し、業務用とは遜色ない移植が当たり前となったが、皮肉にもそれが原因でアーケードゲームの存在意義が薄れてしまい、業界全体が衰退する一因となっている。
そのため、現代では移植というより復刻を楽しむ(『アーケードアーカイブス』等)という風潮がある*25
また、完全移植が当たり前になった現代だからこそ、ACとのギャップを楽しむ*26目的であえてCS版をプレイするという考えがある*27
現在でも移植作品に対する需要が全く無いわけではなく、AC/CSの両方で人気があったり、最初からCS機に移植することを前提に作られているアーケードゲームがある。

中には「ゲーム機上で仮想のゲーム機を動かし、そこで元のプログラムの動作を再現する」というエミュレーション移植もあり、レトロゲームの復刻*28で頻繁に行われている。
それでも、そのゲームに愛着を持つファンを満足させるハードルは高い。
例えばよく指摘される問題点に、入力デバイスや画面サイズの違いといった止むを得ない仕様変更に伴うものや、編曲や音源の差で生じるBGM、SEの違和感などがある。
エミュレーション移植でもエミュレーションエンジンのせいで、実機と動作や音色が変わってしまっている…というのはよくあるパターン。
また、一時期はAC→CSの移植で画面サイズの縦横比が大幅に異なるケースもあり、そういった4:3テレビ向けのアレンジ移植に際しゲーム性そのものの変化が免れなかった例も見られた。

ちなみに「移」と書くのは間違い。その書き方は対象が生物である場合に限られる*29

一枚絵

ゲーム用語では、イベントCGのこと。
キャラと背景などパーツを別々に描くことで組み合わせて使える汎用グラフィックに対し、画面全体を一枚のキャンバスに見立てて大きく描かれたものを指す。
また、「一枚」の言葉が示す通り「動画ではない」というニュアンスが濃い。

その作りの都合上目パチ口パク程度でも動かす事は難しいが、作画の融通がきき見栄えのするグラフィックを、労力的にもマシン的にも軽い負荷で表現できる。アクション要素が薄く絵に人気のある作品は、この枚数を売り文句に用いていることも多い*30
立ち絵をどうにかしようという研究も進み、Live2Dやe-moteといった2D画像をある程度簡単に動かせるミドルウェアも2010年あたりから展開されている。

女性向けゲームでは一枚絵を「スチル」と呼ぶ文化がある。語源は静止画の写真を意味する「スチル (still)」であり、動きのある映画・映像(シネマ、ムービー等)と対になる言葉である。

一本道

プレイヤーの選択肢が少なく、ゲームの進行が制御されている様子をやや批判的に表した言葉で、「自由度」の対義語として扱われる。
主にRPGのシナリオ進行でシナリオ分岐はおろか、寄り道やマップを戻ることすらできない時に使われる。
また、FPSのキャンペーンモードで決まった順路しか進めないことも揶揄して使われる。
海外ではほぼ同じ意味合いを指して「リニア (Linear、直線のという意味)」と呼ぶ。

「ゲームは自分の思い通りに操作できてなんぼ」という感覚でいるプレイヤーも多いことから作品の批判に使われやすい言葉である。
だが、一本道の作品にはプレイヤー側には「目的が分かりやすい」「物語に集中しやすい」「寄り道要素が少なくプレイが気軽」などのメリットがある。
また、開発者側には「フラグ管理やデバッグが容易」「ストーリーを作りやすい、見せやすい」といったメリットも存在する。
作品の方針上で意図的に自由度を下げたゲームや、(程度問題だが)一本道のゲームに抵抗のないプレイヤーも少なくはない。
一本道なだけなら単に人を選ぶ要素というだけであり、客観的に出来が悪いというならそれに「展開が単調」「手抜きっぽい」などのマイナス点が必要だろう。

芋虫

FPSにおいてほとんど動かずに屈みや匍匐状態のまま、敵が来るのを待つスナイパーの蔑称。「芋砂」「砂芋」あるいは単に「芋」などとも呼ばれる。
狙撃を主体とするスナイパー及び類似したロールは待ち伏せ主体のプレイスタイルの為、そのようなプレイヤーは珍しくない。
個人戦や防衛重視のルールはともかく、チーム戦かつ積極的に動く必要があるルールにおいては自分の点数稼ぎばかりで味方の勝利に貢献しにくいため、他のプレイヤーから忌み嫌われることになる。
ただ、近年は「芋」が一人歩きした結果「埋まっている=自分から動かない」という解釈から「キャンパー・角待ち=芋」という扱いをされたり、「低速回線・低スペPC」を意味する英語スラング「Potato*31」と混同され「下手くそ=芋」まで定義が広がりつつある。

語源は『Battlefield 1942』において活動していたクラン「m8s」の作ったMADムービー「芋虫の一日」から。
『BF1942』のスナイパー(ゲーム中では偵察兵の名称)は頭にカモフラージュ用の草葉を装備しており、匍匐して這っている姿が芋虫の様に見えることから来ている。

イラストレーター

情報の視覚化やコミュニケーションを目的とした絵を描く人物。
「絵師」とも呼ばれるが、絵師というとアマチュア・セミプロ的な印象を持つ人もいる*32。 ゲームでは、イメージイラストやキャラクターデザインを担当する人物を指す場合が多い。

有名な人物は『ファイナルファンタジー』シリーズを手掛けた天野喜孝氏・野村哲也氏・吉田明彦氏、『ドラゴンクエスト』シリーズに参加した鳥山明氏、『テイルズ オブ』シリーズの藤島康介氏・いのまたむつみ氏、『女神転生』シリーズと『ペルソナ』シリーズで知られる金子一馬氏・副島成記氏、『ストリートファイター』シリーズの安田朗氏・西村キヌ氏、『THE KING OF FIGHTERS』シリーズで名を挙げた森気楼氏など。
野村氏や金子氏のように制作会社所属の人物もいれば、鳥山氏や藤島氏のように外注の人物も多い。
また、漫画家やディレクターなど別の職業と兼業している人物も数多くいる。

人気のイラストレーターや漫画家の参加したゲームはそれだけで話題になる反面、イラストレーターの急激な変更は大きな賛否を呼ぶこともある。
これは特に歴史の長いシリーズやキャラクターを重視した作品に顕著である。

絵師

旧来は特定の分野に長じていたイラストレーターを○○絵師という形で表現していた(○○はその得意分野が入る)。
ゲーム関係では金子一馬氏の異名である「電脳悪魔絵師」が有名。
近年では、ネットから発生する形で絵を描くイラストレーター全般(特に人物絵を主にする人物)をひとまとめにして絵師と称するようになってきている。
ただし、公式的な媒体でこの表現を使うことはあまり無く、SNSでの印象から「絵師=アマチュア・セミプロ」のイメージも強く持たれかねない為、描く側・見る側共にこの表記を嫌う層も少なくない。

色違い

既存のキャラクターのグラフィックの配色(カラーパレット)だけを変更して別のキャラに仕立てたもの。「カラーバリエーション (カラバリ)」とも。

ただの色違いで大きくカサ増しできるため、特にデータ容量の制約がきつかった昔のゲーム開発において、色違いは非常に便利な存在であった。
もっとも、専用グラフィックと比べるとやはりインパクトの面では物足りなさがあるため、色違いが多いと「グラフィックの使い回しによる手抜き」と受け取られやすい。

ACTや格ゲーなどでは、複数のプレイヤーが同じキャラを使用した場合に区別をつけるため、色違いのキャラが用意されることがある。
この場合、色違いキャラのほうを「2Pカラー」などと呼ぶことが多い。近年では、配色パターンなどを好みに応じてある程度カスタマイズできるゲームも多い(『バーチャファイター5』『ボーダーブレイク』など)。
この場合は、色違いが豊富にあってもすべて同一キャラとみなすのが普通である。

Wonderland Wars』のように、敵味方を識別するための色違い(敵軍は青基調のモノトーン配色)と、色違いでの使いまわしから作成した派生キャラクターによる水増し(アナザーキャスト)の両方の意味での色違いが存在するタイトルもある。
Ver.2.0でさらに狭義のカラーバリエーションが追加され、ややこしいことになっている。

インカム

英語で収入を意味する「income」のこと。アーケード用語でコイン投入額、要するに売上のこと。
多くのアーケードゲームは一定額を1クレジットに換えて1ゲーム遊ぶので、「設定金額×遊ばれた回数」がインカムになる。
これの良し悪しは店側にとっての重要ポイントであり、よく伸びる人気作は多くの店に置かれ、なかなか伸びない地味な作品は撤去が早く広がりにくい。
インカムを即良作か否かを見分ける基準とはできないが、一般的にはコレが高ければ「メジャー」と、低ければ「マニア向け」とされる傾向にある。

1人あたりのプレイ時間が長くなると、その当人の満足度は高くともインカムは伸びない。こうしたジレンマは、アーケードゲーム制作の悩みの種となった。
90年代以降に1人用のシューティングゲームやアクションゲームを抑え込んで対戦格闘ゲームがブームとなったのは、多くのクレジットが短時間で回転する圧倒的なインカムも影響していると思われる。
もっとも、短期的なインカムが低くても長い目で見ると収入の安定しているものは、いつの時代も店の片隅でひっそりと堅実に稼働しているものである。

アーケードTVゲーム登場時から1プレイ100円(1コイン)が基本であり*33*34*35、消費税に便乗して缶ジュースが100円からじわじわと値上げされた現在でも変らない。
複数種の硬貨を判別し、場合によっては釣り銭も出す装置を全てのゲーム筐体に組み込むのは割りに合わないと言うのが理由であり*36*37、実際に前述の値段も一種類の硬貨のみを使用している*38
値上げしようとすると、50円の次は100円、その次は200円と倍々で上がってしまうため、悪印象を与えずに値上げする方法がいろいろ模索されている。
例えば、タイマー制で100円では1試合フル参加できない程度にしている(『ボーダーブレイク』)など。

利用者にとって不便な点があるとはいえ、今後の物価変動や消費税増税に対応しチャージ制を採用する動きもチラホラと出てきてはいる*39ので、今後の注視が必要な点であるといえる。

インディーズ

「Independent(独立系)」から派生した、大手(制作会社)に属さない集団・クリエイター・アーティストを指す言葉。「メジャー」の対義語として使用される。
ゲームにおいては、主に個人又は小規模のスタジオが制作した作品を指し、「インディーゲーム(インディーズゲーム、インディペンデントゲーム)」と呼ばれる。 様々なしがらみに囚われず、柔軟な発想での制作が可能である事が最大のメリット。

日本では「同人ゲーム(サークル)」という考えが一番近い。ただし上海アリス幻樂団のように法人格(株式会社香霖堂)を有しているサークルも存在するため、会社という形態を採用しない=インディーズとは一概に言い難い。
またポケモンの開発で有名なゲームフリークもインディーズを自称している*40

昔はPCゲームをショップに委託販売するような販売形態しかなかったが、インターネットを介したDLゲームが普及してくるとDL配信にシフトしていくメーカー(個人)も増えてきた。
パッケージ以上に玉石混淆でとんでもないクソゲーもあれば、大手メーカー顔負けのクオリティで評価の高いゲームも存在する。
また、大手メーカーと比べると販路で不利な点が挙げられやすく、販売戦略を含めて自社で販路を組み立てるのが難しいのが欠点となっている。
継続的に大手の支援を受けなければ、いくらゲームの出来が良くても実力未満の売り上げで終わってしまい、シリーズが中々続かないケースも多いのが課題となっている。

CS据置機においては第7世代でマイクロソフト(360)が初めてインディーズを取り扱い始めたが、続く第8世代ではソニー(PS4/PSV)がインディーゲームの配信に力を入れ始める。
そして、現在の第9世代においては任天堂(Switch)のニンテンドーeショップが数多くのインディーゲームの取り扱いを精力的に行っており、CS据置機におけるインディーズの活躍の場は世代と共に移り変わっている。


Wikipedia(ウィキペディア)

ユーザー誰もが自由に編集可能なオンライン百科事典。Wikiと略されることもあるが、本来「Wiki」とは主にWebサイト上に展開されるコンテンツ管理システムの名前であり、「Wikiで作られたEncyclopedia (百科事典)」だからこその「Wikipedia」である。
当然Wikipedia以外にも多数のWikiサイトが存在し、当「ゲームカタログ@wiki」も「atwiki」というシステムで動くWikiサイトの1つである。ジョークや内部ショートカット等で公認となっている。

方針上あくまで「百科事典」であるため、信頼できる出典に基づいた明確に正しい情報のみが記載を許される。そのため当Wikiでやっているような感想や批評・批判の記載は認められない。
さらに出典についても確固たる客観性・情報の検証性の有無が重要視されるため、客観的に検証可能な情報に寄らない情報は、たとえそれが事実であっても記載は認められない*41
つまり、世間的な見解としてクソゲーと周知されている場合であっても、それだけを理由に「クソゲー」などと書くと主観に基づく「独自研究」とみなされ、繰り返すようなら投稿ブロックを受けても文句は言えないのである。逆に言えば、きちんと信頼できる出典を示した上で「この書籍ではクソゲーと書かれている」といった形なら認められる場合がある。

上記のように編集上のルールが公式に定められてはいるが、誰もが容易に編集できるゆえに誤った情報や偏向的な情報、個人の見解が消されず残ってしまっている場合も多々あり、100%信頼できるとは限らない。

システム上は「Mediawiki」を使用している。当Wikiの使用する「@Wiki」に比べると、記事に関する個別のノートページがあったり、記事の存在する名前空間(記事名によるカテゴリ分け)ができたり、簡単にリダイレクトが作成できたりと非常に多機能。
一方で、アカウントを持たない利用者は編集前に警告される通りIPアドレスがバッチリ公開されてしまう*42ので注意が必要。

Windows

後にXboxでゲーム業界に進出するマイクロソフトが開発・発売しているパソコンのオペレーティングシステム。
とはいえゲーム業界への関わりはXbox登場前からあり、歴代Xboxやセガ最後のゲーム機であるDC、アーケードゲームなどかなりの機器のOSとしてWindowsの系統が使われている*43
そして、今日の世界最大のゲームハード・プラットフォームはWindows PCであると言っても過言ではなく、海外ではCS機ないしXboxよりもWindows PCでゲームを遊ぶユーザーが圧倒的に多い*44
Windowsは一般ユーザーにおけるデファクトスタンダードであり、組み込み機器を除けば大半の人にとっては人生で最初に触れるOSでもある。

そして多くのPCゲームはWindows専用のソフトであるため、PCゲーマーにとってWindowsは極めて重要な存在である。
2021年10月5日には「10が最後のWindows」と公言していたにもかかわらず最新版である「Windows 11」が正式リリースされた。
現在のWindowsは「サービスとしての Windows」というコンセプトのもと無償アップデートによるローリングリリースを提供する方針であり、要求スペックが許せばWin10からWin11へのアップグレードも無料で可能。

鬱展開

読んで字のごとく、暗く悲しい、悲惨かつ陰惨で思わず見ているこっちが鬱になってしまいそうなストーリー展開のこと。視聴者やプレイヤーの心にダメージを与えてくる。
全く鬱な雰囲気を持っていないゲームやアニメが突如上記の雰囲気を帯び始めた場合、この用語が使われる。最初から最後までほとんど鬱なゲームの場合は「展開するまでもなく、最初から鬱」なので「鬱ゲー」とくくられる。
一概に悪いものと断定はできないが、やはり見ていてあまり気持ちのいいものではない物が多く、その特性上好みが分かれやすい。
また安易に鬱展開を入れてそのまま後味の悪い結末でシナリオが終了してしまったりした場合は批判の的になる事が多い。

裏技

特定の手順やコマンド操作により、通常プレイでは起こらない現象を起こす方法。
大きくは以下の3通りに分かれる。
 1.開発者が意図してプログラミングした「仕様」であるもの*45
 2.開発者が本来意図した仕様ではないが、修正するほどではないと判断されそのままになっているもの。
 3.開発者の全く意図していない不具合。いわゆる「バグ技」のこと。
英語圏では「グリッチ (glitch)」と呼ばれる。
なお、あくまでメーカーから発売されたゲーム自体の挙動がそうなっており、ゲーム機のみで普通に遊んだ場合に発生するものを指す。
プレイヤー側が外部から本来あり得ない命令を出させる「チート」や、ゲーム自体の「改造」とは全くの別物である。 かつてはチート(改造)も裏技と呼ばれる事があった*46が、オンラインゲームが一般的になりチートの問題点が広く理解されるにつれて、「チート」が「裏技」と呼ばれる事はほとんど無くなった。

80年代前半における影響力は絶大であり、今では考えられないことだが、裏技を発見して投稿することがあらゆるゲーム雑誌のキラーコンテンツであった。
たいていの場合は何らかの形で景品が懸けられており、中には懸賞金*47までかけられていたことすらあった。
一例を挙げると、ハドソンのFC版『ロードランナー』で「ハシゴの上で右手が上の状態で静止していると敵がすり抜けて死なない」というバグがあった。
だが、「致命的な不具合でもないし、ソフトを回収していたら会社が倒産してしまう」ということで開き直り、小学館とグルで「裏技」と言う事に仕立て上げたのだと高橋名人は証言している。

エレメカでは、筐体を揺する、傾ける、殴打するなどのイカサマ*48でゲームクリアしようとする行為を指すこともある*49

売上

事業の損益計算における主要要素の1つ。ゲーム業界でいうならば「売上本数×単価」となる。
ゲーム関連のネットスラングでは単純に売り上げ本数を指す事が多い。
日本では出荷すればメーカーとしては確定であるが、返品制度のあるアメリカでは不出来であれば大量に返品されて売り上げを落とすこともある。
大量返品でメーカーが経営危機に陥ることも珍しくなく、大規模になるとアタリショックなど業界の存続自体を揺るがす事態にもなる。

一口に「ゲームソフトの売上」と言っても「企業視点での売上」と「ユーザー視点での売上」では意味合いが大きく異なっているので注意。
企業視点では、例えば「10万本売ってようやく開発費回収、売上目標は30万本」といった規模のゲームだと20万本売れても失敗作扱いされる可能性がある一方で、「1万本売れれば開発費回収」出来るような低予算ゲームなら10万本でも大成功と言える。
また、製作期間や価格にもよるが、アマチュアの個人製作ゲーム(いわゆる同人ゲーム)なら1000本程度でも大成功だろう。
近年のソーシャルゲームの隆盛には「(コンシューマーの大作ゲームよりも)開発費が安い」と言う企業側の都合も大きい*50

ユーザー視点では前述の売上本数を指している事が多い。
しかしその売上本数からして基本的に集計媒体の協力店の小売から送られてきたデータを元に統計をシミュレーションしたものであり、正確とは言いづらい。
ネット通販大手のAmazonは集計に協力しておらず、ダウンロード販売の割合も昔より大幅に増えているため、なおさら信ぴょう性が薄れてきている。
市場に出回った数の大小や作品評価の一つになっていることもあるが、人気の指標に使おうにも、前評判の高さ、特典商法、シリーズや原作のネームバリュー(安心買い)で売れたソフトも数多くある。
そのため、評判が広がって売り上げが伸びたタイプ以外はあまり参考にはならない。
要するにユーザー的にいえば、「売上」はあまり議論のしようがない話なので、なるべく触れない方が無難。

近年では、ソフト(基板)代金以外からも売り上げを得ようとする流れが多くなってきている。
アーケードゲームの従量課金(インカムに対して定率の料金をメーカーが徴収する)、基本無料でPtWの課金重視ソーシャルゲーム、DLC(ダウンロードコンテンツ)、などがその典型。

オンラインゲームやソーシャルゲーム、TCAGでは売上がサービス存続か終了かにほぼ直結する。
買い切りゲームとは違い、サービス終了されるとソロプレイさえ不可能とって有料データやカードが文字通り紙屑か無と化す事から、ユーザーが常に気にする話になっている。
しかし「明らかに損益が見てとれる」様な状況でもない限り、こちらもユーザー側では議論のしようがないのが現実である。
スマホアプリならGoogle PlayやApp Storeのセールスランキングがあるが、金額ではなく一定期間内の順位という相対的な指標しかなく、順位も刻々と変化している。売上が特定の期間にのみ集中していることも多く短期期の順位上昇とそれ以外の期間の降下を総合的に判断する必要があり、売上金額を予測しているサイトも実際とは誤差がかなり大きく、ユーザー側が売上金額を正確に窺い知ることは難しい。

出荷

メーカーが卸売に出荷した本数。売上が第三者機関による調査であればこちらはメーカーが直々に発表する数字。
ソフト販売直後やメーカーの株主総会の時に「◯◯万本出荷」という実績として語られることが多い。
あくまで「出荷」であり、「販売」ではないのだが、返品制度のない日本のゲーム業界では出荷の時点でメーカーの売り上げが確定する*51
一方で小売店での売り上げは確定していないので、出荷数の割に宣伝が足りなかったり*52、販売後に評価が落ちるとそのままワゴンセール行き…なんてことも珍しくない*53

生産出荷

製品が工場から自社倉庫に出荷されること。
売上が発生しないため何の意味もないが、農家以外ではソニーが2007年3月期までの決算発表において、この言葉を使用していた*54

消化率

メーカーが出荷した本数のうち、どの程度売り上げたかを示す数値。売上と同じく小売店からの情報を元にシミュレーションした数値なのであまり正確ではない。
本来 消化率を一番気にするのはメーカーでもユーザーでもなく小売店。 売れ行きが良ければ再発注をし、悪ければ値下げを検討しなければならない。
消化率が70%を上回ると全国で品切れが目立ち始め、手に入りにくくなると言われる。逆に消化率がよろしくないと需要に対して過剰出荷されてしまい、値崩れを起こす前兆とみなされることも。


映画

何かとゲームと関わりの深い映像媒体。明治・大正期の呼称で「活動写真」なんて言い方も。
「映画を元にしたゲーム」「ゲームを元とした映画」ともに古くから存在し、いずれも名作から駄作まで玉石混淆である。

一般的に映画というのは、多くの優秀なスタッフ・俳優(声優)が集まり、莫大な製作費をかけて制作されるため、創作の花形として語られることもある。
故に「映画並の製作費」「映画の様なCG・音響」「映画で活躍するクリエイターを起用」といった宣伝文句が付けられる事もあるが、制作規模が肥大化した現代のゲームでは珍しい事ではない。特に大手メーカーによる作品であれば尚更である。

映画は多額の制作費が掛かるため、そのリスクは大きく、日本一ソフトウエアが『流行り神』の映画化を委託した会社が倒産して、映画化のために掛けた資金が回収できなくなり、当時製作予定だったゲームの開発を数本凍結せざるを得なくなるなど、経営に影響を与えた。
また、1998年以降毎年公開されていた劇場版『ポケットモンスター』は2020年12月公開*55の『劇場版ポケットモンスター ココ』を最後に新作映画が製作されておらず、事実上の凍結状態である*56

「映画とゲームの融合」というのは某メーカーがよく口にしていた事だが、ファン層がだいぶ違うのでそれを期待する人はそう多くない。
実際はゲームメーカー、映画配給会社共に幾度となく試みたが、そのほとんどが商業的な意味も含め痛い目を見て終わっている。
「映画のようなゲーム」は総じてTRPGでいうところの吟遊GMが仕切る卓の如くプレイヤーが介入している実感がほとんどないものになる(例:LDゲーム)。
そして、「ゲームのような映画」は中途半端な介入要素を入れる(投票によるストーリー分岐等)ことで作者のメッセージがまるで伝わらない(不出来なビジュアルノベルのような)作品になってしまう。
また、ムービーシーンが多く、自分でプレイできる場面が少ないゲームは「映画」と揶揄されることもある。

一方、スタッフ個々で見るとゲーム・映画の双方で実績を上げているクリエイター、俳優も多い。

永久パターン

アクションやシューティングゲームにおいて、プレイヤーがやめようとしない限り半永久的にゲームをプレイし続けられる方法の事。
略して「永パ」であり、当て字で「A級」等とも呼ばれる。
主に「特定の位置に移動してショットボタンを連射したまま固定」「スタートと共に特定のパターンで自機を動かす事で、どの面でもクリア可能」等、操作さえ覚えれば誰がやっても永久になるものが対象となり、
グラディウス』等、極めれば何周でも出来るループゲームの場合「実力永パ」と呼ばれる。

永久パターンが発覚した場合、下記に挙げる様々なデメリットが発生する。

  • まずスコアアタックにおいて:永パによる無限稼ぎが発覚した場合、「限られた機会での得点を突き詰める」というプレイスタイルは完全に台無しになってしまう。そのため、雑誌などで行われるスコア集計はほぼ打ち切られている。 プレイ模様をチェックできるシステムがあれば良いが、そうでなければスコアはほぼ無価値となり、ランキングも成立しなくなる。
  • 次にゲームセンターにおいて:ACG・STGでこれが見つかると、1回分のプレイ料金で本来の想定時間よりも遥かに長くゲームを独占できてしまう。
    「インカム」の項目にもある通り、1プレイの短さ=回転率は店の利益に直結する大問題である。1プレイ100円で数時間以上粘られてはゲーセン側としてはたまったものではない*57
    こうした数々のデメリットがあるため、あまりにひどい場合は無償のROM交換やパッチが当たることもある。

また、過去作では「シーンごとに時間制限(ボス自爆タイマー)を設ける」「永パ防止キャラを登場させる」といった手段で強引に終わらそうとしたり、時間経過に応じたペナルティを課すなどして永久パターンの優位性を引き下げている。
しかし、「バグで防止機能が働かない」「永パ防止キャラが延々とかわされる・倒せてしまう」などの抜け道が生まれてしまい、結局永久パターンが成立してしまったゲームもある。

永久コンボ

格闘ゲームにおいて、プレイヤーがやめようとしない限りは延々とつながり続ける連続技のこと。最後まで繋ぎきったとき、またはその前に敵の体力が尽きるコンボ(10割コンボ、即死コンボ)とは似て非なる。
格闘ゲームにおける永久コンボはゲームバランスの崩壊、および対戦ゲームとしての魅力そのものの失墜に繋がる。
本来は対戦者同士のインタラクションを繰り返させるはずなのに、決着が付くまで延々と攻撃し続けられる一方的なバランスになってしまえば、対戦ゲームとしては致命的であるからだ*58
とあるゲームでは「ユーザー間の打ち合わせにより、ほぼすべての永久コンボ禁止」というルールで全国規模の大会が行われたこともある。 過去にはあまりにひどい場合、メーカーによる無償のROM交換が行われる場合もあった。また、通信インフラが整った近年の格闘ゲームにおいては、逐次パッチを当てることで対策済みの新バージョンに強制的に切りかえるのが主流となっている。
一方で全キャラに永久コンボがあるので一周回って人気が出る、なんて事もあるが、それはまさに「例外中の例外」というべきレアケースである。そしてそこまで来ると「永久コンボ=基本コンボ」なので極端にハードルが上がり、「(永久コンボの出来ない)初心者お断り」作品になってしまうのも必然になってしまう。

AIM(エイム)

「aiming」の自動詞で、銃や弓等で的を狙っている様子、転じてFPSにおいて狙ったところに上手く当てる技術力の呼称(例:AIMが上手い)。
激しく、かつ精密なアクションを要求され、対戦プレイヤーに上手く当てる事が難しい故にFPSが敬遠される要因の一つでもある。
最近の家庭用FPSではオートエイムなどある程度サポートする機能が付いていることが多いので、FPSのハードルは下がりつつある。

SF

本来は「サイエンス・フィクション」の略。未来世界の科学に振り回される人間の悲哀を描くものを指すことが多い。
そのサイエンスフィクションで宇宙旅行(宇宙戦争)を扱った物が多数登場し、「スペース・ファンタジー」の略ともされるようになった。こちらの意味では「竹取物語」が元祖だと日本では主張されている*59
娯楽作品としてはかなりポピュラーな題材であり、日常的にSF作品が多数リリースされている時期も存在した。その「定義」に関しては非常に面倒なことになっていたりするのだが、ここでは割愛する。

fps

frames per second」の略。ゲームのグラフィックを表示する際に、「1秒間に何枚の絵を表示、もしくは書き換えられているか」を表す単位。
例えばfpsが60のゲームの場合、1秒間に60回描画処理がなされていることを意味する。当然ながらfpsが高いほうが滑らかに動いているように見えるが、その分マシンにかかる負担も大きくなる。

また、上から転じて、「フレーム」という単語が「そのゲームにおけるゲーム内時間の最低単位」を指す言葉としても用いられる。
とある格闘ゲーム(fps:60)にて「ボタン入力から攻撃判定発生まで15フレーム」とあった場合、発生までにかかる時間は15/60秒、つまり約0.25秒であると言い換えられる。

あくまでも「描画処理が」であり、描画処理とコマンド処理以外についてはfps以上の速度で処理されている事が大半である。
近年TAS業界で話題となった「サブフレームリセット」は、描画処理フレームより細かい単位(サブフレーム)でリセットを掛けることにより、セーブデータを意図的に破壊するテクニックである。

ただし大半のゲームは基本的に60fps以上の設定といえど、処理能力の限界で設定されたfpsが維持できないこともある。
例えばキャラが一度に多く登場するゲームだと、最新鋭グラフィックボードを積んだPCで動かさない限り実際に60fpsを維持できているのは小規模なゲームモードぐらいであろうとされる。
音ゲー・格闘ゲームを筆頭にタイミング取りのシビアなアクションゲームで、fpsが維持できないのはかなり致命的になる。
このため、特にPS3の時期に登場したAC/CS作品では初めからfpsを落として安定しかつ公平な環境を優先することが多かった*60
しかし主流となったPCベース基板ではメーカー側の努力だけでfps落ちを防ぐのは意外に困難となっている*61為、同期だけ取れればOKと割り切ることも増えた。
PCゲームでは、リアルタイムにfpsを表示する機能の付いたソフトが古くから多く存在する。
時間制限のない同人格ゲーではタイム表示の代わりにfpsが表示されていたりというケースも。
しっかりと作られた音ゲーでは画面表示とは別に内部判定を持っていて、1フレーム未満のシビアな判定が内部的にはきっちりなされているケースもある。
だが、処理落ちが入力判定に影響しないとは言い切れないため、やはり処理落ちが起きないことに越したことはないだろう。

一時期、人間の目は60fps以上を認識できないというのが常識であり、それを根拠に標準のリフレッシュレートが60fps=60hzと定められた。
しかしながら「やっぱり60fps以上も認識している」という研究が広まったことで、ゲーミングモニターなどの高品質モニターは120hzや144hzといった高速駆動液晶を搭載するようになった。
ただし60fps以上を出すには出力側もそれに伴ったマシンパワーが必要となるため、普及はなかなか難しいかもしれない。

なお、ゲームジャンルの「First Person Shooting (FPS)」と区別する為、こちらは全て小文字で「fps」と記されることが多い。ただし絶対ではないので、どちらを指しているのかは文脈から判断する必要がある。
ゲームジャンルのFPSに関しては当該項目を参照。

エミュレータ

特定のコンピュータの動作を模倣するソフトウェア。「emulate (真似をする)」という英単語からきている。
古くなったり大掛かりであったりするオリジナルの装置をエミュレータにより代替する事で、利便性の高い動作環境を実現できる。

ゲーム業界での代表例は、現行ハードで過去のゲームを遊べる「バーチャルコンソール」「ゲームアーカイブス」などのゲームソフト配信サービス。
また旧ハード対応のソフトが動作するPS2は、PS1のエミュレータ*62を内蔵しており、そのおかげで(ごく一部のソフトに動作不良がありつつも)世代交代に際し過去のソフト資産を持ち越す事ができた。
有限会社M2は、元のスペックを超える仮想ハードのエミュレータを使った移植を得意としている。
例えばセガ3D復刻プロジェクトでは背景画面の多段表示&奥行き情報保持が出来る3DS向けメガドライブエミュレータ(通称「ギガドライブ」)を制作し、この上で元のシステムプログラムは無変更で、グラフィックプログラムに3D情報を載せて動作させていた。
ちなみにGBAでGB、DSでGBA、3DSでDSのゲームが動かせる下位互換機能にはエミュレーションを使っておらず、CPUを含めた内部回路自体を旧仕様用に切り替えて動作している*63*64

上記の例は元の装置を制作したメーカー公式のエミュレータだが、インターネット上には有志作成の非公認エミュレータも多く公表されている。
その多くがPC対応であり、ゲームソフトのROMイメージを始めとするデータファイルを別途用意するとゲームが動作する。
ハードウェアエミュレーターである「レトロフリーク」や、MEGA-CDのCDドライブ部分をエミュレーションする「MEGASD」等、PC以外で使用するエミュレーションシステムも無いとは言い切れないが。
これらも便利である反面、非公認のエミュレータは道義的・法律的な問題点とも多く関係しており、安易に話題に出すことは非推奨である。
エミュレータの開発自体は、実機の動作をリバースエンジニアリング*65したものであれば認可されていなくても諸々の事情から合法*66とされる。
ROMイメージは、プロテクトのかかっていないものを対象に自分の所持品から作成して自分だけが使うなど、私的複製として認められている範囲内での利用ならば合法。
ただし、利用は自己責任で。

しかし、これらに反した違法行為が確認されていることも現実であり、製品版から非公認に吸い出されたであろうROMイメージやBIOS(ハードウェアが固有に持つ基本プログラム)データが、無許可でアップロードされたり売られたりしている。
また最近では見られなくなったがDL規制強化前に出版されたエミュ関係書籍では、当然の如く違法DLサイトの紹介が載っていたりもした。
エミュレータは「ゲームを不当に格安で遊ぶ」などという不届きな使い方をするものではないことに留意されたい。
少なくとも、実機ROMや吸い出し機器を持っていなかったり、その入手ないしは使用方法を問われても答えられないようでは違法行為を行っているとされても文句は言えない。

ちなみにメーカー側が非公認エミュレータの開発者を相手に裁判を起こした例もある*67
海賊版対策の兼ね合いもあるものの、非公認エミュレータが台頭し始めてからは「プログラムの解析・複製(ROMイメージの吸い出しも複製行為に含まれる)を禁止する」等とパッケージや説明書に記載していることが増えた。
違法でなくとも、解析やROMイメージを吸い出す行為そのものも万人から認められているわけではない(ライセンス違反の場合もある)ことにも留意されたい。

また、昔の作品ではハード的な制限もあってか不親切な点が多く*68、それらを全く調整せずにそのままベタ移植されると現代のプレイヤーが面食らう事も。それを揶揄して「エミュ」と表現する人も居るらしい。

MMO

Massively Multiplayer Online (大規模多人数参加型オンライン)」の略。
オンラインを通じたマルチプレイの一種で、ゲーム毎に一定人数でセッションを組むのではなく、1つのサーバに常時多数のプレイヤーが出入りしているゲーム。不特定多数ではなく、特定人数で区切る場合はMOと呼ばれる。
MMOの金字塔である『ウルティマオンライン』の影響でMMOというとRPGという認識が強いが、FPS等の他ジャンルでMMOを実装したものも存在する。
一つのサーバを多くのプレイヤーと共有するためサーバ=世界とみなし、仮想現実空間の先駆けとなった側面もある。

MVS

1990年にSNKが発売したアーケードシステム基板*69。正式名称は「Multi Video System (マルチビデオシステム)*70」となっている。
家庭用ゲームハード「ネオジオ」と同一のハードスペックを持つため、「業務用ネオジオ」などと呼ばれることも多い。
また、カートリッジ形状とBIOS以外は完全互換なので、MVSに家庭用コントローラーを接続することも電気的には可能(接続端子を持つ基板もある)。
また特殊ハーネス(いわゆるゲタ)を使用して家庭用のカートリッジを業務用基板に、もしくはその逆に接続することも可能で、その場合でもBIOSを参照して本体に合わせた動作を行う*71

最大の特徴は、それまで家庭用ゲーム機の特権だったカートリッジスロット形式の実現、及び「1台の筐体に多数のソフト(最大6本)を内蔵し、専用ボタンで切り替えする」という機能の搭載。
これらは限られたスペースにできる限りのゲームを設置したいゲームセンターなどの側にとって非常に頼もしい専用筐体となった。
そしてここで開発したゲームを、100%の移植度ですぐにネオジオに発売できるという強みもあり、アーケードマシンと家庭用マシンの性能に大きな開きがあった当時では革新的な機種でもあった。
ただし、初期はアーケード版と家庭用版でソフト価格が同額に設定されていたことから、アーケードゲームとしては破格の安価であると同時に家庭用ゲームとしては目を剥くほどの高額であったという事情があったため、一時期家庭用レンタルも行われた。
設置を希望する店舗に無償で筐体を貸し出し、その収益の一部を回収するという独自のレンタル販売戦略も功を奏し、格闘ゲームを中心に爆発的な勢いで国内外に普及。
全盛期にはデパートやスーパー、宿泊施設などのゲームコーナーから駄菓子屋の店先まで、街の至る所でMVS筐体の姿が見られた。
おそらくアーケード史上最も成功した汎用ハードと言えるだろう。

SNKはこの成功によって一時は業界を牽引する大手メーカーに急成長。
MVSとネオジオは約15年にも渡って現行機であり続けた超長寿ハードとして役目を全うし*72、現在でもコアな格闘ゲーマーの集まるゲームセンターでは汎用筐体の中で元気に稼動している姿を見かけることができる。
ただし「4スロット全てにROMを刺すと起動しない」「特定の2タイトルが同時に刺さっていると起動しない」等流石に基板の衰えを隠せないケースも出てきている。
そのため、逆に前述の汎用筐体向けの1本挿し基板(MV-1系統)の方が未だに現役稼働しているという現状になっている。
また2本以上のソフトの切り替え設定にした場合、2P側での単独スタートが出来なくなるという仕様があり、対戦台として扱うにはMV-1の方が便利というのもある。

ネオジオの優れた設計思想はサミーの「ATOMISWAVE」等を経て、現在においてはタイトーの「NESiCAxLive」やセガの「ALL.Net P-ras MULTI」に、exA-Arcadia PTE.の「exA-Arcadia」に受け継がれ、進化している。

エンカウント

コンピューターRPGにおいて、移動画面(フィールド画面)上で敵と遭遇し、移動画面から戦闘画面に移行する事を指す。
なお、エンカウントという言葉はいわゆる和製英語であり、本来は「 encounter (エンカウンター)」が正しい綴り。*73
Wizardry』において敵との遭遇時に「an encounter」と表示されたのが元祖と思われる。

大まかに分けると下記のタイプに大別される。

  • ランダムエンカウント…非常にポピュラーなタイプ。移動中に「エンカウント率」が設定されており、歩く度に判定が入り、一定確率で戦闘に入る。
  • タイムエンカウント…歩くだけでなく実時間の経過とともにエンカウント発生の判定が行われているタイプ。
  • シンボルエンカウント…ハード性能の発達により増加したタイプ。移動画面に敵のシンボルが表示されており、それと接触する事で戦闘に入る。
  • プランドエンカウント…特定のオブジェクトを調べたり、特定の地点に足を踏み入れると強制的に戦闘に入る。イベントの一環。

エンカウント発生率のバランス調整は、CRPGの評価に直接関わる重要事項である。
ランダムエンカウントの確率設定は、単純に「何%で当選」とすると“最初の1歩”が最も当選しやすく、感覚的なエンカウント回数は想定していた水準よりも遥かに高くなってしまう。
その為、戦闘後一定歩数はエンカウントしない、歩数ごとに徐々に確率を上げるといった工夫が必要になるため、見た目以上に調整は難しい。
もっとも確実に解決する方法として、「戦闘終了後に次回エンカウントまでのカウンターを一定範囲内から抽選で決定して、歩く毎に(地形に設定された数値に応じて)カウンターを減らし、0になるとエンカウント」といった天井方式での抽選が挙げられる。
シンボルエンカウントは、シンボルの数・位置・動き・種別・サイズといった様々な情報が目に見えるので、シンボルの背後から接触すると有利な条件下で戦える(逆もまた然り)、接触した時近くに別の敵がいると連続で戦う*74等、移動中での立ち回りを戦闘に反映させる要素を多くのゲームが採用している*75
いずれにせよ、プレイヤー側の不利が過ぎればストレス要因となり、有利過ぎても「なかなか戦闘が起こらない、ヌルい」と批判されやすい。強制以外のエンカウントでは、「確率を上げる、または下げる」「好きな時にエンカウント」「特定の手段で確率をゼロにする」等々、プレイヤー側で戦闘頻度を調整できる様々な手段が考案されている。『ポケットモンスター』シリーズなどのようにエンカウント率に介入するアイテムやスキルを用意されていることもある*76

ちなみに、アクションRPG*77に代表される、エンカウントの概念そのものが無く移動と戦闘を同一画面で行うものは「シームレス形式」とも呼ばれる。

エンドコンテンツ

主にMMORPG等で使われる「最果てに位置するコンテンツ」という意味の言葉。
メインストーリー等を終えたプレイヤーを引き止めておくために用意されているコンテンツ。
そのため必然、高難易度であり初心者が到底挑める内容でないことが多く、その分報酬も良いモノが用意されていたりする。
しかし、中級者~上級者であっても脱落してしまう程の高難易度だったり、プレイヤーに不利な要素ばかりを追加する調整だったり、運の要素が強すぎる物であると物議を醸しやすい。
飽きず・理不尽さを抱かせずに繰り返し遊べるエンドコンテンツを用意できるかどうかがサービスの寿命をも左右すると言っても過言ではないので、ある意味ではMMOにとって重要な花形コンテンツである。

エントリーカード

アーケードゲームで用いるプレイデータを保存するカード。コナミの「e-AMUSEMENT PASS」が有名だが、同社だけで見てもこれ自体が初出ではなく各機種に存在していた。

かつてはカードそのものにデータを保存する磁気カードが主流だったが、破損するとデータが失われるデメリットがあった*78ため、現在はカードを鍵として各メーカーのサーバーに保存されたプレイデータをダウンロードするICカード方式が主流となっている。
初期のものは一定のゲーム専用(『ゴーストスカッド』等)だったり回数制限があったり(『悠久の車輪』『戦場の絆』等)したが、現行のe-AMUSEMENT PASSやAime・バナパスポートカード、NESiCAカードと言った代表的なものは回数無制限かつ複数のゲームに対応している。
しかしその分カード代金やサーバー維持費がかさむため、ゲームセンター側が負担する金額も大きい。
カード販売自体はゲームセンター側にはほとんど利益がない*79。このため、サブカの範疇を超えたレベルのカード消費*80は店舗側にとってはありがたくない。
カードベンダーにも数万円~数十万円の投資が必要で、その回収をカード販売だけで行うことはまず不可能なことにも注意が必要。
e-AMUSEMENT PASSの定価は400円だが、300円で売っていたり500円で売っていたりするのは少しでも在庫を減らしたかったり、逆に少しでも利益を乗せたかったりという意図が見られる。

カードのデザインはメーカー・ゲームによってまちまちだが(『バトルギア3』に至ってはカードではなく車のエンジンキーを模した鍵型のドングルになっている)、お気に入りのデザインのカードを手に入れる為に自動販売機で延々カードを買い続けるユーザーも少なくない。

アミューズメントICカード

当初はコナミ・セガ・バンダイナムコの3社によるアーケードゲーム用エントリーカードの統一規格だったが、その後タイトーも参加を表明している。
プレイヤーから見ればこの4社いずれかのネットワークを利用しているタイトルのエントリーカードを、他3社のタイトルにも使い回せると考えて差し支えない*81
ただしデータを1枚のカードにまとめるには各社のネットワークサービス関連サイトでの手続きが必要*82
現状では複数のカードの機能をまとめるメリットはセガの一部タイトルにおいてプレー料金を(同じカードを使って)PASELIで払える程度。

ただし、NESiCAは筐体側リーダーのハード仕様が他3社と異なる*83ためかデータを引き継ぐと未対応タイトル*84で使えなくなるという問題がある。
そのため、NESiCAに限り「同じデータにNESiCAとアミューズメントICのどちらでもアクセスできる」という形にすることで、非対応タイトルでは引き続き以前のNESiCAでプレーを続行できるようになっている。


王道

1.紀元前にペルシア帝国が建設した幹線道路。広く便のいい道路だったので、そこから「近道」「安易な方法」といった意味で用いられるようになった*85
2.孟子が唱えた「仁徳を以って統治すべし」という君主の心得。逆の意味は武力で統治する「覇道」である。
3.[1]から転じて「正攻法」「定番」といった意味。「古典的」とほぼ同意。

創作物における話題では、主に[3]の意味合いで使用される。 要は◯◯といったジャンルを思い浮かべたときに大勢の人が想像するであろうものを指す。当然振れ幅はあるので人によってはこれでは王道と呼べないと反発する場合も。
変化球ばかりのゲームジャンルに飽きがきたのか、古き良き時代の王道に回帰する向きも出るという循環を経ている。

ゲームの世界では2010年代に入ってから「王道RPG」もしくは「王道ファンタジー」というジャンルを名乗る作品が増えていったという現象がある。王道という一般用語が「ゲーム用語」としてここに載せられているのはそのため。
2015年~2017年あたりは特にスマートフォンのゲームアプリで「王道RPG」という紹介がつけられるものが有象無象と出現し、アプリの紹介サイトなどでは「王道RPG」を作品傾向ではなく一種のゲームジャンルとして扱われるほどとなった。
いわゆる「アクションRPG」や「ローグライク」と同じように「王道RPG」という言葉が使われたのである。

「王道RPG」とはいかなるジャンルなのかは細部は異なるが、多くの紹介サイトで統一した見解として「剣と魔法が主体のファンタジー世界」「仲間とともに冒険をして世界を救う物語を体験できる」「コマンド式バトルの採用が多い」「世界観はダークではなく比較的明るめ」というものがある。
つまり端的にいえば、JRPGの作風概念をライト層に対してポジティブなニュアンスで伝えるために「王道RPG」と表現しているということである*86

剣と魔法の世界

剣と魔法のファンタジーとも。英語では「Sword & Sorcery」と呼ばれ、ゲームのみならずアニメやマンガでも代表的な世界観の1つ。
元を辿れば小説家トールキンによる『指輪物語』がベースとなっており、中世ヨーロッパ風な風景にモンスターや精霊など、おとぎ話がミックスされた架空世界であることが多い。和風や無国籍風な世界観も少なくはないが、大半はそれ以上に『ドラゴンクエスト』『ファイナルファンタジー』シリーズの影響が色濃い。
機械は出てこないこともあるが、超古代文明のロストテクノロジーとして出て来たり、スチームパンクのように日常風景になっていたりすることもある。
あくまで「中世ヨーロッパのファンタジー世界」なので、「中世ヨーロッパにジャガイモがあるのはおかしい」とか「この時代にあれがあるわけない」とかいう突っ込みを入れると「じゃがいも警察」「史実厨」と逆に馬鹿にされる事となる。そもそも現実の中世にドラゴンやスライムは存在しないし*87、魔女どころか女戦士でさえ火炙りの刑である*88

近年では投稿サイト『小説家になろう』において人気を博している世界観という事もあり「ナーロッパ (ろう+ヨーロッパ)」という通称も浸透している*89

オーバーキル

「やりすぎ」を意味する英単語「overkill」から、相手の体力の数値以上のダメージを与えること。
一部のゲームではオーバーキルで倒すことでレアアイテムが手に入ったり、経験値にボーナスが入ったりというゲームシステムとして組み込まれていることもある。
対戦ゲームなどでは倒れた相手にしつこく攻撃することは「死体蹴り」と言われオーバーキルとは区別される。

オーバーフロー

メモリに格納されている数値に対し演算を行った結果が、その数値を格納している変数の型で表せる範囲外の値になること。「オーバーフロー (overflow)」とは「あふれる」という意味。
ゲーム上で起こる現象としては、数値を大きくしていくと突然0やマイナスに、0を下回った数値がとんでもなく大きな数になってしまうという形が一般的で、厳密には算術オーバーフローと呼ばれるもの。
上限を超えることをオーバーフロー、下限を下回ることをアンダーフローと区別する人もいるが、このアンダーフローの用法は誤用である(後述)。

攻撃力に絡むパラメーターが高い状態になることで(攻撃力上昇効果によるケースも)ダメージが激減してしまう、残機を増やしすぎてその後1回のミスでゲームオーバーになってしまうといった不具合、
カジノのコインを大量に買うと激安になる別のバグにより持っていないことになっているはずの宝石を売却することで大量に所持している状態にする裏技などはオーバーフローが原因のバグである。

単純に上一桁が切り捨てられて00に戻るというならば不具合はあるにせよ問題は少ないのだが、溢れた桁が他の領域に突入してしまうとゲーム自体がバグってしまう。
これは「バッファーオーバーラン」などと呼ばれており、軽度のものだと「アイテムが隣の物に変化するor隣のアイテムの個数が変わる」程度で済むが、重度の物だと「プログラム領域に突入してしまいゲームがクラッシュする」となる。

アンダーフロー

浮動小数点数という小数を扱える形式の数に起こる不具合で、簡単に言えば、小数同士を掛けて数値がゼロに近づきすぎるとうまく表現できずゼロ扱いしてしまう現象。
小数、それも普通は0.001(千分の一)を10回掛けてもまだ起こらないくらいのものなので、ゲーム上で扱うような数字とはまず無関係。
例えばC言語のfloat型浮動小数点数型は「1.175494×10-38乗~3.402823×10+38乗」を表記可能である。
これでアンダーフローを起こすには0.001を13回掛け合わせる必要がある。
さらに大きいdouble型であれば「2.225074×10-308乗~1.797693×10+308乗」となり、0.001×0.001は103回繰り返してやっとである。

…なのだが、「変数の値がその型で表現できる最低値を下回り、予想外の大きな値に変化してしまう」という、下限を下回るタイプのオーバーフローを指す形で誤用されるケースがある。
この場合でも正しくはオーバーフローであり、区別する場合は「負のオーバーフロー」などと表現する。

大人の事情

説明が難しかったり、公にすることが憚られる事柄を誤魔化す際に使われる言葉。
ゲームが突然開発延期・中止になった、あるいは一見未完成なのに発売されたといったことから、発売時はあるハードでの独占発売と謳われたのに一定期間後に移植が発売される、特定の表現が削除される等。
いちユーザーの視点からでは首をかしげるような物事の裏にある出来事。
陰謀…というほどのものではないが、大抵は契約で交渉に決裂したり、予算が足りなくて断念した、上層部の決定事項、納期を守るために突貫で仕上げた、関係者とのトラブル、法律や自主規制との兼ね合いといった事が多い。
それ故に、プレイヤーが大人(特に社会人)になると何となく察せられるようになり、開発者に対して同情めいた感情を抱くこともある。

大人の事情が垣間見えるゲーム
  • レースゲーム
    • EAがポルシェと独占契約していた為、『Need for Speed』シリーズ等の一部を除いてポルシェ車が出ずRUFやゲンバラ*90の車が出ていた時期があった。2016年に契約が終了したため、最新作ではポルシェ車が他社の各レースゲーム/ドライブゲームにも出ている。
  • FPS
    • 各銃メーカーに払うライセンス料が問題で実銃が登場するWW2や現代戦ではなく、SFチックな未来戦ばかり作っていると噂された*91*92
  • メタルギアソリッドV ファントムペイン
    • 小島監督の退社に伴って毎回パッケージに印刷されていた“Hideo Kojima Game”のロゴが削除された。
  • キングダム ハーツ
    • 版権の理由で「ターザン」が初代以降に登場していない。
  • ポケットモンスター
    • 海外のレーティング等の事情で『B・W』以降ゲームコーナーやサファリゾーンが登場していない。

オプション

本来の意味は「選択肢」であり、ソフトウェア関係で使われる場合は各種設定を変更するモードを指し、下述の武装と区別し「コンフィグ」ともいう。
内容はソフトごとにまちまちで、多くは難易度設定・画面設定・音響設定などのプレイ環境の調整が主。
中には、コントローラーのキーアサインや、画面レイアウト・配色を変更できるなど、細かいところまでサービスの行き届いたメニューを実装しているものもある。
ゲームの出来の良し悪しに直結こそしないものの、使いやすさに配慮されているかの指標にはなるだろう。

時代と共にプレイ環境は多様化し、あまりにも設定項目の少ないものは相対的に不便となる。
中でもオプションメニューの中身が音声出力調整のステレオ・モノラル2択のみなんてケースは「充実したオプション」と皮肉ネタにされる。

また、有名STG『グラディウス』シリーズにおいては、「自機に追従する武装」の呼称。その特徴的な仕組みを模した類例は多く、「分身*93」の通称として使われる事もある。

おま国

おまえのが気に入らないから売ってやらない」などの略であり、海外出身のPCゲームプラットフォームSteamの台頭とともに表面化した国別の販売制限による問題。
一般的には「Geo-Blocking」と呼ばれるものに当たるのがこれ。要するに日本以外の地域では購入出来るが、日本では購入出来ないソフトを揶揄する用語である。
そもそもなぜメーカーはPCでおま国をするのかについては、どのメーカーも「販売上の事情」としか言わずに明確な答えを避けている。 このような制限がかかる理由は、主に権利関係問題による国別販売差し止め、物によっては通貨差による価格設定により、日本国内で正規で販売されているソフトよりも大幅に安くなってしまう、問屋や小売店、家庭用ゲーム機を販売しているプラットフォーマーへの忖度などが推測されており、ゲームメーカー及び関連企業の横暴として批判されることも多い。

元々海外製のゲームが表現問題の関係などで日本では購入出来ないといったケースもあれば、日本のメーカーが作ったゲームのはずなのに日本では買えないというケースもある。
前者の例はMortal KombatやDeadspaceを筆頭とした「グロ表現に定評のある」ゲームが大多数。これらは日本で発売しようとすると「CERO:Zでもガイドラインに引っかかる描写しかない」という理由で事実上の発禁扱いとなっている。
後者の場合は、家庭用ゲーム機(CS)で同じものが発売されているというケースが大多数であることもあり、特に批判が集まりやすい。
PCゲームそのものの浸透が遅かった日本ではゲーマーの中でもおま国に対する温度差があったため、メーカーに対するおま国批判の大きなムーブメントが起こりづらかった*94
幸いにしてソフト自体は日本でも無事発売されたとしても、CSでは日本語対応ができているのに、何故かPCでのみ日本語対応がされないといった派生問題になることもある。これは「おま語」とも呼ばれる。
特にローカライズに「声優による吹き替え」がある場合はよりややこしいことにもなり、ファルコムを中心に日本語仕様のままSteamで発売されたタイトルが日本から購入できないという現象にもなる。
声優による吹き替えがあるゲームの場合、契約によっては「プラットフォームを変えて新しく売るなら声優事務所へのミニマムギャランティの支払が必要」なことがある。
そしてそれが国ごとに個別に発生するのであれば、本数が売れない国では声優の吹き替えは不利になってしまうという事態が起こる。
当時国内でファルコムのゲームをプレイする固定ファン層のほとんどはCSゲーマーだった為、たとえSteamで日本語版を出したとしてもその対策費をペイ出来る見込みが全くないと判断されたのである。
英雄伝説 閃の軌跡』から日本語文章・英語音声と一部緩和され、『イースVIII -Lacrimosa of DANA-』でやっと音声入りの完全日本語版となった。
しかしそれでもなお、おま国ゲームを輸入ショップや個人輸入といった正規手段で購入するマニアも少なからず存在する。彼らにより、リージョンロックなどで購入してもプレイ出来ない場合の回避策も模索されていたようだ…*95

近年では家庭用ゲーム機関連ではなく、PCゲームプラットフォーム関連での利権事情が垣間見れるケースもある。
これはSteamにてワールドワイドに販売されていた『Sea Salt』と『Moons of Madness』が、DMMにて日本語版がリリースされた途端にSteamにて「おま国」状態になったという事例がある。
それだけでなくXbox系列(特にOne以降)でも、極稀にこの問題が発覚することがある。
例えば日本製のゲームである『モンスターハンター:ワールド』はOne版が海外では発売されていて、日本語字幕+日本語音声にも対応しているにもかかわらず日本では発売されないという問題がある。

類語として以下の言葉がある(例はいずれもSteamにおける2018年5月19日現在の情報)。

  • おま値……日本からも購入出来るが、他の地域の販売価格と比べて日本版の販売価格が著しく(数千円単位)高いこと(例:『Call of Duty: Modern Warfare 3』(海外59.99ドル。日本99.99ドル))。
    • ただし日本のほうが同じソフトでもパッケージの価格が高いことが多いので、パッケージに合わせて海外と国内で価格を分けている場合も多い。
  • おま語……日本からも購入出来るが、(家庭用ゲーム機版では入っていた)日本語が削除されていること(例:『CLANNAD』)。
    場合によっては(家庭用ゲーム機版では入っていた)日本語を追加言語として有料DLCで売りつける例もある(例:『トゥームレイダー』 日本語追加DLCが980円)。
  • おまモザ……2018年にSteamがエロゲを解禁。国外ではモザイク処理がされていない「無修正版」が直接販売されるが、日本では法律の壁でモザイク必須になっており、外部の公式サイトなどでパッチを配布するという間接的な形を取っている。
  • おま認証(おまアクチ)……Steamで配信されているゲームは外部サイトでも「Steamキー」という形で正規販売しているサイトが多数あるが、購入自体は日本から問題なくできても、いざ自分のSteamアカウントにそのキーコードを登録しようとすると「日本のIPアドレスからの登録」と判別され、登録自体弾かれてしまう。特に販売価格が安い南米・ロシア/CIS諸国向けキーによるこれらの国からのギフトが規制されている場合が多い。非合法ではあるがVPNを使って回避する手法が使われるが、BNGIのようにこれらの対策目的で、国籍を確認できない場合支払い無効にする徹底振りを敷いているケースもある*96

おまけ要素 / サブ要素

主にゲームクリア後に制作側からのご褒美・お礼として提供される追加コンテンツ。大まかに「武器・マップ・コスチュームなど、ゲーム内に反映されるもの」と「企画段階の資料や制作スタッフのインタビュー動画など、ゲームプレイ外のもの」の2つに分かれる。
作品の魅力に沿ったものが多い一方で、世界観やゲームバランスを崩壊させるはっちゃけた物もある。解禁方法も「単に1周クリアする」「高難易度モードや優れた成績でクリアする」「特定のアイテムを全て収集する」など様々。内容次第では本編以上に夢中になるプレイヤーも多い。
プレイヤーは解禁そのものがやり込みの指標となり、解禁されるとまた新しい感覚でプレイ出来る。一方メーカーとしてもファンサービス精神をアピール出来、また発売から中古に流れるまでの期間を延ばすことになり、お互いにメリットのある手法と言えるだろう。通信環境の整った現代では、時期を見計らってのDLCへと提供方法を変えつつある。

  • ゲーム内に反映される有名なおまけ要素の例
    • メタルギアソリッド』シリーズの無限バンダナ、ステルス迷彩…前者はあらゆる武器の弾数・個数が無限となり、後者は敵に目視で見つからなくなるという超強力なアイテム。「敵から見つからないように進むゲーム」が、「敵を殲滅しながら進むゲーム」に変貌する。
    • BIOHAZARD?』の無限ロケットランチャー…クリアタイムが3時間以内で、対ラスボス専用武器が弾数無限で使用可能となる。ほぼ全ての敵を一撃で粉砕する威力で、リソース節約のため戦闘を避けることが多かった敵たちを次々に吹き飛ばせて爽快感抜群。シリーズ恒例のやり込みご褒美となった。
    • biohazard 4?』のマーセナリーズ…本編をクリアするとプレイ可能になる、1つのマップ内で制限時間内により多くの敵を倒しスコアを稼ぐモード。高い戦略性からハイスコア更新目指して熱くなるプレイヤーが後を絶たず、後の『5』『6』にも収録され、更にはこのモードだけを独立させた『BIOHAZARD THE MERCENARIES 3D?』も発売された。

なお、内容自体はおまけ要素と似ているが、クリア後ではなく最初から利用できる副次的コンテンツは「サブ要素」と呼ばれることが多い。明確な定義は無いが、「おまけ要素=後から追加されるもの」「サブ要素=最初からゲーム内に組み込まれているもの」と捉えておけば間違いはないだろう。昔はアイテム・仲間キャラの収集といった程度であったが、ソフトの容量増加やハードの性能向上に伴い様々なものが登場している。

  • 人気を博したサブ要素の例
    • フロントミッション5th』のサバイバルシミュレーター…ユニット1機のみでランダム生成された最大100フロアの踏破を目指すローグライクゲーム。本編では出てこないレアアイテムを本編に持ち帰れるため、ローグライクの持つ中毒性と相まって「欲しいアイテムの為につい潜ってしまう」と本編以上にのめり込むプレイヤーが続出した。
    • GRAVITY DAZE 2』の写真撮影モード…本来は撮った写真を評価したりされたりする事でささやかな報酬が貰えるという、ゆるいオンライン要素のツールであった。しかし主人公の少女が魅力的かつ移動能力が極めて高いこと、また独特の世界観やマップ構造から撮影スポット探索や自撮り構図の研究に勤しみ、本編そっちのけで軽く数十時間費やすプレイヤーが続出。
    • ザ・シムズ』シリーズや『どうぶつの森』シリーズ等のハウジング要素…自宅にリソースの範囲内で思い思いの家具やインテリアを置ける機能。ゲームとしての腕が問われないのでライトユーザーでも取っつき易く、自宅を豪華にしたいが為に転職や資格取得による収入UPを目指すなど、リアルさながらに精を出すプレイヤーもいる。オンライン対応作品では他のプレイヤーを自宅に招けるなど、交流手段としても根強い人気がある要素。
    • マリーのアトリエ ~ザールブルグの錬金術士~』…"新感覚RPG"と銘打ち、RPGのメジャーなサブ要素である「レアアイテムの入手・合成」を主軸に据えた作品。魅力的なキャラや世界観もあり熱心な固定ファンが多いのが特徴で、ナンバリングだけで20作以上を誇る一大シリーズに成長した。

おまけ要素にしろサブ要素にしろ、基本的に「利用したい人だけ利用すればよい」ゲーム設計となっている。逆に「これを使ってキャラを強化しないと攻略も覚束ない」といった事実上の強要がされたりすると、程度によってはゲームバランスの観点から本wikiでの問題点になりうる。

オワタ式

やりこみの一種。

音源

ゲームのBGMやSE音を再現するのに使われる発音方式。昔のゲーム機は技術の制約が多く、電子回路により作り出される音源(「PSG音源」「FM音源」「波形メモリ音源」など)が主だった。
さらに遡れば、「ビープ音」「オルゴールIC」「ブザー」や、アナログ音源としては「ベル」「ノッカー(電子基板機で、リレースイッチなどの機械式回路機を再現しようとする場合と、鉄琴などを叩くベルに近い使用のものがある)」「プロペラ」なども使われていた。
カセットに音源チップを搭載した例もある*97し、PCゲームではデータ容量を抑えるために音源をユーザー側で賄わせるようにした「MIDI」などもあった。
しかし、ハードやメディアの進歩に伴い、データ形式は高音質な音の波形そのものを録音し、楽譜データを読み込ませて演奏させる「PCM音源」や、予め録音した音声を圧縮し再生する「ストリーミング再生」に取って代わられていった。
その為、生演奏や歌を使用したゲーム音楽も一般的であり、「BGMはフルオーケストラで収録」「主題歌に○○を起用!」と書かれていれば、原則として「ストリーミング再生」を利用している。
その一方で電子回路による音の打ち込みや波形操作なども製作時に普遍的に行われていたり、「チップチューン」と呼ばれる音楽ジャンルも登場したりと、昔ながらの音も廃れているわけではない。
MIDIについても、フリー配布を含むソフト音源の登場などPCのみで自己完結しやすくなったことを除けば、論理的には未だに現役の技術である*98

また、昔のハードでも音源の限界に挑んでいるものなどは評価が高く、当時のオリジナル音源で収録されたサウンドトラックが発売されることもある。

オンライン / オフライン

インターネットに接続しているかどうかを表す言葉。インターネットに接続するコンテンツがある場合は「オンライン要素がある」などと表現される。
オンラインに接続するには当然別途インターネット契約(に加えプロバイダ契約)が必要。インターネットが生活必需品レベルになってきた現在では大して気にもならないが、ゲーム機第6世代(PS2世代)のころまではオンラインは敬遠される傾向にあった*99
現代でも日本では(特にコミュニケーションが重視される)オンライン要素に苦手意識を持つ人も多いので、オンラインがメインのゲームでもインターネットに接続しないオフライン要素の有無やボリュームを気にする場合もある。
逆に欧米ではオンライン要素があるほうがウケがいいようで、オフライン専用ゲームを改造してまでオンラインできるようにしてしまう人たちまでいる。
PCゲームでは比較的その動きが盛んで、「nVidia Shadow Play」やSteamの「Remote Play Together」という形で無理やりオンラインプレイをサポートする場合も。

アドホック通信 / ローカル通信

携帯機を持ち寄って遊ぶタイプのマルチプレイ、もしくはその場合のプレイヤー間の通信。すれちがい通信も挙動的にはこれに準じる。
厳密にはこれもオンラインだが*100、インターネットに接続していないのでオフライン要素として扱われる。

基本的には「その場に集まって」のマルチプレイを指すのだが、この通信を仲介することで擬似的なオンラインマルチプレイを行う技術も存在する(PS3の「アドホック・パーティー」など)。

システムリンク

据置機やPCにおいて、各プレイヤーのプレー環境をLANで接続するタイプのオフラインマルチプレイ。
ローカルIPアドレスの重複を防ぐためのDHCP*101サーバーやアップデートのダウンロードのためのインターネット接続用としてルーターが環境に含まれることはあっても、各プレイヤーがLANで接続されているのであればオフラインに分類される。

やっていることこそアーケードの対戦台に近いが、モニターや機器を人数分持ち寄らなければならないので相当に酔狂な遊びである。
昔のブラウン管TV時代は難儀したが、現在なら薄型モニターとゲーム機を人数分、後はルーターとLANケーブル(シビアコンディションでなければ無線LANルーターで代用可)で出来るようになったので、だいぶ難易度は緩和されてはいるが。

大規模にやるパターンとしては、海外で定期開催されている「DreamHack」や国内の「C4 LAN」等大型会場にて自分のPCなどを持ち込んで*102ワイワイする「LANパーティ」というイベントも存在する。
こちらも一昔前だとフルタワーPCとブラウン管モニターを破損する可能性に震えながら運搬していたが、ノートPCの発達、他にもシステムリンク対応の家庭用ゲーム機でも参加出来るようになったので、かなり参加しやすくなっている。

ちなみに、PS Oneを除くPSやSS、DCや30000型以前のPS2にも「シリアル端子」「iLINK端子」等、一般的な有線LAN端子(イーサネット端子)とは全く異なる仕様のシステムリンク用の端子が搭載されており、それぞれ特定のシステムリンク用のケーブルを用いることで、一般的なLANとは違ったシステムリンクが可能であった。

対応例