「RPGツクール4」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

RPGツクール4 - (2015/12/27 (日) 07:37:13) の編集履歴(バックアップ)


RPGツクール4

【あーるぴーじーつくーるふぉー】

ジャンル RPG制作ソフト
※)ぼったくり業者に注意!
対応機種 プレイステーション
発売元 エンターブレイン
開発元 アジェンダ
発売日 2000年12月7日
定価 6800円
分類 クソゲー
ポイント シリーズ初のサイドビュー戦闘を実装
新システムや要素は軒並み好評
劣悪な容量燃費とバグの二重苦
薬草は壊れてしまった!
外部データを読み込もうとするとロード地獄に
ツクールシリーズリンク


概要

コンシューマー向けRPGツクールシリーズの4作目。キャラクターを自分で作成できる画像エディタ『キャラクターツクール』との2枚組。
本作では戦闘方式が従来の『ドラクエ』視点から、『FF』に近いサイドビューのアクティブタイムバトル方式になった。
また、エンターブレイン刊の月刊誌『ファミ通ブロス』で連載されていた『ジバクくん』(作・柴田亜美)のキャラクターであるジバクくんが召喚獣として出演している。

開発は空想科学からアジェンダ(ガチャろくシリーズなどでお馴染み)となった。
発売前から変数といった『3』ではできなかった機能の追加が発表され、大幅にパワーアップしたツクールとして期待は高かった。
ファミ通編集部が製作した『ファミ通クエスト めざせ王国騎士団』が応募者全員プレゼントされる企画があるなど、送り手側も気合が入っていた。

しかし、実際は様々な問題点により評価は下がり、見限るプレイヤーが続出することになった。

問題点

  • 容量の燃費が悪すぎる。コンシューマー作品では避けられない宿命だが、本作の厳しさは尋常ではない。
    • 特にオリジナルマップは異様に容量を食ってしまうため、あらかじめ用意されたデフォルトマップを使わざるを得ない。
      • ダンジョンでもこれなので、フィールドマップなんて作れたものではない。
      • 前作『3』ではオリジナルマップデータはzipファイルのように圧縮されており、隠しコマンドで圧縮前後のサイズと圧縮率を確認できたが、本作ではそんな気の利いたことを一切していないらしいがために、面積に比例して素直に莫大な容量を消費する様子。
    • 反面デフォルトマップの容量は非常に軽く、デフォルトマップしか使わないのであれば圧迫することはない。ただし、フィールドマップにはデフォルトが用意されていない上に、ダンジョンマップ以上に燃費が悪く、あまり凝った配置をするのは難しい。
    • その上フィールドマップは非常に狭く、他所のRPGで隣町に行く位の距離で大陸の端から端に行けてしまう。
    • システムデータはまだ工夫次第でどうにでもなるが、シナリオデータはそれに輪をかけて燃費が悪く、1つの街に一通りに店や町人などのNPCを置くだけで1割、凝ったサブイベントを置こうものならそれだけで全体の2割を消費する。
      • そのため、後述のサンプルゲームのように短く単純なゲームを作らざるを得ない。
      • 前作『3』同様にシナリオデータの引き継ぎはできるので、これを駆使すれば一応長編も作れないこともないのだが…。
    • システム・イベントの両方の容量を使い切っても7ブロック*1しか使わない
      • シナリオを3つ繋げれば4×3で12ブロック、システムと合わせて15ブロック使い切ることが出来る。そう出来るなら『3』のように最初から12ブロック使えるくらいの余裕はあって良さそうなものであるが。
      • ある程度の節約を求められるが、この点を考慮すれば極々短い短編しか作れないというわけでもない。それを踏まえても容量効率は前作の半分以下程度なので明らかに劣化している。
      • 無理矢理利点としてあげるならば"メモリーカード一枚で済ませられる"とも言える。
      • 上記のファミ通クエストもメモリーカード1枚に収まっているがプレイするには別にセーブデータが必要となる。
  • サンプルRPGが今までに比べると短く、1時間くらいで終わってしまう。ダンジョンも街と森があるだけで、フィールドマップもない。
    • ちなみにMAPはデフォルトMAPのみで構成されている…ので、システム容量の消費具合は過去作のサンプルと比べてもかなーり軽い部類。
    • 始まりの城下町にて、「姫が病気にかかってしまったのでそれを治す薬草を森から取ってきて欲しい。取って来た者を姫の婚約者とする」…ということで主人公たちが森に向かい、薬草を守るボスを倒して薬草を手に入れてめでたしめでたし…でおしまい。サンプルゲームでかつセーブもできないとはいえ、あまりに短く、前作のサンプルゲームの半分か、それ以下の時間で終わってしまう。
      • サンプルゲームの製作者は『コープスパーティー』などで有名なチームグリグリのkedwin( 祁答院 (けどういん)慎)氏。
      • アビリティの名前が正式な名称とズレて設定されている。最終仕様以前の状態で作られたのであろうか?
      • エディット内容がかなり容量を浪費するものである。前述の通り、本作は容量の節約が求められるのだが、このサンプルゲームは容量を気にしなくて良いPC版ツクールのつもりで作ったような手法が多く、本作の機能を活かしきれていない。
      • ラスボスがかなり弱い。威力の高い攻撃が無い為回復はそれほどしなくても簡単にやっつけられる。またラスボスを倒しても経験値や金が入手できる。何の意味もない。
      • キャラの能力設定や武器の攻撃力・魔法威力なども投げ槍、あるボス以外はレベル上げて物理で十分…kedwin氏をもってしても仕様には勝てなかったのかもしれない。
  • システム面にかなりの難がある。
    • マップを移動すると、BGMが同じマップ同士でも曲が最初から再生される。
    • 消費アイテムには「壊れる確率」を必ず設定しなくてはならず、壊れると「○○は壊れてしまった!」の表記が強制的に出る。
      • 確率を100%にしても出てしまうため、アイテムによっては不自然な表記になってしまう。「薬草は壊れてしまった!」は、あまりにも有名。
      • 他にも、魔法効果のあるアイテムを使ったり、武器に設定した追加効果が発動した時に強制的に魔法使用時の効果音が鳴る。これも内容によっては不自然に感じられる場合がある。
    • 盾を装備して防御すると、ダメージ9999の魔法でもダメージが1になる超チート仕様。ちなみにサンプルには盾は出ていない。
      • なので盾を装備できるキャラは絶対に状態異常にかかる、盾(に相当する装備)を出さないとかしないと、それだけでゲームバランスが一気に崩壊することに。
    • FFでいうアビリティがあるが、キャラに1つしかつけられず、ゲーム中付け替えさせることもできない。
    • 解像度にもよるが、戦闘中に出るダメージ数字の『8』が『3』に見えてしまう。本物の3と見比べれば違いはわかるが紛らわしい。
    • システムデータにパスワードを設定し、初めからプレイすると、何故かパスワードを要求される。
      • つまり、他人にプレイしてもらうには、大事なパスワードを教える必要がある。データを覗かれない為のパスワード設定のはずなのにこれでは意味がない。
    • キャラクターツクールで作ったグラフィックを使う場合、ゲーム中に表示する度にいちいち数10秒かけてロードする。これが非常に鬱陶しく、オリジナルグラフィックなど使えたものではない。
      • あまり知られていないが魔法と太刀筋の2項目のみは毎回読み込みが無くロードをそんなに気にせずに使える。
    • ウェイト時間の設定が前回までの0.1秒単位から0.5秒単位になり、イベントの細かい演出がしづらくなった。
    • 文章表示が前作の3行枠から、4行枠に変更された。
      • この為、テロップ風にウィンドウ中央へ1行だけ表示するなどの手法が取れなくなっている。
      • ちなみに3行枠から、4行枠に変更されたことで1画面に増えた文字数は10文字。これが多いか少ないかは人それぞれ。
    • メッセージウインドウが開くたびにSEが鳴るが、変更不可でオフにも出来ない。鬱陶しい。
  • 人物やマップのグラフィックは向上したが、敵グラフィックと物グラフィックの質は『3』よりも劣化している。
    • 敵グラフィックの色数が減少した。前作と比べるとベタ塗りっぽい塗り方やチープな感じの色使いが目立つ。
      • 『神竜』というモンスターが攻撃時に出すビームのグラフィックのクオリティが著しく低く、子供がペイントで描いたような絵になっている。わざとそういうタッチにしたのかもしれないが、神竜本体のグラフィックは普通なのでかなり不自然に見える。
    • イベントで置ける物グラフィックは一部のもの(スイッチ、魔法陣など)しかカラー変更できない。前作では全ての物グラフィックに4つずつカラーパターンがあっただけに残念な点である。
      • パレットを使い回したのか、色替え可能な物グラフィックのカラーパターンは赤、青、黄色、緑の4色と決まっており、色替え不可能なグラフィックも暖色系が多い。無理矢理利点として挙げるなら、色をヒントにした謎解きを作りやすいと言えなくもない。
      • 一部の物グラフィック(炎、光など)はカラーパターンがきちんと4つ用意されているにも関わらず、裏技(バグ技?)を使わないとカラーの変更が出来ないという謎仕様。
    • 前作では階段などの一部の物グラフィックの上に主人公が乗ることが出来たが、今作ではそれが出来なくなっている。物グラフィックを押せるようになった点(後述)との兼ね合いだろうか?
  • BGM・SEに関する問題。
    • 曲の内容自体は他のシリーズと比較して見劣りするものではないが、音源自体はSFC作品を彷彿させるような軽い音が全般的に使用されている。
    • 効果音は過去作の使い回しがほとんど。マイナーな『3Dシューティングツクール』からの流用も。
    • BGM、SE共にサンプリング周波数は前作の半分。聞き比べるとチープな感じになっているのが判る。
    • 新規の効果音は鳴っているのかどうかわからないレベルであったり、使い所が非常に難しいものばかり。
  • 『2』にあった「乗り物を呼ぶアイテム」を作れない。
    • フィールドで乗る乗り物のグラフィックやBGMなどを前作より細かく設定出来るようになったのは良いが、この仕様の為、移動魔法を使うとそこから乗り物に乗れなくなる可能性がある。
  • 前作同様パラメータの名前を自由に変更できるが、HPやMPなど一部のパラメータは名前を変えてもステータス画面と戦闘画面の表示に反映されない。
    • この2箇所では他の箇所と異なるフォントが使われているのが原因と思われる。
  • よく見ると『ー』(長音記号)が『‐』(ハイフン)に置き換わっている。フォントは前作と同じものなのだが、前作と比較するとここだけやや不自然に見える。
  • バグが多く、中には致命的なものまである。
    • テストプレイ時のクイックセーブは、LV、アイテム、パーティーメンバーなどが記録されず、再開すると全て初期設定の数値、状態に戻ってしまう。通常のセーブを使うしかなく、クイックセーブの意味をなしていない。※出荷分によっては修正されている。
    • 死亡キャラを戦闘後HP1で復活させるかどうかの設定を『復活する』にすると、全滅してもゲームオーバーにならず、全員HP1でその場で再開してしまう
    • 逆に『復活しない』にすると、イベント戦闘で敗北時の分岐を設定していてもその処理が行われず、問答無用でゲームオーバーになってしまう
      • つまり、このバグを回避するには、設定を『復活しない』にして、敗北分岐イベントの作成を諦める必要がある。せっかくの新機能なのに…。
    • 魔法や召喚獣のムービーを再生すると、説明文やシステム文が文字化けしてしまう事がたまにある。電源を入れなおすまで直らない。
    • 同じマップ内での場所移動を何度も繰り返していると、イベントのグラフィックが消えてしまう。
    • 死んだキャラクターに回復アイテムが使えてしまう。しかも効果がない上にちゃんと消費される。
    • 敵が混乱すると、何故か主人公の持っているアイテムを勝手に使い始める。この為「混乱攻撃を使えるのは敵側だけにする」「そもそも混乱をゲーム中に登場させない」等の工夫をする必要がある。
    • 戦闘終了後、まれに「○○(意味不明な文字列)の入ったメモリーカードを差し込んでください」というバグったメッセージが表示されることがある。
    • 他にも、壁に入れたり、音楽が途切れたり、グラフィックが崩れたり、挙句の果てにはテストプレイでフリーズする事がある。こうなると作成したデータを諦めて泣く泣くリセットするしかなくなる。
      • 明確な発生条件も不明なため、出来る対策は『こまめにセーブする』こと。あとはフリーズしないように『祈る』ことぐらいである。
  • あくまでユーザー間の口伝でしかないが、メーカーにこれらを問い合わせると、ほぼ全て「仕様です」の一言で片付けられたという話がある。
    • 『BGMが途切れる』『薬草は壊れた!』などはまだしも、『クイックセーブでの初期化』や『全滅時のHP1復活』を『仕様』と主張するのは明らかに無理がある。
      • 当時、アップデート対応出来るソフトはPC関係しかなかった時代であることは考慮*2せねばならない。もっとも、そんな問い合わせなど最初からしなくて良い程度のクオリティを出すべきなのだが。
    • 余談だが、10年後に同メーカーから発売された『RPGツクールDS』も同じように容量やバグの問題があったが、あちらはバグの存在を認め、対処法も(内容はともかく)掲載している。
      • 一応、本作(というよりこの頃のコンシューマツクール全て)と、『DS』は前者が「外注」、後者が「自社開発」と、制作環境が異なる。

評価点

  • 従来のスイッチとは別に、新たに「変数」スイッチが導入された。
    • 分かりやすく言えば、今までのスイッチが「フラグの単純なON/OFF」だとすれば、変数スイッチは「ある数値が一定の値になるとフラグが立つ」というのが変数スイッチ。
      • これにより、今までには出来なかったより手の込んだイベントを作れるようになった。
      • また、何故か、スイッチよりも変数のほうが容量が軽い。スイッチの存在意義はなくなってしまったがユーザー的には一応美味しい。
  • アイテムの改善
    • 総製作可能数は50程度減少したものの、設定出来る項目が増えたほか、アイコンを付与したり、解説文を自分で決められるようになった。
    • イベントアイテムが物語上与える効果の解説や、ネタ的な解説文を自分で設定出来るようになったことで、ツクールの醍醐味である創作の幅が広がったことは明確な進歩と言える。
    • 数値を示さなくてはいけない場合、それも自分で全て行わないといけないというデメリットもあると言えばあるが。
  • マップ上のシステムの改良。
    • プレイヤーの任意でダッシュが出来るようになった。
      • 会話可能範囲が広がったため、歩きとダッシュを使い分けることでプレイしやすくなった部分はある。
    • マップ上の主人公表示を、先頭のキャラのみ、全員表示の2タイプに分けられるようになった。
      • 『3』以前も先頭に位置する主人公以外のキャラグラフィックを透明にすることで対応可能ではあったが、本作ではデフォルトで搭載された。
  • デフォルトマップの数が豊富で、実用性が高い。
    • マップの容量の悪さへの対応策なのか、本作はデフォルトマップの数がとても多い。
    • そのうえ前作では「場面」というタイトルだったこともありイベント限定のシーンマップが多かった中、本作は普通にダンジョンや町として使えるものが揃っている。
      • 数は多いがそれでも限りがあるため、別作品を作るときに萎えるという問題からは逃れられない。
  • 店で買い物をする際、装備品の能力上昇低下が『2』と同じく表示されるようになった。
    • 前作では誰が装備出来るかも表示されなかった。解説文も設定出来なかったため、装備を見て回っても、名前でわかるようにしないと誰が装備出来るものかわからない危険性があった。
    • 上昇数値などは出てこないため、機能自体は『2』よりやや劣化している。それでもないよりはマシではある。
  • 敵キャラのシステム向上。
    • HPの上限が6桁になったことで、モンスター設定の自由度がある程度高まった。
    • ダメージや状態異常などに対して、1魔法ごとに%単位で有効無効を設定することが出来る。
      • 「この敵にはこの魔法の威力が20%増す、もしくは20%減る」といった具合に、非常に詳細な弱点設定が出来る。
      • 即死を含め、状態異常に対する耐性も各キャラクター・モンスター毎にかなり細かく設定出来る。
    • 敵の行動パターンが前作よりも遥かに増えている。
      • 攻撃回数なども10回まで設定出来るため、敵の強さの細かい設定もよりしやすくなった。
    • モンスターパーティがデフォルトで設定出来るようになった。
      • 前作では登場するモンスターを設定するとツール側がランダムで登場させる仕様だったためバランス取りが難しかったが、「序盤は敵が1体だけ」など、後述のATBの設定を含めてやりやすくなった。
      • また本作では、主人公の初期レベル状態で、通常攻撃によって敵を倒すまでの所要ターンも表示させることが出来る。
  • 戦闘の大幅な改善。
    • まずシステムそのものがターン制からATB制になり、上記の点も相まってキャラクターor敵の戦闘における個性が付けやすくなった。
      • ATB制のFFではおなじみのヘイスト・スロウなどの再現も可能。ただし、ウェイトモードにすることができない。
      • 行動が遅い代わりに非常に強力なキャラクターや、逆に行動が早い代わりに能力の低い手数型のキャラなど、個性豊かな設定をすることも出来る。
    • 戦闘のテンポは3ほどではないが非常に良い、むしろ簡素過ぎた3に比べると丁度良いとも。
      • 主人公や敵が攻撃するまでの移動スピードは非常にスムーズであり、戦闘アニメも変に懲りすぎなければそのテンポを乱すことなく出来る。
      • ATBバーのたまりやすさは「気力」というパラメータに依存している。ただし上限が99と低くさらにあまりにも低く設定すると次の行動に1分とかかるので調整が難しいのが難点。
      • この点は割り切って職業に割り振ることで固定値にし、イベントなどであげるという工夫は出来る。
  • 装備設定はかなり細かく設定が出来る。
    • 本作では『3』にはなかった利き腕の設定が出来る。そのため武器の二刀流が可能なキャラを限ったり、あるいはゼロに出来る。
    • 特に話題となるのは武器の攻撃回数を最大10回にまで設定できるという点。
      • これを二刀流にすることで20回攻撃などといった内容を設定することが可能。上記に合わせてキャラの個性を付けるには良い追加システムであると言える。
    • 防具やアクセサリーの設定がより幅が広がった。
      • 頭や靴など部位は、防御力以外の値がそれぞれ設定出来る。ちなみに頭は賢さ、靴は素早さと固定はされている。
      • 状態異常を防ぐアクセサリーを作れるようになり、装備品の制作の幅が広がった。
  • 音質こそ悪いものの、BGMの内容自体は決して前後のシリーズから見劣りしない。
    • 種類豊富な音楽は素材としてだけでなく、作業用にしてもなかなか聴きごたえのあるものが多い。
    • やたら荘厳なBGMが多いだけで、RPGの雰囲気に合わない曲はほとんど存在しない。
      • 戦闘に関しては4パターン存在する。特に『戦闘2』の人気は非常に高い。
  • マップやキャラクター素材の種類はかなり豊富。中世ファンタジー風以外にも、現代、和風、西部劇、SFなどといったものも用意されている。
    • なおこれらは全てサイドビューバトル用の横視点グラフィックが用意されており、人以外をパーティに加えて戦闘させることも可能。
    • 全てのキャラクターには全てのタイプの武器をもたせることが出来るうえ、ダメージや詠唱など各モーションも細かく設定されている。
      • 赤ん坊が剣や爪を振り回したり、町娘の少女が銃を撃ちまくったりなどシュールな光景も演出することが出来る。
      • 武器はそれぞれのタイプにいくつかビジュアルが存在する。ただし武器ごとに数には差がある。
      • また、今回は何故か獣人系のグラフィックが充実している。
  • 物グラフィックを押して動かせるようになった。
    • サンプルゲームでもこれを利用したパズルがある。
  • 特殊攻撃に様々な分類が増え、演出面も強化された。
    • 従来の必殺技に加え、複合魔法と召喚獣なるコマンドも追加された。ただし必殺技以外は全て魔法の項目で管理される。
      • 複合魔法は、設定した魔法を1回の行動において連続で出すことが出来るようになる特殊な魔法。炎の魔法、氷の魔法、雷の魔法…と順繰りに出していくということが可能。
      • 召喚獣は、あらかじめ用意された3DCGムービーを設定し、召喚獣の名前とそれが繰り出す大魔法(技)の名前を設定することが出来る。戦闘で表示されるのは技の名前である。
    • 前作はHP消費限定だった必殺技にも、専用の消費ポイントを設定することが可能(従来通りHP消費にすることも可能)。
      • 「なら魔法で全て良いじゃないか」と思えるかもしれないが、魔法は詠唱時間が設定可能であり、なおかつ賢さに準じた魔力のステータスが加算される。
      • また、使用時に魔法のSEが入る一方で、こちらは防御やステ無視の固定ダメージとなっているので個性は付いている。
    • 自作アニメーションも、前作よりも細かなアニメーションが作れるようになり、フレームも10までに増えた。
      • 召喚獣同様、あらかじめ用意された3DCG演出のものも存在する。
  • キャラや魔法などに付ける属性を10個まで作れる。
    • 前作では属性を3つまでしか作れなかった上、属性間の相性も予め決められていて変更出来なかったが、今作では属性の相性の設定も全て自分で行える。
    • 同じ属性の攻撃を受けると回復する。この仕様は変更出来ないが、上記の魔法効果量の設定で擬似的に回復しないように設定することは出来る。
  • 職業システムが強化された。
    • 前作では主人公の数と同じ15個までしか作れなかったが、本作では倍の30個まで作れるようになった。
    • 職業レベルが導入された。職業経験値であるCCP(クラスキャパシティポイント、名称変更可)を貯めることで職業レベルが上がり、魔法・必殺技・アビリティを覚えさせることが出来る。
      • アビリティは前作にはなかった強制逃走、攻撃効果ありのアイテム強奪効果、溜め攻撃など種類が豊富である。
      • 職業レベルが10までしかないため、1レベルごとのCCPの数値は高く、通常の経験値とは違った調整が求められる。
    • マップ上でどこでも転職できるようになったが、従来通り特定の場所でしか転職出来ないようにすることも出来る。
    • 『3』では職業のパラメータもレベルアップ時のステータス上昇値に加算されていたが、本作では固定値であるため、キャラのパラメータを調整しやすくなった。
      • 初期のHP設定などでこの点は特に有効に働くうえ、先の「気力」のパラメータや、前作では強制的に30加算されていた体力もこれで固定することによりキャラごとの素早さも決めやすくなっている。
  • メッセージ枠のデザインを5種類の中から選べるようになった。ウィンドウの色も変更可能。
  • コントローラの振動機能に対応しており、戦闘で主人公がダメージを受けた時に振動するように設定することが出来る他、イベントで任意に振動させることも出来る。

総評

基本的に『4』での新要素は好評であり、前作『3』からパワーアップした面も評価はされている。
しかし、痒いところに手が届かない仕様の数々、バグの多さ、そして何よりも容量の少なさ(燃費の悪さ)が作品の自由度を大幅に制約し、弊害を大きくしている。
結果的に本来なら『3』を大きく上回るツクールとなれるはずが、シリーズの中でもとりわけ評価の低い作品の1つとなってしまった。