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CAPCOM VS. SNK 2 MILLIONAIRE FIGHTING 2001 - (2016/05/28 (土) 17:53:34) の編集履歴(バックアップ)


CAPCOM VS. SNK 2 MILLIONAIRE FIGHTING 2001

【かぷこん ばーさす えすえぬけい つー みりおねあふぁいてぃんぐ つーさうざんどわん】

ジャンル 格闘ゲーム
対応機種 アーケード(NAOMI)
販売・開発元 カプコン
稼働開始日 2001年8月
分類 良作
CAPCOMクロスオーバー関連作品シリーズ
SNKクロスオーバー関連作品シリーズ

家庭用移植版

対応機種 ドリームキャスト
プレイステーション2
ニンテンドーゲームキューブ
Xbox
発売日 【DC/PS2】2001年9月13日
【GC】2002年7月4日
【Xb】2003年1月16日
価格 【DC/PS2】6,800円
【GC/Xb】4,800円(全て税抜)


概要

二大格闘ゲームメーカーであったカプコンとSNKのキャラが共演する対戦型格闘ゲーム『CAPCOM VS. SNK MILLENNIUM FIGHT 2000』の続編。略称は『カプエス2』。

本作以降カプコンの格ゲーは沈黙期に入り、新作格闘ゲームは長期間製作されなかった。共演相手のSNKに至っては倒産という結末を迎えたため、
20世紀格闘ゲームの最後を飾る作品になったが、それに相応しく総集編を意識した華々しい内容へと仕上がっている。

特徴

  • 使用できるキャラクターは新キャラクター11人を加えた全44キャラクター。
    • 前作では『ストリートファイターII』と『THE KING OF FIGHTERSシリーズ*1のキャラクターが大半であったが、本作ではユン(『ストリートファイターIII』)、鑑恭介(『私立ジャスティス学園』)、ロック・ハワード(『餓狼 MARK OF THE WOLVES』)、高嶺響(『幕末浪漫 月華の剣士 第二幕』)などのキャラクターも登場。いずれも原作固有のシステムを技性能や派生技で再現されている。
    • また、多彩な移動技で画面を駆け回るロレント(『ストリートファイターZERO2』)、強斬りの威力が再現された覇王丸(『サムライスピリッツ』)、大柄なパワーキャラながらチョイ・ボンゲという飛び道具的オプションの存在により繊細さも併せ持つチャン・コーハン(『KOF』)など、新キャラクターは個性派揃い。
    • その一方で、イーグル(『ストリートファイター』)、マキ(『ファイナルファイト2』)、藤堂竜白(『龍虎の拳』)など、1993年以前の一作品に出たことしか無い知る人ぞ知るマイナーキャラクターも登場*2
      • まあ、マキは「ガイの同門」で竜白は「香澄の父親」という本作未参戦の人気キャラクターの関連人物なので分からなくもないが、いくらネオジオポケット版『SNK VS. CAPCOM カードファイターズ』で『ストリートファイター』のみ登場した「烈」と「李」のカードがあるからって今まで再登場の無かったイーグルをプレイヤーデビューさせるのは唐突すぎる。
  • キャラクターを選択する前に、「グルーヴ」というシステムの組み合わせからなる固有のスタイルを6つから選択できる。システムは同じくスタイル選択システムを有し、共に評価の高い『ストリートファイターZERO3』と『THE KING OF FIGHTERS '98』をメインに、両社の格闘ゲームから引用されている。
    ちなみに選択したグルーヴによってキャラクターイラストが変化する。CAPグルーヴは西村キヌ氏のものに、SNKグルーヴを選ぶとキャラクターイラストが森気楼氏のものになる。
    • カプコン側のCAPグルーヴは、レバー前2回入れのダッシュが共通して一定の短い距離を跳ぶステップになっている。
      ステップは硬直がやや長く、機動力は後述のSNKグルーヴより低いのだが、代わりにどのグルーヴも「ゲージシステムが扱いやすく、最大まで溜まりさえすればLv3スーパーコンボ(Aはオリジナルコンボ)がいつでも使える」という利点があるため、立ち回りの間隙にダメージを奪う臨機応変さに優れる。
      • Cグルーヴ:『ストZERO3』のZイズムをベースにした最もシンプルなシステム。ゲージは2番目に軽い。
        溜まったゲージレベルに応じて攻撃力が微増する、「空中ガード」が可能、唯一Lv2スーパーコンボを使える(Lv2スパコンは必殺技やLv1スパコンでキャンセル可能)など、地味ながら細かいメリットが光る。
      • Aグルーヴ:『ストZERO3』のVイズムがベース。一定時間自由に技をキャンセルできる「オリジナルコンボ」が使える。
        ゲージ50%消費またはオリコンの締めとしてLv1スーパーコンボも使用可能。ゲージも最も軽いが、代価としてサブシステムはやや弱く、Lv3スパコンは完全に使用不可。
      • Pグルーヴ:レバー前入れで敵の攻撃を受け流す、『スト3』の代名詞「ブロッキング」が使用可能。
        ブロッキングからのLv3スパコンで一撃必殺を狙う主旨のグルーヴだが、ブロッキングそのものが『スト3』シリーズに比べて弱体化している上に、ゲージが重くサブシステムも極端に少ないため、ブロッキングにロマンを見出す玄人向けのグルーヴ。
    • SNK側のSNKグルーヴは、レバー前2回入れのダッシュが前方に走って高速で接近するランになっている。このため間合いを詰めやすく、接近戦による攻めに転じやすい。
      一方ゲージシステムに癖が強い上、Lv3スパコンに相当するMAX超必殺技などがいずれも「発動できるチャンスが一定時間内に制限される」ため、立ち回りよりも逆境からの攻めで大逆転を狙う事を重視した設計になっている。
      • Sグルーヴ:『KOF98』のEXTRAモードがベース。投げ以外に対し完全無敵になる「攻撃避け」からの「カウンター攻撃」が使える。
        ダメージを受けるか、ボタン押しっぱなしでゲージを溜める「気合溜め」以外はゲージは一切たまらないが、ゲージが貯まると一定時間だけ攻撃力が上がり、Lv1超必殺技が使える。
        体力ゲージが30%以下になるとLv1超必殺技が使い放題に&ゲージが溜まっている間MAX超必殺技が使えるようになる。
      • Nグルーヴ:『KOF98』のADVANCEDモードがベース。ガード中に回り込みを出す「ガードキャンセル移動」、ゲージをLv1消費して一定時間攻撃力を強化する「パワーMAX発動」が可能。
        ゲージは重い部類だが扱いやすく、サブシステムも非常に充実しており、中級者向けといえる。攻撃を受けなくてもMAX超必殺技が使えるのは魅力。
      • Kグルーヴ:『サムスピ』の怒りゲージと『餓狼MOW』のジャストディフェンスを組み合わせた全く新しい非常に個性的なグルーヴ。
        最大まで溜まってから一定時間内の怒り状態では攻撃力と防御力が爆発的に増加するが、当身技やJDを決めるか被弾でないとゲージが貯まらない。
        SNKグルーヴでは唯一空中で防御ができるが、それ以外のサブシステムも貧弱と、P/S程ではないが玄人向けのグルーヴ。
    • このほか、回り込み・ガードキャンセル・小ジャンプなどの有無などのサブシステムの差があり、グルーヴによってキャラクターの性能は大きく変わってくる。
  • 前作ではSNK側にあわせて攻撃ボタンが強弱の4ボタンでカプコンキャラクターの一部の中攻撃は特殊技扱いだったが、今作ではカプコン側にあわせて弱中強の6ボタンでSNKキャラクターにも中通常技・必殺技が実装された。
  • 本作は勝ち抜き制のチームバトルだが、チームは1人~3人まで任意で選択可能。そして、チーム内のキャラクターは「レシオ」というポイントを全員で合計して4ポイントになるように振り分ける。
    • レシオは1~4のキャラクターの強さを表す数値で、高いほど攻撃力や耐久力が強化される。このレシオポイントも、キャラの制限なしに自由に配分することができる。

長所

  • 前作での問題点への様々な改善策の導入
    • 前作の「結局レシオ1のキャラ×4が強い」「面子が固定される」という問題に対し、「任意レシオ割り振り制」「選べるのは最大3キャラまで」などの改善策を導入し、自由度を増した。ただ解消しきれていない面もある(詳細は問題点参照)。
  • 44と前作から大幅に増したキャラクター数
    • 前述の通り詳しくなければ誰だこれレベルのキャラクターも参戦している。
    • 「ストリートファイターVSキングオブファイターズ」とも揶揄された前作の偏った面子から離脱。オールスター戦らしいバリエーションとキャラクター数を誇る。
    • カメオや勝利デモ限定なども含めれば更に多い。
  • 豊富なキャラクターの組み合わせ×グルーヴ×レシオ配分という膨大なバリエーション
    • 「キャラ」「グルーヴ」「レシオ」という3つの要素が生み出すキャラクター性能やチーム編成の多彩さが本作の特徴であり、最大の魅力である。
      • グルーヴは自分が使いやすいのか、主力キャラクターに合うものにするか、どのキャラにレシオを集中させるか…などなど膨大なバリエーションと戦略性がある。
      • もちろん好きなキャラクターを高レシオで起用してチームの主力にする、ということもできる。
  • 良好なゲームバランス
    • ゲームバランスも良好で、タイトルの通り100万回の対戦に応えうるゲームに仕上がっている。ただし「前転キャンセルが発見されるまで」という注釈は付く。
    • また、やっぱりガチなら選ばない理由は無いレベルの強キャラ×強グルーヴは明確に存在する。
  • CAPCOM・SNK両社の格闘ゲームの特徴を折衷したバランス
    • 細かい点では、弱攻撃による硬直が全体的に長く目押しコンボがしやすかったり、近づきつつガードしている相手をゴリゴリ固めることができる。
      一方で間合いの取り合いの駆け引きも損なわれておらず、うまく両社の格闘ゲームの特徴を折衷したといった所。
    • 前作の通常技はカプコン側から中攻撃を削除するという仕打ちだったが、今作ではSNK側に中攻撃を追加する格好となっており、その技も元レバー入れ小攻撃などといった技のレパートリーを無駄にしない割り当て。
  • 質の高い新規BGMとステージ
    • 特にロンドンステージの「This is true love makin'」は本作を代表する屈指の名曲。
      • 実はタイトルと同じ言葉をほぼ繰り返しているUKハウスだが、そのノリの良さはすばらしく、一聴しただけではとてもそうは思えない。オシャレで、それでいて熱くなれる、いい意味で「邪魔をせず、テンションを高めてくれる」曲である。
    • ステージは歴代の作品から引用しない完全新規の物だが、一部のCAPCOM・SNKキャラクターがカメオ出演している。

問題点

  • 3人(レシオ1×2、レシオ2)で組んだ場合が体力面で最も有利になるため、上級者同士の対戦になるとやはりレシオ3や4は意味が無くなる。
    • かつて「レシオ4ライデン」で大会を荒らしに荒らしたプレイヤーがいたという話もあるが。
    • 前作でもレシオ1×4が結局一番有利ということになっていた。今作では4人チームが不可になり、レシオ可変のため死にキャラがいなくなったりと改善されてはいる。
    • 一応、筐体設定により『KOF』風の3on3モード(能力は全員レシオ2相当)にも変更できるが、アーケードでは(前作の2on2モードとは違い)事前に店側の設定変更が必要なため、一般的なルールとはならなかった。
    • これが逆だと強キャラ対強キャラの1対1になってしまうので、ある程度は意図されたものと思われる。
  • 前転キャンセル」というバグ技の存在。
    • C、A、Nグルーヴで使用可能な「回り込み」という無敵状態で回避するコマンドアクションから、一瞬遅らせて必殺技を入力することで回り込みをキャンセルして必殺技が発生する。前転キャンセルは、このとき「回り込みの無敵時間が必殺技の動作に付加されるバグ」であり、前キャン(または「RC」(ローリングキャンセル))などと通称される。
    • 無敵時間は基本的に昇龍拳などの「後隙の多い切り返し技」や「ゲージを消費するスーパーコンボ」の特権であり、さらに本作では意図的に無敵時間を短めに調整されていた*3のだが、前転キャンセルを使うことにより殆ど全てのコマンド技に無敵時間が追加されることになってしまい、慎重な立ち回りと対応を基本とするゲームコンセプトが大きく崩壊した*4
    • 前キャンが発見されたのは稼動から1年ほど経ってのことで、修正された基板などは出されていない。
      • 初心者がゲームセンターで対戦する場合は前キャンの存在を留意しておく必要がある。もっとも、今から同作をやりこもうとする人はごく僅かであろうが。
      • このバグの発見が、稼働開始以来1年続いたアーケードでの対戦ブームを一気に終焉させたことからも、ゲーム性への悪影響は言葉では言い表せない。トッププレイヤーの一部だけはそれを織り込んだ上でプレイし続けていたが、上級初級問わず殆どのプレイヤーはゲームそのものに見切りを付けて離れてしまった。
      • アルカディア主催の大規模ゲーム大会『闘劇』でもこのバグは平然と使われており*5優勝決定戦の決着シーンで使っていることがはっきり分かっていたのも有名な話である。
  • 膨大なキャラクターとグルーヴの組み合わせ数により稼動からの模索期間が長かったが、『どのキャラのどのグルーヴが強いか』という答えについては現在はかなり煮詰まっている。
    • 本作での代表的な強キャラはサガットとブランカ。ガチンコでの対戦になると、どちらも入っていないというチームは殆ど無くなる。
      • キャラクター性能の高さもさることながら、二人ともやや鈍いがリーチが長めで体力も高目、技の攻撃力が高くじっくりと戦いやすいという特徴がチーム戦の性質と相性が極めて良い*6。このためか後述するEO版ではこの二人(とキャミィ)は特例として技の攻撃力が単純に減っているという調整が与えられたほど。
    • グルーヴで最強とされるのは、オリコンとRCが使用可能なA。これと相性がいいキャラクターもベガ、さくら、バルログなど…最強クラスのキャラクターは大半がカプコン側のキャラクターである。まるで『MARVEL VS. CAPCOM 2』のカプコン側不遇の反動かのよう。
      • Aの肝である オリジナルコンボは、自由度が高くプレイヤーの研究に全てが委ねられるシステムで、実装されたゲームでは常にバランスを崩す原因になる というジンクスを持っている。本作でも例に漏れずガードクラッシュ連携や同レシオ7割越えのオリコンが続々と見つかり、さらに前転キャンセルの恩恵を受けたことでAグルーヴの強さが際立つ事になった。
    • SNK側のキャラクターは元の作品から大きく性能が変えられた技があるなど、ゲームコンセプトに合わせる為とはいえ違和感のある調整がされているキャラが多い。
      • SNK作品では一貫した使い方が出来ていた技が、本作のみ出来なくなったりと不可解な弱体化が見られる。必殺技の性能変化はSNKでも結構あるのだが、通常技も同様の用途のカプコン側のものに比べると弱く変更されてるものが見られる。
      • 性能自体もカプコン側のキャラクターに比べると全体的に控えめ気味。特にリュウとリョウの性能差(リョウがかなり弱く調整されている)はSNKファンの悲しみを誘った。個人単位では響や庵などがキャラランクの上位には入っているのだが…。
  • 勝利台詞など、キャラクターの性格を掴めていないのではと思われる部分も多々ある。
    • 例としては意外だが、SNK側メインキャラクターの草薙京が特に酷い。原典では自分を高みに置きつつも相手に一層の努力や研鑽を促す、高飛車だが隠しきれない爽やかさを持ったキャラクターだったが、この作品での京は天才である自分と比較して相手を貶めるだけの傲岸不遜な人物になってしまっている。そして、その京の性格についてSNKの後継会社であるSNKプレイモアが『この作品の』影響を受けてしまっているのは皮肉と言える。
    • 他にも『龍虎の拳』のユリ・サカザキが原典とかけ離れたKOFでのキャラ像を更に強調した性格付けになっていたりする。
    • また、イーグルが男色家を思わせるキャラになっているのも賛否が別れている。

移植

  • 稼動して1ヶ月ほどでドリームキャストとプレイステーション2に移植された。その後も、簡単に必殺技を出せるEO(Easy Operation)機能を搭載したゲームキューブ版、Xbox版が発売されている。
    • PS2版とDC版は、異なるハード間においても通信対戦が可能だった(当時はダイヤルアップ接続が主流)。現在まで考えてもかなり異色。(現在はサービスを終了している)
    • カラーエディットやグルーヴエディットが可能で、特にグルーヴエディットでは本来モリガンのみの特権であるチェーンコンボなどを共通システムにすることで、全く別のゲームにすることもできる。
    • ちなみに先述の前転キャンセルは、PS2のベスト版やEO搭載版では削除されている(というよりも元々バグであったため、修正といったほうが正しい)。開発側としても苦慮した点だったようだ。
      • これらの調整がなされた上で、快適なプレイが可能だったXBOX版EOのネット対戦は非常に好評で、無印版XBOX LIVEの終了まで一定数のプレイヤーが常駐していた。
  • 2012年9月19日からはPSNでPS2アーカイブスとして配信が開始された。価額は823円*7と御手ごろだが、残念ながらネット対戦機能は対応していない。
    • とは言え、PS2版が元々対応していたマルチマッチングの方がサービス終了していることに加え、アーカイブス故に言ってしまえばPS2版をPS3上でエミュレートしているだけなので出来なくても仕方ないだろう。

その後

  • 倒産したSNKの後を継いだSNKプレイモアの開発により、『SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS』が2003年にMVSプラットフォームでリリースされた。