「フロントミッションシリーズ ガンハザード」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
フロントミッションシリーズ ガンハザード - (2018/10/05 (金) 21:02:27) の編集履歴(バックアップ)
FRONT MISSION SERIES GUN HAZARD
【ふろんとみっしょんしりーず がんはざーど】
ジャンル
|
アクションRPG
|
|
対応機種
|
スーパーファミコン
|
メディア
|
24MbitROMカートリッジ
|
発売元
|
スクウェア
|
開発元
|
大宮ソフト
|
発売日
|
1996年2月23日
|
価格
|
11,400円(税抜)
|
配信
|
バーチャルコンソール 2008年5月20日/800Wiiポイント
|
判定
|
良作
|
フロントミッションシリーズリンク
|
ストーリー
西暦2064年、ベルゲン共和国でクーデターが勃発。
その際、主人公は大統領を国外脱出のために同僚のレロスと軍港で護衛の任務にあたっていた。
出港直前にクーデターの指導者であるアーク大佐と彼の率いる部隊が軍港を襲撃する。
主人公はレロスの死を目の当たりにするが、軍人としての任務を果たすために大統領とともにアークを退け、まだアークの手に落ちていない基地を目指す。
しかし彼の奮戦むなしく罠にかけられ、主人公は大統領ともども捕えられ投獄される。
獄中で一度は敵として戦ったヴァンツァーキャリアークルーと出会い、ともに脱獄して共和国を脱出した後、レロスの敵を討つため、そして大統領誘拐の汚名をすすぎ祖国を取り戻すために傭兵として戦うことを決意する。
それから紛争や内戦、テロなどが多発する世界各地を転戦する中で多くの仲間と出会う。
しかし、それは同時に、ある隠された秘密を知ることでもあった……。
概要
シリーズ初代である前作がシミュレーションRPGだったのに対し、本作はアクションRPGとなった。
開発は重装機兵シリーズを手掛けたスタッフが立ち上げたメーカーで、そのせいかパッと見の画面はそのまま『重装機兵ヴァルケン』である。
シリーズの歴史から唯一外れた時系列に位置する作品。
特徴
-
本作は大まかに言えば、ステージ選択式の横スクロールアクションである。
-
山岳地帯、砂漠、地雷原、要塞、海上など戦場のバリエーション(シチュエーション)も豊富。
-
従来とは違いヴァンツァーの各パーツは固定。乗機は新型が登場する度に乗り換える形となっている。
-
カスタマイズは部位毎にパーツを選択するのではなく、武装や外付けユニットなどに限られている。
-
また、新型機ほど身長が高く、狭い基地内や洞窟内では時としてマイナスになることも・・・。
-
大きな特徴として「機体の乗降」ができる点が挙げられる。
-
任意で機体を降り生身で戦える。当然、ヴァンツァーに比べると武装も機動性も劣るため、生身で行動するのは大きな危険が伴う。しかし、この状態でしかできないことも多い。
-
シナリオの展開上強制的に生身にならざるを得ない状況も出てくるので、立ち回り方に慣れることが重要。
-
レベル以外に熟練度の概念がある。
-
機体以外の装備品などにも設定されており、使い込めば使い込む程性能が向上していく。
-
また、熟練度を上げるとステータス画面で表記された性能以外が強化される武器もある。
-
共闘する僚機の存在。
-
ストーリー中で仲間になったキャラクターを一緒に出撃させることができる。
-
キャラクター同様機体も個性的でそれぞれ特徴が大きく異なる。
-
2Pコントローラーがあれば二人同時プレイも楽しめる。
-
シリーズでは唯一正史とは異なる歴史を辿った未来を描いている。共通点は歩行兵器「ヴァンツァー」(と他一部)くらい。
-
1STの人物とは別人だが物語に大きな役割を果たす「サカタ」が登場していたりする。
登場人物
+
|
若干ネタバレあり
|
-
味方キャラクター
-
アルベルト・グレイブナー(変更可能)
-
本作の主人公。NORAD軍軍曹。アークの起こしたクーデターによって国を追われ、傭兵となり各地を転戦する。正義感の強い青年だが、その正義感が高じて戦場でとんでもない行動を起こす事が多々ある。
-
初期機体はハービーGで、お店に売り出される機体を購入する事で乗り換えて行く。
-
ブレンダ・ロックハート
-
本作のヒロイン枠。キャリアー(母艦)の操縦を担当。敵基地を見つけるや爆撃しようとするなど過激な言動が目立つが、アルベルトを案じる女性的な一面もある。
-
戦闘中に指示を出すことで母艦から支援攻撃を行ってくれる。ただし砲撃回数には制限があり、基地内など使用できない場所もある。
-
クラーク・ウィルソン
-
スイス連邦軍の大尉。ヴァンツァー乗りとしての修行を積むためアルベルトに同行する。性格は堅物な軍人。
-
乗機はアルベルトと同じだが、機能限定版のため水平方向にしか射撃できず、シールドも使用できない。
-
エミル・シンスキー
-
ヤクート反政府軍所属。作戦失敗の責任を取らされ処刑されそうになったところをアルベルトに助けられ、以後行動を共にする。性格は気弱な少年。
-
僚機の中で唯一アルベルト機の体力を回復させてくれる能力を持つが、エミル機自体は攻撃も防御も出来ないためむしろ自分が先にやられてしまいがち。
-
ルヴェン・アルハーディ
-
暗号名「ボマー」、アラブ連邦軍所属の諜報員。敵軍の捕虜となり、移動要塞に監禁されていたところをアルベルトに救出される。皮肉っぽいところがあり、よく軽口を叩く。また出撃前にはタロット占いで今日の運勢を占ってくれる。
-
その名の通り彼のヴァンツァーは爆弾による広範囲の爆破攻撃を得意としている。この爆発によくアルベルトや自分自身のヴァンツァーを巻き込んでしまうことが多いのが最大の欠点。
-
アクセル・ボンゴ
-
ザンボラ軍所属。自身の故郷がビショップによって焼き討ちにされた事からアルベルトに同行する。父親に「ええすぱいろっと」(エースパイロット)、「ヴァンツァーに乗るために生まれてきた男」と評されるほどの腕前。
-
エースの名に恥じない操縦技術を持ち、小型ヴァンツァーで戦場を縦横無尽に駆け回る。しかし元気が良過ぎてよく地雷を連続で踏んだり、空中ステージでエリアーオーバーになって爆散したり、要塞内で肝心な時に迷子になってしまっていたりする。クラークとは異なり斜め方向にも射撃できる。
-
上記の理由により、ビショップに対して強い恨みを持っている。そのため、ビショップが登場するミッションに連れていくと特殊な会話が発生することも。
-
アキヒコ・サカタ
-
シールド工学の権威。世界中のありとあらゆる兵器を自身が作ったシールドで防ぐことが夢。敵の大出力兵器への対抗策としてアルベルトにスカウトされる。他のFMシリーズに同じ「サカタ」と言うキャラが存在するが別人である。
-
防御専用の特製ヴァンツァーを使用。戦闘中は常にアルベルト機のやや前方に位置し、アルベルト機への遠距離攻撃をバリアーで遮断する。バリアーには制限時間が存在するため、ステージ開始時から使っていると丁度ボス戦の直前にバリアーのエネルギーが切れてしまうことも。
-
アニタ・ディアモンテ
-
ガーディアン所属。敵の捕虜にされていた所をアルベルトに救出される。性格はブレンダとは正反対のおしとやかな性格。
-
戦闘中は小型の支援機に搭乗し、機銃と爆弾による援護を行ってくれる。機体が小型なため当たり判定が小さいのがメリットだが、常にアルベルトの後方を一定の高度で飛行しているため、アルベルトが回避した攻撃によく直撃する。
-
カゲミツ
-
サカタの作ったレーダーマシン。サカタを仲間にした後で再びサカタの基地を訪れると仲間になる隠しキャラ。
-
彼を僚機に選択すると、画面に常にレーダー画面を表示してくれる。自身は一切攻撃出来ないが、敵の攻撃によって絶対に破壊されないという特徴を持つ。
-
敵キャラクター
-
ジェノス・フェルダー
-
凄腕傭兵部隊クリムゾンブロウのリーダーであり、アルベルトのライバル。各地の紛争を影で操る存在を追っている。あくまでも彼とアルベルトは同じ傭兵稼業であるため、必ずしも対立する訳ではなく依頼によっては共闘することもある。
-
赤い専用機や生き別れの妹との確執、エンディングのワンシーンなど、某ガンダムの紅い彗星を連想させるキャラクター。
-
高い機動力と異常なまでの耐久力を持つ真紅のヴァンツァー「ホイレンヴォルフ」を駆る。ゲーム中盤までは強敵だが、攻撃手段がバルカン一本と貧弱なため、次第に成長したアルベルトに追いつかれていく。
-
ルーク (本名不明)
-
クリムゾンブロウの一員。ジェノスに心酔している。物語終盤にはジェノスを助けるためにアルベルトと行動を共にする。主君に忠誠を誓う武士のような性格。
-
片腕が巨大なビームキャノンになっているヴァンツァーに搭乗する。攻撃力・防御力ともに高く頼りになるが、機体の設計上、水平方向にしか射撃出来ない。
-
ビショップ (本名不明)
-
クリムゾンブロウの一員。自分自身の楽しみのために罪もない民間人を虐殺し、村を焼き討ちにするなど極悪非道な性格。
-
その一方で、その強烈過ぎるキャラクターや名(迷?)台詞の数々からファンの間で人気は高い。
|
評価点
-
アクションゲームとして完成度が高い。これと言ったバグもなく操作性も良好である。ハードナックルで敵を吹き飛ばした所にショットガンを撃ちこんで撃破、などの動きが滑らかに出来ると中々爽快である。
-
ただし飛行時は慣性の影響が大きいので、思い通りに動かすにはコツを要する。
-
同スタッフの過去作『レイノス』『ヴァルケン』は巨大ロボットの重厚感を出すために意図的に「重い」操作性にしていたが、本作は操作性の向上と軽快なヴァンツァーの挙動によって存分にエースパイロットの気分を楽しむことが出来る。
-
ゲームバランスが良好。初回プレイならそれなりにやり応えもあるし、ゲームオーバーになる事もあるだろう。
-
当然慣れるにしたがって簡単に感じるようになるが、制限プレイがやりやすいのでやり込みの幅が広い。
-
良曲揃いのBGM。植松伸夫、光田康典、仲野順也、浜渦正志といった錚々たる面子が担当。
-
メインテーマとも言える「鉄の足音」、各ステージの大ボス戦の「WARNING TWO」などは人気が高い。
-
シナリオが特に優れているとまでは言わないが、復讐・陰謀・裏切り・絆・真実など毎マップで味付けがなされており、終盤は中々に熱く盛り上がる。
-
一つの地域の泥沼の紛争を描いた無印との対比として、主人公一行が全世界を股にかけて活躍すると言う娯楽性の高いシナリオとなっている。
-
本作を語る上で外せないのが、濃いキャラクター達の存在である。名言(=迷言)の多さなどから、恐らく最も語り継がれているのもそういう部分である。
-
キャラクターデザインは「1ST」同様、天野喜孝が担当。「1ST」と異なり、敵味方共に多彩な表情が用意されているため、キャラクターの特徴がいっそう強くなっている。
-
主人公のアルベルトを始めヒロイン(?)ことブレンダやトレーラー大統領ことオーウェン大統領、傭兵部隊クリムゾンブロウの面々など挙げればキリがない。名も無い敵の一般兵も含め、登場キャラで存在感の薄いキャラを探す方が難しい程。
-
特に傭兵部隊クリムゾンブロウのメンバーの一人「ビショップ」というキャラはその独特な喋り方から発言という発言がネタにされている。
難点
-
味方CPUの頭の悪さ。
-
敵を撃破した時の爆風に当たるとダメージを受けるため、CPUが攻撃したタイミングが悪いと無駄にダメージを食らう羽目に。(これもネタにされているが)。
-
CPUは、壁の向こうにいる敵などの攻撃が当たらない位置にいる敵にもお構いなしに攻撃を仕掛ける。味方のヴァンツァーの弾数には限りがあるので、長丁場のミッションになるとボスに辿りつく前に大抵弾切れを起こす。
-
味方のヴァンツァーにも修理費用がかかるので、役に立たないどころか使わない方がマシなレベルの仲間も何人かいる。回復してほしいときに回復してくれないエミルや、敵味方ともに甚大な被害をもたらすルヴェンなどはその代表格。
-
二人同時プレイができるなら上記の欠点はある程度カバーできる。それでもルヴェンの誤爆ぶりはどうにもならないが。
-
メインウェポンの使い勝手に大きな開きがある
-
弾の装填に「弾を打ち切ったら一括で全弾リロード」「常時1発づつリロード」の2種があるが、後者は打ち切ってしまうと待ち時間が長く、使い辛い。
-
圧倒的に強いのがショットガンで、一括リロード、攻撃範囲が広く当てやすい、複数ヒットで高ダメージと、戦力的に考えるとほぼ一択になってしまう。
-
サブウェポンの中では、威力と連射力が高いアッパーバルカンが頭抜けて強い。一部では神器などと呼ばれている。
-
同時にクセの強い武器でもあるが(自機の真上にしか飛ばない)。
-
自機より大きな機体が相手なら、敵に密着して撃つことで上記の弱点はカバーできる。また、ボス敵は自機を遙かに上回る巨体であることが多いため、大抵のボスはアッパーバルカン一本で秒殺できてしまう。初心者救済武器ともとれるが、この武器を封印するプレイヤーも多い。
総評
異色作である本作だが、そのアクション性の高さやストーリー、濃いキャラクター等からファンも多い(2chのスレは未だに進行中)。
その他
-
前述の通り、生身で行動することにはリスクが付きまとう。が、アルベルトは生身でも普通に戦える。
-
そして「生身でなければ通れない通路」はあるが、「ヴァンツァーに乗らなければ攻略出来ない箇所」は無い。
よって生身のみでのクリアも(難易度は跳ね上がるが)十分に可能。
-
しかも「ハンドガンとハンドグレネードだけで敵ヴァンツァーを易々と撃破」「敵ヴァンツァーに轢かれても(一発では)死なない」「しゃがめば射撃攻撃を完全無効」などかなり超人的な行動をとるため、アルベルトはフロントミッションシリーズ最強の主人公と言われることまである。
-
ちなみに製作側が生身プレイを想定したセリフまである。
-
なお「生身で戦う」という要素は『3』にて再登場するが、流石にここまで強くはない。