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みんなのリズム天国 - (2013/11/28 (木) 19:08:13) の編集履歴(バックアップ)


みんなのリズム天国

【みんなのりずむてんごく】

ジャンル 音楽ゲーム(ノリ感ゲーム♪)

対応機種 Wii
発売元 任天堂
発売日 2011年7月21日
価格 5,800円(税込)
レーティング CERO:A(全年齢対象)
分類 良作
ポイント 基本部分はいつも通り
据置機で強化されたアニメーション
リズム天国シリーズ
リズム天国 - リズム天国ゴールド - みんなのリズム天国

概要

リズム天国シリーズ第三弾。過去作は2作品とも携帯機でリリースされてきたが、本作は据置機であるWiiで発売された。
基本的なゲームシステム・構成は、初代『リズム天国』のものとほぼ同様となっている。「楽曲提供:つんく♂」も同じ。

特徴

※シリーズ作と共通する部分は一部省略。

  • Wiiと言えばWiiリモコンによる特殊な操作形態を特徴の一つとしているが、本作の入力操作は「Aボタン」「A+Bボタン同時押し」の2種類のみ。
    • GBAで発売された初代では一部ゲームにて十字キーも使用したため、操作形態に関しては初代よりも単純になったと言える。
  • 1ステージには4つのステージがあり、1-5ステージではそれまでの4ゲームを混ぜた「リミックス」ステージが登場。これをクリアすると次のステージに進む。
    • ステージ1~7まではオリジナルのリズムゲーム、8~10ではそれまでの上位版が登場。通常リズムゲームが7×4の28種、上位リズムゲームが3×4の12種、リミックスが10種、計50ステージで構成される。
  • おまけ要素として、本作でもステージ評価が「ハイレベル」(4段階評価の最上位)になるとメダルを獲得し、それを溜める事でミニゲームを開放できる。
    • 恒例の「リズムおもちゃ」「エンドレスゲームズ」の他、過去作収録のリズムゲームの一部を遊べる「エクストラゲームズ」がある。
    • 本作は2人同時プレイモードがある。初代の移植であるアーケード版リズム天国にも同様のモードが搭載されていたが、家庭用シリーズとしては初。1人用リズムゲームを2人プレイ対応にしたものが8種類、2人プレイ専用の「ふたりでエンドレスゲームズ」が5種類(内1つは1人用リズムゲームのエンドレス版)をプレイすることが出来る。

評価点

  • 強化された映像演出。
    • シンプルな線のかわいらしいキャラクターデザインに、目視入力なんてさせないキレのあるアニメーション…という方向性はシリーズの流れを引き継ぎつつ、動きのなめらかさやスピード感は大いに増した。画面エフェクトも派手になっている。
    • 本作の演出の特徴として、過剰なまでに表現された遠近感が挙げられる。遠く離れた小島にあるカップに次々とボールを打ち入れる「ホールインワン」や、遠くから弾かれる豆のようなものをフォークで刺す「くしざし」の他にも、よく見ると蹴飛ばしたボールが遠くで落ちていく様子が見える「Wデート」など様々。過去作にもズームイン、ズームアウトを使った演出等は存在したが、テレビによる大画面を使った遠近感の表現は据え置きならではと言える。
    • ボイスも鮮明になった。入力の合図に長セリフを用いる「レスラー会見」や、チアガール隊によるマスゲームといった趣で掛け声の飛び交う「図書ガールズ」、女性ボイスのラップに声を合わせる「だいスキRAP」など、多めのボイスをBGMに調和させ効果的に使ったステージもある。
  • 良質でノリやすく、入力の合図も曲の一部に組み込まれていて、気持ちよくボタンを押せるBGM。シチュエーションからしてユニークで、見ているだけでも面白いステージ映像。こうした、シリーズ全体で愛されている要素は本作でも遜色なし。
    • 最初は取っ付きにくくとも、リズムにノる事を重視して練習をすればちゃんとクリアできる。そんな程良い難易度も健在。
  • みんなで楽しめる2人プレイ。
    • 純粋にリズム感を競い合っても良し、敢えてミスして相手を邪魔するのも良し。従来作や1人用モードとはまた違ったパーティゲームとして楽しめる。
    • 「ペアメダル」によって開放される「ふたりでエンドレスゲームズ」も好評。1人用エンドレスゲームとは違ったゲームがラインナップされており、特に「カンフーボール」はこれをプレイするためだけに両手でWiiリモコン2本を使って1人プレイする人までいる程。
      • ペアメダルは両方のプレイ成績に「2人の相性」というボーナス評価を加えた得点が規定値を越えると手に入る。1人用と違ってパーフェクトメダルは存在しない。

賛否両論点

  • 操作は単純で入力が難しい事からくる、体感難度のバラつき。
    • 本作は合図→入力の間隔が短く入力頻度も多いステージや、映像演出にリズムを惑わされやすいステージが、序盤から普通に登場し始める。
    • また、早い段階から複数のステージで、裏打ち(音の拍子の合間を打つタイミング)のリズム取りを要求される。「曲を聞きながら、特定の合図に合わせて表と裏を切り替える」入力には慣れが必要であり、この得手・不得手で難易度の感じ方には大きく差が出るだろう。
      • 前述の通り、本作はボタン2種類のみで全ての入力をまかなう、歴代で最もシンプルな操作系。右手と左手を両方使うシーンは一切なし。その分、入力難度が少し上昇したという感じだろうか(ちなみに、表裏の切り替えといえば前作『ゴールド』の「ウラオモテ」ステージが該当する。初登場は6-2と、かなり後半)。
        リズム天国シリーズの難易度はいわゆる「音ゲー」と比べると総じて易しめだが、本作に対しては、「序盤からけっこう難しい」「全体的に簡単」としばしば意見が割れる。
    • リミックスステージは、ゲームが切り替わる瞬間への反応が難しく、覚えゲー寄り。ラスボス的位置付けのステージ「10thリミックス」は、歴代再難関ステージ候補とされている。

問題点

  • 一部にゲームとしてのマンネリ感を覚えやすいステージがある。
    • 例1. 地味……ロケットゼロ
      • カウントがゼロになったらAボタンを押してロケットを発射させるゲーム。カウントの種類は「1」「3」「5」「7」と四種類あり、一見複雑に見える。しかし実は、「1」,「5」,「7」のリズムは全く一緒の二拍テンポであり、実質「3」と「3以外」の2パターンのみ。同時押し操作の出番もなく、押した結果はどれもロケットが飛ぶだけと絵的にも地味。ロケットのカウントダウン音が曲のメインメロディになっている等の光る部分もあるものの、後半の面にしては難易度が簡単な事もあり印象に残りにくい。
    • 例2. 繰り返しが多い……バッティングショー、組み立て
      • バッティングショーは「ピッチャーがボールを投げる→そこから5をカウントする→プレイヤーが来たボールを打つ」ステージ。ピッチャーの振りかぶりモーションに緩急はあるが、全て同一タイミングでの入力となる。BGMも、調を変えつつ一定のメロディを繰り返すだけと単調。
      • 組み立ては、「4つの箱の上を跳ねるモノがプレイヤー担当の箱の上に来たらボタンを押す」ステージ。組み立てタイミング以外ではAボタンを押し、組み立てる際はAB同時押しで引き絞り→離して発射、を行う。短めのBGMをテンポ違いで繰り返すタイプのステージであり、曲に対するモノの跳ね方は全パターン共通。
  • 過去作と比べて新しい入力形態が増えた訳ではなく、純粋なゲーム部分だけを見ると既存のステージとよく似たものも含まれている(例としては、『ゴールド』の「しゅぎょう」とリズムパターンが全く同じの「小さな生き物」が挙げられる)。
  • ボリューム増にはあまり期待できない。
    • 本作の総ステージ数は、『ゴールド』と同じ50。2人プレイ用含めておまけは充実したものの、本編のボリュームは大きく変わっていない。
      • 一応『ゴールド』ではステージ1~6の24ゲームが通常ゲームだったのに対し、本作はステージ1~7の28ゲームが通常ゲームなので若干増えてはいるが、その分上位ステージが減ってしまっている。
    • 初代の移植であるエクストラゲームズも4種類のみ。またおまけ扱いのためハイレベ及びパーフェクト達成時のメダルが存在せず、パーフェクト達成の報酬も無い。
    • また、「みんなで」と言うタイトルに反して2人プレイ可能なゲームは8種類+エンドレスゲームが5種類と少なめ。演出の都合上どうしても2人プレイ出来ないようなゲームもあるとは言え、物足りなさを感じる。

総評

簡単な操作、質の良い音楽、愉快なアニメーション、可愛らしいキャラクター。こうした『リズム天国』シリーズの特徴を引き継ぎつつ、手軽な携帯機対応だったところを据置機にてリリースされたものが本作である。
映像・音楽面の質は大幅にパワーアップ。反面ゲーム面に目立った進化はなく、『ゴールド』で投入されたタッチ操作よりも初代に近いシンプルな操作系に回帰した。これらに対し「据置機フルプライス」という点をどう見るかは個人差の出るところだろう。
総じて、シリーズものの新作として混じり気の無い出来と言える。