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コンバットチョロQ - (2021/04/06 (火) 01:27:40) の編集履歴(バックアップ)


コンバットチョロQ

【こんばっとちょろきゅー】

ジャンル 戦車改造遊撃アクション
対応機種 プレイステーション
発売元 タカラ
開発元 BHE(バーンハウスエフェクト)
発売日 1999年2月25日
定価 6,090円
廉価版 THE BEST タカラモノ:2000年12月7日/2,800円
PS one Books:2004年6月24日/1,500円
判定 良作
チョロQゲームリンク


概要

  • 1980年代に爆発的なヒットを飛ばし、未だに根強い人気を誇るおもちゃ「チョロQ」シリーズの中の1つである「コンバットチョロQ」シリーズを題材にゲーム化したもの。
  • これだけならよくある「おもちゃにゲームをくっつけただけの物」になるのが普通であるが、この作品はそうではなかった。

特徴・評価点

  • 内容的には至ってシンプル。店でパーツを購入し、そのパーツで戦車を強化していき、その戦車でストーリーモードに当たるミッションをクリアしていったりアリーナで敵の戦車と1対1で戦ったりするというもの。
  • 特筆すべきは登場する戦車の殆どが現実の戦争で使用された戦車であるということ。
    • ただ名前があるだけで形が別物…というわけではなく、なんと形や性能や挙動までほぼ忠実に再現。その再現度たるや、わかる人ならミッション中に登場する雑魚戦車でも見ただけで一発で名前がわかる程。
      • 当然ながらポリゴンのレベルも高く、戦車の一つ一つは細部までよく作りこまれている。
      • ちなみにオリジナルの戦車も登場する。主な例としては姿が殆んど見えない「ステルスタンク」だったり。
      • 更には戦車に詳しくない人のためにか登場する全ての戦車に簡潔ながらもわかりやすい解説が用意されている配慮も。
    • こんなにも高い再現度を誇っていながら、なんとゲーム中で使用可能。
      • ゲーム中では「ノーマルタンク」に分類され、ミッション中やアリーナでの戦闘で撃破するだけで好きなだけ使用可能になる。
      • パーツで改造できないという弱点はあるものの、事実上の現実の戦車が動かせると言うだけでもマニアにはたまらないであろう。無論これでミッションをクリアしたりアリーナで戦う事も可能。
    • 但しミッションに関しては、ノーマルタンクは 1周目のプレイ時に未クリアのミッションでは使用できない。2周目(厳密に言えば3周目)からは未クリアのミッションでも使用できる様になる。
  • プレイヤーは最初に旋回できるが高威力の武器が積みにくい「旋回砲塔型」と旋回が出来ないが威力が高い「自走砲型」の2種類を選ぶ事が出来る。名前も付けることが可能。
    • どちらも一長一短であるためどれを選んだほうが楽なのかは個人差の問題。自由に選ぶべし。
      • ゲーム内では「カスタムタンク」に分類され、もし選択を間違ってしまってもショップで車体を買えば変えることが可能。
  • ミッションは数が多くやり応えも満点。
    • ミッションの種類はどれも豊富で、単純に進撃していくだけのミッションや戦場と化した市街地からの脱出、更には月面でのミッションや異次元に行くミッションまで存在する。
      • このような普通の戦車じゃ絶対にできないシチュエーションが出来るのもチョロQがおもちゃだからこそできる事であろう。
    • ミッションのシチュエーションにも知っていれば随所にニヤリとできるネタが散りばめられている(「近すぎた橋」など。元ネタは映画「遠すぎた橋」から)。
    • ミッションをクリアするとその結果に応じて成績がつけられ、ランクA、B、Cの3種類がある。ランクAが一番良く、ランクCが一番悪い。
      • プレイの進行には全く関わってこない要素ではあるが、エンディングはこの成績次第で内容が変わるマルチエンディングとなっている。全てのミッションでランクAを取らないと一番良いエンディングを見る事は出来ない。
    • ただしやり応え満点な分難易度も高い。おもちゃのチョロQの購買層である子供には少し辛いだろうか。
      • 前半の山場、ボスタンク「マウス」戦はゲーム中でも屈指の高難易度となっている。
  • 前述したショップでは、実に様々なパーツを買うことが出来る。
    • ただしゲーム開始時点では2つのショップでしかパーツを買うことが出来ない。ミッションを進めていけばそれに合わせて選べるショップの数が増えていき、より強いパーツを買うことができるといった仕組み。
    • パーツの価格はどれも高いため購入は計画的に。
  • アリーナでは3階級のクラス(ライト、ミドル、ボス)で登場する戦車と1対1で戦える。
    • 強い戦車ほど勝利時の報奨金が増え、一度勝った相手でも再び戦う事が出来るため腕試しとしても最適。
    • なおボスクラスの戦車はいわゆる裏ボス的な扱いの戦車が多く、報奨金も非常に多い。3台同時に登場するものがいたり、戦車じゃないだろとツッコみたくなるような敵も登場したりする。
  • ガレージでは戦車の改造や上記の解説などを読んだり出来る。
    • 基本的に改造では性能の高いパーツをつけていけばいいが、車体の許容重量をオーバーすると使う事が出来ないので重さも重要となってくる。
    • また武器面でも基本的には強力な物をつけていけばいいが、強力な物ほど弾数が少なくなるという弱点があるためミッションによってはあえて弱い武器にするというテクニックもある。
    • その他には、レーダーだったり無傷で地雷を爆破できる装置だったりなど様々な用途の物がある。これらはミッションごとに変えていくことで有利に進むことができるため高い戦略性を実現している。
  • また最大4人で対戦をすることも出来る。
    • 使用するメモリーカードは最低1つだけでもよく、上記のノーマルタンクを使用する事も可能。
    • カスタムタンク同士での戦いだとつけるパーツ次第でいかようにも戦略を立てられるため、同じくらいの腕の相手がいる場合は非常に白熱した対戦が出来る。
  • そのほかの要素もとても良質。
    • 中でもBGMの評判が良く、ゲーム全般において戦争をしている雰囲気を見事に演出している。また、単体で聞いてもとても聞き応えがある。
    • 操作性も様々なモードから選べる上にキーコンフィグも使用でき、作中で流れるムービーの質は演出など様々な面でPSトップクラス。

問題点

  • 今作唯一の問題点として、ロードの長さが挙げられる。
    • 一回につき5秒ぐらいの読み込みがセーブするときやメニューを変えるだけで起こる。しかもミッションでのロードだと10秒以上。
      • ただしミッションでのロード中はマップが表示されるので気にならなくなっている。
  • ミッションが使いまわされている。
    • 一度出現したミッションの内容はいずれ別の形でプレイすると思って良い。
      • 出現する敵戦車や天候のパターンは異なっている他、場合によってはやる事が違う(飛行機の護衛→爆撃機の離陸阻止)場合もあるのだが……
      • 一応、上記のようにただの水増しにならない工夫はしっかりなされている。
  • お金に困る状況になりやすい。
    • 一度クリアした作戦はクリア後に得られる資金が大幅に減ってしまう。アリーナも一度倒した敵の賞金が減ってしまう。
    • そのため金欠になると稼ぐのに時間がかかってしまう。
  • ノーマルタンクの性能差
    • 基本的にノーマルタンクはカスタムタンクよりも性能は低い。それだけならまだ良いのだが、あまりにも元の戦車の性能を再現しようとし過ぎたためか、タンクによっては作戦で殆ど使い物にならない性能のものもある。
      • 例えば 「M3リー」 は機動力以外の性能が低く、装甲が薄い上弾の装填に時間がかかるので最初のミッションをクリアする事さえ厳しい。その上最初のミッション以外殆どクリア出来ない。
      • 更に上記のM3リーよりもクリアが難しい 「1号バイソン」等のタンク が存在する。
      • そして更に上記のタンクよりも弱い最弱タンクが「スチュアート」。 このスチュアート、
        ・機動力が恐ろしいほど低い
        ・攻撃力ワースト1(しかも装填時間が滅茶苦茶長い)
        ・射程も短め
        ・申し訳程度の防御力
        と誇張抜きで致命的な欠陥を多数抱えており、 最初のミッションで敵戦車のAIを理解していない限りあっという間にやられてしまう。
      • AIを理解していてもクリアが非常に厳しく、スチュアートの場合、最初のミッションのクリアに30分近くかかる。
        (上述のM3リーですら慣れれば200秒を切ることもできるのに対してこれはかなりの性能差である)
        更に今作品前にBHEが開発した「チョロQマリンQボート」の「スワンごう」の様に、「この戦車でミッションをクリアしたから特別にランクA評価」という救済措置すらない。仮にあったとしてもスチュアートの場合貰える報酬金10倍ぐらいにならないと割に合わないが。当然最初のミッション以外はクリア不可。
      • 一応上記の車種(特にスチュアート)でミッションクリアを目指すというやりこみプレイができなくも無いが・・・(とはいえスチュアートでクリアはAIを理解するまでは無理ゲーである)

総評

今作はこの手のゲームによくある「おもちゃにゲームをくっつけただけ」「人気商品の便乗で出しただけの手抜き」といった代物ではない。
むしろ、ゲーム全般においてどの要素をとっても非常に完成度が高い事から製作スタッフの戦車愛のようなものすら感じる。
子供から大人まで戦車を知らなくても単純にアクションとして楽しめるし、戦車や兵器に詳しい軍事マニアなら随所にちりばめられた小ネタにニヤリとする事もできてより楽しめる。

その後の展開

  • 今作の評価の高さからか以降は本家のチョロQシリーズとは分離して『新コンバットチョロQ』がPS2で、『コンバットチョロQ アドバンス大作戦』がGBAで発売されている。
    • 前者はPS2になったからかグラフィックや収録戦車の数などほぼ全ての面で今作よりパワーアップしている反面、難易度が低すぎたり致命的にボリュームが無い事が問題視されている。
    • 後者は「コンバットチョロQ」というタイトルがついているもののジャンルはシミュレーションゲームであり、コンバットチョロQの購買層とは合わないかもしれない。Amazonのレビューでは比較的好評であるが、敵の思考時間の長さがネックか。