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ドラゴンクエストVI 幻の大地 - (2023/03/13 (月) 17:51:59) の編集履歴(バックアップ)


ドラゴンクエストVI 幻の大地

【どらごんくえすとしっくす まぼろしのだいち】

ジャンル RPG
対応機種 スーパーファミコン
メディア 32MbitROMカートリッジ
発売元 エニックス
開発元 ハートビート
発売日 1995年12月9日
価格 11,400円(税抜)
プレイ人数 1人
セーブデータ 3個(バッテリーバックアップ)
判定 良作
ポイント 転職システム復活
特技の台頭による呪文の価値の暴落
良くも悪くも考察の余地があるストーリー
粗削りながらもドラクエらしい佳作
ドラゴンクエストシリーズ


概要

ドラゴンクエストのシリーズの第6作で、リメイクを除くとSFC最後のナンバリング作品。
「発見」をテーマとする本作では*1、自分の住む世界と「幻の大地」を行き来しながら冒険を進める。
開発元は前作までのチュンソフトからハートビートに変更され、この作品から監修も含めてチュンソフトがシリーズに基本的に関わらなくなっている*2*3


ストーリー

「仲間たちと共に大魔王との決戦に挑むも、返り討ちにあう」…そんな悪夢を見た主人公は、ベッドから転げ落ちて目を覚ます。

山奥の村ライフコッドに妹のターニアと暮らす主人公は、村長の依頼でふもとの町まで使いに出かけることになった。
しかし、ふとした事故で主人公は「大地に開いた奇妙な大穴」に落ちてしまう。

落ちた先にあったのは、自分の住んでいた世界と同じようでいて、同じではない奇妙な世界。
自分からはその世界の人々の姿も声も認識できるが、自分の姿が見える人は誰もいなかった。
どうにかライフコッドへ帰り着いた主人公は、それがこの世界とは異なるもう一つの世界「幻の大地」であることを知る。


特徴・評価点

本作は過去作で好評を得た要素を取り入れながら、進化したグラフィック・操作性・BGMによって、当時のRPGの中で高いレベルの完成度を誇る作品となった。

シリーズ屈指の広大なマップ

  • 主人公の住む世界(上の世界)とは別に「幻の大地(下の世界)」という全く同じ広さのマップが存在し、不思議な井戸を覗きこんだり、上の世界の大穴から落ちたり、階段で行き来する。
    • マーメイドハープを使用して移動する「海底」、終盤に訪れる「はざまの世界」も合わせると、舞台の広大さはシリーズ屈指となっている。
    • 城・町・村や、シナリオに関係ない小屋等も含め、訪問場所も多い。
    • また両世界は密接な間柄にあり、どちらの世界にも存在する町では状況が正反対になっていたり、ほんの些細な部分ではあるが確かな関係と違いを感じさせる要素もちらほら隠されており、独特な雰囲気を出している。
  • ストーリーの本筋は中盤まではいわゆる「一本道」で進行するが、移動手段が増えると世界中を隅々まで探索してまわるような作りになっており、訪れる場所の中にはストーリー攻略に必須ではない「寄り道ポイント」が複数用意されている。その中には大きな見返りがある場所もある。

転職システム

  • III』に登場した転職システムが復活。ゲーム序盤の終わりごろに「ダーマ神殿」で転職できるようになる(レベル20前後)。
  • 今作の転職システムは、キャラのレベルはそのままに「職業毎に8段階の熟練レベル」という形式をとっている。
    • 職業は下級職9種、上級職7種、特殊なモンスター職2種の計18種類。
    • 上級職は下級職を複数マスターすることで転職可能になり、モンスター職への転職解放には「○○のさとり」というレアアイテムを消費する。
      • 熟練レベルは職業に就いている状態で、弱すぎない敵相手*4に規定の戦闘勝利回数をこなすことで成長し、同時に熟練レベル毎に設定された呪文や特技も新たに習得する。
        覚えた呪文・特技は別職へ転職しても消えることはない。
      • 職業に就くとステータスパラメータに○○%(実際は分数での補正)という形で補正がかかる。また、上級職ではその職についている間はさらにステータスが上昇したり、特殊効果が発生する。戦闘系の職業は攻撃やHPが上がり、MPなどが下がるなどの変化を見せ、非戦闘系の職業との差別化を図ることで職業ごとの個性にもなっている。
  • 上記の仕様により、「転職解禁直後にストーリーを進めずに一気に上級職を目指す」というプレイングには、システム側が枷を掛けている。
  • しかし、ゲーム後半の敵相手ならば熟練度上昇限界レベルはどこでも無制限となり枷が完全に外れるため、最終的には「旨味の乏しい敵でも大抵は熟練度強化に繋がる」ゲームバランスとなる。
    • これらの仕様は「効率的なキャラ育成はメタル狩り一辺倒」な過去作の状況に一石を投じる試みとも言える。
  • 今作の各仲間キャラクターは、基本的には従来シリーズと同様にレベルアップでも呪文・特技を覚えるが、レベル20程度を境に自発的な習得は打ち止めとなる。
    つまり、転職前ではキャラごとに個性があらかじめ設定されているが、転職可能になった先からはプレイヤー自身がキャラクターの個性を決めていくのである。
    • また、今回『勇者』が職業として追加された。ドラゴンクエストシリーズファンからは「『勇者』というのは選ばれた特別な存在じゃないと駄目、世の中に何人も居るのは有り得ない」と反発もあったものの、この仕様には「特別な血筋でない人やスライムの様なモンスターですら、夢見て諦めずに努力すれば勇者にだってなれる」というメッセージが込められている…らしい。
      • 主人公のみ勇者になるための条件が緩和されており、他のキャラより勇者の資質があるという設定となっている。主人公が勇者に転職するために必要な戦闘回数は選択する職業によって差はあるが最速500回程度。これより多くの戦闘が必要なルートもあるが、それでも普通にプレイしていれば終盤には無理なく勇者になれる。
      • 主人公以外のキャラクターの道のりは険しく、最短でも約2,300回程度となっている。
    • 前作では終盤になると戦力外になる仲間モンスター*5が多かったが、キャラ格差があるとはいえ、この職業システムによって「完全に役立たず」となることはなくなった。

仲間モンスターシステム

  • V』に引き続き採用。特定の条件で敵を倒すと、戦闘終了後に一定の確率で仲間にすることができる。全18種類。
    • モンスターも人間キャラクターと同様に転職でき、レベル上限も前作より上がっている者が多いが、極端に低い者も散見される。
    • モンスターの管理は、前作に登場した「モンスターじいさん」ではなく、人間と同じ「ルイーダの酒場」に統合された。

グラフィックの進化

  • 32メガビットと当時のSFCとしては大容量のROMを用いており、グラフィック・操作性・サウンドの品質も大きく向上した。
    特にグラフィックとサウンドの作り込みは前作を大きく凌駕したと高く評価されている。
  • 今では当たり前となった、敵モンスター攻撃時のアニメーションも今作が初*6
    • 特殊な例外*7を除き全てのモンスターがアニメーションする。
    • これまで他のRPGでも同じ試みは散見され、また効果音は原則としてアニメと同時には乗らない簡素な演出ではあったが、有名シリーズで取り入れられたことがプレイヤーに与えた衝撃は大きい。
  • 移動・操作性
    • 町中やダンジョンでの移動速度が上がり、地形などに半身が引っかかっても自動で避けてくれるようになった。それに比べてワールドマップだけが『遅い』ため、町ごとの距離感等を演出することにも繋がっている。
    • 戦闘中、前回使ったコマンドのカーソル位置が記憶されるようになった。
    • 主人公だけの特技「おもいだす」。これはゲーム中のNPCとの会話を、Xボタンで記憶して一定数表示する会話ログ・メモのような機能で、レベルが上がると表示数が増える「もっとおもいだす」「ふかくおもいだす」と、不要な記憶を削除する「わすれる」を習得する。
      • SFC版発売当時はスマホはもちろんパソコンも一般家庭には少なく、つまりはインターネット上の攻略サイトは存在しなかった。公式攻略本(定価 2,000円で、上下巻)を持っていない限りは町人の情報をヒントにダンジョンを攻略する必要があったため、非常に便利な機能だった。
    • 「とびら」コマンドが自動化され、対応している鍵を持っていれば扉に触れるだけで自動で開くようになった。後述の「ふくろ」のおかげで鍵をうっかり所持し忘れることもなくなった。
  • 瞬間移動呪文「ルーラ」の消費MPが1と前作までの8から大幅に軽減され、移動にかかるコストが激減した。これにより広大な世界でも移動にかかるプレイヤーの負担が減り格段に遊びやすくなった。
  • アイテム整理
    • 持ちきれないアイテムを入れることができる「ふくろ」が初登場、アイテム預り所まで行く必要がなくなり、 アイテム管理のわずらわしさが軽減された。
      以降の作品でも「ふくろ」は続投され、「預かり所」は「ゴールド銀行」というお金だけを預かる施設に変更された。
    • 「どうぐせいり」コマンドで、全キャラクターの装備品と一部の貴重品以外をふくろに収納できるようになった。
    • 「アイテム」コマンドから直接アイテムを装備できるようになった(前作までは「そうび」コマンドからしかできなかった)。
  • 当時としては最高級のサウンド
    • SFCとしては最高レベルの音色・音質を実現した。どの音色も魅力たっぷりで、プレイヤーを魅了させる。
    • 崎元仁氏が編曲に参加したことにより、これまでのドラクエとは一線を画した、ベースとドラムが大活躍するロック調の曲もあり、良い意味でプレイヤーの予想を裏切った。
    • サウンドデザインは『イーハトーヴォ物語』でマイナーながらも一部で高い評価を得ていた多和田吏氏*8
    • BGMは演出の面でも効果的にはたらいている。魔物を連想させるシーンでは敢えて共通のフレーズを使用したり、町・娯楽施設といった人々が暮らすシーンも同じ曲をアレンジして用いたり、バリエーションは豊富。序盤のフィールド曲などは後から聴くと物語の盛大なネタバレになっていると判るのだが、それをそうと感じさせない見事な構成になっている。
    • ドラクエとしては初めて、フィールドやダンジョンのBGMが流れている時にエンカウントでBGMが途切れ、戦闘後にBGMが戻った際、途切れた部分から再生されるようになった。
      • 過去作では、戦闘後に途切れた部分からではなく最初から再生されてしまうので、BGMの序盤しか把握されず全貌を知らない人が多く、BGMの序盤以外を生かせていなかった。
      • 今作以降、いちいち最初から再生されなくなったことで、BGMの全貌が多くのプレイヤーに把握され、BGM全体が生かせるようになった。
      • ただしラストダンジョンのBGMのみ、戦闘後に最初から再生されてしまう。恐らく意図しない不具合で、リメイク版では修正されている。

ラスボスに関して

  • 本作のラスボスは強さ・ストーリーの両面で非常に印象深いものとなっている。
+ ネタバレ注意
  • 本作は職業システムによって、終盤になるにつれて特技・呪文・仲間が充実してくるためにゲームバランスは徐々に緩くなっていくが、ラスボスはそれまでのボスと比べて急に強くなり、戦闘時の難易度は歴代ラスボスの中でもトップクラスと言える。
    • 第1形態は2つの玉を持った老人。高めの素早さから1ターンに1~3回行動をし、「激しく燃えさかる炎*9」「念じボール」など防御無視の全体攻撃をしてくる他、「もうどくのきり」「マホカンタ」などの搦め手も備えている。「第1形態なのだから小手調べ」といったレベルではない。
    • 第2形態は筋骨隆々の魔人の姿となり、その攻撃力は本作最高の410。それを「バイキルト」で高め、「ルカナン」でこちらの守備力を下げ、「まわしげり」で全体攻撃してくる。ほぼ確実に先手を取る「しっぷうづき」や防御を固める「スカラ」「だいぼうぎょ」も使う。行動回数はランダム1~4回行動となっているが、3回以上の行動をしてくる確率は低いのが救い。
    • 第3形態は巨大な顔と両手に分裂。実質的に常時3~4回行動となり、消耗したこちらのパーティーを激しい攻撃で追い詰めてくる。最大の特徴は左手がザオリクを使うということ。本体を最初に倒したり、全体攻撃を連打してHPの低い右手を最初に倒したりすると、左手が完全な状態で復活させてくるのは本作を語る上で欠かせない話*10
    • 演出面でも、ラストバトル中は作品中で唯一敵の行動アニメーションに合わせて効果音が鳴る仕様で、迫力が巧みに演出されている。
  • ストーリー上においても、人間の夢や希望を奪って侵略する、自らの脅威となる存在を次々と封印・破壊し、易々と復活させないよう強力な魔王に守護させるなど非常に狡猾に立ち振る舞う。
    • 前作『V』同様その存在が明かされるのは終盤になるが、それまでも存在を仄めかすような描写もあり、また存在発覚後も重要人物の1人を主人公達の眼前で抹殺したり、街1つの人間を全て石や動物に変えるなどの暴虐で存在感を見せつけたりする。
    • そのため、ゲーム上・シナリオ上ともに非常に強力な、ドラクエシリーズでも屈指の名魔王と言えるだろう。
+ ……のだが。裏ボスのネタバレ注意。
  • ある条件を満たして裏ボス(ダークドレアム)を倒すと「この裏ボスが一時的に味方となり主人公たちの代わりにラスボスを倒す」という特殊エンディングが見られる。
    その戦いぶりは「先程主人公と戦った時は思い切り手加減してやっていた」と言わんばかりに、ラスボスの全ての攻撃を全く受け付けず、その後完膚なきまでに蹂躙しつくすというもので、イベントでの一時的な仲間であることを差し引いても極悪すぎる。
    • なお、このイベントで撃破すると、ラスボスの台詞が変化するなど、お遊びにしては芸が細かい。
    • このイベントのインパクトのせいか、この裏ボスは『バトルロード』や『IX』での登場時、非常に強い魔王として『V』の裏ボスと並んで別格扱いされている。

おまけ要素

  • 『V』で好評だったクリア後のおまけ要素として、隠しダンジョン、裏ボス、隠し職業・仲間モンスター、隠し装備などが存在する。
  • ちいさなメダル
    • 今作では累積交換方式となり、100枚まで交換アイテムが用意されている。
  • 途中での名前変更
    • 中盤以降、「命名神マリナン」に仕える神官と会話することで、仲間の名前を任意のタイミングで変更することが出来るようになる。
      • さらに仲間だけでなく、なんと「ふくろ」にも好きな名前をつけることができる。
    • ただし、「ああああ」といった同じ文字を4つ並べただけの適当な名前や、下品でふざけた内容のキーワードを名前にしてしまうと「命名神の怒りに触れた」ことになり、高額な罰金を払わないと名前を変更出来なくなる*11ペナルティも存在する。
    • また、他の仲間キャラクターや重要人物の名前は付けられないようになっている。
    • この命名神による名前変更は『リメイク版3』、『7』でも登場した。
  • ベストドレッサーコンテスト
    • キャラクターステータスの「かっこよさ」を装備で補ってコンテストに出場する。男性のみ、女性のみ、モンスターのみなどの縛りもある。また、ボーナスポイントがもらえる装備の組み合わせを探すのも一興。
  • 3か所のカジノ(問題点に記述あり)
    • 前作では1か所だったものが分散され、交換できるアイテムが異なる。
    • 遊べるゲームはスロットマシンとポーカーのみ。ナンバリング作品では最も少ない。
  • スライムかくとうじょう
    • 仲間にしたスライム系モンスター*12をAIで戦闘させる。
      • こちらは一匹で参戦だが、敵は複数。呪文特技・装備が揃わないと難易度は高い。
      • 施設内には、パーティーをスライム系のみにした場合にだけ入れる場所がある。この場合は「ご主人様」が居ないために試合に出ることができない、施設内のスライムと会話ができるなど細かい演出もある。

賛否両論点

本作はシリーズの中でも特に評価が割れやすい作品でもあった。

ストーリーに関して

  • ストーリーや人物像の詳細をぼかした表現が多く、プレイヤーの想像に任せるタイプの物語構成をしている。
    • イベントシーンの回想や町の人との会話でその一端をうかがうことはできるが、やや遠まわしな表現が多く、細かい部分は不明瞭なままエンディングを迎える。オープニングのドラゴンやエンディングのバーバラに関する部分、ラストシーンなどの意味深なイベントにも明確な説明はない。
    • 特に仲間の1人であるミレーユは、エピソードがぼかされていて謎が多い。
      • 出自の設定に関しても、弟がいるなど優遇されており掘り下げる余地が多くありそうだが、出自に関して対象年齢的に詳細を語りづらい(と推測される)部分があるためか、各メンバーの中で最も不明確で謎が多いまま。
      • また主人公やハッサンと違って初登場時ですでに実体を取り戻しているが、これもオープニングでムドーに敗れたあとどのように実体を取り戻したのか描写されない。
  • 途中のクエストが「おつかい」のようなものが多い。
    • 行く先々で人助けをするのもこのシリーズの醍醐味ではあるが、この作品から深刻度の薄い依頼を受けることが多くなる(儀式に行きたがらない王子のお供をしてくれ、○○を取ってきてくれ、など)。しかも依頼人の態度があまり良くないことも多い。
    • 主人公たちが嘘をつく*13ことになるイベントがあり、それを行わなければ話が進まない。それが遠因となって後味の悪い結末を迎えたゲーム内のキャラクターもいるなど、取り返しのつかないことをしたことになる。
    • 初代からプレイヤーの年齢層が変化してきているため、長寿シリーズにおいて仕方ない部分ではある。
  • 「ベストドレッサーコンテスト」でストーリー進行に必須な重要アイテムが手に入るのだが、そのコンテスト会場の場所が分かり難い。
    • コンテスト会場は「岩山に四方を囲まれた狭い盆地」であり、船ごと海に潜って海底の道を通ることでようやくたどり着ける。
    • 一応、後述のアモスイベントの過程でフィールド中に立て札のある小島を発見でき、その立て札に「オシャレさん募集。トルッカのすぐ近くに会場」とコンテスト会場の所在地のヒントが書かれているが、その立て札がある小島に上陸できるようになるのはアモスイベントからかなりストーリーが進行してからであり、プレイヤーが立て札の存在を忘れてしまっている可能性がある。

職業に関して

  • 上記の通り、自発的な呪文・技習得はLV20辺りで打ち止めの今作において、人間キャラの技・呪文習得は転職システムでほぼ賄われるため、熟練度稼ぎの重要性が極めて高い。
    • 熟練度は純粋に戦闘で勝利した回数によってのみ上昇するので、経験値稼ぎにおけるメタルスライム系のような近道がない。
      • 遥かに格上な強敵であっても、単体・群れを問わず、ボス戦であっても戦闘勝利「1回」分扱いである。
    • また重要な仕様の一つに、ゲーム前半の地域では「エリアごとに設定された熟練度上昇限界レベルを超えたキャラは、そこでいくら戦ってもその熟練度が加算されない。」というものがある。
    • よって、ダーマ神殿解放~ゲーム前半終了までの稼ぎ盛りな時期においては、大量の経験値が入る魔物を倒してしまうと本来稼げるはずだった戦闘回数分の機会損失、とも受け取れるため、レベルアップを喜びづらい環境が出来上がってしまっている*14
      • この仕様のため、最序盤の地方で弱い魔物を倒しても加入直後の仲間モンスターぐらいしか熟練度は稼げない。
    • つまりゲーム中盤付近では、熟練度が上がるギリギリの地域で戦闘することが最高効率の熟練度稼ぎとなる。しかしこの場合はキャラの強化は捗るものの、プレイヤーの感じる作業感は強い。
    • ゲーム後半の敵が相手ならばこの熟練度稼ぎの枷は外れ、レベル上げ・お金稼ぎと熟練度稼ぎは両立できるようになる。しかし裏を返せば、後半へ至るまでの期間はキャラ育成に計画性が求められるバランスといえる。
      • この仕様の存在は作中で明言されているが、その戦闘で熟練度が稼げたのか否かのメッセージは用意されていないため、気づかないまましばらく戦っていたが一向に熟練度が上がらないことでようやく気づいた、というケースも多々あった。
  • 職業によって戦闘中の格差が大きい。
    • 下級職は前衛系職業以外におけるHPのマイナス補正が大きい。特に魔法使いはMPが+10%になる*15のと引き換えに「力、身の守り、最大HPが全て-40%」と強烈なマイナス補正をかけられてしまう。最大HPの減少は魔法使いでなくともかなり響く為、HPはマイナス補正無しにするだけでも使い勝手は大きく向上したはずなのだが…。
      • ただし馬車の入れないダンジョン内でも、馬車内の仲間に経験値が入り、移動中に馬車内の味方でもダンジョン内の味方に呪文を使える仕組みとなっているので、戦闘要員と育成・援護のメンバーを使い分ける必要がある。
  • 上級職は複数の下級職を重ねて就けるものだが、下級職9職のうち使いやすい職業「戦士・武闘家・魔法使い・僧侶」4職とそれ以外の特殊な職業5職とで、就ける上級職の選択肢に大幅に差があるアンバランスな設定。
    • 前者はバトルマスター・魔法戦士・賢者・パラディンの4職。条件となる下級職が重複するため効率よくそれぞれの職業に就ける一方、後者は2職マスターでなれるスーパースターと3職マスターでなれるレンジャーのどちらかのみ。スーパースターは最もマスターが早いのだが、レンジャーはそれも無い上にパラメータ補正・習得特技・職業特性のどれもが今一つという三重苦を背負っている。
  • 熟練度をMAXにした職には、獲得する熟練度のもったいなさから就く理由がなくなってしまう。ボス戦の際にパラメータ補正と職業特性を得るために転職することは有効だが、そのためにダーマ神殿まで戻らないといけなくなる。
  • 職業が(悪い意味で)個性を出すことがやりにくい仕組みになっている。
    • 転職によって覚えた呪文・特技はその後さらに転職しても忘れることが無く増えていくため、同じ職業で育てた他のキャラと習得呪文・特技が揃ってしまうため個性が消えてしまう。
      • ただし、クリアまで普通に進めている限りではマスターできるのはおよそ上級職1つ、のんびり進めても2つ程度。戦士系・魔法系・補助系など進んだ道によって経験できる職が違うので、同じ職業のキャラ同士でない限りこの問題は避けられる。
    • また、キャラの能力値や装備できる装備品についてはキャラ依存。これによって、「(武闘派キャラの)ハッサンを魔法使いにする」など元々のキャラの個性に反する育て方をしようとすると強くならない。
      • キャラの能力値は元々の数値に職業ごとのパーセント補正をかける仕様になっている。
      • 装備品の例としては、1度の呪文で2回分の効果が得られる強力な装備「山彦の帽子」はバーバラやミレーユなど魔法使い系のキャラしか装備できないが、代わりに魔法使い系キャラは攻撃力が高い装備が乏しい。
  • ゲームをはじめから開始してすぐに転職できるわけではないので「転職システムによる多彩な成長」を目的にプレイするとしばらくお預けを食らうことになる。
    • 本作のストーリーは物語冒頭から仇敵として登場する「魔王ムドー」を倒すのを境として第一部・第二部に分けることができる。第一部はキャラの個性が決まっており、ストーリーも言われた通りに進めていく一本道傾向が強いが、第二部では転職システムが使用できるようになり、また先述した通り明確な目標も示されなくなるため進行の自由度が高くなる。
    • 総じて、ムドーは魔王らしい強さや倒した時の達成感、真ムドー戦の専用BGMから評価する声は多い。しかし、「ムドーを倒すという目的を果たしたあとは明確な道筋が示されない」「転職によるパワーアップに見合う強さのボスがしばらく出てこない」*16などの点から、逆に「ドラクエ6はムドーまでがメイン」という意見も聞かれる。
  • 職業「魔物使い」の使い勝手が悪い。
    • モンスターを仲間にするには「魔物使い」の職業に就いたキャラを馬車から出して戦わせないとモンスターは仲間になってくれないが、この職業のスペックが著しく低い。
      • ステータス補正があまりに貧弱で実用性が低い。
      • 習得する特技は独特なものの、実用性の高いものは少ない。
      • また魔物使いをマスターすることでなれる上級職は前述のレンジャーのみ。
    • ただし、仲間モンスターの重要性は本作においても高い。ウェイトの大きな要素であることには違いない。
      • 加入時期が序盤の割にハイスペックな「くさったしたい」や、早期に「ベホマラー」と「ベホマズン」を習得する「ホイミスライム」は強力な助っ人となる*17し、AI行動をするさくせんにすると1ターンに2回行動をしてくれる「キラーマシン2」と「ランプのまおう」などは大変強力。
      • このような全職業でも最大級の恩恵を受ける以上は低ステータスでも我慢して使わざるを得ないバランスにしているという見方もある。これでステータスも良ければ他の下級職とバランスが取れなくなる。
    • ただ、そもそも職業育成の仕様から長い間同じ職業についているのは損であり、特定のモンスターを仲間にしようとして戦闘を繰り返すと、魔物使いを担当しているキャラの育成が他キャラよりも遅れてしまう面もある。
      • 仲間にしたいモンスターごとに、要求される魔物使いの熟練レベルがそれぞれ設定されている。このため魔物使いとしての熟練度は必要なレベルまで上げておかなければならず、使い捨ての臨時魔物使いを次々と転職させ直すことでローテーションさせるといった対策も難しい。

その他

  • ゲームバランスについて。本作では後半になると仲間・呪文特技の充実により徐々に難易度が下がっていくが、逆に前半の難易度はかなり歯ごたえがある。
    • まず最初の冒険からして、始まりの村を出たらいきなりダンジョンである。しかも、そのダンジョンではこちらは1人旅なのに対して最大で敵4匹同時出現があるため、最弱ザコのぶちスライムに敗北したプレイヤーも多かった。
      • 最初のダンジョンの宝箱には有用な装備品が入っているが、それを取って生きて帰ってくるだけでも至難の業。
      • RPGに慣れたプレイヤーでない限り、初期費用で装備を整えたり、ダンジョンに入る前にレベル上げをしたりしておかないと、間違いなく全滅する。
    • その後も難易度が下がることはなく、次のシエーナ周辺では一人旅なのにこちらの行動を1ターン封じてくる敵が2種類も出てきたり、攻撃力が高い上に最大6匹で出現し回復までしてくる敵がいたりする。その次のトルッカではルカニ+集団戦法をかましてくる。
    • そして次の目的地まで超長丁場というところで、キアリーが無い段階でバブルスライムが毒を盛ってくる。「キアリーがあるからお役御免」になることが多かった毒消し草のありがたみが分かった人も多い。
    • その次も難易度は緩まず、ダメージの大きいヒャドやギラ、厄介なルカナンが容赦なく飛んでくる。
    • 序盤における超重要アイテムが手に入る塔では、異様にエンカウント率が高い。
    • 極めつけがトラウマモンスター・ストーンビースト。
      • 地底魔城より登場するが、大半のステータスが同時期に登場する敵より軒並み高い上、何よりこの時点ではかなりの威力を持つベギラマを唱えてくるのがとにかく脅威。SFC版では同時に出現するのは最大2体となっているが、それでも2体からベギラマを2連発で受けてパーティが壊滅なんてことはザラである。 
    • ムドーの島やムドー城の敵も、かなり後の敵が先取りして出てくるので手強い。そしてムドーそのものも鬼のような強さ。
    • …と、物語前半はとても歯ごたえのある難易度。本作が初めてのRPGだったり、あるいはRPGに不慣れなプレイヤーは、前半で投げてしまったという人も。
  • そして後半は徐々に難易度が下がっていくのだが、ラスボスは非常に強いので油断できない。
    • 総合して、「本作はRPGとして歯ごたえのある難易度である」というのが一般的な認識である。
  • モンスターから得られるG(ゴールド)の額が低い。1回の戦闘で1,000Gを超えることがほとんどない。
    • 雑魚モンスターに限っても、最高額がおどるほうせきの370Gと少なめ*18。それでいて物語後半での物価は高騰する。
      • ちなみに、おどるほうせきの出現時期は序盤。それ以降、この額を超すモンスターが出現しないという点を鑑みるとやはりバランスを欠いてしまっている。
    • 商人*19や盗賊*20でのバトル後効果を利用しようとしても、不便が多い。
    • 商人の特技「あなほり」で所持金の半分を掘り出す方法もある。66万ゴールド持っていれば33万ゴールドが掘り出せる(所持金99万ゴールドが最大のためそれ以上持っていても無駄になる)。ただし掘り当てる確率は数百分の1と非常に低い。
    • ただ本作は序盤から終盤まで町やダンジョンで強力な装備品が多く拾える傾向にあり、極端な話ラスボス前まで装備をほとんど買わずに進めることもできる。また移動中呪文「くちぶえ」が導入され、戦闘間隔を短くすることができるため稼ぎ効率を上げることもできるようになっている。
  • ダンジョン外から移動中呪文をかけられる
    • 馬車の入れないダンジョン内において、外の馬車で待機している仲間が、ダンジョン内の仲間へ移動中呪文をかけることが出来てしまう。「しのびあし」や「くちぶえ」「リレミト」も可能。
      • ただしムドーの城内部では、外で待機しているはずのバーバラの呪文を使えない。
    • 便利なのは確かだが、極めて不自然であり違和感も強い。

問題点

主に職業と特技のバランスに関して批判されることが多い。

いわゆる「特技優遇」の問題

  • いくつかの攻撃特技は、消費MPが0であるにもかかわらず呪文と同等かそれ以上の強力な効果を持つため、攻撃呪文の存在価値が大暴落した。
    • その代表例が武闘家→バトルマスターの流れで習得できる格闘技系の攻撃用特技。
      • 「武闘家」は誰でも就ける下級職だが、強力な特技を多数習得できてしまう。「まわしげり」は複数対象の攻撃で雑魚の一掃に有用で、「せいけんづき」「ばくれつけん」による強化攻撃はボス相手に有力なダメージソースとなり、いずれも高攻撃力のキャラが使えば威力は呪文以上。更にレベル依存の非物理攻撃「かまいたち」も備え、非力なキャラでも安定したダメージを出せ、強化打撃の効きにくい高守備力の相手にも通りやすい。
      • そして武闘家と他の特定の職業をマスターすると就ける上級職の特技も有用。戦士からの「バトルマスター」は「がんせきおとし」、僧侶からの「パラディン」では「しんくうは」と、それぞれ強力な全体攻撃技を覚える。
    • 極めつけは特殊職業「ドラゴン」で覚えられるブレス技。
      • 「かがやくいき」「しゃくねつ」は呪文を遙かに凌ぐ高威力なのに、これすら消費MP0。クリア後のザコ戦では「全員でドラゴンをマスターして『かがやくいき』を連発」という状態になってしまうことも珍しくない。
  • このような強力な特技の数々に対し、呪文はほとんどが覚えた時点で既に威力不足かつ特技で代替できる威力となってしまっており、使いどころがない。
    • 敵全体にダメージを与える上級呪文「イオナズン(消費MP15)」ですら序盤のダンジョンに出現する無耐性の敵を一撃で倒せないことがあり*21、終盤の敵相手には最大HPの3分の1も削れない事もざらである。
    • 180~200ダメージを与える最強の単体攻撃呪文「メラゾーマ(消費MP10)」も、冒険終盤には「せいけんづき」にあっさり追い抜かれる*22
    • 勇者で習得できるシリーズ通しての最強呪文「ギガデイン(消費MP15/グループ/175~225ダメージ)」は、一見するとかなり強力に思えるが、その後すぐに「ジゴスパーク(消費MP25/全体/210~290ダメージ)」や「ギガスラッシュ(消費MP20/グループ/350~410ダメージ)」という、コストパフォーマンスも威力も圧倒的に優れた特技を習得してしまうため、存在意義がほぼなくなっている。
    • しかも、魔法系職業はステータス補正や特性などにも恵まれていない。
      • 下級職の魔法使いは最大HP・力・身の守りすべてが-40%補正で、後衛キャラを魔法使いにすると耐久のなさがさらに進行するし、前衛キャラでも厳しい数値となってしまう。魔法使いを極めて別の職業に就くころには習得した中級呪文はほとんど威力不足になっている。
      • そこから上級職になっても、魔法戦士は前述のように不遇気味な職業。もう片方の賢者は職業特性で消費MPを軽減できる(マスターすると半減)ためにお得感は出てくるが、その頃にはほぼ全ての攻撃呪文が威力不足でお役御免になっている(回復・補助呪文は別)。
    • よって、活躍可能な攻撃呪文は序盤にミレーユが自力で覚える「ヒャド」や、中盤に基本職「魔法使い」で覚えられる「メラミ」「イオラ」「ベギラゴン」、そして主人公がイベントで習得する「ライデイン」くらい。それも習得直後の環境の話であり、少し育つとやはりそれらもお役御免になる。
  • 攻撃呪文冷遇になってしまった背景は「今作から敵のHPを大きくインフレさせており、特技の威力はそれに見合った数値になっているのに、攻撃呪文の威力だけなぜか過去作と同じ数値がそのまま採用されてしまっている」という説明に尽きる。
    • 今作から使用者の攻撃力を計算式とする剣技や格闘技などが登場し、特にクリアレベルを超えてもキャラの力(攻撃力に深く関わるパラメータ)の成長が鈍くならないようになったため、味方キャラの特技による火力が大幅にインフレしてしまっている。また、それ以外にも素の威力が高い特技が多数登場している。
      それに合わせて敵のHPも大幅に増えているのだが、攻撃呪文の威力は過去作のまま据え置きのために威力不足になるのは自明の理。
    • 敵も強力な特技を使用してくるため、それに合わせて味方のHPも前作までより高めになっている。一方、敵が使った場合のみ攻撃呪文の威力も前作までより上昇しているが、ブレスなど他の全体攻撃系の特技に比べるとあまり強くないのはそのまま。
    • もう1つ、副次的な原因として、「(特技は攻撃力やレベルの上昇によって威力が大きく上がっていくものが多いのに)呪文はレベルやステータスが上がっても、威力が上昇しない仕様のまま」なことも挙げられる。
      • 素の威力の底上げがあったとしても、多少底上げした程度では、レベルや賢さでの威力上昇が無い限り、結局は終盤やクリア後の冒険で攻撃呪文が弱すぎになることは目に見えている。逆に素の威力を大きく上げ過ぎてしまうと、終盤のバランスは良くなっても、呪文習得直後のバランスが壊れる可能性がある。過去作に比べて冒険が進むほど敵のHPのインフレ具合が大きくなっていく本作において、この問題を上手く調整し解決するためには、呪文の威力上昇の仕様は必須であったと思われる。
      • 例え素の威力は過去作と同じであっても、レベルや賢さで威力が大きく上がっていくのであれば、キャラを鍛え上げた際にそれにふさわしい高威力になり、攻撃呪文も最後まで活躍できたはずである。
      • 説明書には、「賢さが高いと呪文の威力が上昇する」との記載がある。開発の当初ではその予定があったのかもしれないが、結局実装されなかったのが悔やまれるところ。
    • 攻撃呪文はMPを消費して使う以上使用回数に制限があるし、回復呪文用のMPも考えると多用できない。そのため、攻撃呪文の方を高威力に、特技は低威力に調整するのが普通だろうが、これが全く逆になってしまったために起きた悲劇である。
    • 一応、後述の「ねる」を使えばMPの問題だけは解消できる。また、1回の呪文で2回分の効果を得られる「やまびこのぼうし」を装備すれば優位性もある。
      • しかし、前者には「特技を使えばわざわざMPを回復する手間もいらない」「工夫しないと眠った状態で戦闘が始まってしまう」、後者には「防御力や耐性が他の頭装備より低い」「装備可能者が限られる」「入手時期は最速でもクリア直前(事前情報なしだとほぼクリア後限定)」などの問題があり、完全にはフォロー出来ていない。
  • その他の呪文について
    • 補助呪文も、一部が上位互換の特技により存在意義を失っている。
      • 特に痛いのが「メダパニ」。敵グループを混乱させるという非常に強力な呪文だが、何と消費MPが0で同様の効果を持つ「メダパニダンス」が登場してしまった。メダパニダンスは呪文ではないので、マホカンタなどで跳ね返されることも、怪しい霧で封じられることも無く、踊り封じを使ってくる敵もわずか1種類しかいないので、使えなくなる心配はほとんどない。しかも踊り子に転職すれば誰でも簡単に覚えられてしまう。
      • 同様に、「ラリホー」も「甘い息」の完全下位互換になってしまっている。
      • 一方で、消費MPは多いものの、より高確率で相手を眠らせる「ラリホーマ」は面目を保っている。
      • 相手を幻惑する「マヌーサ」は、「すなけむり」「まぶしいひかり」に比べて効果の強さや持続ターン数などで差別化ができている。
      • 「バイキルト」「スクルト」などステータス上昇系の呪文も特技にはそれに相当するものがなく、呪文の方が優位に立てている。アイテムで代用できてしまうが。
    • 回復に関しては、呪文が特技に比べ優勢ではある。
      • 回復特技には味方全体を回復するスーパースターの「ハッスルダンス」や、自分のHPを500ポイントも回復する勇者の「めいそう」など強力なものが存在する。だが、前者は回復呪文「ベホマラー」と比べて回復量がやや小さい上にやまびこの帽子による2回発動の対象にならず、後者は習得することが困難であるうえに自分しか回復できず、移動中に使用することができない。
      • 任意の仲間1人のHPを完全に回復する「ベホマ」も重要。
        前作以前でも終盤になれば極めて重要な回復手段であったが、本作では味方のHPも過去作よりもかなりインフレしているので、尚更ベホマの存在は大きい。そして、代用できる特技は存在しない。
      • また、状態異常の治療や蘇生を「確実に」「移動中に」できるのは呪文だけの特権である。魔法使いを極めたキャラでも僧侶から賢者になれば回復呪文のエキスパートとして活躍できるため、完全に存在意義を失ってはいない。
  • 一方で、一部の強力な呪文・特技の習得方法が容易すぎるため、序盤のバランスブレイカーになっている。
    • メラミ
      魔法使い☆1(1回戦うだけでOK)で習得。単体に80前後のダメージを安定して与えられる上に、消費MPは4とお手軽。転職直後では前線キャラの特技よりも強く、魔法使いの面目躍如といったところであるが、誰でもすぐ習得可能なのはさすがに手軽すぎた。複数人に一気に覚えさせることで中盤を楽に進めるテクニックは「即メラミ」「火攻め」と呼ばれるほどであった。
    • まわしげり
      武闘家☆2で習得。敵1グループを攻撃することができる。ムチやブーメラン使いと違い、元々の攻撃力の高く強力な武器が装備可能な前衛キャラも使える為、ゼロコストの攻撃にしてはかなり強力。2体目以降は徐々にダメージは減っていくが、それでも汎用性が非常に高い。なお、名前は「蹴り」だが普通の攻撃と同じ扱いで装備している武器の攻撃力も加算される。ただし、武器の追加効果までは発動しないため、剣技等武器を使う特技との差別化は、武器の追加効果によって表現していると言える。
    • せいけんづき・ばくれつけん
      「せいけんづき」は武闘家☆5(ハッサンはイベントで習得)、「ばくれつけん」は武闘家☆8で習得。前者は岩石耐性のある敵には命中率が下がるもののダメージ2倍、後者はランダムターゲットとなるが合計でダメージ2倍。これらも武器の攻撃力が加算される。
      ただし、武闘家は成長が遅いのですぐに覚えられるわけではない。技の威力も上記の通りキャラの攻撃力に依存しているため、非力なキャラでも高威力を発揮できるわけではない。
    • ねる
      遊び人☆5で習得。「ねむり」状態になる代わりに、移動とともにHPとMPが回復する。本作はマップチップ1マスあたりを2歩で移動するため、ダンジョン内でも手軽にMPを満タンにできる。エリア切替後はしばらくエンカウントが発生しない仕組みなので階段付近では安全に回復できる。
      一応、前述したように「特技を使えばわざわざMPを回復する手間もいらない」「このように階段付近で使わないと眠った状態で戦闘が始まってしまう」などの欠点はあるが、MP切れでダンジョンを引き返すことが減るのは非常にお得。
  • また、こうした呪文・特技とは逆に、習得してもその時点では既に威力が低すぎて使い物にならない呪文・特技も数多く存在する。
    • 終盤でなれるドラゴン職の序盤に覚えられるのは「ひのいき」「つめたいいき」など序盤のザコが使うようなブレス攻撃だったり、前述の魔法使いで習得できる「メラミ」の後に覚えられるのがグループに20ダメージ程度の「ギラ」だったり。
    • 下級職で習得できる特技の中には、敵が使用する特技をそのまま引っ張ってきたために使い勝手に困るものが多い。「たいあたり(自分と相手に現HPの8割ダメージ、無効率高)」「ふしぎなおどり(敵のMP減少)」「どくのいき(毒状態は戦闘中には効果が無い)」など。

登場人物に関して

  • バーバラはHPなど耐久面が低くシステム上使いにくいキャラクターだが、ストーリーの都合でパーティから外すことができない
    • 外せない理由付けも充分ではなく、バーバラが必要なイベントがごく一部存在したり会話が少しある程度で、それ以外のシーンでは他の仲間と同じく存在感がない。自由編成できるシステムであることが災いして嫌われやすくなってしまった。バーバラ関連のイベントの時だけルイーダから引き取れば済むことであった。
    • 逆に、ムドーの島突入時は彼女が強制離脱してしまう(こちらも離脱する理由は明確にされない)。前述したムドー戦の難易度もあり、ムドーの島or城でレベル上げをすると、ムドー戦後にレベル差が生じてしまう。
    • ただしMPが高く、大ダメージを与える最強魔法「マダンテ」をイベントで覚える*23。この魔法の専門役として「砲台」呼ばわりされることも。
  • テリーは加入時期が遅いのに弱い。
    • 上級職「バトルマスター」に就いているのだが、それに必要なはずの武闘家をマスターしていない。前述の通り武闘家は有用な特技を覚えるのにもかかわらず使えないダメさ加減から、ネット上では「経歴詐称」と揶揄されている。
      • 主人公の勇者への転職条件が緩和されているのと同様に、テリーも戦士のマスターのみでバトルマスターになれるという職業適性がある事を示しているのかもしれないが、実際にはデメリットにしかなっていない。
    • 加入レベルは23だが、この時期の公式攻略本で推奨されているパーティの平均レベルは約35であり、この値はかなり低くレベル格差がある。
    • また、加入前のイベントで主人公達と対戦するが、そのグラフィックはフィールド上のドットキャラを引き伸ばしたもの(味方キャラに化ける呪文「モシャス」と同じ仕様)。アニメーションもしない。システム上で仕方ないとはいえ、「テリー 1匹」と表示され、イベントの雰囲気を壊してしまっている。
      • テリー以外の人間の敵は兵士や魔導士だと人型モンスターのグラフィックを流用したり、モンスターの流用でないグラフィックを持っている中年男の敵もいる。1匹という表記は仕方ないにしても、「なぜそこらの中年男にグラフィックがあってテリーはこれなのか」と思ってしまうのは当然だろう。モシャスや容量との兼ね合いがあったかもしれないが、そうだとしても専用グラフィックを作るならテリーの方であろう。
      • 因みに、この戦闘のBGMはボス戦闘曲である「魔物出現」。彼以外の人間との戦闘は全て通常戦闘曲の「勇気ある戦い」になっているのだが…
    • さらに、彼が加入すると仲間にできる「ドランゴ」が作中トップクラスの強さを持つため、「ドランゴ引換券」という不名誉なあだ名までついた。また、加入時装備で珍しい武器防具を装備していることから、「装備引換券」とも言われ、加入直後にドランゴを仲間にして装備を外し、ルイーダの酒場に送られることも少なくなかった。
      • 馬車の中で育てようにもスライム格闘場のための仲間スライムがパーティーの枠を一つとってしまうため、メインキャラの誰かは酒場送りになりがちとなり育っていない彼が選ばれることが多かった。
    • ステータスの成長率も低く、同じバランス型の主人公やチャモロに比べると大きく見劣りする。おまけにレベル99のステータスは人間の男性キャラの中で最低であり、プレイヤー達からそのギャップをネタにされるようになってしまった。
    • ストーリー上の経緯としてそれまで主人公達一行と何度も遭遇し、キザな言動やバトルレックス(後のドランゴ)を眼前で打ち倒して見せるなど、色々と「引き」を作り勿体を付けてきただけに仲間としての実際の強さへの見かけ倒し感は大きい。
      • 特にドランゴとの一騎打ちは、仲間になった時にドランゴのほうが圧倒的に強いこと、討伐してこいという王からの依頼だったにも関わらずドランゴが生きていたことなどから、「八百長」などと揶揄されるようになってしまった。
      • だが、回避率が他のキャラが64分の1なのに対して、テリーは16分の1もある。バトルマスターの職業特性と重なって敵の攻撃を無力化しやすいという長所がある。
  • アモスは人間キャラであるのだが強制加入ではなく、クリアに必要でない町のイベントで仲間になる少し特異な立ち位置のキャラクターである
    + イベントの詳細
  • このイベントの途中で、とある真実をアモス本人に告げてしまうと、イベント終了後に彼は既に街を去っており、二度と会うことができない。それ以降は仲間にすることができなくなる。
    仲間にしなくてもクリアはできるが、選択肢次第でここまで大きな変化が生じる時期限定イベントはシリーズ初だった。また、彼が街から去ってしまった場合の物語の展開はとても切なく後味の悪いものである。
    • そもそも、本作はそれまでのシリーズと比べても会話中に「はい/いいえ」の選択肢が頻繁に登場する*24。そのため、軽はずみに選択してしまった、もしくは反応の違いを知りたくて敢えて選択してしまい、イベントが終わっていることすら気づかないプレイヤーも多かったのではないだろうか。
    • さらに、真実を告げる選択肢を選んでも、それに対してアモスが「またまたそんな冗談を!」とサラッと流してしまい、まだ町を去らずにそのまま普通に進行するため、その後ダンジョンをクリアしてイベントを終えるまで、もう既に取り返しの付かない状況になっている事態に気づきにくい。
      • ただし、イベント前後に「アモスに真実を告げてはいけない」と町の人達から釘を差されている上に、この時の選択肢は2回も念を押され、2回とも「はい」を選択しないと彼が去る結末にはならないため、この選択肢が何か重要な分岐点であると示すヒントには一応なっていた。
  • また、彼のグラフィックは専用ではなく、街などに居る一般の戦士の流用である。加入が選択式なのでストーリーに絡むこともなければ固有イベントもない。ただ一緒に戦ってくれるだけの存在であるため、ひたすら存在感が薄い。エンディングでも彼の故郷(?)は出てこないし、パッケージでも省かれてしまっている。余談になるが、小説版では途中で嫁をみつけて離脱してしまうのでますます影が薄くなる。
    • しかしその実力たるや、人間キャラクターの中ではかなり強い方であり、人間では彼しか習得できない特技「へんしん」を覚えている。加入が面倒な仲間モンスターと違って、確実に早期加入が可能な利点もある。
    • 攻略本では上記のグラフィックを元にイメージイラストが描き起こされている。

仲間モンスターに関して

  • 仲間にできるモンスターの種類・酒場に預けられる定員が減ってしまった。
    • 仲間にできるモンスター18種類のうち、ルイーダの酒場に預けられるのは15匹。つまり、どう頑張っても同時に全員は仲間にできない
      • 仲間になる確率も(一部を除いて)全体的に低めで、16分の1(=6.25%)や32分の1(=3.125%)、64分の1(=1.5625%)という確率の壁が立ちはだかる。
  • 序盤のダンジョン「夢見の洞窟」を初めとしたいくつかのダンジョンでは、モンスターを仲間にすることができず、「この仕様についてゲーム中に一度も説明が無い」。仕様に気づかず絶対仲間にならない場所で無駄な戦闘を繰り返してしまったプレイヤーは多かった。
    このため、有用な仲間モンスターである「スライムナイト」の加入時期が、中盤以降(スライム格闘場周辺)まで遅れた。
    • Vジャンプの付録についてきた攻略冊子では「仲間になるモンスターでも、魔王の力の強い場所では仲間にならない」「夢見の洞窟に出現するスライムナイトは絶対に仲間にならない」と書かれており、仲間モンスターを最短で仲間にする為の場所もきちんと記載されていたが、いかんせんゲーム以外の媒体のために気づかないプレイヤーも存在した。
  • 前作にも「仲間になるモンスターでも、魔王の力の強い場所では仲間にならない」設定は存在していたが、そちらでは終盤の敵本拠地2か所にしか設定されていなかった。その設定を知っていても、魔王の力が強いようには到底思えない序盤のダンジョンに設定が適用されているなどと想像するのは難しいのだった。

その他

  • 本作でも前作、前々作に登場した「勇者と呼ばれる人物のみ装備可能」な「天空の武具」にあたる装備品が登場するが、前作までとは名称が異なっている(「てんくうの○○」→「(カタカナ)の○○」)。
    • 1作目2作目でのシリーズ装備に3作目で固有名称が与えられるのは「ロトシリーズ」の関係性を踏襲しているが、本作ではそれぞれが意味深な人物と思われる名称になっているものの、詳しく解説する描写等は一切無い。
  • カジノが物足りない。
    • 今作ではポーカーとスロットの二種類で、デザインや演出も凝った物となっている。しかしながら、前作のスライムレース場のみならず『III』以来のモンスター闘技場がスライム格闘場*25に変わってしまった。
      • 前作はカジノ出現時点で最強武器を手にする可能性があったが、今作ではカジノが複数あるため、その時点で平均より強い武器防具が入手できる程度になった。
  • 能力値「賢さ」が無効ステータス。説明書や公式ガイドでは「数値が高いと呪文の威力や成功率が上がる」とあるが、前述のとおり本作にそんな事はまったくない。前作の様にAIの命令厳守率に影響するわけでもない。
  • 特定のイベントで装備品以外の道具が勝手に袋の中に入る仕様があるのだが、その中にベストドレッサーコンテストも含まれている。
    • コンテストに参加するたびに仲間の装備がとっかえひっかえでグチャグチャになってしまう。このアイテム整理を短時間に何度も繰り返すのが非常にかったるい。
  • アイテムの設定にミスがある。代表的なものとしては「店売り品のたいようのおうぎが売却できない」「オルゴーのよろいをおしゃれなかじやで鍛えると耐性が消滅する」など。これらはDS版では修正されている。
  • 最高レベルにならない内に「はやてのリング」「星降る腕輪」で素早さを限界の500にしてしまうと、本来上がるはずの素早さが上がらなくなってしまう。
  • 「おもいだす」で記憶できる会話は直前に会話した人物の台詞のみという仕様上、複数の人物が連続して会話する場面は一番最後に喋った人物の台詞の部分しか記憶できない。
  • 真実の姿を映し出す「ラーのかがみ」はイベントでこそ大活躍するが従来作にあったモシャス解除性能が何故か備わっていない。今作ではモシャスを使用するカガミ系モンスターが早い段階から様々な場所で登場し、他の解除方法である「いてつくはどう」も習得がずっと後になるので従来作とは打って変わって需要は高いのだが…。これもリメイク版では修正された。

総評

難易度調整やストーリー解釈の大部分をユーザー側に委ねるという大胆な作りに賛否は分かれたものの、ゲームとしての完成度は高く、後のシリーズでも採用されるアイデアを多く輩出した高品質の作品である。
また、全体的な難易度が上がっているにもかかわらず安定しており、自由なキャラ育成や「ふくろ」なども相俟って遊びやすい。プレイヤー年齢層を幅広くとれた逸品であると言える。

しかし、本作の売りであった自由度の高さは、呪文・特技バランスの悪さを際立たせることにもなってしまい、また、仲間モンスターシステムが職業システムとうまくかみ合わずチグハグな出来になってしまった。

総じて、「将来のドラクエシリーズと比較すると荒削り」な出来ながら、「RPG全体と比較すれば十分な高水準」と言えるだろう。
また、仲間モンスターと職業と馬車から由来する高い自由度、ムドーやラスボス、裏ボスといったボスの強さ、一風変わった世界観や大きく進化した演出など、問題は抱えつつも「突き抜けた何か」を持つ作品と言える。


その後の展開

  • 上記の通り本編では何かとネタにされがちなテリーだが、その反動からか、派生や外伝作品では非常に優遇されている。
    • スピンオフ作品として幼少時代のテリーを主役にした『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』が発売された。
      • 当時流行したポケモンタイプのゲームでありながら、配合システムなど独自のシステムで大ヒットを記録した。
        今作をきっかけに生まれた「ドラゴンクエストモンスターズ」は現在も続く人気シリーズ。この作品でテリーとミレーユを知ったという人も多い。
    • また、歴代ドラクエキャラが登場する『ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城』にも本作からはテリーだけがプレイアブルキャラとして参戦している。しかも弱かった本家と違い(むしろ設定通り?)作中屈指の強キャラという優遇っぷり。
  • 月刊少年ガンガンにて『ドラゴンクエスト 幻の大地』の題で漫画化された。作画は神崎まさおみ氏、脚本はDQシアターも手掛けるとまとあき氏。オリジナル展開が多い『ロトの紋章』や『エデンの戦士たち』に比べると、ダイジェストも多いながら原作に忠実な内容になっており、それでいて(はざまの世界を除く)ストーリーの完全補完、少年漫画らしいオリジナルのキャラ付け(やや熱血よりな主人公ボッツ、生意気お坊ちゃん風なチャモロ、ゴメちゃんを彷彿させる「キズブチ」など)、元々アクション漫画を得意とする作者と破壊マニアのアシスタントによる戦闘シーンなど見どころは多い。全10巻なので中だるみなく読める。
    • 余談だが、作者は原作のラストシーンにどうしても納得ができず、堀井雄二氏に直談判して許可をもらい、オリジナル展開で締めたという逸話がある。
  • 2010年1月28日にニンテンドーDSでリメイクされた。詳細は別項を参照
    • 2015年6月11日には上記DS版をベースにした内容のスマートフォン(iOS・Android)版も配信されている(こちらもDS版の項目を参照)。

余談

  • Yahoo!ゲーム、DQMVBコンテンツ内での「一番思い入れのある(ナンバリング限定)主人公は?」の2010年8月から9月に行われたアンケートでは、全9作中、『VI』の主人公はビリから2番目だった。さらに同日行われた「お気に入りの(ナンバリング限定でIXとDQMB出場のみ)大魔王は?」のアンケートでは全9作品中、意外な事に『VI』の裏ボスが第3位、本来のラスボスはビリから4番目という結果に終わっている。
  • 『IV』『V』が一般ファンからの人気が高いキャラを輩出していったのに対し、本作はメインキャラや敵・モブキャラに2chなど一部界隈で人気を持つキャラクターが多い。
    • ハッサンの風貌とその強さ、期待を大きく裏切る弱さから「ドランゴ引換券」とあだ名をつけられたテリー、地底魔城のストーンビースト、裏ダンジョンのデススタッフ、しあわせの国のジャミラス、某農夫の「おりゃ クワこうげき!カマこうげき!!」、海底の宝物庫のキラーマジンガなど。特にキラーマジンガは未だに根強い人気を誇る。
  • 便利ボタンと会話記憶のボタン配置が本作のみ他作品とは異なっている。
    • 便利ボタンは『V』から導入された人との会話や宝箱や足下を調べることが1回のボタンで行えるボタン、会話記憶は前述の通り今作で導入された人の会話を心に刻み込んで見直せるメモのようなシステムである。
    • だが、本作の便利ボタンはYボタン、会話記憶のボタンはXボタンとなっており、特に便利ボタンは同じSFCの『V』『I・II』ではXボタンだったため、過去作の感覚で便利ボタンを使おうとしてXボタンを押してしまい特に意味のない会話を記憶してしまうということも頻発する。
      • 今作をベースに作られたリメイクの『III』では便利ボタンがXに戻り、会話記憶もYボタンに変更された(つまり本作とは配置が逆になった)。また、以降のシリーズはPS作品だとXボタンの場所にあたる△ボタンやDS以降の作品だとAボタンであったりするが、便利ボタンがYボタンに割り振られた作品は今作のみである。
      • なお、従来作と同じく便利ボタンはLボタンでも代用可能で、そちらはSFC作品通して共通となっているため、Lボタンを重点的に使う限りは操作の違和感は軽減される。ただし、『V』『I・II』で同様に便利ボタンとして使用できたRボタンは、今作と『III』ではワンタッチ地図に割り当てられている。
  • 四魔王の最後の一人デュラン(前座も含む)に敗北すると、伝説の武具を全て奪われるという、ドラクエには珍しいとんでもないペナルティがある。再戦して勝てば戻っては来るのだが、すぐに再戦する場合、当然他の装備品は伝説の武具に劣るわけで*26、更なる苦戦は必至となる。
  • 物議を醸したゲーム批評の堀井氏のコメント
    • ゲーム批評にて、マスタードラゴン=バーバラを仄めかす等、賛否ある設定について言及、「バーバラがマスタードラゴン(笑)という話もあるんですよね。そこまでいっちゃうと逆にちんけになるような気がして、あえて言ってないんですよ。」…と答えている。
    • 他にも、ミレーユが実体化していた件等も答えているが、ドラクエⅥそのものが説明不足なのは意図的なものとしている。
      • 当時の堀井雄二氏は割と物議を醸す事を言って面白がる所が多々あったので、これもその一つかと。