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スーパーロボット大戦α - (2019/12/16 (月) 14:49:12) の編集履歴(バックアップ)


修正依頼」が出ています。DC版の総評を追記できる方はご協力をお願いします。



スーパーロボット大戦α

【すーぱーろぼっとたいせんあるふぁ】

ジャンル シミュレーションRPG
対応機種 プレイステーション
発売元 バンプレスト
開発元 バンプレソフト
発売日 2000年5月25日
定価 通常版:6,980円 / 限定版:9,800円
廉価版など PS one Books:2001年11月22日/2,200円
PREMIUM EDITION(外伝・第2次とのセット):2005年5月28日/9,240円
配信 ゲームアーカイブス:2011年12月21日/1,500円
判定 良作
スーパーロボット大戦シリーズ
αシリーズ : α forDC / α外伝 / 第2次α / 第3次α

概要

通称「αシリーズ」の第1作であり、スーパーロボット大戦が新たなるステージに踏み出した記念碑的作品。
本作は今まで旧作のシリーズを担当してきたウィンキーソフト等の外注制作ではなく、バンプレソフト*1によって開発されている。

フルアニメーションバトル、戦闘アニメのカット機能、熟練度など、以降のスパロボの基本となるシステムが初登場。 『スーパーロボット大戦外伝 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL』のクォータービューマップを採用。以降、ほとんどのシリーズで採用されている。

旧B.Bスタジオ取締役である寺田貴信氏が作品の内容に大きく関与している初の作品で、新規ユーザー開拓を目標として徹底的な改良が行われた。ユーザーフレンドリーを優先し難易度は低く抑えつつも絶妙なバランスがとられ、システムも旧作を参考にしつつ独自の改良が加えられており、快適さを増している。

+ 参戦作品一覧
参戦済み 超獣機神ダンクーガ
新世紀エヴァンゲリオン
機動戦士ガンダム(劇場版)
機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争
機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY
機動戦士Zガンダム
機動戦士ガンダムZZ
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
機動戦士ガンダムF91
機動戦士Vガンダム
新機動戦記ガンダムW
新機動戦記ガンダムW Endless Waltz
無敵鋼人ダイターン3
聖戦士ダンバイン
マジンガーZ
グレートマジンガー
劇場版マジンガーシリーズ(機体のみ)
ゲッターロボ
ゲッターロボG
真・ゲッターロボ(原作漫画版)
超電磁ロボ コン・バトラーV
超電磁マシーン ボルテスV
勇者ライディーン
トップをねらえ!
ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日
超機大戦SRX
魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL
バンプレストオリジナル
初参戦 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に*2
超時空要塞マクロス
超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか
マクロスプラス
機甲世紀Gブレイカー(DC版のみ)
機動戦士ガンダムF90(機体のみ)
MSV(機体のみ)
Z-MSV(機体のみ)
M-MSV(機体のみ)
CCA-MSV(機体のみ)*3

特徴・評価点

戦闘アニメの進化

  • 戦闘アニメは『新スパ』から劇的に進化しており、これに当時のユーザーは驚愕した。*4
    • 『新スパ』の戦闘アニメは、武器を使用する際に手を動かしている「ように見せる」程度だったが、本作ではユニットが大きくアニメーションするようになっている。
    • 例えば武器を構えるモーションが存在する・サーベルを振る際に機体が大きく動く・射撃武器を撃った際に機体が反動で動く・必殺技系の武器を使用する時によく動く等。
    • 極一部に限られるが、機体の回避モーションが生まれたのも本作からである。これは『第2次α』で本格的に採用される事となった。
    • 『新スパ』で多用されていた機体orキャラのカットインも本格的に導入。全ての主役機体・主役キャラにカットインが用意されている。
    • 特にイングラムが乗るアストラナガンの戦闘アニメとカットインの出来は今なお語り草レベルである。
    • 戦闘ボイスも新スパ同様のフルボイス。端役に至るまで可能な限り原作と同じ声優が使われている。『マクロス』のゼントラーディ兵に至っては、日本語字幕を表示した上でゼントラン語のボイスが流れ、エコーエフェクトまでも原作通りという徹底振り。
    • また台詞そのものも刷新され、原作での台詞の大幅追加・使いまわし台詞の大量削除が行われ、キャラ一人一人の個性の表現が大幅に増した。*5
    • SEも拘られており、MSの駆動音やビームライフルの銃声も原作と同じものを使用している。ウイングガンダムの特徴的なバスターライフルの銃声もきっちり再現。
  • スパロボでは初めて戦闘アニメのカット機能が導入され、快適にプレイできるようになった。*6
    • 従来作品では開発スタッフの意向により搭載されていなかったが、長いローディングと合わせてプレイ時間が長くなり、プレイヤーのストレスが溜まる原因となっていた。
    • その戦闘前ローディングも『F/F完結編』『CB』より短くなっており、また戦闘アニメ自体もテンポが良くなっている。

戦闘バランスの調整

  • ゲームバランスが盛大にぶっ壊れていた『F/F完結編』『CB』を反面教師に、本作では徹底したパラメータの調整が行われた。
    • 各作品の主人公や主役キャラは強く、雑魚敵は雑魚らしく、そして特定の設定があるキャラはそれを再現する*7等、原作を尊重しつつもゲームとして成り立つような調整が施されている。
    • 従来作では酷過ぎる調整が施されていたリアル系のオールドタイプパイロット*8も、能力が底上げされ最前線でも安心して使えるようになった。
      • それと同時に「ニュータイプ」や「聖戦士」*9の命中回避補正を『F/F完結編』から下方修正。最大+43%が最大30%になっている。
      • また、オールドタイプは上記の命中回避補正持ちに比べて切り払い・シールド防御Lvが高く設定されている場合が多く、こちらの面でもバランスを取っている。
      • 例えば『超機大戦SRX』の場合、「念動力」を持つリュウセイはLv50の切り払い・シールド防御がLv6、一方で「念動力」を持たないライのそれらは最高のLv9である。また『ガンダムW』系は総じて切り払い・シールド防御Lvが高い。
    • スーパーロボット系も、旧来の「必殺技だけが取り得の一発屋」という不名誉なポジションから一転、「耐えて戦える」存在へ格上げされ、「スーパー」の名に恥じない戦いぶりが可能となった。
      • 特に「後半は宇宙ステージがメインなのにスーパーロボット関連の要素は宇宙適応Bだらけ」というあからさまに不利だったこれまでと違い、主役級のユニット、キャラクター、武器であればほぼ全て宇宙適応Aとなっている。
    • 本作以降お気に入りのユニットが弱過ぎて使えないという問題は大分減った。
    • 敵ターンの戦闘時のコマンドに「防御攻撃」が追加。被弾率が100%になる代わりに被ダメージを75%にカットし、通常時の50%のダメージで反撃する、というもの。本作のみ採用されている。
  • 『F/F完結編』『CB』の壊れきったバランスに慣れきってしまった既存ユーザーからは「簡単すぎる」との声もあるが、結果的に新規ユーザーの大量獲得に成功したと言える。

技能ポイントの導入

  • これまでは各パイロットの能力値はレベルが上がる事でしか上昇していなかった。しかし、本作ではパイロットの戦闘中の行動により、格闘・射撃の能力値が上昇する新システム「技能ポイント」が追加された。
    • これは各パイロットの格闘・射撃に隠しパラメータが設定されており、その数値が20に達すると(攻撃を当てたり敵を倒すたびに上昇)格闘なら格闘が+1、射撃なら射撃が+1増加するというもの。
    • 能力値の上昇に限界は無いので、やり込めば能力値が400を超え、999にする事も夢ではない。

BGM

  • 今作からサラマンダー・ファクトリーの花岡拓也と鶴山尚史が担当となった。
    • BGMは2年半の期間をかけて制作され、高い評価を受けた。
  • MAP曲は従来のゲーム的なBGMからフルオーケストラに移行。重厚なBGMはαシリーズの方向性を決定した要素の一つとなった。
    • ただし長時間プレイしていると眠くなるという副作用も…。
  • オリジナル曲の出来がよく、「ACE ATTACKER」「TIME DIVER」「MARIONETTE MESSIAH」など良曲揃い。
    • 後のOGシリーズにもこれらの曲は採用されているほか、アレンジもいくつかある。

参戦作品

  • かねてより要望の高かった『マクロス』シリーズが初参戦。『トップをねらえ!』の本格参戦もあり、ストーリーは外宇宙にまで飛躍する。
    • 更にUCガンダム系の作品に『新機動戦記ガンダムW』、『マジンガーZ』『ゲッターロボ』『超電磁ロボ コン・バトラーV』『超電磁マシーン ボルテスV』『勇者ライディーン』『聖戦士ダンバイン』『新世紀エヴァンゲリオン』『超獣機神ダンクーガ』の各キャラクターが入り乱れるため、話のボリューム面ではいまなお歴代最高クラスの厚みを持つ。
      • 特にUCガンダム系は『Vガンダム』が参戦した事により、CCAアムロ、クワトロ、カミーユ、ジュドー、シーブック、ウッソと歴代NTが勢揃いする事に。ここまでのメンツが揃ったのは初めてのことである。
    • 母艦だけでもヱクセリヲン、マクロスを筆頭にラー・カイラム、グラン・ガラン、ゴラオンが居並ぶ。

主人公

  • 主人公は『第4次』と同じシステムであり、男女計8名の中から選択し、従来通り機体のタイプ・名前・誕生日・血液型を変更可能。
    • 誕生日と血液型の組み合わせによって習得する精神コマンドが変化する。レアな精神を覚える事が出来る特殊誕生日も健在。
  • 従来作では機体性能が微妙だったり能力値が1.5軍レベルだったり会話イベントにほとんど絡まなかったり、何かと不遇な扱いを受けていた主人公であるが、本作ではストーリーにしっかりと絡み、機体性能も高くパイロットとしても申し分ないと扱いがとても良い。

クロスオーバー

  • 前述の厚みなのだが、クロスオーバーも非常にしっかりしている。
    • 特に印象に残りやすいのは『エヴァンゲリオン』のヤシマ作戦と『ジャイアント・ロボ』の衝撃のアルベルトについて。
      • 前者はポジトロンスナイパーライフルのエネルギー源として威力を高めた光子力エンジンとゲッター炉をトロニウム触媒により複合使用する。更にシールドは超電磁コーティングを施したものになっており、クロスオーバーの多い歴代のヤシマ作戦の中でも特に豪華なものとなっている。
      • スポット参戦ではあるものの、衝撃のアルベルトは本作唯一の人間ユニットであり、素手でジェガンを撃墜し、更にプレイヤーが操作して使徒と生身で戦わせることができる。常識を超えた光景に呆然とするネルフスタッフの反応は必見。
      • 通常は使徒からの攻撃は全く当たらないものの、防御攻撃でわざと攻撃に当たれば「人間ユニットである彼のユニットアイコンが爆発する」という迷シーンもお目にかかれる。
  • 他にも素晴らしきヒィッツカラルドがスーパー系の後期主人公機になるはずだったロボットを指パッチンで真っ二つにするなど*10、十傑集関連ではインパクトの強いイベントが要所要所で見られる。
  • もちろん、小ネタも非常に豊富*11
  • 今作では、『DC戦争シリーズ』で活躍した「魔装機神」のキャラと、『新スーパーロボット大戦』で活躍した「SRXチーム」がOGシリーズに先駆けて共演を果たしており、オリジナルファンに好評を博している。

プレイヤーによる難易度の調整

  • シナリオ中の行動で変動するポイント熟練度が導入された。これを得るとゲーム難易度が上昇し、隠しユニット・パイロットの入手など様々な効果が得られる。ユーザーの行動次第でゲームの難易度を調整出来るようになった。
    • しかし、このシステムには大きな問題点がある。詳しくは後述。
  • ポケットステーションにミニゲームをダウンロードし、そのミニゲームで獲得したスコアを本編の資金に還元することができる(還元効率はシナリオが進むほど良くなる)。1話につき1度しか利用できないが、毎回カンストさせて通信していると資金にかなりの余裕が生まれる。
    • スパロボとポケステがつながっているのは本作のみである。
  • 「ミンメイ/未沙ポイント」と呼ばれる特殊システムの導入
    • 『超時空要塞マクロス』の主人公である一条輝は本来早瀬未沙と恋愛関係に及ぶのだが、本作では選択肢に応じて累計されたポイントによってはミンメイとくっつけることも可能となっている。

賛否両論点

システム

難易度、バランス

  • 『F』ほど極端ではなくなったが、まだリアル系に有利にできているように見える。
    • 2回行動の条件が完全にレベルに依存している。のだが、このレベルはパイロットによって固定されており、スーパー系キャラクターは軒並み高く設定されている*12。スーパー系キャラクターは最低でも主人公の78、他は全員80オーバーである。通常プレイではまず到達できない。それに比べてリアル系は40台で2回行動が出来るキャラクターまで存在する。
    • 本作には「底力」「ガッツ」といったHPが減った際に命中・回避・CRT値が上昇する技能があるのだが、上記の「防御攻撃」でうまく組み合わせれば容易に発動させることができる。本来は攻撃を受けやすいスーパー系パイロット用の技能であるはずなのに、リアル系パイロットの受ける恩恵の方が遥かに大きい。マクロス系でガッツ持ちのフォッカーやイサムがひとたび発動させようものなら、雑魚はおろかボスユニットすら圧倒できる*13
      • ただし、命中率が0%にならない限り、今作では常に撃墜の危険が付きまとう。詳しくは後述のバグを参照のこと。
      • もっとも、前述したとおりスーパー系でプレイすると不利ということではない。
  • 調整は行われたものの、ダメージ面はまだまだ大雑把さが残っている。
    • 評価点で述べた「技能ポイントシステム」は、強化の際限が無さすぎるため、1キャラに絞っての運用により、バランス崩壊レベルの火力を持たせることができる。また、後半加入キャラ(能力自体は高めだが、育てたキャラの格闘、射撃には劣る)が確実に割を食う。
    • 精神コマンド「捨て身(そのターン回避不能になるがダメージ4.5倍)」や、「激闘(1ターンダメージ1.5倍になり、クリティカルの1.5倍とも重複するため、最大2.25倍になる)」など、新登場の物が一部やりすぎなレベルとなっている。
      • それらを初期に主人公が覚えることも可能なので、本来倒せない敵を無理矢理倒すこともできる。
    • 次回作『α外伝』で主に取りざたされるが、「長射程武器は近いほど強力になる」という、武器の距離補正によるダメージの影響は今作も大きい。
    ただ、これらがあるため、爽快感があり、難易度も初心者にお勧めできるレベルになっているのも確かである。

問題点

システム

熟練度

  • 熟練度の増減条件がゲーム内で確認できない。会話イベント等からヒントを得らえる場合もあるが、それも全てではない。
    • 基本的に「撤退する敵を撃墜する」「○ターン以内に敵を全滅させる」等で上がり、「シナリオの流れを無視する」「勝利条件を満たさなかった」等で下がる。これらはまだ判りやすいのだが、何気ない選択肢で増減するものは流石に事前情報がないと無理である。
  • また、熟練度が増減した旨のアナウンス等が無く、現在値の表示場所も「主人公のパイロット能力画面」と「データセーブorロード画面」のみ*14である等、新システム故に作り込みの甘さを感じさせる。
    • なお、獲得した熟練度の確認が容易になったのは『α外伝』から、獲得条件そのものを確認できるようになったのは「OG」からである。

その他

  • マップ上でのユニットの移動速度が遅く、テンポが悪い。
    • 戦闘アニメカットの導入により、従来作とは比べ物にならないほどプレイ時間が短くなっているのだが、だからこそ気になるというユーザーも。
  • 顔グラもほぼ全員が描き直されており、原作でヘルメットを着用するキャラの大半がヘルメットを被った顔グラになっている。悪くはないのだが、キャラの素顔が見たい人は気になるところ。
    • ヘルメット着用が不評だったのか『α外伝』以降の『IMPACT』等では、顔グラがヘルメットなどをかぶっていない、素の状態で描かれている。
  • 「…」(3点リーダ)だけで何も発言しないキャラが会話の中で頻繁に挿入される。
    • 「思うところがある」という描写なのだろうが、このせいで少々テンポが悪くなっている。
      • またこれを逆手に取ったのか、無口キャラ同士が版権を超えて無口合戦をするというネタがある。
  • スーパー系主人公機は、後継機への改造引継ぎができない。
    • 性能面ではスーパー・リアルどちらでもクリアに支障はないが、改造されやすい主人公機だけに、この点だけはリアル系よりも扱いが悪くなっている。
    • ただし、スーパー系の後継機は主人公と恋人の二人乗りになり、リアル系とは違った利点を持てる。誕生日設定で覚える精神コマンドを調整すれば強力なユニットになる事には違いないが、後継機本体や搭載武器にそこまで資金を回せる余裕はあるかどうか微妙である。
  • 前述の技能ポイントについて
    • ウッソ・エヴィンを例にとってみると初期の機体は「ビーム・ライフル」など射撃メインで戦う必要があったのに、後継機のV2ガンダムの格闘武器「光の翼」の威力が微妙になってしまうという切ない事態になった。
    • また、リアル系主人公の後継機は「遠距離戦射撃タイプ」「接近戦格闘タイプ」の二種類を使い分ける仕様になり、熟考する必要がある。序盤の最強武器は格闘、中盤から後継機に乗り換えるまでの最強武器は射撃となり、煩わしい。
    • これらは第2次スーパーロボット大戦αでパイロット養成システムが追加されたことで改善された。
  • 強化パーツを強制的に外される
    • シナリオ分岐で別部隊に移る度に別れたユニットの強化パーツが強制的に外れる。命中率のバグや加速のない足の遅いユニットなど考えて細かく設定してもシナリオ分岐でリアル系やスーパーロボット系、または戦艦単位で部隊が何度も分割されては勝手に外されるので毎回意識的に付け直すのはかなり大変。
  • 機体を勝手に乗せ換えられる
    • パイロット固有の機体が設定されているようで、いつの間にかプレイヤーが乗せた機体と異なる機体に強制的に乗せ換えられてしまう。機体を乗り換えるイベントなど一切関係なくシナリオが進むと一部を除く全パイロットが一括して修正される。主要メンバーのカミーユですらZIIからまたZに乗り換えさせられたりもする。

シナリオ

  • 一部にみられる版権作品を主人公の踏み台にする描写
    • 分かりやすい例では、スーパー系主人公機をマジンガーZのパイロットである甲児本人から「マジンガーと同等かそれ以上の性能」と言わせたり、あるキャラが主人公の念動力を「ニュータイプを遥かに超える素養を持っている可能性が高い」と発言する等。引き合いに出された原作のファンからすれば気持ちのいいものではない。
      • とはいえ、こういった比較描写が非難されているだけで、キャラや機体が出張って悪目立ちしたりといった事はない。
    • スタッフ側もこの扱いを重く受け止めたようで、これ以降バンプレオリの方針は突出から協調路線へとシフトしていくようになる。
  • ジャイアントロボはスパロボシリーズ2度目の参戦にして現時点で最後の登場だが、前回同様に原作再現が殆どない。
    • 初参戦の『スーパーロボット大戦64』においても似たような扱いだったため、今回も同じ結果になり落胆したファンは多い。
  • 『聖戦士ダンバイン』は、オリジナルキャラの行動によって敵勢力がバイストン・ウェルに強制送還されてしまい、決着が完全に棚上げされてしまう(しかも、送還前に決着をつけると厳しく批判され熟練度が大幅に下がる)。次回作以降の伏線ならまだいいのだが、ダンバインは以後、αシリーズに登場しない

バグ

  • 一部シナリオでイベント前に特定の敵を撃墜、撤退させると増援が来ないなどの不具合が生じてシナリオクリアが不可能になる。
  • ザコユニットの攻撃を食らうと、攻撃にあたるという乱数に固定されてしまう。
    こうなってしまうと、レベルが上がるなどして味方の回避に関するパラメータが変更されて再計算されるまで 、
    攻撃を当てたザコと同じパイロット&機体の攻撃に当たり続けてしまう。
  • キャラクター図鑑で音声が聞けない。
    • 説明書では特定ボタンを押せば聞けるよう記されているが、実際にはそんな機能は存在しない。
    • 実はこれはソフトの不具合ではなく説明書の誤り。『F/F完結編』の説明書の記述を流用したため生じたミスである。後の廉価版ではこの記述が削除されている。
      • ちなみに似たケースとして、同じく『F/F完結編』の説明書の記述を流用したため「分岐がある」と書かれたPS版『第2次』が存在する。
  • 一部キャラが図鑑登録されず、正規の方法では全シナリオを見ても登録率が100%にならない。『第3次スーパーロボット大戦α -終焉の銀河へ-』にも同様のバグが存在する。
  • 恋愛ポイントという概念が存在するのだが、いくら取っても全く無意味で、EDで恋人は絶対に記憶を取り戻さない(ドリームキャスト版では、追加シナリオのEDで戻ったことを仄めかす描写はある)。
    • なお、記憶が戻らない設定は後続作において正史となった。

総評

以前のスパロボシリーズは一部のマニア向けと言われプレイするハードルが高かったが、本作はシステムや難易度等の見直しにより一般向けに遊びやすくしたことで知名度が上がり、シリーズの地位を確固たるものにした。
本作が生み出した様々な新システムは後の作品にも形を変えつつ継承されており、本作はαシリーズだけでなくスパロボシリーズ全体としても新たなスタートを快く切れた作品といえるだろう。


その後の展開


スーパーロボット大戦α for Dreamcast

【すーぱーろぼっとたいせんあるふぁ ふぉあ どりーむきゃすと】

ジャンル シミュレーションRPG
対応機種 ドリームキャスト
発売元 バンプレスト
開発元 バンプレソフト
スマイルビット
発売日 2001年8月30日
定価 7,800円
判定 良作

本作はドリームキャストでも発売されている。
元々PS版と同時に発表されていたが、ほとんど情報がなく、続編の『α外伝』から5ヶ月経ってついに発売された。

追加・変更点

  • シリーズでは初めて、ユニットのグラフィックが3Dで描かれている。
  • ユニット及びパイロット能力の見直し
    • ユニットの攻撃力が上方修正されているが、バンプレストオリジナルについてはPS版の時の扱いに対して反発が多かった反動からか、SRX関連はほとんどの能力値が弱体化した他、グランゾンも試作型縮退砲が消されてしまった為、攻撃力が大幅に低下している。
    • ヴィレッタは『α外伝』で追加された「微弱ながら念動力を持つ」という余計な設定のせいで、PS版の念動力L9から念動力L7に低下し成長も鈍くなり、魂まで覚えなくなった。またレビは敵の時に持っていた奇跡が、味方になるとなくなってしまう。
    • 上記の2人程ではないが、リュウセイもアムロ級のトップエース並のパラメーターから大幅な弱体化がされている。ただし念動力L9とガッツは健在なので相変わらず強い。
    • 一方で「ガンバスター」のタカヤ・ノリコは奇跡の習得レベルが60と現実的なレベルなり、さらに強くなった(PS版では80以上必要)。
    • 敵ユニットについても、終盤のボスクラスの大技が威力7000というトンでもない数値になっているなど、難易度が上がっている。
  • 精神コマンド
    • 『α外伝』に合わせる形で精神コマンドも弱体化。魂の与ダメージ3倍→2.5倍に伴い、捨て身の最終与ダメージも4.5倍→3.75倍に低下。戦慄も敵全体の気力が-10→-5と使い勝手が悪くなっている。
  • 新ルートの追加
    • 新ルートに入ると後半の話数が増えることになり、PS版ではさほど問題とならなかったSRXの合体制限が生きるようになる。
    • 追加ルートではブリタイ艦も自軍の戦艦として利用可能。
    • 特定条件を満たせばネオ・グランゾンと戦える。精神コマンドコンボが凄まじく、『奇跡』を実に7回も使ってくるという化け物じみた強さを見せ付けてくれる。
      なお、全ての精神コマンドイベントが終わらないと、絶対にHPが10残るという意地悪仕様も加わっている。
      • 『α外伝』がドリームキャストでは出ないこととの兼ね合いで作られているとのことで、PS版ではできなかったいくつかの伏線の回収を済ませるストーリーになっている。
      • ちなみにこの新ルートのシナリオではエヴァ関連にさらに踏み込んだ内容となっており、この面ではそれなりの完成度を誇るが、ゼ・バルマリィ関連はやや雑な展開で行われる。
  • シナリオの微修正
    • 基本的な流れを変えない程度に上記の不評シーンを中心にシナリオが修正された。
  • 立ち絵・フェイスウィンドウ内の絵の描き直し
    • 非常に出来がよく、特に立ち絵は後の作品にも使い回されたりしている。
  • その他
    • サンライズ英雄譚』のオリジナル作品『機甲武装Gブレイカー』の参戦
    • 劇場版マクロスの主題歌『愛、おぼえていますか…』のボーカル版の採用*15
    • 初の戦闘デモの途中キャンセルを搭載(本作以降は『COMPACT3』まで使われなかった)
    • ジャイアントロボの登場などにデモの挿入
    • 『64』以来の合体攻撃の採用(デンドロビウム+Ζ+ΖΖやR1+サイバスターといった本作独自のも多い。後者はOGシリーズでも未実装)

問題点(DC)

  • 全体的にロードが長い上に頻繁に発生する。
  • マップは視点変更(90°単位)ができるようになったが、却って見づらくなった。
    • ユニットの移動ももっさりした動作になり、アイコンも潰れたようになっている。
  • 3Dによる戦闘アニメもユニットはほとんど固定ポーズのままであり、それをごまかすために"光り"の演出を重ねている。
    • 完成から遠い時期に発売された雑誌の情報では戦闘時の視点変更が出来るかのような文言も見られたが、実際にはできない。上記効果との兼ね合い上無理なのだろう。
    • 一部機体の回避モーションで変形や分離を行うなど、新しい試みは見られる。
    • EVA初号機の暴走など一部の攻撃演出は効果がうまく活かされており一見の価値があるが、全般にはよい評価を与えるだけのものには至っていない。
  • バグ
    • PS版よりバグが若干増えている。中でも酷いのは限界反応値がプログラムミスで機能しない死にパラメーターになっている。
    • ハイネル被弾時のボイスの中に『ジャイアント・ロボ』のマスク・ザ・レッド(『α』本編には未登場)のボイスが混在するというミスがある。
    • 『愛、おぼえていますか…』のボーカルが流れるシナリオでは処理が重くなりすぎて、戦闘での3Dモデルが崩壊していたりする。

総評(DC)


余談

  • PS版はシリーズ歴代最高の売り上げ75万本を記録。これは現在でも破られていない。
  • 作中で『ガンダムF91』のシーブックが木星圏の勢力を指して「木星帝国」と形容する一幕がある。
    • 「木星帝国」は『ガンダムF91』の次回作『機動戦士クロスボーン・ガンダム』の敵組織であり、この発言が「クロスボーン参戦の予兆か?」とファンの間で話題となった。実際に次々回作の『第2次α』では『クロスボーン』参戦が実現している。
  • 本作の戦闘アニメが動くようになったきっかけは、スタッフの一人(土屋英寛*16)がヴァルシオーネRの戦闘シーンに対し非常に気合を入れて動くようにしてしまったためである。
    そのため他の機体もそれに釣り合わせる形でレベルを引き上げた。もしこれが無ければ、現在のスパロボはもっと地味なものになっていたかもしれない。
  • 本作以降、ガンダム系ユニットに「瞳」が描かれなくなった。
    • 元々『SDガンダム』においてユニットを擬人化する為の表現であり、「スパロボの様にパイロットが搭乗する作品には合わない」と判断されたのだろうか。ただ、ゲーム雑誌などに掲載された開発画面には瞳が付いたものもあり、開発途中で急遽変更されたと考えられる。本作でもパッケージイラストやムービーでは瞳が付いたままになっている。
    • なおSDガンダムシリーズの作品(『SDガンダム三国伝』『SDガンダム外伝』等)が参戦した場合、その作品のMSに限り原作通り瞳が描かれている。
  • 『Ζガンダム』のカツとサラの会話イベントが豊富に作られており、丁寧にフラグを立てていくことで最終決戦の際に説得ができる。しかし他の隠しキャラと違い、全てのフラグを満たしてもサラを仲間にすることはできない。 やはりカツでは無理なのだろうか。『第4次』ではうまくいってたのに。
  • 旧シリーズでは敵組織だったDC(ディバイン・クルセイダーズ)が、本作では味方機を開発しており、総帥でありラスボスを務めた経験もあるビアン・ゾルダークも本人こそ登場しないものの、裏方として尽力していたことが仄めかされている。
    • 実は初期プロットでは『勇者王ガオガイガー』のGGGがこの役目を担うはずだったが、『ガオガイガー』参戦が本作では見送られた結果、穴埋めのためにDCが宛がわれることになった。
    • 旧シリーズの『第2次』で『聖戦士ダンバイン』の参戦が見送られた代わりに『魔装機神』の設定が作られた経緯と似ている。