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ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記 - (2023/08/09 (水) 12:33:01) の編集履歴(バックアップ)


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ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記

【てぃありんぐさーが ゆとなえいゆうせんき】

ジャンル シミュレーションRPG
対応機種 プレイステーション
メディア CD-ROM 1枚
発売元 エンターブレイン
開発元 ティルナノーグ
ビッツラボラトリー
発売日 2001年5月24日
定価 6,800円
プレイ人数 1人~2人
判定 良作
ポイント ファイアーエムブレム』生みの親によるSRPG
2部隊制による編成の自由度の高さ
群像劇的なストーリーやキャラ描写も魅力
著作権侵害を巡る裁判沙汰に発展
ティアリングサーガシリーズ
ユトナ英雄戦記 / ベルウィックサーガ


概要

ファイアーエムブレム』(FE)シリーズの初代ディレクターである加賀昭三氏が、インテリジェントシステムズ退社後にエンターブレインの協力を得て製作したSRPG。略称は『TS』。
様々な部分でFEとの共通点が多く、キャラクターデザインも『聖戦の系譜』と『トラキア776』も手掛けた広田麻由美氏が担当している。
しかしFEとの類似要素の多さ、FEの関連作であるかのような宣伝方法などが問題視され、最終的に任天堂とエンターブレインの裁判沙汰にまで発展するなど、発表から発売後まで多くの物議を醸した作品でもある。


特徴

  • 基本システムはオーソドックスなターン制SRPG
    • 反撃・追撃・特攻といった戦闘システムや、ペガサスに乗った飛行兵など『ファイアーエムブレム』シリーズとの共通点はかなり多く、FEシリーズを経験済ならまったく違和感なくプレイすることができる。
  • 2人の主人公を交互に操作するシステム
    • ゲームが始まると、まず帝国に祖国を追われたラゼリア公国の公子・リュナンを主人公とした物語が展開される。しかしある程度進行すると、リュナンの親友であるグラナダ海賊の頭領・ホームズももう一人の主人公として操作できるようになる。
      リュナン編は過去のFEシリーズと同じく、順番にマップを攻略していく一本道の構成。闘技場を除き自由に経験値稼ぎは出来ず、アイテム購入のタイミングも限られている。ストーリー的にも敵の正規軍と戦うため、敵は強く難しいマップが多め。
      一方でホームズ編は大陸中を自由に移動して冒険することができる。メインのストーリー以外にも「遭遇戦」としてザコ敵と何度も戦うことができるため、経験値・アイテム・軍資金などを好きなだけ稼ぐことも可能。敵はゾンビやゴーレムなどのモンスターが多く、いわゆる『外伝』風のパートになっている。
    • リュナン軍とホームズ軍のメンバーは、物語の節目で数回行える「部隊編成」によって自由に振り分けることができる。一部の主要キャラは部隊が固定だが、それ以外のほとんどのキャラは自由に編成が可能。
      そのため、レベルが低いユニットはホームズ隊の遭遇戦で鍛え上げ、育ったらリュナン軍に送って戦力として活躍してもらう……と言った戦略が可能。逆に難易度を上げたいのであれば遭遇戦の経験値稼ぎ無しでもクリアできるバランスなので、様々なプレイスタイルが可能になっている。
  • クリアデータで対戦が可能。
    • エンディング時点でのデータで対戦することができる。GBA版FEの通信闘技場とは異なり、本編と同様のマップ制での対戦であり、本編で使用されたマップやこのモード専用のマップを使用することができる。それ以外に5対5の勝ち抜き制のマップも用意されている。
      そのままだとバランスに非常に難があるものの、細かいルール設定が可能で出撃可能なユニットを制限したり強すぎるアイテムを使用禁止にすることができる。
    • またクリアデータから作成するパーティに操作中のBGMをゲーム内で使用されたBGM+没曲から自由に選択できるという機能もあり、実質サウンドテストも兼ねている。

評価点

  • 主人公の一人であるホームズの人気が高い。
    • リュナンは『FE』ではオーソドックスな剣歩兵型主人公だが、ホームズは主人公なのに間接攻撃専用の弓しか使えない*1という画期的なユニットだったりする。そして、「弓使いは俺一人で十分だ」と劇中でのたまうのも納得できる優秀なユニットでもある。
      • ホームズは自分勝手にふるまって口も悪いようでいて、実は仲間思いで、戦いを好まない親友の負担を減らすために力を尽くしているという、いわゆる「ツンデレ」と呼べる性格。もう一人の主人公であるリュナンから全面的に頼られているなど、プレイヤーからも、作品内のキャラクターからも、評価、人気の高い人物である。余談だが、ファイアーエムブレムシリーズでは、初期職業の使用可能武器が弓のみいった主人公は存在しない*2
  • 武器が豊富にあり、個性的なものが多い。
    • 命中率、及び武器の重さに劣る斧であっても、守備力を増強する斧等の興味深い性能を持つ武器がある。
      弓は特にバリエーションが多く、射程が通常よりも伸びた武器*3や命中率が高いがその分重量のあるボウガン系武器、遠距離用の投射機もある。
    • 雑魚モンスターを召喚できる杖や、ステータスを一時アップする杖、複数のマスにいる敵を同時に攻撃できる魔法もある。更に使用者は一人しかいないうえ性能の低い物が多いが、専用魔法やレアな魔法の代用として使える暗黒魔法も目を引く。
    • しかし、武器の数こそ豊富だが武器種間のバランスに関しては今一つと言ったところ。(後述)
    • なお、ファイアーエムブレムシリーズをはじめ、多くのSRPGに取り入れられている3すくみ*4は存在しない。
  • 40マップにも及ぶボリュームと、多彩な内容のステージ。
    • 軍が3つに分けられた状態からの進攻、強力な竜が暴れる中の防衛戦、船の上での戦い、レアアイテムを持ちながら逃亡する敵将の追撃、中立区での小競り合い、大半の地形が沼、といったようにステージ内容はとてもバラエティ豊か。
  • 60人以上の多彩な味方キャラ
    • スキルシステムを採用しており、キャラの運用方法に個性がある。スキルはアイテムや施設の利用以外にレベルアップでも増えるので、弱いと思っていたキャラが便利なスキルを覚えてエースになる、なんてこともおり、下級職か上級職かで、特定レベルで覚えるスキルが二者択一というキャラも。
    • 能力的に恵まれていなくともシナリオやイベント面で恵まれているキャラも多く、膨大なキャラがいる割には完全に空気と呼べるキャラは少ない。リュナンとホームズ、どちらの軍勢に加えるかで発生するイベントが変わるキャラもいて、両編の一軍の編成を変えて何度も周回プレイをしたり、ホームズ編でお気に入りのキャラをとことんまで強化するなど、やり込むプレイヤーは少なくない。
      • 更に、持っているだけで成長率が上がるアイテムが存在するし、ドーピングアイテムもフリーマップをあさっていると多数入手できるため、普通は育てても弱いキャラでもプレイヤーの努力次第で強くできるのでキャラ強化は難しくない。
      • 全体的にHP以外の成長率は控えめ*5だが、これはMHPとLUK以外の上限の低さ*6に合わせていると思われる。
    • 味方キャラクターに関してはグラフィックのカラーパレットが独自に設定されている。キャラの個性を演出するとともに、マップでもちゃんと色違いのため、間違えて同クラスの別ユニットを選択するというようなSRPGでよくある凡ミスは起こり辛くなっている。そのため、味方ユニットと敵ユニットはキャラクターの向きで区別している。
      • ただし、鮮やかな明るい色の服を着ている顔グラフィックなのにユニットとしてのグラフィックは暗い色の服を着ているなど、色が一致していない味方ユニットも少しだけ居る。
    • これだけのユニットが仲間になるので、エンディング分岐も多彩かつ複雑怪奇。特定のユニットが不在だったりイベントの回収の有無で展開が全く異なるユニットが多く、未見のエンディングパターンを探していく楽しみがある。
      • ちなみに仲間にできるユニット*7を全て仲間にした上で戦死者が居なければ、エンディングに追加される特殊なシーンもある。
  • クラスの数も充実しており、上級職スタートのユニットにも救済要素がある。
    • 例えば、騎士系クラスの下級職こそ「ルークナイト」固定だが、ルークナイトからCCできるキャラだけでも、軽装のため上限値の低い代わりに下馬しても移動力以外のステータスが落ちない「コマンドナイト」、スタンダードな性能の「パラディン」、パラディンの耐久性を上げたうえで突撃も使える特攻兵「ブラックナイト」、最強クラスのステータス*8と強力な兵種スキルを兼ね備えた「ゴールドナイト」と、様々な種類の上級騎士が存在する*9
    • ユニットのレベル上限は上級、下級職両方とも最大40まで。より詳しく言うと、下級職はレベル20でいったん成長がストップするが、CCすることでレベル上限が現在のレベルから+20される*10。上級職で加入するユニットはデフォルトでレベル30まで育成できるが、「スーパープルフ」というレベル上限を10上げるアイテムを使うことでレベル40まで成長できる。
    • 初期職が下級職であるか、上級職であるかでレベル格差がほぼ存在しないのが強みだと言える。なお、リュナンとホームズのみ下級職時代からレベル上限が30になっており、 主人公ユニットがゲーム終盤に差し掛かる頃合いでのイベントでの強制クラスチェンジを迎える前にレベル上限に到達してしまい、使うのが惜しくなるということはまず無い。
  • セーブ関連の問題を除きさえすれば、操作性はなかなか快適。
    • セレクトボタンを押せば、各ボタンの機能が確認できる。
    • ソフトリセットは当然完備されているが、タイトル画面に戻るだけではなく、戦闘開始時点に戻ることも可能。いちいちセーブファイルを選ぶ手間が無くやり直せるのは嬉しい*11
    • 敵味方の移動・攻撃範囲表示設定を変更することが可能。
      • SRPG初心者は敵の攻撃範囲を出してプレイしたり、このゲームの熟練者なら味方の攻撃範囲はおろか、敵の移動範囲を出さずに経験と知識を踏まえてプレイすると言ったように、ちょっとした難易度調整が可能。
        ユニットステータス画面もまた充実しており、武器性能はもちろん、移動コストまで細かく確認できるので、移動範囲を非表示にしていてもここで推測できなくも無い。かといって人間の推測は完璧ではないので攻撃範囲を見誤ることもあり、これがまた緊張感を生む。
    • レベルアップヒストリー機能により、ユニットの成長を振り返ることができる。ユニットの強さや成長率の高さ(もしくは低さ)を実感できるとともに、初期値さえ分かればドーピング回数を逆算するということもできる。
    • マップ上にマーカーを最大4つまで置くことが可能。敵の攻撃範囲を可視化したり、再移動後の停止場所の目印にしたりすることができるので利便性は非常に高い。
  • 群像劇的な展開が光るシナリオ。
    • 軍を率いる公子リュナンと海賊兼冒険者のホームズ、二人の主人公を交互に行動させることで、世界の変化を複数の視点から楽しむことができる。また、たとえ引き離されたり死んでしまったとしても絆は永遠に消えない、という友情の大切さや、戦争に絶対的な正義は存在しないという不文律を軸にして展開されるシナリオは現在まで高い評価を得ている。
    • 前述の通りサブキャラクターにもイベントが多く、世界観の奥深さを演出している。
  • BGM
    • 勇壮だがどこか哀愁漂う旋律が決戦を彩る「ラゼリアの騎士」や英雄的なオープニングテーマ「ユトナの戦士」などが名曲としてあげられる。
    • エンディングテーマ「Never Ending Dream」は、CDメディアであることを生かし、生音源*12である。非常に長時間のプレイが要求されるこのゲームを締めくくるにふさわしい、しっとりしたバラードで、どういうわけか英語曲。ゲーム中にも、後半の非常に重要なシーンでアレンジ版が流れる。後に発売されたサウンドトラックでは日本語バージョンも収録された。
  • キャラの育成がしやすい。
    • 本作では、ホームズ隊で立ち寄れる地域にフリーマップが存在しており、育成がしやすくなっている。のちにリュナン軍とホームズ隊でキャラの入れ替えができるため、ホームズ隊で強化した仲間をリュナン軍に預けて活躍させる、といったことも可能。

賛否両論点

  • 主人公の一人であるリュナンのとっつきにくさ
    • リュナンは見た目は普通だが喋りや性格がかなり堅く、軍師であるオイゲン*13にきつく当たることも多く、雰囲気からやや冷たい印象を受ける事もある。もう一人の主人公ホームズが明るく面倒見の良い性格で好かれやすい為、ホームズと比べてリュナンに好感を持ちにくいといった意見も見受けられる。
    • 初期値、成長率共にホームズよりかなり低く、ホームズがクラスチェンジで新しい武器を使えるようになるのに対し、リュナンにはそれがないなど、ユニットとしての性能もやや物足りないものとなっている。
    • 親友でほぼ唯一気を許せる相手とも言えるホームズともゲームの性質上ほとんど別行動で、それが一層リュナンを頑なに見せている部分がある。事実ゲーム中で何度かホームズと再会する際は年相応の少年らしさが見られる。
    • まだ年若い少年としてそのジレンマに思い悩む描写や、ヒロインであるシスターエンテとのすれ違いラブロマンスなど、ストーリーの盛り上がりに一役買っている部分もある。
      そのため、これまでの加賀昭三氏が手がけたゲームの正義感溢れる“王道”的な主人公とは一線を画する魅力ある主人公として、リュナンを評価しているプレイヤーも少なくない。(リュナンも正義感は強いのだが戦争をする上で割り切っている言動が多い。)
  • 熟練度システム
    • 味方のユニットが敵を撃破するか杖を使用した時、「使用した武器種」「戦っているマップの種類*14」「敵の兵種」の数値が加算され、それぞれ10溜まるごとに該当する条件下において命中率と回避率が1%上がる*15
      例えば、剣を使って敵を10体倒すと剣を使った攻撃の命中率が1%増え、剣を装備している間回避率が1%増えるという具合。
      通常の範疇ではほとんど気にする必要が無いシステムではあるが、杖を使うキャラに250回杖を振らせて杖の熟練度を最大まで上げると回避盾として機能するようになるなど意識して上げると有利になるようになっている。
    • しかし対戦モードを前提としたデータを作成するとなると状況が一変し、「 各熟練度が最大値に達していないユニットは対戦モードでは単なるカモ 」と化す。
      条件が揃えば命中率と回避率が50〜75%も増えるというのはゲームバランスの面では極めて重いシステムであり、「このユニットはこの種類のマップで戦えない&この種類の敵が出てくるマップで戦えないので他のユニットに比べて評価がワンランク落ちる」などキャラ格差を加速させた。
      熟練度システムそのものが無いかあっても補正が少なければもう少しマシな状況になったと思われる。
      • もちろん対戦モードだけの話なので本編中では前述の通りの便利なシステム程度の影響に留まっている。また、そこまで限界育成した強すぎるユニットはゲーム上の対戦ルール設定で縛ることは一応可能。
  • 武器の撃破数と呪い
    • 同じ武器で敵を倒し続けると51体倒した時点で1体につき必殺率が1%ずつ上がっていく(上限+50%)。必殺率が上がった武器はアイテム情報でも「Crt+◯%」と小さく表示される。
      このゲームは特殊な武器以外の耐久力を修復することができるリペアハンマーというアイテムが市販されており、それを利用して武器を鍛えることができる。2回攻撃可能なマスター系の武器や後述のルナの剣は特殊な武器には該当しないので鍛え上げると一騎当千の武器にすることができる。
    • 更に 鍛えた武器を闘技場に持ち込むと高確率で門前払いされる*18闘技場で鍛えた武器を使うには適度に能力が低いユニットに持たせる必要がある。
  • 一部の変化後の通名が微妙だったり、変化してもおかしくないのに変化しないユニットが居る。
    • どう感じるかは個人差があると思われるが、「シュラムの死神」→「黒の傭兵」でクラスチェンジ前の通名の方が評判が良いヴェガや全味方ユニット中唯一クラスチェンジしてもどんなイベントが発生しても通名が「炎の魔道士」から変化しないリシュエルは残念がられる声も多い。
    • 初期から居る騎兵コンビであるアーキスとクライスは特定のスキルを習得した後の通り名の表示形式が他のユニットと異なっていて浮いてしまっており、それぞれ 『烈風の』・『疾風の』 *19、妙に半端で間の抜けた響きとなっており笑いを誘うこととなった。
  • 登場人物の血縁等の人間関係が異様に複雑
    • 一度プレイしただけで理解するのは困難。完全に把握しているプレイヤーはごく僅かだろう。知らないとストーリー自体を理解しかねる、ということはない。
      養子関係や義兄弟関係のキャラがかなり多く、あるキャラの実父が別のキャラの養父になっているのは序の口で各地に実子が居るとんでもないキャラも存在しており血縁図を書くと確実にぐちゃぐちゃになる。
    • 特に血が繋がっていない兄姉、姉弟という関係のキャラが味方ユニットに3組も居る。しかもその内の1組は恋愛的なペアエンドあり。
  • マップ攻略中のセーブ回数が有限。
    • このゲームでは、全体マップで何度もセーブできる他、攻略中は「きおくの杖」というアイテムを使用することでセーブすることができる。きおくの杖は序盤に仲間になるエンテが持っている他、中盤にホームズ隊側で1本、終盤にリュナン軍側でもう1本*20手に入る。
      複数入手可能な時点で察せられるが、 きおくの杖には18回という耐久力が設定されている。 セーブ画面を開いてセーブを実行すると、杖を持っているユニットが杖を掲げて使用する演出が入る。きおくの杖でセーブした攻略途中のデータは何度でもロード可能。
    • このきおくの杖を「ユニットの成長吟味に使用するか」、「額面通りにゲームの中断に使うか」で事情が変わってくる。前者の場合はユニットを丁寧に育成できる便利アイテムになるが、後者の場合はわずか18回しか攻略の中断ができないセーブ制限と化してしまう。
      特にリュナン軍は序盤から長丁場になるマップが多いため、慣れていないプレイヤーではノーセーブでマップクリアまで一気に攻略するのが難しい。
      そもそも中盤のホームズ側できおくの杖が手に入ることを知らずに序盤のホームズ隊の誰かにきおくの杖を渡してしまうと、リュナン軍では途中セーブできなくなってしまうことになる。
    • 自由にセーブできては成長吟味し放題だったり当たらない攻撃を当たるまでリロードし続けるという行為も容易に可能でゲームバランスも崩れるだろうが、セーブそのものに回数制限があってはプレイスタイルによっては問題点になりうると言える。
      この点は次回作では攻略中は5の倍数のターンのみセーブ可能とすることである程度解決している。

問題点

  • 武器種間のバランスが歪。
    • 前提として、前述したとおり「3すくみ」が存在しないため、本作では武器の性能のみで勝負することになる。
    • 全体的に性能が良い剣、全体的にやや重いがまだ使いやすく、安価かつ屈指の性能の投げ槍である「ピラム」がある槍は「戦える武器種」となる。
    • 一方で、斧は全体的に重さも命中率も劣悪で、味方で斧をまともに扱えるユニットが「最初から居るお助け枠の海賊」「中盤で仲間になる斧戦士」「クラスチェンジで斧も使えるようになる後述の選択制の槍歩兵」「全ての物理武器が扱える(つまり槍も使える)万能な騎士」とわずかしか居ない上に、
      他の武器も使えるユニットが半数を占めるため半ば地雷のような武器となっている。これ以外の斧を扱う味方ユニットは終盤まで戦い抜けるかどうか怪しい性能か、途中で永久離脱するユニットとなっている。
    • 弓も異様に重いものが多く、反撃を受けると追撃を受けやすいため「反撃を食らっても問題ないほどステータスが高い(ホームズなど)」か、「攻撃後の再移動により一撃離脱ができる弓騎兵」でないと運用が難しい場面が多い。
    • 魔法は炎が一番重く、風が最も軽く、雷が中間の重さとなっている。炎魔法のみ敵単体に2-5マスの射程の遠距離攻撃を仕掛けることができる「メティオール」があったり、射程1-3マスかつ命中率が100と破格の高さである味方の魔道士のリシュエル専用の炎魔法「サンフレイム」があったりするが、それ以外の炎魔法の性能が劣悪で魔法版の斧とも言える有様になっている。
      • 更にリシュエルの加入が魔道士では最も遅い中盤な上に上記のオーラレインの入手イベントに絡むユニットなので育成が難しく、メティオールも肝心の性能があまり良くないので支援と熟練度で余程補わないとしょっちゅう外し、範囲攻撃炎魔法「イフリード*21」よりも範囲攻撃雷魔法「イビルサンダ*22」の方が性能が良く入手機会も多いのが炎魔法の不遇に拍車をかけている。
    • 雷がもっとも平均的な性能を持つと言え、風では火力が物足りない場面ではもっぱら雷魔法を使うことになる。風、聖、暗はユニークな性能を持つ魔法が多く、その全てに敵の反撃を受けない効果のものがあるので使い出がある。
      なお聖魔法と暗魔法は炎魔法並みに重いが、聖魔法が使えるのはステータスの高い賢者であり、暗魔法も味方で扱えるユニットは戦場を自由にワープ可能で敵の反撃を受けないように運用するのが楽な特殊な性能だったりするので、炎魔法ほど問題にはなりにくい。
  • 一部のアイテム入手の機会に難があったり、運が絡む。
    • 特定のクラスの敵を倒すと低確率でアイテムを落とすことがあり、そこでしか入手機会が無いアイテムがいくつか存在する。いずれも強力ではあるが無くてもクリア可能。
      • しかしその中の一つである「ムーンライト」は唯一市販のリペアハンマーで治せる聖魔法であり、他の聖魔法は個数限定のリペアの杖でしか修復できないことから聖魔法の熟練度を稼ぐにはほぼ必須であるのだが、ムーンライトはゴーレムを撃破した際に 1/200(0.5%) の確率でしか入手できない。
        ゴーレム自体は特定のマップに確定で出てくるものの、数が多くないので相当運が良くないとお目にかかることすら叶わないレベルの入手難度となっており、アイテムコレクターや育成マニア泣かせの武器である。
      • 後述の「ルナの剣」というバランス崩壊級の代物も敵が落とすことがある。一本はイベントで確実に入手できるが、更に敵からもう1本以上入手するとあまりの強さに戦略も何も無くなってしまう。
    • 何度も入れるマップの中には中身がランダムで変わる宝箱が存在する。そのマップを10回クリアすると以降は空箱のみとなるため、中に入っているアイテムの入手機会は限られる。
      • ……のだが、よりによってその中に全ゲーム中通しても個数限定入手のクラスチェンジ用のアイテムが含まれている。つまりここで粘らなければクラスチェンジすることができないユニットが出てくる*23
        更にパラメータUP用のアイテムまで出てくるので中身を把握しているかどうかとその中身が出てくるまで粘れるかどうかで物資の質に差が出てくる。
        さらに現在ではアイテム吟味の方法も確立されているので、これを知っているか知らないかでも差ができてしまう。
    • ホームズ隊のイベントで「中身が伏せられた宝箱28個(中身は固定)の内5個だけ開けることができる」というものがある。
      大半がお金が入った袋なのだが、当たりの宝箱にはクラスチェンジアイテム*24やパラメータUPアイテムが入っておりやはり前情報があるかどうかで有利不利が決まる要素になっている。
  • 一部の武器(主に特定のキャラクターが持つ専用武器)が全体的に凶悪な性能。
    • 所有者のヴェガが最序盤で加入する上、装備中は被ダメージを全て2分の1にする「シュラム」、武器としては弱いが所有者のシゲンが死んでも武器耐久1消費で蘇生する「デュラハン」*25、射程が1~3と長い上に装備中に防御力を+10する「サンフレイム」、
      基本性能が極めて高いのに2回攻撃まで出来る「ブレンサンダ」*26、5の倍数ターンにしか使えないがマップ上の全ての敵を一度に攻撃できる「オーラレイン」*27等。特にオーラレインは再行動させれば制限を掻い潜って連発もでき、その気になれば容易に殆どの敵を一掃できる。
    • しかしこれらの武器は「神聖武器*28」という、市販のリペアハンマーでは修理できない武器として扱われており、唯一の修理手段であるリペアの杖が有限であるため、対戦モードの存在もあるので「勿体無いので使わない」というプレイヤーも多いと思われる。
    • 専用武器ではないものも一部非常に強力。汎用武器ながらかなりの威力を持つうえ、相手の防御力を無視してダメージを与えることができる「ルナの剣」、入手は最終盤で、直後にマップが屋内に移るため使い手が激減するが、2回攻撃が出来て耐久や攻撃力も高い投げ槍「サリアの槍」、
      非常に重たいが怒涛の4連射を誇る*29「ガトリングボウ」、攻撃さえ当たれば反撃されない魔法の「シルフィード」「プレリュード」「トゥマハーン」などが代表的。
    • 一方で受けるダメージを半減させるが重すぎて追撃を食らいやすくなる「ドルハーケン」、同じく守備力が上がるがやはり重すぎて追撃を受けやすい「シールドアクス*30」という一見強烈に見えて本末転倒的なアイテムも。
  • スキルの強弱が激しい。
    • まず前提としてほとんどのランダム発動スキルの発動率が「((自分の技-敵の技)+3)%」になっており、技が上がりにくいユニットでの発動率は著しく下がってしまう。
      例外として発動すると2回連続攻撃を仕掛ける「連続の技」は自分の攻撃速度にのみ依存、発動すると防御力が著しく上がる「大盾の技」は自分のLVにのみ依存しており敵のステータスの影響を受けないが、ゲーム中でそれを知る術は無い。
      • この仕様に振り回されているユニットも少なからず存在する一方で、技の成長率は低いがスキルは連続の技や突撃など技に依存しないものを揃えているユニットも居る。
    • 攻撃速度が勝る相手に連続戦闘を仕掛けることが可能で反撃を受けない相手にも一方的に攻撃できる「突撃」、HP減少量に応じて必殺率が上がる「死生の技」、徒歩ユニットかつ近接武器専用と条件は厳しめだが発動すれば攻撃力3倍で敵はほぼ即死*31の「飛竜の技」、5回攻撃の「竜聖の技*32」は極めて強力。
      前述の敵のステータスの影響を受けない「連続の技」と「大盾の技」も発動機会が多く、特に大盾の技は最大40%の確率で発動となるので所持しているユニットは非常に硬くなる。前述の少年騎士がクラスチェンジでこの大盾の技を覚えるので当然強いはずである。
    • 一方で、必殺攻撃のダメージで倒せる相手にのみ発動し相手を一撃で倒す「烈風の技*33」、地形効果を無視して必殺攻撃を行う「地聖の技*34」は存在価値を疑われるほど効果が薄い。どちらも発動すると相手を轢き逃げしたり連続攻撃を繰り出すような特殊なモーションに切り替わるが、それだけである。
      • 地聖の技は習得者が全員別に地聖の技が無くても戦えるレベルの強さなのが救いだが、烈風の技は習得者に性能がよろしくないユニットが混ざっており、それらのユニットは発動率を高めるための技のステータスがあまり上がらないため役に立たなさが非常に目立つ。
        しかしそれ以外の強い烈風の技習得者は別に烈風の技を発動させるまでもなく敵をズバズバ斬れるのでスキル枠の無駄遣い……という困ったスキル。
    • 所持スキルには上限が設けられており、自力で習得するスキルに関しては制限がかからないがスキルを習得できる村や訓練場は所持スキルが6つ以上だと利用できないという制限がかかっているのでハズレスキルを先に習得してしまっているユニットはそれだけ損してしまう。
      後天的に烈風の技や地聖の技を覚えるユニットであればスキルを習得できる村や訓練所に行くまで育てなければ上限を回避できるが、これらのスキルを初めから所持しているユニットは……。
    • その他、発動すると敵の防御力を無視する「風水の技」も性能自体は悪くないが扱う武器によっては微妙なことになり*35
      発動すると与えたダメージ分自分のHPを回復する「天聖の技」もスキル発動率の関係で敵が強くなるほど確実性に欠けていくため耐久系のスキルとしては大盾の技には使い勝手で劣る。
      ただしこの二つは他のスキルと同時発動するのとそれぞれ1人だけ任意に習得できる機会があるという利点があるので、連続の技を持っているユニットであれば発動機会を増やせる。
    • 所持していると特定のマップでの命中力、回避力、移動力が上がる「草原の戦士」「海の戦士」も本編後半は辺境地帯や城砦地帯ばかりで活かす機会が無くなってしまう*36
  • 明らかに後述の裁判のゴタゴタに巻き込まれたと思われるアイテムが存在する。
    • 聖魔法「プレリュード」がそれで、敵の攻撃を完全に封じる暗黒魔法「ザッハーク」に唯一対抗できるという触れ込みの魔法なのだが、 プレリュードを所持したユニットがザッハークを所持するグエンカオスと対峙する機会は存在しない。 グエンカオスはプレイヤーたちが手を下すまでもなくイベントで殺されてしまうのである。
      • この関係性で察せられるが ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣のスターライトとマフーの関係そのもの。 やはり設定変更の煽りを受けてプレリュードのザッハーク無効効果が腐ってしまったものだと思われる。
        プレリュードにはザッハーク無効効果のみだけでなく、前述の通り攻撃が命中すると敵の攻撃を封じるという効果があるので完全に腐っているわけではないのが救い。
    • それ以外にも「ルナの剣」「ソルの剣」「ステラの剣」も低確率で敵が落とす武器であることと名称の法則に過去に発売されたゲームに登場した武器と関連性があり中々怪しい。ルナの剣に至っては追加効果が敵の守備力無視と完全に同名の魔法である。
  • 戦闘アニメの出来が今ひとつ。全体的に地味で動きがぎこちない。
    • まず立ち合いから始まり、それから先に攻撃する側が移動という流れでテンポが悪い。更に移動後の攻撃の一動作ごとに基本ポーズに戻る仕様*37がそれに拍車をかけている。
      特に騎馬系の戦闘アニメは極端に動きが少ない。ただし味方の男性剣士はスピーディーに抜刀と納刀を繰り返す居合スタイルだったり、一部では何とか誤魔化そうとする工夫は見受けられるため、手抜きではないようだ。
    • もっとも、そもそもの問題として動かし方にセンスがないという点は擁護しきれない。『紋章』と比較してみると一目瞭然。これは容量不足で起こったコマ数不足が主な原因といわれている。
      • 戦闘アニメの悪評を広げる一因として、ボスキャラ級や寝返り要員のユニットとの戦いにおいて、戦闘アニメーションをOFFにできない点があげられる。つまり、1つのマップに付きほぼ必ず、1回は出来の悪いアニメを見なければならないのだ。
    • 烈風の技・地聖の技発動時は挙動が変わるようになっている。特に、通常は烈風の技を覚えない飛行系ユニットにとある場所で烈風の技を覚えさせて騎乗時に発動させると敵を轢き逃げして撃破する。
      また必殺時はほぼ全てのクラスがかなり大振りな動きをするし、飛竜の技発動時にモーションが変わるクラス(剣士とソードマスター)や反撃時に必殺攻撃が出るとモーションが変わるクラス(魔女)も存在し、意外と凝っている。
      のだがそもそもそこに至るまでの立ち合いから移動までの間が助長でぎこちなさを感じるのは否めない。
    • 一方で手槍・手斧・弓・魔法での間接攻撃の出来は割と良い。手槍は槍歩兵であれば回しながら軽々と投げるし、手斧はFEのようなブーメラン方式ではなく力を込めて投げているのが伝わる。
      魔法のエフェクトは全体的に派手で、弓は通常の弓とボウガン系の弓で全く違うモーションになるなど手が入っている。ただしこれら間接攻撃の必殺時のモーションは上記の魔女以外は矢の先が光るだけだったり詠唱時のモーションが通常時と同じなどかなり地味。
  • 隠しキャラクターである「レティーナ」の出現方法が複雑すぎて攻略本や攻略サイトが必須。
    • レティーナは盲目の神官の少女で、出撃しているだけで味方全員の回避率が上がるという特殊な能力を持つ。本人の能力も神官の中では強い方で、回復の杖を扱う際は他の神官よりも高い回復量を出しやすい。更に、「ちんもくの杖」という1ターンの間全員の魔法と杖の使用を封じる特殊な専用杖も使える。
    • しかし加入させるための方法が複雑極まりなく、更に仲間に加入した後もかなり前の選択肢で特定のキャラを仲間にしていないとすぐに強制離脱。
      さらに離脱時の選択次第ではイベントに関わっていたもう一人もレティーナと一緒に強制離脱、という初見では理不尽極まりないイベントとなる。しかもその選択肢が「特定キャラがいた場合に離脱を回避できる選択肢」なのもさらにタチが悪い。
    • この点に関してはレティーナを仲間にしてすぐ殺すことで離脱イベントを回避し、あとで蘇生アイテム*38を使い、とある砦の道具屋に派遣するという荒業がよく使われる。
      というのも、とある砦に派遣すると一時的な離脱状態となり、後戻りできないところまでストーリーを進めた時にホームズ隊に戻ってくる。そして 離脱イベントはその後戻りできない状況になる『前』に起こるもの ので、結果的に離脱イベントそのものを回避できるわけである。
      加入後にリュナン軍のほうで使えなくなってしまう期間が存在する弊害はあるが、ホームズ隊で育成は可能なので、やり込み的にはそれほど問題ない。ある程度プレイしていれば事前情報無しでも思いつく方法でもある。自力でレティーナを仲間にできれば、だが。
      • もっとも、レティーナを仲間にするかは完全にプレイヤーの任意である。ユニークな能力を持っているが攻略上重要というわけでなく、またレティーナを仲間にしなかった時のみ加入する「リベカ」という実質的な代替キャラクターもおり、専用杖は持たないものの能力値が高くカリスマも習得出来るので、十分一線を張れる性能を持っている。ルックスの良さからリベカもプレイヤー達から人気を博している。
  • 上記以外も発生条件がノーヒントなイベントがいくつか存在する。
    • 後述のオーラレインの入手イベントがその一つ。特定のタイミングで該当するユニット全員をリュナン軍に入れておく必要があるのだが、関わるユニットが全員育成機会に恵まれずホームズ隊に入れがちでイベントを逃しやすい。
      • オーラレインを入手したら入手したらで該当ユニットの育成が困難になるのも困りもの。レティーナイベントの解説で出ている通り、オーラレイン入手後にユニットをわざと死なせてホームズ側で蘇生させる荒技もあるにはあるが……。
    • 同じタイミングで特定のユニットがリュナン軍に居るかホームズ隊に居るかで入手できるアイテムが変わる二者択一のものもあり、もう片方のイベント及びアイテムの存在に気付かない可能性がある。
    • イベントで「踊る」を習得できるユニットが居るが、習得するためのイベントを発生させられる部隊にそのユニットが居なければアウト。一応ヒントこそあるが、それはユニットの部隊分けが終わってから少し後のマップでのNPCの会話で分かる。
    • それ以外のイベントはリュナン軍の進軍ルート上に立ち寄る場所に用があるユニットはリュナン軍に、それ以外はホームズ隊に入れてそのユニットにゆかりのある場所に立ち寄るようにしておけばイベントの取り逃がしはしないようになっている。
  • 仲間にする際に一癖二癖あるユニットが結構居る。
    • レティーナ以外も加入条件を逃しやすく、仲間にするのが難しいユニットが何人か居る。
      「敵側の騎士が城に囚われている少女を助けようとしているが、その騎士より先にプレイヤーが城を制圧してしまうと騎士が帰って仲間にならなくなる」
      「予告も無しにマップ攻略の中盤辺りで唐突に増援として登場し、登場時の台詞で誰が説得するのか判明する敵ユニット*39」など。
    • ホームズ編では敵に囲まれた状態でマップが始まる加入ユニットが多く、運が悪いと被弾し続けて回復が間に合わずやられてしまう。
      もっともこちらは全てのケースにおいて加入ユニットも敵も全員マップ開始時に配置されているので、リセットしたりホームズ側のユニットを鍛えてから挑めばいい話だが……。
  • 序盤で加入するユニットの性能が抑えめである一方で、中盤以降加入するユニットの性能が優れている傾向がある。
    • 同種のクラス内で比べれば一目瞭然で、前述の「シュラム」を所持している剣士であるヴェガなど明らかに強キャラとして設定されているユニットと、味方に同じ兵種が居ないユニット以外は中盤以降に加入するユニットと張り合えるポテンシャルをまず持たない。
      いずれも最序盤で加入する、いかにもな赤い騎士と緑の騎士のコンビであるクライスとアーキス、女性騎士のケイト、女性剣士のジュリア、魔法使いの少年のマルジュを育つだろうと思って育てると実はかなりヘタレやすく、FEシリーズへのアンチテーゼが含まれているのかと疑われるレベル。
      + ユニットの詳細
      • クライスとアーキスはこの手のキャラクターにしては成長率が控えめ。下馬時でも槍を使える特殊な騎兵コマンドナイトにクラスチェンジできるが、最序盤で加入するコマンドナイトのラフィンがこの2人以上に優秀なのと、室内の槍使いであれば後述のライネルの方がよっぽど強いのでまず育成することはない。
        しかし2人とも中盤も終わり際のイベントに関わってくるというユニットなので、それらに備えるのであればイベントに合わせてステータスを調整する必要がある。
      • ケイトは剣と弓の両方を使える便利なユニットで、後述のルカを加入させなかった場合は序盤における唯一の弓使いなので活躍の機会はあるのだが、全体的に成長率が低い上に習得スキルも弱く、しかも彼女と同じレディナイトで初期能力値、成長率、スキルの全てにおいて完全上位互換であるシャロンが序盤に加入するので、それ以降はほぼ戦力外となる。
        ただしケイトはクラスチェンジ後のクラスがシステム的には強い弓騎兵のアローナイトではあるので、対戦モードでは途端にシャロン共々育成が必須になるという極端な立ち位置でもある。サーシャとロファールからの強力な支援を得られる事が救いではあるが。
      • ジュリアはイベントで強力なスキルである竜聖の技を習得出来るが、それを加味しても力とHPが伸びずらいので使いにくい。
      • マルジュは少年という見た目からして、いかにも大器晩成の魔術師だと思われがちなのだが、肝心の魔力の成長率が何と20%しかない。専用武器のヴンダーガストもウインドに毛が生えた程度の威力しか無く、役に立つのは序盤まで。あまりの酷さからプログラマーの数値入力ミスが疑われる程。*40ただし中盤のシルフィード入手イベントは一見の価値あり*41
  • とはいえこれらのユニットは長所で語られている通り、イベントが充実しており適切にイベントを発生させれば強力なアイテムを入手したり特殊なユニットを仲間にできる機会を得られるのと、成長率が上がるアイテムを入手できるのが中盤になるため、本命のユニットのレベルアップを抑える用途で使い続ける意義はある。
    また、この手のゲームは序盤に加入したユニットでスタメンが固定されやすく、中盤以降加入のユニットも使ってもらえるようにバランス取りをしているという解釈もできる。
  • 選択制のユニットのメリットの差があまりに著しい。
    • 序盤と中盤で「少年騎士ナロン」「斧歩兵エゼキエル」「弓戦士ルカ」「老司祭リー」「槍歩兵ライネル」の5人の中から2人だけ選べる*42イベントがあるのだが、選べるキャラクターの性能差、及び仲間にした際のメリットの差が著しい。はっきり言って 全員の性能とメリットを把握した上で比較すると勝負になっていないレベル である。
+ ユニットの差の詳細
  • ナロン ルークナイトLV1
    • 騎兵なので剣と槍を扱えるが初期能力値は低く成長率も高いわけではない。しかし所持スキルの「素質」により取得経験値が増えてレベルアップしやすく、更に上級職であるゴールドナイトのクラスチェンジのボーナスがずば抜けており一気に化ける。
      また、ゴールドナイトのステータス上限が全クラス中でも最強クラスであるため、成長を吟味することで名実共に最強の騎兵となることができる。
    • 欠点らしい欠点はゴールドナイトの状態で下馬すると槍が使えなくなる上にステータスのマイナス補正が大きい点*43と、イベントにはほとんど絡まず、リュナンとしか支援効果が得られない点くらいである*44。とはいえ支援効果に頼らずとも充分過ぎる程の性能なので問題無いが。
  • エゼキエル アクスナイトLV4
    • 馬に乗っていそうなクラス名だが歩兵であり、成長率は悲惨の一言。そもそも斧自体が扱いづらい武器で、習得スキルも微妙スキルの烈風の技と、通常攻略の範疇では役立てにくい地形スキルのみと、ライネルの完全下位互換状態である*45。終盤まで戦い抜けるか怪しいほど不遇。支援効果もレティーナからしか受けることができない。
    • 上記のレティーナの実兄であり、裏技無しでレティーナの離脱を防ぐにはエゼキエルの加入が必須となる。また、その際の会話がとても熱く、一度は見てみる価値はある。
      …のだが、「レティーナイベントに気付かず見逃す、または達成できない状態になる」「通常プレイの範疇で思いつく、道具屋にレティーナを就職させる裏技を使う」「レティーナではなくリベカを仲間にしたい」これらのケースの場合は、この唯一のメリットすら消滅する。
    • しかも攻略本には「お勧めキャラ」などと誤った紹介がされているので、余計に性質が悪い。攻略本の情報を信じて1回目の編成で彼を仲間にして「騙された」と後悔した方は多いのではないだろうか。
  • ルカ 弓戦士LV2
    • 1回目のタイミングで仲間にした場合、リュナン軍では貴重な弓ユニットになる。技と速さの成長率がずば抜けているが、力の成長率が低めで下振れしやすい難点がある。覚えるスキルは突撃、連続の技と基本は押さえている。
      エゼキエルとは違い、力の成長さえ気を付けていれば、終盤で使い物にならなくなるという事態にはならない。支援関係も姉のラケル、自国の王女であるサーシャから強めの支援を受けることができるため充実している。
    • ルカにはラケルという上級弓戦士であるボウマスターの姉がおり、ラケルはルカの有無に関わらず仲間にすることができるが、ラケルを仲間にする前にルカでラケルの家を訪問することで既に撃破数が付いた弓を入手できる。
      5人の中ではルカは最もイベントが充実しており、ルカが敵に殺されてしまい、それまで人間にトドメを刺せなかった*46ラケルが人間を殺せるようになるという悲劇的なイベントもある。なおイベントで死亡したルカの蘇生はダクリュオンを使えば可能で、発生条件を満たしていてもイベントを回避することはできる。
    • しかしルカにとってはこのゲームのバランスに多大に問題があり、弓で攻撃するより槍を使えるユニット(つまりナロンとライネル)がピラムを投げた方が良い場面がほとんどである。
      更に弓を扱うユニットとしては、攻撃後に再移動することで一撃離脱ができるアローナイトやマムルークといった弓騎兵の方がずっと都合が良い。
      トドメと言わんばかりに、弓歩兵としても中盤でルカの上位互換とも言える高成長率移動力成長有り良スキル持ちの女弓戦士レニーが仲間になってしまう。
      ホームズ隊で育成しようにもホームズもまた弓使いであり、攻略だけならホームズ1人でも事足りるので活躍の機会があまり得られない*47
      また、ラケルも敵のHPを1残して味方にトドメを譲れる状態を維持した方が使い勝手が良く、ルカ死亡イベントを起こすメリットがあまりない。
      その他のイベントも、サーシャからルカに支援効果が発生する以外はラケルと微妙な性能のパラディンの間に支援効果が発生するだけと実利が少ない。
    • ルカ自身は決して弱くないのだが、ナロンとライネルが強過ぎてイベント閲覧目的以外では仲間にしづらいユニットとなってしまっている。ただしサーシャとの微笑ましいイベントは一見の価値あり。
  • リー 司祭LV15
    • リーは杖を使った回復と魔法攻撃が出来る味方で唯一のユニットだが、見た目や仲間にする際の「育たない」という警告通りまったく育たず、普通に使うと序盤しか役に立たない。
    • ただしリーを1回目のタイミングで仲間にした際に入手できる「まもりの杖」は受けるダメージを半減させるバフを付与することができる唯一無二のアイテム*48のためリーを選択する意義はある……というより 対戦モード重視のプレイだと1回目はリー固定。
    • また司祭というクラスのステータスの限界値そのものは悪くなく、杖を使うユニットの中で唯一戦闘が伴う熟練度をまともに稼ぐことが可能で、そもそも魔法や杖を使えるユニットも限られるので丁寧に吟味すれば戦力になる可能性は秘めている。
  • ライネル スピアナイトLV5
    • 2回目のタイミングで追加される。馬に乗ってそうなクラス名だがやはり歩兵で、エゼキエルとは違い成長率がなかなか高いうえに低確率だが移動力も上がり、そもそも屋内で槍を使用できる味方ユニットが極めて限定される*49関係で、最強クラスのユニットになる可能性がある。
      クラスが歩兵固定であるという点が災いして再移動ができず、最終的には屋外であれば一撃離脱ができるナロンに差を付けられることになるが、ナロンと違い屋内でも能力減退の影響を受けないという強みがあるので、どちらも一長一短。
    • 同僚であるケイトなどの最終的に騎兵になる味方ユニットとしか支援効果が発生しないため、歩調が合わない歩兵のライネルでは支援効果の恩恵を受けにくいが、ライネル自身の移動力を成長吟味で頑張って上げれば味方に追いつくようにすることはできる。また、本編中だけであればライネルは支援効果を意識するまでもなく強いので支援を意識しなくても特に問題は無い。
  • 総合すると対戦をするつもりが無い効率重視のプレイなら「 1回目ナロン+2回目ライネル 」、対戦データ向けなら「 1回目リー+2回目ナロンorライネル 」以外の選択肢は無い。
    特に、レティーナイベントにまず気付かないであろう初回プレイの1回目のタイミングでエゼキエルを選んでしまうと軍全体の戦力にとんでもない悪影響を及ぼすことになる。
  • また、リュナン軍の中盤には「 マップ下部の砂漠の中から伸びている異常に長い道からマップ上部の主戦場である開けた平原に敵の増援が殺到しようとしているので、味方ユニットを急いで送って道を封鎖する 」という育っている騎兵が複数居ないと厳しいというマップがある。
    このマップは1回目のタイミングでナロン以外を選んだ場合は、他の騎兵をある程度育てていないと確実に苦戦を強いられる嫌らしい構成になっている。1回目にルカやリーを選ぶにしても、このマップの存在と対策を知っていないと自軍から犠牲者を出しかねない。
  • ラスボスは特定の手順を踏んで倒さなければ何度でも復活してしまうのだが、その攻略法が ノーヒント
    • 状況から想像できる範疇の条件ではあるのだが、なにせ間違ってもヒントが出ないので気付けないとどうにもならない。しかも最終面には20ターンという時間制限まで設けられているので、余計性質が悪い。
    • ラスボスが復活するのを利用して最後の最後にしか使えないユニットをある程度育成することはできる。ただし熟練度稼ぎができないので極まったユニット同士の対戦モードでの使用には向かない。
  • カナン王国、レダ王国側のキャラクターの描写が薄い。
    • 敵キャラも魅力的な人物が多い今作だが、取説に名前を残すゲーム開始時の敵のボス「カナン王バハヌーク」とその息子「カナン第2皇子バルカ」の出番があまりない。
      どちらも劇中で目立った活躍は無く、直接対決や和解も無いまま終盤で死亡してしまう。特にバハヌークが登場するのは一度きりしかなく、 実物がゲーム画面に登場した瞬間に身内に斬られて死亡する。 バハヌークは後述の公式ガイドブックの人物事典にも「愚帝」と書かれる始末。
    • 一方バルカは会話シーンにそれなりに登場し、異国の地をほぼ問題無く*50治めるなど、事務方面に長けているらしいことが窺えるものの、こちらもバハヌークが死亡した直後に絶命してリュナン軍と関わることも無いまま退場していくため、消化不良感が強い。
      この直後にリュナンと後述のセネトの和解イベントに続いていくため、邪魔になったキャラクターをまとめて始末したように見えてしまう*51
    • また、上記の二人に比べてシナリオでの存在感は強いが、セネトやティーエといった重要キャラの出番が少ない。
      • セネトはリュナンの父グラムドの親友であるアーレス*52の息子であり、カナン王国の継承権第1位の王子。主人公に匹敵する重要人物。共に戦っている仲間達も伝説の傭兵剣士とその娘の剣士、亡国の竜騎士王女とリュナン軍やホームズ隊に負けず劣らずヒロイックかつ個性的で、セネト自身も第三の主人公になり得たかもしれない風格を持つ。
      • ティーエはレダ王家の末裔であり、剣と魔法の両方を使いこなす作中唯一の魔法戦士で、ラスボスに強く関わる設定持ち。ティーエは友人のセネトと共闘することもあるがセネトとはまた違う変わった背景を持ち、獅子王子と呼ばれるティーエを支えるリチャードという男*53との微妙な関係を垣間見ることができる。
    • といった主役級の扱いであるにも拘らずゲーム的には出番が少なく、二人ともプレイヤーが操作できるのは最終マップのわずかな間のみ。どうもセネト・ティーエ編が存在していたところを削られた結果、カナン王国陣営とレダ王国陣営のキャラクターの描写がこうなった模様。
      この辺りは当時の体験版の対戦モードにおいてセネト、ティーエ陣営の軍団が別個に用意されていたことや、ディレクターが後に当時の個人サイトで語っていた内容からその片鱗がうかがえる。
  • 対戦モードのバランスが大味かつ歪。
    • 元々が大味だった本編のルールで対戦することになるため、追加ルールを何も決めずに行うのであれば先に攻撃した側が敵を一撃で撃破できるため、基本的に先に接敵した方が勝利するようなバランスになっている。
      そしてこの場合、対戦モードに向いているユニットで本編中の内に熟練度と支援効果を稼ぎ、多くの地形スキル(「〇〇の戦士」)を習得させ、武器の撃破数をMAXにした側が断然有利となる。
      • ただしこれらには対抗策があり、敵より攻撃速度が早ければ攻撃されても先制攻撃できる「疾風の技」を持ったユニットや前述のシュラムやデュラハンを持ったユニットを前線に出すことで敵が迂闊に攻められないようにできる。
        シュラムやデュラハン持ちのユニットに対しても盗むスキルやシーフソードで盗んで無力化、またはソードブレイカーという剣で破壊する*54という手段を講じることができる。
        そして盗むスキルを所持しているユニットや特殊な剣の性能が微妙であるために返り討ちに遭うリスクがあるなど、賛否両論点の通りやり込み度がそのまま反映される熟練度関係の調整がどうにかできていれば一周してバランスが取れているという見方も出来たかもしれない。
    • 全員の魔法の使用を封じる「ちんもくの杖」の効果が先攻側に対して効果が薄い。ちんもくの杖の効果の解除タイミングが「ちんもくの杖を使用した陣営にかかわらず後攻側のターン終了時」になっているためである。
      後攻側がちんもくの杖を使用した場合、相手の魔法による反撃を防ぐことは出来るが次のターンでの魔法の使用を防ぐことはできない。先攻側はちんもくの杖を使用することで後攻側のオーラレインを封じることが可能なので戦略的には重要な代物なのだが……。
  • ちんもくの杖を追加ルールで使用不可にする、先攻と後攻を一試合ごとに交代する「リターン戦」を採用することで調整は可能。
    • 追加ルールでユニット出撃枠に戦闘力によって実質コスト制を設ける、使用可能アイテムを制限するなどかなり細かい設定ができるが、納得のいくルールにする為には試行錯誤が必要。
  • 文字フォントが可愛らしい上に一部潰れている文字がある。
    • いわゆるポップ体フォントに近い。またブラウン管のテレビだとステータス画面において「ユトナの勇者」が「コトナの男者」に見えたり、「リュナン」が「リコナン」と見えるほど一部の文字が潰れていたりする。現代の解像度が良いモニターであれば問題は無いが……。

総評

『ファイアーエムブレム』生みの親の一人である加賀昭三氏が手がけたSRPGということで、同シリーズとの共通点が多い作品。
隠し要素なども多く、やり応えのある一作として仕上がっており、特にさまざまな勢力のキャラクターの心情が掘り下げられた群像劇的なストーリーは高く評価されている。

後述するように裁判沙汰で注目されてしまったのも事実だが、一本のゲームとしてみれば良い出来であることは間違いない。


FEシリーズとの類似と、FE・TS裁判

  • 発表当初の名称は『エムブレムサーガ*55』。また、事前情報はいずれもFEシリーズとの明確な繋がりを連想させるものだった*56
    • 暗黒竜と光の剣』と『紋章の謎』に登場するチェイニーが本作にも出る、などのインタビュー。
    • ただし初期時点ではクォータービューを採用するなど、ゲーム性の面ではむしろFEとは相違点が多かった。詳細はWikipedia『エムブレムサーガ』を参照。
    • 体験版時点ではリュナンの髪色が青かった(参考)。当時FEシリーズはスピンオフである一作を除いて皆主人公の髪が青く*57、ファンの間でもFE主人公=青髪というイメージが定着していた。
      • キャラクター関係では他にも、『暗黒竜』のヒロイン・シーダに似たキャラ*58、FEに於ける似たようなクラスのキャラと同じ名前の斧使い*59、ペガサス三姉妹などのFEシリーズおなじみのポジションのキャラ、竜に変身するキャラ(FEに於けるマムクート)、前述のチェイニーと同じ特技*60を持つキャラなどが存在する。
    • (特にホームズ編が)『FE外伝』とシステムが酷似している。
      • 主に全体マップ移動、二つの軍を交互に操作する、敵にモンスターが存在するといった点がよく類似点として上げられる。
  • FEシリーズにあるものと名前も特徴も全く同じ武器が複数存在する。主人公のみが扱える騎兵・重騎士に特効を持つレイピア、重騎士に特効を持つアーマーキラー・ハンマー等*61
    • 一部には特徴は同じでも敢て名前を変えているものもある。キルソード→キルブレード、リブロー→とおいやしの杖等。
      変わったところでは「クリティカル率の高い弓」の名前で、FEでよく使われるキラーボウではなく「スピニングボウ」だが、クリティカル率は普通と変わらない弓に「ボウガン」がある*62
    • 地名はFEと被った地名はほとんどない*63が、あるFEシリーズの舞台を連想させるような名前の大陸も昔話に登場する。それも、名前を出す必然性が無いような場所で。
  • こういった内容の作品を、当時の任天堂の主力機であったNintendo 64や、発売を目前に控えていたゲームキューブではなく、任天堂の競合ハードであり同社からシェアを奪ったプレイステーションで発売した事が任天堂の怒りを買った、とも言われている*64

以上のようなFEシリーズとの類似性から、任天堂側に不正競争防止法違反と著作権侵害を訴えられ、裁判に至る。
その結果、1審では「著作権を侵害しているとまでは言えない」としてエンターブレインが全面勝訴となった*65が、任天堂は判決を不服として控訴。
控訴審ではFEシリーズの関連作と宣伝したことについて不正競争防止法違反を一部認められ、エンターブレインは7600万円の賠償命令を下される。
ただし任天堂が主張した著作権の侵害は一審と同じ理由で認められなかった。そのため任天堂はなおも判決を不服として上告したが上告申請は却下された。今回のケースは、無敵と知られる任天堂法務部が完全勝訴できなかった非常に珍しいものである。

上記の裁判の影響により複雑な権利関係の問題が発生しているからなのか、望まれている声が多いものの本作のリメイクやゲームアーカイブスでの配信は絶望視されている。
しかしながら、今回の判例は、「ゼノギアス」と「サー」や「タクティクスオウガ」と「ファイナルファンタジータクティクス」、「悪魔城ドラキュラ」と「Bloodstained: Ritual of the Night」など、スタッフが共通していれば、ある程度作風が似通っても問題ないという前例になっており、そういう意味では意義のある裁判だったと言える。
また、著作権法違反で訴えられたことから、ネット上では「パクリゲー」と揶揄する意見も見受けられた。しかし上記の通り著作権法違反の主張は退けられているため、この意見は適当ではない。
さらに、本作のもう一人の主人公であるホームズは、今までのFEにはない破天荒な面が人気を博しており、FEシリーズでものちにヘクトル、アイクといった、ホームズに似た気質の主人公が登場しているなど、ある意味では互いにいい部分を補い合っているという声もある。


余談

  • 2016年に、本作のプロデューサーである加賀氏がフリーゲームとして「ヴェスタリアサーガ」を発表。ヒロインの職業など、本作を知っているとニヤリとさせられる要素があちこちにちりばめられている。
  • 予約特典として体験版が配布された他、ゲーム雑誌にも体験版が付録として付いていた。
    • map3までしか遊べない仕様でほぼ製品版と同じだが、台詞や一部設定が微妙に違う。また、製品版ではクリア後にしか遊べない上記の対戦が最初から遊べる。こちらはあらかじめ決められたチームから選ぶ仕様。
    • この対戦で選べるチーム内のキャラには、製品版ではボツになった者がわりといる。一部はデモ画面の戦闘シーンや、顔グラフィックはモブとして製品版に流用されているが、完全ボツになった者も少なくない。
      • 動画サイトでは、この体験版にチートを使うことで先々のMAPまでプレイできたものがあげられていた。その中には製品版とは大きく違う展開も存在する。なお一部のボツキャラは『ヴェスタリアサーガ』にて、まさかの復帰を遂げている。リリース版ではクリアデータを一つ以上用意しないと対戦モードで遊べないが、体験版だとプリセットで用意されているパーティのデータも使えた*66
  • コイントスで金を賭けて遊べる施設があるが、デフォルトでカーソルが合っている選択肢が「表に賭ける」でも「裏に賭ける」でもなく「 うーん… 」という選択しても無意味なものになっており、地味に連射コン対策されている。
  • 販売本数と人気の割に、本作に関連する物は小説が1作品しか出なかった。ストーリー上はメインキャラなのに影が薄い人物や、詳細が不明なキャラ*67等の外伝シナリオを続編や小説作品にて望む声も多く聞かれたが、裁判沙汰の影響もあり難しいと思われる。
  • PS全盛期ということもあって30万本以上のセールスを記録した。
  • 発売元が同じということもあり、ファミ通からオフィシャルガイドが発売されている。
    • 唯一の公式本と言うこともあり人物図鑑などの資料は充実しているが、肝心のゲームの攻略内容は自社ソフトであるにもかかわらず誤植や間違いだらけであり、全くアテにならない。
    • 特に有名なものが、死生の技*68を発動させたメリエルで前述のオーラレインを使うと全ての敵に必殺ダメージを与えられるというものだが、全体攻撃にスキルの効果は反映されない。
  • 「弓の女神ブリギッド*69の申し子ラケル」、対戦モードのマップ名の「フォレストナイト」など、裁判では取り上げられなかった細かいところでもFEと被ったり意識していると思われる要素が多い。今となっては敢えてFEシリーズとの類似点を探してみるのも楽しみの一つになるかもしれない。