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シムシティ - (2020/06/08 (月) 23:03:05) の編集履歴(バックアップ)
SimCity
【しむしてぃ】
ジャンル
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シミュレーション
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対応機種
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Macintosh、Amiga、IBM PC、Commodore 64、Atari ST、 PC-9801VM/UV以降、FM TOWNS、X68000、Windows 3.1
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開発元
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MAXIS
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発売元【北米PC版】
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MAXIS、Broderbund他
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日本発売元
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【PC98/X68】イマジニア 【TOWNS】富士通
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発売日
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【北米PC版】1989年
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定価
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【PC98】9,800円
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判定
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良作
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シムシティシリーズリンク
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概要
トップビューのマップで町や工業施設などを設置して町作りを行う都市開発シミュレーションゲーム。いわゆる箱庭ゲームを確立した作品。
箱庭要素のあるゲームは既に「A列車でいこう」シリーズなどがあったが、一つのSLG形態として認識されるようになったのは本作からである。
プレイヤーは市長となり、様々な問題を解決しながら都市の開発と発展を目指す。実際の行政よりも簡略化されているため、システムは非常にシンプル。
特徴
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トップビューのSLG。税収で得られる予算内で様々な建築物を建造しながら都市を発展させる。建築できる建造物は11種類で、これらを都市問題がなるべく発生しないように配置していく。一部経費を設定する部分もあるが、もっぱらこの都市造りが本作の中心。
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ゲームは一年を単位に区切りがつき、町の収支(設定した税率による税収と特別収入、警察署や消防署、交通網の維持費など)が提示され、税率や各機関への経費を決定し次の年を迎える。ただし、無計画な都市計画により、資金が尽きてしまった場合はゲームオーバーになる。
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プレイ形態は二種類。何もない荒野に町を作り上げるモードと、既に完成している街に発生した問題を解決するシナリオモードの二つがある。
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シナリオは実在の都市を題材とした全8種類で、開始時から都市問題が起きていたり、開始直後に災害が発生したりする。東京も存在する(内容は「
ゴジラ怪獣上陸(からの復興)」。)
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建造物一覧
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クリックで開閉
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発電所
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町のインフラの基本。他の施設の稼動に欠かせない「電力」を発生・供給できる施設。
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ちなみに電気以外のライフラインは存在しない(上下水道やガスなどは無い)。電力という要素にライフライン全般を集約させていると見ることができる。
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なお、日本人の感覚では「何で市長が発電所の建設やるの?電力会社でしょ。」と思いがちだが、1989年当時の米国では地方公営の電力公社が多かった。
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火力発電所と原子力発電所を選べる。前者はコストが安い代わりに出力が低く、公害も発生させる。後者は公害を全く発生させず出力も高いが、極々まれにメルトダウンする事がある。
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メルトダウンを起こすと広範囲に放射性物質をまき散らし、汚染された地域には建物を建てられない。しかもその影響はまず消えない。
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電力は発電所から建物に電線を引くことで供給できる(隣接する建物には自動的に供給される)。発電所の種類によって、電力の供給可能な限界が違う。
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住宅地、商業地、工場地
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市民が住む場所や働く場所、そして生活に必要な様々な物資を生産する場所である。ただし直接建造物を作るのではなく、区画整理の終わった分譲地を用意するだけである。電力と交通網を整備しておけば、やがて勝手に人が集まり、建物が建って発達していく。
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この発達具合に影響を与えるのが地価であり、地価が高いほど発達が早く、また人口あたりの税収も高くなる。
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地価は周辺の環境と連動している。自然が多く、犯罪が少ないほど上がりやすい。
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工場は発生させる公害によって周辺地域の地価を低下させるが、生産と雇用を担うので人口にあわせて増やす必要がある。なお工場自体は地価の影響を受けない。
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特に住宅地は公害の影響が大きい。商業地は比較的影響が少なく設定されている。
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道路と線路
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住民の移動手段。住宅地、商業地、工場地は交通網がないと発展しないので、引き方を考える必要がある。
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道路の方が建設及び維持にかかるコストが安いが、住宅地に接続すると渋滞が起こり公害が発生する。線路はコストが道路の数倍にも膨れ上がる代わりに悪影響を与えない。
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警察署、消防署
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警察署は周囲の治安の悪化を防ぎ、消防署は火災を早く鎮火する。
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但しどちらも維持コストがかかるため、考えなしに建てまくると維持費で首が回らなくなってしまう。
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公園
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周囲の地価を上昇させる。また、公害を緩和する効果もある。
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開発前の土地に存在する「緑地」にも同様の効果がある。なお一旦破壊してしまった緑地を復活させることは出来ない。自然保護運動は存在しないので公園で十分だが。
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スタジアム、港、空港
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これらの施設は都市の発展に伴い住民から建設要望が出てくる。これを作らないと商業や工業の発展に制限がかかってしまうため、いずれは作らなければならない建造物だが、建設コストは非常に高い。
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整地
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すでにある施設を取り壊し更地に戻す。都市計画の変更以外にも、災害の被害を受けて瓦礫と化した施設は一旦撤去しなければならない。
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水辺に対して行うと護岸工事となり、洪水のリスクを減らせる。
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都市問題
都市には都市問題がつきもの。町の発展を阻害するこれらを解決するのも、市長の役目である。
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公害
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本作に存在するのは大気汚染のみ。道路や工場地周辺で発生する。住宅地や商業区に悪影響をあたえにくいように配置したり、公園を作って緩和することで対応する。
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渋滞
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公害を誘発する、道路特有の都市問題。渋滞が起きにくい様に道路を拡張したり、線路へと交通手段を切り替えることで対応する。なお発生条件は「住宅地が目的地と道路で正しく接続されていること」である。
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犯罪
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地価が低いと多くなる。このため、もっぱら工場地に多い。警察署を建てて取り締まることで対応する。
災害
時には予想だにしない災害も巻き起こり、大きな被害を生む事もある。
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火災
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早めに鎮火しないとどんどん広がっていく。消防署があると鎮火が早い。他の災害で建物が破壊された場合に二次災害として発生することもある。
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洪水
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水際で起こる。自然災害ゆえに発生を防ぐ手段はなく、過ぎ去るのを待つしかない。
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飛行機事故
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竜巻
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通った場所を破壊していく。火災を誘発する場合もある。これまた過ぎるのを待つしかない。
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地震
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M7クラスの大地震で、広範囲に火災を起こし町に甚大な被害を及ぼす災害。
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怪獣
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ゴジラ巨大生物が現れ、辺りを破壊しつくす。撃退は不可能(そもそも軍隊が存在しない)なので去ってくれるのを待つしかない。
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公害汚染が進むと発生しやすく、汚染源を優先して破壊しようとする。
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メルトダウン
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原子力発電所で事故が起こると発生。広範囲に除去不可能な「放射性物質」をまき散らす。
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座礁
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船が橋や送電線に激突してその部分を破壊する。陸地に隣接していれば火災が起こる。
評価点
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箱庭ゲームのパイオニア。
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いわゆる箱庭ゲーム形態を作り上げた。それまでにないゲーム性は、まさしく斬新。
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効率的に発展を促すため、各種施設や道路、線路を敷設していく。町を育て大きくしていく試行錯誤はなかなかに面白い。
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災害は悩ましい問題ではあるが、試行錯誤して町を立て直し問題を次々と解決に導いていくこともまた、本作の醍醐味のひとつである。
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ある程度しっかりとした街づくりができると、都市は勝手に発達していく。小さな一戸建てばかりの住宅地や平屋の郊外店だけだった商業地が、やがて見栄えのするビル街へと変貌していく。その様子を眺めるのも本作の醍醐味の一つ。
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シナリオモードの存在。
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何もないところから都市を作るというのは何をやればいいのか困るところだが、シナリオモードはあらかじめ都市が作られており、プレイ要領をつかみやすい。
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シナリオクリア条件はいくつかあるが、最低でもメトロポリス規模まで成長させる必要がある。東京は最初からメトロポリスであり、災害復興だけでほぼクリアできるので、練習に最適。
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シナリオ途中でリロードするとクリア不可能となるため一発勝負である。
問題点
操作体系がいまひとつな日本語向けPC版
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ウインドウタイプのプレイ画面なのだが、画面スクロールがないなどややプレイしづらい面がある。
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マウスかキーボードの操作かどちらかしか選べないのも、この点を助長している。
消防署の存在意義が今一つ。
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消防署には鎮火を早める効果しかなく、防災効果がない。
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一度でも延焼した建造物は整地して再開発するしかなく、整地自体も一瞬で終わるシステムから、延焼した施設(及び近隣の施設)を整地してしまう所謂破壊消火が有効で、消防署の出番は無い。
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停電すると効果がなくなるというシステムは消防署にも適用される。つまり、飛行機事故や地震のような送電設備に甚大な被害を出す災害(いずれも火災を伴う)だと、消防署はあっても何の役にも立たなくなる。最悪延焼を防ぐために消防署を整地するという事態まで起こりうる。
都市開発というテーマにおけるリアリティについて
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パイオニア的存在のゲームなので詰めが甘いのは仕方ない事ではあるが、常識的に考えて疑問を感じる点は多い。
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交通手段は道路か線路のどちらかがあれば問題が起こらない。つまり、道路が皆無な街でも何の問題もないという、現実的にあり得ない状況が起きる。
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線路は高価だが無公害、道路は安価だが渋滞から公害を引き起こすデメリットがある。後者のデメリットは建設・維持費を差し引いてもかなり大きいことから、住宅地とその移動目的地となる商業地の隣には線路を敷設したほうがよい。
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道路は工場地に隣接させる分には渋滞も起こらず、建設・維持費の分得になる。工場地の横に一つ置けば工場地は発展してくれるため、一つの道路を囲むように工場地を配置し、道路が点在するように置くのが効率としてはいい。それで道路としての役目を果たしているのかは甚だ疑問であるが…。
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さらに交通機関は施設に接していればよく、地点と地点を結ぶ必要は無い。効率を突き詰めると、直線状に分断された交通網のみというあり得ない都市になる。
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港や空港を停電させたら船や飛行機が来なくなる。それだけなら普通だが、市政(財政)には影響が無いので座礁や墜落を起こさないメリットの方が大きい。
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これらは特徴の項でも述べたとおり、市民からの要望で建設する施設である。だが欠航していても不満は起きない。
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現実では港は勿論のこと、稼動に大量の水を必要とする火力発電所や原子力発電所も水際にしか作れない施設である。だが当ゲームではそんなことお構いなしにどこにでも建設できてしまう。
さらに大規模な工場も、現実では原料や生産物の輸送などの都合で海岸に建設されるケースが多いが、本作では敢えて海岸に作るメリットは薄い。
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水際は地価が上がりやすい土地なので、むしろこれらの施設や工場は内陸に立てた方が得なぐらいである。
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住宅地はランダムで病院や教会に変化するが、これらには何のメリットもない上、住人も0で無意味に土地を占有するだけ。かといって破壊すると災害が発生するという純粋なマイナス要素となっている。
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破壊した後すぐにセーブ&ロードすると何事も起きずにすむ。何個壊そうが同じなので、時間を止めて全部壊してしまおう。ただしシナリオモードではクリアできなくなる。
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完全な箱庭ゲームであるため、マップの「外側」の概念は無い。外に通じる道を造る必要は無いし、公害を発生させる施設はなるべくマップの外縁に配置するという現実では顰蹙物の都市計画が有効となる。
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画面外の存在を気にする必要の無い孤立した島状のマップも存在するが、開発可能な土地(陸地)の狭さから人気が無い。
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原子力発電所はメルトダウンによる損害が非常に大きいが、確率は非常に低い上にリロードで無かったことにできる。
火力発電所はデメリットが多く(送電能力に劣り、継続的に公害を撒き散らす)、積極的に使うメリットは資金不足の序盤くらいである。
ただし以上についてはシステムを把握した上で、リアリティ度外視で効率を重視する場合の攻略法に過ぎない。
シミュレーションとしての限界を理解し、どこまで現実を意識するのかはプレイヤーの判断に委ねられている。
シナリオ「Dullsvile」の難易度が異常
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1900年スタートで、21世紀までにメトロポリスにするのが目的。ちなみにシナリオの意味は「退屈」。
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さびれた町が舞台のせいか初期資金が5000と少なく、他と同じ感覚でやると詰むがそれだけならそこまで難しいわけではない。
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100年という長い期間でのんびりメトロポリスを目指す退屈なシナリオ…だったと思われるが、何故か1930年で終わってしまう。100年計画でコツコツと人口を増やしていたところを強制終了させられ、絶望の底に突き落とされたプレイヤーが続出した。
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100年あればメトロポリスを作るのは容易だが、30年だと相当緻密な計画で進めなければ到底間に合わない。
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説明書には「初級」「少し難しい」と書かれているのだが、間違いなく一番難しい。ハンドブックにも「バグかもしれない」と書かれており、攻略を放棄している。
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ちなみに英語版のシナリオ説明にははっきり「It is your job to attract new growth and development,turning Dullsville into a Metropolis withen 30 years.(Dullsvileを30年以内にメトロポリスに変えて新しい成長と開発をもたらすのがあなたの仕事。)」とあるので、「制限時間30年」はバグではない。
総評
閉じた空間の中で、建造物を配置しながら町の成長を楽しむ。どこか動物飼育でもしてるかのような楽しみは、それまでに見られなかったもの。手塩にかけた町には愛着も沸き、いつまでも行く末を見たくなる中毒性がある。
システムもシンプルで取っ付きやすい。さらにシナリオモードは、少しばかり変わった遊びができる良いアクセントになっている。
その斬新なゲーム性は、今でも続く長くシリーズの礎となった。
余談
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本作の生みの親は、『バンゲリング ベイ?』の開発者であるウィル・ライト氏。この発想は『バンゲリング ベイ』の開発中に思いついたという。
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本作は様々なハードに移植され、現在でも続編が作られている息の長いゲームとなった。
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SFC版は任天堂によるアレンジが光る良移植として高い評価を受けている。
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シナリオモードでは問題のあった「Dullsvile」と「Hamburg」は削除されている。
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FM TOWNS版は建物が年代(シナリオ)によって変わるなど、独特な雰囲気がある。
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後年に登場した美少女育成ゲーム『プリンセスメーカー』は本作から着想を得たと言われており、本作にちなんで「シムねえちゃん」とも呼ばれた。
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本作は現在、オープンソースソフトウェアとして公開されている。一部のLinuxディストリビューションでは、パッケージ管理ソフトから手軽にインストールできるものもある。
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ただ、ゲーム名は「Micropolis」に変えられている。「シムシティ」の名は現在もブランド名として使われ続けており、EAが商標を有しているため。