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F-ZERO FOR GAMEBOY ADVANCE - (2015/07/21 (火) 02:42:31) の編集履歴(バックアップ)


F-ZERO FOR GAMEBOY ADVANCE

【えふぜろ ふぉー げーむぼーいあどばんす】

ジャンル レース
対応機種 ゲームボーイアドバンス
メディア 32MbitROMカートリッジ
発売元 任天堂
開発元 エヌディーキューブ
発売日 2001年3月21日
定価 4,800円
配信 3DSアンバサダー・プログラム
【WiiU】バーチャルコンソール:2014年4月3日/702円
分類 良作
F-ZEROシリーズリンク

概要

  • GBAのロンチタイトルの一つ。
    過去のレーサーの活躍から25年が経過した設定になっているため、シリーズで唯一キャプテン・ファルコンが登場しない作品となっている。
    しかし、原点回帰を狙ったコース設計やルール構築などから、今作もファンの期待を裏切らないゲームに仕上がった。

特徴

  • ゲームシステムはスーパーファミコン版『F-ZERO』と同一。更に具体的に説明すると『F-ZERO』のコースとマシンをリニューアルした作品である。
    • マシンは隠し含めて10台、コースは4カップ20コース+αとボリュームアップしている。爽快なスピード感、手に汗握るタイムアタックの熱さはSFC版譲り。
    • マシンのスペックもかなり詳しく設定されている。最高速度やブースト速度、マシンの耐久力、ブースト持続時間、コーナリング性能およびバランス、加速性能のグラフまであるので一目見るだけでマシンのおおよその傾向がわかる。
      • ただしブースト終了時の減速速度は表示されないので、加速状態が維持しやすいかどうかは使ってみないとわからない。
  • ロケットスタートが採用され、スタート前にアクセルを踏み、エンジンの最大出力とスタートのタイミングが合うと、ロケットスタートが成功する。
    • マシンの加速性能によってもアクセルを踏むタイミングも異なり、またスタートとのタイミングさえ合えばアクセルを離して途中で調整する事も可能。
    • アクセルを踏むタイミングが早すぎると、ロケットスタート同様の出だしで発進するが、その直後に大幅に減速してしまう。
    • SFC版では他のマシンに後ろから追突してもらうしかなく、N64版に至っては加速重視にすれば素早いスタートは可能だが、ロケットスタートではない。正式なロケットスタートが採用されたのは本作からである。
  • 世界観はSFC版・Xから一新され、時系列としてはキャプテン・ファルコンの時代よりも未来にあたる。ビッグブルー・ポートタウンといったお馴染みの地名は出ず、ミュートシティは「全覇権を別の都市に奪われてしまった」というかわいそうな設定に(ゲーム中では未登場)。
  • BGMは『F-ZERO X』と同じハードロック系。GBA音源を生かしたギターの音色や、疾走感のある熱い曲調は他のシリーズ作同様評価が高い。
  • SFC版と比較しての本作からの新要素としては、通信機能を生かした4人までの対戦プレイがある。いわゆる「ゲームシェアリング」として1カートリッジのみを使っての対戦も可能。
  • ある条件を満たすとチャンピオンシップというモードが出現。専用のコースでタイムアタックを行なうというもので、コースレコードを更新した場合、そのリプレイが保存される。
    • 専用のコースはトラップ盛りだくさんで、難易度が非常に高いがうまく各セクションをクリアしていくことで高いスピード感の味わえるレイアウトであり完成度は高く、地雷を踏むことによる加速や合力走行と呼ばれるテクニックなど、SFC版のミュートシティIを彷彿とさせる攻略が行われた。任天堂公式タイムアタック大会も開催され、高い盛り上がりを見せた。公式サイトにはチャンピオンシップの攻略資料のアーカイブが残っている。
  • SFCと同じく都市や大地の上空にコースが建設されている設定だが、都市部の背景がコースと全く一緒だったSFC版とは異なり遠近感が生まれるように描写されるようになった。特にコーナリング時は必見。
  • プレイヤー以外のマシンもコースアウトするようになり、邪魔なライバルや周回遅れを意図的にコースアウトさせる事が出来るようになった。

賛否両論点

  • F-ZEROと付いていながらいつものブルーファルコンやファイヤースティングレーといったマシン、ミュートシティやビッグブルーといったお馴染みのコースが何一つ登場しないことに嫌悪感を示し、F-ZEROとして楽しめないという人もいる。
  • マシン選択やコース、S-JETの仕様も、大好評だった『X』から悪く言えば退化しているような状態であることに不満を覚える人も。

問題点

  • マシンのコーナリング性能が偏り気味で、性能A・Bのマシンはそれぞれ1種類のみと少ない。性能表記自体はA~Eの5段階なのだが、D以下は隠しマシンでしか存在せず事実上Cが最低ランク。
  • 最後の隠しマシンであり、タイムアタックに必須の性能を持つジェットバーミリオンの出現条件が困難。
    • ジェットバーミリオン以外の全てのマシンでマスタークラスの全てのカップをクリアする、またはチャンピオンシップで何百回も完走するというもの。
    • 過去には公式サイトで「バーミリオンコード」というジェットバーミリオンを出現させるパスワードを配布するページがあったが、現在では配布が終了している。

総評

「SFCのF-ZEROをほぼそのまま携帯機で楽しめる」というのは、新ハードであるGBAの性能の一端を示すには十分であるし、SFC初期の名作と呼ばれた元のゲームと同じかそれ以上のクオリティを本作においても発揮できていると言える。
そして、N64『F-ZERO X』が高い人気を博していたことや、10年前ほぼそのままの見た目から本作を見て受ける印象がいまいちであったにも関わらず、蓋を開ければレースゲームとして非常に高い完成度を誇った今作はGBAの普及に一役買ったと言えなくもない。
しかし、本作の特徴である世界観の一新が今後の作品では全く触れられることがなかったため、シリーズ中では本流から外れた地味な位置づけとなっている。

その後の展開

本作発売から3年後に同じくGBAでアニメ版とタイアップした『F-ZERO ファルコン伝説』と、ファルコン伝説のパワーアップ版であり現時点でのシリーズ最終作『F-ZERO CLIMAX』が発売された。
システムは本作と同じ2Dのものだが、こちらはエネルギー消費制のブーストやサイド・スピンアタックといったXの要素も取り入れている。