「ドラゴンブリード」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

ドラゴンブリード - (2013/07/27 (土) 16:35:47) の編集履歴(バックアップ)


ドラゴンブリード

【どらごんぶりーど】

ジャンル シューティング
対応機種 アーケード
発売・開発元 アイレム
稼働開始日 1989年
ポイント 良くも悪くもインパクト極大のドラゴン
情報規制のあおりをモロに受けたせいで知る人ぞ知る作品に

概要

  • 「若くして王となったカイアス王子が、光の巨竜バハムートと共に魔王ザンバギオスを倒す」という、ファンタジーな世界観の横STG。全6面、2周エンド。
  • 非常に巨大で目立つドラゴンは無敵のオプション扱いであり、自機はボウガンを装備したカイアス。カイアスが敵や敵の攻撃にぶつかるか、タイムオーバーでミス。
    • カイアスがドラゴンに騎乗しているのが基本状態。この状態ではレバーで8方向に移動、ショットボタンで攻撃、ショット押しっぱなしで溜め撃ち。昇降ボタンでカイアスがドラゴンから飛び降りる。
    • 飛び降りたカイアスが地面に着地すると、スクロールが任意となり、サイドビューアクションの要領で単独行動が出来る。ショットは左右の他上方にも放て、昇降ボタンでジャンプする。この状態では穴に転落してもミス。
      • ドラゴンも上空で待機し攻撃を行う。レバー下でしゃがむとドラゴンがカイアスの元に移動し、ドラゴンの頭に向かってジャンプすると騎乗状態に戻れる。
  • アイテムを取ることでドラゴンが4色に変色し攻撃方法が変化。同じ色を続けて取る事でドラゴンとカイアスの攻撃が強化されて行く。
    + パワーアップの種類
  • レッドドラゴン
    • レッドオーブを取るとドラゴンが赤く変化。口から高威力のファイアーブレスを吐く、攻撃力重視の形態。
  • ブルードラゴン
    • ブルーオーブを取るとドラゴンが青く変化。胴体から真下に雷を落とし、レバーを下→上と入れる事で頭の下方向にとぐろを巻くように体を丸める。下方向への攻撃に特化したトリッキーな形態。
  • シルバードラゴン
    • シルバーオーブを取るとドラゴンが銀(白)色に変化。頭から敵を追尾する小さなドラゴンを飛ばす。雑魚に強い攻撃範囲重視の形態。
  • ゴールドドラゴン
    • ゴールドオーブを取るとドラゴンが金(黄)色に変化。鱗から三日月上の弾をばらまき、レバーを上→下と入れる事でカイアスを覆うように体を丸め、さらに一定時間8方向弾を発射できるようになる。全方向に対応する攻防一体の形態。

評価点

  • 見る者を引き付けるドラゴンの存在。
    • 見た目のインパクトだけでなく、その長い胴体でカイアスを守ったり、敵を押し潰したり…と使いこなす事で攻略に有利に働き、何より「強力なドラゴンを意のままに操っている感」を存分に楽しむことができる。
  • 細かく深い書き込みのグラフィック
    • 特にドラゴンや敵のグラフィックの書き込みは非常に細かい。敵のデザインも奇妙でグロテスクであり、個性的かつダークファンタジーな世界観を醸し出すのに一役買っている。

問題点

隠れた名作! と言いたい所だが、癖が強くゲームバランスも練りこまれていない部分がある。

  • やられ判定の分かりづらさ
    • ドラゴンに騎乗時のやられ判定は、ドラゴンの頭の上に乗っているカイアス。しかしドラゴンが大きい事や、メインショット以外の攻撃がドラゴンから発せられるせいか、プレイヤーはドラゴンに注目しやすく、カイアスの存在を失念しやすい。
    • やられ判定が自機の上部に飛び出しているような格好になっており、敵の攻撃をよけたつもりがちゃんとよけられていなかったり、いつのまにかミスしていることも少なくない。本作の攻略のためには、まずこの独特なやられ判定をしっかり理解しておく必要がある。
  • パワーアップの格差
    • ドラゴンのパワーアップは4種類あるが、その中でも群を抜いてゴールドドラゴンが使いやすい。
      • 原因はレバー上→下で出る丸まりのせい。簡単に弱点であるカイアスを覆い隠せる上にあらゆる方向の敵に対応できるため、どんな状況でも丸まりさえ出していれば大体どうにかなってしまう。
      • 一方他のパワーアップは、ファイアーブレスの射程が短く接近戦を挑まざるを得ないレッド、攻撃判定が下に集中しすぎて前方や上ががら空きなブルー、攻撃力の低いシルバーとどれもやや使いづらく、ゴールド以外のパワーアップを使う必要性が薄い。
  • ドラゴンの乗り降り要素の空気さ
    • ドラゴンから降りる際にカイアスが着地する足場が意外に少なく(足場そのものが全く用意されていないステージもある)、また降りなければ攻略しづらい場所もほとんどなく、カイアスが単独行動する必要性が皆無に近い。
      • 一応カイアス単独行動時は上方向にショットが撃てるという利点があり、それが生かせる場所もなくはない。またスクロールが任意となるので、タイムオーバーに気をつければスコア稼ぎに利用できることも。

総評

 真面目に攻略しようとすると操作方法が特殊で癖が強く、難易度も高いのでコツをつかむまでかなり苦労させられる。練りこみもやや浅い部分があり手放しに良作とは褒められないのが実情である。
 しかしながらアイデアは斬新で独特のゲーム性があり、何よりドラゴンを操るのは純粋に楽しい。
 当時アイレムが行っていた情報規制のあおりもあり、大して知名度がなく、コンシューマーへの移植もされておらず現在ではプレイ手段がかなり限られているが、もしゲーセンで見かける事があれば是非一度プレイして、ドラゴンを操る感覚を味わっていただきたい。

余談・情報規制について

  • 1989年頃、アイレムは大手アーケード攻略雑誌「ゲーメスト」に謎の情報規制を設けていた。この情報規制はどんな目的があったのかは不明だが*1、これにより本作や『Xマルチプライ』、『R-TYPE II』等の攻略情報が雑誌に乗らなかった。
    • どんな目的があったにせよ、これによりこの時期に登場したアイレムのゲームは知名度が大変低くなってしまった。
    • 更にこの頃はSTGが高難易度化の道を歩み始めたばかりの頃であり、アイレムはその先陣を切っていたため、この頃のアイレム作品は総じて難易度が高い。このため多くのプレイヤーが攻略情報不足のせいでクリアを断念し、次第にプレイヤー離れを起こし、結果としてゲーセンから早々に撤去されると言う事態になってしまった。