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エスカ&ロジーのアトリエ ~黄昏の空の錬金術士~
【えすかあんどろじーのあとりえ たそがれのそらのれんきんじゅつし】
ジャンル
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旧約錬金術RPG
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対応機種
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プレイステーション3
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発売・開発元
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ガスト(コーエーテクモゲームス)
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発売日
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2013年6月27日
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定価
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通常版:7,140円 ダウンロード版:6,300円 プレミアムボックス:10,290円
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レーティング
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CERO:B(12才以上対象)
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アトリエシリーズリンク
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あらすじ
ここは、何度目かの黄昏を迎え、徐々に終わりの時を迎えつつある世界。
その世界に存在する、「黄昏の大地」の遙か西方にある、
かつて錬金術で繁栄した国家が存在した地方。
そこでは、いつか訪れる「黄昏の終わり」の到来を回避するため、
人々は失われた錬金術の技術の発見と再生に力を注いでいた。
再生された前時代の技術は、「中央」と呼ばれる錬金術の研究都市に結集され、
進行する黄昏を阻止するための利用方法が研究されている。
主人公は中央から配属された錬金術を研究している青年と、
この辺境の小さな街に暮らしている少女の二人。
少女の名はエスカ。
人々の役に立ちたくて、自前の古い錬金術の知識を使い
頑張っているうちに、開発班に配属されることになった。
青年の名はロジー。
中央で最新の錬金術を学んでいた彼は、その力を役立てるために
人手不足の地方の街への転属を願い、
配属先の開発班でエスカと出会うことになる。
二人は錬金術の力を駆使し協力して開発班をもり立てていこうと約束する。
(公式サイトより抜粋)
概要
前作『アーシャのアトリエ』と次ぐ、ガストの看板RPG『アトリエシリーズ』のうち『黄昏シリーズ』二作目。
前作のキースグリフEDから1年後の世界を描く。
今作の舞台は、前作の舞台「黄昏の大地」の遙か西にある辺境の街「コルセイト」。
そこに拠点を構える「未開発地方特別調査局コルセイト支部」の開発班に所属するエスカ、ロジーを中心にストーリーが展開される。
初回特典は『マナケミア2』のPS2アーカイブスダウンロードコードが付属していた。
PS3のアトリエシリーズでは初のDL版もパッケージ版発売と同時に配信開始となった。
シナリオ担当はガスト社員に変更された。
アトリエシリーズではコーエーテクモゲームスのゲームエンジン「KTGL」が初めて採用された。
特徴・評価点
ゲーム進行
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今作は『マナケミア2』以来、実に5作ぶりに主人公選択制が採用されている。
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主人公は女性主人公のエスカと男性主人公のロジーの二人で、どちらかを選択してその周を進めていくことになる。
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基本的なシナリオは同一だが、拠点や戦闘などのBGMが変化し、視点の違いによりどちらかの主人公でしか発生しないイベントやエンディングが存在する。
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課題
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今作でシナリオを進行するうえでの最重要システム。課題リストは4ヶ月に一回一新される。中央にある一つの大課題を達成しないとバッドエンドになる。
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大課題以外は達成しなくてもシナリオを進行できるが、お金や参考書などがボーナスとして手に入る。
戦闘面
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基本は前作、前々作でも採用されたコストターンバトルだが、「KTGL」の恩恵により処理能力が大幅に向上し、連携によって激しい戦闘を繰り広げられるようになった。
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最大で前衛3人、後衛3人の計6人が戦闘に参加する「入り乱れバトル」に、6人もの人数が参加する戦闘システムは『マナケミア2』以来となる。
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全パーティメンバー共通のアシストゲージが『ロロナのアトリエ』以来に復活した。
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アイテム使用可能キャラクターはエスカ、ロジーの主人公2人。ただし一部のアイテムはどちらかの錬金術士しか使用できない。
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主人公専用の新コマンド「Wドロー」はアイテムを連続で使用し、2番目に使用するアイテムの威力を増大させるというもの。間にアシスト攻撃を挟むこともできる。
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レベルキャップのシステムが追加。
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50→60→75→99の順に開放される。
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研究を利用することで解放できる。
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新たに「待機」コマンドが追加された。
調合面
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基本は四大属性の概念を取り入れた『アーシャのアトリエ』のシステム同様だが、いくつかの変更点や新要素もある。
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「品質」「潜在能力」の名称はそれぞれ「効力」「潜力」に変更された。
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潜力は完成時にポイント(PP)を消費して選択する方式に変更された。付与上限数は5→3になった。
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「錬成」が登場した。装備が通常の調合と同様の手順で武器や防具を作製するもの。
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「分解」が追加された。完成品を分解しその素材を入手でき、未入手のアイテムの場合はそのレシピを修得できることができる。
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調合スキルにも大きく手が入った。
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調合スキルの使用条件が、今作で新しく導入された「属性ボーナス」を消費するようになった。
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全体的に調合スキルが増加し、前作における特性にあたる効果を持つスキルが多数追加された。
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上2つの変更に伴い、今作の特性は属性ボーナスを増やす役割を持つものが多くなった。
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このとっつきやすくかつ奥が深い調合システムは、前作で「改悪」と言われた素材の品質・特性の固定化を補って余りある出来となった。
BGM
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相変わらずガストの作るゲーム音楽は評価が高い。
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和むものや、テンションの高いもの、神秘的なもの等バリエーション豊かで良質なBGMが揃っている。
快適性の向上
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イベント発生のフラグが立つと、行先ショートカットメニューにキャラのアイコンのマークがつくようになった。
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「KTGL」の恩恵か、セーブ・ロードは短く快適である。
その他の評価点
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アイテムの補充
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前作までは作ったアイテムは使用すると消費してしまうが、今作では探索から帰ってくると自動的に補充されるようになった。
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これにより、気軽にアイテムを使用することができるようになった。
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その代わり、今作ではアイテムはスロット制を採用されており、所持制限がある。
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グラフィックもさらに進化。
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ここでも「KTGL」の恩恵か、左氏の独特の線や塗りもほぼ再現されており、もはやイラストレーター・左氏によるイラストと見分けがつかないほどになった。
問題点・賛否両論点
戦闘関連
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全体的に攻撃アイテムが前作に比べ強い。
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早い段階で強力な攻撃アイテムが作れることや、前述のアイテム補充もあり、過去作に比べかなりアイテムに偏重したバランスとなった。
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また主人公専用の「Wドロー」も超強力で、主人公補正を差し引いても仲間の必殺技よりも強い。
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一応、攻撃アイテムが強いという調整は、錬金術をメインとするアトリエシリーズとしては有りではある。
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だが、せっかく6人で戦えるようになったのに仲間の存在意義が薄くなったという声も。
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難易度もシリーズでも低い部類で敵も弱い。意図的に強い敵と戦わない限り詰むことはほとんどない。
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一応ラスボス以上の敵の戦闘パターンはどれも個性的で歯ごたえもある。
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その敵は4連続攻撃、ガード不能の全体攻撃、万単位のHP回復能力といった能力を持っている。
ストーリー
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今作の目的は「未踏遺跡への到達」。しかし、それまではほぼ動かない薄いストーリーである。
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未踏遺跡に関するイベントがあまりにも少ない。その未踏遺跡のイベントもかなりあっさり終わってしまう。
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前作、前々作でも指摘されたが、キャラクターを掘り下げるためにあるサブイベントが薄く、数だけが多い。
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とは言っても前作、前々作より数は少なくなっているが、それでもキャラクターの掘り下げの甘さは否めない。
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特に大体のイベント内容を理解している二周目以降では人によってはストレスを感じるだろう。
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一応、二週目プレイ時ならば既に見たイベントは高速スキップが出来るが、2013年の時代でありながら、未だにイベントスキップ機能もないことはよく批判される。
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ちなみにトゥルーEDは二周目以降限定。
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W主人公
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主人公のエスカとロジーは常に一緒に行動しており、同じイベントが視点が変わる程度の差しかない。
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ロジーは発売前は「黄昏世界の謎に迫っていく」という触れ込みだったが、その中で黄昏世界の謎に関するイベントが存在するのは僅かである。
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前作『アーシャ』からのゲストキャラの少なさ。
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あまりにも前作との絡みが無さ過ぎるという声も。
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PTに入れられる前作キャラは(DLCなしで)リンカのみという有様。DLCのウィルベルを入れても2名だけ。
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そして前作主人公のアーシャに至っては登場すらしない。一応、今作に登場している前作キャラはアーシャを追うことが目的となっているが…。
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黄昏シリーズの世界に関する伏線はあまり消化されていない。
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今作も『アーシャ』で貼られた伏線を投げっぱなしにしたままで終わる。
ゲーム進行
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今作の主人公は役人ということもあり、課題システムは「おつかい」感が強い。
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4ヶ月毎の大課題は達成しないとバッドエンド。
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しかし、大課題は4ヶ月以内に十分達成可能であり、4ヶ月という期間は長すぎるという意見も。
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従来のアトリエシリーズでは、ゲームが進むたびに探索可能なエリアが広がる仕様だった。本作は探索可能エリア拡大のタイミングが4ヶ月ごとになっている。
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そのため、周回プレイで攻略を効率化していくと、時間が余りまくってしまう。
その他の問題点
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友好度が隠しパラメータになった。
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キャライベントの管理に不可欠なので、過去作のように可視化できるようにしてほしかったという声も。
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バグ及びパッチの問題
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初期バージョンにおいては、Finの表示後5年目のバグ、依頼を断ろうとするとフリーズするがあった。
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後にDLCデータを含むver1.04パッチで改善されたが、ver1.04ではDLCの使用にエラーが生じるバグが発生した。
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それもver1.05パッチで改善されたが、DLC「宮殿の奥地」でボスと戦闘後フリーズする、BGM変更機能にてボス戦闘2以降の曲を変更してもロードすると初期化されるなど、デバッグ不足がまだ目立つ。
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2013年9月5日ver1.05パッチを最後に、パッチ配信はストップ。
総評
調合・戦闘システムは前作から正統進化しており、更に「KTGL」の恩恵もあり、安定感のある続編として仕上がっており、単体でみればそれなりに遊べる。
しかし、全体的に「ぬるい」「薄い」と言われがちなところが目立ち、今シリーズ既プレイ者からは不満が多いものとなった。
ただ問題点にしろ評価点にしろ、またシリーズ初となるアニメ放映があった(出来はともかくとして)ことも加味し、新規プレイヤーには親切なつくりといえる。
余談
2014年4月~6月、TOKYO MXなどでアニメ版が放映。
原作と違う点はウィルベルの出番が大幅に増えている、アーシャがとあるシーンで一瞬だけ出る等がある。
最後は次回作主人公のシャリステラ、シャルロッテの登場で締めている。