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【さいどわいんだーまっくす】
ジャンル | フライトシューティング | |
対応機種 | プレイステーション2 | |
開発元 | ペガサス・ジャパン | |
発売元 | アスミック・エース | |
発売日 | 2000年12月7日 | |
判定 | 賛否両論 | |
ポイント |
シリーズの外伝的な作品 限りなくシミュレーションに近いフライトシューティング キャラクター描写に重点が置かれている 大変分かりにくいブリーフィング 制限要素が多くて自由度が低い ゲームテンポが劣悪 全体的に練り込み不足 |
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サイドワインダーシリーズリンク |
「サイドワインダーMAX」に登場するエスカーラは地中海沿岸に位置する架空の国家である。
よって本作は架空の世界設定の下、架空の国家を舞台に、架空の内乱を架空の人物が演ずる仮想近過去シミュレーションなのである。
1980年代末期、ペレストロイカに成功したソ連は急速に市場経済化を推し進め、連邦制を維持したまま経済的先進国の地位を確立した。
さらに中国もまた「4つの近代化」により市場経済化に成功、経済的先進国への道を歩み出した。
一方、西側先進諸国は中ソ市場経済化誘導のため、「先進国経済共和機構(略称ACECC、エイセック)」を設立、東西対立は遂に崩れさった。
反面、中ソのように広大な国土・資源に恵まれない社会主義の小国は、容易に市場経済化に向かうわけにはいかない。
新列強(市場経済化に成功した先進国)の半植民地化するのは明らかであり、発展途上にある小国に社会主義と統制経済はまだ必要だからだ。
かくして、これらの国により、エイセックに対抗して「新興国家安全保障機構(グランドパワーズ)」が設立された。
過去のものとなった東西対立に代わり、市場経済諸国のエイセックと統制経済諸国のグランドパワーズと言う新たな対立構造が生まれたのだ。
こうした世界設定の下、やがて時代は1990年代初頭を迎える。
エスカーラは国家政策および地理的環境において、エイセックとグランドパワーズの中間に位置しており、国内は市場経済派(改革連合)と統制経済派(ゴスキル)に分かれていた。
加えて旧王党派(ゴスホーク)も穏然たる勢力であったため、三派分立と言った方が正しいであろう。
当初は平静を保ちつつ東西対立の崩壊を迎えたエスカーラであったが、「黒い4月事件」によってゴスホーク総裁のベズミ・シャヒリが凶弾を受け、事態は急展開を迎える。
事件の黒幕を改革連合と断定したゴスホーク首脳部は、ゴスキルと手を結び新政府を樹立、改革連合を主流とする現政府に対して武力闘争を挑んだのだ。
この事態に際し、改革連合政府を支持するエイセックは多国籍航空部隊「ファイティングバーズ」を結成しエスカーラに派遣するが、グランドパワーズもまたゴスキル政府への支援を表明する。
これによりエスカーラ問題は、エイセック+改革連合政府VSグランドパワーズ+ゴスキルと言う図式となり、単なる一国の内政問題から両陣営の代理戦争へと変質していったのである。
拮抗する両勢力間で武力対決を回避する道が模索され続けたが、ゴスキル政府は工業都市ゴスプランに在住する外国人技術者に強制退去を命令、難民キャンプを巡り緊張の度合いは更に増していった。
そして4月18日、難民キャンプをパトロールするファイティングバーズ戦闘機とゴスキル側戦闘機の間で空戦が発生、かくしてエスカーラ紛争は全面武力対決への道を辿ることになったのである。
そんなある日、エリス島のカーネルパーカー飛行場に、一機の輸送機が到着した。
ファイティングバーズに、新人パイロットが着任したのだ……。
1つのミッションは以下の流れで進行する。
シリーズでは異色な、限りなくフライトシミュレーションに近いフライトシューティングである。 キャラクター描写に重点が置かれていて、プレイヤーがパイロットであることを強調する演出が多い。 これを考えると、本作のジャンルをより正確に表すならば、「戦闘機パイロットシミュレーション」と言えるかもしれない。 自由度が低くてゲームテンポが劣悪という、ジャンルの好み以前の問題を抱えているのが大きな難点。 現実寄りのフライトゲームが好きな人でないと、まずこの作品は楽しめないと言える。 自由に機体を選択して飛ばしたい人やストレス耐性の低い人には大変おすすめできない。 しかし、本作のシステムは以降の作品に受け継がれ、改善されている。 そういう点では救われているため、辛うじて黒歴史的な作品にはなっていない。