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ポップンミュージック12 いろは - (2023/12/19 (火) 09:50:05) の編集履歴(バックアップ)


この項目では、アーケード版・プレイステーション2版(いずれも良作判定)共に解説します。


ポップンミュージック12 いろは

【ぽっぷんみゅーじっく じゅうに いろは】


アーケード版

ジャンル 音楽シミュレーション
対応機種 アーケード
発売・開発元 コナミ
稼働開始日 2004年12月8日
判定 良作
ポイント 初のサブタイトル
「和」と「四季」をテーマにした楽曲
NET対戦初登場
「辛ゲージ」降臨
新堂敦士の楽曲全削除
ポップンミュージックシリーズ

概要

ポップンミュージックシリーズ第12作目。
今作からサブタイトルが付き、よりテーマ性が明確になった。テーマは「和」「四季」。


特徴

  • 前作まで存在した「ノーマルモード」が「チャレンジモード」に吸収統合された。
    • これに伴い、ノーマルモードに搭載されていた2曲保証がチャレンジモードに引き継がれた。
      • そちら同様に1曲目を落としても次ステージへ行くことができる。その代わりにEXステージ出現失敗が確定するため、以降のステージで条件を満たしてもEXステージは出ない。
      • 前作まではノーマルモードで高トータルスコアを取ると出現していたスタッフロールは、今作ではEXステージ未出現時のおまけCGと共に流れるようになった。BGMは「琴フュージョン / 琴古都」。
    • ノーマルが消滅した代わりに、初心者や未経験者を対象とした「エンジョイモード」が新たに実装された。こちらも当然2曲保証。
      • 版権やコナミゲーム曲を中心としたラインナップでプレーできる。オプションは使用不可。
        また、今作のAC版時点ではエンジョイ専用譜面が用意されておらず、譜面そのものは通常の5ボタンやノーマル譜面と同じもの。
      • 前作までノーマルモードのみにあった難易度8段階の☆表記が今作で廃止されたが、エンジョイモードはそれに変わる形で5段階の☆表記がなされている。
    • 質問への回答に応じて筐体側で自動的に選曲してくれる「オススメモード」も廃止された。
  • 楽曲プレビューの実装
    • 当時稼動していたギタドラシリーズと同じく、曲選択画面でどんな曲かを確かめられるようになった。
  • 譜面別のハイスコア記録機能実装
    • 家庭用では既に『2』から導入されていたが、アーケード版でも今作から記録されるようになった。
    • エンジョイモード(100点満点)、チャレンジモード(GREAT判定)、エキスパートモード(COOL判定)でそれぞれ個別にスコアが記録される。
      • バトルモードとNET対戦モードではスコアが記録されない。
    • これに伴い、曲開始前のオプション選択画面でもハイスコアが表示される形式になった。
      • ただしエンジョイモードではスコアの形式が異なるため表示されない。
  • NET対戦モード
    • 今作にて初登場。各ランク毎にマッチングして、3人でリアルタイム対戦する。
      + ...
      • 各プレーヤーが選んだ合計3曲でのスコアバトルとなる。3曲保証。
        • 己の実力のみを頼りにスコアを稼ぐことを旨とする「ガチバトル」スタイル、オジャマを駆使して対戦相手に攻撃を行うことで戦況を有利に運ぶことを戦法とする「オジャマバトル」の2つの対戦スタイルに分かれるが、対戦スタイルに応じた部屋分けはされず、オジャマ重視のオジャマラー、オジャマなしのスコアラー双方入り乱れての対戦となる。
        • 1ステージクリアごとに、各自のクリアリザルトに応じたボーナス点が加算されて最終的な成績が算出され順位が確定する。これを3曲分繰り返し、総合成績で1位を取ったものがその戦いの勝者となる。
        • チャレンジモードとは完全に独立しているため、このモードで未クリアの曲をクリアしてもメダルはつかずハイスコアも記録されない。
          • 制限時間切れでマッチング自体が成立しなかった場合、強制的にチャレンジモードに移行し、選曲した曲がそちらの1曲目の選曲として扱われる。
      • オジャマシステム
        • 威力毎にLV1~3まで区分けされたオジャマを装備する(任意に選択せず「なし」にすることも可能)。
          • 各オジャマには装備にかかるコストが設定されており、コスト値の上限内で装備をやりくりする必要がある。基本的に低威力のオジャマは装備コストは低く、高威力のオジャマほどコストが高い。
        • オジャマを装備した場合、プレイ画面右下の全3段階に分かれたレベルゲージが時間経過と共に増加していく。
          ゲージが満タンに達すると、対戦相手の使用キャラの顔アイコンと順位が描かれたオジャマポップ君が降ってくるようになり、オジャマポップ君が判定ラインに重なった瞬間に叩くことで、任意の対戦相手へオジャマを送ることができる。
          ゲージはレベルに合わせて全3段階まで増加し、LV1が満タンになればLV1で装備したオジャマを、LV2ゲージが満タンになればLV2のオジャマを、LV3ゲージが満タンになればLV3のオジャマを送れる。
          • オジャマを送った時点でゲージは0になるため、どのタイミングでどのLVのオジャマを送るかの駆け引きが生じる。
        • 対戦を重ねる中で所定の条件を満たすと新たなオジャマを獲得して次の対戦から使えるようになる。


      • リタイア機能復活実装
        • 『10』のノーマルモード限定で搭載されていた、一定時間放置すると曲が強制終了する機能が再導入された。
        • 今作ではエンジョイモードとチャレンジモードに導入され、表記も「RETIRE?」に変更された。*1
      • 同タイトル内でのエントリーカード引き継ぎ&カード再発行に対応
        • 前作では『10』からの引き継ぎ時のみ新規カードに引き継げたが、今作では使用中のエントリーカードのデータを別の新規カードに引き継げるようになった。
          • カード特典は引き継ぎ先のカードのものに変更される(後に隠し要素全解禁のため無関係に)
        • また、カードを紛失した場合はKONAMI IDに登録済でケータイサイトの会員であれば、有料(送料込みで600円)ながら再発行サービスも受けることが可能になった。
          • 前作までは1作品通して1枚のエントリーカードを使用し続けなければならなかったため、カードの紛失や汚れなどには対応できなかったが、今作で改善されたことでこれらの問題が解決した。
      • エントリーカード引き継ぎ時にプレーヤー名変更が可能になった。
      • ee'MALL楽曲がマイベストに登録されるようになった。
        • 前作まではee'MALL配信曲をプレーしてもマイベストに残らなかったのだが、今作ではee'MALL楽曲もカウントされるようになった。
          • ただし、ee'MALL対応筐体のみでしかプレーできないのは変わらず、非対応筐体でプレーするとマイベストからその分が抜けた形になる。NET対戦にも非対応。
        • 『ee'MALL 2nd avenue』での新曲配信が前作稼働途中で休眠状態になったことにより、本作では随時ダウンロード形式ではなく最初から楽曲データを内包するようになったものと思われ、選曲画面の曲名のフォントも他の楽曲と同様となり、枠内にきちんと収まった形に変更されている。
          • 本作の携帯サイトの曲リストではee'MALL楽曲のハイスコアデータの並びが本来の配信順のAC9付近ではなく、前作のAC11楽曲群と今作のAC12新曲群の間の位置に割り込むように全曲がまとめて並んでいたため、おそらく前作までは番外枠扱いで正式な収録曲としては扱われていなかったものと思われる。
      • 携帯電話アプリ「ポップンパスポート2」との連携
        • 前作から大幅に機能がパワーアップし、楽曲個別のハイスコア確認、エキスパートモードのオリジナルコース作成、ネット対戦のセリフ編集なども可能になった。
        • 今作にはチャレンジモードでEXステージが出なかった場合はスタッフロールと共に16パネルをめくって絵を完成させるシステムがあるのだが、完成したおまけイラストをパスポートから待ち受け画像としてダウンロード可能。

      店舗対抗解禁イベント「ポップン秘伝忍法帖」

      • プレー終了後に春・夏・秋・冬と書かれたルーレットに手裏剣を投げ、当たった季節の目の巻物が徐々に開いていく。
        • 絵が最後まで開かれれば楽曲解禁となる。テーマ通り、解禁される隠し曲はそれぞれの四季テーマに合わせたものになっている(一部強引なものも)。
      • このポイントは1クレ内でのプレー時間に比例しているらしく、「ソフトロックLONG」や「DDR」等長めの曲を選ぶことで多少多くポイントを稼げた。
      • イベント名通り、ニンジャヒーロー卍シノビアンが主役にフィーチャーされている。ヨシオなんていなかった。
        • 但し、ニンジャヒロイン解禁後はシノビアン子に乗っ取られる形で主役交代する。

      評価点

      楽曲面

      • デフォルト楽曲の時点で「和」テーマに沿った楽曲が多く、人気楽曲が多い。
        • 特にTЁЯRAの「ハイパージャパネスク / 夢幻ノ光」、Des-ROWの「ヒップロック3 / 雪上断火」、村井聖夜の「シンフォニックテクノ / 乱」、good-cool&すわひでお*2の「ビワガタリ / 涙雨物語」等が高い人気を集めた。
        • テーマに当てはまらない曲も「フロウビート / CURUS」「エイジロック / カリスマ」「流星RAVE / 流星☆ハニー」等人気曲がちらほら見える。
        • DJ YOSHITAKA(と荒牧陽子*3)が「メッセージソング / MY」で、サイレントヒルシリーズのディレクションで知られる山岡晃が上記「流星☆ハニー」で、ギタドラの王子こと肥塚良彦が「プロポーズ / ふたりのマニフェスト」でそれぞれポップンミュージックにデビューとなる。
        • ボーカリストオーディションでノミネートされた桜井零二も「ビビッド / For dear~」にてBEMANIデビュー。
          • 一方、ボーカリストオーディションでノミネートされた片割れの星野奏子は本作で登場せず、約3年後の『14』家庭版でようやくポップンデビューを果たした。
      • 版権楽曲
        • 『名探偵コナン』の「メインテーマ」、『ドラゴンボールZ』の「CHA-LA HEAD-CHA-LA」、『クレヨンしんちゃん』の「オラはにんきもの」といった国民的アニメの人気曲から、『新世紀エヴァンゲリオン』の「残酷な天使のテーゼ」、『魔法の天使クリィミーマミ』の「デリケートに好きして」、『ポンキッキーズ』の「バブルバスガール」、そして『世にも奇妙な物語』のメインテーマ*4といった裏をかくような意外なチョイスまで、有名曲が幅広く揃う。
          • 全ての曲とはいかないがアニメ主題歌曲は本人カバーによる再録音源が多めという豪華仕様になっている。
      • 隠し楽曲
        • 過去作でバイオミラクルグーニーズグラディウス等で定番となったレトロゲーム枠は、今作では「和」ということもあって「がんばれゴエモンメドレー」を収録。また、サイバーシリーズの第3弾にあたる「サイバーガガク / Vairocana (ヴィルシャナ)」も登場。
          • それぞれ出現方法は、ゴエモンが「コナミコマンド入力後、キャッツアイかルパン三世をボーダークリア(おじゃま「HELL」をつけて最終1ノーツ見逃せばほぼ確定。)」、サイバーガガクが「ゴエモンを318コンボでクリア」と、ゆるいものだった。
        • ギタドラ11&10からはギタドランドのテーマこと「ショータイム / Ska Ska No.4」がプレイアブルとして参戦。対応キャラのホーンもゲティのおっさんと合体してとんがり頭+ピンク色に。
      • イベント「ポップン秘伝忍法帖」
        • 「四季」というテーマのひとつに沿って季節毎の行事や祭事をモチーフとした曲が多く、記念プレーにもピッタリな楽曲が多い。
          • 「タナバタ / 白いとび羽根」「ハイパーロッケンローレ / エイプリルフールの唄」「オオミソカ / さようならこんにちわ」はその代表格といえる。
        • 他機種からの移植曲も豊富で、GuitarFreaks & DrumManiaシリーズから「こたつとみかん(にょろロック)」、KEYBOARDMANIAシリーズから「Klungkung 1655(ガムラン)」、初代beatmaniaシリーズから「KOUYOU(J-ソウル)」、beatmania IIDXシリーズから「Starmine」をpop'n向けにセルフアレンジして「ハッピーキュートコア」として収録等、当時としてはかなり多かった。

      キャラクター面

      • junをモデルにした和風女性キャラ「桔梗」が非常に高い人気を博した
      • ロックミュージシャン「Justice★」もdjTAKAをモデル*5にして氏の特徴的なAGOも再現されており話題となった
        • 今作稼動当時ee'MALL経由で移植されていたIIDXの「memories(ビートロック)」を偽トラン(ロックギター)が担当していたが、ee'MALL廃止後の『14 FEVER!』よりJustice★にバトンタッチした。当然といえば当然のチョイス。
      • その他「メル」「フロウフロウ」「はじめ」が人気を集め、後のバージョンでは再登場も果たしている。
      • 人気の「六」「スマイル」「ミルク」も装い新たに再登場。
      • 「ゴエモン」もポップン絵で書き下ろされている。曲が初代なのにエビス丸がいることには突っ込まないでおこう。

      その他

      • NET対戦
        • 「リアルタイムでスコアバトル」という発想を初めて実現できたことは大きく、プレーヤー数も多かった。
        • 本モードと共にキャラクターの「対戦セリフ」が導入された。
          • プレイ状況に応じて計6種類*6のセリフが割り当てられており、それぞれ5文字以内の簡素なセリフながら使用可能な全キャラクターに用意されている。一言レベルではあるものの、各キャラの性格をちゃんと反映したものになっており、作品に欠かせないキャラクター要素の充実として評価された。
          • また、携帯サイトやアプリでセリフの任意編集も可能。もちろんNGワードも存在するが、自分好みのセリフを喋らせることも可能になっている。
      • エントリーカード使用時特典として、どのカードでも「HI-SPEED×5/6」と「S-RANDAM」が共通して使用できるようになった。
        • AC10・11ではカード特典オプションが「HI-SPEED×6」と「S-RANDOM」のどちらか一方だったが、今作ではカードさえ使用すればどちらも自由に使える上に「HI-SPEED×5」も解放されるため、プレイ環境の幅が大きく広がった。
        • カード毎の個別特典はこれまでと同様「版権曲担当キャラのプレーヤー化」だが、オプションが全カード共通化したことで純粋に絵柄や解禁キャラのみで選ぶことが可能になった。
          • また、CS10特別版付属の特典カードを使うと代わりにCS新キャラクターの「ラッテ」&「ロッテ」が先行特典として使えた。*7
        • これにより、稼働当初はカードありプレーとカード無しプレーでこれまで以上に明確に差が現れることになった。
          • カード特典に関しては過去作と同様、店舗対抗イベント終了後の全解禁に合わせて全て無条件解放されたため、最終的にはカード無しでも差はなくなっている。
      • 「HELL」コースの4曲が全て42クラス(現在での48)であり、上級者としては非常に歯ごたえのある譜面となっている。
        • 特に「ヒップロック3」「敬老パンク」は現在の48でも最難関という声も多い。

      賛否両論点

      • ノーマルモードの廃止
        • 前作までのノーマルモードは2曲保証こそあれど制約が多かった*8ことから、中級者以上のユーザーからは避けられがちだったため、実質的にメリットのみのこの変更は歓迎された。
          • 特に、チャレンジに2曲保証が付いたことで1ステージ目からクリアできないEX譜面の特攻などがしやすくなったことは評価が高い。
        • 一方で、初心者にとってはチャレンジモードで必ず挿入されるノルマ設定が慣れていないと多少ややこしく、ノーマルモードが廃止されたことでとっつきにくさが増してしまった側面も否めない。
          • 代替として初心者向けに追加された「エンジョイモード」はほぼ版権曲のノーマル譜面だけしか選べないモードであり、ポップンオリジナル曲はほとんど収録されていない上にハイスピードオプションすら使用不可
            AC10・11当時のノーマルモードはコナミオリジナル新曲や人気曲も交えて初心者向けの簡単な楽曲を集めた「Firstカテゴリ」がデフォルトであり、さらに黄色同時押しで「カテゴリブレイク」をすればその他のカテゴリや上位譜面も解放されて好きな曲も選べるという初心者から徐々にステップアップ可能な形式だったのに対し、今作のエンジョイモードは完全にターゲットを初心者や一見さん限定に絞ったような内容となっている。
          • また、エンジョイモードを卒業した初心者が次に挑むのが「チャンレジ」「エキスパート」「ネット対戦」と、いかにもハードルが高そうなイメージの名称のモードがそろい踏みしているのも、とっつきにくさに拍車をかけている。
        • ただ、チャレンジモード自体はノルマ設定の存在をのぞけば実質的にはノーマルモードと変わりがない。ノルマ設定がよくわからないならデフォルトでカーソルがあっている「なし」で始めたり、スコアノルマ等を適当に選んでおけば、クリア失敗によりごほうびCGやEXステージが出なくなることをのぞき、大きな実害もない。最終的には慣れ次第である。
      • BPM変化曲の表記変更
        • 曲中にBPMが変化するいわゆる「ソフラン」譜面のBPM範囲が正確に表示されなくなり、「?」付きになったりメインBPMのみ表示するようになった。
          • 例えば曲中にBPMが細かく変動し続ける「プレシャスアンコール」は、前作までは「55~115」と最低値と最高値を表記していたが、今作からは「115」のみの表記になった。
          • 譜面によって速度変化のギミックが異なる「ニンジャ✧ヒーロー」や「ポップン体操」は、本作からはメインBPMを中心にした「170」や「175」のような「?」付きの特殊表記に変更された。
            なお、同様に速度変化のギミックが仕込んである本作新曲の「ニンジャ卍ヒロイン」も「170」表記である。
        • 細かい変動が分かりづらくなった一方で、メインBPMを中心にしたという点では適正なハイスピードを合わせやすくなったとも言えるかもしれない。
          • 一方、表記が統一されているわけではなく従来通りいにBPM変化を表示している曲もあったり、例えば「ハート」のように従来は「116~146」表記だったのが、最低BPM値のみ省略した「132~146」になっていたりと、基準が曖昧である。
          • さらに曲によっては罠があり、例えばBPM270まで上昇する「ピラミッド」が「70~130」にされたことで初見殺しになっていたり、メインBPMが168で最後の一瞬しかBPM177にならない「Twin bee ~Generation X~」が「177」になっていたりなどおかしな点もある。後者は次作『13 カーニバル』で「168」に修正された。
      • NET対戦におけるオジャマ装備の有無による部屋分けが未搭載
        • NET対戦における対戦スタイルは、オジャマを用いて攻撃し合う『オジャマバトル』、オジャマは一切なしで純粋なスコア力で勝負する『ガチバトル』という2つのスタイルに分かれるのだが双方で部屋分けはされず、常時オジャマあり・なし入り乱れての対戦になる。
          • 3人全員が運よく「オジャマあり or なし」でそろわない限り平等な条件下でのバトルが行えないため、オジャマを積極的に投げ合いたいオジャマラーと、純粋な実力だけで戦いたいスコア重視のスコアラー・上級者間で賛否を呼んだ。
        • オジャマ好きなオジャマラーにとっては格好の試合形式であり、普段オジャマを使わないユーザーに対しても積極的に使ってくれと呼びかけるユーザーも多かった。
          • その一方、オジャマ自体が人を選ぶ要素である上に耐性を鍛えなければ一発でゲージが吹き飛ぶレベルの高難度のものも少なくない。
            マッチング状況次第ではプレイヤーの割合がオジャマあり>おじゃまなしとなってしまい、「特定ユーザーばかりががオジャマで狙い撃ちされる」等の。オジャマ未使用のプレイヤーから反感を買い易い状況が生まれ易かった。
        • こうした点からスコア重視で実力で勝敗を決したいユーザーやスコア重視のスコアラーからは「オジャマは文字通りの邪魔」「こちらは正攻法でスコアを稼いでるのに邪魔するのは卑怯」などのネガティブな見方をされることも少なくない。
          • 一方のオジャマラーからは「ゲーム上のれっきとした仕様なのだからオジャマに耐えられるように練習すればいいだけ」という意見もあったりと様々な声が上がった.
        • 公式側としても「オジャマは戦力差を埋めるための手段である」というのが見解であった(実際にスタッフがそう述べていたことがある)ようで、後述のCS版「対戦モード」で搭載された「オジャマ部屋/ガチバトル部屋の任意選択」は、モード自体の大幅な仕様変更が施されるAC20になるまで実装されなかった。

      問題点

      • 新キャラクターのFEVER WINアニメ*9が存在しない。
        • 11までのキャラは通常クリアとフィーバークリア(ゲージ満タンでのクリア)で違うアニメーションが用意されていたのだが、今作では共通のものとなっており、本作以降、FEVER WINアニメが用意されるのは一部のキャラクターに留まるようになった。
          アクションの多彩さで楽しませることが売りのひとつでもあるだけに残念がられており、全てのキャラに復活して欲しいとの声は大きい。
        • ただし、厳密にはFEVER WINアニメが導入されたのはAC5以降であるため、それ以前のキャラクターにも(後に追加された一部を除いて)存在していない。
      • 新堂敦士氏の楽曲が何の前触れもなく全て削除された。
        • それにより、AC10に収録された彼の最後の提供曲「デジフォーク」およびAC10で追加された「パワーフォーク」の追加HYPER譜面がCS10に収録されず、プレーするにはAC10か11の筐体を探す必要がある。
        • また前述した「サイバーシリーズ」第一弾の「サイバーロカビリー」も容赦なく削除され、ミラクル★4の揃い踏みは長い期間を要することとなった。*10
        • 恐らくは盗作疑惑騒動(後述)が原因と思われる。
      • ウラ譜面の削除
        • AC11の隠し要素だった通常曲の別譜面「ウラ譜面」は、前作稼働終了までチケット隠しのままで通常解禁されることがなかったのだが、今作で完全に削除となってしまった。
        • 一応、版権曲「アメリカ / STAR TREK」の追加EX譜面として旧ウラHYPER譜面がそのまま流用されたり、ウラ担当キャラの3Pカラーがプレーヤー用に解禁されて使用できるようにはなっている。
        • その後のシリーズでは『18 せんごく列伝』で「トゥイーポップ / 777 (★★★)」の追加EX譜面や、『peace』でいくつかのウラ譜面そのものが復活している。
      • 難易度詐称が多い。
        • 特に「ゴエモン(EX)」は当時の表記で35と実際の難易度よりかなり低いとされていた。*11
        • 高難易度の「サイバーガガク(EX)」「ラメント(EX)」も当時の41の中では抜けた存在とされ、問題視されていた。*12
      • ネット対戦のバランス
        初めて搭載されたばかりなので致し方ない側面もあるが、「オジャマあり/なし」の部屋分け無し・おジャマのコストバランス等まだまだ練りこみ不足だった要素も多い。
        + ...
      • 一部の強力すぎるオジャマでバランス崩壊を招いてしまった点は特に問題視された。
        • 中でも譜面が形状変化の上で横移動するオジャマ『EXCITE』及びEXCITEに爆走系オジャマの効果を上乗せする『EXCITE+爆走』の効果があまりにも強力*13過ぎであり、曲終盤に発動して撃沈させるという戦法が上位部屋で目立ったせいもあってか、以降のシリーズのNET対戦では使用できなくなった。
        • オジャマ発動のトリガーとなるオジャマポップ君は通常の譜面に混ざって降ってくるため紛らわしい。
          • オジャマを使わない場合はあえて見逃さなくてはならないが、見逃そうとしてうっかり叩いてしまったり、そちらに気を取られて通常のポップ君を叩き損ねたりなどしがちで慣れがいる。ハイスピードを速めに設定していると反応しづらく、どの対戦相手のものなのかも見極めにくくなってしまうため、ミスを防ぐためにはスピードを若干低めに設定する必要がある。
        • 一部のオジャマの解禁条件が厳しい。
          • 最も難しいと思われるオジャマ「なぞ色」の獲得条件はなんと「全国制覇」(全47都道府県の対戦相手に勝利し、日本地図を埋める)。
            他にも条件に「総合1位」の回数が絡んだものが多いため、都道府県収集や勝ち数を稼ぐためにわざと低ランクの部屋へ行くマナー違反行為を行うプレーヤーも一部存在した。

    総評

    サブタイトルによるわかりやすいテーマ付けや、NET対戦等の冒険した要素も多かったが、プレイモードの統合、楽曲プレビューの搭載、ハイスピード5・6の限定的解禁など、プレイ環境面の整備も行われ、プレーの間口を更に大きく広げた作品となった。
    システム面の大枠はほぼ本作で完成され、AC21で大幅なシステム刷新が行われるまで踏襲されていった。

    BEMANI黄金期を支えた代表タイトルと言っても過言ではないと言えよう。


    余談

    • 前作までは数字が英語読み(例:11=「イレブン」)だったが、今作は和風に合わせ「じゅうに」が正式な読みとされている。
      • 和風テーマに合わせて、システムボイスの発音もカタカナ英語になっている。
    • 今作で「辛ゲージ」の概念が初登場した。
      • 該当するのが「ヒップロック3 / 雪上断火」のEX譜面で、ゲージが異常に回復しないという仕様になっている。当時は唯一無二の存在であったことから「ヒプロ3ゲージ」とも通称されていた。
        • ポップンのゲージ上昇率は総ノーツ数により決められており、特定のノーツ数を超えるごとに1ノーツ数辺りのゲージ上昇率が重くなる仕組みがある*14。その内"1537"以上になるとゲージ上昇率が最低値となるが、「ヒップロック3」EX譜面の総ノーツ数が"1550"であった事からこの仕様が発覚した。
        • 当初はイベント最後の隠しエキスパートコース「HELL12」でしかプレイできない譜面であったのだが、エキスパートモードは演奏中のゲージ回復無しで4曲分耐えるというものであったことから、本譜面はトリを飾る4曲目にしてはノーツ数が多いだけで難易度自体はそれほどでもないと思われていた。
          その後イベントが終了し、他のモードでもプレイ可能になったことを機にユーザー間で話題に上ることになった。
        • それでいてBAD判定時のゲージ減少率は一定であるため、ほとんどBADを叩かないようにプレーできないとクリアできない。さらに当時は、GOOD判定の場合はGREATの半分しか回復しない仕様であったことも、難易度を上げる要因となった。*15
      • ただでさえ高レベルの譜面をいたずらに難しくするものであったため、当初はユーザー間で仕様か不具合か議論が巻き起こったが、結局は修正されることなく正式仕様としてその後のシリーズでも同様の譜面が増加していくことになり、「辛ゲージ」と通称されるようになった。
    • 今作以降ポップンでのTЁЯRAはテーマに合わせたワールドミュージック要素の強い楽曲を多く提供するようになる。(フラメンコ風の「ハイパーマスカレード」、中華風の「超中華流行歌曲」等)
      • 一方でこれまでの定番だった従来のハイパーJポップシリーズは本作を離れ、『beatmania IIDXシリーズ』で展開されることになった。例として「DoLL」はIIDXでのジャンルが「HYPER J-POP 4」であり、これ以降もポップンからのナンバリングをそのまま引き継いだ。
    • AKIRA YAMAOKA氏の楽曲「エイプリルフールの唄」の間奏部分が氏のIIDX12 HAPPYSKYでの楽曲「EMPTY THE SKY」のフレーズと何故か一致。
      • 同一作者なのでおそらくフレーズを流用したネタと思われるが、前者がギャグ寄りで後者がシリアス寄りなのでギャップで笑ってしまうかもしれない。
    • 23作目『ポップンミュージック éclale』に今作サブタイと同じ名前を持つ「かるたクイーンいろは」なる楽曲&キャラクターが登場したが、今作との直接的な関連は特になし。
      • 強いて言えば、レアカードで今作代表キャラである桔梗と共演した程度。
    • 新堂敦士氏の盗作疑惑
      • 氏の提供したほとんどの楽曲について有名な曲のメロディや歌詞の盗作疑惑が浮上しており、当時は大きな話題となった。
        • なお騒動のきっかけとなった楽曲自体は本シリーズの収録曲ではなく、2004年に発売された「Eros」だったが*16、後に彼の他の楽曲に飛び火することで本作の収録曲のいくつかについても疑惑が浮上していた。
        • 本作の楽曲全削除で少しずつ沈静化していったものの、新堂敦士氏の話題になる度に荒れるのを防ぐため「それには触れるな」という流れが出来上がり、いつしか新堂敦士氏そのものの通称が「触れない」となってしまった。
      • このような経緯があったからか、本作で全曲削除された新堂敦士氏の楽曲は、後のAC・CSでも再登場しておらず、本作の稼働と前後して、コナミの携帯サイトでダウンロードできた氏の楽曲も全て配信終了となった。
        • 前述したとおり、新堂氏の最後の楽曲である「デジフォーク」はAC版の本作『12 いろは』稼動後に発売されたPS2版『10』に収録されなかった。
        • なお、過去に新堂氏の楽曲が収録された家庭用作品は、後のコナミ・ザ・ベストの廉価版でも削除されておらず、再販でもそのまま収録されたままとなっている。
      • 新堂氏の音ゲー復帰は、12年後となる2016年稼動の『crossbeats REV. SUNRISE』稼動まで待つこととなった。


    プレイステーション2版

    ジャンル 音楽シミュレーション
    対応機種 プレイステーション2
    発売・開発元 コナミ
    発売日 2006年3月2日
    定価 通常版:6,280円
    特別版:8,980円
    特別版+コントローラ2セット:12,560円(すべて税別)
    判定 良作
    ポイント 新曲も漏れなくテーマにこだわっている
    過去作の人気曲やテーマに沿った曲も再録
    ミニゲームやCPUとの対戦モードが実装

    概要(PS2版)

    上記「いろは」の家庭用移植版。
    目玉であったNET対戦モードを家庭用にアレンジした対CPU専用の「対戦モード」が実装されている。


    特徴(PS2版)

    • ゲームモードセレクト画面の構成が一新された
      • 前作まではタイトル画面に直接文字のみのメニューが並んでいたが、今作からタイトル画面が完全にAC版準拠(画面中央に赤ボタンのアイコンが表示)となり、赤ボタンでゲーム開始してからAC版とほぼ同レイアウトの専用メニュー画面に移行して各種ゲームモードを選択するという形式になった。
        • カテゴリに使用されているのはいずれも本作のテーマに沿った新規のイラストであり、雰囲気が出ている。この形式は後のCS作品にも受け継がれることになった。
      • メニューに「スペシャル」が追加され、前作までトップメニューに個別に掲示されていた「スタディランド」「キャラクターガイド」「オマケCG」等のサブモードがまとめて格納された。
    • チャレンジモードの2曲保証化に伴うコンティニュー制の微変更
      • 無限コンティニュー固定で1ステージの失敗毎にコンティニューが挿入されるのは従来作同様だが、本作ではAC版でのチャレンジモードの2曲保証の導入に伴い1曲目のみコンティニューが発生せずにそのままプレイ継続となる。
        • 2曲保証のシステム自体は完全にAC版準拠であり、1曲目で落としてもそのまま次のステージへ進める代わりにEXステージが出せなくなる(1曲目さえクリアできれば2ステージ以降でコンティニューしていてもEXステージを出すことは可能)
      • また、1曲目でクリア失敗した曲はゲームオーバーになるまで以降のステージで選択できなくなる。これは同じく2曲保証のあるエンジョイモードも同様。
        • これ自体は前作までのノーマルモードと同じ仕様であり、ノーマルモードの廃止に伴いそちらの仕様がエンジョイモードとチャレンジモードへ受け継がれた形である。
    • ネット対戦のアレンジ版「対戦モード」
      • AC版のNET対戦モードを家庭用にアレンジしたもので、下位の部屋からCPUキャラを倒して徐々に勝ち上がっていくというものになっている。
    + 詳細
    • AC版と異なり、モード選択毎に「オジャマバトル」と「ガチバトル」から任意選択できる。
      • 「ガチバトル」は3人全員オジャマなしで戦う、純粋なスコア力勝負となる対戦形式。
      • 「オジャマバトル」は文字通り、3人全員でオジャマ攻撃による妨害を加え合いながらスコアを競い合う対戦形式。
        • こちらで始める場合は最低でも1つはオジャマを装備しなくてはならず、全て「なし」に設定してゲーム開始した場合は強制的にガチバトルとなる。
        • 対戦キャラがオジャマを使ってくるか否かは対戦形式次第となるため、AC版のようにオジャマ装備・非装備のプレーヤー入り乱れての対戦は発生しない。
    • 対戦モードでは使用キャラの名前がそのままプレーヤー名となる。
    • 対戦順はプレーヤーの選曲→CPU黄(初期順位2位)の選曲→CPU青(初期順位3位)の選曲の順となる。
    • 対戦相手の特徴
      • CPUキャラは全てポップンキャラクター自身で、それぞれに攻め方のルーチンや所持オジャマ、オジャマの使用傾向などの特徴が付けられており、各々に決められた所属部屋でマッチングする。
        • 中にはオジャマバトルを選んでも「強制的にガチバトルに変更する」という特性を持ったキャラも存在する。
      • CPUの所属都道府県はランダムに設定されるため、リアルの対戦相手を必要としたAC版よりも全国制覇が現実的になり、コンプリートを目指すやりこみ要素のひとつとなった。
      • オジャマ収集についても獲得条件はAC版とほぼ同じながらCPU戦となったことで気兼ねなく全コンプリートを目指せる要素となっている。
    • 「キャラクターポップ君」の仕様変更
      • AC版のネット対戦ではこのオジャマで攻撃を受けた場合の効果は「ポップ君が使用キャラの顔アイコンに変化」だが、対戦モードでは「対戦相手2人の顔アイコン(どちらも1P側)に変化」という独自の仕様に変更された。
        • 下段が青枠CPU(マッチング画面左側)のキャラクター、上段が黄枠CPU(マッチング画面右側)のキャラクターのものになる。
      • 「色々ポップ君」での攻撃時に生じる「複数の形状変化系オジャマの効果」によって振ってくるキャラポップも上記の仕様に準じる。
    • 演奏中にスタートボタンでリタイアした場合はその時点で強制ゲームオーバーとなり、その時点での成績はリセットされる。
    • 新モード「ポップンリクエスト」「ミニゲーム」
      • 「ポップンリクエスト」はそれぞれのお題3つに沿った人気投票により選ばれた過去作の人気曲3曲(合計9曲)が収録されており、コメントとともに紹介されている。
        • 過去に『Best Hits!』でも行われた楽曲人気投票の簡易版ともいえる形であり、発売の前年にネット上のアンケートおよび東京ゲームショウにて「聴くと元気が出る曲」「ポップンが好きになった曲」「畳の上であそびたい曲」の3つのお題に沿った人気投票が行われ、各お題の上位3曲ずつが収録された。
        • 投票の詳細結果は未公表であり、選曲直前までどの曲が収録されているのかは伏せられている。1度プレーすれば楽曲がオープンされてコメントが紹介され、その他のモードでも常駐。
      • 「ミニゲーム」は呼んで字の如くミニゲーム「ししゃものネコ缶」「イマ様の緑化運動」の2種類。クリアするとそれぞれに対応した旧曲が各1曲ずつ解禁される。
      • 恒例の「マラソンモード」も全解禁後にここに出現する。
    • レベル表記は当時稼動していた『13カーニバル』準拠に変更。
      • これにより、アーケード版で問題だった難易度詐称が改善されている。
      • 当時AC未移植のCS曲についても、前作で詐称との声が多かった「クラシック11」EXが昇格するなど調整が行われている。
    • 「ポップン忍法秘伝帖」はアーケードとほぼ同様の形式で収録
      • 直近の過去作の『10』『11』では家庭用で解禁イベントが大幅アレンジされ全くの別物と化していたため、久しぶりにAC同様のルールのイベント形式での収録となった。
      • 解禁曲はAC版にあったCS旧曲が外され、代わりにCS新曲やee'MALL移植曲に一部入れ替わっている。
      • これまでの恒例通りee'MALL楽曲は4曲収録。本作のテーマに合わせ、春夏秋冬に沿った選出になっている。
      • 加えてCSオリジナルのエキスパートコースも登場し、こちらにもテーマに沿った懐かしの過去曲が再録されている。
      • 一人用イベントにアレンジされたことで進行はACより早くなっている。
    • AC版や前作までの家庭用で隠し要素だったオプションのHI-SPEED×5・×6、S-RANDOMを標準搭載。
      • 特に家庭用では前作まで自力解禁またはコマンドが必要だったため、面倒無くすんなり使用できるようになった。
    • 「エンジョイモード」でプレーできるのはAC版のようなNORMAL譜面ではなく、『13カーニバル』と同様にENJOY専用の簡易譜面に変更された。
      • さらに収録曲の都合により、エンジョイモードはコナミオリジナル曲の一部にも新たに家庭用独自のエンジョイ譜面が用意されている。
      • スコア方式だけは13以降のエンジョイモードのような100点満点方式ではなく、AC版12と同様の10万点方式のままになっている。もちろんハイスコアも記録される。
    • AC版スタッフロールのおまけCGは16パズル形式ではなくなり、CG出現条件を満たせばすぐに完成品のCGが手に入るようになった。
      • また、恒例のCS版オリジナルのスタッフロールも搭載。こちらはCS新曲「必殺スパイ / お仕置き忍のテーマ」をBGMに、武士姿のモリーとスーツが戦うというもので、ランダムで4パターンが用意されている。
      • CS5から伝統だったCSスタッフロールの閲覧が出現条件のラストCGは廃止されているが、代わりに忍法帖の絵巻を進捗状況に合わせて自由に閲覧できるようになった。
    • 同時期発売の『GuitarFreaksV & DrumManiaV』および『Dance Dance Revolution STRIKE』との連動要素がある。
      • 各ゲームのセーブデータがあるとそれに対応した隠し曲が解禁される。なお、該当の3曲はマラソンモードには出現しない。
        • GF&DM:pop'n側は旧曲「JET WORLD(ハードカントリー)」&「Cassandra(スカ)」*17 ⇔ GF&DM側は「Homesick Pt.2&3(ソフトロック)」*18
        • DDR:pop'n側・DDR側ともに「Knock Out Regrets(パンキッシュガール)」*19
        • 本タイトルと直接関係はないが、GF&DM⇔DDR*20、そして『beatmania IIDX 10th style』→DDR(一方通行)*21でも連動を行っていた。
      • セーブデータが無い場合も楽曲自体はコマンドで一時的に出現可能な上、手間はかかるが特殊条件で本ソフト単体のみで常駐させることもできる。
    • なお、AC版の曲放置リタイア機能については、元々家庭用シリーズにはスタートボタン*22による一瞬で強制終了させる機能が存在するため今回も導入されていない。

    評価点(PS2版)

    • CS新曲もテーマに沿った楽曲が多い。
      • 特に「萌えポップ / オヤシロのムスメ」はストレートすぎるジャンル名や声優の後藤沙緒里*23がボーカルとして参加する等話題を呼んだ。
        • 楽曲の方はあくまでキャラソン寄りのポップスという感じで、現在ほど萌えや電波に傾いているわけではない。
      • 後にACに移植された「プリティ雅 / 突確全回転!」「フォレストスノウ / 月雪に舞う花のように」「R &M / ドンパン節」「チンドンダンス」等が存在。
      • IIDXREDの人気曲「大桟橋」が三味線バージョンとなりアレンジ収録された。
      • 和風テーマともあってか後にネットで話題となった「俺ら東京さ行ぐだ」の古坂大魔王によるアレンジバージョンも収録されていたが、今思えば早すぎたと言われている*24
      • クラシックシリーズは今作にも再録された前作の「クラシック11 / 想い出をありがとう」で完結という扱いのためか、別方向のクラシックアレンジ「アスレチックミート / 一発逆転!××だらけのハッピー大運動会!!」が収録。こちらは一言でいえば「運動会定番クラシックのハードコアアレンジメドレー」である。
    • テンプレに沿った新曲+AC版新曲+前バージョン隠し曲のみならず、過去作から「ポップンリクエスト」でリクエストされた人気楽曲9曲や、エキスパートコース・ミニゲームにちなんだ旧作の楽曲、四季に合わせたee'MALL楽曲も収録。
      • これにより、メインのテーマを保ちながらも人気どころも揃えるという、本ソフト単体でもバリエーション豊かなラインナップとなっている。

    問題点(PS2版)

    デメリット化したチャレンジモードの2曲保証

    • AC版では「同一曲の連続選択の可否」が筐体設定に依存しているが、CS版ではシリーズ通して 「連続選択不可」で固定 となっているため、1曲目のクリア失敗で2曲保証が機能するのと引き換えに、1曲目に選んだ曲が2ステージ目以降で選べなくなってしまう。
      2曲目以降でコンティニューしても選曲済み扱いのままとなるため、選び直したければゲームオーバーになってからやり直すしかない。
      • これ自体はCS6~11のノーマルモードに存在していた問題点であり、モードの廃止と共に2曲保証がチャレンジモードに導入されたことに伴って、欠点もそのまま受け継がれてしまった。
      • 2曲保証が存在しないCS11以前のチャレンジモードでは「 クリア失敗後はステージ問わず完全に仕切り直しての継続プレイが可能 」という仕様で、1曲目の時点からコンティニューが発生するのに加え直前にプレイした曲もプレイ継続後に選び直すことが可能だった。
        • つまり、CS11以前はチャレンジモードを選べばノーマルモードが抱えていた2曲保証の問題点を回避できたのに対し、今作はチャレンジモードに2曲保証が統合されたことで逃げ道が無くなってしまっているのである。
      • また、ノーマルモードにおける「2曲保証と引き換えにEXステージに行けない」という制限がなくなった代わりに「 1曲目をクリア失敗した時点でEXステージ出現失敗が確定する 」という新たな制限が課せられているため、「 最終ステージまでに条件を満たせればコンティニューの有無関係なくEXステージに行ける *25」というもう1つのメリットも消滅してしまった。
        • 1曲目がコンティニューできない分、1曲目で失敗した場合はまるまる2曲分損してしまうことになる。
      • これらの欠点の回避のためにフリーモードを選ぼうと思ってもそちらではオジャマが使えないためチャレンジモードの代替えにはならず、トレーニングモードではオジャマを使えてもリザルトが記録されないという欠点*26があるので、オジャマの使用とリザルト保存を両立させたいなら結局チャレンジモードを選ぶしかない。上記のコンティニュー周りの件も含め、今までできたことができなくなったという点で劣化してしまっている。
      • そもそもAC版のフリープレーと同等の環境(コンティニュー無制限・クレジット投入無し)で自由に遊べることが前提の家庭用では2曲保証自体にうまみがないのが実情であり、実質的にデメリットだけが付け足される形となってしまった。
        唯一メリットと言えるのは、前述の連動隠し曲を他ソフトを使わずに特殊条件を満たして解禁する手段に2曲保証のメリットを活かす方法が確立されたことくらいである。
        • こうした点からか、CS13以降はエンジョイモードを除いて2曲保証設定が消滅し、新規追加された超チャレンジモード含めCS11以前の仕様に戻されている。

    CS新曲における上級者向けの高難度譜面の欠如

    • 最高難易度の「アスレチックミート(EX)」ですら41止まり。
      • とはいえACの時点で「ヒップロック3」「サイバーガガク」「ラメント」「敬老パンク」が存在し、前作からの再録で「カウボーイ」「クラシック11」も収録されているため、高難度譜面そのものは十分な量がある。「アスレチックミート」も41としては押しづらい同時押しが続く譜面で手応えは十分。

    エンジョイ譜面がエンジョイモードでしか遊べない

    • エンジョイモード専用の譜面が導入されたのだが、この譜面はエンジョイモード専用であり、フリーモード等では遊ぶことはできない。
      • エンジョイモード自体がオプション使用不可(つまりノーマルスピード強制)、2曲保証固定(同一曲粘着ができない)という面倒な仕様であることに加え、エンジョイモードにノーマル譜面を使っていたAC版当時のスコア方式だけそのまま残っているため10万点満点のまま。そのため、下手をするとノーマル譜面よりもスコア詰めが難しくなってしまっている。
        • もちろんエンジョイ譜面もチャートにハイスコアが記録されるため、スコアを完璧に埋めたい場合はかなり面倒なことになっている。
        • 次作13カーニバルのエンジョイモードはAC版同様の100点満点方式に変更されたため、満点達成はかなり楽になった。

    ミニゲームの難易度がやたら高い

    • 「イマ様の緑化運動」
      • お手本の白イマに合わせて黒イマ(1P)・赤イマ(2P)が取る同じ踊りのポーズを選択肢から選び、山を徐々に緑化させていくというものなのだが、これが非常に難しい。
      • 制限時間内に選択肢から正しいポーズを選んでいかなければならないのだが、1ミスで即終了。制限時間超過でも当然失敗となる。更に正解を重ねる度に制限時間は徐々に短くなっていく。
        加えて、選択肢のシルエットポーズはマネキンのような姿であり、装飾品を身に着けたお手本のイマのシルエットと完全には一致しないのがいやらしい。
        • 1人プレー時は5つの選択肢が提示されるが、2人プレー時は4つに減るため、1人でプレーする場合も2人プレーで開始すれば少しだけ楽になる。
          通常コントローラでのプレー時は選択肢の色とボタンの対応がさらにややこしくなってしまうため、ポップンコントローラの方が楽ではある。
      • また、1人プレー・2人プレー問わず9ボタン全てが回答に対応しているため、判別に集中するあまりとっさに押そうとして迷ってしまいがちなのも難しさの原因の一端である。
        • 専用コントローラーなら左白から数えて12345、もしくは中央赤から数えて56789のどちらかだけを使うようにすれば、正解と押すべきボタンの判別に集中できる。
    • 「ししゃものネコ缶」
      • サトウさんが終了30分前の猫缶セールのためにししゃも(猫)を自転車に乗せて爆走するという設定で、全3ステージ。
        認識力と判断力勝負の「緑化運動」と違い、こちらは純然たるアクションゲームになっている。
      • 両緑(通常コントローラは←&◯)を交互に連打して自転車のペダルを漕ぎ、障害物を赤(△)のジャンプや青(×)のブレーキでうまく避けながら制限時間内にゴールを目指す。
        障害物に当たるとししゃもが空中に吹っ飛び、前カゴでキャッチすればそのままゲーム続行できるが、間に合わなかった場合は3人のお助け忍者キャラ(ヨシオ・シノビアン・シノビアンコ)が各自1度だけ(計3回)まで助けてくれる。1回の手助けの度に画面上の忍者マークがひとつ消えていき、4回目は自転車が壊れてゲームオーバー。
        • 制限時間内にクリアしなくてはならないため、大幅な時間ロスを生じる障害物への衝突とししゃも救出ミスはできうる限り避ける必要があるが、障害物はある程度速度を出していないと飛び越せないため、障害物との衝突を警戒してゆっくり走ると却って時間ロスになってしまう。ひたすら交互連打で突っ走ることになるため、急ぐ際と障害物を避ける際の緩急の付け方が肝要なのだが慣れない内はこれがなかなか難しい。
          更に終盤になるにつれて背景のオブジェクトが増え、障害物との判別が難しくなってくる。ステージクリアごとにお助けキャラが復活してくれる点は良心的である。
        • 難易度面では「緑化運動」よりかはマシではあるが、アクションゲームなので苦手な人にはやはり厳しい。当然だが全面クリアできなければ解禁できない。
    • ミニゲームの解禁楽曲は未解禁でもマラソンモードの道中には出現するのだが、ここでクリアしても解禁はされない。
      タイムリリースでも出現せず、さらに前述の連動曲と違って隠しコマンドによる一時出現すら無いため、遊びたければ(あるいは担当キャラを使いたければ)必ずミニゲームをクリアしなくてはならない。
      • 解禁楽曲自体は『8』からの再録の「フレッシュ / チェイス!チェイス!チェイス!」、『10』からの再録で『11』にも収録された「コンテンポラリーネイション / BEYOND THE EARTH」といずれも既存楽曲であるため、過去作で遊ぶことは可能ではある。イマも「コンテンポラリーネイション2」担当カラーの方はデフォルトで使える。

    イベントBGMに使用されている旧曲の未収録

    • 「ポップン忍法秘伝帖」の前半テーマ曲として流れ続ける「ニンジャ卍ヒーロー」はプレー楽曲としては再録されていない。
      • イベントのテーマがずばり「忍者」なだけに惜しいが、一応この曲は過去の『8』『10』に収録されているため、敢えて重複を避けた可能性もある。

    賛否両論点(PS2版)

    • 「スタディランド」がシンプルになった。
      • 前作までは様々なネタが仕込まれていたが、本作では無難でシンプルな構成となった。担当キャラはデフォのいろはミミニャミで、ナレーションは男性ボイス。
      • 前作まではスタディランドをクリアすると何らかの解禁要素があったのに対し、今作ではクリアしても特典は何も無いため若干存在感が薄くなっている。
      • ただし純粋な初心者向けチュートリアルとして見た場合は基礎をしっかり押さえた作りで、特に問題がある訳でもなくきちんとした内容である。
        • 直近の『10』『11』のスタディランド終盤に見られたような初心者に不相応な高難易度になっていたりもせず、今作では最終レッスンもほどほどの難易度に収まっている。
      • 本作にはACから搭載された「エンジョイモード」も存在するため、初心者向けモード同士で食い合わないように配慮し敢えて簡素にした可能性もある。
        • 事実、次作以降の『13 カーニバル』『14 FEVER!』ではスタディランドが廃止され、初心者向け要素はエンジョイモードに統合されている。
    • 対戦モードのオジャマ発動ポップ君の出現量がAC版に比べてやけに多い。
      • オジャマを積極的に発動させやすくするための調整と思われるのだが、過剰なほど短い間隔で何度も降ってくるため、特にポップ君の多い曲だとゲージが溜まり切らないうちからうっかり押してしまい誤発動させやすい。
        • もっとも打ち込む相手はCPUであり、人間には難易度の低いオジャマであろうがダメージを食らってくれることも結構多いため、低レベルのオジャマを連発してもあまり問題はないのだが。
      • また、AC版ではオジャマを発動したいタイミングでオジャマ発動ポップ君が降ってこないというもどかしさもあったため、今作の改変は相手が気兼ねの要らないCPUであることも合わせ、オジャマを好きな時にガンガン発動できるという爽快感があるとも言える。
      • しかし「AC版の再現」という意味ではやはり問題があったためか、次作以降はAC版と同様の間隔に戻されている。

    総評(PS2版)

    遊び易くて個性的な楽曲が多かったAC版の魅力を余すことなく、むしろテーマを保ちながら増幅させて家庭用に落とし込んだ良移植。
    加えてポップンリクエスト等の存在により過去の名曲も再録され、簡易的なベスト盤の様相も見せており、本作単体でも十分ポップンを楽しむことが可能。
    ネット対戦などACから再現しきれなかった要素もあるものの、家庭用オリジナル要素を加えて独自の楽しみを加えている。
    ACに収録されていない楽曲もあるため、今でもまだ十分に遊べる作品である。


    その後の展開(PS2版)

    • 本作から約半年後の2006年9月26日に次回作『13 カーニバル』のPS2版も発売された。
      • なぜ異例のスピード発売になったのかというと、2006年の「コナミデジタルエンタテインメント」への再編成によりCS版ポップンの制作部署がAC版と統合されたことによる。
        ACと制作部署が統合されたことによって、wacやNAOKI、小坂りゆといった、普段はCS版ポップンにあまり関わっていなかったアーティストの参加が目立っているのが特徴的。
      • そちらも本作で搭載された好評な要素を受け継いでおり、本作と並んで完成度の高い内容となっている。

    余談(PS2版)

    • 「大桟橋」のジャンル名が「三味線ブラザーズ」という過去に他社が出した音ゲーのタイトルになっているが、意図的なのか偶然なのかは不明。
      • ちなみに内田一門ことウッチーズは兄弟ユニットである。
    • 新キャラの一人の「深川ふなお」のキャラデザは同社の某シリーズの公式サイトの4コマ漫画の作者が担当しており、その関係か時折変態的な意味でも ネタされているとか無いとか。
    • 本作のミニゲーム「イマ様の緑化運動」は上記のように鬼畜難易度でありながらも、猫叉Masterが手掛けた書き下ろしBGMは非常に好評であり、このBGMがプレイアブル楽曲として収録されなかったことは惜しまれていた。
      • その後、本曲は改めて2009年発売の猫叉Master 1stアルバム『Raindrops』に「Greening」のタイトルで収録され、その翌年にPSP版『ポップンミュージック ポータブル』でジャンル名「グリーニング」としてプレイアブル収録されることになった。