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ドカポン! 怒りの鉄剣 - (2017/02/14 (火) 18:02:26) の編集履歴(バックアップ)


ドカポン! 怒りの鉄剣

【どかぽん いかりのてっけん】

ジャンル RPG風友情破壊ボードゲーム

※通常版・ベスト版共に
PS2ではバグが起こり、
正常にプレイ出来ないので注意!
対応機種 プレイステーション
メディア CD-ROM 1枚
発売元 アスミック・エース エンタテインメント
開発元 TYCOON(タイクーン)
発売日 1998年11月5日
定価 5,800円(税別)
プレイ人数 1~4人
セーブデータ 3~7ブロック
周辺機器 マルチタップ対応
廉価版 PlayStation the Best:1999年12月2日/2,800円(税別)
配信 ゲームアーカイブス:2010年8月11日/572円(税別)
レーティング CERO:B(12歳以上対象)
※ゲームアーカイブスで付与されたレーティングを記載
判定 なし
ポイント PS系ハード初進出作
ゲームテンポの大幅な悪化
一部のお宝、キャラが強力すぎ
ドカポンシリーズリンク


概要

友情破壊ゲーム」の代名詞とも言えるドカポンシリーズの4作目にあたり、PS系ハードへの初進出作。
マシンスペックの向上により、戦闘画面の3D化、著名な声優陣を配したキャラクターボイスなど、演出面が強化されている。
また、システム面でも今までのシリーズにはなかった「銀行」が初登場、一定期間の間条件を満たせば他のキャラクターとの協力体制を結べる「同盟」など、様々なシステムも追加されている。


プロローグ

とある所に、お金が全てというドカポン王国がありました。
この国の王様は贅沢三昧を尽くし、最早手が付けられないほどになっていました。

王様「みんな、しっかり働いてわしに税金をガッポリ払うダバ!」

王様の目にあまる行状、問答無用でお金をぶんどられて怒り狂った数名が「金返せ!」とばかりにドカポン城に乗り込んだのです。
城の入り口でかち合わせた彼らは王様を倒した人がぶんどられたお金をみんなの分も総取りしようという話をし、それぞれが城の奥にいる王様の元に突き進みました。

最初に王様の元に辿り着いた人間の前で王様はその正体を現しました。
なんと、王様は偽物で、「ワルサー」という魔物が変装していたのです!
更にはぶんどったお金は既に一銭も残らず使い切っていました。

ワルサーを撃退することに成功するも、なんと、ワルサーはドカポン王国を乗っ取らんと今度は手下の魔物を連れて侵略に来たのです。
それを見ていた神様は、王様を倒しに来た人間達に告げます。

神様「ワルサーを退治し、一番お金を集めた者を次の国王にするズラ!」

こうして、ドカポン王国を救うため、否、次の王座を巡っての醜い戦いが幕を開けるのでした…。


ゲームシステム等紹介

キャラクター紹介

+ 長いので格納
  • スコップ(CV:矢島晶子)
    • 元気いっぱいなどこかの国の王子様であるが、ゲーム冒頭で税金を払っている(ドカポン王国の王様にぶんどられている)あたり、ドカポン王国に留学か何かで来ているのかも知れない。
      • フィールド上ではアイテムとフィールド魔法を1ターンで交互に1回ずつ使用することが出来る*1
      • 戦闘での特技は「力ため」。自らの攻撃力を高める
      • レベルが上がると攻撃力とランダムで1つのパラメータにそれぞれ+1のボーナスが入る。
    • 【総評】中級者向け。生粋のワルサーキラー。
      アイテム・魔法同時使用でワルサーを弱体化させてから確実に突入でき、力ためにより他プレイヤーの乱入を警戒することで、確実にワルサーを仕留める。
      アイテム・魔法ありきの性能とはいえ、一度勢いづいたら止められない程の強さを誇る。
      ボーナスのうち1Pがランダム割り振りなのが玉にキズ。
  • ウララ(CV:深雪さなえ)
    • いつもホワホワした思いっきり天然ボケの女の子。
      • フィールドではHPが毎ターン開始時に「レベル×2」分回復する
      • 戦闘での特技は「元気」。自らのHPを一気に完全回復させる
      • レベルが上がると攻撃力と素早さのパラメータにそれぞれ+1のボーナスが入る。
    • 【総評】初心者向け。とにかく死ぬのがイヤな人向け。
      フィールド、戦闘中ともHP回復に特化しているとはいえ、成功率の低い「元気」では対処できない場合もあり意外と奇襲には弱い。
      見た目によらずパラメータは攻撃的。使うならとにかく体力を上げること。
  • ガママル(CV:飛田展男)
    • 3度の飯より人に意地悪することが大好きという超陰険忍者。
      • フィールドではアイテムが1ターンで2個使用出来る
      • 戦闘での特技は「マキビシ」。喰らった相手の体内に毒を巡らせ、戦闘中毎ターンHPを現在の半分減らす
      • レベルが上がると素早さのパラメータに+2のボーナスが入る。
    • 【総評】中~上級者向け。一筋縄ではいかないくせ者。
      アイテム連打はデビラー襲来などの緊急回避に強く、素早さも高いため空中戦の耐久力も高い。
      マキビシは後攻で決まると相手体力の75%を確実に奪うことができるため、劣勢時の形勢逆転も十分可能。
      ただ、アイテムありきの性能かつスコップに比べやや安定度に欠けるのが難点。移動系アイテムと「キエるんです」は常備しておくこと。
  • ブリキン(CV:梅津秀行)
    • 作られて間もない、強引な性格の頑固ロボット。
      • フィールドでは時折自動でステータス異常が回復する。
      • 戦闘での特技は「硬質化」。自身の体を物凄く硬くすることで敵からの物理攻撃(攻撃・必殺・カウンター)で受けるダメージを0にする
      • レベルが上がると防御力と体力のパラメータにそれぞれ+1のボーナスが入る。
    • 【総評】初心者向け。とにかく接近戦で負けたくない人に。
      「硬質化」が決まると一部キャラ以外は完全に攻撃の手を止めざるを得ないため、対人戦では強力。ただし、強い特技の例外にもれず成功率が低い。
      フィールドでステータス異常が回復できるものの、それ以外の能力は平凡以下のため空中戦ではもっぱら受け身。
      欠点はレベルアップのボーナス。このゲームで重要度の低い「防御力」に必ず振られるのが痛い。使うなら素早さ・魔力いずれかは捨てる覚悟が必要。
  • モルデ(CV:ならはしみき)
    • 負けん気の強い、ドカポン王国でトップクラスのお金持ちの一家、リッチモンド家のお嬢様。
      • フィールドではフィールド魔法が1ターンで2個使用出来る
      • 戦闘での特技は「魔力ため」。自らの魔力を高める
      • レベルが上がると魔力と素早さのパラメータにそれぞれ+1のボーナスが入る。
    • 【総評】上級者向け。友情破壊ゲーの象徴。
      ブリキンや、後述するヴァルツとは真逆の性能。フィールドでは無類の強さを誇るが、接近戦は極めて弱い。
      ワルサーは魔法をぶつけてから挑めば何とかなるが、道中も含めシナリオ攻略には苦戦することになる。
      攻撃魔法やヨワヨワ、ネムネム系の常備は当たり前として、使うなら体力全振りするぐらいの思い切りと、他プレイヤーを全員敵に回すぐらいの修羅の心が必要。
  • ドン(CV:河合義雄)
    • 良くヘマをする癖に自分が一番だと思っているオヤジで、商人としての修行の旅に出ている。
      • フィールドでは時折0~6マスの間で好きな数だけ移動することが出来る*2
      • 戦闘での特技は「とぼける」。相手の攻撃魔法の効果をとぼけてやり過ごし、完全に無効化してしまう
      • レベルが上がると魔力と体力のパラメータにそれぞれ+1のボーナスが入る。
    • 【総評】初~中級者向け。とにかく堅実にいきたい人に。
      見た目通り耐久力はかなり高いが、接近戦では戦局をひっくり返す手段が乏しい。
      ブリキンと同じく空中戦でも受け身がちだが、戦局を見極めればデビラー襲撃時にシナリオ攻略なんて離れ業も可能。
      とにもかくにもアイテム・魔法のストックを切らさないこと。ステータスは序盤は攻撃、中盤以降は素早さに傾けるとよい。
  • ヴァルツ(CV:菊池正美)
    • 何事も慎重を期して行動するクールな一匹狼の冒険屋。
      • フィールド・戦闘中共通で自身のHPが残り20%以下まで下がると、HP以外のパラメータが一時的に上昇する
      • 戦闘での特技は「ぱくり」。相手の自分より高いパラメータだけをコピー*3することが出来る。
      • レベルが上がると攻撃力と魔力のパラメータにそれぞれ+1のボーナスが入る。
    • 【総評】上級者向け。一発逆転を狙いたい人に。
      モルデとは真逆で完全接近戦向け。無策でデビラー相手に互角以上に戦える可能性のある唯一のキャラ。
      覚醒は序盤で出ればかなりの確率で勝てるが、狙って出すには攻撃・防御コマンドすべてのダメージ計算式を網羅しておく必要があるため、初心者にはオススメできない。
      使うならぱくり、覚醒で補強できない体力に全振りすること。幸い、パラメータには恵まれている。
  • ウイウイ(CV:矢島晶子)
    • 何を考えているかさっぱり解らない謎の生物で、手が短いので異常に長い耳を手の代わりにしている。
      • フィールドでは時折今持っているアイテムやフィールド魔法の中からいずれかを増殖させ、もう1つ入手出来る*4
      • 戦闘での特技は「去る」。ノーリスクで戦闘から離脱することが出来る*5
      • レベルが上がると完全ランダムでパラメータにトータル+2のボーナスが入る。
    • 【総評】初~中級者向け。普通のプレーには飽きた人に。
      ボーナスは完全ランダム、確率が低い増殖機能と、不安定要素が強い。
      「去る」のおかげで、多少無茶なプレーをしてもノーリスクで切り抜けられるため、修羅場のタフさは全キャラ中随一。ただし状態異常対策は必須。
      使うなら素早さ、体力に振ってタフにしておくといい。

フィールド上のシステム

+ 長いので格納

1ターンを1日とし、参加している全プレイヤーのターンが終了することで1日が終わる、という流れになる。

ボードゲームなので、フィールド上ではルーレットを回しての移動が基本となる。
それ以外にも後述するアイテムやフィールド用の魔法を使うことも出来、これらを使用した後でも移動することが出来る。
ただし、一部のステータス異常の場合は能動的にルーレットが回せない。

アイテムとフィールド魔法

  • アイテム
    • 自らのHPを回復させたり、一時的に能力を強化したり、あるいはルーレットを複数個一度に回せるようにしたりといった様々な効果のアイテムがある。
      • アイテムはキャラクターによって持てる上限数が異なり、8~12個となる。
  • フィールド魔法
    • RPGの戦闘でも魔法があるように、本作にも魔法がある。
      戦闘中に使える「攻撃魔法」「防御魔法」と区別するため、フィールド上で使える魔法は「フィールド魔法」と呼ばれている。
      • フィールド魔法も種類は豊富で相手にダメージを与えるものや、様々なステータス異常にしてしまうものなどがある。
      • フィールド魔法もキャラクターによって持てる上限数が異なり、8~12個となる。
  • 本作ではどちらも使用した際にターンが終了しない*6ため、魔法でダメージを与えてから戦闘に持ち込むなども可能。

マスについて

  1. 何も無いマス
    • ほとんどはこのマスとなり、このマスに止まった場合はドカポン王国を徘徊するモンスターとの戦闘に突入するのが大半。
    • 時々、戦闘ではなくイベントが発生することもあり、止まった先に他のプレイヤーがいた場合はモンスターではなくそのプレイヤーとの直接対決となる。
    • また、雪原マスや毒沼マス、ダンジョン内ではトゲマスやダメージマスなどもあり、この場合はそれぞれ雪原がルーレットの出目が0~3になり、毒沼が毒*7、ダンジョン内のトゲマスやダメージマスはダメージをもらってしまうが、それ以外は何も無いマスと同じ扱いとなる*8
      • ダンジョンではターン開始と同時にダメージを受けるタイプのマスもある。この場合、説明書きには無いが通常のマス以外でもダメージを受ける。
    • 王国内に点在しており、初期状態ではワルサーが引き連れてきたモンスター達に支配されてしまっている。
      • このモンスターを退治することで、その村を自分のものとすることが出来、村に止まるごとに村の稼ぎを受け取ったり、時として「お宝」を受け取ることが出来る。
    • 自分の村に止まった場合、お金があれば寄付を頼まれ、それに応えることで村は発展*9し、更に多くの稼ぎを得られるようになる。
    • なお、他人の村に止まった場合、運が悪いと問答無用でステータス異常にさせられた挙げ句追い出されることもあるが、そうでない場合は襲うことが出来る。
      襲撃に成功すれば村に貯まっていた稼ぎとあればお宝を強奪することが出来るが、失敗した場合はお尋ね者*10となる。
      • 他人の村に止まった時、安値でその村を買い叩いて自分の村にすることができることもある。他人の村に止まる動機がそれまでのシリーズと大きく違う。
    • 今作では別に宿屋が出来た関係か、自分の村に止まっても基本的にHPを回復出来ない。
  2. 銀行
    • 本作から登場したマスで、手持ちのゴールド(お金)を預けておいたり、引き出したりすることが出来る。
      • 預けておいたお金は例え戦闘で敗北しても奪われない上に、1週間経過ごとに預金残高の3%分が利息として加算される*11
    • お金を預けると銀行からキャッシュカードである「イーゾカード」を発行して貰え、預金残高があって、かつイーゾカードがあれば手持ちのお金が無くても購入することが出来るが、その場合は購入価格が30%アップしてしまう。
    • イーゾカードを奪われたり、失ったりした場合は銀行で再発行が出来る。
      • 他人から奪ったイーゾカードを使って買い物も出来るが、調子に乗って使いすぎると他人のカードであることがバレてしまい、そのままお尋ね者になってしまう。
      • 通常、「へんそうセット」で他人に変装している場合は、おたずね者の条件を満たしても変装している相手に罪を押し付けられるが、カード犯罪には変装も効果が無い。
    • なお、預金や引き出しの他に、止まった銀行がある大陸で統治している全ての村の稼ぎ(ゴールドのみ)を一括で回収することも出来る
    • 銀行も襲う事が出来、襲撃に成功すれば他人のその大陸内の全ての統治している村の稼ぎを強奪出来るが、規模が規模なため、通常は1回成功すれば襲撃成功になるが、銀行では2回成功させないと成功とならない
    • 銀行は土日お休みとなるため、その間はマスに止まることも出来なくなる。
  3. 教会
    • 各大陸に1つずつ有り、お布施をすることでステータス異常を治療したり、祈りを捧げることで殺されてしまった時の復活地点にすることが出来る。
      • なお、最初の大陸(ハジマリス大陸)はドカポン城が教会の機能も兼ねており、ドカポン城では無償でステータス異常を治療してくれ、他の教会で祈りを捧げていない場合は殺された後の復活地点はドカポン城になる。
    • その他、お布施をすることで他の大陸の教会・ドカポン城にワープすることも出来る。
  4. お店(共通事項)
    • それぞれ商品を購入したり、今持っている売却可能なものを売却したりすることが出来る。
    • 土曜日は全店統一でセールを行っており、25%引きで購入が出来るが、日曜日は全店統一で店休となるため、止まることも出来なくなる
      • 時折、週頭のイベントにより「バーゲンセール」が起こった場合は、休日返上で店を開くため日曜日でも買い物できるうえ、その週の間は全てのお店の商品を通常の半額*12で購入出来、逆に「慰安旅行」が発生してしまうとその週は丸々全てのお店が休業になるため、曜日を問わずお店に止まれなくなる
    • 村や銀行同様に襲う事が出来、襲撃に成功すればそれぞれのお店に対応したものをもらうことが出来る。
    • なお、武器屋と魔法屋の攻撃魔法と防御魔法は購入した時点で装備することになり、既に装備しているもの*13がある場合はそれを自動的に下取りして購入、そのまま装備する。
  5. アイテム屋
    • フィールド上で使えるアイテムを購入したり、未鑑定の状態で効果も価値も発揮していない状態のお宝を鑑定し、その効果と本来の価値を有効に出来る「鑑定」が出来る。
      • 鑑定は未鑑定のお宝1つにつき100ゴールド掛かり、個別に鑑定するか否かは選べず、一度に全ての未鑑定のお宝を鑑定することになる。
    • 襲撃に成功すればランダムでアイテムを1つもらえる。
  6. 武器屋
    • 武器・盾・鎧を扱っている。
    • 襲撃に成功すれば大抵は今より上質な装備品を獲得出来る…のだが、なぜか普段店においていない次の大陸の武具などを差し出してくれることもある。
      • 現在装備している武具のランクに依存するので、性能の良い武具を持って襲撃すると効果的。逆に何も持っていない場合は襲撃してもロクなものがもらえない。
  7. 魔法屋
    • フィールド魔法・攻撃魔法・防御魔法を扱っている。
      • 攻撃魔法は戦闘中に攻撃手段として使える魔法で、店では10回使う分を1セットにして売っており、最大で99回分まで購入することが出来る。
      • 対して防御魔法は、戦闘中に敵の攻撃魔法を防ぐ手段として使う魔法で単純に相手の術によるダメージを軽減するものや、軽減した上でHPを回復したり、相手の魔法を封じたり、果てにはそっくりそのまま跳ね返すのもある。
      • ダメージの軽減量、軽減した上での付加効果は防御魔法の種類によって異なるが、基本となる攻撃魔法に付加されているダメージ以外の追加効果を防ぐという効果はどの防御魔法でも同じである。
      • 攻撃魔法には使用回数があるが、防御魔法には使用回数はなく、何度でも使用可能である。
    • 襲撃に成功すればランダムでフィールド魔法を1つもらえる。
  8. 宿屋
    • 土日含めていつでも開いており、200ゴールドを支払うことでHPを完全回復出来るが、ステータス異常は回復出来ない。
      • 上記の週頭のイベントである「慰安旅行」が発生していても営業している。
  9. ?マス、魔法書、アイテム袋等のマス
    • それぞれ止まると中身の候補が表示され、ルーレット形式で1つランダムで手に入れられる。
    • ?マスの場合は罠もあり、それを引き当ててしまうとマイナス効果がある。
    • チャプターが進めば進むほど中身が強力になる(?マスの罠も然り)。
  10. カジノ
    • 止まると「ペアペア」・「シャッフル」・「ハイ&ロー」のいずれかのゲームをプレイすることが出来る。
    • 掛け金としては100G・1000G・10000G・100000Gの4段階があり、賭けた金額が大きい程良いアイテムを得ることが出来る。
    • それぞれのゲームでアイテムを獲得すると今までの商品を賭けて更にグレードアップ*14に挑戦するか、獲得した商品でゲームを止めるかを選択出来る。
      • ペアペアは神経衰弱で、ペアを成立させた所でゲームを止めるか、全てをめくった段階で獲得した商品を手に入れることが出来るが、2回ミスした所で賭けに失敗となり、そこまでで獲得したものも没収されてしまう。
      • シャッフルは1枚の当たりと4枚のハズレのカードがある中で当たりカードがどこにシャッフルされたかを当てるもので、グレードアップに成功するほど景品は良いものにランクアップするが、途中で失敗してしまうとそこまで獲得していたものは無効になる。
      • ハイ&ローは右側のカードが左側に現在出ている数字(1~10の間)より大きいか小さいかを当てるゲームで、シャッフル同様にグレードアップに成功するほど景品は良いものにランクアップするが、失敗するとそこまで獲得したものも無効になる。
    • 通常のカジノは3種類の中からいずれかがランダムで選出されるのだが、とあるダンジョンにあるカジノでは3種類の中から任意でプレイしたいゲームを選べる。
      • 更にそこのカジノのみ、シャッフルで通常の掛け金の他に、「」をかけることが出来る。こちらはグレードアップ無し、シャッフル速度が速い高難易度の1回勝負で、当たればレアなお宝が入手出来る代わりに外すと文字通り命を奪われてしまう。
  11. ダンジョン入口/出口
    • このマスに止まることで、対応するダンジョンの中に入ったり、ダンジョンから出たりすることが出来る。
    • ダンジョン内のマスも一部ダンジョンでしか登場しないマスがあるが基本は同じで、複数階層のダンジョンで別の階層に移動する場合は階層を移動するマス(階段など)に止まればいい。

何も無いマスと村以外は他のプレイヤーが居るマスであっても戦闘は発生しない
もっと言ってしまえば、戦闘が発生しうるマス以外ではプレイヤー同士含めて一部を除いて戦闘が起こらない。

戦闘に関するシステム

+ 長いので格納

戦闘が始まると、まずはコインで先攻後攻を選ぶ。
コインの選択権は現在ターン中であるプレイヤーにあり、コインの中身を見ることの出来るアイテム、「ミエるんです」を持っている場合はここで使うことが出来る。
このコインで先攻後攻が決まるとそれぞれの行動を選ぶことになる。

行動

  • 攻撃側
    • ○ボタン:攻撃
      • 持っている武器による普通の攻撃を行うことが出来る。
      • 確実に攻撃することが出来るが、相手の素早さが高い場合は攻撃を外すこともある。
    • □ボタン:必殺
      • 持っている武器による強力な攻撃を行うことが出来る。
      • 当たれば通常よりも大きなダメージを与えられるが、相手がカウンターを選んでいた場合は、ダメージを与えられないどころか、自分が大ダメージをもらってしまう
      • 勿論、相手がカウンター以外を選んでいたとしても、相手の素早さが高ければ外すこともある。
    • △ボタン:攻撃魔法
      • 持っている攻撃魔法の使用回数を1消費して魔法による攻撃を行う。
      • 攻撃魔法の威力は基本的に魔力が影響しているが、一部の攻撃魔法は攻撃力が威力に影響する。
      • また、フィールド魔法と異なり、発動すれば防御魔法で防がれることはあっても外すことはなく、確実に命中させることが出来るので、素早さが高い相手には必然的にこれに頼らざるを得ない場面も出て来る。
      • 当然、攻撃魔法を持っていなければ選べない。
    • ×ボタン:特技
      • キャラクターそれぞれの特技を使用するが、失敗することもある。
  • 防御側
    • ○ボタン:防御
      • 守りを固めて、相手の「攻撃」によるダメージを軽減させるが、「必殺」や「攻撃魔法」に対しては無力。
    • □ボタン:カウンター
      • 相手の「必殺」に対してのみ対応出来る強力な反撃の体勢を取るが、相手の「攻撃」に対しては対応出来ず、通常よりも大きなダメージを受けてしまう。
    • △ボタン:防御魔法
      • 持っている防御魔法を使い、相手の攻撃魔法に対してのバリアを張るが、物理攻撃に対しては完全に無力で、受けるダメージが増加してしまう。
      • 『ドカポン3・2・1』までと異なり、「マホミラー*15以外は例え魔法防御に成功しても最低でも1のダメージを受けてしまう
      • ただし、元からダメージを与える効果のない攻撃魔法を防いだ場合は勿論ダメージは受けないので、あくまで元々ダメージを与える効果のある攻撃魔法に限っての話である。「ゴウトゥヘル」はダメージ魔法とは看做さない*16ので安心していい。
      • 攻撃魔法同様、持っていなければ当然選べない。
    • ×ボタン:降参
      • 相手に勝てないと思ったら大人しくこれを。アイテムやフィールド魔法、お金を奪われたり、ステータス異常を与えられたりすることもあるが、死ぬよりはマシ。
      • 死ぬよりは奪われる規模も小さく済むが、相手の素早さが相当高かったりすれば降参を選んでも逃げられないこともあるし、お尋ね者になっていたり等すればそもそも選択出来ない。
      • 死亡時にはないペナルティとして、ステータス異常を押し付けられたり、アイテムを押し付けられたりすることもある。かなり極まった状況の場合ではあるが、下手な死亡よりも厄介な生殺しにされることもある。今回はマイナス効果のアイテムも登場する。

上記の通り、×ボタン以外はそれぞれ攻撃側と防御側が同じボタンを押せば効果は軽減、あるいは逆転するようになっており、それぞれがじゃんけんの三竦みのような関係にあるため、駆け引きが熱いシステムとなっている。

パラメータに関して

戦闘中およびフィールド魔法の成功率、回避率などに大きな影響を及ぼすものとなるので、大まかな説明をする。

項目 内容
攻撃 高いほど相手に攻撃・必殺で与えるダメージが増える。攻撃×防御の場合、防御1ポイントにつきダメージが4増加。
ただし、こちらの必殺に対してカウンターをされた時のダメージも増加してしまう。
防御 高いほど相手からの攻撃・必殺で受けるダメージが減少する。攻撃×防御の場合、防御1ポイントにつきダメージが2減少。
魔力 高いほど攻撃魔法で高いダメージを与えられ、同時に相手の攻撃魔法で受けるダメージが減る。
同様にフィールド魔法によるダメージにも影響を及ぼす。
素早さ 高いほど相手に攻撃が当たりやすくなり、同時に回避しやすくなる。
同様にフィールド魔法の命中率や回避率にも影響を及ぼす。
体力 体力1ポイントにつき、HPの最大値が10アップする。

戦闘の継続と次回戦闘予測

  • 戦闘は1ターン中においてそれぞれが1回ずつ攻撃と防御に回るまでとなるため、ここで決着が付かなければ次のターンでも戦闘を継続することになる。
    • プレイヤー同士の戦いであれば、勿論決着が付くまでそれぞれのターンで攻撃と防御を1回ずつ行う…ということになる。
  • なお、戦闘継続となった場合は戦闘後に次回のターンでの戦闘の予測が表示され、主立ったなシチュエーションでどうなるかが大まかな表現*17で解るようになっている。
    • ただし、予測はあくまで受けるダメージを元に表示するため、ダメージに左右されずに一撃死させる特技の影響は考慮されない。

戦利品と敗北時に失うもの

  • 勝利時
    • 相手がモンスター
      • 倒した場合は経験値とお金、時々アイテムを入手することが出来る。
      • 降参した場合はお金かアイテムを入手することが出来る。
    • 相手がプレイヤー
      • 倒した場合は相手の所持品、所持金、統治している村、装備品、お宝のいずれかを奪うか、アイテムやフィールド魔法を全て捨ててしまうか、あるいは相手の名前を変えてしまうことが出来る。
      • 降参した場合は所持品か所持金のいずれかを僅かばかり奪うか、相手にステータス異常を与えたり、自分が持っているマイナスアイテムを押しつけることが出来る。
      • また、そうすることのメリットはないが、相手プレイヤーに勝った場合は何も奪わないことも出来る。
  • 敗北時
    • 降参した場合は所持品か所持金のいずれかを失うのが基本だが、相手がプレイヤーであった場合は更にステータス異常を与えられるか、相手プレイヤーの不要なアイテムを押しつけられることもある。
      更に降参した次のターンは戦う勇気を無くしてしまっているため、一回休みとなる。
    • 倒された場合は所持品か所持金、あるいは統治している村、装備品、お宝のいずれかを失うのが基本だが、相手がプレイヤーであった場合は更にアイテムとフィールド魔法を全て捨てられるか名前を変えられてしまうこともある。
      倒された後、順位に応じて数ターンの間、最後に祈りを捧げた教会かドカポン城に安置され、規定ターン経過するまでお休みとなる。
      • また、倒されたり、罠などでHPが0になった時に迎えに来たのが天使であった場合は通常のペナルティで済むのだが、死神が迎えに来た場合はアイテム、フィールド魔法、所持金を全て失った上で更にペナルティを科されてしまう*18
      • なお、名前を変えられた場合はドカポン城に行けば元の名前に戻せるが、その際にはかなり高額な費用がかかる。

同盟について

+ 長いので格納

時折ランダムで同盟イベントが起こり、お互いが同盟を組むことを希望し合うと、しばらくの間同盟関係が結ばれる。
同盟中は同盟関係にないプレイヤーとの戦いや、村を支配するモンスターなどの戦いに同盟を組んだプレイヤーが助けに来てくれ、同じ行動で援護をしてくれる。
また、お互いが攻撃魔法を持っていれば、お互いの攻撃魔法回数を1回使用して強力な合体魔法を放つことが出来る。
ただし、あくまで相手の攻撃でダメージを受けるのはターン中のプレイヤーであり、更に、パートナーは一部のステータス異常*19やイベントによって移動が出来なかったり、死亡や降参して休みの間は助けに行けない
なお、戦闘に参加した2名がそれぞれ等しく経験値とお金を獲得出来るが、ワルサーやシナリオボスは「キャラクターが1レベルアップするのに必要な経験値を落とす」仕組みになっているため、獲得経験値に差が出るが、お金の方は同額得られる。

また、同盟中にお宝を入手した場合、同盟期間中は2人にお宝の価値と効果が発揮されるが、同盟期間終了後に神様によってお宝を分配されてしまい、以降は分配された側のみが効果の恩恵にあずかれる。
同盟期間限定で入手出来るお宝もあるため、分配に納得がいかなければ、かつてのパートナーから力ずくで奪うことになる。
なお、同盟中は同盟相手の居る何も無いマスや村マスに止まっても同盟相手とは戦闘にならないが、フィールド魔法による攻撃は仕掛けられる

お宝について

+ 長いので格納

統治している村から発掘したり、イベントや敵が落とすものを入手したりする事が出来る他、他のプレイヤーから強奪することも可能なもので、お宝一つ一つには価値と特殊な効果が設定されており、道具屋で鑑定する事で初めてそれを発揮する。
お宝には主に下記の種類がある。

  1. パラメータアップ系
    • お宝に対応したパラメータがアップするタイプのお宝で、複数個持っていれば持っている数だけ能力が上昇する*20
  2. パラメータダウン系
    • お宝に対応したパラメータがダウンするタイプのお宝で持っていれば持っているほど能力が下がってしまうが、お宝の価値としてはなぜかこちらの方が価値が高い
  3. 特殊効果系
    • 相手の特技の成功率を下げたり、レベルアップ時に割り振れるポイントを増やしたり、本来「まほうのカギ」が必要になる鍵付宝箱を開けられる等といったタイプのお宝。
  4. 高価値系
    • 特別な効果こそ無いものの、価値が飛び抜けて高いお宝。
  5. 複数結合系
    • パーツとなるお宝を全て集め、それら全てを鑑定する事で一つのお宝となるもの。
      • 結合した後のお宝の価値は飛び抜けて高いものになりやすい。
  • それ以外は大抵特別高くもなければ、特別な効果もないようなお宝が多い。
    • また、同盟の項で書いた通り、同盟時にしか入手出来ないお宝も存在している。

一発逆転、デビラーマン

+ 長いので格納

上にも書いたがかなりえげつない妨害手段が豊富にあるため、時として他のプレイヤーに大きく水をあけられてしまい、最早勝ち目がないと言える位に絶望的な状況に陥ることも多々ある。
最下位のプレイヤーは特定の条件を満たし、闇に魂と自らのお宝・装備品以外の全財産を捧げることで圧倒的な力を誇る、「デビラーマン」になることが出来る。
ただでさえ、えげつない手段が豊富な所にあるのだが、デビラーマンのその力はそれらさえも可愛いものと言えるほどの凄まじい力と妨害手段を持つため、立ち回り次第ではそれまでのゲーム展開を完全にひっくり返しうるものとなっている。

デビラーマンのメリットは主に以下の通り。

  1. 移動は常にバババイン。
    • バババインというのは「効果が続く間はルーレットが2~5個になる」というアイテムでデビラーマンになっている間はずっとこの効果が続くことになる。
  2. 全ての能力が3倍になり、更に強力な装備品を纏う。
    • 装備している武具、魔法共に最強クラスのものとなっている。
  3. モンスターが支配していない村に止まると、その村にモンスターを召喚し、更にそのモンスターを倒した時と同数の経験値を得られる。
  4. モンスターが支配している村に止まるとHPとステータス異常が回復出来る。
  5. プレイヤーを倒すことで経験値を入手出来る。
  6. 暗黒闘気を貯めることで強力な妨害を仕掛けられる。
    • これが低い内は大陸間の移動等しかできないが、暗黒闘気はターン毎に徐々に溜まり、溜めれば前述の大陸移動の他にも全ての村にモンスターを召喚したり、プレイヤーを強制的に自分のマスに呼び寄せたりといった事も出来る。
      • また、デビラーマンとなっているプレイヤーとの戦いはお尋ね者でなくても降参出来ないため、余程レベル差がない限りは「デビラーマンに勝負を仕掛けられる=死」となる。

最下位のプレイヤーがデビラーマンになっていられる期間は週数分の日数*21となるが、それとは別に運が良ければ(?)お宝と貯金以外の財産を捧げることで最下位以外のキャラクターでも10日間だけデビラーマンになることが出来る
デビラーマンの状態から戻るには教会やドカポン城マスに止まるか、契約期間の終了で戻れる。
なお、村へのモンスター召喚によっていくらレベルアップに必要な経験値を得たとしてもそれだけではレベルが上がらず、デビラーマンのままプレイヤーとの直接対決で勝利*22するか、人間に戻った後で経験値を獲得して初めてレベルが上がるようになっている。
また、一度に複数人がデビラーマンになることも可能になっているので、複数のデビラーマンに包囲されるなどの状況もありうる。当然、デビラーマン同士が同じマスで戦闘をする可能性もある。


評価点

  • 演出面の強化
    • 後述するテンポの悪化とトレードオフになってしまうが、それでも著名な声優陣のボイスと、作中の演出強化によって雰囲気が盛り上がるものとなっている。
      • ボードゲームとしてはあまり過剰な演出は好まれない傾向にあるが、戦闘中の合体魔法の演出や、ターン開始時などのキャラクターの表情を見ているのもなかなか楽しいものとなっている。
    • キャラクターも今までは職業ごとの個性しかなかったが、個々に設定が付いたことでの1キャラクターとしての個性が今までよりも強まった。
  • 同盟やお宝、銀行など新要素の登場により今までのシリーズとはまた異なるプレイを楽しめる
    • それでいて、新要素が入ってもドカポンらしさが無くなっていない。
      • 様々な新要素が入ったことで従来のらしさが無くなるシリーズというのは往々にしてあるが、今回の同盟などの要素を追加してもドカポンらしい殺伐とした一触即発感はあまり薄れておらず、むしろ同盟を組んでおいてなおフィールド魔法でボコる、等といった裏切り行為などの要素のおかげで増したとも言える。
      • 同盟が終わった途端に欲しいお宝を持っていったかつての仲間を殺しにかかる、なんてのもザラである。
  • 上質なBGM
    • フィールドの曲は良くも悪くも少々ずっこけてしまいそうなものになっているのだが、ダンジョンの曲はそれぞれのダンジョンの特徴を見事に掴んでおり、雰囲気が出ている。
      • 戦闘BGMは短いが、後述のテンポの悪化があってもそれ程長い時間の戦闘にはならないのでむしろ相性が良く、特にラスボス戦の曲はなかなかに盛り上がるものとなっている。

賛否両論点

  • (主に敵モンスターの)特技を確実に回避出来る手段がない
    • 今作で特技として設定された技は『ドカポン3・2・1』では大抵が攻撃魔法として扱われていたため、防御魔法を展開しておけば防ぐことが可能であった。
      • しかし、今作の特技はお宝で対応した特技の成功率を下げることは出来ても、絶対に防ぐということは出来なくなっている。
      • 中には問答無用で装備している武具や魔法を消滅させるというものもあり、これは元々成功率は低めになってこそいるが絶対に成功しないというほど成功率が低い訳ではない。
      • 毛色は異なるが、ブリキンの硬質化なども効果時間が割合長めであったりすることもあり、そのため、特技が強力すぎるという意見もある。
    • ただし、特技については「低確率でこのゲームの肝である逆転現象が起こり得る機会としている」こと、「強力な特技は例外なく成功率が低く設定されている」ことから、問題となるレベルではない。また、敵専用の強力な特技は、成功率以前に選択率自体もかなり抑えられているものがあり、見ることすら稀なものも。
  • パラメータ「防御力」の圧倒的不遇
    • 今作における防御力は、以下の理由により優先順位が圧倒的に低い。
      • 防御力1ポイントで物理攻撃ダメージを2、防御コマンド相違によるダメージ増加を考慮してもせいぜい3しか軽減できない。体力であれば1ポイントでHP10分の耐久力を上げられる。本作の攻撃力・防御力・HPのパワーバランスにおいて、1回の戦闘で4回以上の物理ダメージのやり取りが発生するのは極めて稀(平均で2回、多くても3回)。
      • 攻撃力・防御力は装備品が占めるウエートが高いため、多少ポイントを振ったところで最終的には大した恩恵は得られない。
      • 中盤以降はマップが広がり、強力なフィールド魔法も充実してくる。そのため、人間同士が万全の状態で戦闘することは少なく、いかに事前にフィールド魔法で弱体化させておくかが重要なファクターになり、戦闘にしか影響しないパラメータ(攻撃力・防御力)より対空戦に必要なパラメータ(素早さ・魔力・体力)の方が重要になってくる。
      • ただし、攻撃力が担う『戦闘における他者からの横取り(後述)の警戒』や、『戦闘長期化によるターン消費の防止』といった役割は他のパラメータでは替えが利かない。そのため、体力で代替できる防御力に比べて、パラメータを上げる必要性は高い。
      • 必殺や攻撃力依存の攻撃魔法は、ダメージが前作までと比較すると跳ね上がっており、魔力依存の攻撃魔法並みの圧倒的なダメージを出せるようになっている。考えようによっては、これも防御力の不遇の一因である。
  • キャラクター間の性能格差
    • ターン制のボードゲームにおいて、単純に手数を増やせるキャラは無条件で強いが、それ以外のキャラがそれに匹敵する程の特性を持ち合わせていない。前者に該当するのはスコップ、ガママル、モルデの3人。
      • 中でもスコップはアイテムと魔法を同時に使うことができるため、格上のボスでも確実に有利に戦うことができるうえ、ドカポンシリーズにありがちな「他キャラが戦って弱体化したボスを横取り」されるのを容易に防ぐことができる。そのため、一度勢いづくと、ちょっとやそっとでは止められないほど安定して強い。
      • また、モルデはアイテム所持数が8と全キャラ中最低のため、長距離移動やシナリオ攻略を苦手とする。ガママルはレベルアップボーナスが素早さに偏っているため、パラメータのバランスを取るのが難しいという欠点がある。しかし、スコップにはガママルやモルデのような弱点がない。
    • 上記の3人以外では、ヴァルツ、ウララが特に弱い。
      • ウララは初心者向けの特性にも関わらず、HP回復のペースは遅くて頼りにならない上、戦闘中のHP全回復も成功率が不安定。そのため、初心者故の過信による事故も含めると、逆に死亡率を上げがちな性能になっている。もちろん、中級者以上は使うに堪えない。
      • ヴァルツに至っては利点は戦闘のみで、その戦闘も完全なタイマンならまだしも、フィールド魔法による妨害が多発する中盤以降では効果を発揮しにくい。デビラー相手に互角以上の可能性があるとはいえ、あくまでゼロではないだけで、対策無しだと劣勢のケースが圧倒的に多い。そもそも慣れたプレイヤーがデビラーマンの場合、デビラーマンを倒そうと伺っているヴァルツを察知して、暗黒闘気で弱体化させるなり逃げるなりするので、やはり実力を発揮できない。
      • 敢えて2人の利点を挙げるなら、萌えキャラとイケメンであるため、見た目には恵まれているというところか。

問題点

  • 演出の強化によるテンポの大幅な悪化
    • ボイスなどの追加の要素が裏目となり、設定でボイスをカットしないと時間がかなりかかるようになってしまった*23
      • また、戦闘も2Dで簡略な表現でも最低限のことが表現出来ていた『ドカポンIV』『ドカポン3・2・1』と比べて、3D化で演出に時間がかかるようになってしまった。本作に限らず、表現方法の変化の黎明期における難点と言える。
      • 以降の作品ではコンピューターの戦闘を簡略化して結果だけを表示することも出来るようになったが、本作ではそれが出来ず、コンピューターのターンも全て見せられるため、コンピュータ3人と対戦ともなるとかなり時間がかかる。ただ、後発の一部作品では結果だけの表示において、互いの戦力を無視した本来ありえないであろう結果が出ることもあり、それはそれで問題ではあるのだが。
  • お宝の効果が強力すぎる
    • 特に所持数分効果が重ね掛けされるパラメータ強化系のお宝やゲームバランスを崩しかねないお宝も多く、お宝ゲーとする意見もある。
      • また、お宝の中には元々はキャラクターの特殊能力であるものと同等の効果を得られるものもあるため、お宝を集めていくと最終的には個性が弱まるとも言える。
    • なによりまずいのは、お宝はデビラーマンになっても消滅せず、滅多な事では奪われないため、このゲームの肝である大逆転要素を薄めていること。殺されてもランダムで1つ奪われるのみのため、価値の低いダミーを大量に確保すれば、貴重なパラメータ強化系はかなり取られにくくなる。
      • 一部条件を満たした場合のみ、1種類全てを奪われることもある。しかし、プレイヤー同士の直接戦闘では絶対にその条件は満たせない。
  • ボスモンスターに手抜きという意見も少なくない
    • シナリオが発生して登場するダンジョンのボス以外はワルサーを繰り返し退治することになる(ただし、これは前作でも同様であった)。また、本作ではシナリオのボスもワルサーもなぜかパラメータが「プレイヤーの能力をランダムでコピー」となっていることも手抜きだと言われる理由であると思われる。
      • つまり、一人だけ飛び抜けて強い状態のプレイヤーのパラメータを完全にコピーされてしまうと、他のプレイヤーは最早殆ど手の打ちようがなくなる*24
      • 逆にシナリオのボス、言ってしまえば最終ボスまでこれなので、最終ボスが一人出遅れているプレイヤーの能力をコピーしてしまったために物凄く弱くなることも往々にして起こりうる。
      • 実際は能力ごとにランダムでプレイヤーの能力をコピーするので、実際はプレイヤー間のパワーバランスが均衡状態でもない限りは物凄く歪なパラメータになることが多い。
      • 逆に、村を守る中ボスに関しては個性化が強くなっている*25
  • 恨み念法グッズも強力すぎる
    • フィールド魔法などを受けることでマスク値の恨みのポイントが蓄積され、それが一定量貯まると「恨み念法グッズ」と呼ばれるアイテムを貰える。
      • このアイテムは従来のアイテムの強化版であったり強力なフィールド魔法であったりするのだが、その中の一部にはいくら逆襲手段とは言え、あまりにも強力すぎるものもある。
      • グッズの効果自体はドカポンらしいと言えばらしいのだが…。
  • 条件が揃った時の「けいやくしょ」の入手しやすさが異常。
    • 一定条件が揃った上で使うことでデビラーマンになれるアイテム「けいやくしょ」だが、一度条件を満たすと*26モンスターが異常な高確率でこのアイテムを落とすようになる。
      • 元々、モンスターはけいやくしょ以外のアイテム・お宝などを落とすことはあるにはあるが、その確率は極端に高いわけではないが、この条件を満たした時のけいやくしょのドロップ率はむしろ落とさないことの方が珍しいと言わざるを得ないほどになっている。
      • 最下位の救済という点では良いのかも知れず、前作までと違い、特定地点に行けばデビラーマンになれるわけでもないのでそういう意味では仕方ないにしても、流石にほぼ100%に近いドロップ率は異常と言わざるを得ない。
      • ただし、一応は落としやすい敵と落としにくい敵の差別化は成されているようで、後者の場合は条件を満たしていても落とさないこともままあるが、それ以上に前者が目立つという方が正しいだろう。
      • 正確には、けいやくしょ入手条件を満たしていると、ドロップアイテムが強制的にけいやくしょになるというカラクリ。けいやくしょを既に持っている場合は通常のドロップアイテム。そのため、敵がドロップアイテムを落とす確率自体は操作されていないことになる。
      • そのため、ビリは敵からの戦利品を手に入れようとした場合、けいやくしょを常に持っておく必要がある。アイテム所持数の少ないモルデは非常に厳しい。
  • ゲームモードがシナリオモードしかない
    • 『ドカポン3・2・1』ではシナリオモードの他に単純に設定した期間でどれだけお金を稼げるかを競うノーマルモードや、少々毛色の変わったルールでのプレイが出来るバトルロイヤルモードがあったのだが、今作はシナリオモードしかない。
    • シナリオモードは、各大陸ごとの固有イベントをクリアしないと次以降の大陸に行けないため、前作以前には存在した攻略の自由度が失われている。
      • 特定の章を終わるごとにそこで切り上げて結果発表とすることも出来るのだが、物語仕立てになっている以上、それをやってしまうと尻切れトンボ感が強いため、せめてシナリオなどがないノーマルモードが欲しかったという声も多い。
      • シナリオを進めて大陸を踏破するスタイルのため、各大陸のつながりが一本道になっている箇所が多く、仮にノーマルモードなどが存在していても「次はどちらへ行こうか」という、双六における行動の自由度自体が比較的低いと言える(ワープである程度補ってはいる)。

総評

マシンスペックの向上によって演出面の強化などの恩恵を得られたものの、その代償のテンポの悪化がかなり強烈となってしまったため、ドカポンファンの中ではこの作品の評価は低めな所もある。
だが、その大幅に悪化したテンポを踏まえてなおこの作品の内容に魅力を感じるファンもおり、実際にこの作品が多くのファンが最高傑作だとする『ドカポン3・2・1』よりも好きだという本作のファンも少なくない。

ゲームテンポと一部やりすぎな要素によってゲームバランスが歪となってしまっているのは否めないが、元々ドカポン自体がそこまでゲームバランスを重要視するようなゲームかと言われると、そうとも言えない所もある。
ドカボンシリーズはいずれもゲームバランスに難があるため、一般的な目線から見ると名作に恵まれているとは言いがたい。しかし、さまざまな魅力でファンから愛されたゲームであり、そういう点では格闘ゲームの『THE KING OF FIGHTERSシリーズ』と相通ずる部分がある。

実際今までの作品でもバランスという意味では悪いと言わざるを得ない所が多く、特に今作で追加された恨み念法グッズに関しては、むしろドカポンの性質を考えればこの位はやってもやり過ぎじゃないだろうと言える内容になっている。
そもそも、プレイヤー同士の戦いともなれば恨み念法グッズが可愛いくらいのエグイ戦法は本作より前から繰り広げられていた訳で、それを一層強化するきっかけに過ぎないとも言えるからだ。

致命的なまでに悪いゲームテンポと言う点がこのゲームの評価を著しく下げているが、それ以外は何だかんだ言っても今までのドカポンのそれであり、少なくともクソゲーと断じられるほどのゲームではないと言えるだろう。
それ故に、友人とプレイする時は本当にそこそこで止めないと友情が終わる危険もあるので注意されたし。
やっているうちに所詮ゲームと割り切れなくなる妙な熱さがあるのが良くも悪くもドカポンシリーズらしさなのだから。