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ゼルダの伝説 大地の汽笛 - (2023/02/13 (月) 02:56:25) の編集履歴(バックアップ)


ゼルダの伝説~大地の汽笛~

【ぜるだのでんせつ だいちのきてき】

ジャンル ペンアクションアドベンチャー

対応機種 ニンテンドーDS
発売・開発元 任天堂
発売日 2009年12月23日
定価 4,571円(税別)
プレイ人数 【DS】1人(対戦モード時1~4人)
【WiiU】1人
セーブデータ 2個
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 なし
配信 バーチャルコンソール
【WiiU】2016年8月9日/950円(税8%込)
ポイント ゼルダ姫操るファントムと協力して謎解き
汽車の移動が非常に煩わしい
前作同様タッチペンのみの操作も残念
ゼルダの伝説シリーズ


概要

DSゼルダの2作目で、『夢幻の砂時計』の正式な続編。
前作から約100年後、テトラたちが無事に新ハイラル王国を建国したあと、かなりの年月が流れた後の世界を舞台とする。
そのためか、本作には前作の登場人物(の子孫)が数多く登場する。


あらすじ

モヨリ村でごく普通の生活をしていたリンクは見習い機関士の少年。
ある日、リンクは正式な機関士になる任命式のために城を訪れる。
城でゼルダ姫から任命書を受け取り、大臣の立会いのもと任命式は無事終わるが、リンクはゼルダ姫に「こっそり神の塔へ連れて行って欲しい」と頼まれる。
城を抜け出して神の塔へ行く途中、突然線路が消えて汽車は脱線。
そこには大臣キマロキと怪しい男の姿があった…。
(Wikipediaより抜粋)


本作の特徴

  • 基本操作は前作同様すべてタッチペンを用いるが、回転切りや弓矢の操作などが簡略化され使いやすくなった。
    • マイクを使う機会も増えており、新アイテム「疾風のプロペラ」や今作の重要アイテム「大地の笛」*1は息を吹きかけて操作する。
  • 移動方法が船から汽車に変わっており、同時にリンクが機関士という設定になっている。マップ上を移動するときは、汽車を自分で操作して運転する。
    • ギアは「前進」「全速前進」「停止」「後退」の4つで、他に分岐点の変更や汽笛を鳴らすレバー、砲台による攻撃などがある。
    • また、道中のイベントで貨物や乗客を乗せて移動することもある。
  • ゲームは「重要拠点である「神の塔」に登り、線路を復活させる石版を入手」→「復活した線路を使って汽車でほこらへ向かい、ダンジョンに行けるようにする」→「神殿を攻略して結界を張る」→「再び神の塔へ戻り石版を入手」…という流れで進行していく。
    • 終盤は「神殿を攻略してアイテムを取得」→「神殿のアイテムで神の塔の道を開き、石板代わりのアイテムを入手」→「最終ボス」となる。
  • 今作では最初から最後までゼルダ姫(正確には彼女の魂)と一緒に冒険をする。過去の作品でも一時的に行動をともにすることはあったが、冒険のパートナーとして最初から最後まで同行するのは今作が初めてである。
    • 今作のゼルダ姫はご先祖を髣髴とさせる明るく快活なキャラクターとして描かれており、トゥーンゼルダ特有のコミカルな雰囲気で多彩な表情や仕草を見せてくれる。
    • また、今作にはゼルダ姫と並ぶ他のヒロイン的存在のキャラクターは登場しない。
  • ゼルダ姫は物語冒頭で悪役に身体を乗っ取られてしまい、魂だけの姿になってしまう。
    そのため、何度も訪れることになるダンジョン「神の塔」では、前作で強力な敵として登場した「ファントム」に憑依することで、ファントムを味方として操作し、リンクと二人三脚で協力して謎を解いていくことになる。
    • ファントムの移動はリンクとは異なり、自動的にリンクについていく。タッチペンで移動先を描いて移動してもらうこともでき、この時に左下にある「よぶ」をタッチするとリンクについていく状態に戻る。
      • リンクについていく場合はファントムの足元の渦巻き状の印が青緑色になり、移動先に従って移動しているもしくは移動し終わった際は印がピンク色になる。
        また、2人が画面に映らない範囲で離れても、左下にあるリンクまたはファントムのアイコンをタッチするか十字ボタンの左を押すと画面が切り替わる。
    • ファントムはリンクが通れない溶岩やトゲの上を渡れるが、リンクが通れる砂場だと身体が重くて沈んでしまうので渡れない、というように性能に違いがある。
      場面によってリンクとファントムを使い分けて、複数のスイッチを同時に押したり、場所を交代するなどしてダンジョンの仕掛けを解いていく。

評価点

  • ファントムを操作することによる謎解きのバリエーションの増加。
    • 通常のファントムの他にも、炎を纏った剣で明かりを灯すことができる「フレイムファントム」、ワープができる「ワープファントム」、球化してブロックなどを破壊できる「アイアンファントム」が登場。
      終盤にはこれらのファントムの多彩な特殊能力を次々に使いこなす必要がある。
  • 「神の塔」のダンジョンは時間無制限、かつクリアした階はスルーできるようになった。
    • 前作の「海王の神殿」は同じ所を何度も行き来しなければならず、さらに制限時間まで存在していたことに不満が多かった。
    • もちろん、クリアした後も何度でも入ることができる。
  • 回転アタックと弓矢の操作が簡略化されるとともに、リンクが注目した物の上に↓のマークが表示されるようになり、わかりやすくなった。
    • 回転アタックについては、前作では下画面の端で小さな円を2回描く(正確には下画面のフチに2度触れる)やや複雑な操作だったが、今作では進行方向にダブルタッチするだけでよくなった。
  • 前作と違い、汽車のパーツを購入以外の方法でも確実に入手できるようになった。
  • イントロが印象的なフィールドBGMは評価が高い。
    • 汽車の走行音もBGMに合わせてリズムを刻んでおり軽快さを引き立てる。
  • 前作と違い、「ライクライク」に食べられない新たな盾「古の盾」を入手できるようになった。
    • また、入手後は初期の盾といつでも取り替えられるようになる。ただし、性能的に上位互換なので取り替えるメリットは特に無い。
  • 先述の通り、今作は前作の約100年後が舞台ということで登場人物のほとんどが別人となっている。
    • 「リンク」は見た目こそ相違ないが、前作や前々作と別人ということを配慮して声優が異なる。
    • 前作まで登場していたゴンゾは「シロクニ」という別人であり、リンクの師匠にしてかつてハイラル国随一の剣士と呼ばれた人物*2というポジションで登場。
    • もちろん今作初登場のキャラも健在。「キマロキ」や「ディーゴ」、「シャリン」様など。
    • 例外として「ニコ」は前作までのニコと同一人物である。ただし時の流れに応じて年老いてしまっている。
      • モヨリ村にあるニコの家には、昔の大海原の船に乗るニコが写る写真が飾ってある。
      • 最初に「機関士の服」を着用しているリンクが「みならい兵士の服」を着用してからニコに再会すると、ニコは「わしの 若い頃の 古い友人 に 生き写しじゃ ほんと 昔の事が思い出されるよ!」と言う。
    • 前作の名脇役であったラインバックはその孫である「ラインバック3世」として依頼人および汽笛のパーツを付け替えてくれる人物として登場。さらになんと一部ボイス付きでしゃべるという破格の待遇っぷり。イヤッハーー!!
  • ハイラル城には、テトラのステンドグラスがある。
    • またシャリンと初めて対面した際、ゼルダが「え?わたしの…ご先祖様(テトラの事)をご存知なのですか?」という台詞に対してシャリンは「うむ ばあ様が若かりし日この地にたどり着いた頃だからな」と会話する場面がある。
      本作は漢字で表記しているところをタッチすると読み方を確認できる機能があるのだが、このシャリンの台詞の 「ばあ様」をタッチすると読み方が「テトラ」 になる。
  • ゼルダ姫が相棒であること。
    • 歴代『ゼルダの伝説』の中で相棒となったキャラクターは数多いが、ゼルダ姫が(自身に降りかかる災難とは言え)リンクの相棒として務めるのは初。
      それまではさらわれ役、ストーリーの導き役であることが多く、リンクからは一線引いた立場であることが殆どだった。ゼルダ姫が最初から最後まで冒険を共にするのは本作くらい。
    • 彼女の立場上責任感が強く「一国のお姫様」感はあるものの、『風のタクト』『夢幻の砂時計』のテトラの玄孫(5代目の孫)ということもあり活発な面も表れるどころか喜怒哀楽が激しくカワイイ
      虫嫌いだったり復活する魔王の器にされると知ると全力で嫌がったり、テトラと違って女の子らしい一面も。
      • ちなみに、シャリンはゼルダがテトラの玄孫だということも知っており、「玄孫だというのに勝気なところは変わらんわい」と吐いている。
    • 彼女が乗り移っている時のファントムも何故かリンクの攻撃の当たり判定がある*3。やり過ぎると怒ってBGMが変わり「わたしを 怒らせるとどうなるか 思い知らせてあげましょうか!」と言われて反撃される。

賛否両論点

  • 汽車によるフィールド移動が非常に煩わしいという声がある。
    汽車による移動は本作の目玉システムであり、プレイ中の長い時間を占める要素である。しかし、問題が多いと見るプレイヤーが一定数見られている。
    • まず、運転方法が単純化されすぎており、基本的に駅での停車に操作を要する以外は常時ギアを「全速前進」に入れて放置でOKであり、「汽車を操る」楽しみは薄い。
    • また、加速は非常に速く、すぐに最高速度に達するが、その最高速度が目測では非常に遅い。「全速前進」でもまったく快適とは言い難いスピード*4であるため広いマップを移動するのに時間がかかる。
      移動速度を上げるアイテムや手段は後述の最終ステージを除けば無い。
      • 汽車なので、マップ上に元から線路が敷いてある部分しか移動できず、マップを自分で探索する楽しみもなくなってしまった。背景も単調で同じようなグラフィックの背景が延々続く場所ばかり。
    • だからと言って移動中に放置していると、定期的に現れ襲い掛かってくる敵を撃退できない。ダメージを受けてライフゲージが無くなるとゲームオーバーとなり、最後に立ち寄った駅まで戻されてしまう。
      • 敵はタッチで撃てる砲弾で倒せるのだが、攻撃手段は最終ステージまで一貫してこの1つだけであり、シューティングゲームとしては単純すぎる。貯め撃ち等もあっても良かっただろう。
      • 敵を倒すにしても難易度も*5あまり高くないため作業感が強いという声もあるが、もし難易度が高くなって貨物や乗客を乗せている場合はダメージによる煩わしさが倍増していただろう…。
    • マップ上には「ボンバー列車」という敵車両も登場する。リンクの汽車と同じく線路上を移動しており、衝突すると即ゲームオーバー。接近するとBGMが変わる。
      ゲーム後半には、強化版の「キラー列車」も出現する。こちらはマップにある線路の進行予定を変え、更にリンクの汽車が後方にあると前後を入れ替えて追跡してくる。
      • 5発砲撃を当てると爆発して一時的に動きを大きく鈍らせられるが、倒すことはできない。強化型は、砲撃を当てても一瞬止まるだけ。
      • いちおううまくボンバー列車を避けることができるルートを考えるというパズル要素はあるものの、なんとなく繰り返し挑めば偶然突破できてしまうというたぐいの妨害なので、ダンジョンの謎解きのようなクリアした際の達成感には乏しい。
      • ただし最終ステージでのみ、線路上にある「光のしずく」を取ることによって、普段よりも断然速い超スピードで移動してボンバー列車を正面から跳ね飛ばすことができるため、これまでの鬱憤を存分に晴らすことができる。
    • 中盤以降はマップ上をワープできるようになるが、指定の場所同士を繋ぐゲートが線路上にできるという形式なので、結局そこまで移動しなくてはならず、行き先も決められない上にゲートの数も少ないと制約が多い。
      • ゲートは増やすこともできるが、そのためには乗客やアイテムを別の街まで運ぶサブクエストを達成する必要がある。
        この乗客は「急停車・発車をしない」「標識がある場所で警笛を鳴らす」「駅のチェックポイントから車両をはみ出させない*6」などを守らないと減点となり、失敗すると最後に停車した駅からやり直しになる。
        つまり面倒な移動を楽にするためにワープをできるようにしたいのに、そのためには通常よりさらに面倒な移動を強いられるという皮肉なシステムになってしまっている。
    • ただし、景色を楽しんだり視界に入る障害物を砲撃で破壊したりと、汽車での移動に煩わしさを感じないというプレイヤーもいる。
      • 砲撃は敵に対して効果があるだけでなく、岩(海の大地ではタル)を破壊すればルピーが手に入ったりウサギを捕獲するというやりこみ要素もある。
      • また特に意味はないものの、砲撃は踏切警標といった看板から、空を飛ぶ鳥や海を泳ぐイルカにも砲撃できる。
        気球に乗って様々なアイテムを販売する「テリー」は、近くで汽笛を鳴らすと気づいて気球を降ろして店に入ることができる。
        しかしその際に気球を砲撃すると浮上して去ってしまうという、悪戯心のある機関士にとっては笑えるようなリアクションを見せてくれる。
      • また海上にたまに出現する「ベルクラゲ」は、砲撃を当てる度にルピーを入手できる。出現するとだんだん降下して海に入るといなくなってしまうが、砲撃を当てる旅に上昇、何度か砲撃を当てると分裂する。
        特に記録等が残ることもなくルピーが手に入ることを除けばメリットはないが、海に落ちないようにひたすら砲撃していくのも面白いかもしれない。
  • 汽車のパーツ交換の意味が乏しい。
    • やりこみ要素として、様々な「お宝」アイテムを集めると汽車のパーツと交換することができる。しかしパーツを変更しても、変わるのは見た目のグラフィック、汽笛の音色だけ。
      性能的に見れば一部シリーズのライフの最大数以外は一切変化が無い。
      • 尤も、性能的な違いが少ないからこそバランスが取れており、好きなパーツで汽車の行き来ができるというメリットもある。
  • 「お宝」の出現率はセーブデータによって異なるため、各ソフトで入手しやすいパーツ・しにくいパーツが出ることになる。通信交換・すれちがい交換でパーツを集めるのを推奨するシステムと思われるが、その環境がない場合は大変。
    • どのセーブデータでも全てのお宝を集められるのは良心的と言える。
  • 前作と違いハチを倒すことができず、ハチの巣を壊した場合は民家に逃げ込むか、一定時間逃げ続ける必要がある。
    • スタート直後のモヨリ村にあるハチの巣でいきなり倒れたプレイヤーも多々いたとか…。

問題点

  • DS後期にもかかわらず相変わらずボタン操作に対応していない。
    • 前作『夢幻の砂時計』でもっとも多かった不満点であり、今度こそはキーコンフィグで変更出来るだろうと期待したユーザーも多かった…のだが、残念ながら本作も前作同様のコンフィグ不可、タッチペン操作オンリー。
      ボタン操作は細かい点を除くとアイテムを構えるのと一時停止のみ。
  • マイクに息を吹きかける操作が頻繁にある。
    • キーアイテムである「大地の笛」はプレイ中そこそこの頻度で使う必要があるが、マイクに息を吹きかけなければ操作できない。
      ボタン操作等による代用は不可能なので、電車内等、公共の場でプレイする際には躊躇われる。また、息が続かずに演奏ができないという事もある。
      • 笛の操作法は、息を吹きかけて音を出し、タッチで笛をスライドして音を選ぶ実際のハーモニカなどに近い方式である。
        息を吹きかける操作自体にもコツを掴む必要があるため、苦手な場合は曲の演奏で詰まって先に進めなくなることも。
      • マイクに口を近づけると息を反応しやすくなるが、代わりに画面と目が近すぎてタッチ操作ができなくなるという問題がある。
        後半は音を1つ飛ばすテクニックが必要な演奏があるため、これまでのオカリナ演奏などに比べて難易度はかなり高い。
    • これに関連して、ストーリー中必ず立ち寄ることになる占いのババ様の家で''マイク認識時にフリーズするバグがある。
    • また、プロペラの使用も息を吹きかけるしかない。手に入るダンジョンのボス戦でも使うが、息に対して反応してくれず、ボスの攻撃を受ける事もある。
      • ボタン操作に対応させるだけで極端に改善されていたはずなのだが…
  • 最終ボスが拍子抜けする。難易度も高くないが、他にも行動等で拍子抜けする点が多い。
+ クリックして展開

本作の最終ボスである魔王マラドーは、最終ステージとなる「闇の世界」で3度に渡って戦うのだが…。

  • 1戦目は、魔列車の上でゼルダに憑依したマラドーをキマロキと同時に相手をする。
    • ある程度マラドーに近づくと赤黒色のレーザーを撃ってくるので、ゼルダが憑依したファントムに先行してもらい、ファントムがマラドーを捕らえると光の矢でマラドーを狙うとクリア。
    • まずレーザーがファントムだと防がれてしまうのはともかく、マラドーとリンクがファントムより離れてさえいれば、例えリンクがファントムの後方にいなくてもレーザーを防がれてしまうファントムに攻撃し続ける。
      • 通用しないと分かったのなら、このレーザーでファントムを狙うのは諦めて通用する方のリンクから狙って*7敵の数を減らすという判断ができないのだろうか?
        こうしてもリンクはファントムの後ろに隠れれば十分に対処できるため、難易度が激増するわけではないだろう。
    • また、マラドーとリンクがファントムより離れてさえいればファントムを狙う一方、リンクの方が少しでも前に出るとリンクを攻撃する。
      • 水平な足場でレーザーを発射している中、大きさが異なるリンクとファントムの距離を遠目からも把握する視力だけは妙に抜群である。
    • ファントムがマラドーを捕らえると、 バタバタしながら空中を浮遊するだけ という魔王らしくもない振る舞いの上、制限時間がない。キマロキが「復活はもう完全」と言っていたはずだが。
      • 光の矢でマラドーを撃てばいいのだが、ちなみにこの際、矢が無くなるとどういうわけか特に説明もなく自動的に補充される。
    • 実際、公式サイトの『シャリンの攻略講座』でも「しかし、やっかいなのは(マラドーより)むしろキマロキの方じゃな。」とシャリンが言っている。
      キマロキはゼルダが嫌いなネズミの格好をした攻撃をはっしてファントムゼルダの足を止め、さらには攻撃がファントムに当たると操られ、リンクを攻撃させてくる。
      • 攻撃はリンクが剣で切り払える。操られた場合はロコモの剣では太刀打ちできないので、背後のキマロキを攻撃できるブーメランを使えば解除できる。
        キマロキは何らかの手段で攻撃しても直ぐに消えてしまうので倒すことはできないが、攻撃すれば2秒ほど攻撃を中断させられる。
  • 1戦目でマラドーは光の矢を撃たれ、その衝撃で魔列車が完全崩壊。地上に戻ったリンク達だが、マラドーは光の矢の影響でゼルダの体から分離。ディーゴの犠牲を引き換えにゼルダは身体を取り戻す。
    その後、憑依の生贄を失ったマラドーは、キマロキを捕食して新たな形態へと変化。そこでゼルダは作戦として体に聖なる力を満たすことにし、リンクはそのゼルダを守るのが2戦目となる。
    「残サレタ時間デ コノ世界全テヲ 滅ボシテクレルワ!!」
    • まずマラドーの攻撃手段だが、口から燃えた茶色い弾を発射するだけ。
      • この時は一切ダメージを受けない*8体をしているのだから、その体で2人纏めて轢いた方がよっぽど手っ取り早いだろう。なお、この時他の攻撃をしない理由は説明されない。
    • ちなみに、マラドーの口から発射される弾をロコモの剣ではじくと、補給系アイテム*9のハートが出現する。なぜ魔王の体内から回復できるアイテムが出現するのだろうか?
    • なお、次第に攻撃が激しくなるのだが、ゼルダに当たってもまた力のため直しになるだけ。その時にマラドーの攻撃の激しさもリセットされる。
      ゼルダが攻撃されてもペナルティとしてリンクの方がダメージを受ける上、アイテムの薬を使用する場合は普段通りリンクだけが摂取するのにも関わらず、ゼルダはそのハートゲージさえあればいくら攻撃されても力尽きない。
    • ゼルダを守るのを終えると、その聖なる力と大地の笛でマラドーを…どうにかするため*10に、大地の賢者総出の演奏デュエットが始まるわけだが…
      • あろうことか、 演奏中でも一切こちらに干渉しない 。「残サレタ時間デ」と言ってた割に悠長過ぎる。
        「こんな体ではすぐ消える」と言っていたあたり、これが精一杯だったのかもしれないし、難易度は1戦目より上昇しているが。
      • ちなみにこのセッションに失敗すると、ゼルダから「心が乱れているのですね 落ち着いてください!」と励まされてやり直し。 何度失敗しても待ってくれる。
      • 「その聖なる力でマラドーを一時的に封じることができたのでその間に演奏する」とか、もっとしっくりくる流れもあっただろう。
        演奏時は背景が変わる為、一時的にバリアが貼られたりどこか別の場所に移っているのかもしれないが、説明はされない。*11
  • 2戦目で大地の賢者総出のセッションをしたことで、マラドーの背中に紋章が出現。そこを光の弓矢で狙って頭を斬るのが最後となる3戦目となる。
    • まず、攻撃手段が2戦目の弾の他、高速でスピン・目の前を手で払う・突進からの角突き上げの4つだけ。
      • 世界を滅ぼすほどの規模がありそうな攻撃ではなく、1戦目でのレーザーやディーゴを退けた際に繰り出した紫色の雷撃は、ここでは繰り出さない。
    • 本作の他のボスにも言えることだが、喰らっても受けるダメージが他の一般的な敵と同じ。
      • 角で突き上げるのはハート1つだけ、手で払うのと弾はハート0.5だけのダメージにしかならず、高速スピンに至ってはリンクが怯むだけでノーダメージ。
      • 本作の早い段階で登場するハチやクーリもハート0.5と見れば、如何にダメージが凡庸的なのかが窺えるだろう。
    • 光の弓矢で狙われるのが厄介なゼルダにも攻撃するものの、それにも関わらずダメージを受けない*12リンクからの挑発にまんまと乗る。
    • 実際にこの戦闘シーンを見ると、マラドーは単に吠えるだけなのが多かったりと妙に行動にグダグダしており、その光景はまるで 猫じゃらしにじゃれるネコのように見えてくる
      • 一応、外見上はネコ科猛獣に見えなくもないが。
    • 最後はマラドーは頭部を押し付け、リンクとゼルダはロコモの剣での押し合いになる。頭部が近いんだから、そこから炎を吐くなり両手を使うなり出来るはずなのに…。
    • 以上をもって、最終ボスにしてはどうも実力が怪しい魔王となってしまっている。本当に世界を滅ぼせたのだろうか?
      • 2戦目からは上記の通り「生贄になるゼルダの体が失われたため」と解釈できなくもないが、それだと2戦目が始まる際の上記台詞もただのこけおどしでしかなくなる。

総評

シリーズの例に漏れずダンジョンの謎解きの面白さは健在で、ゼルダ姫の憑依したファントムを操作するなどアクションのバリエーションも多い。
2Dゼルダとしての本質部分は流石の任天堂、良質な出来栄えである。

しかし一方で、タッチペン操作やマイク操作といったクセのある操作を強いるシステムは前作から据え置き。
そして「極めて退屈で面倒な汽車によるフィールド移動」といった、作品を楽しもうとするとどうしても付いて回る数々の難点が、本作の完成度と評価を下げてしまっている。
これらが仇となって素直に良作と断言できない、何とも惜しい作品である。


余談

  • 最終決戦前のゼルダとの会話の3択の選択肢により、EDラストのムービーがほんの少しだけ変化する。
  • 今作は『夢幻の砂時計』以上に値崩れが激しく、2010年の時点で1,000円を切ることもザラにあった。
  • リンクの先輩機関士がシロクニ、謎の男がディーゴ、大臣がキマロキ*13、神の塔の主がシャリン様と本作のメイン登場人物の名前は鉄道に由来するものが多い。
  • ファミ通で連載されていた大島永遠によるゲーム漫画『四姉妹エンカウント』の単行本1巻の表紙には本作のパッケージが映っている。