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スーパーロボット大戦R - (2014/05/02 (金) 17:34:32) の編集履歴(バックアップ)


スーパーロボット大戦R

【すーぱーろぼっとたいせんあーる】

ジャンル シミュレーションRPG
対応機種 ゲームボーイアドバンス
発売元 バンプレスト
開発元 バンプレソフト、エーアイ
発売日 2002年8月2日
価格 5800円
ポイント 難易度大幅低下
システム的な完成度は高い
オリジナル敵勢力は好みが別れがち
ストーリー上の都合によるクロスオーバーの少なさ
メガネ
スーパーロボット大戦シリーズリンク


概要

  • GBAにおけるスパロボ第2作目。
  • タイトルの「R」は「Reversal(逆転、反転)」という意味でありストーリーのテーマも歴史改変物なのだが、改変前のストーリーがなんとデキムのクーデターが成功しリリーナが処刑され、他作品も原作における鬱展開以上の事が起きているという凄まじいものであり、今作の評価を大きく分けるものになっている。
  • 初参戦作品は『劇場版 機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-』『真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ』『GEAR戦士電童』の3作品。
    • また『機動新世紀ガンダムX』が携帯機初参戦。
+ 参戦作品一覧

★マークは新規参戦、☆マークは携帯機初参戦。

  • マジンガーZ
  • グレートマジンガー
  • 劇場版マジンガーシリーズ
  • ★真ゲッターロボ 対 ネオゲッターロボ
  • 機動戦士Ζガンダム
  • 機動戦士ガンダムΖΖ
  • 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
  • 機動武闘伝Gガンダム
  • 新機動戦記ガンダムW Endless Waltz
  • ☆機動新世紀ガンダムX
  • 無敵超人ザンボット3
  • 無敵鋼人ダイターン3
  • 超電磁ロボ コン・バトラーV
  • 超電磁マシーン ボルテスV
  • 機動戦艦ナデシコ
  • ★劇場版 機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-
  • ★GEAR戦士電童(ギアファイターデンドー)
  • バンプレストオリジナル

特徴・評価点

システム

  • シナリオやバランスは賛否が分かれるが、明確に評価出来るのは前作『スーパーロボット大戦A』に比べてインターフェイスが格段に進化した事である。
    携帯機・コンシューマ問わず以後のスパロボ作品に受け継がれている要素が多い。
    • 戦闘デモやインターミッションのカット機能の搭載。
    • 敵フェイズの早送り。
    • 敵フェイズでのセーブ。
      • 敵フェイズセーブ以外はコンシューマでは導入されていたが、携帯機においては初めて導入されたシステムである。
    • 『A』では不完全だった援護システムが改良された。
      • 援護に入るユニットや使用武器を指定出来るようになった。
      • また合体攻撃にも援護攻撃ができるようになった。だが合体攻撃で敵ユニットの援護防御を無効化するテクニックは使えなくなった。
    • 精神コマンド「愛」の効果が変わった。従来は味方ユニット全員のHPを全回復するコマンドだった(それ故にシステムに慣れてくると使用機会がなくなる)が、今作からは従来の「奇跡」*1に近い攻撃的な精神コマンド*2へ変わった。
    • 武器の改造方式が個別改造から一括改造に変更された。
    • 周回引き継ぎも前のプレイのデータを引き継ぐことができるようになった。引き継がれるボーナスはユニットの改造段階、撃墜数、最終話クリア時点で持っている資金。
  • 携帯スパロボでは定番となりつつある特殊技能「撃ち落とし」の採用。劣化切り払いと見られるが、演出としては一級品。本作では特定のMSパイロットしか使用できないため目に掛かる機会が少ないが、『スーパーロボット大戦D』以降では使えるパイロットの幅が広がった。
  • 本作では主人公は男か女どちらか選択できるが、選ばなかった方はシナリオには一切登場しない。
    また搭乗機体も男女共に「エクサランス」で固定であるが、シナリオを進めて行くと射撃型・空中型・水中型と様々な形態に換装できるようになっていく。また最終形態は男女で外見が異なっている。

デュミナス

  • オリジナルの敵勢力「デュミナス一味」はキャラクター性、ならびに個々のシチュエーションに限って言えば好評。
  • 一言で説明すると「自分探しに耽るでかい目玉とそれにこき使われる幼女2人とショタ1人」という訳の分からない勢力。
    • デュミナスは何のために作られたのかわからない存在であり、失敗作と呼ばれ処分されかけたが、逆に抵抗して創造主を殺してしまい、以降宇宙を放浪している。
      失敗作扱いされた事から「過ち」に興味を持ち、あらゆるところで「過ち」を起こさせその何たるかを学ぼうとしている…はた迷惑な存在である。
    • 配下の3人(幼女2人と少年1人)の狙い澄ましたキャラビジュアルと言動は一部の紳士達に好評を博している。少年が混じっているがファンからは大抵「3人娘」「過ち姉妹」などと呼ばれる。
    • 最終話前における彼女たちの会話シーンは深い家族愛を感じさせるもので、涙なくしては見られないというプレイヤーも多数*3
      • デュミナス一味の設定資料が一般には出回っていなかったため、「3人娘を描きたいのに描けない」という作家も多かった。
        その後、『OG外伝』付属の設定資料集の中に晴れて設定画が(モノクロだが)収録されたため、資料皆無という作家泣かせの状況は一応脱している。
+ 最終話のネタバレ
  • 最終戦での彼女たち3人は弱ったデュミナスを支えるために全てを使い果たした抜け殻となっているため、撃破しても一言もセリフを発さずに死ぬ。悲しく、そして不気味な演出である。
    ただし抜け殻になっても能力はそのままなので、舐めて掛かると痛い目を見る。
  • 最終的に彼らは目的を果たせないまま味方勢力に皆殺しにされるという救いのない結末を迎える事となり、「自業自得とはいえいくら何でもあんまりすぎやしないか」という同情的な意見も多かった。
  • 男主人公ルートなら前述のミズホがデュミナスに「人間になるはずだった」と一応のレゾンデートルを与えるため、少しは救いがある(尤もあくまで推測であるが)。
    しかし女主人公ルートではラージがそのポジションなので気の利いた事は言ってくれない。尤も、こちらはこちらでデュミナスの境遇に同情した上で彼の行動とそれに至った考えの問題点を指摘している。

版権(特徴・評価点)

  • 御三家であるゲッターロボが初めてOVA版の『真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ』で登場したのは多くのファンを驚かせた。
    • 性能面で優遇され、原作再現がしっかりしていることもあり評価は高い。しかしその後の参戦機会にはあまり恵まれていない(『GC』及びそのリメイクである『XO』のみ)。
    • クロスオーバーでもそこそこ出番があり、特にゲッター線によってDG細胞が復活したというクロスオーバーは評価されている。
  • 初参戦の『GEAR戦士電童』はシナリオ・性能ともに優遇されている。
    • 主役ロボ・電童は後の『MX』では省かれた細かい技も実装している。また各形態のユニット性能差も表現され、状況に応じた使い分けができるようになっている。
    • そして最強機体であるフェニックスエールのEN回復(∞)のおかげでファイナルアタックが撃ち放題である。
      • しかし即座に回復するというわけでも無いので、基本は輝刃ストライカーやアカツキの大太刀の使える形態で戦いENが切れたら変形して回復、という戦法が強い。
    • ベガが搭乗する機体(というかバイク)のワルキューレが非常に強く*4、無双も可能。ただし宇宙では出せない。
      • ちなみにベガ自身もプルより少し高い程度のパラメータを持っており、セルファイターやセルブースターはほとんどモビルスーツ感覚で使える。
  • 前作では微妙な性能だったナデシコ隊も本作では大幅に性能が強化された。
    • さらにはパイロット全員にカットインが用意されていたり人気キャラ「ダイゴウジ・ガイ」が最後まで無条件で生存している点などもファンを喜ばせた。
    • 九十九がアルストロメリアに乗ったり、原作にはなかったガイ専用のスーパーエステバリスが新規設定されたりと、ナデシコ優遇の始まりとも言える。
      • ただ、スーパーエステバリスは射撃主体の機体で換装もできないので、格闘が得意なガイとは能力的に噛み合わないのがネック。
  • 『ガンダムX』系のユニットのバリエーションが敵味方合わせて非常に豊か。ユニットの種類数で言えば『X』初参戦である『α外伝』やスパロボ本流シリーズの1作目である『Z』すら上回るほど。
    • フロスト兄弟の後継機だが『α外伝』に出なかったヴァサーゴCBとアシュタロンHCが後半から登場。改修前・後共に合体攻撃も実装された。
    • 水中戦があまり起きないスパロボにおいて、(隠し機体とはいえ)レオパルドS-1ユニットの登場は誰も予測していなかった。
    • 更に地味なところであるが、コルレル・ブリトヴァ・ガブルの3人組やラスヴェートがパイロット付きで登場する点は、スパロボどころか『Gジェネ』シリーズをも超える扱いの良さである。
  • ガンダムエックス(GX)及びダブルエックス(DX)は、『α外伝』にあったサテライトキャノンの使用制限(月が出ていなければ使用不可)が無くなったため、元から強かった『α外伝』より更に使い勝手が増した(MAP兵器の射程に制限はついたが)。
    ルート次第でガロードにティファがサブパイロット化してニュータイプ(X)技能&Gビットが追加、DXにそのガロードを載せGファルコンと合体すればパイロット3人化&サテライトキャノンのターン数制限が減る等、反則レベルの強さを誇る。なお、最強武装の『Gビットサテライトキャノン(DX + Gビット4機のサテライトキャノン一斉発射)』は威力・性能・戦闘外見から非常に人気が高いが、本作以降で再現されたことは一度もない。
    • さらにDXとGXでツインGビットやツインサテライトキャノンなどの合体攻撃が可能。Gビットはチャージ制限も無いので非常に火力も高く使い勝手が良い。というかサテライトキャノンの合体攻撃が出来るなど、今作くらいなものである。*5
  • 『A』で多かった版権の壁を越えた会話やシチュエーションが今作でも豊富であり、火星で九十九を(自転車で)追いかけるギャリソン、原作同様恐怖に支配された銀河を諭すチボデー、(ダイターン3の)ソルジャーをかじるガルファの3バカ等、本作の明るい作風を構築する物が多い。

問題点

  • 『A』と『D』という名作に挟まれたせいもあって、『K』が現れるまでは同作が携帯機最低シナリオ作品と評されていた。『K』が現れた現在ではせいぜい中の下というところ。

版権(問題点)

  • 会話などの端々に推敲不足・ライターの知識不足が目立つ。以下は顕著な例。
    • ナデシコの艦長制度(メカニックの高度発展で艦長自身が与える影響が少なくなっている)での艦長選抜の際、ナデシコの会計係であるプロスペクターが、ブライト達に対して「本質的な意味での艦長は必要としない」と、逆撫でするような説明をしてしまう。
      一応、「オートメーション化が進んでいないガンダム系の戦艦ではまだまだ艦長が必要とされる」と弁解はするが、すぐに「現実を見てください。ブライト艦長とユリカさん、どちらのために死ねますかと問えば、若者はユリカさんを選びますよ」と火に油を注ぐ。そして以後フォローも無い。
      この後システムを利用されてナデシコを敵に乗っ取られ、「やっぱり艦長も大事」という結論に至る話なのだが、話の前振りとしては些か棘があり過ぎる。
      • 原作を知っていれば分かることだが、見ての通りプロスペクターが原作と全く違うキャラとなっており、やたらと周囲の神経を逆なでする守銭奴の嫌味なおっさんという描かれ方をしている。
        今作では登場しないアカツキやエリナの役割を担っているためと思われるが、嫌な部分が増えてしまった感は否めない。因みにアカツキの不遇な扱いは本作から始まっている。
      • ちなみに『逆襲のシャア』原作には「極めて危険な作戦を立案するも、部下達はブライトを信頼し命を預ける」という名シーンが存在しているため、本作のこの件は正に原作破壊としか言いようがない。
    • ジャミル自身のコロニー落としの告白の際の「私に比べれば、アムロの戦果など微々たるものさ。」という発言。この後「もっとも、私の残した戦果は、虐殺だったが」と続くのだが自虐というにしても、ジャミルのキャラではないと批判された。
    • 「コロニー落としでの被害者数がニュータイプにどれほどの心理影響を及ぼすのか」というシーンの際、カミーユが「俺もコロニー落としを感じた事があったけど、あんなのは二度とごめんだ」と発言する。
      しかし原作『Ζ』でのコロニー落としは地球ではなく月であり、しかも目標地点から180km離れた地点に落着するという明らかな失敗であるため、カミーユがこのような発言をするのはシナリオライターが原作を理解し切れてない証拠である。*6
    • 本編の時間軸では未来にあたる『劇場版ナデシコ』や『逆襲のシャア』の機体にTV版時代のキャラが乗るのだが、それが誕生したきっかけはミズホが未来世界で収集した機体データを、『ガンダムX』のキッド・サルサミルが無断で拝借して製作したためである。
      原作のキッドはメカニックとしてのプロ意識があり、当初ガロードを「ガンダム坊や」とバカにしていたぐらいで、同業者のデータを盗み見るようなキャラではない。
      なおこの際、『ナデシコ』のウリバタケと『電童』のドクター井上が共謀している。ウリバタケはともかく井上も止めようとしないというのは…。
    • ヒイロがマリーメイア派の篭るシェルターを破壊するシーンにおいて、ガロードがティファに頼まれてガンダムDXのツインサテライトキャノンで割り込んで止めた展開が問題視された。
      • デキムをリリーナもろとも殺すつもりでシェルターを攻撃するも、最後の一撃を放つ寸前に過去を思い出して狙いをずらし、奇跡的な穴の開け方をした…というのが原作の展開なのだが、本作では「狙いをずらした最後の一撃を放った後にガロードがサテライトキャノンをチャージし、ヒイロに銃口を向ける」という妙な展開になってしまっている。これもまた原作についての知識が足りていない。
    • 鉄也を見舞いに来た子供たちの花束を見たミナトが「安い花ばかり、きっとお小遣いをためて買ったのね」と発言する。言いたい事は分かるが言い回しが適切ではない。
  • 根本的な問題として、参戦作品の約7割が『A』と被っているため新鮮味が極めて薄い。
    • 『ネオゲ』『電童』『ガンダムX』『劇場版ナデシコ』以外の参戦作品は全て『A』にも参戦している。武装の追加や性能の変化こそあれど、戦闘デモもほぼ全て『A』の使い回しである。

オリジナル

  • 主人公たちは未来からやってきたという設定があり、歴史を変えないため版権キャラたちとはなるべく絡まないようにしている。そのため版権作品とのクロスオーバーが控えめ。また、言動に一部問題がある。
    • デキムのクーデターが起こる日(改変前の歴史ではそのままリリーナが処刑されている)の戦いの際、男主人公のラウルが「歴史の転換期を目の当たりにするってのは、感動ものだけど」という不謹慎な発言をする。
      • 女主人公のフィオナの場合、同じ場面での台詞は仲間を見捨てる事への罪悪感や後ろめたさであるため、ラウルの場合は自分達への皮肉と自嘲でこういう台詞になったと思われる。
        しかしラウルはそれまであまり皮肉を言うようなキャラではなかったため、「いきなり何を言い出すんだ」と感じたプレイヤーが多かった。
    • メカニックのミズホは人命救助を目標にしているという設定の筈が、序盤で基地が襲撃された際に犠牲になった連邦兵がいるにも関わらず、自分の造った機体の事しか心配していないなどの矛盾も存在する。
      • ついでにいうと、とあるアンソロで「危険なところへと向かうレスキューマシンなのに必ず中にパイロットを乗せる仕様にするよね(意訳)」とつっこまれていた。
      • ミズホは災害救助ロボを作りたいと思っているが、戦争をしている今現在にそんなものに資金を出す奴はいない(意訳)という嫌なリアリティがラウル編にて解説されているのでこちらはまだ擁護できなくもないが……。
    • ラージ・モントーヤ(主人公の幼馴染であるメカニック)の存在が著しく低評価。ファンからは「メガネ」呼ばわりされることも。
      • 前述のクーデター戦において、仲間達が必死で戦っている裏で「未来が変わると危ないから手を抜けor戦うな」と主人公に告げる場面は特に批判の的になった。本人としては当然の事だろうが、プレイヤーには共感しにくかった。
      • 尤も主人公は電童を守るために自ら盾になって機体を大破させる、決死のボソンジャンプをかけたアキトを救出する等、仲間の危機を見捨てる事はしなかったが。
      • ラージは動力源オタクであり、未知の動力に対して強い好奇心を示す。が、それが高じてコン・バトラーVを解体して分析しようとする。しかも素でそれが悪いことだと気がつかない。ギャグのつもりなのだろうが、一線を越えているため笑えない。
      • ちなみにコン・バトラーVの動力は、スーパーロボットには珍しく何の変哲もない原子力である。ライターの知識不足の現れだろう。
      • 女主人公の場合はメガネとの恋愛描写がちょくちょく挟まれるのだが、上記の通り人間的魅力が皆無なのでプレイヤーからすれば白けるばかりである*7
  • 男主人公の方は「最終形態はかっこいいが、BGMがダサい」と言われている。そして女主人公の方は「BGMはかっこいいが、最終形態がダサい」という逆パターンであり、消極的な意味でどっちを選んだらいいか困ってしまうプレイヤーもいた。後の『OG外伝』では改善されている。
  • デュミナスも全体的には設定が推敲不足。
    • デュミナスの正体が最後まで明言されることがなかった。前述の通りミズホの発言も推測に過ぎず、しかもその説は最後で一気に導き出される。プレイヤーは完全に蚊帳の外。
    • 主人公とデュミナスの関連が極めて希薄。他の携帯機シリーズだけを見ても主人公と敵との間には強い関連性があるのだが、本作の場合「地球圏で主人公たちが開発した技術をデュミナスがたまたま見つけ、利用しようとした」だけ。その距離感はバンプレオリというより別々の版権作品であるかのよう。
    • また行動自体悪い意味でやりたい放題で、最も酷評されたのが東方不敗関連。東方不敗の墓を発き、DG細胞を植え付けて無理矢理復活させた上でデビルガンダムの生体ユニットにするという、人道・道徳の点でも最悪の所業をしでかしている。ガイゾックよりも遥かに酷い。

仕様の問題点

  • 特殊能力「底力」による装甲増加が明らかに低い。従来のスパロボでは装甲が5%ずつ増えていくのだが、(最高でも)HP60%以下でしか発動せず、発動した段階で装甲値が+105されるという使えない仕様なのが原因。
    • その後はHPが10%下がる度に装甲値が+5される。
      • スパロボを知らない人のために説明すると、被ダメージが1000単位で飛び交っているところでダメージが500も減らないということである。ましてや+5では10ダメージ減るかどうか…。
  • 指揮補正が従来と違い、効果の高い結果ではなく指揮レベルが高い者の計算結果を優先してしまう。
    • 例を挙げるとレベル2の者と隣接(補正値12%)していてもレベル4の者が5マス先(5%)にいると後者が優先。
    • 次回作『D』以降では敵のみしか指揮レベル4の者はいないのだが、今回に限って戦艦のパイロットは指揮レベルが4まで上昇する。
  • UIは進化しているが、多少劣化しているものもある。
    • 『A』のエステ勢は出撃直前にワンタッチでフレームを変更できたのに対し、本作では戦闘前のインターミッションで事前に換装する仕様になっている。
    • 『A』の敵フェイズではL/Rボタンで援護の有無を変更できたが、本作では援護コマンドを開いて1回1回オン/オフにする必要がある。

バグ

  • 「エニルバグ」と呼ばれる致命的バグが存在する。
    • バグ内容は説得可能な敵ユニットの一つ「ジェニス改 エニルカスタム」が周回を重ねる毎に改造限界値を超えて強化されていくというもの。このバグにより、同ユニットが登場するルートは最終的にクリアが困難となる。
      • 本作は周回引継ぎで味方の改造が引き継がれるのだが、上記のユニットは敵から味方になるため、データを別に指定しておくのを忘れたと思われる。
      • 某有名匿名掲示板に降臨した解析者によると、(異様な量のクリアボーナスは必須なものの)ガンダムDXのサテライト・キャノンやコン・バトラー&ボルテスの合体攻撃を使えば一応撃退は可能な模様。彼らは必中を使えるので攻撃をミスすることもない。
      • また、精神コマンド「自爆」*8を使うといった荒業もあるので、(壮絶な下準備はいるが)計画的にプレイすれば積みを回避できる。
  • 隣接しているユニットがカウンター技能を持つパイロットの場合、カウンターが発動するとそのユニットに重なってしまい操作不能になるバグがある。
    • 実際に移動したのはユニットのアイコンのみで一見何も居なくなったマスを選択するとデータが残っており操作できる場合もある。

賛否の分かれる点

  • ストーリー上の試みとして新路線を切り開こうという意志は見える。「素材は良かったが、調理がまずかった」という評価をされることもあり、全部が全部ダメだったというわけではない。
    • 『機動武闘伝Gガンダム』は本編終了後の扱いで関連話は全てオリジナル。賛否両論だったがスパロボでこういった表現は珍しい(原作終了後は空気参戦になり易いため)。
      • その代わりデビルガンダムは終盤に敵側に量産されて大量に登場する。弱いのでたいした問題ではないが。
    • UCガンダムの地球連邦や『X』の新連邦といったガンダム系の政府組織ではなく、いわゆるスーパー系の味方組織である『GEAR戦士電童』の地球防衛組織GEARが自軍の中心になるという非常に珍しい試みが成されている。
      • これにより、今作では「敵の現れた地点に向けて基地から発進する」というスーパーロボット的な話の始まり方が多くなる。これまでは「アーガマやナデシコに乗り地球各所を飛び回る」という展開が多かったため、新鮮であるという意見がある。
    • スーパー系の再現も多く、前後の繋がりの無い単発話の多いスーパー系シナリオはなかなかスパロボでは再現されていなかったので、スーパー系好きからは評価されている。
      • 特に『ダイターン3』はコメディ要素が多く再現され、『R』でしか出ていない名有りメガノイドも数多い。また『グレートマジンガー』の生田信一郎など、前述した『ガンダムX』といい、レアなキャラが多いスパロボである。
    • このため自軍の戦いの戦争臭や重苦しさといった部分がかなり薄められており、全体的に明るい雰囲気のシナリオが展開されている。この手法やノリは後の『W』や『NEO』などにも引き継がれている。
      • ただしこの弊害としていわゆるリアル系の敵がただの「地球を狙う悪役」に見えてしまうため、リアル系ファンからは不満の声が出ることもある。
        特にネオ・ジオンは「首領ラカン・ダカラン率いる悪の秘密組織。アルタネイティヴ社を根城に世界征服を狙う」というノリがぴったり。
    • 『機動戦艦ナデシコ』の劇場版が初参戦。これ自体はいいのだが、序盤1~4話で原作再現が終了してしまい、しかもデュミナスの横槍で原作より悪い状況で終わってしまう。
      歴史改変をテーマとした本作ならではと言えるが、初参戦の劇ナデの再現に期待したファンはがっかりした。
      • タイムスリップ後の世界では当然劇場版のキャラは登場せず、TV版のストーリーが展開される。ただし劇場版の機体は終盤になれば使えるようになる。
        しかし劇場版アキトの機体であるブラックサレナは、ファンの間では「復讐鬼となったアキトを象徴する機体である」という認識が強かったためか、TV版のアキトがこれに乗るのは賛否両論だった。
      • 未来が変わったためにナデシコのキャラたちが劇場版の不幸な展開に陥ることなくハッピーエンドを迎えられたことを良しとするファンもいる。
      • またTV版のシナリオ面では、敵組織の木連の士官である白鳥九十九がアキトのお株を奪う大活躍をする。お陰でシナリオ面でのアキトの影は物凄く薄い。
    • 『ガンダムX』の敵・フロスト兄弟が様々な組織で暗躍するが、ネオ・ジオンや木連など人間側に鞍替えするのはまだしも、最終的に異星の侵略者であるガルファ(『電童』の敵勢力)に付いてしまう点は、やや展開に無理があるという声もある。
  • 周回で改造を引き継ぐこともあり、シリーズ全体と比較しても難易度がかなり低く、スパロボ経験者には物足りない。
    • EN切れを気にせず戦えるエステバリス、サテライトキャノンを持ち最後まで一線を張れるガンダムXなど、序盤から強力なユニットが多いというのも理由ではある。
    • 順当に強化していけば初見でも中盤以降リアル系が攻撃を貰うケースが殆ど無くなる。
    • ラスボスの異常なまでの弱さ。順当にゲームを進める程度の改造で、ステージ通して相手の攻撃は全て命中率0パーセントになり負ける要素は絶無なので、シリーズ最弱どころかあらゆるSRPGの中でも屈指の弱さを誇る。
      • ラスボスは数形態ある上に条件を満たさないと何度も復活するが、それを逆手に取られ次の周回に向けての資金稼ぎで何度も墜とされる。
      • 前のシナリオでのガルファ皇帝とゼロを同じターンに撃破する勝利条件の方がまだ厄介である。
    • ただ『J』、『W』、『K』など任天堂携帯機はどちらかと言えば難易度低めの作品がほうが多い。サクサクと進められるのでスパロボ入門としては良作であるとも言える
  • 上記のように、良い点・悪い点が極端であるため、「減点法だとクソゲー、加点法だと良ゲー」とも呼ばれる。良くも悪くもアクの強い仕上がりである。

総評

  • 難易度は低いなりにバランスが取れており、どの作品が著しく使えない、ということはない。
  • 今日に至る任天堂携帯機シリーズのシステムをほぼ完成させ、操作性・快適性を大幅に向上させた功績は大きい。

余談

  • 後に本作のオリジナルキャラが『OG外伝』に本格参戦(『OGs』でも僅かだが登場する)。味方側はラージの性格も多少改善されており、それなりに好評を博した。
    しかし救済を期待されていたデュミナス一味は改悪され、三人娘を愛する紳士達は悲嘆にくれた…がなんと、三人娘のあるキャラが生存しラウルと共闘するというサプライズが。しかも、エンディングではラウル達と暮らす事に。
    次回作である『第2次OG』にも登場し、一部ファンが歓喜した。
    • 『R』と『OG』の世界は並行世界で、両者は似て異なる別存在だとする説もあるので、デュミナス一行が『R』の設定で再登場するかもしれない。スパロボはシリーズ全体で並行世界設定を多用しているのでありえない話ではないが…。
    • 尤も、デュミナス一味は同情出来る点や家族愛などの温かみのあるキャラ造形があったとは言え、「自身のアイデンティティ確立の為に星を滅ぼす」「版権キャラの誇りを踏みにじる」などやっていることは外道そのもの。
      『R』ファン・アンチの双方から「デュミナス一味の救済は為されるべきではない」という意見も目立っていたことは留意すべきである。
  • 携帯電話(iアプリ)に移植されていたが、『スーパーロボット大戦モバイル』の配信に伴い入れ替わりで配信終了となった。