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テイルズ オブ ザ ワールド なりきりダンジョン3 - (2017/04/16 (日) 14:47:40) の編集履歴(バックアップ)


テイルズ オブ ザ ワールド なりきりダンジョン3

【ているず おぶ ざ わーるど なりきりだんじょん すりー】

ジャンル コスプレS-RPG
対応機種 ゲームボーイアドバンス
メディア 128Mbit+64KbitEEPROMカートリッジ
発売元 ナムコ
開発元 アルファ・システム
発売日 2005年1月6日
定価 5,040円
プレイ人数 1人
セーブデータ 1個
判定 なし
テイルズオブシリーズ関連作品リンク


概要

ナムコ(現・バンダイナムコゲームス)のRPG、テイルズオブシリーズの各作品のキャラクターが一堂に会するクロスオーバータイトル、『テイルズ オブ ザ ワールド なりきりダンジョン2』の続編。ただし内容につながりはあまりない。

前作の参戦キャラに加え、『デスティニー2』『シンフォニア』のキャラクターが参戦し、本作発売の少し前に発売された『リバース』から主人公とヒロインがゲスト参戦している。

戦闘システムは前作の「リニアモーションバトルシステム」を引き続き採用し、新たにシミュレーションRPGの要素も加えている。


システム

  • 戦闘システム
    • 戦闘システム自体は前作と同様だが、キャラクターたちを3人までのパーティに分け、それぞれをシミュレーションRPGのように目的の場所まで移動させ、モンスターと重なるといつも通りの戦闘に突入するというシステムとなった。
  • 料理システム
    • 1ターンに1回、持っている食材を使用し、HPやTP、状態異常を回復することができる。失敗することもあるが、使用するたびに成功率が上がっていく。アーチェやジーニアスなど、原作で料理の腕に関する描写があったキャラは、成功率にその影響が出る。

評価点

  • BGMの豊富さ。
    • 前作よりもかなり増えており、追加作品である『デスティニー2』『シンフォニア』のものはもちろん、『エターニア』の通常戦闘曲は原作に合わせ2曲になり、闘技場で各主人公と戦う際にはその作品に関する印象的なBGMが流れるようになっている。
  • 更に豊富になったナムコ作品ネタ。
    • コスチューム「和田どん」「和田かつ」の技「たいこのたつじん」を使用することで、各テイルズ作品のフィールドBGMや、『リブルラブル』などのナムコの名作のBGMでナムコのゲーム『太鼓の達人』が楽しめるようになっている。
      • ちなみに後にニンテンドーDSで家庭用『太鼓の達人』シリーズが展開していくのだが、ある意味この「たいこのたつじん」は後のDSシリーズへの布石とも言える存在かも知れない。
    • 「ドルアーガの塔」関連のネタも豊富で、原作主人公である「ギルガメス」やヒロインの「カイ」ラスボスの「ドルアーガ」のコスチュームも登場する上に、うち「ドルアーガ」は『ディスティニー』から術技の種類が本作独自の物に変更されているという力の入れっぷり。
      • 加えてクリア後の隠しダンジョンとしても「ドルアーガの塔」をモチーフにしたダンジョンが登場し、流石に全60面は無いがオリジナルを彷彿とさせるフロアの攻略法やアーケード版の物をほぼ忠実に再現したBGMから往年のファンはニヤリとするだろう。
    • 更に『ゼノサーガ』シリーズより「KOS-MOS」のコスチュームも登場。同コスチュームはボイスこそ無いが、「X・BUSTER」等原作を再現した性能で戦闘で活躍する事に。
  • 更に多くの敵サイドのキャラクターを操作できるようになった。
    • 本作では前作で登場した「ダオス」「セルシウス」「ワルキューレ」の3人に加えて、前作のボスキャラクターである「タナトス」や、エターニアから「シゼル」ディスティニー2から「エルレイン」&「バルバトス」、シンフォニアから「ユグドラシル」と原作で印象に残る多くの敵サイドのキャラクター達に加えて、本作オリジナルの「ボニー」&「クライド」まで使用できる。流石に隠しボスの一体は使用できないが。
      • しかも前作のダオス同様に敵専用だった「ジェノサイドブレイバー」や「エターナルファイナリティ」といった技も当然ながら使用可能である。
  • キャラクターの組み合わせにより何らかの効果を得られる「称号システム」。
    • 主人公とヒロインで「ラブラブ?」、ルーティとリオン、もしくはロイドとクラトスで「ひめられたかこ」など、原作を知っていればニヤリとさせられるものが多数存在する。
  • 非戦闘キャラクターもゲスト多数。
    • 『ディスティニー2』よりオリジナルのディムロスとアトワイトが特定のマップで登場している他、シリーズ初代作のGBC『なりきりダンジョン』の主人公コンビのディオとメルがなりきりショップの店主として登場、そして当時の最新作であった『リバース』から主人公ヴェイグとヒロインのクレアもゲスト出演するというサプライズも。

問題点

  • 主人公であるフリオとキャロの性格が前作と微妙に異なっている。
    • 前作の彼らとは別人であるため問題ないようにも思えるが、わざわざ変更する理由が不明であり、評価は芳しくない。
  • 移動システムがひたすら面倒。
    • 慣れるまでは障害物に引っかかるとそこで移動が終わってしまうといった仕様等があって満足に動けないこともザラで、慣れても今度は直感的な操作が出来ずにひたすら面倒という意見がある。
      • 今作はシミュレーションRPGを掲げているが、その移動システムに関してはシミュレーションRPG好きの人間からも不満意見が爆発している程で、これのせいでこのゲームを投げたという意見も少なくない。
  • 肝心の『デスティニー2』『シンフォニア』のキャラのグラフィックが適当。
    • 売りであるはずなのに、この追加作品のキャラグラフィックがやたらと粗い。また、なぜか『ファンタジア』のすずのグラフィックが劣化している。『エターニア』迄のキャラのグラフィックと見比べると完成度は一目瞭然で、彼等とパーティを組んで戦闘するとかなり浮いてしまう。
      • 特に『シンフォニア』は元々3D作品だからというのを加味してもあまりにも酷いという意見が少なくない上、開発期間の関係かPS2版で追加された秘奥義や術技も一切無い。
  • 相変わらず『デスティニー』からの悪役キャラクターが登場していない。
    • 本作では概要にもある通り、シリーズの敵サイドのキャラクター達も網羅しているのだが、容量の問題があったのかはたまたドットを打ち込む時間が足りなかったのか、何故か『デスティニー』からは一人も登場していない。
      • 『デスティニー』の悪役は他作同様印象的な技を持ったキャラが多い為、非常にもったいないと言わざるを得ないだろう。
  • やり込み要素が薄い。
    • 前作のボリュームややり込み要素に深みを与えていたボーナスアビリティ、修行システム、クエストシステムといった、やり込める要素が軒並み削除されている。
      • ただ、上述の隠しダンジョンや隠しボスの存在や、シリーズ本編同様の料理熟練度上げも追加されている事から、やり込み要素自体は全く無い訳では無い。
  • 戦闘システムが代わり映えしない。
    • 音声がクリアになったという点は評価できるが、それ以外は全く変わっていない。新しいアクションが取れるようになった訳でも、独自のシステムが搭載されている訳でもない。
      • ただGBAでは派手なアクションや複雑なシステムを搭載するのが難しかったかもしれない。また本作は戦闘よりキャラクターの共演を重視しているジャンルであるため、重要視されないことも多い。
  • 歴代キャラクターの性能格差が相変わらず強烈。
    • 前作からのキャラクターもスタンに強力な特技が幾つか追加された以外はほとんど調整されておらず、また、新規キャラクターに関して言えば物理戦闘メインの『デスティニー2』のキャラクターは軒並み強く、『シンフォニア』全般と『デスティニー2』の術メインのキャラクターは弱いと言われることが多い。
      • 特に『シンフォニア』のゼロスは最後に覚える技がそれこそ中盤で覚えてもおかしくないような術「イラプション」なのに、原作では仕様上ほとんどの術技がゼロスと共通であったクラトスの方は強力な術「ジャッジメント」であるなど同じ出典でも差が酷い。
    • 一方、フリオとキャロの衣装の場合は、単なる僧侶の下位互換でしかならなかった「ドクター/ナース」には成功すると詠唱無しで唱術が発動する「でんきショック」が追加されたり、特技が逃走系しかなく役立たずだった「あそびにん」にも「猪・鹿・蝶」等の技が追加されそれなりに戦えるようになったり、魔法使いと能力が被っていた「おどりこ」もクラースの如く精霊召喚に特化した性能に変わったりと、主に強化や差別化が図られた物が多く、歴代キャラとの性能差が顕著になる事に。
  • 一部キャラクターの性格改変
    • シリーズでも人気の高いボスであるダオスやバルバトスがしょぼい小物に踊らされるという点は批判を受けた。
  • リオンとジューダスはどちらかしか仲間にできない。
    • 一応フォローしておくと、主人公がなりきることで両者を同時に使用することはできる上に、登場するダンジョンでは某BGMをバックに二人が共闘を果たすという、ファン必見の演出も登場する。

総評

前作からキャラクターが多数増えたもののやり込み要素は多数減少してしまい、加えて難の多い移動システムやキャラクター性能の顕著なばらつき等、それ相応のフォローの乏しいままいたずらに風呂敷を広げ過ぎた故の粗が目立つ出来となってしまった。
良作と呼べるクオリティとは言い難いが、かと言って全く楽しめないほど崩壊している訳では決して無く、根幹の部分は前作の長所をしっかり引き継いでいる為、シリーズファンならば一度手に取ってみる価値はあるだろう。


その後・余談

  • 『なりきりダンジョン』シリーズは本作で終了し、以降はハードをPSPに移し『レディアント マイソロジー』シリーズが制作されることとなる。開発は本作と同じくアルファ・システムで、シリーズキャラクター共演という本作の特徴を受け継ぎながらも、大量のボイスやストーリーの強化など、GBAよりはるかに多い容量を生かした作風となっている。
  • 本作のTVCMは前作同様プロダクションI.G.によるアニメーションが使われているが、『デスティニー』のOPでハブられていたマイティ・コングマンが堂々と登場している事が原作を知るファンの間で話題になった。