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チャタンヤラクーシャンク - (2011/09/14 (水) 15:34:18) のソース

*チャタンヤラクーシャンク
【ちゃたんやらくーしゃんく】
|ジャンル|格闘ゲーム|
|対応機種|アーケード|
|発売・開発元|ミッチェル|
|稼働開始日|1992年|
|ポイント|格ゲーもう一つの顔|

**概要
-格闘ゲームは[[ストリートファイターII>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/414.html]]のヒットにより爆発的な流行を見せた。後に多くのメーカーが模倣し、猫も杓子も格闘ゲームになり、出せば売れる時代になって行った。
--そんな中、[[ファイターズヒストリー]]を開発したデータイーストがストリートファイターを開発したカプコンに著作権侵害で訴えられる事件があったが、データイースト側は「空手道を発展させた」システムだと反論。
--本作はその「空手道」の系譜を色濃く受け継いだ、スポーツ格闘を発展させた格闘ゲームである。
--登場キャラクターはモーションキャプチャーを使用しており、大変滑らかに自然な動きを見せる。
---必ずしも全てではないが。
--タイトルの「チャタンヤラクーシャンク」は琉球空手の型(演舞)の一つ。漢字にすると北谷屋良公相君。

**システム
-通常の格闘ゲームと異なり、キャラクター個性がない。主人公は白い胴着を着た空手家である。
--レバー位置に応じて構えが変わり、攻撃方法も変化する。全部で9種類あるため、9キャラを同時に使い分けると考える事もできる。
-ライフは数値制を採用。キャラクターには6マスのライフが設定されている。
--プレイヤーはライフ残機制。NPCはライフ制度で、プレイヤーは2~3連戦をこなした後、ステージクリアとなる。
-こちらの攻撃を相手に当てると技ありになり、ライフを1奪う事ができる。
--本作の特徴としてコンボ技を当てると相手を強制的にダウンさせ、1本を取る事ができる。
--通常の格闘ゲームは攻撃をする際は隙が発生するが、本作では攻撃をしながら防御する事ができ、防御をしながら攻撃もできるため、「硬直時間の隙」を突くのではなく「ガードの隙」を突くという攻略が要求される。
-画面端に移動すると場外になり、警告を受ける。2回警告を受けるとライフが1没収される。
--警告を受けた際は立ち位置が中央に戻されるため、仕切り直しを狙うためにわざと場外に移動するのも戦術。
--他にも攻撃を当てないでいても警告を受ける。
-難易度を「白帯」「茶帯」「黒帯」から選択可能。順に難易度が上がっていく。

**長所
-他の格闘ゲームにはない独特の操作感、攻略方法は本作のウリである。
--キャラクターの個性をなくす事でゲームバランスが整っている。
--複雑なコマンド入力も必要なく、あくまでもレバー+ボタン2つでこなしていくため、システムさえ理解してしまえば上級者と初心者の差が少ないのも特徴である。
-背景BGMは美しく、キャラクターのモーションも滑らか。
--キャラクターはプレイヤー・審判・敵NPCの三種類しかおらず、敵NPCは全て色違いだが色が変わると戦術を変えてくる。
--輪郭線が無く、独特の質感がある。

**短所
-出回りが悪い。
--このわけの解らないタイトルで格闘ゲームだと思う人は少なく、ミッチェルがそもそも有名メーカーで無い、キャラクターも少なく、現代の格闘ゲームに比べると必殺技も飛び道具も無いので地味である。
-「格闘ゲーム」としてのノウハウが生かせない。
--格闘ゲームと言うジャンルではあるものの、従来の対戦型格闘ゲームとは異なる祖先を持つ、収斂進化のゲームである。そのため、格闘ゲームと言うジャンル名がユーザーを選別してしまい、格闘ゲームファンからは格闘ゲームらしくない本作はややとっつきにくいものであった。
-ジャンプは出来るものの常人の範疇の高さしか飛ぶ事ができないので、左右を入れ替える事ができない。
--足払い回避用。
--そのため、ゲームを始める前の時点で1P側、2P側で操作体系に差がついてしまい、それが覆らない。本作の仕様上、他の格闘ゲームよりもこの点の差は大きい。
-BGMが少ない。
--対戦中は基本的に無音。その方が緊張感があって良いのだが。
---何故か画面仕切りなおし時に爆発エフェクトが入る。全体的にセンスがおかしい。

**総評
 空手道を皮切りに、多くの格闘スポーツゲームが作られている。本作はそれの集大成的な存在であり、キャラクターは一人しかいないものの、9種類の構えを切り替えてプレイヤーごとの個性を引き出し、対戦ゲームとしての存在価値を維持している。地味ではあるがバランスも整った、そつなくまとまった秀作である。