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パワプロクンポケット6 - (2013/07/17 (水) 02:18:37) のソース

*パワプロクンポケット6
【ぱわぷろくんぽけっとろく/しっくす】
|ジャンル|野球ゲーム|&amazon(B0000CGAE7)|
|対応機種|ゲームボーイアドバンス|~|
|発売元|コナミ|~|
|開発元|コナミコンピュータエンタテインメントスタジオ&br()(ダイヤモンドヘッドプロダクション)|~|
|発売日|2003年12月4日|~|
|定価|5,040円|~|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|「しあわせ草」「ワギリバッテリー」「ほるひす」初登場&br()シリーズ唯一まともに野球をやってる裏サクセス&br()イベント特化の「表」と育成しやすい「裏」&br()GBAパワポケの完成形にしてストーリーの転換期&br()賛否両論となる「パワポケシステム」&br()カイジ|~|
|>|CENTER:''[[実況パワフルプロ野球シリーズリンク>実況パワフルプロ野球シリーズ]]''|~|

#contents()

*概要
-本家とは似ても似つかないシナリオや彼女、サクセスで人気を集めてきた[[パワプロクンポケットシリーズ>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/409.html]]の6作目にしてGBA版の第4作。GBAのローンチタイトルの一つでもある。キャッチコピーは「おもしろゲームがどっさり!」。
--「パワポケシステム」が初登場。アイテム持ち込みと裏サクセスの登場などを行える。
--本作はタイムパトロールの主人公が時間犯罪者を追いつつ零細工場を救う「表サクセス」と借金のカタに連れ込まれたしあわせ島の労働を描く「裏サクセス」がある。

**ストーリー
--「社会人野球編」&br()主人公はタイムパトロールであり、時間犯罪者を追ってこの時代にやってきた。&br()今回の時間犯罪者が狙うのは、近い将来エネルギー問題を一挙に解決する「ワギリバッテリー」を開発をする和桐製作所。時間犯罪者から守るために入社する主人公だったが、和桐製作所は借金経営で今にも倒産しそうだった。時間犯罪者から守るため、会社の野球チームと仕事と奔走する。
--「しあわせ島編」&br()和桐製作所の存続をかけた試合に負け、主人公は借金のために、謎の組織『BB団』によって運営される強制労働施設「しあわせ島」に送られてしまった。スポーツチームも所持しているBB団で野球班に配置された主人公は、毎日限界まで行われる強制労働に日々気力を削り取られていく。&br()しかし和桐製作所を再建するため、野球班の仲間と共に島を脱出するための機会、そしてBB団の秘密に迫る。

*評価点
-GBAパワポケの中では野球パートがほぼ完成されている。
--[[実質アクション野球の最終作の『7』>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/1547.html]]の野球バランスが残念過ぎるせいもあってか、本作を評価する声もある。それでも甘い所もあるが。
--ゲームバランスとしても表サクセスは和桐製作所を立て直す試合までは易しめだが、「裏野球大会」の完全クリアとなるとシリーズ屈指の高難度という幅広いバランス。

-やはりBGMの評価は高く、試合曲は表も裏も高評価を受けている。

-ストーリーも面白愉快な仲間達のライトなノリと、表サクセスは「借金を巡るやくざとの交渉」、裏サクセスは「ドーピング麻薬での人体実験」「現地住民と借金した人間を労働させる非合法組織」などのダークさが織り交ざってパワポケ節を形成している。
--敵も「時間犯罪者として扱われているが、和桐製作所が作ってしまうバッテリーで戦争の激化で破滅する未来を変えようとする科学者」「裏切り者のまがい物として作られオリジナルへのコンプレックスを抱えて悪意を世界にばら撒くロボット」「人類の行き詰まりに悲観して罪を背負ってでも人類を前進させようとする軍人」など深みのある人物が多い。

-表サクセスのノリは「借金を返済するメドを通すために野球勝負を仕掛ける」というモノ。大帝国キラーズ戦まではこちらがリードしてるか同点から始まるためクリアはしやすい。
--その後は「裏野球大会」としてドーピングしてパワーアップする老人チーム「光圀インローズ」、『3』の味方チームだった「火星オクトパス」、裏サクセスに登場する「ブラッドバタフライ一軍(難易度はパワフル)」 そしてパワポケ屈指の強敵「USスーパースターズ」との熾烈な試合がある。優勝しなくても目的は果たしきっているが、表で強めの選手を作りたければ避けては通れない。
---USスーパースターズは裏サクセスでも戦える。こちらの方が撃破しやすい。
--なお裏サクセスは「借金返済の試合に敗北して借金のカタに島送りにされた」というBADENDのアフターとなっている。そして正史である。

-仲間キャラは『[[パワポケ4>パワプロクンポケット4]]』から再登場した山田の他、車マニアの三船、変態の兄に振り回される野球経験者の弟の智林兄弟、出稼ぎ労働者のカビンダ、おまわりさんの守田、サイキッカー捕手のゆうまくん、沙耶を攻略する際についでに仲間になる貴田、後にナマーズパークのナマピーとしてイケメンとして成長するマザコンの村山、中盤までは敵対してたものの裏野球大会前に助力してくれる奥野などどこか変な奴らだが、憎めない側面も持っていて印象深い。
--裏サクセスでは「小杉優作」や「倉刈仁志」が落ちぶれて再登場。最初はマイナス得能を持っていてモブより使いにくいがパワーアップさせることで頼りになる人物として覚醒する。『4』のライバルキャラ「布具里(ふぐり)」も再登場し、背景描写の掘り下げや下ネタ度のパワーアップなど印象深いキャラとして飛躍を遂げてしまった。

-本作では『4』からの再登場キャラの印象が強く、表の相棒メガネは『4』から引き続いだ山田で、彼女候補として島岡希美が整形して再登場する。
--またイベントでのちょい役だが、『4』での彼女キャラ・天本が登場。希美に結婚の報告に来た他、山田との驚愕の関係を匂わせる。なお本作のプロフィールで天本は「引退」したと明言された。

*賛否両論点
-本作で初登場したパワポケシステムの存在はシリーズ通しても賛否両論。
--育成するために前準備が必要な事と強い選手を作るために選手を作る本末転倒さなど。
--また本作ではパワポケポイントを大量に入手するには育てた選手をパワポケポイントに変換する必要がある。これをするとアルバムやプロフィールが登録されず面倒臭い。
--本作では「目的を終えて未来に変えるためにコールドスリープする事を決断する」という事でパワポケポイントを作れる。一部の彼女候補がBADENDになったりアルバム登録には心を鬼にする事も大事。

-ストーリー的に本作で名前だけでた「ワギリバッテリー」と、ドーピング麻薬として登場した「しあわせ草」が今後のパワポケに深く関わり、また客観的に見ても多くの人々の人生を滅茶苦茶にした存在である事から賛否が分かれる。
--特に『10』では両アイテムが最悪の形で使われており、以降のシナリオを硬直化した批判する人も少なくない。
--今までの主人公は(サイボーグに無理やり改造された3主人公のようなのも居たが)基本的には普通の人間ではあったが、本作の主人公はタイムパトロールという背景的には異質な存在でもある事からストーリーの転換期であったと考える人は少なくない。
---しかし戦闘能力の高さや借金を取り立てに来るやくざ達への反応、ヘルガや彼女候補に見せる大人な側面を評価する声もある。

-表サクセスでの選手育成が歴代でも厳しい。
--これは平日と休日を行き来するシステムを含めても2年目の半分でシナリオが終わってしまうため、ターン数が少ない事も原因にある。
--裏サクセスでは強い選手が育てやすいが「プレイルーム」でのサイコロの目押しが出来るか否かで入手できる特殊能力が大幅に変わってしまう。
---ニコニコ動画のTAP動画(クイックセーブを使ったプレイ動画)では、オールAを目指すために商店街のドラッグストアでしあわせ草を大量に買い込んでいる。裏を返せばそういうプレイでもないと表ではオールAは不可能。

-裏サクセスは試合・イベント共に運が絡む。
--試合は最後まで主人公しか操作できない。だが仲間評価を上げきれば誰もが強くなるうえ、最後の「USスーパースターズ」の試合前には選択肢次第でBB団に捨て駒扱いされたと勘違いした仲間達を煽って好調に出来るので表サクセスより倒しやすい。
--イベントも仲間や村民・ヘルガとの交流が起きるかどうかは完全にランダムであり、発生しても最後まで進まない可能性もある。
---裏を返せばイベントを起こすためにうろつき等をしなくても済むということなのだが、終盤のメカ亀田&としおくんルート分岐が起きるかどうかもランダムなため賛否両論。

-また「条件を満たせば確実に盗塁が出来る」というバグめいたテクニックがある。これを使いこなせば表の裏野球大会でも勝率が上がる。

-本作はコロコロコミックで読者公募のキャラを起用している。「漁火剛(いさりびつよし)」と「ほるひす」がそれである。
--漁火はデザインは良いのだが地味。「発火能力者」であり展開次第ではテロリストになってしまう。彼と主人公の対話で「未来に超能力が認められていること」が発覚し、それが『10』でのカズや五十鈴を初めとした超能力者の台頭に繋がった事は賛否が分かれる。
--ほるひすは当時、幼児の人物によって描かれたキャラだが原画そのままゲームに出ている。普通の人間には全く見えない事を主人公に驚かれているが、和桐製作所を支える有能な人物であるらしい。
---ほるひすはスタッフに気に入られたようで、後のシリーズのおみくじミニゲームでお役立ちアイテムとしてたびたび登場。「14」では和桐製作所に入社して巫女のバイトをしていた浅井レンがおみくじを「自社の新商品」と呼んでる事から和桐製作所で作っていたかもしれない。
---更に『実況パワフルプロ野球2013』のおまけソーシャルゲーム『パワスタ』では、パワポケからのゲスト参戦キャラとして凡田・大神・荒井三兄弟・アルベルト・アンヌに並んでほるひすが登場。未だに愛されている模様。

-和桐製作所のワギリバッテリー開発を阻止しようとする時間犯罪者の逮捕がランダム。
--「木岡鈴音」を彼女にして彼女の言動の矛盾を付く事で、鈴音の周辺に居るとある人物が犯人である事が発覚。確実に逮捕する事は出来る。
--だが鈴音を彼女にしない場合は、1・3でプロペラ団を追っていた「大谷記者」の協力を取り付ける必要があるが、彼と出会えるかはランダム。逮捕すると多量の経験点が得られるため育成にランダムが混じる。
---なお鈴音を彼女にせず大谷記者と協力して捕まえるルートでは犯人はシルエットのみで襲いかかってくるため正体はわからない。だがこの時に残す「お前は間違っている」「あんな未来認めるものか」という彼の捨て台詞は後のシリーズで共感できるモノとして伏線回収される事となる。
---また正史ではこの犯人は捕まっていない。だがワギリバッテリーの開発は『3』の彼女候補の寺岡薫が『8』で和桐製作所に入社して成し遂げている。ワギリバッテリーでの世界の混乱に和桐社長も心を痛めている一方、犯人もまた目的を見失ったまま未来にも帰れず世界の混乱を見つめていることが『11』『13』で判明する。
---『11』での姿から[[パワポケのアンサイクロペティアのページ>http://ja.uncyclopedia.info/wiki/%E3%83%91%E3%83%AF%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%AF%E3%83%B3%E3%83%9D%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA#.E5.88.A5.E3.81.AE.E6.AD.A3.E7.BE.A9]]では「シリーズの良心」「彼を悪と決め付ける人は7の黒野博士の名台詞(正義の反対は別の正義)を覚えよう」と言われている。

-表で出来るミニゲームがおみくじとゴキブリとウンコ。
--おみくじは普通だが、他二つは読んで字の通りである。やたらリアルなゴキブリ退治の縦STGと、うんこをよけながら走るミニゲームである。
--ゴキブリは11裏サクセスなどで更にパワーアップする。パワポケスタッフはゴキブリのリアルさも追求し続けて行った。

-裏で出来るミニゲームはギャンブルと、メカ亀田戦・ガンダーロボVS南海のとしおくん戦。
--メカ亀田ととしおくん戦は条件を満たすと最後に行えるイベント。クリアすればBB団を壊滅させることが出来る上に経験点をもらっていける。
--メカ亀田は『[[ゼルダの伝説神々のトライフォース>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/239.html]]』のボス・アグニムとの戦いをパク……オマージュしたゲームでメカ亀田の攻撃をくぐりながらバットで光球を跳ね返すゲーム。
--ガンダーロボVS南海のとしおくん戦は、『[[がんばれゴエモンシリーズ]]』のゴエモンインパクト戦を彷彿させる。負けるとゲームオーバーなので無傷は難しいが、『12』ではとしおくんの死体を回収した遺伝子から作られたドラゴがパカーディをメロンパンにすべく襲い掛かってくるなど正史である。

**彼女候補
-本作では好感度が高い状態でデートを終えた時に「pawa」という名前のホテルが背景で別れることが多い。相手が女子高生であってもホテルpawaへ向かう事がある。
-「和桐沙耶」は和桐製作所の社長令嬢で女子高生だが父親との折り合いは悪い。仲間キャラとなる貴田をデートごっこで振り回していたりするが主人公には好感を持って接する。ホテルpawaへも行く。未来へ帰ると夜の女になる。
-「蕪崎詩乃」は神社の巫女さん。彼女と本当の意味で打ち解けるには序盤に話しかけない事が必要。これは後の裏サクセスでも「ウタノが出たら話しかけない」という事がデフォルトになる。
-「島岡希美」は『4』から引き続き登場するが整形手術をして痩せている。本作の野球超人伝保有者。
-「菊池瞳」はスナックのママ。彼女も攻略しやすいキャラであり、表サクセスで安定して育成するための安牌という評もある。
-「木岡鈴音」は敵チームのヤクザの娘。箱入り娘のお嬢様で大和撫子。彼女を遺して未来へ帰る時の「強い女だから忘れない、弱い女だから忘れられない」は名言。
--また前述したように彼女の周辺に時間犯罪者が存在するため、鈴音を彼女にすることで確実に犯人を逮捕する事が出来る。
-「秋本彩」は和桐製作所の事務員。眼鏡をつけているが外すと可愛らしい。
--必須イベントのほぼ全てがランダムでエンディングまで持ち込むには多大な運が絡むうえにEDがバッド含めて4つある。パワポケ屈指の「ランダム女王」とも言われている。だが眼鏡を外すと可愛い。
-裏サクセスの労働者は基本的には男性だらけなので攻略は存在しないが、所長の女軍人「ヘルガ」と交流を持つ事が出来るほか、リフレッシュルームの「''メスヤギ・まさこ''」を彼女にすることが出来る。
--メスヤギはリフレッシュルームの中でも最も気力回復に使いやすく、使うと主人公がスッキリしたデレ表情で向き合う。もっともホテルpawa的なアレをメスヤギで晴らしているのだろうと推測される。
--「ヘルガ」は人類の未来を憂う女軍人。労働者を見せしめに処刑するなど残酷な側面もあるが、彼女から本を借りて率直な感想を伝えることなどで内部で好感度が上がる。労働者のストレスを発散させる運動会の時にフォークダンスやキャンプファイヤーがあると思っていたなど可愛い側面もある。
---彼女と交流を持つことでしあわせ島壊滅後に主人公が面会にやってくる。その際、ファンタジー系で人が安易に蘇る話を嫌っている事などを話し、主人公は「彼女は最後まで軍人」である事を確信する。その後、魔女と呼ばれ処刑された模様。
---悲劇的な側面も多い人物だが、後の作品でも裏サクセスとして登場。仲間想いな側面を持つことも度々あり、救われる結末も多い。
---また彼女からBB団の真相を聞いたうえでとしおくんルートに入った際に発生する、主人公がヘルガの思想を真正面から否定するイベントは熱い。&br()ある意味彼女イベントのラストなので、運が非常に絡むがぜひ見ておきたい。



*総評
GBAパワポケの到達点でありながら、「タイムマシン」「しあわせ草」による専門用語の追加など転換期の一作。&br()
それでも「なんでも野球で解決する」というノリはシリーズの中でも屈指であり、「野球してないはずなんだけど野球好きが頑張ってる」感は歴代でも高い。&br()
結果的にパワポケシリーズで零細工場とはいえ一企業に就職した社会人が草野球をしているというシチュエーションは本作のみである。&br()
次回作の野球パートがアレな事もあってか、GBAパワポケの最高傑作に上げる意見も多い。&br()

**余談
本作に登場した和桐製作所は、しあわせ島から帰ってきた主人公によって落田を伴って復興している。その後『8』では『3』の彼女候補・寺岡薫が入社しておりワギリバッテリーを開発した事が語られ、その後にテロで死亡している。『12』の彼女候補の浅井レンは薫を尊敬しており和桐製作所に入社したが『14』では山田によって経営は上手く行っていない事が語られている。&br()
後のシリーズでも生き残ってはいるものの、波乱の運命に巻き込まれた街工場であるといえよう。