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グランディアIII - (2020/09/07 (月) 15:43:27) のソース

「[[修正依頼]]」が出ています。対応できる方は宜しくお願いします。
主観的なツッコミや大仰な表現は推奨されないため程々にして下さい。
//太字強調に関しても多すぎるという指摘があるため必要最低限を心がけてください。
*グランディアIII
【ぐらんでぃあすりー】
|ジャンル|RPG|&amazon(B0009MZ1VW)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|発売元|スクウェア・エニックス|~|
|開発元|ゲームアーツ|~|
|発売日|2005年8月4日|~|
|価格|7,980円(税5%込)|~|
|配信|ゲームアーカイブス&br;2015年1月21日/1,200円(税8%込)(2018年1月19日''配信終了'')|~|
|判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|
|~|BGCOLOR(khaki):''シリーズファンから不評''|~|
|ポイント|&color(blue){''2005年クソゲーオブザイヤー次点''}&br;''悪い意味で「歴史に残るRPG」''&br;棒読みなキャラクター達&br;電波なシナリオ・問題児揃いなパーティ&br;途中から崩壊する戦闘バランス&br;自画自賛甚だしい監督&br;トップ全員が腐っていた&br;|~|
|>|>|CENTER:''[[クソゲーオブザイヤー関連作品一覧>KOTYゲーム一覧]]''|
|>|>|CENTER:''[[グランディアシリーズリンク>グランディアシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
「''歴史に残る映画があるように、歴史に残るRPGがある''」というキャッチコピーを引っさげ、その完成度の高さから多くのファンを獲得した『[[グランディア]]』(以下『I』)。~
本作品は2002年の『[[グランディア エクストリーム]]』(以下『X』)で一度途絶えていたシリーズの続編にあたり、グランディアの名を冠す作品としては実に3年ぶり、ナンバリングタイトルとしては5年ぶりの新作に当たる。~
//しかし、シナリオや演出・戦闘システムの質があまりにも酷く、シリーズファンを大きく裏切る出来栄えと化してしまった。
//概要と言うよりは評価の話なのでCO

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**問題点
***シナリオ
-''電波''の一言。具体的には表現や説明の不足から来る不可解なシナリオ、非常識な行動や整合性・説得力に著しく欠けるキャラクターなどの難点が突出して目立つ。
--特に物語の要であるはずの「物語の途中経過の描写」や「登場人物の心情を汲み取るための背景情報」が''総監督の脳内でのみ自己完結している''と揶揄されるほどに少なく、あらゆる説明を放り投げて結果だけをいきなり描くという飛び飛びの展開ばかり。
---それでいて、そういった過程があってこその見せ場でだけは、ここぞとばかりに豪勢なムービー等での演出が多く、余計に展開の飛躍ぶりが際立っている。理解のための情報さえ手元に無いプレイヤー側は感情移入するどころではない。
---泣かせようとしていると思しきシーンも、熱くさせようとしているのであろうシーンも、悉く''何らかの電波を受信しているようにしか見えない''…とされるのはそのためである。シナリオ制作においてやるべき事とやるべきでない事が逆だったとも言える。
--何よりもシナリオを進行するキャラクター達に''非常に''問題が多く、没入感も大幅に阻害されてしまう。
---個別の詳細は後述するが、大雑把に言えば''キャラクターの性格や振る舞いが揃って非常識''なのである。むしろ常識的なキャラや納得できる展開の方が極めて少ない有様。
---しかも性質の悪い事にそういった部分に限ってしっかり%%無駄に%%筋道立てて描写されており、時にはそれらがまるで美談であるかの如く持ち上げられる事もある為、倫理的なおかしさに苛立つ事もある。
--台詞などの表現に至っても「夢」「信じる」といった、響きだけ綺麗な漠然とした言葉が多々出てくる。特に「愛」は説得力を持たせる過程の一切を省いているにもかかわらずやたらと多用されるため、ただただ押し付けがましい。
--挙句「あのシーンはどういうシーンだったんだ…?」「あのキャラどうなったの? 何だったの?」といった疑問は作中では明かされず、後々攻略本の監督インタビューで判明する。だがその設定すら''監督自身の脳内解釈と揶揄されるほどひどい矛盾にまみれており、解答として機能していない始末。''
--特定の場面についての下調べや考察すらしてないと思える要素もいくつかあり、フィクションやファンタジーといったジャンル云々以前に不自然なシーンがある。

***キャラクター
シナリオを電波とする主な要因が以下に挙げるキャラクター達。

-''(頭のネジが)トンでる主人公・ユウキ''
--本作は「飛行機に憧れる主人公・ユウキの冒険物語」であったはずだが、''最後までプレイしても結局冒険のぼの字も感じられない''。その飛行機についても基本的に他力本願。常識や礼節も根本的に欠如しており、傍若無人を通り越して電波の域に達している。
--例1:物語が始まって早々、主人公の親友である飛行機職人の作りかけの飛行機の翼を勝手に切る→当然咎められる→「これで機体が軽くなったろ?1キロは伸びるぜ、航続距離」と悪びれもせずに言い放つ((飛行機の翼は機体を浮かばせるための空力の発生に多大な影響を及ぼすため、当然その辺を考慮に入れず切断すれば、軽量化の効果以上に航続距離が短くなるのは自明の理である。実例を1つ挙げると、日本軍の零戦は派生型の中に「最高速度を高めるために羽を1m切ったら100㎏以上軽くなったが航続距離が三分の二になった」という機体がある。))((さらに補足すると、このシーンで作っている飛行機は「海を越えることを目的とした飛行機」であり、飛距離が1km伸びたところで特に大した影響は無い。))。
---製作には主人公も協力するはずだったのだが、それをサボって親友1人に製作を押し付けブラブラしていた挙句、フラっとやって来てのこれである。
--例2:初めて出会った赤の他人(伝説と謳われる有名な飛行機職人)に''タダで''飛行機が欲しいと頼む→当然断られる→しつこく頼んだ末に作ってもらう→即墜落。
---要求からして絶句モノだが、敬語の一つも使わないばかりか頭さえ下げない、そのくせ自分の主張だけはゴリ押すという開いた口の塞がらない尊大ぶり。もはやケンカを売っているとしか思えない。
---墜落した経緯に関してはある程度仕方が無いことだったとは言え、職人の厚意を台無しにしてしまった事に変わりはない。ここで少しでも常識があれば職人に詫びるものだが、それどころか更に横暴な行動を取る(下記)。
--例3:その職人が飛行機が作れる状況ではない時に再びせがみ、怒りを買って殴られるが、''逆ギレし「見損なったよ!」「そんな腰抜けだとは思わなかった」''と吐き捨てて去る。
---自力で作れないのは当たり前にしてももはや支離滅裂。しかも当然のようにまた無償で作らせる気満々である。ヤクザですらまだ道理を弁えている。これらの台詞も完全なブーメランである。
---そもそもこんなわがままを引き受ける職人も大概である。しかも成り行きで仕方なく…などではなく、彼自身が進んで引き受けるのだ。…普通なら例2の時点で主人公を殴って叩き返すものだが。((例2の主人公の発言は、製作者側からしたら「お前の飛行機は金を出す価値も無いからタダでいいだろ?」と言われているようなものである。))
--シナリオを通してこのような無礼で図々しく自分勝手な振る舞いばかり。それを反省したりそこから成長する様子も見られず、終始こんな調子。そのくせ全く根拠の無い謎の自信や意味不明で突飛な行動が多い。もちろん、それらに結果が伴っているはずもない。上記の例1や下記の「飛ぼう!」はその最たる例である。
--''ただし、その他の場面では基本的に空気''。基本的にシナリオの舵は下記ヒロインが音頭を取っており、敵にも相手にされずただその場にポツンと居るだけ。会話どころか、まともに発言すらしないままイベントが終わる事もザラ。
--終始こんなザマなので大冒険の気配は一切無い。ただヒロインの腰巾着の1つとしてくっついているだけである。もっとも口を開けば問題発言、手を動かせば迷惑行為という香ばしい有様なので、引っ込んでて正解だったかも知れない。

-''電波真っ盛りのヒロイン・アルフィナ''
--基本シナリオは彼女が主軸となっており、また実兄が敵組織のボスなので存在感は大きい。
---だが情緒不安定ともとれるヒステリックかつ奇異な言動が描写の多くを占めており、主人公や下記するDQNに並ぶ本作有数の電波塔として迷走する。以下はその例。
--寂しげな少女と出会った次のシーン、唐突に「あの子、''手が冷たかった!'' 連れて帰れば良かった! あの子の手を温めてあげたい! どうすれば良いの!?」などと泣き出す。
---しかもこの後、主人公の「飛ぼう…。飛べばきっと答えが見つかる!」という、電波を電波で返す香ばしい台詞が。このゲームを代表する迷シーンである。
---その後にも何度かその少女と出会うのだが、出会う度に「手が冷たい」「あなたの手を温めてあげたい」と言いまくる。額面どおりの意味ではなく裏に秘められた真意のようなものがあるのかもしれないが、具体的な意図等は一切描かれない為『赤の他人の少女の手を暖めたがる不審な人物』にしか見えない。
--下記するアロンソに大切なブローチが盗まれた上に勝手な理由でギャンブルに賭けられるという、普通ならば不信や怒りを抱く状況に陥るが、彼女は違った。最初こそ憤るものの、見当外れな持論を聞かされた途端に「私(彼を)信じます!」とまさかの擁護側に回るのである。何故そんな結論に至ったのかは見当も付かない。
--病的なまでのブラコンでもあり、兄のことになると周りが全く見えなくなるシーンが異常に多い。
---先の少女に「真実が聞きたいんです」と自分から申し出ておきながら、兄が世界を混乱に陥れたことを聞かされると「やめて! もう聞きたくない!」と即逆ギレ。
---ところが次の瞬間、仲間から平手打ち一発貰っただけで「失われた世界の真実を受け入れます!」とケロッと立ち直る。…たった数分の話を聞くだけなのにブレまくり。
---初登場から何かと口を開けば「兄さんがー兄さんがー」と非常にうるさいのだが、後半からはそれがさらに酷くなる。しかもその棒読みなセリフが、余計にプレイヤーの神経を逆撫でする。その為「キモウト(気持ち悪い妹)」呼ばわりされる事も。
--終盤に兄に誘拐されてパーティを離脱するのだが、その際に主人公たちをあっさり捨てるようなセリフ「もう私は兄さんから離れない!」。
---結果として世界滅亡に加担(兄と共にラスボスとなる聖獣を蘇らせる)したにも拘らず、その後ぬけぬけとパーティに復帰する。しかも周りも彼女を咎めたりもしない。
---ラスボスを蘇らせるそのシーンでも、彼に対して「兄さん、大好き」というあまりにも場違いなセリフを言ってのける。そんなセリフで何の脈絡も無くコロッと改心する兄も兄である。
--ケーキを見たとたん「&color(black){''ニャン☆!''}」という迷台詞を発する。意図は不明だが、いわゆる「萌え」を狙ったファンサービス(笑)という解釈が一般的。しかし散々の電波でうんざりさせておいてのこれなので、白ける事請け合い。
--電波抜きで見ても細かい突っ込み所が集中している。
---野生の''兎にチョコレートを与えている''((言うまでも無く多くの生物にとってチョコレートは致死毒食品である。よく誤解されるがあの蟻でさえ食べない程。その他のゲームやアニメ作品でも与えようとするキャラクターがいたりするが、すぐさま周囲の別キャラに止められ厳重注意される表現が徹底されている。“絶対にやってはいけない行為”である。))。「この世界の兎はチョコが平気」「本作のチョコに動物への害は無い」とでも言うのだろうか。
---結構なスピードで移動する飛行機の上で手を広げて直立。普通立つどころか前を向いて呼吸する事さえ困難な速度なのだが…。
---他にも突っ込み所のある危険なシーンがいくつかある。''此処までプレイヤーサイドの常識が通用しないキャラクターもそう多くない。''
--公式サイトのキャラクター紹介には「苦難の中にあってもひたむきに努力する『がんばりやさん』」とあるが、それらが悉くスベって裏目に出てしまい「ヒステリックで独り善がりの激しいブラコン」としか映らない。
---大筋の良さゆえ細かい粗を流せる作品は世に多々あるが、残念ながらこのゲームにそんな麻酔は無い。それどころか監督自身が中途半端にリアリティを持たせようとしているため、些細な粗も却って目に付く。

-''超級DQN・アロンソ''
--ヒロインに続く本作有数の電波塔兼''胸糞悪さの筆頭。''登場して早々、''「知り合ったばかりの命の恩人''(上記ヒロイン)''の物を盗んで、勝手にギャンブルに賭け、あっさりイカサマされて負けた挙句、周囲の観客に『金を貸してくれ!』と土下座して懇願する」''という驚きのダメ男ぶりを披露。
---仲間キャラとしてまず最悪の第一印象であるが、それでもこういうトラブルメーカーなキャラクター自体は他作品でも珍しくはない。彼もそういったキャラとして活かされれば、これらの行動もさほど問題視はされなかっただろう。が…
--どういう訳か、このような男が本作では「自分の夢を見据えて立派に生きる人格者」として扱われている。
---それも上記の最悪な印象を返上する見せ場を経た訳でもなく、それどころかこの窃盗は「いい年こいて夢見てばかりでまともに働きもせず賭け事に現を抜かしていた結果、首が回らなくなって及んだ犯行」であった事が後に判明。
---つまりただの自堕落男の身勝手な犯罪でしかないのだが、成長も反省もほぼ無いままに随所で筋違いな大口をドヤ顔で連発しては主人公達に賞賛されるわ、こいつに惚れる女性まで現れるわと、シナリオ上の扱いだけが不可解な鰻上りを続けていき、気付いた時にはすっかり「頼れる兄貴分」的な立場に押し上げられている。
--挙句この窃盗犯、のちに主人公に対して「人の気持ちを考えなかったのか!?」と偉そうに説教を垂れる。…えっ?
---この説教の前に主人公の取った行動自体は「親の制止を振り切って危険を承知でヒロインを助けに行く」というもので、説教そのものはごもっともではある。…私欲の為に犯罪まで犯す彼がさも当然のように論ずる側に立つのがおかしいだけで。
--一応フォローしてやると、窃盗騒動翌日のギャンブルに勝ってアルフィナにブローチを返す際に一言「悪かったな」と謝罪の言葉を述べてはいる。しかし逆に言えば「それ以外では一切謝ってない」という意味でもあるので、特に名誉挽回には繋がっていない。
--仲間になる期間は僅かながらも、始終この調子なので''電波と不快指数に関してはトップクラス''。そもそも何故こんな男が仲間になるのか良く分からない。何か意気投合したらしいが描写が少ないわ展開が突飛過ぎるわでやっぱり良く分からない。
--こちらも公式サイトでは『最後に責任を取る覚悟があるなら、何をやろうと自由だというポリシーの持ち主』と書かれているが、責任など碌に取ってないにもかかわらず好き勝手だけは一人前にこなしているという、お前が言うな状態である。
---ただ、イカサマを働く賭場の女主人がこの男に惚れている事は話の流れで分かり、負けてブローチを取られたその場で次のギャンブルの約束を取り付ける際に、「俺に勝てばこの瞳はお前だけ…」とか言いながら手の甲にキスまでやってのけている。好意的に受け止めるなら、仮に負けたとしても惚れた弱みを突いてブローチを返すよう仕向けてケジメをつけるつもりだった…と解釈する事も可能ではある。それならそれで「どんな手を使ってでも俺なりにケリをつける」とかカッコつける前に、被害者たるヒロインにしっかり説明してあげるべきだが。
--ストーリーと直接関係はないが、戦闘終了時のセリフが神経を逆なでするセリフばかりなのも特徴。「''参ったな、また俺様のファンが増えちまう''」 増えてるのはアンチです。

-''母親失格・ミランダ''
--主人公の母親なのだが、中盤に良く分からないうちに上記のアロンソに惚れ、''息子を捨てて2人でどこか旅に出る。''結局この後二人との再会イベントすら存在せず、スタッフロールの一枚絵まで登場しない。
--「母が主人公を捨てて男と出て行った」という背景を持つキャラならよく見かけるが、ゲーム中で実際にそれをやってみせた例は珍しい。…常識的に考えてやってはいけないので誰もやらなかったのだろうが。
---『I』の主人公の母親であるリリィの場合、息子のやる事を見通していた上で息子の成長を信じ旅に送り出していた。親子の絆を感じさせるとして非常に好評だったワンシーンである。
---それにひきかえミランダの場合、息子の旅に「お前1人じゃ心配」とべったりくっ付いて来た挙句、結局その経緯が活かされる事も無くあっさり息子を捨てて去っていく。これでは子離れできてなかっただけの自分勝手な毒親にしか見えない。
--という訳で「広い世界に憧れる少年の冒険譚」にいきなり母親同伴で話が始まるため興が削がれる。
--また母子家庭である以外にも何か複雑な家庭事情があるらしいが、やはり全く描写が無いため、理解できたプレイヤーは皆無だろう。にもかかわらずそれをネタにして泣かせようとしている(らしき)シーンもあるため、ここでもプレイヤーは困惑する事となる。
---まず主人公が何故か実の母親である彼女を''呼び捨てで呼んでいる。''そういった文化である・そうなるに至った経緯がある…等といった説明があるならまだしも、これに関する説明は夕食イベントにおけるユウキの「ちゃんと考えたことないけどその方が自然というか…」という投げっ放し感の漂う台詞のみ。対するアルフィナの「分かる、端から見ると姉弟みたいだもんね(要約)」という発言を含めても、何の解説にもなっていない。これでは単に親子としての距離感すら弁えていない典型的な友達親子でしかない。
---この呼び捨て設定の理由として、「母との別れのシーンで主人公が飛行機に乗って飛び去る際に、『母さん!』と初めて呼んでくれたことに涙する」…という場面のためと考える事は可能である。しかし、呼び捨てにしていた背景がスカスカなのにこの流れを持ち込まれても、''「泣けるシーンを入れる」という結果ありきでシナリオを描いた結果、下地のガバガバぶりの方が悪目立ちしている''としか評価しようがない。
--また、主人公が上記のような性格に育ってしまった所を見るに、ろくに子供の教育もできていない。やはり毒親である。
--かように他作品ならほぼ間違いなく最悪級のキャラながら、それでも他のキャラよりも電波が薄く、「旅の途中で息子の成長を目の当たりにした結果、息子を見送るという選択を取る」というこのキャラに関するシナリオの描写は分かり易いぶん、まだ他のキャラよりはマシと言われる。
---「非常識な男に惚れ込んで一緒になって出て行った」という別れ方に対しての批判が大半を占めている事を考えると、むしろ彼の被害者であるという見方も可能ではある。

-''微妙な半獣人・ウル''
--『面白そうだから』と最後まで付いてくる。が、影が非常に薄く見せ場が「全く」と言っていいほど無い。エピソードもほとんど語られないため、キャラとしての輪郭すらよく掴めない。
---しかし、真剣な話をくだらない冗談で茶化そうとしたり、前述の例3の時には主人公と一緒になって職人に飛行機を作るようにせがむなど、非常識かつ電波な部分はしっかり抑えている。「影が薄い」=「不快でない」というわけではない。
--立ち位置から技構成に至るまで『I』の人気キャラ・ラップとかなり被っており、「二番煎じを狙ったのではないか?」と言われているが大した出番も無い、ノリも寒い、台詞も棒読み、と完全に滑っている。
---こいつに限らず『I』を髣髴とさせる要素はいくつもあるのだが、どれもこれもオマージュと言うよりはただ単に持ってきてツギハギでくっ付けただけのようなものが多く、新作としてもファンサービスとしても中途半端。やっぱり全部滑っている。

-''愛に生き過ぎる族長・ダーナ''
--里の平和を重んじる砂漠の里の族長。最愛の恋人と生き別れた経験があるゆえに人間不信らしく、主人公たちの協力要請も「あなたたちには協力できません」「愛は悲しみしか生みません。帰って!」と一旦拒絶する…
---…のだが、舌の根も乾かぬその日のうちに元恋人と再会し、抱きしめられただけで即心変わり。次の瞬間には「愛を信じましょう」という発言が飛び出すなど、登場していきなり言動が急転している。
---さらに次の日、大切だったはずの砂漠の里を放っといて何故かあっさりと主人公たちに付いて来る。責任感の強そうな第一印象は気のせいだったらしい。
---ついでにこれ以後は里の出番も特に無いし、彼女も気にする様子は全く無い。こんな意思脆弱な人物を族長に据えられた一族の者たちが不憫でならない。
--その他にも何かと電波シーンでの登場が多く、(悪い意味で)目立つ。ついでに棒読みっぷりもトップクラスなので余計気になる。
---ちなみに先の元恋人と再会できたきっかけは「深夜にもかかわらず大声で歌っていたため」である。このゲームの人々は良識が欠けているのが当たり前のようだ。
---「胸が大きいことだけが魅力」と一部からは評価されている。むしろそれしか評価できる点はない。

-特にツッコまれないのは、あまり出番の多くなかった異世界の幼女ヘクト((アルフィナに「手が冷たかった」と泣かれた少女である。))。もし出番が多かったら彼女も何か電波っぷりを披露していたかも知れない。
--電波云々の前に棒読みではあるが、この作品でツッコみどころが棒読みの一点のみというのはある意味奇跡に近い。
---ちなみにヘクトが棒読みなのはそういう設定で、作中でも察することのできる展開がある。が、それを踏まえても中の人は素で棒読みなので演技の質としてはやっぱり低レベル。

-敵側も、謎の理由で世界を滅ぼそうとして終盤唐突に改心するアルフィナの実兄エメリウスを筆頭に、似たような電波ばかり。
--コミカルなキャラで序盤からかなり目立っていた敵組織の1人は何の描写も無くいつの間にか一切登場しなくなる。当然のように説明も無く、投げっ放されたとしか思えない。

-サブキャラクターも、何故かいきなり泣き出すオッサンや、重要キャラの筈なのに特に何をする事もなく死んだイケメン等、変なのばかりである。

-わざわざ説明書に「ムービーをスキップすると話の内容が分からなくなる」という旨の注意書きがあるが、ぶっちゃけ全部スキップしても大して問題は無い。見ようが見まいが、理解出来ない事には変わりない。

***寄り道・サブイベント一切皆無の完全一本道
-寄り道的なサブダンジョンや本編を忘れられるようなミニゲーム等の類は一切無い。本編の穴埋めや深堀りを担うサブイベント等も全く用意されていない。ちょっとしたおつかいイベントすらたったの1つ。
--クリア後の隠しダンジョン、隠しボスその他諸々も全く無く、プレイヤーは不愉快な電波と歪んだ倫理が賞賛される不可解なメインシナリオを進めるしかない。
---過去のシリーズも割と一本道ではあったが、それでも人気を博したのは世界観やストーリーが魅力的だったからであり、さらにサブイベントや寄り道用のダンジョンもいくつか用意されているなど、ある程度の自由度は確保されていたからである。
--当然、やり込み要素も無いに等しい。せいぜいキャラ育成とレアアイテム収集のみだが、レアアイテムの数も『X』から大きく劣り、数えるほどしかない。

***崩壊する戦闘バランス
-序盤こそ普通だが、DISC2から敵の体力と素早さがインフレし始める。一方プレイヤー側はレベルが上がっても素早さが上がらないため、敵の異様な行動速度に対抗するための選択肢も限られ、中盤からはほぼ最強魔法を連発するゲームとなる。 
--物理攻撃では雀の涙程度のダメージしか与えられず、魔法攻撃では文字通り桁違いのダメージを叩き出せるという極端なバランスであるため、敵の膨大な体力を削るためには自然とそうなるのだ。
---物理攻撃には「相手の行動順を遅らせる」という効果があるが、どうせ異常な素早さですぐに復帰されるため、インフレ後はそんな事をするよりやはり魔法のほうが早い。魔法の威力が低い男キャラはアイテム係に回したほうがいい。
--中盤に差し掛かろうかという辺りでいきなり超簡単に最強魔法を合成できるようになってしまうのも、非常に大味である。
---もっとも、合成できなかったらできなかったで苦痛だっただろうが。最強魔法が無くとも採れる戦略は一応あるが、どれも敵の多すぎる体力をちまちま削るハメになる。
--と、RPG系クソゲーにありがちな「''敵、あるいは味方の強さのインフレ化''」に見事に当てはまってしまっている。
--前作に当たる『X』は「RPGの中でも最も面白い戦闘」とファンからはかなり高い評価を受けていた。
---しかし、本作では魔法合成がやたら簡略化されていたり、合体技が削除されていたりと、前作の戦闘を盛り上げるのに大いに貢献した要素が色々と削られている。
---新要素「空中コンボ」以外は完全に前作のほうが優れており、システム自体も前作のほうが奥深い。

-開発陣「我々バトル開発陣の完成形です(笑)」

***滑舌が悪い&棒読みだらけの声優陣
-監督の意向により本職の声優はほとんどおらず、''始終棒読みボイスを聞かされる羽目になる''。ヒロイン役の木南晴夏氏を始めとして起用者にアイドルが多く宣伝のつもりだったらしい。
--おおかたの声優陣の演技力がそんな有様で、しかも滑舌も悪いため大事なシーンでも何を言っているのか聞き取れない。
--なのに、これまた監督の意向のため、[[何を言っているのか分からないのにムービーシーンに字幕が無い>クロックタワー3]]。 
---監督「ぜひ音量大きめで聞いて欲しいですね(笑)」
--本職の声優は松風雅也氏や茶風林氏、千葉紗子氏ぐらいで、後は俳優ばかり。しかも主人公役の松風氏以外はどうでもいい脇役での出演である。
---主人公のほうはまだ安心して聞けるからいいものの、脇役のほうは一言「グエッ」と呻くのみで何故わざわざ大御所声優を持ってきたのか全く不明なキャラまで。
---松風氏は元々は俳優としてデビューしているが、この頃にはすでに様々な作品に声優として出演し順当にキャリアを積んでいる。
--上手い俳優も居るには居るが出番の少ないキャラばかり(おそらく指導役)である。
---比較的まともに聞ける仲間(上記のDQN男と母親)も居るが、主人公以外は全員序盤で抜けるため、そのうち棒読みパーティに。
--戦闘中など効果音やBGMの存在もあってますます聞き取れない。しかし棒読みなのは分かるのでテンション駄々下がり。崩壊する戦闘バランスも相俟って余計苦痛になる。
-ちなみに、監督のインタビューから察するに、どういうキャラクターにするかという事は全く考えていなかった上、声優の演技指導もほとんどしなかったようである。

***BGM詐欺
-PV中に使われていたファンに人気の曲「グランディアのテーマ」がゲームには一切出てこない。
--ゲームの出来を考えると使われなくて良かったのかも知れないが、どっちにしろPV詐欺である。
-また、DISC1の終盤に流れる町のあまりに退屈なBGMは「チャルメラ」などと馬鹿にされている。

***小さすぎる世界
-グランディアといえば常々壮大な世界を冒険するイメージがついて回ったが、飛行機を手に入れてもいける場所は立ち寄った場所だけ。
--しかも全部で10箇所もない。冒険(笑)
--先ほど記述したアロンソが「七つの海」というキーワードを出すのだが、こんな小さな世界で七つの海って…?…その扱われぶりはお察しである。

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**評価点
-背景等のグラフィック自体はPS2でも綺麗な部類に入ると思われ、エフェクトなども出来は良い。
--造形に賛否あるものの、『[[ヴァルキリープロファイル]]』を手掛けた吉成曜氏のキャラクターデザインの出来自体は普通に良い。

-ロード時間はそこそこ短め。

-各地の村にいる村人の会話内容はなかなか個性的で、会話はつまらなくない。この点に関しては旧作の良点を受け継いでいる。

-上記のような点もあるが、岩垂徳行氏の手掛ける音楽は決して悪くなく、評価できるものもある。
--グランディアIIIのメインテーマはなかなか好評ではある。
--主題歌についても好評。ただし「この曲を聴くとグランディアIIIの悪夢がよみがえってくる」と拒絶反応を起こす人もいる。曲自体は非常に良いのだが…。

-序盤なら戦闘のバランスはそこそこ安定しており、爽快感や緊張感が楽しめる。
--新要素「空中コンボ」も結構爽快で、このシステム自体は好評。残念ながら中盤以降ほぼ使う機会が無いが。

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**総評
あのグランディアの続編という肩書きを背負ったこの作品は、その期待を裏切る内容となってしまった。~
『I』や『[[グランディアII]]』のようなシナリオを期待していたファンからは当然の事ながら総スカンを食らい、RPG好きから最高の戦闘システムと謳われた『X』のシステムもほとんど面影が無く、かと言って旧作と比べなくともどこを切ってもだいたい問題点とツッコミ所の塊であったため、旧作に全く思い入れの無い新規ユーザーからも満場一致でクソゲー扱い。~
新規ファンの取り込みの失敗どころの話ではなく、むしろ「グランディアシリーズはIIIやったからいいや…」というユーザーを増やしてしまうという最悪の結果に。~
皮肉にも、''悪い意味で「歴史に残るRPG」になってしまった。''
ただ、戦闘システム面においては再評価するユーザーも少なくなく、作品の評価は期待との落差という部分もある事は否めないだろう。

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**製作者の自画自賛発言
-このような出来だった為、監督の高橋秀信氏の自画自賛発言が悪意味で有名になった。
--シリーズファンからしてみれば褒められる点など一切無いのだが、インタビュー記事などで口を開けばとにかく自画自賛・作品の自慢だらけで、自己満足の押し付けにまみれている始末。加えて文末に(笑)をよく使用する文章がさらに神経を逆撫でした。
---今更後に引けなかったのか、本気でそう思っていたのかは不明だが、本作を絶賛するインタビューは火に油を注いだだけと言える。
--インタビューでやっと判明するストーリー(の筋立て)も存在するが、大抵本編で描いて当然なレベルもので、あたかも裏設定であるかのように自慢げに語るような代物ではないものばかりで、この点もプレイヤーからは散々突っ込まれている。
--かつては[[まとめwiki>https://w.atwiki.jp/grandia3nyan/]]も存在していたが、商業書籍のインタビュー内容がほぼ正確に載っていたためか凍結中。
---攻略本等の関連書籍を買えば読むことが出来るが、攻略本が必要なほど中身のあるゲームではないのであまりオススメはしない。
--ちなみに『I』の監督は気を遣いながらも「ストーリーに対する俺の個人的な採点は0点ですゴメン高橋さん。」と呟いていた。

**その後の展開
-本作の失敗後、高橋氏はゲーム制作の表舞台からひっそりと姿を消した。
--ただし一応フォローしておくと、彼が最も叩かれる事になったのは、本人が最も目立った結果であり、後述するようにゲームがこんな出来になってしまった責任は彼1人だけのものではない。
---この一連のインタビューにおいても高橋氏以外にもかなり問題発言は多い。

-2014年に海外で行われた「最も戦闘の優れたRPGは?」というアンケートで今作が選ばれた。
--たしかにそこだけ見れば著しいクソというわけでもないが、既に触れたようにすぐにバランスが崩壊する。そしてこれまた先に触れたように戦闘が優れていた『X』からの劣化も指摘されている。
--何故『X』ではなくこちらが選ばれたのかは謎。

-前述の通り[[ゲームアーカイブス版は2018年1月19日に配信終了>https://twitter.com/GA_Express/status/944023864748548099]]。
--よりにもよって『グランディア』20周年で公式・ファン共に湧き上がっている中で告知された。

-2020年3月25日に発売された『グランディアHDコレクション』にも本作(と『X』)は収録されなかった。%%妥当である。%%


**余談
-あまりのガッカリゲーぶりから、発売日前は賑わっていた2chの本作スレッドはものの数日で葬式状態に。「高橋○ね((原文の直接的表現を伏字に改変している。以下も同様。))」がスレの流行語となる。
--最初の数日はなんとか楽しみ方を模索しようと試みていたスレ住人たちもそのうち諦め、「高橋○ね」と口にするようになる。
--一応遊べる部分はあるため、それでも本作を支持するユーザーはごく少数残ったのだが、あまりに本スレの雰囲気が沈む一方であったために、その僅かなユーザーも早々に本スレから脱出してしまう事態に。
--そして掲載された、プレイヤーたちの神経を逆なでする香ばしすぎる製作者インタビューに「高橋○ね」の罵倒はさらに加速するハメに。高橋氏は新作にただならぬ期待を寄せていたファンからの憎悪や罵詈雑言を一身に受ける形となった。

-インタビュー中のあまりの「(笑)」の多さから、「''グランディア3はクソゲーじゃないよ! (笑)ゲーだよ!(笑)''」とネタにされ始めた。
--このゲームがあの『グランディア』だとは信じたくない一部のファンが「グランディア3のリメイクを希望する会」を発足するが、このインタビューで士気を削がれてしまったのか自然消滅する。

-海外ではシナリオをあまり重視しない傾向があるため、そこそこ評価は良い。
--ただし前作『X』が人気であったため、上述の戦闘バランス崩壊などについては海外でも批判が見られる。
--また、いくらシナリオ重視ではないとは言え、あまりにも突っ込み所が多いため、批判が無いわけではない。
--日本語版とは違いプロの声優を起用しているため、キャラクターの演技で評価を下げる事態は避けられている。

-『[[FFXII>ファイナルファンタジーXII]]』の延期の穴埋めとして発売するため、開発期間が短くされたという説もある。
--ただそれでも、開発期間がもっとあればマシになっていたであろう点はバランスの悪さ・ボリュームの無さぐらいで、他は根本的な問題が多い((開発初期で固めておくはずのシナリオの大筋が曖昧すぎ、システムがそもそも『X』と比べて劣化している、やむなく完成度を削るにしても力の入れ所がおかしい等々))ため、いずれにしても低評価は免れなかったものと思われる。
--また「インタビューでようやく発覚するストーリーの要点」については『X』の時点で既にやらかしているため、シナリオの出来に関しては開発期間の都合ではなく元々この程度だったのではないのかと言う憶測もある。

-2012年初旬、『[[ONE>ONE ~輝く季節へ~]]』や『東方Project』の二次同人イラストレーターで有名な「やむっ」氏が実はゲームアーツの社員(グランディアシリーズでII・X・IIIの戦闘システムを担当)であり退職していたことを明らかにし、生放送で当時のゲームアーツがどういう様子だったかを詳しく述べることがあった。
--納期が迫る中の開発中は「とにかくムービーの出来重視と高橋氏から言われた」「高橋が自身のシナリオに満足していた」という状況の中で本作が出来上がったが、やむっ氏は出来上がったモノを見て「本当にこれで良いと思ってんの?」とリテイクした方が良いと進言するも、高橋氏がムービーの出来に感動してリテイクを許さなかったようである。結果はご覧の通り…。
---一方で彼は''「『IIIの出来の戦犯は高橋』というのは違う」''とも語っている。実際は高橋氏のみならず、''開発陣のトップにあたる人物の全員が全員同じような状態だった''とのこと。
---完成前の段階ですら『III』の出来を賛美しており(特に前述したムービーは実は高橋氏だけではなく上の人間も絶賛していたとのこと)、彼をはじめとするプログラマー陣はそれを見て呆れてしまったという。やはりというかなんというか…。
--声優が俳優ばかりな点について、「上の狙いは俳優を起用することによって、本来のターゲットである子供達以外の、御姉様やおばさま方といった面々からも注目を集めたかったから」という理由だった((余談だが、やむっ氏は『II』のミレーニアの声優を柳原みわ(現・星河舞)氏にすることを強く熱望し実現したとのこと。だが『III』では彼をはじめとする下の者からの意見はほとんど通らなかったらしい))。
---また『III』の要素の多くは、スクエニ側からの注文もかなりあったそうである。
--後に本作の戦闘システムに関してもコメントしており、その内容は「本来は空中コンボは浮かし技等で発動させるという構想だったが、高橋ら上の人間から『自動で発動するようにしろ、あと戦闘システムはもっとヌルくしろ』と言われ、仕方なく前作(X)のプログラムを流用・ヌルくなるよう改変したものを提出、それで上は満足した」というもの。
---バランスが悪いことに関しては「バランス担当との連絡等がうまく取れなかった結果で、実はとあるスキルがほぼ必須になっていて、それとガードシステムを使うこと前提で設定してしまった」とか。
#region(必須スキルについての詳細(長いので折り畳み))
具体的には『受け身』というスキル。受けるIPダメージを減らす効果があり、最大ブーストすれば通常攻撃によるIPダメージを全く受けなくなる。特に終盤はこのスキルが無いとこちらの行動を片っ端から妨害され、まともに戦うことすらできない。~
また言及はされていないが、待機中の通常攻撃の回避率を上げる『見切り』(最大ブーストで100%回避)と、回避後にたまに反撃する『反撃』(最大ブーストで100%発動、かつ特定装備で相手を浮かせて一定時間行動不能にできる)の2つもほぼ必須と思われる。~
なお本作のスキルはスキルブックと呼ばれるアイテムから生成するものが多いが、前述の3つのスキルはいずれも数少ない店売りスキルでそこら中のショップで買える事や、最終的に手元に残るであろう最高性能のスキルブック4つが前述3つのスキルをすべて最大ブーストできる組み合わせであることなど、バランス調整時の名残は見られる。
#endregion
--ちなみにやむっ氏はグランディアシリーズの製作の中では『II』の製作が一番大変だったがやり甲斐があったと語っていた。
---本人のHPにも一部当時のこぼれ話は載っているので興味がある人は覗いてみると良いだろう。(ただし一部18禁コンテンツがあるので注意)
-なお、ゲームアーツは後に宮本茂氏の紹介であの『[[大乱闘スマッシュブラザーズX]]』を開発した。
-2018年に電波ヒロイン・アルフィナの声を演じた木南晴夏氏が、同じ年に発売された別のクソゲー「ローグギャラクシー」の主人公・ジェスターの声を演じた玉木宏氏と結婚を発表。2005年に発売された2大クソゲーの主人公とヒロインが垣根を超えて結ばれた事に「クソゲーの縁」とネット民をざわつかせた。
--グランディアIIIとローグギャラクシーについては上記の「トップが腐っている((ローグギャラクシーもレベルファイブの日野社長が何かと物議を醸すタイプである。))」「宣伝内容が褒められない((グランディアIIIの(笑)インタビュー、ローグギャラクシーの社長前面に押し出した展開…等。))」等、今回のキャストの結婚を含め不思議で意外な縁がいくつかある。
--なお、木南氏はその後も数度声優として仕事しており、2019年の映画『クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~』のメインゲスト役で安定した演技を披露して面目躍如となった。

**真の『III』?
-その後、『&amazon(4757515456,text=小説版グランディアIII)』が発売。ファンからは「どうせノベライズ(笑)だろ」と当初軽視されていたが、監督の脳内で展開されていた設定を緻密に構築しなおし、歪んだシナリオを筋が通るように修正したその内容から、一転高い評価を得ることになった。
--作者の細江ひろみ氏が苦心しつつも豪快に調理した事により、(笑)成分が大幅に減った。普通に読めるどころか、単体の作品としてもなかなか面白いノベライズに仕上がっている。((細江氏はノベライズにおいてかなり大胆に展開を変える事が多い。『ルナ2 エターナルブルー』のノベライズでもオリジナル要素がかなり多かった))。
--電波濃度も極端に減り、各キャラクターのシーンごとの心理やシナリオ展開が充分に理解できるようになっている。これは非常に大きな改善である。
--キャラクターの性格や描写も大きく改善され、全員尖り気味だが筋をしっかり通した人物になっている。主人公ユウキも非常識で空気な原作から一変、主人公らしい風格と良識を持ち合わせた好青年と化し、ヒロインも充分感情移入出来る名実ともに「がんばりやさん」として活躍する。
---それでも微妙との声も存在するが、寧ろ無法地帯同然だったゲームのシナリオを、及第点以上のクオリティに修正しただけで十二分な快挙である。未プレイであっても十分ひとつの作品として楽しめるので、興味があるなら手にとってみて欲しい。