「Mr.Do!」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

Mr.Do! - (2022/04/02 (土) 02:57:42) のソース

//「[[修正依頼]]」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。
//----
//修正依頼にある評価点の追加ができているようなので修正依頼を取り消します。
*Mr.Do!
【みすたーどぅ】
|ジャンル|アクション|&amazon(B000068HI7)|
|対応機種|アーケード|~|
|販売・開発元|ユニバーサル|~|
|稼動開始日|1982年10月|~|
|配信|バーチャルコンソールアーケード&br()【Wii】2010年04月27日/800Wiiポイント|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
----
#contents(fromhere)
----
**特徴
-『[[ディグダグ]]』(1982年3月稼働)に酷似した穴掘り型アクションゲーム。画面内に重力があり、オブジェを自身が掘った穴に落とすというシステムも同じ。
--本作独自のシステムが人気を呼び、結構な知名度がある。駄菓子屋等で重点的に設置され((そのほとんどはコピーゲームであるが))、ゲーマー層よりも子供から支持を得たようである。

----
**システム
-主人公はピエロのMr.Do。レバーを入力した方向にトンネルを掘っていくことができる。
--ステージ中に登場するリンゴは重力に従い、主人公が掘ったトンネル内を落下。その際、敵やMr.Doを押しつぶす事がある。
---リンゴはキャラ2つ分の高さから落下すると破壊される。1段では破壊されないが、何かを押しつぶす、もしくは別のリンゴを上から当てることで消滅する。
---リンゴは横から押す事で横移動させることができる。敵もリンゴを押すことがある。
---頭上に落ちてきたリンゴを食べてしまう敵もいる。また、その敵を倒した場合は倒した後にリンゴが出現する。
--ボタン入力でパワーボール投擲。ボールはジグザグに跳弾して進行するため、トンネルの掘り方によっては思うように飛んでいかない。
---主人公はボールを1つしか所持していない。そのため、投げたボールが敵に当たるか、落ちたボールを拾わなければ再投擲できない。さらに一度敵に当たるとしばらくの間ボールは補充されず、敵に当てれば当てるほど補充までの待ち時間が長くなる。このため大勢の敵はボールでは捌ききれない。
---そのため敵を倒す手段はリンゴによる敵のまとめ潰しが主体となりやすい。
-ステージ中にはモンスタージェネレーターがあり、ジェネレーターからはモンスターが出現する。モンスターが全て出尽くすとジェネレータはボーナスターゲットに変わる。
--モンスタージェネレータから出現するモンスターは時折点滅してトンネルを掘ることもある。
--モンスタージェネレータのほかにも、画面上部のEXTRA表示窓からは時折EXTRAモンスターが出現する((ボーナスターゲットを取るか、5,000点毎に出現する。))。EXTRAモンスターは出現前にE・X・T・R・Aにデザインが常時変化し、撃破すると持っている文字に対応する画面内のEXTRAの文字が点灯。EXTRA全て揃うとEXTRAモンスターを倒すデモと共に「鉄腕アトム」のテーマが流れてそのステージはクリアとなり、残機も増える((本作にはスコアエクステンドがないため、残機を増やす方法はこの方法のみ。))。
-モンスターを全て倒すか、画面内に存在するチェリー全てを取る((モンスターがトンネルを掘る際にチェリーを取得した場合でもチェリーの取得とみなされる))とクリアになり、次のステージに移行する。
--なお、チェリーは8個連続で取っていくとボーナス。
-また、リンゴを破壊すると1/4096の確率でダイヤモンドが出現することがある。これをとるとデモ画面と共に「きらきら星」のテーマが流れて8,000点ボーナス+1クレジット追加され、ステージクリアとなる((クレジットの追加に関しては店側の設定で無効にすることもできる。この場合、ダイヤモンドが出現しない))。
-ステージは10ステージでループ。3ステージごとにクリアタイム・ステージ内で稼いだスコア・クリアした方法が表示され、10ステージクリアごとに1ループで稼いだ総スコアと時間およびその平均が表示される。
--なお、ステージの形状は数字を模したステージである(最初のステージのみ1とDを合わせた形)。
-ちなみにMr.Doのミス演出中にステージクリア条件を満たした場合はステージクリアが優先され、残機も減らない。
--ミス演出中やクリア演出中は敵の動きが停止するため、この方法を用いてミスを帳消しにするテクニックもある。
---元々は残機が減ったのだが、ある問題点の為に修正された。

----
**評価点
-ボーナスフィーチャーの多彩さもさることながら、それぞれのボーナスの達成感が非常に高く、攻略の要になる点でも完成度は高い。
--EXTRAモンスターの出現タイミングはプレイヤーの行動次第である程度制御できるため、EXTRAを揃えるのはそこまで難しくない。
--強制的な永久パターンもなく、ステージクリア方法やスコアの稼ぎ方も多彩で入るスコアもかなり多めなのも爽快感に色を添えている。
-キャラクターデザインの可愛さもあってとっつきやすく、難易度も適度でゲーム初心者にも親しみやすい。
--パワーボール使用時のエフェクトなど当時としては比較的派手目の演出も多く、本作の主なプレイヤー層である子供への訴求度が高いのも見逃せない。
--クリア方法が多彩でありながらとっつきやすい構成にしているのは見事。
-特徴にもあるようにディグダグに酷似しているとはいえ、プレイスタイルがディグダグとは別のスタイルを要求される点。
--特に差別化が図られているのが多数の敵をさばく際のスタイル。ディグダグでは銛で敵を足止めしつつ戦うスタイルだが、~
本作ではまとめつぶし用のリンゴが供給される機会が多く、かつ任意に移動させる事が可能でまとめつぶしがメインとなるため、プレイ感覚はかなり異なる。
--また、さばききれない場合はターゲット(チェリー)全取りで切り抜ける事も可能。これもディグダグとの相違点。

----
**問題点
-上級者だとプレイ時間が長くなりがちになるため、プレイヤーによってはインカムの面で店側にいい顔をされなかったケースもあった。
--それもあってか、シリーズ後続の作品はEXTRAの達成難易度が上がり、全体的に難易度が上昇傾向になった。
--現在も一部のゲームセンターに置かれることがあるが、大抵は上記の問題もあって最高難易度に設定されている場合が多い。
-獲得できるスコアの多さに比べてスコアの最大桁数が6桁と少なめで、さらに100万点を超えると0に戻ってしまうため、もう一度稼がないとスコアエントリーができなくなる。
--とはいえ、上記の問題点はあくまで上級プレイヤーが抱える問題であり、一般のプレイヤーではまずこの問題点は気にならない。

-初期バージョンには致命的なバグが存在し、ある動作をすれば残機が255機になってしまう((なお、残機が255機の状態で残機を増やすと残機が0機になってしまう。))。
--新バージョンでは当然修正されたが、この方法は現在のような情報伝達が発展していなかった当時でも急速に広まってしまった。
-この時代のゲームではよくあることだが、BGMは無断使用…と思われていたが、近年開発者である上田和敏氏へのインタビューでJASRACに許諾を得て正式に使用している事が明らかになっている。
--ユニバーサル社は『レディバグ』の頃からJASRACに使用料を払っており、これは現在確認されている時点ではビデオゲーム史上最古のJASRAC許諾作品だったと思われる。実際、前例が無かったらしく当時のレコードと同じように基板1枚につき6円30銭を支払ったそうである。
--コンシューマへの移植が少なかったのはここに起因しているかもしれない。

----
**総評
 悪く言うと『ディグダグ』のパクリゲー、よく言えば改良発展ゲーム。リリース当初はアーケードとPC主体の展開だったため家庭用畑のユーザーからの知名度は低いが((メジャーなCS機へ移植されたのはSFC末期、と遅かった。))、当時子供時代を経験したゲーマーには決して忘れられない一作であるらしい。~
 コピーゲームも多く、『Mr.Lo!』『Mr.Du!』等様々だが、そのどれもが『Mr.Do!』のグラフィックを弄っただけのものである。『ディグダグ』の改良発展作である本作を、さらに改良発展させようという意図を持ったメーカーは現れなかったようだ。~
 本作のヒットを受け、何作か続編が作られたものの、一作目ほどのヒットは生み出せなかった。しかし、本作のヒットがきっかけで培われた同社の技術は、ユニバーサルエンターテインメントの、ひいてはUPLやNMKのゲーム制作の資産になっていった((もっとも、本作を開発した上田氏はまもなくしてテーカン(現コーエーテクモゲームス)に移籍し、『ボンジャック』などを開発することになる。これに限らず、ユニバーサル社はゲーム事業に相当な額の投資をし、多くのゲーム会社を買収しまた分家を生み出したにもかかわらずどれひとつとして大成していない))と考えると、本作の存在は「当時子供時代を経験したゲーマーの思い出のゲーム」以上に大きいと言える。~
 かつてはWiiのバーチャルコンソールでも配信されていたが、サービス終了に伴い入手不可能となってしまったため、プレイするのが困難な状況になりつつある。

----
----
**その後の展開・余談
-ごく少数だがプロトタイプ版の基板が流通している
--主人公がピエロに決まる前に使われていた銛を持った雪だるまみたいなキャラで、一部のBGMや仕様が異なっており、難易度は比較的高めになっている。ちなみにこのプロトタイプのキャラは製品版のクレジット投入後のタイトル画面で見ることが出来る。

-NEOGEO 『Neo Mr.Do!』(1996年/VISCO)
--リメイク版。ただし出回りは相当悪かった模様。家庭用NEOGEOには移植されていない。

-『Mr.Do! VS ユニコーン』(1983年発売)・『Mr.Do's ワイルドライド』(1984年発売)・『スーパーピエロ(海外版:Do! Run Run)』(1987年発売(海外版は1984年発売))
--3作品ともに、『Mr.Do!』の続編。ただし共通点は主人公やEXTRAのフィーチャーの存在くらいで、それぞれ内容はまったく異なっている。
--なお、『スーパーピエロ』は旧ユニバーサルブランドでの最後のアーケードゲームとなっている。

-移植はトミーの「ぴゅう太」が当時唯一の家庭用で出来たゲーム機で、完成度も高かったがぴゅう太自体も今のPS4よりも高い59800円。一応マイコンの仲間であるがおもちゃ屋で売っている16ビットゲーム機でもある。((ソフトは少なかったが、Mr. DO以外に「フロッガー」や「スクランブル」「プーヤン」もラインナップされていた、所謂キラータイトルのある初のゲーム機でもある。))

-かなりの無茶移植だがトミーから電子ゲームとしても発売された。ちゃんとステージ数がステージの形状になっている。

-LDゲームの『アドベンチャーMr.Do!』も企画されていたが、お蔵入りになった。
//--後に『アドベンチャーMr.Do!』の企画を基にして同社よりパチスロ機として『Mr.Do!』『デュエルドラゴン』『デュエルドラゴンキングダム』が発売されている。
//取り扱い対象外につきCO

-「探偵! ナイトスクープ」にて、2作目『Mr.Do! VS ユニコーン』をもう一度遊びたい! という依頼が来たことがあった。散々探し回ったあげく見つかった基板はあまりにも高価で数ヶ月小遣い無しを宣言され、縦画面ゲームであるため自宅の巨大なブラウン管テレビを自力で縦置きにせねばならず((普通のブラウン管テレビを継続的に縦置きすると確実に故障する。))、奥さんに命じられたプレイ時間は1日30分、取材後スタッフの捜索により遥かに安価で移植版が出ていた((但しこの移植版をプレイ出来るハードウェア・X68000自体は当時でも決して安価とはいえない))ことが発覚する……、と踏んだり蹴ったりな内容であった。