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ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル エコーズ・オブ・タイム - (2015/08/22 (土) 14:32:25) のソース

*ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル エコーズ・オブ・タイム
【ふぁいなるふぁんたじー・くりすたるくろにくる えこーず・おぶ・たいむ】
|ジャンル|アクションRPG|&amazon(B001NPE3K4)|
|対応機種|ニンテンドーDS|~|
|発売・開発元|スクウェア・エニックス|~|
|発売日|2009年1月29日|~|
|定価|5,040円(税5%込)|~|
|プレイ人数|1~4人|~|
|セーブデータ|1個|~|
|レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
//|ポイント||~|
|>|>|CENTER:''[[ファイナルファンタジーシリーズ関連作品リンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/267.html]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
FFシリーズの派生作品であるファイナルファンタジー・クリスタルクロニクルシリーズの4作目。&br()『[[ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リング・オブ・フェイト]]』の続編にあたる。主な略称は『FFCCEoT』。


**特徴・評価点
-シナリオは壮大な物語ではないが『謎や伏線を張りつつ、徐々に回収していく』というように解りやすく作られている。

-操作方法は割とシンプル。
--移動とジャンプ、チャージを含む武器攻撃・魔法とオブジェクトやキャラの持ち上げ&投げ。
--魔法は最初から使用可能で、ファイア・ブリザド・サンダー・ケアル・レイズ・クリアの基本6種類がMPの限り使える。魔石は必要ない。
--マジックパイル(複数の魔法をターゲットリングを合わせて同時に放つことでより強力な魔法を放つことができる)も健在。
---基本的にマルチプレイ向けではあるが、シングルプレイでもある程度ならリングホールド(魔法をすぐに発動せずターゲットリングを固定するテクニック。モンスターをロックオンすることも可能)やNPCとの連携を駆使すれば発動可能。
---マジックパイルやリングホールドに使えるターゲットリングの数はレベルアップに従って増えていく。
--特に難しいステージはなく、さくさくと進めることが出来る。
---クリアする毎により高い難易度が設定できるようになるため、(相応のクリア回数が必要だが)戦闘が温くて飽きるということもない。
---また、道中単調にならないために、慎重なジャンプを要する場所やちょっとした仕掛けの謎解きがあり、飽きさせないような工夫が試みられている。
--戦闘に関しても所謂連打ゲーにならないよう調整されている。
---敵の中には空を飛んでいるもの、通常攻撃に強いもの、巣から無限に沸くものなど個性的なものがおり、相手によって戦法を工夫すると戦いが楽になる。
---ボスについても適当に攻撃したところで大きなダメージにはならず、弱点を見つける必要がある。

-やりこみ要素も豊富
--装備は種類が豊富で、レシピも1周目だけではすべて手に入らない。
--スクラッチカードやクエスト収集もある。
---スクラッチカードで遊べるミニゲームをクリアすると、クリアしたカード1枚につき1回だけ、任意のタイミングで一定時間の間様々な特典効果を得ることができる。さらに、クリアした際にご褒美としてレアアイテムがもらえるカードも存在している((決して本編クリアに必要ではないアイテムなのだが、正攻法で手に入れる場合は膨大な手間が必要となる。))。

-装備品の格差の是正
--基本値こそ差はあるが、装備のレベルを最大まで上げれば性能は同程度になり、アビリティも(つけられる数の差はあるが)自由に変更できる等、装備が好みで選べるようになった。
---ちなみに前作では装備毎に付与されるアビリティや能力が固定なため、使いやすい物と使いにくい物の差が大きく、高難易度では装備がほぼ固定となってしまっていた。
---また、装備にアビリティを付与する「ジュエル」はレベル3以上になった装備品を変換することで手に入る。変換できるジュエルは武器ごとに違う上、レベルが上がるとさらに上位のジュエルに変換できる。装備を成長させる楽しみがあるととるか武器の強化が面倒ととるかはプレイヤー次第だが少なくとも古い武器が無駄になりにくい。

-セーブポイントに着けばいつでもシングルプレイとマルチプレイを切り替えられる。
--また、シングルプレイ時には冒険者ギルドで仲間(NPC)を作成して連れて行ける。
---仲間には一人一人に大雑把ではあるが行動方針を設定することができる。
---魔法禁止、魔法(+マジックパイル)重視、何もしないetcの方針が指定できる。魔法重視にしていると、同属性のマジックパイルに協力してくれる。
---ちなみにギルドでメンバーを組む際に''主人公(最初に作成したキャラ)を外すことも可能''。ただしシナリオ上はちゃんと主人公も同行しており、違うキャラが主人公扱いされるなどということはない。
--仲間にできるNPCには「傭兵」というものもあり、彼らは特定の条件を満たすと仲間にできる。レアな装備や普通に作成したキャラとは異なる能力を持っていることもある。

-その他
//--コミカルな会話、ロマンシング サ・ガを彷彿とさせるフリーダムな選択肢やメタな突っ込みなど、街そのものは大きくないのだが割と楽しませてくれる。
//---しかし、一部の会話が余りにもフリーダム過ぎて「シナリオの感動が台無しになった」と漏らすプレイヤーも居ない訳ではない((フリーダムな会話が見られるのは主に街中のNPCと、とあるボスキャラクター。NPCは此方から話しかけなければスルー可能だが、シナリオ上絶対遭遇しなければならないボスキャラクターの方は…。))。この点は人によりけり、といったところか。
//賛否両論点に移動しました
--基本やや引いた視点で固定されているが、街中などにあるおたち台にのれば視点がキャラによるため、装備をじっくり見れる。
--キャラクターはレベルアップによってアビリティを習得する。前述のマジックパイルやリングホールドの最大数上昇のほか、チャージ攻撃の解禁、コンボ最大数増加、能力値ボーナスなどがある。


**賛否両論点
-コミカルな会話、ロマンシング サ・ガを彷彿とさせるフリーダムな選択肢やメタな突っ込みなど、街そのものは大きくないのだが割と楽しませてくれる。
--しかし、一部の会話が余りにもフリーダム過ぎて「シナリオの感動が台無しになった」と漏らすプレイヤーも居ない訳ではない((フリーダムな会話が見られるのは主に街中のNPCと、とあるボスキャラクター。NPCは此方から話しかけなければスルー可能だが、シナリオ上絶対遭遇しなければならないボスキャラクターの方は…。))。この点は人によりけり、といったところか。

-裏技的なテクニックの存在。
--前作に続き、クリアーに必須ではないが、知っているか否かで難易度が変化するテクニックがいくつか存在する。
--「魔石ジャンプ」こそ封じられてしまったものの、本作ではメニュー画面から「ギルを落とす」を選択し、落としたギルを高く積み上げて足場代わりにしてしまうテクニックを使うことができる。誰が呼んだか、通称「ギルジャンプ」。
---セルキー以外でも、スクラッチカードの特典効果((種族を問わず二段ジャンプできるようになる、というものがある。))に頼ることなく高所への移動が可能。マルチプレイで他プレイヤーと協力しなければたどり着く事すらできない場所にあるアイテムを無理矢理手に入れたりもできる。
---ただしスタッフも学習したのか、前作のようなダンジョンでのシーケンスブレイクはほぼできなくなっている。

--もう一つのテクニック「チャージキャンセル」も健在。攻撃後ボタンを離さず少し長押しすると、攻撃モーション後に溜め攻撃のチャージを開始するのだが、この時チャージを始めてすぐにボタンを離すと、モーションの硬直を無視し即座に通常攻撃を繰り出せるというテクニック。
---操作には慣れが必要だが、種族によっては攻撃ボタンを普通に連打しての連続攻撃よりもはるかに早く敵の体力を溶かすことができる。
---流石に使いこなせればユーク一強…という訳ではなくなったものの、それでもユークを使うのであれば習熟は必須レベル。クラヴァットやリルティ、セルキーでも弓を使わないのであれば覚えておいて損は無いほど。


**問題点
-視点が変更できない。斜め方向へ物を投げる時や台から台へ飛び移る時等の操作がやりづらい。
--オプションで上下左右の入力を斜め方向を基本とするものにも変更できる。ただし変更がタイトルからだけなので好きな時に行えないし、上下左右へ移動する必要がある場面もあるためあまり意味はない。

-シングルプレイでは受注出来ないクエストがある。
--クエストのコンプができないという問題はあるものの、アイテムコンプができなくなるわけではない。

-ボタン配置が変更できない。
--操作自体は複雑でない、というか操作性に関する不満のほとんどはボタン配置以外の要素に起因するため大きな欠点ではない。
--ただ、(シングルプレイ時には)魔法の選択と操作キャラクターの変更のコマンドが紛らわしい。前者はRボタンを押しながら十字キーの左右で選択、後者は同じくRボタンを押しながら''十字キーの上下''で切り替える。
---「魔法を切り替えようとしたら操作キャラが変わってしまった」という間違いが結構おこる。
---一応下画面をタッチでも切り替えられるのでこれを使えば間違えることはない。ただしとっさにタッチするのも意外と慣れがいる。

-キャラの能力の強化が面倒。
--誤解の無いように言っておくと普通のレベルアップでも能力値はちゃんと増える。ただしより強力なキャラを作るには少々手の込んだ作業が必要。
---それが特定の場所で手に入るアイテムを繰り返し入手する、キャラを新規作成してレベルアップによる上昇量の補正アビリティを大量につける、といった手段。だが前者は上昇量が雀の涙程度しかなく、後者は計画的に行わないと失敗するうえに特定の装備品がないと実行できない。

-NPCは残念ながら利口とはいえない。
--敵の攻撃を避けてくれない、攻撃するまでの感覚が長い、ちょっとした段差や穴を飛び越せずに引っかかる、など。
---Lボタンで集合させることができるので下手なジャンプで穴に落ちまくるよりはずっとマシではある…が、ダメージ床などのトラップには結構引っかかる。
--また、どの命令でも常にプレイヤーについてくるため敵に持ち上げ攻撃しようとしたら間違って仲間を持ち上げたり、作動させた仕掛けの邪魔になったりするトラブルも時々起る。その場に待機する命令が欲しかった。
-シングルプレイだと上位のマジックパイルがやりづらい。
--前述のとおりNPCはマジックパイルに協力してくれるのだが、同じ属性で合わせるため限度がある。
---例:ファイアでマジックパイルを試みた場合、NPCは同じファイアでターゲットリングを合わせるためファイラ(ファイガ)は簡単に出せるが、バリア(ファイアとクリアが必要)を出すことはできない。
--また魔法の最も得意なユークでもリングホールドは4つまでが限度のため、最上位のマジックパイルはシングルでは不可能。
--もっとも、そこまでのレベルのマジックパイルは攻略に必須ではない。
---マジックパイル自体、友達との協力を楽しむための要素なので、一人ですべてこなせては本末転倒かもしれない。

-敵に魔法で攻撃した際、敵の状態異常が切れると「怒り」状態となり青い炎のようなものが頭部に現れる。この間は魔法攻撃が一切効かない。ちなみにエフェクトこそないものの味方にも発生する。
--このため基本魔法で連続攻撃する戦法はお勧めできない。
--ちなみにこの仕様、''説明書には載っていない''。

-状態異常は仕方ないとして、被ダメージ時や吹き飛ばされて転倒した際に復帰に時間がかかる。
--敵が複数いると連続して攻撃や魔法を喰らって倒されることも少なくない。
---一人でも遊べるとは言え、やはりマルチプレイ向けの調整である。

-処理落ちしやすい。
--ハードのスペックの問題で、処理落ちして動作が緩慢になったり操作を受け付けなくなる場面が頻繁に発生する。
--大量のドロップアイテムを拾わずに放置した場合や、多数の敵が一度に出現した場合などはほぼ確実に処理落ちを起こす。


**総評
全体的にシンプルながら丁寧に作られている。~
多少の操作性の悪さも、慣れればそこまで問題はない(慣れるまでに時間がかかるが…)。 

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**Wii版 
|ジャンル|アクションRPG|&amazon(B001NPE3KE)|
|対応機種|Wii|~|
|発売・開発元|スクウェア・エニックス|~|
|発売日|2009年1月29日|~|
|定価|5,040円(税5%込)|~|
|プレイ人数|1~4人|~|
|セーブデータ|1個|~|
|レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
//|ポイント||~|

-本作は同時にWii版も発売されている。

-DS版との同ゲームの連動で、TV画面でDS同様2画面表示をするため、配置や大きさの変更は出来るものの小さい画面ではかなり厳しい仕様。

-DS版との同ゲームの連動なため、当然グラフィックもDS版基準になっている。

-操作がリモコン+ヌンチャクのみ、しかも移動はスティックなので細かい操作がし辛い。
--ハードのスペックがDSに比べたら高いので処理落ちが殆どない、というメリットもある。 


**総評・余談
-スクエニの「DSとWiiでマルチ展開をする」という計画のもとに開発されたソフトであったが、Wii版は受け入れられず以後同様のソフトは全く作られていない((DSとWiiのマルチソフトはいくつもあるが、どれもWii版はWiiクオリティで製作されている。無論、そういった作品はハード間の連動は本作と違ってごくわずか、もしくはまったく別のゲームだったりする))。
-残念な事に、この作品は両機種とも現在ではアマゾン・ソフマップ・ビックカメラなどで新品980円以下まで値下がりしている。特にビックカメラでは期間限定であるが発売から半年弱で1980円以下まで落とされている。
--だからといって売り上げが悪かったというわけではなくDS版のみで約25万本、Wii版を合わせると約30万本と十分ヒットしたと言える程度の結果は残している。ただ、それ以上に出荷本数が多かったために投げ売りの常連となったというわけだ。
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