「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル エコーズ・オブ・タイム」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル エコーズ・オブ・タイム - (2019/11/02 (土) 19:39:11) のソース

*ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル エコーズ・オブ・タイム
【ふぁいなるふぁんたじー・くりすたるくろにくる えこーず・おぶ・たいむ】
|ジャンル|アクションRPG|&amazon(B001NPE3K4)|
|対応機種|ニンテンドーDS|~|
|発売・開発元|スクウェア・エニックス|~|
|発売日|2009年1月29日|~|
|定価|5,040円(税5%込)|~|
|プレイ人数|1~4人|~|
|セーブデータ|1個|~|
|レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
//|ポイント||~|
|>|>|CENTER:''[[ファイナルファンタジーシリーズ]]''|
|>|>|CENTER:''クリスタルクロニクルシリーズ [[FFCC>ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル]] / [[RoF>ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リング・オブ・フェイト]] / CLK / &color(red){EoT} / [[CLD>光と闇の姫君と世界征服の塔 ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル]] / [[TCB>ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル クリスタル・ベアラー]]''|
//(リンクのうち記事未作成) [[CLK>小さな王様と約束の国 ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル]]
----
#contents(fromhere)
----
**概要
FFシリーズの派生作品であるファイナルファンタジー・クリスタルクロニクルシリーズの4作目。~
3作目の『小さな王様と約束の国』は国作りRPGだったが、本作は1・2作目と同様のアクションRPGに戻っている。~
主な略称は『FFCCEoT』。

**特徴・評価点
-シナリオは壮大な物語ではないが『謎や伏線を張りつつ、徐々に回収していく』というように解りやすく作られている。

-操作方法は割とシンプル。
--移動とジャンプ、チャージを含む武器攻撃・魔法とオブジェクトやキャラの持ち上げ&投げ。
--魔法は最初から使用可能で、ファイア・ブリザド・サンダー・ケアル・レイズ・クリアの基本6種類がMPの限り使える。魔石は必要ない。
--マジックパイル(複数の魔法をターゲットリングを合わせて同時に放つことでより強力な魔法を放つことができる)も健在。
---基本的にマルチプレイ向けではあるが、シングルプレイでもある程度ならリングホールド(魔法をすぐに発動せずターゲットリングを固定するテクニック。モンスターをロックオンすることも可能)やNPCとの連携を駆使すれば発動可能。
---マジックパイルやリングホールドに使えるターゲットリングの数はレベルアップに従って増えていく。
--特に難しいステージはなく、さくさくと進めることが可能。
---クリアする毎により高い難易度が設定できるようになるため、(相応のクリア回数が必要だが)戦闘が温くて飽きるということもない。
---また、道中単調にならないために、慎重なジャンプを要する場所やちょっとした仕掛けの謎解きがあり、飽きさせないような工夫が試みられている。
--戦闘に関しても所謂連打ゲーにならないよう調整されている。
---敵の中には空を飛んでいるもの、通常攻撃に強いもの、巣から無限に沸くものなど個性的なものがおり、相手によって戦法を工夫すると戦いが楽になる。
---ボスについても適当に攻撃したところで大きなダメージにはならず、弱点を見つける必要がある。

-やりこみ要素も豊富
--装備は種類が大幅に増加し、作成する為のレシピも特定の難易度でしか手に入らないものが存在する。この為、1周クリアするだけではすべての装備は手に入らない。
--スクラッチカードやクエスト収集といった要素もある。
---スクラッチカードで遊べるミニゲームをクリアすると、クリアしたカード1枚につき1回だけ、任意のタイミングで一定時間の間様々な特典効果を得ることができる。さらに、クリアした際にご褒美としてレアアイテムが貰えるカードも存在している((貰えるアイテムは決して本編クリアには必要ないものなのだが、中には正攻法で手に入れる場合膨大な手間が必要となるものもある。))。

-装備品の格差の是正
--基本値こそ差はあるが、装備のレベルを最大まで上げれば性能は同程度になり、アビリティも(つけられる数の差はあるが)自由に変更できる等、装備が好みで選べるようになった。
---ちなみに『RoF』では装備毎に付与されるアビリティや能力が固定なため、使いやすい物と使いにくい物の差が大きく、高難易度では装備がほぼ固定となってしまっていた。
---また、装備にアビリティを付与する「ジュエル」はレベル3以上になった装備品を変換することで手に入る。変換できるジュエルは武器ごとに違う上、レベルが上がるとさらに上位のジュエルに変換できる。装備を成長させる楽しみがあるととるか武器の強化が面倒ととるかはプレイヤー次第だが少なくとも古い武器が無駄になりにくい。
--更に、『RoF』では種族ごとに装備可能な武器が決まっていたが、本作では全ての種族で好きな武器を装備できるようになった。とはいえ、連続攻撃の回数やチャージ攻撃の能否などによって種族の差別化はきちんとなされている。

-セーブポイントに着けばいつでもシングルプレイとマルチプレイを切り替えられる。
--Wi-Fiでマルチプレイを行えるようになったという点も非常に大きい。

-シングルプレイ時には冒険者ギルドで仲間(NPC)を作成し、連れ回すことができる。
--仲間には一人一人に大雑把ではあるが行動方針を設定することができる。
--魔法禁止、魔法(+マジックパイル)重視、何もしないetcの方針が指定できる。魔法重視にしていると、同属性のマジックパイルに協力してくれる。
---ちなみにギルドでメンバーを組む際に''主人公(最初に作成したキャラ)を外すことも可能''。ただしシナリオ上はちゃんと主人公も同行しており、違うキャラが主人公扱いされるなどということはない。
--仲間にできるNPCには「傭兵」というものもあり、彼らは特定の条件((「お金を払う」という傭兵らしい条件や「特定のクエストをクリア」「モンスター1,000体討伐」「最高難易度に到達」といったやりこみ要素、「フレンドリスト5人以上」というぼっちには厳しい内容、更には「かくれんぼ勝負で隠れた傭兵を見つけ出し勝利する」という変わったものもある。))を満たすと仲間にできる。
---最初からレベルが高く、普通に作成しようとしたら手間が掛かるレア装備を所持している為即戦力として期待できる。…1名だけ条件達成の面倒さに見合わない低能力な傭兵がいるが、その辺はご愛嬌。
---また普通に作成したキャラとはレベルアップ時の成長が異なる。多くの場合は、特定の能力が極端に成長しやすいというもの。この仕様が理由で、やりこみを考慮するのであれば普通に作成したキャラのほうがより強く育ちやすかったりする。

-その他
//--コミカルな会話、ロマンシング サ・ガを彷彿とさせるフリーダムな選択肢やメタな突っ込みなど、街そのものは大きくないのだが割と楽しませてくれる。
//---しかし、一部の会話が余りにもフリーダム過ぎて「シナリオの感動が台無しになった」と漏らすプレイヤーも居ない訳ではない((フリーダムな会話が見られるのは主に街中のNPCと、とあるボスキャラクター。NPCは此方から話しかけなければスルー可能だが、シナリオ上絶対遭遇しなければならないボスキャラクターの方は…。))。この点は人によりけり、といったところか。
//賛否両論点に移動しました
--基本やや引いた視点で固定されているが、街中などにあるおたち台にのれば視点がキャラによるため、装備をじっくり見れる。
--キャラクターはレベルアップによってアビリティを習得する。前述のマジックパイルやリングホールドの最大数上昇のほか、チャージ攻撃の解禁、コンボ最大数増加、能力値ボーナスなどがある。
--『RoF』より2段階減ったものの、BGM、効果音、ボイスのボリュームをそれぞれ0(無音)~8(最大)の全9段階から自分の好みのものに調節可能。BGMは問題ないが、ボイスや効果音がうるさく感じてしまうので小さくしたいという人でも安心。
---地味ながら出力もステレオとモノラルの2種類から選べる点も『RoF』と同様。
--あるダンジョンをクリアすると、『RoF』に登場したボスとも戦えるようになる。
---攻撃方法や弱点、攻略法もほぼそのまま。当然ながら強さもそのままなので、調子に乗って到達時点で『RoF』後半のボスに挑んだりすると泣きを見る。
---本編シナリオとはこれっぽっちも関係ない要素なので無視することもできるが、倒せば強力な装備品を作るための素材を落とす事がある。


**賛否両論点
-コミカルな会話、ロマンシング サ・ガを彷彿とさせるフリーダムな選択肢やメタな突っ込みなど、街そのものは大きくないのだが『RoF』と同様割と楽しませてくれる。
--しかし、その『RoF』と比較しても一部の会話が余りにもフリーダム過ぎて「シナリオの感動が台無しになった」と漏らすプレイヤーも居ない訳ではない((フリーダムな会話が見られるのは主に街中のNPCと、とあるボスキャラクター1名、そしてシナリオでも重要なNPCであるシェルロッタ本人。NPCは此方から話しかけなければスルー可能だが、シナリオ上絶対遭遇しなければならない後者2名の方は…。))。この点は人によりけり、といったところか。

-裏技的なテクニックの存在。
--『RoF』に続き、クリアーに必須ではないが、知っているか否かで難易度が変化するテクニックがいくつか存在する。
--「魔石ジャンプ」こそ封じられてしまったものの、本作ではメニュー画面から「ギルを落とす」を選択し、落としたギルを高く積み上げて足場代わりにしてしまうテクニックを使うことができる。誰が呼んだか、通称「ギルジャンプ」。
---セルキー以外でも、スクラッチカードの特典効果((種族を問わず二段ジャンプできるようになる、というものがある。))に頼ることなく高所への移動が可能。マルチプレイで他プレイヤーと協力しなければたどり着く事すらできない場所にあるアイテムを無理矢理手に入れたりもできる。
---ただしスタッフも学習したのか、『RoF』のようなダンジョンでのシーケンスブレイクはほぼできなくなっている。

--もう一つのテクニック「チャージキャンセル」も健在。攻撃後ボタンを離さず少し長押しすると、攻撃モーション後に溜め攻撃のチャージを開始するのだが、この時チャージを始めてすぐにボタンを離すと、モーションの硬直を無視し即座に通常攻撃を繰り出せるというテクニック。
---操作には慣れが必要だが、種族によっては攻撃ボタンを普通に連打しての連続攻撃よりもはるかに早く敵の体力を溶かすことができる。
---流石に使いこなせればユーク一強…という訳ではなくなったものの、それでもユークを使うのであれば習熟は必須レベル。クラヴァットやリルティ、セルキーでも弓以外の武器を使うのであれば覚えておいて損は無いほど。


**問題点
-相変わらず視点が変更できない。斜め方向へ物を投げる時や台から台へ飛び移る時等の操作がやりづらい。
--オプションで上下左右の入力を斜め方向を基本とするものにも変更できる。ただし変更はタイトル画面からしか行なえず、また本作中では上下左右へ移動する必要がある場面も多い為、解決策としては微妙。

-シングルプレイでは受注できないクエストが幾つかある。
--クエストのコンプができないという問題はあるものの、幸いにしてマルチ限定のクエストでしか入手できないアイテムは存在していない。

-『RoF』と異なり、ボタン配置が一切変更できない((もっとも、『RoF』もAボタンとYボタンの操作が逆になる程度と微妙な変更しかできなかったが。))。
--操作自体は複雑でない、というか操作性に関する不満のほとんどはボタン配置以外の要素に起因するため大きな欠点ではない。
--ただ、(シングルプレイ時には)魔法の選択と操作キャラクターの変更のコマンドが紛らわしい。前者はRボタンを押しながら十字キーの左右で選択、後者は同じくRボタンを押しながら''十字キーの上下''で切り替える。
---「魔法を切り替えようとしたら操作キャラが変わってしまった」という操作ミスが頻繁に発生してしまう。
---一応下画面のタッチでも切り替えられるので、これを使えば間違える事はない。しかし咄嗟にタッチするのも慣れが必要。

-キャラの能力の強化が面倒。
--誤解の無いように言っておくと普通のレベルアップでも能力値はちゃんと増える。ただしより強力なキャラを作るには少々手の込んだ作業が必要。
---「特定の場所で手に入る能力上昇アイテムを繰り返し入手する」「キャラを新規作成し、装備にレベルアップによる能力上昇量を補正するアビリティを大量につける」といった二通りの手段がある。
---だが前者は1回あたりの上昇量が雀の涙程度しかなく、後者は計画的に行わないと失敗するうえ、特定の装備品がないと実行できない。

-『RoF』と同様に、NPCは残念ながら利口とはいえない。
--敵の攻撃を避けてくれない、攻撃するまでの感覚が長い、ちょっとした段差や穴を飛び越せずに引っかかる、など。
---Lボタンで集合させることができるので下手なジャンプで穴に落ちまくるよりはずっとマシではある…が、ダメージ床などのトラップには結構引っかかる。
--また、どの命令でも常にプレイヤーについてくるため敵に持ち上げ攻撃しようとしたら間違って仲間を持ち上げたり、作動させた仕掛けの邪魔になったりするトラブルも時々起る。その場に待機する命令が欲しかった。
-シングルプレイだと上位のマジックパイルがやりづらい。
--前述した通りNPCはマジックパイルに協力してくれるのだが、同じ属性で合わせる為出せる魔法には限度がある。
---例:ファイアでマジックパイルを試みた場合、NPCは同じファイアでターゲットリングを合わせるためファイラ(ファイガ)は簡単に出せるが、バリア(ファイアとクリアが必要)を出すことはできない。
--また魔法の最も得意なユークでもリングホールドは4つまでが限度のため、最上位のマジックパイルはシングルでは不可能。
--もっとも、そこまでのレベルのマジックパイルは攻略に必須ではない。
---マジックパイル自体、友達との協力を楽しむための要素なので、一人ですべてこなせては本末転倒かもしれない。

-敵に魔法で攻撃した際、敵の状態異常が切れると「怒り」状態となり青い炎のようなものが頭部に現れる。この間は魔法攻撃が一切効かない。ちなみにエフェクトこそないものの味方にも発生する。
--このため基本魔法で連続攻撃する戦法はお勧めできない。%%まぁ、ユークにはチャージキャンセルがあるので困る事は無いのだが…%%
--ちなみにこの仕様、''説明書には載っていない''。

-状態異常は仕方ないとして、被ダメージ時や吹き飛ばされて転倒した際に復帰に時間がかかる。
--『RoF』と比較すると、敵が複数いた場合に連続で攻撃・魔法を喰らって倒されることが多くなった。
---一人でも遊べるとはいえ、やはり初代寄り・マルチプレイ向けの調整となっている感は否めない。

-処理落ちしやすい。
--ハードのスペックの問題で、処理落ちして動作が緩慢になったり操作を受け付けなくなる場面が頻繁に発生する。
--大量のドロップアイテムを拾わずに放置した場合や、多数の敵が一度に出現した場合などはほぼ確実に処理落ちを起こす。


**総評
丁寧な出来栄えであった『RoF』から更に煮詰めた結果、全体的にシンプルながらも、丁寧な作りをしっかり感じられる一作となった。~
特に装備品の格差是正や、マルチプレイのWi-Fi対応といった改善がなされた点は極めて大きい。~
『RoF』以上にフリーダムぶりが加速した会話は好みが分かれるものの、全体的なクオリティは間違いなく良作のそれである。

----
**Wii版 
|ジャンル|アクションRPG|&amazon(B001NPE3KE)|
|対応機種|Wii|~|
|発売・開発元|スクウェア・エニックス|~|
|発売日|2009年1月29日|~|
|定価|5,040円(税5%込)|~|
|プレイ人数|1~4人|~|
|セーブデータ|1個|~|
|レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
//|ポイント||~|

-本作は同時にWii版も発売されている。

-DS版との連動の都合上、幾つかの制約が生まれてしまっている。
--TV画面でDS同様2画面表示をするため、配置や大きさの変更はできるものの、小さい画面ではかなり視認性が悪く厳しい仕様。
--当然グラフィックもDS版基準になっている。最早ジャギーが目立つとかいうレベルではない。

-操作がリモコン+ヌンチャクのみ、しかも移動はスティックなので細かい操作がし辛い。
--ハードのスペックがDSに比べたら高いので処理落ちが殆どない、というメリットもある。 


//同じ項目名が複数存在すると#contentsプラグインのリンク機能が正常に働かなくなってしまうため、項目名を総評(Wii版)に変更しました
**総評(Wii版)
-スクエニの「DSとWiiでマルチ展開をする」という計画のもとに開発されたソフトであったが、Wii版は受け入れられず以後同様のソフトは全く作られていない((DSとWiiのマルチソフトはいくつもあるが、どれもWii版はWiiクオリティで製作されている。無論、そういった作品はハード間の連動は本作と違ってごくわずか、もしくはまったく別のゲームだったりする))。
-残念な事に、この作品は両機種とも現在ではアマゾン・ソフマップ・ビックカメラなどで新品980円以下まで値下がりしている。特にビックカメラでは期間限定であるが発売から半年弱で1980円以下まで落とされている。
--だからといって売り上げが悪かったというわけではなくDS版のみで約25万本、Wii版を合わせると約30万本と十分ヒットしたと言える程度の結果は残している。ただ、&bold(){それ以上に出荷本数が多かった}ために投げ売りの常連となってしまったのである。
----
**余談
-本作で作成できる装備品の中には「メイド服や巫女服、セーラー服((一応『RoF』でも「異世界の萌え服」などの名義で登場はしていた。))」「他のFFCCシリーズ登場キャラのコスプレ」「FFシリーズ本編の召喚獣を模した装備」「[[魔導アーマー>ファイナルファンタジーVI]]」「[[ヴァンツァー装備>フロントミッションシリーズ]]」といったネタ装備も多く見られる。
--単なるネタという訳ではなく、これらの一部は最終装備としても十分な性能を持っている。
--そうしたネタ装備の中でも一番きわどいのが「白球の服」。お察しの通り野球のユニフォームで、一見すると世界観から浮いている以外にネタ要素は無いように見える…が、野球帽や野球ヘルメットではなく、なぜか「[[怪しいきぐるみ>ドアラでWii]]」なる頭装備とセットになっているのである。
---セットで装備した際の見た目は…ぜひとも自身の目で確かめていただきたい。