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Dead Space - (2016/03/05 (土) 19:58:38) のソース

*Dead Space
【でっどすぺーす】
|ジャンル|TPS|#amazon(B0019840IA)|
|対応機種|Xbox360&br;プレイステーション3&br;Windows XP/Vista|~|
|発売元|エレクトロニック・アーツ|~|
|開発元|EA Redwood Shores(現:Visceral Games)|~|
|発売日|2008年10月14日|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
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#contents(fromhere)
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#center{&size(35){''WARNING!!!!!!!''}&br;&size(20){''ESRBからM指定を受けている17歳以上対象のゲームです。''}}
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**概要
タンスの隙間のような間の抜けたタイトルだが、実際はハードコアなホラーシューティング。~
宇宙採掘艦「USG Ishimura」で起きた事故を調査しに行くサラリーマン主人公の冒険鐔。スーパーソルジャーでも伝説の戦士でもない、ただのエンジニアである。~
ただのエンジニアのはずなのに往年のSFを思わせる頑強なスーツを身にまとっている。電動工具でクリーチャーをミンチにしたり、アイテム箱を勢いよく踏みつぶす様が頼もしい。~
旧来の[[バイオハザードシリーズ]]に通じる緊迫感のある演出や、三人称視点である事を生かしてよく練られたシステムが好評を得ている。作風自体も[[biohazard 4]]の影響を強く受けており、手本となっている~
過激な残虐描写により日本ではwiiの「Dead Space:Extraction」((「1」の前日の出来事を描いた、いわゆるスピンオフ作品))とモバイル版(iOS・Android対応、2の前日談に当たる外伝)を除き発売していない。

**シナリオ
「USG Ishimura」の上級医師官であり、恋人「Nicole Brennan」から受け取ったSOSとも取れる映像を受け取った主人公「Isaac Clarke」は、事故により救難信号を受けた「USG Ishimura」の修復作業に志願し、他の作業メンバーとともに向かう。~
しかし、そこで待ち受けていたものは死体で満ち溢れた船内と、異形の化け物だった。逃げ出した先でPlasma Cutterを手にしたIsaacは化け物「ネクロモーフ」との死闘と船内修復を行いながらNicoleの搜索を行うが…。

**特徴
***画面表示
-画面にはスコア表示や体力などの数値表記が無く、全てが画面内に自然に表示されており、没入感を高めている。
--体力や特殊能力ゲージは主人公のスーツ背面(作中ではRIGと呼ばれる)に示されている。
--残弾数は武器のモニター部に表示される。
--メニューや各種コマンド、通信などは「主人公の前面にホログラム表示されている」という体で表示される。これらは実際に立体オブジェクトで描画されており、カメラを動かすとそれに追従する。
-利便性の高いLocator(ロケーター)
--右スティックを押しこむことで目標地点がへの移動通路が表示される機能。ぶっちゃけ、&bold(){英語を知らなくてもこれさえあれば行き先が解る}ので非常に便利な機能。
---「2」ではメニューのMAP機能が無くなった代わりに最寄りのセーブステーションやストアの方向も解るようになり、より便利になった。
-また、ローディング画面もほぼ無く、エレベーターなどの移動中に自然に読み込まれる。

***部位切断
-本作のメインフィーチャー。本作の敵である「ネクロモーフ」を攻撃する際に腕や足などを部位ごとに狙って切断することができる。ちなみに敵だけでなく、そこらにある人間の死体も切断する事ができる。ゲームオーバーの際にはプレイヤーも手足が吹き飛んだりする。こういった点が、日本での発売ができない理由の一つ。
--通常こういったFPSやTPSでは敵の弱点が頭部であり、それを撃つ事で大ダメージを与える事ができるが、本作においては必ずしも頭部が弱点ではない。
---例として、本作の代表的な敵「Slasher」は鎌のような両腕が弱点であり、切断すると即死する。この事はゲーム内でも語られる。
--出現する敵に合わせて腕や脚、触手などを狙って切断することで、状況を効率よく打開することができる。シューティングとしての「狙い撃つ」楽しさが発揮されている。また、中盤から後半にかけて黒い体色の「Super」或いは「Enhanced」の名が付いた、強化型(通称黒化)も登場するため尚更重要になる。
--部位を切断された敵は、なおも残った部位を利用して主人公に攻撃を仕掛けてくる。それぞれ異なったモーションが設定されており、生々しさが増している。
---前述の「Slasher」で言えば頭部を切断された場合、周りが見えない状況でありながら両腕を振り回しながら迫ってくる。また、高威力の組み付き攻撃は頭部を破壊することで封じれる。
--また、本作の敵のAIは主人公を殺害するまで追撃してくるよう設計されており、隣の部屋に逃げ込んだくらいではエアダクトを通じて追いかけてくる。「Slasher」なら脚部を破壊し、歩行不能にしない限り逃げ切れない。
--船内の死体への攻撃判定についても、放置した死体が怪物に変質することが良くあり、高難度では前もって変質できないように変質後の弱点である手足を破壊するという戦術が重要になってくるためであり、決して無駄な残虐描写のためではない。本作では確実に黒化に変質するので尚更((以降の作品では通常個体に変質することが多い))。

***武器や装備
-主人公はただのエンジニア。そのため、銃などではなく主に&bold(){工具}を武器として用いる。プライマリとセカンダリ(工具・武器の付加機能)で発射方法など変わるのでそれも含め述べる。
-「&bold(){何故工具か?}」と言う理由は、上記の通り本作の敵は四肢が弱点であり、胴体撃ちやヘッドショットもやや効果が薄い。また、兵器も「対人用」のに対し工具は「資材用」。つまり「&bold(){工具は如何に物を破壊するか・兵器は如何に殺傷するか}」という差別化がなされている。主人公が上級エンジニアという都合上、工具の扱いに長けているという背景もある。
-また、敵であるネクロモーフは「死体に寄生した微生物が本体」或いは「人や死体がある影響を受けて変化したもの」の為、頭部や臓器といった生体器官を必要としない、言わば「死体を操っている人形」様なもの。四肢切断が有効なのは行動手段を失うと寄生している微生物が自壊するという性質から。
-なお、Plasma Cutter・Stasis・Kinesisを除いた全ての装備はSchematic(回路図)を入手し、船内の至るところにあるストアで購入可能になる。敵がドロップしたり落ちていたりするクレジットでストアでは弾薬を購入し、補充することも可能。また、クレジット換金アイテムのConductor(半導体)やPeng((実績・トロフィーにも関わる彫像))も存在する。
--&bold(){Plasma Cutter}(プラズマカッター)
---最初に手に入る工具。元は資材などの切断用に使用されるものだが、本作では武器になる。帯状のプラズマビームを放つ代物で、他作品でいうハンドガンのような使い勝手を持ち、乱戦を除けば殆どの状況に対応可能。弾単価が安く補充が容易なのも魅力。セカンダリで攻撃はできないもののボタンを押すたびに撃つ向きが縦横に変化するので、狙う場所に合わせることが大切。またこの武器を使用したある実績・トロフィーもある。((「One Gun」という実績・トロフィー。内容はこれのみを使用してゲームをクリアするというもの))
---入手地点のPlasma Cutterの図面には血文字で『&bold(){CUT OFF THEIR LIMBS}』=『&bold(){奴らの四肢を切れ}』というヒントが記されている。((ちなみにこのヒントはモバイル版にも記されている))
---設定上では200年前から製造されているポピュラーな器具で、医療用にも使用されている。「2」に登場するPlasma Cutterはフラッシュライトと医療用メスを&bold(){数秒で組み合わせて}Isaacが作った物。「2」の登場人物Ellieやモバイル版のVandal等が使用するのは本作と同モデルで、本作のセーブデータがあれば特典武器として使用可能。(性能は変わらないが)
---「2」「3」のイメージイラストでもIsaacが所持しているのはこの正規モデル((ちなみに正式名称は「211-V Plasma Cutter」))。
--&bold(){Line Gun}(ラインガン)
---大型資材を切断する際に使われる工具だが、やはりこれも武器になる。攻撃範囲が横長に広いプラズマカッターが貫通するので、複数の敵を一度に攻撃する事も可能。セカンダリは数秒の後に爆発する機雷を発射する。やや扱いづらいが威力は高く、ネクロモーフを纏めて粉砕可能な他、Guardianの様に弱点が密集した敵を瞬殺することも可能。グレネードランチャーのようだが、あくまで&bold(){工具}である。
--&bold(){Ripper}(リッパー)
---前方で一定時間滞空する丸鋸を発射する工具。キャラが動くと丸鋸も一緒についてくる他、滞空している間は連続してヒットする。射程は短いものの挙動に慣れると少ない弾数で敵を倒せるため、非常にコストパフォーマンスがよい。セカンダリは、この丸鋸を滞空させずに飛ばす。威力が高く貫通しやすいので、遠距離の敵にはこちらを使う。
--&bold(){Flamethrower}(フレイムスロワー)
---溶接用の火炎放射器。断続的に炎を浴びせるため、総火力は高い。セカンダリは燃料を10発消費して前方に数発の火炎弾を発射。着弾時点に燃焼し続け、他の武器で動きを止めつつ継続ダメージと合わせれば中々の威力を発揮する。
---「2」のセカンダリは燃料タンクそのものを前方に射出し、直撃或いは一定時間置いてから爆破。軌道にクセがあるが高威力かつ更に命中箇所が炎上する。
--&bold(){Force Gun}(フォースガン)
---粉塵除去用のキネティック砲。前方広範囲に強力な衝撃波を放つ、簡単に言えば空気砲。威力高めかつ連射も比較的効く上に当たれば強制ダウン、そうでなくてもノックバックの為攻防ともに優秀。反面、距離が離れすぎると威力が減衰してしまい、位置や距離によっては雀の涙程度のダメージにしかならない。セカンダリは接触型グレネード。Line Gunのセカンダリ同様複数敵を巻き込むことも出来、中々の威力だが跳ね返ったり爆風に巻き込まれると自爆する危険がある。…れっきとした&bold(){工具}である。
---ちなみに「Force Gun」は通称で、正式名称は「Handheld Graviton Accelerator」とやたら長い。
---「2」ではFlamethrowerやPulse Rifleとの差別化の為か、セカンダリが遠距離用の凝縮型の指向性キネティック砲に変更。…&bold(){工具}である。
--&bold(){Contact Beam}(コンタクトビーム)
---瓦礫除去用の高出力ビーム砲。性能も殆ど兵器だがちゃんとした&bold(){工具}である。発射に溜めを要するが未強化でも凄まじい威力を発揮する為、ボス戦や大型敵との相手で役立つ。その反面、弾薬が高価なので乱発は出来ない。セカンダリは工具の砲門そのものを地面に密着させて衝撃波を放つ。威力高めの全方位攻撃だが出が遅く、使い所が難しい。
--&bold(){Pulse Rifle}(パルスライフル)
---本作では唯一の&bold(){兵器}。エネルギー弾を高速連射する、所謂マシンガンポジション。物量攻撃と言う関係上、単発の火力は低いものの大抵ヒットバックをとれ、連射力によって瞬間火力も高い。ただ、点攻撃の為使い勝手が良いとはいえない。セカンダリは銃身を高速回転させて全方位射撃。囲まれた場合の緊急回避手段用としては使える。
---「2」のセカンダリはグレネードに変更。消費弾数こそ多いが扱い易い範囲攻撃。ただ、やや威力は低め。
-武器以外にもプレイヤーをサポートする装備がいくつか存在する。
--&bold(){Stasis}(ステイシス)
---武器を構えた状態から使用する。当たった対象物の動きを一定時間遅くする弾を飛ばす。敵に当てて進行を遅くする他、高速で開閉するドアに当てて遅くした後に通過するなど、シナリオ上のギミックを攻略する際に使用する事も多い。
---RIGにステイシス用のゲージがあり、残量分だけ使用可能。至る所にチャージャー(ゲージ全回復装置)やアイテムのステイシスパックで回復も可能な為、ゲージが足りなくなって詰みになるという場面はまず無い。
---ちなみにやや反則気味だが、ノーコストでゲージ全回復のチートコードもある。
--&bold(){Kinesis}(キネシス)
---ステイシスと同じく武器を構えた状態から使用する。離れた場所にあるものを引き寄せたり、掴む事ができる。掴んだものは飛ばす事ができ、敵に当てると微弱ながらダメージを与える事ができるが、実際はギミック攻略の際に使用する事がほとんどである。爆発物であるガスタンクやExploderの左腕(爆発器官)を放てば強力な範囲攻撃を狙える。やや難しいが敵の一部の攻撃を掴んで投げ返すことも可能。
---変わった使い方としてForce Gunのグレネードを掴んで中空で爆破させたり、Ripperの鋸を手元に引き寄せることも可能。
--&bold(){スーツ}
---エンジニア用の防護服だが意外に耐久力が高く、スーツのレベルが上がると防御力の向上に加えてイベントリ(アイテムスロット数)も上昇、見た目も仰々しくなる。性質上真空空間での活動も可能。(詳しくは後述)
-これらの装備はPowerNode((エンジニア用電池。Isaacがエンジニアである為の小道具でもある))をワークベンチで消費し、強化を行うことが可能。武器だけではなくRIGやモジュール(キネシスの射程強化やライフ量・ステイシス使用回数増加等)の強化も施せる。また、特定のロックされた部屋にPowerNodeを消費して侵入することも可能。
--ただ、回路は装備品ごとに異なり、強化にも特定の箇所にNodeを埋めないと発揮されない仕組み。好きに回路を埋められるわけではなく迷路のようにスタート地点が決まっており、そこから通じるように配置しないといけない。何の効果もない隙間の部分もある。
--PowerNodeは専用枠でストックされるため、イベントリは切迫されない。希少品だが購入も可能。ただし高価。
-また、武器に頼らず直接殴りつけたりスタンプも事も可能。弱点部位に当たればちゃんとダメージも増加するため、状況次第では十分役立つ。((ちなみに格闘攻撃はMeleeと言う名称が設定されている。また、モバイル版に登場する白兵戦用の工具Plasma Sawや「3」のHydraulic Engine系武器もこのカテゴリで登場する))

***無重力空間・宇宙空間
-宇宙を舞台としているので、無重力空間や宇宙空間に出ることがある。
--この場合、プカプカと浮遊するわけでは無く、靴の裏に磁石がついているイメージ((設定でもエンジニアスーツは無重力でも行動できるように「グラビティブーツ」が装備されている。))。勢い良くジャンプすると壁にぶつかるまで跳び続ける。壁が無い宇宙空間だとそのまま死んでしまう。ちなみにモバイル版もこの形式の操作になっている。
---続編の「2」・「3」ではスーツにスラスターが内蔵されており、無重力空間を自由に移動する事ができるようになっている。
--宇宙空間では主人公の声と歩行音以外が伝わらないため、いつの間にか背後に敵がいたりして非常に心臓に悪い。
---また、無酸素空間のみ、残りの酸素量がスーツに表示される。時間経過で減り、0になると勿論ゲームオーバー。長丁場になる場面では、酸素が補給できるポイントや回復アイテムがあるため大抵は心配する事はない。

***臨場感
-先であげた画面表示についてもそうだが、本作は臨場感に非常に拘って制作されている。
--場面場面で、ホラー映画のように的確に恐怖を煽る演出が秀逸。人の気配のしない宇宙船の中ということで、閉所恐怖症ならなおさらだろう。かろうじて発見した生存者を救うことすら出来ず死なせてしまうのもザラ。
--意味不明な文字やダイイングメッセージが描かれている場所があるが、これは本シリーズに登場する宗教団体「The Church of Unitology」((日本語訳でユニトロジー教会。所謂カルト教団だが設定上人類の約半数が信者。信者はユニトロジストと呼ばれ、作中でも嫌悪する人物も多数居る他、この組織自体が本シリーズに深く関わっている。ちなみに主人公Isaacの母もユニトロジスト))内で使用されている言語。不気味さを駆り立てているだけでなく、ちゃんとそれらにも意味がある。
--音響も凝っていて、緊張感を高める音楽だけでなく、頭上の配管を何かが這いずる音、艦内のどこかで物が落ちる音、不気味なヒソヒソ声なども嫌になるくらい作り込まれている。ぜひサラウンドヘッドホンで遊びたい。

***賛否両論点
-残虐描写
--本作の特徴でもあるが、敵の造形が非常に生々しく生理的に嫌悪感が出るレベル。また、登場人物や主人公の死に様も多彩で手が込んでいるが、当然容赦なくグロい。苦手な人にはとことん駄目。
--そもそもOPムービーから無数の死体や主人公の死亡集を見せられる。
---主人公の死に様がやたら豊富なのは「&bold(){ゲームオーバーになるのが嫌ならとことんグロくしよう}」という発想から。文字通り木端微塵になるのも日常茶飯事で&bold(){豆腐}呼ばわりされることもしばしば。
--敵の一つ「Lurker」は新生児(臓器交換用のクローン)が基という設定から、日本での発禁の原因の一つとも言われている((ただし噂の域。「エクストラクション」はwiiの日本語ローカライズ版でも普通に登場する))。
---「2」では同様に新生児型の「Crawler」や、幼児型の「The Pack」といった敵が新たに登場。発禁要素が減るどころか寧ろ増加した。((ただ、登場する理由付けはちゃんとある。尚、「3」で「Lurker」は素体が犬に、「Crawler」はエイリアンに変更された。「The Pack」のみはデザインが違うだけで何故か幼児のまま))
-受動的な主人公
--主人公Isaac=プレイヤーということを意識したためか、主人公Isaacに性格付けや台詞は用意されておらず、良くも悪くも受動的で無口。しがないリーマンと言う都合もあるが、基本的に指示待ち人間と言うポジション。感情的なリアクションを取るのも終盤のあるシーンのみ。
--ただ、この方が感情移入しやすい側面もあるため、一概に難点とは言い切れない。
---逆に「2」からは(立場が変わったことも大きいが)能動的に行動するキャラに変化。良く喋り良く愚痴る性格に変わっている。ただ相変わらずネクロモーフと付き合わされる為か、結構口汚い。

***問題点
-シナリオ描写
--膨大な背景設定が用意されている一方、作中で余り語られないので全体像が見えづらい。孤独感に一役買っている一面はあるのだが…。
---これらはログ類でフォローされているのだが、直接はあまり触れられない((「2」以降は積極的に絡んでくる))。
-武器の強弱
--武器の格差が激しく、圧倒的な性能を誇る武器や単純に弱すぎる武器がある。
//--Pulse Rifleは瞬間火力自体は高めでヒットストップも狙えるが、前述通り部位破壊がメインの性質上あまり使い勝手が良くない。セカンダリも「2」のように包囲される状況も少ない為活かし難く、打点が高いため小型敵に当たりにくい欠点もある。部位破壊を狙い易いPlasma Cutterや迎撃力に優れたForce Gunもあるので非常に苦しい立ち位置。弾薬効率自体は非常に高いため、状況を選んで使いこなせれば高難度でも通用するが、範囲攻撃できる他の武器を用意しないとこれメインでの攻略は非常に厳しい。上述の通り本作唯一の兵器であり、乗組員のログで「銃が効かない」と残してるように、本作における兵器の効力を再現してるとも言える。((ただ、OVA「DownFall」等では銃でSlasherの関節を撃ち抜いた事によりネクロモーフの弱点に気付く描写がある))
--Pulse Rifleは最序盤で購入できる武器で、点照準のこの武器は前述通り部位破壊が重要なシステム上あまり使い勝手が良くない。ラッシュも苦手で、セカンダリはとんでもない弾薬を消費するため窮地を脱する前に弾切れとなる事も多く、打点が高いため小型敵に当たりにくい欠点もあり、範囲攻撃の出来る他の武器を用意しなければ厳しい。上述の通り本作唯一の兵器であり、乗組員のログで「銃が効かない」と残してるように、本作における兵器の効力を再現してるとも言える。((ただ、OVA「DownFall」等では銃でSlasherの関節を撃ち抜いた事によりネクロモーフの弱点に気付く描写がある))
---弱武器というよりは、最序盤で購入できる割に扱い辛いという武器。初期装備であり部位破壊を狙い易いPlasma Cutterや同時期に購入できるLine Gunが共に扱い易いため、これよりはLine Gunを購入した方が圧倒的に安定する。弾薬効率自体は非常に高く、強化する事で超大容量かつ雑魚の手足を2,3発で千切る威力になるため、状況を選び的確に弱点を射抜ける上級者向け。
---「2」で性能が見直され、セカンダリではグレネードを射出するようになった。消費は重いが、この武器の性質上弾薬は余りやすい(というか弾が足りなくなる=無駄撃ちが多発するようなら他の武器を使う方が良い)ので、ラッシュ対策として強力な攻撃方法を得た。
--Flamethrowerに至っては断続ダメージの性質から瞬間火力が低く、ヒットストップも無いに等しい。燃費が劣悪な上に真空空間では使用不能、オマケに短射程の五重苦。同じく射程の短いRipperと比べると難点ばかりが目立つ。セカンダリはまだ使える部類だが、どうしても総合性能では他の工具に劣ってしまう。
---尚、Flamethrowerの燃料(弾)はヒドラジン。&bold(){実際の宇宙探査機や人工衛星の姿勢制御用推進剤}として使用されている燃料…なのに何故か真空空間で使用不能。
---こちらも「2」で性能が見直され、火力と足止め効果が大幅に上昇。扱いには慣れが必要だが、上手く焼けばRipper並みの効率で敵を処理でき、大量の敵が迫って来ても延焼効果で足止めが可能と、十分実戦に耐えうる武器に調整された。真空空間での火炎放射も可能。
--この為、使い勝手の良いPlasma Cutterをはじめとして、迎撃力の高いForce Gun・性質上LurkerやGuardianに有効なLine Gun、弾薬・四肢切断の効率が良いRipper・貯め時間が必要だが極めて高い火力を持つContact Beamで大体安定してしまう。また、武器は同時に4つまで所持可能、瞬時に持ち替えも可能。この為Plasma Cutter・Line Gun・Force Gun+アルファor持たない((拾えたり敵がドロップする弾薬は主に所持武器に反映される))という装備でほぼ全状況に対応可能。
--「2」では新しく武器が追加され、その内のSeeker Rifleは数少ない純粋な兵器である。威力が非常に高く、無改造でもネクロモーフの手足を1発で粉砕、部位破壊を狙わずとも胴撃ち2発で射殺。バランスを崩すほどの武器ではないが、「銃が効かない」とさんざん言われているネクロモーフが通常兵器で簡単に死ぬのは設定と矛盾していないだろうか……
--「2」では新武器も含め武器のバランスが取られたのだが、「3」では一転、システムそのものが変更され武器毎の格差も大きく広がってしまった。
---バランスブレーカーの筆頭は「Electrocution Module」。「2」のJavelin Gunのセカンダリと同じもので相変わらず威力が非常に高く、なんと今回は自分にダメージがない上に装弾数はPlasma Cutterと同等。更に強化パーツで攻撃範囲を広げる事も可能。ラッシュだろうが足元に撃って電撃をばら撒いているだけで勝手に敵が倒れていき、部位破壊が必須な敵以外はこれ一本で殲滅可能である。~
一方で「2」Rivet Gunのセカンダリに近いExplosive Moduleは、威力・燃費・攻撃範囲・持続時間でElectrocution Moduleに劣り、更に自爆の危険もありと、部位破壊が出来ること以外は下位互換となってしまっている(部位破壊による追加ダメージを加味してもElectrocution Moduleの方が上)。
---逆に不遇な武器の代表は近接武器であるHydraulic Engine系。近接武器とはいえ弾数制(空振りでも弾薬は消費)であり、燃費が非常に悪くPlasma Cutterの半分以下で、その割に威力は高くはない。そもそも敵に接近する事が危険なので非常に扱いにくく、無理して扱うメリットもない武器である。
-Kinesis関連
--Kinesisを強化すると射程が伸びるが、最大到達点かオブジェクトに届くまで発動し続ける上、この間射撃も出来ない為動きが鈍く隙が大きくなってしまう。元々射程が長いので未強化でも進行に影響はないが、うっかり強化してしまうとなので我慢して使い続けるしか無くなる。((どの装備も一度強化すると強化状態のリセットが不能。「2」ではワークベンチ使用時5000クレジット支払うことでNodeを全て回収して初期化することが可能))射出したものが当たっても爆発物を除けば微弱なダメージなので戦闘にはあまり役に立たない。
--ただ、前述のForce GunセカンダリやRipperと言ったトリッキーな扱い方もあるのでまるっきり役に立たないわけではない。
---「2」では射程強化不能になったが十分長く、発動速度も一瞬の為隙が少なくなっている。射出する物によっては多大なダメージを与えることが可能になり、優秀な攻撃手段の一つに変化している。また、「3」では射程強化が復活したが「2」同様隙は少ないためデメリットにならない。
-チャプター4の隕石破壊
--本来自動操縦の迎撃砲を手動で動かすことになるが、これがコツを掴むまでかなり難しく本作の鬼門とも。
---一定時間凌げば良いのだが、結構な物量の上に大型の隕石は着弾すると分散してしまうため、これらも撃ち落とさなくてはならない。砲台もあまり耐久力が高くなく、連続で隕石が当たってガッツリ耐久力が減るなんてことも珍しくない。しかも銃身のオーバーヒートもしやすい((オーバーヒートすると一定時間強制冷却のため発射不能になる))。更に家庭用版では実績・トロフィーも絡んでいる((「Don't get cocky, kid」。迎撃砲のシールド残量50%以上でクリア))のでこちらを狙う場合かなり面倒に…。
---後半、同様の砲撃戦があるがチャプター4に比べれば物量攻撃は少なく、オーバーヒートも何故かし難いので比較的楽。
---ちなみにこんなことをさせられる羽目になった理由は「Dead Space:Extraction」で描かれている。
-PC版独自の問題「SecuROM」
--本作に限らず、エレクトロニック・アーツ発売のPC用製品にはソニー製不正コピー対策ソフト「SecuROM」がインストールされるが、これが原因となってPCそのものへの不具合が多数報告されている。タチの悪いことにOSのクリーンインストールを行なっても消去不能。北米ではEAがこの問題で3回も集団起訴沙汰になった程。「2」でも同様の問題を抱えている。
--EA製品に限らず、「SecuROM」が原因となったトラブルは後を絶たず、実際多くのメーカーが対応に追われている(PC版『[[Grand Theft Auto IV]]』もその一つ)。

**総評
人によって不快感があるだろう残虐描写を除けば、欠点らしい欠点も無く、丁寧な作りでハイレベルにまとまったTPSと言えるだろう。~
日本語版が出ていないのが難点だが、親切なナビゲーション機能も用意されているので詰まる場面は少ないはず。翻訳Wikiなどを参照すればストーリーも楽しめる。~
また、PC版なら「SecuROM」というリスクはあるものの、非公式ではあるがMODで日本語化も可能。こちらなら本作の深いシナリオにより移入しやすくなる。~
現在はAmazonやEAのPC用オンライン配信プラットフォームであるORIGIN(国内アカウントでも購入可能)などでも安価で購入する事ができるので、サバイバルホラーやアクション、SFものが好きであれば、チェックして見るとよいだろう。

**余談
-ネタバレになるため伏せるが、エンディングは「2」発売までは海外で不評だった。ただ、元々三部作構想だったため、あのエンディングに落ち着くことになったとか。
--逆に「2」から始めてしまうとダイジェストで語られるため、本作のネタバレの大部分が明らかに…。
--現在は最新作「3」もリリース。制作側はシリーズを続ける意向はあるようだが「Isaac Clarkeとしての物語は3まで」とのこと。
-また、全チャプターの頭文字を繋げると…。
--この言葉遊びは後継作にも引き継がれている。
-本作の「USG Ishimura」はやたら欠陥不備な箇所が多数あるが、これは近年の建築関係の事故に対する警鐘・皮肉とのこと。
--「2」の舞台「Sprawl」も同様のフィーチャーが仕組まれている。また、「2」の後半に「USG Ishimura」へ再び訪れる展開もある。
-Twinkle, Twinkle, Little Star(童謡「キラキラ星」)が外伝作品を含め必ずといってもいい程シリーズ通して使用されている((「3」のみ何故か使用されていない))。この為「世界最恐のキラキラ星」と国内ファンの一部から言われている一方、何らかのテーマ・暗喩があるのではとも。
-主人公Isaac Clarkeの名称はSF三大巨匠の内二人、アイザック・アシモフとアーサー・C・クラークに由来。宇宙での未知との戦いというコンセプトは同じくSF三大巨匠のロバート・A・ハインラインの「宇宙の戦士」からか((特に「3」では「宇宙の戦士」や実写版「スターシップ・トゥルーパーズ」の影響が散見される))。
--ちなみにIsaacの両親の名は同じくSF作家のポール・アンダーソン及びオクタヴィア・E・バトラーに由来していると思われる。
--なお、「USG Ishimura」は作中「ヴェルズ級採掘船」と設定されているが、「宇宙戦争」の著者H・G・ウェルズからの引用の可能性もある。
--「2」では「クトゥルフ神話」でお馴染みのハワード・フィリップス・ラヴクラフトから引用したと思われる人物も居る。&bold(){死体だが。}
-本作から「2」の間に様々なメディアミックス展開もされている…のだが、やはり殆どが日本未販売。また、モバイル版も日本語ローカライズされているのはAndroid版のみ。
--コミック版ではIsaacが嘗て「USG Ishimura」で作業に一時従事していたことから内情を知っており、Nicoleの「Ishimura」配属に猛反発していたが、「2」では逆にNicoleを推薦していたという矛盾が生じている。
-2014年3月、EAの運営しているPC用オンライン配信プラットフォーム「Origin」にてゲーム本編の無料配信企画「Originからのプレゼント」第一弾として本作のWin版が提供された。
--期間限定のため現在は無料DL出来ないが、一度DLしておけば期限なしでプレイ可能という太っ腹企画として話題となった。この後も『プラント vs. ゾンビ』『Battlefield 3』本編が無償提供されている。
-死体損壊表現についてはクオリティを上げるため、緊急治療室に勤めている開発スタッフの親族にアドバイザーとして参加してもらったり、自動車事故の現場写真資料を使ったとディレクターが述べている。
-「Dead Space:Extraction」については後にPS3でHDリメイクされ、DL専用ソフトとして販売された(こちらは日本未発売)。また、「Dead Space2」のPS3版「Collector's Edition」と「Limited Edition(初回限定版)」にも特典として収録されている((通常版は体験版が収録されている))。