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ウルトラマン Fighting Evolution 3 - (2019/08/10 (土) 20:28:14) のソース

*ウルトラマン Fighting Evolution 3
【うるとらまん ふぁいてぃんぐえぼりゅーしょんすりー】
|ジャンル|対戦格闘|&amazon(B00067HN48)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|発売元|バンプレスト|~|
|開発元|メトロ|~|
|発売日|2004年12月2日|~|
|定価|7,140円|~|
|レーティング|CERO:全年齢対象|~|
|廉価版|バンプレストベスト:2007年7月19日/2,940円|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[ウルトラマンゲーム・リンク>ウルトラマンシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
特撮番組『ウルトラマン』シリーズのキャラクターが登場する3D格闘ゲームの第3作。~
システム的には前作『[[2>ウルトラマン Fighting Evolution 2]]』の発展型であり、キャラも全員続投している。~
また、平成ウルトラシリーズのキャラも本作から登場しており、「この時点で終了していた実写ウルトラマン(TVシリーズ)11作品」は全て網羅された事になる。

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**システム
基本的には『2』と同じだが、様々な面で改良されている。

-通常攻撃は□ボタンに加え△ボタンの二種類を使うようになった。しかし一般的なパンチとキックに分かれた仕様ではない。あえて言えば、弱攻撃と強攻撃((だが、これも2D格闘ゲーム的な弱、強攻撃とも違う。))だろうか。
--ボタンの増設に伴い全体的な技数が増加。ボタンとレバーの組み合わせにより、各種連携ができる。
-必殺技のためのふっ飛ばし攻撃のバリエーションが追加。通常攻撃同様にダッシュ・空中のふっ飛ばしが出来るようになった。
--特に空中ふっ飛ばしは隙の少ないものが多く、実用性が格段に増した。
-ガードの使い分けがなくなり、上下段、ジャンプ攻撃などの全ての打撃を防ぐ事ができるようになった。ただしふらふらゲージが満タンの場合、ふっとばし攻撃をガードできない。
-必殺技の使用は、シリーズ共通のふらふらゲージ((格闘ゲームでいう気絶値を視認できるようにしたもの。ただし気絶値と違い、戦闘中に減少はしない。))によるもの。攻撃を当てると相手に溜まっていく。
--必殺技は各ボタンに割り当てられるようになり、必殺技選択中に相手が攻撃側と同じボタンを押すと、ダメージを軽減、もしくはバリアなどにより防ぐ事ができる。
--各必殺技は威力がS~Eにランク分けされており、ランクが高い技ほど必要なふらふらゲージが多い。さらにふらふらゲージの減少速度は残体力が多いほど早いので、高ランクの技をいきなり撃つことはできない。
-その他にキャラクターによっては咆哮などの身体強化、低威力の光線や炎などの牽制攻撃を撃つことができる。
-平成ウルトラマンの代名詞であるタイプチェンジも実装。戦闘中に任意でチェンジ可能であり、ファイトスタイルや必殺技構成もガラリと変わる。
--強化形態に変身するモーションはかなり隙が大きく、実用する場合は通常技との連携を考える必要がある。
-キャラクターや必殺技は特定条件を満たすことによって増えていく。条件は「特定のミッションをクリアする」「バトルモードで出てきた敵怪獣を原作通りの必殺技で倒す」という分かりやすいものから、「原作で敗北したキャラクターで勝利する」「チュートリアルを複数回受けた上で特定ミッションをクリアする」などの普通に考えたら分かりにくいものまで様々。

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**登場キャラクター
''太字''は新規参戦キャラ
-ウルトラヒーロー
--初代マン、ゾフィー、セブン、ジャック(新マン)、エース、タロウ、レオ、''アストラ''、~
''ティガ''、''ダイナ''、''ガイア''、''アグル''、''コスモス''、''ジャスティス''、''レジェンド''、''80''
-怪獣サイド
--バルタン星人、''レッドキング''、ゴモラ、ダダ、ゼットン、キングジョー、''グドン''、''ツインテール''、ベムスター、''バキシム''、エースキラー、タイラント、マグマ星人、~
''ゴルザ(二代目)''、''イーヴィルティガ''、''レイキュバス''、''ニセウルトラマンダイナ''、''ガンQ[コードNo.01]''、''グローカービショップ''~
''エースロボット''、''妄想ウルトラセブン''

-ウルトラモード専用ウルトラヒーロー
--グリッターティガ
-敵専用キャラ
--''シルバーブルーメ''、''ガタノゾーア''、ガンQ体内、''ゾーリム''

-援護攻撃機体
--ジェットビートル、小型ビートル、ウルトラホーク1号、マットアロー1号、タックアロー、コンドル1号、マッキー1号、マッキー3号、シルバーガル、~
ガッツウイング2号、ガッツイーグル、XIGファイターSS、XIGファイターSG、テックライガー1号、テックライガー2号、~
バルタン星人、ダダ上司、ゼットン星人の円盤、ペダン星人の宇宙船、''ガンQ[コードNo.02]の眼球''
-ウルトラモード専用機体
--ポインター、マットジープ、ガッツウイングEX-J

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**評価点、及び『2』から強化された点
-''ウルトラマンらしさと格闘の両立''
--通常技は相変わらず大振り。しかし攻撃種類の増加や逆転要素の導入により前作、[[前々作>ウルトラマン Fighting Evolution]]のように大雑把なゲーム止まりにはなっておらず、打撃と投げ、ガードアタック、必殺技とその防御、ふらふらゲージの管理など、ここにきて本作なりの独特な駆け引きを確立させた。
---ただウルトラマンらしさを優先させているため、後述するがキャラバランスはあまりよくない。
--ステージには様々なものがあるが、ゲーム的にも各ステージの特色がよく出ている。街中で相手をビルの狭間に追い込んで戦闘を優位に進めていったり、足元の岩や建物が動きを制限したりと、本作ならではのプレイ感がある。
--ふらふらゲージは『2』とほぼ同じシステムだが、さらに使いやすくなっている。必殺技の派手さと実用性は、今作でも当然両立。

-''登場キャラの大幅な追加''
--『[[1>ウルトラマン Fighting Evolution]]』は12体、『2』は16体だったのに対し、本作は37体(+敵専用キャラ4体)となっている。
--前作まではキャラの少なさが批判の的だったが、主なTVシリーズの主役はほぼ網羅。集合ゲーではまず出なかった''80''まで追加しており、更に''アストラ''や''アグル''などのサブウルトラマンまで追加されていることは高く評価された。
--怪獣キャラもヒーローと対になるようシリーズから最低1体は収録。更にエースロボットやイーヴィルティガなどのニセヒーローキャラ、''妄想ウルトラセブン''や''ゾーリム''などのマイナーキャラまで追加されている。

-''ウルトラモードの増加''
--前作では3本(うち1本はゲームオリジナル)しかなかったシナリオモードも、20本(うち2本がオリジナル)に増えた。但し1本当たりの内容は簡略化されている。
--各エピソードのサブタイトル表示のタイトルバックが、各作品のそれとそっくりに造られている。原作では主題歌と同時に出るものもあるので音楽こそ違うものの、映像は本物と一見見分けがつかないほどのクオリティ。
--ミッション内でもウルトラ兄弟から力を貰ってのスペースQ発動やグリッターティガの登場など、原作の名シーンが悉く再現されている。
--原作での行動と同じプレイをすると高評価がもらえるが、一部のミッションでは前述の通り「エースロボットでエースキラーを倒す」「ルナモードのままジャスティスを倒す」といった''if展開''に持って行くことができ、成功すると問答無用で最高ランクを獲得できる。
---ただしウルトラマン最終回を再現した「さらばウルトラマン」のみ、''原作通りのプレイに成功するとゾフィーがゼットンと戦うif展開に突入する。''この展開は原作の初期プロットと同一である。((原作通りに科特隊がゼットンにトドメを刺すパターンも存在する。恐らく原作に沿ったプレイの方が難易度が高いためか。))

--ステージ数が大幅に増加され、23ステージから選択可能。
---番組中に出てきたものを意識しているステージも多く造り込みも細かいため、眺めているだけでも楽しい。
---残念ながら前作から続投したステージは一部が簡略化されているが、背景の美しさを損ねてはいない。
---グラフィックの関係などでキャラクターによっては選択できないステージ有り(ツインテールで神戸港など)。

-''必殺技の増加に伴うカスタムモードの追加''
--前作では各キャラとも必殺技を2~4種類までしか持っていなかったが、本作は「カスタムモード」によって使う必殺技を選択して各コマンドに割り振る事が出来るようになっており、1人当たりの必殺技数が増えた。
--原作で技の多かったキャラでは選べる必殺技も多く、例えばエースには必殺技が11種類もある。ファンならばどれを持っていくかだけでしばらく悩めるだろう。
//キャラゲーとしてはゲームバランス(死に技)よりも原作再現(技増加)を評価するべきでしょう。プレイヤーによって技に対する思い入れも違うでしょうし。
--バリア技や反撃技といった、防御技も登場した。これにより駆け引きの要素が追加され、バトルの流れを変えることも可能になった。
---必殺技を多くカスタムすれば強いというわけではなく、多く必殺技を持つほど技の威力そのものが下がるという設定となっており戦略的にも意味を持っている。
---原作で1度しか使われなかったマイナー技も、もちろん全てを網羅している訳ではないが使用可能。もちろんこれらもきちんと再現されている。一例を挙げるとウルトラセブンはエメリウム光線だけで3種類ある、1回しか使ってないがレオの立体物には欠かせないアイテム・レオヌンチャクがばっちり実装、フォトンエッジとクァンタムストリームを使い分けられるガイア、などなど。
---再現度も良好。前作ではある程度必殺技時のアングルが固定されていたが、今作は原作の構図を忠実に再現したアングルに改良されている。

-''援軍システムの改良''
--前作にも存在した援軍システム((自分が劣勢になった場合に作品毎の防衛隊や同胞の円盤が飛来し、敵に攻撃してふらふらゲージを蓄積させるというシステム。))が形を変えて続投。任意で発動する特殊行動扱いになり、ここぞという時に使用出来るようになった。さながら原作でのウルトラマンと防衛隊の連携を再現しているようである。
--こちらも再現度が高い上、レオの援護攻撃で登場するマッキー3号は''特攻する''((原作13話「大爆発!捨身の宇宙人ふたり」の再現。ちなみにこれのみ一撃でふらふらゲージが最大まで溜まる))など芸が細かい。
---ただし使用は1戦に付き1回だけ、ウルトラヒーローは怪獣にしか使えないなどの制限が存在する。

-''完成度の高いキャラクター再現''
--『1』から引き続き円谷プロ監修のもとスーツアクターからモーションキャプチャしたことで、キャラごとのモーションの再現率も非常に高い。
---グラフィックは完成度の高かった『2』のものを改良している。また、動きが更に滑らかになり、シリーズ伝統の重い挙動がリアルさを増している。
--変身シーンや勝利後の退場シーンなどの完成度も高く、特に変身シーンの再現度は素晴らしい。
---ガイアとアグルはV2専用の必殺技をカスタムモードで入れておくとグラフィックや変身シーンもV2のものに変わる。
--ウルトラマンや怪獣の声、SEなども劇中と同じものを使用。
--ジャックとレオは、各ブレスレット入手以前のエピソードを元にしたシナリオでは、「ブレスレット無しのグラフィック」に差し替えられている((ジャックは通常攻撃にてブレスレットチョップをそのまま使用できるが、この時だけブレスレットの効果音が削除されている。))。さらにレオは時系列上、必殺技としてのレオキック習得前にあたるシナリオでは代わりにきりもみキック''(ここでしか使わない)''((ただし通常技にドリルキックがあるため、単に技としてなら他でも使える。専用の演出が入る必殺技としてはここだけ))を放つという拘り様。レオについては時間制限もちゃんと2分40秒に設定されている。
//言いたいことはわかるし非常に細かいことだがレオキック自体は一話初登場で飛んできてそのままマグマ星人に使ってる。修行前だから必殺の威力はないけど。
---一方で初代マンの登場デモでは胸にカラータイマーが付いており、『タロウ』『レオ』のシナリオに登場するセブンには耳が付いている。円谷プロとしては造形ミスであったと考えているのだろうか((初代マンのカラータイマーについては「完成したデザインにはなかったカラータイマーを後から現場で付け足した」との証言がある。))。

-''サウンド面''
--キャラクターにはそれぞれ番組主題歌、挿入歌、劇中BGMのどれかが最低1つは用意されており、対戦中優位に立つと音楽が流れるようになっている。
---ヒーロー側は主題歌や番組中ヒーローが有利になったときのBGMが流れ、怪獣側は番組中ヒーローが不利になったときのBGMが流る芸の細かさである。
---音楽はゲーム用にアレンジされているが元の雰囲気を崩しておらず、かなり良い再現度。
--ナレーションの担当が、ウルトラマンティガの声や、『ダイナ』および後の『ウルトラマン列伝』のナレーターの真地勇志氏。その他円谷特撮のナレーションも担当したことが有り、ファンには嬉しい起用である。
---当然、前述のようにティガの声も担当されている(新録したかは不明)。

-''その他''
--「ビューモード」の追加。任意のキャラクターのグラフィックを好きなステージで見られるモード。グラフィックをタイプチェンジや援護攻撃機体に変えられるほか、曲切り替えをする事もできる。
--「チュートリアル」はゾフィーが戦闘方法をタロウに教えるというストーリー仕立てで進行する。この時の''専用BGMとして名曲「ウルトラ6兄弟」が使われている''など本当に細かい点までこだわり抜いている。

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**問題点
-コスモスがかなり扱いにくい。
--ルナモードは通常攻撃ができず、敵の攻撃を捌く(相手の攻撃の直前にボタンを押す)事でふらふらゲージを溜め、最大まで溜まると自動でふっとばし攻撃を放つ仕様。確かに原作でも捌きがメインのファイトスタイルだったとはいえ、自分からの攻撃も普通に行っていたのだが。
---敵をひるませることができないためチェンジするのも一苦労。ただし、必殺技フルムーンレクトが決まれば、基本的には即勝利となる((完全無効となるキャラクターが数名存在している他、光線技扱いなのでバリアで防がれてしまうこともある。))。
---劇場版を参考にしたのかルナ→エクリプス→フューチャーとチェンジする(コロナが無い)。
---エクリプスは攻撃力がフューチャーよりも高いが、徐々にふらふらゲージが増加するという謎の仕様を持っている。変身すると活動時間1分になるのを再現するための弱点なのかもしれないが、同様に時間制限設定があるガイアのスプリーム・ヴァージョンにはこの仕様はない。
---フューチャーまでチェンジしてようやく何の制約もなくなり、他のウルトラマンと能力が対等といったところ。
---そして何より技が少なすぎる。エースと互角以上に多彩な技を持つウルトラマンであるにも関わらずである。せめてエクリプスブレードぐらいは出せなかったのだろうか。
---この反動か次回作ではコスモスの扱いが非常に良くなっている。

-『80』関連のボリュームが薄い。
--80は、最強技がサクシウム光線、最弱技はバックルビームとなっているが、原作でのバックルビームはサクシウムの効かない相手に浴びせることが多かったので、この設定はおかしい。
---ゾフィー、アストラ、アグル、ジャスティスといった''サブウルトラマンにも最低1つは用意されていたSクラスの必殺技が、80のみ設定されていない''ため決定打に欠ける。最強技のサクシウム光線ですらAクラス止まり。
--他の昭和勢に比べると80の必殺技は4つしかなく原作対比では少ない((ただし、ゲーム内で希少な反撃光線技を持つという個性はある。))。また挙動が劇中より遅く、攻撃用モーションの選択もややおかしい。
---特に必殺技発動への布石となる「ふっ飛ばし攻撃」が地上では相撲の四股踏み、ダッシュ・投げ・ジャンプではダイナマイトボール((グロブスク戦で使用した体を丸めての体当たり))と謎の選定になっている。
--80の特徴的な風切り音「フォッ!」が無く、ボイスも「シュワ!」に統一されていて違和感がある。
--80のサブウルトラマンであるユリアンが参戦していない。ただし、登場回数が極めて少ない上に固有の必殺技も無いので仕方がないとの声も多いが((一応ウルトラモードのナレーションのみだが名前は出てくる。))。
---80自体ほぼ隠しキャラ扱いであったので、この詰めの甘さになったのではないかと言われている。

-ジャックの流星キックが前作同様何故か通常技。原作では様々な必殺技が通用しない敵を攻略するために編み出した印象的な技であり、マイナーな必殺技を多く網羅している本作では必殺技扱いのほうが自然((前作では必殺技数は1キャラ最大4つで固定であった。))。
--実際『ヒーロー戦記』や『[[ウルトラマン (PS2)]]』など他のゲームでも、必殺技として登場している。もっとも、バリアを破っただけでとどめを刺した技ではないのでこの扱いでいいという声もある。
--なお、もう一つのキック技であるウルトラスピンキックは使用できない。こちらは怪獣にとどめを刺したこともある技で使用回数も流星キックよりも多いので、流星キックが必殺技でないならこちらを必殺技にしてほしかったという意見もある。

-昭和ウルトラマン勢(セブン、ゾフィー、80以外)は、登場すると「空から降ってきて土煙を立てて着地する」というデモが入るが、原作でこの演出が登場したのは『ダイナ』の途中からである((2006年発行のウルトラマン80のムック本収録のスタッフインタビューでは特技監督の佐川和夫氏が80製作中の段階から構想していたのを『ダイナ』でやってみたと語られている。))。

-キャラクターの色の設定が一部原作と食い違っている。
--ティガの目が真っ黄色(原作では乳白色)であったり、ニセダイナの光線の色がなぜかイーヴィルティガ同様黒になっている(原作では黒ではなく紫色で、本物と同じ明るい色合い)など。

-バルタン星人の防御技である「分身の術」はバリア技と表記されているが、実際は''吸収技''であるため「吸収無効」の必殺技((セブンのアイスラッガー、タロウのウルトラダイナマイトなど。))を防ぐことができない。
--ゴルザやガンQなど、回復系の吸収技を持っている他のキャラは必殺技の威力が低めに設定されているが、バルタン星人はそうではない。また、分身で攻撃を無効化するのは分かるのだが「吸収」しているかと言われれば怪しいところである。もしかすると''単なる設定ミス''だろうか?
--また、上記の技に限らずカスタムモード上では「バリア技」と「吸収技」の表記上の区別がなされておらず、判別しづらい。((「分身の術」と同じ吸収技である「レボリウムウェーブ」等は説明文上で「吸収する(受け止める)」との記述があり、そこで判別することもできるのだが、「分身の術」にはそういった記述もない。))

-カスタムモード時の必殺技のダメージ表記が実際のダメージ量と食い違っているものがある。
--ゴモラの「尻尾攻撃連打」、グドンの「残酷ムチラッシュ」、レッドキングの「岩石ラッシュ攻撃」など。それぞれダメージ表記はAだが、実際の威力はダメージSの必殺技並。
--特にゴモラの必殺技はエースの「スペースQ」とほぼ同等のダメージ量に設定されている。確かに強敵だったが、いくらなんでもこれは高威力すぎるのでは…

-バトルモードでは、レジェンド、コスモス、ツインテールは絶対に出現しない。
--レジェンドはゲームバランスを度外視して制作された点が見られ、単に強すぎるという問題がある。だがツインテールとコスモスは理由が不明。ツインテールは神戸港を登場ステージにしなければ問題ないし、コスモスはVSモードでは普通にCOMとして選択できるのだが。
//ステージはランダムでは決まらん。対戦相手の登場順はランダムだが、ステージは対戦相手ごとに決まっている。バルタンとビショップは必ず夜の街とか。

-敵CPUが使う技は最初から固定されているため、絶対に使ってこない技というのも存在する。
--これに関連して、V2のガイア・アグル(CPU操作)とは戦う事ができない。
--グリッターティガもウルトラモードのシナリオ限定の出演になっている。
---特別な姿であるグリッターティガはともかく、V2コンビは何とかして出してほしかったと思うプレイヤーもいるだろう。

-敵CPUが必殺技の防御に成功するかどうかは、実は''難易度によって決まっている''。故に対CPU戦では、必殺技を複数装備する事の意味は薄い。

-登場作品の中で、なぜか『ガイア』だけ主題歌が収録されていない((その代わりという事なのか、キャラクター選択時のBGMがガイアの劇伴である「逆転のクァンタムストリーム」になっている。))。また、『80』も前期主題歌のみである。『レオ』は2曲とも収録されているのだが。
--また『ガイア』のピンチのBGMは収録されているのだが、なぜか唯一ビューモードのBGMで選曲することができない曲となっている。
---『ガイア』主題歌に関しては次作では収録されていたので、制作終了までに曲の使用許可が下りなかったのかもしれない。

-タッグモードは、パッケージではウリの1つであるかのように書かれているが、実質オマケであった。
--プレイヤーが2人でないとプレイできず、選択できるキャラはヒーローのみ。コスモスについては最初からエクリプスモードで、ルナモードは使用不可。
--敵として出てくるのは怪獣キャラのみ。
--ラスボスだけはガタノゾーアで固定なのだが、こいつに対してはレオキックなどの「敵と接触する必殺技」は必殺技ゲージをためてもボタンが点灯せず、発動させることができない。従って技のカスタマイズを全て肉弾系にすると''絶対に倒せない''。((基本的に「バリア・吸収無効」と表記されている必殺技はすべて使用不可。タロウのウルトラダイナマイトはバリア無効技ではないが、敵と接触するためかガタノゾーアに対しては使用できない。))
--レオとアストラのタッグでプレイし、どちらかが倒された場合、単体必殺技であるはずのウルトラダブルフラッシャーが使えなくなる。原作設定を意識したのかもしれないが、ゲームの仕様的にはおかしな制限である。
---なお、似たようなコスモス・フューチャーモードとジャスティス・クラッシャーモードの合体光線技であるクロスパーフェクションはタッグモード専用技である((ウルトラモードではCPUとタッグとなるため、実質的に1P一人で発動できる。))が、これなら単体必殺技として使えても良かったのではないだろうか。
--しかし専用のアクションや合体必殺技を見られるのは、このモードだけなので一見の価値はある。

-ウルトラモードの一部のミッションが不親切な仕様。
--『決着の日』のゾーリム戦が原作と異なりシューティングになっているが(後述)、ガイアV2に変身するムービーが流れた後にいきなり何の説明もなく始まる((同じくシューティング面のある『暗黒の支配者』ではムービー中に操作の指示が入るのだが。))上に、ゾーリムの最初の攻撃がかなり早いため回避しにくい。
---また、シューティング面で負けるとアグル戦からやり直しになり、ゾーリムが登場する一連のムービーはスキップできない。

**賛否ある点
-格闘ゲームとしての完成度は高まったが、ヒーローと怪獣でかなりの性能差がある(当然ながら、ヒーロー・怪獣の中にもキャラ別に性能差がある)。
--また、高性能な必殺技やバリア(敵の技カスタムにより1/1から1/4の確率で必殺技防御、基本的に格闘系には無効)、援護攻撃機体を持っているキャラクターの方が有利だったりするなど、対戦バランスにやや難がある。
--この問題は本作のキャラクター再現の高さ(行動速度、劇中の技の威力、効果など)故に発生している為、一概に悪いとは言えない。

-前作・前々作から引き続いて原作のアクションを明らかに無視した動きをする怪獣が居る。新規キャラが大量参戦したため目立つキャラが増えた。
--特に酷いのは妄想ウルトラセブン。原作では80の光線をジャンプして回避するなど機敏に動いていたのだが、本作ではまるでゾンビのように両手を伸ばして歩くなどゆっくりした動きになっている。
---ダイナのタイプチェンジも原作では1つの戦闘で1回しか使えないが、本作では自由に三形態を使用できる。尤もここは再現すると単純にキャラ性能の低下に繋がってしまうので批判は少ない。

-ほとんどの怪獣は基本性能が控えめになっており、ウルトラモードで強化されることで原作での強さを表現している。しかし、一部の怪獣の扱いがおかしい。
--ゴモラ((強力な尻尾でウルトラマンを一度は撃退した怪獣。科学特捜隊が尻尾を切断した事でウルトラマンは勝利できた))や、レイキュバス((冷凍ガスでウルトラマンダイナを氷漬けにして倒した他、遥か上空の戦闘機を火球で狙撃する事も可能な強豪怪獣))がウルトラモードでも強化されない。この2体には前後編に登場したという共通点があることを考えると、本作では後編しか再現されていないからこの扱いになっていると思われる(特にゴモラは前後編両方のイベントが一回の戦いで行われる仕様もあり、高評価狙いでも時間ギリギリの戦いになる)。一方で、特に強豪超獣ではなかったはずのバキシムはゲーム上で異様な強さを持っている((本作では特殊技の飛び道具は全てガード不能であり、バキシムは多数の高性能な飛び道具を持っているため。))。

-原作を再現したウルトラモードだが、ゲームとしての都合からか細かい描写が違っている場合がある。
#region(該当例。長いので収納。)
--『ウルトラ警備隊西へ』でキングジョーにライトンR30爆弾を食らわせた後の展開が違う。
---原作のセブンはライトンR30爆弾で破壊されたキングジョーから脱出するペダン星人の円盤を撃墜した。本作では弱体化したキングジョーをセブンで倒す。ライトンR30爆弾を食らったキングジョーの特徴的な倒れ方(気をつけの姿勢から後方に倒れる)は再現されているので違和感がある((前作のウルトラモードでは原作通りの流れでライトンR30爆弾を喰らってそのまま爆発している。))。
--『影を継ぐもの』にゲオザークが登場。何故か「ゲオザー''グ''」と名前が間違っている。
---原作でゲオザークはこのエピソードの1話前に倒されている。また、本来この話に登場するはずのガーディーは登場しない。
--『暗黒の支配者』でティガがガタノゾーアに敗北した時、原作では石化した後海底に沈められているが本作では石像がそのまま残っている。
--『移動要塞浮上せず!』がただレイキュバスと戦うだけになっている。レイキュバスを操っているスヒュームはデモムービーに触手が登場するだけ。
---このエピソードは侵略者スヒュームとスーパーGUTSの戦いに重点が置かれていたので、本作では再現し辛かったのかもしれない。
--『あざ笑う眼』でガンQに吸い込まれると、ガンQの本体との対決になる。
---原作では吸い込まれた後すぐにガンQの体をぶち破って撃破している。もっともこれを忠実に再現すると「ガンQの必殺技を食らう=勝利」になってしまうので仕方がない。また、本体に勝利すれば原作どおりにガンQを内部から破壊する演出が再現される。
--『決着の日』のゾーリムとの戦いがシューティングゲームになっている。上空のワームホールから顔を出しているゾーリムを、地上からガイアスラッシュで攻撃する。
---原作ではXIGファイターの一斉攻撃やガイアV2のクァンタムストリームが通用しなかったほどゾーリムの防御力は高い。ガイアは体内に侵入してからのフォトンストリームで撃破している。
#endregion

-敵専用も含めて登場する怪獣の中に4足歩行のものが1体もいない。
--格闘ゲームに向かないため、仕方ない部分もあるのかもしれないが、プレイヤーが操作できるものは手足のある2足歩行のものばかりである(唯一の例外ツインテールも縦長の造形)。
---後の『[[Rebirth>ウルトラマン Fighting Evolution Rebirth]]』ではやや変化球であるものの4足歩行する改造タイラントが登場した。

-必殺技のランク付けに疑問がある。
--例えばエースの場合、強力な必殺技であるスペースQ((ヤプールに囚われたウルトラ兄弟からエネルギーを与えられて放った必殺技。ウルトラ兄弟の技を使える強敵エースキラーを倒した。))はS、通常必殺技のメタリウム光線がA、牽制技のスター光線はEと妥当な分類である。しかし、エースの代名詞とも言えるギロチン技5つは、ウルトラギロチンとギロチンショット((ウルトラギロチンは強豪超獣ブロッケン、ギロチンショットはラスボスのジャンボキングを倒した技なので高ランクなのは納得出来る。))のみ高ランクで残り3つ((バーチカルギロチン、ホリゾンタルギロチン、サーキュラーギロチン。いずれも他のギロチン技同様、超獣を真っ二つにして倒した実績がある。))はなぜか低ランクに分類されている。
---ただし、上記のエースや80の例もそうだが、原作での戦果や実績だけで威力を設定すると必殺技のほとんどが高ランクなもので占められてしまうため、各キャラや技ごとの差別化やゲームバランスを考慮すると仕方ない点ではある。

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**総評
ゲーム性のみならず映像素材としても優れたソフトで、シリーズ最高傑作と呼ばれている。~
動画サイトでも、映像を編集することで「一大バトル絵巻」とでも呼ぶべきMADを作ってしまう人々が続出した程である。

前作から引き継いだ独自のシステムの数々は改良されて継承され、ウルトラマンらしさを重視しつつも、前作までで足りなかった駆け引き要素も独自システムによりしっかりと押さえて昇華させている。ウルトラマンごっこで終わらないのが本作だ。

大幅なボリュームアップも、本作の大きな魅力。また、派生作品界では冷遇されていた80を隠しキャラながらも登場させた点も大きな話題となった((実際は説明書に『80』の戦闘機が載っているため、登場はバラされていたのだが…その後、妄想セブンという更なるキャラも隠されていた。))。

「問題点」として挙がっている事ごとは、キャラゲーとしては些細な点なのだが、本作は全体的に非常に再現度の高いソフトである為、こういった細かいミスを気にする人が多いという事である。

このように非常に充実した内容であり、ウルトラファンからの評価は極めて高く、ベスト版が発売されるまではプレミア化していたほどであった。

当然次回作にも期待が寄せられたのだが、スタッフは「原作の映像の再現は本作で行き着いてしまった」と考え、違った方向を追求し始めた。~
その結果『4』ではなく「転生」と銘打った作品『ウルトラマン Fighting Evolution Rebirth』が発売された。