「キングダム ハーツ Re:コーデッド」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

キングダム ハーツ Re:コーデッド - (2019/11/03 (日) 16:48:48) のソース

//文章量の割に目次が長く見辛くなってしまっていたため、小見出し(***)を普通の太字に変更(2017/10/5)
*キングダム ハーツ Re:コーデッド
【きんぐだむ はーつ り・こーでっど】
|ジャンル|アクションRPG|CENTER:&image(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/71z9LGdUUrL.jpg,height=200)|
|対応機種|ニンテンドーDS|~|
|発売元|スクウェア・エニックス|~|
|開発元|ハ・ン・ド&br()スクウェア・エニックス|~|
|発売日|2010年10月7日|~|
|定価|5,229円(税別)|~|
|プレイ人数|1人|~|
|セーブデータ|2個|~|
|レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|『KH2』の後日譚&br;モバイルゲームを大幅にリメイク&br;『Days』『BbS』のいいとこどり|~|
|>|>|CENTER:''[[キングダム ハーツ シリーズ・関連作品リンク>キングダム ハーツ シリーズ]]''|
----
#contents(fromhere)
----
&font(16,b){ストーリー}
>新たな物語の始まりは、『[[キングダム ハーツII]]』の冒険を終えたころ。~
ジミニー((ジミニー:ディズニー作品『ピノキオ』に登場するキャラクター「ジミニー・クリケット」。KH1・2で旅の記録役として活躍した。))は今までの旅の記録をつづった2冊の「ジミニーメモ」の整理中に、書いた覚えのない謎のメッセージを発見する。~
~
''彼らの痛みをいやしに戻らなければならない――''~
~
王様((王様:言わずと知れたディズニーの看板キャラである「ミッキーマウス」。この世界では「ディズニーキャッスル」の王であるため、多くのキャラクターから「王様」と呼ばれ、本名である「ミッキー」と呼ぶキャラは少ない。))たちはこのメッセージにこめられた謎を探るため、ジミニーメモをデータ化し解析することに。しかし再現されたデータ世界は”バグ”に浸食されていた。~
王様はデータ世界にいるデータのソラ((ソラ:多くのKHシリーズで主役を務めるキーブレードの勇者。本作に登場するのは本人ではなく、データ世界に存在するデータのソラ。))に”バグ”排除の依頼をする。ソラの新たな冒険がこうして始まった。~
~
([[公式サイト>http://web.square-enix.co.jp/kingdom/recoded/index.html]]より、一部注釈)~

----
**概要
-ディズニーとスクウェア・エニックスの人気コラボシリーズ『[[キングダム ハーツ]]』(以下『KH』)シリーズの作品。携帯アプリとして配信された『コーデッド』をニンテンドーDS向けに大胆にリメイクした作品である。
--リメイクをした理由は「予定より対応機種が少なくなってしまったため(特に海外では1機種も対応できなかった)」で、ハードは最も普及している事や携帯電話との親和性から十字キー操作のニンテンドーDSとなった((企画当初はベタ移植の予定だった。))。
--形としてはリメイクだが、実際は同じストーリーを基盤とした新作といっていいほどに別物の作品となっている。『[[358/2 Days>キングダム ハーツ 358/2 Days]]』(以下『Days』)のパネルシステムや『[[バース バイ スリープ>キングダム ハーツ バース バイ スリープ]]』(以下『BbS』)のデッキコマンドシステムのいいとこどりをしたようなシステムとなっており、ディレクターの野村哲也は本作のコンセプトを「''携帯ゲーム機の『KH』の集大成''」であるとしている。

-ストーリーとしては『KH2』の直後に相当する。
--『KH1』のジミニーメモをデータ化した世界が舞台となっているので、登場するワールドも『KH1』のものが多い。ただしマップ構造はだいぶ異なる。
--データ上の世界であるので、一度クリアしたワールドをもう一度再現してプレイすることができる。

----
**評価点
&font(16,b){成長システム:「ステータスマトリックス」}

本作の成長システム。自由度が高すぎて難解な部分もあった『Days』のパネルシステムをより平易にしたものと考えればいいか。

-パソコンの回路をモチーフとしており、レベルアップやイベント等でもらえる「チップ」をはめて能力アップしていく。このチップは導電性で、CPUから供給される電力をほかのさまざまなものにつなげて電力を供給することで単なるステータスアップだけでなくさまざまな効果を得られるようになっている。
--たとえば新たなアビリティを習得できる「ボーナスブースター」、デッキコマンドの装備数を増やす「コマンドチップ」などが存在する。また、CPUはひとつではなく、ほかのCPUと回路をつなげることで「デュアルプロセッサ」が発動し、その区間のチップの効果が2倍になったりもする。
--最も特筆すべきものは「チートチューナー」。デフォルトで、これまでのシリーズではゲーム開始時にしか決められず、変更できなかった難易度を自由に設定できる「難易度チート」が解放されているほか、ソラのHPと引き換えに敵のアイテムドロップ率を上げる「ドロップチート」などといったものもチップをつなげることでできるようになる。
---ただし、敵の最大HPを減少させるものであればソラの最大HPも減少し、獲得CPを倍増させるものだと反比例して獲得EXPが低下する等、名前こそチート(ズル)だが同時にデメリットがあるのでいわゆる広義のチートとは別物である。メリットに比例してデメリットも大きくなる。

-チップをつなげられる道筋は決まっているが、分かれ道が多くバグで使用できなくなっている回路を開放するアイテムも限られているため自由度が高い。
--「ステータスアップを優先してデュアルプロセッサの早期発動を目指す」、「アビリティを多く習得するため寄り道する」など、そのプレイスタイルはプレイヤーによっても大きく変化するのだ。


&font(16,b){装備システム:「デコレーションマトリックス」}
-本作の装備にはいずれも攻撃力や防御力は設定されておらず、すべてアビリティ効果を付加するためのものとなっている。
--特にキーブレードには多くのアビリティが設定されており、最初に発動しているアビリティはひとつだけだが、敵をどんどん攻撃することでゲージがたまり、「クロックレベル」が上昇することで「オーバークロック」して更なるアビリティが発動する。最初からすべてのアビリティが解放されているわけでもなく、経験値をためて強化することでさらに解放されていく。
--『KH2』のように必要とするアビリティに従ってキーブレードを付け替えたりと自由度が高い。単純な上位・下位互換にあたるようなものも存在しない。

-オーバークロックで特定のアビリティが発動している状態でさらにゲージを最大まで貯めると強力な「フィニッシュコマンド」が発動できるようになる。
--このフィニッシュコマンドも自動的に行動するものから複雑にコマンドを入力していくものまで多岐にわたって存在し、所持さえしていれば自由に装備することができる。


&font(16,b){戦闘システム:「デッキコマンドシステム」}
-BbSの同名のシステムを発展させたもの。
--本作のコマンドは『BbS』のものより派手な技は少なく、ある技の属性違いというものも少なくないが、本作ではコンボフィニッシュを含めた「たたかう」によるコンボから直接つなげて発動することやコマンドから「たたかう」に繋げることができるようになった。
--さらにコマンド同士を連続して使用することができ、通常コンボと合わせて切れ目のない攻撃を与えることもできる。

-通常攻撃の「たたかう」も本作では追尾性能が高く、コンボをミスしにくくなった。

-『Days』と打って変わって敵もかなりひるみやすく、爽快感は高い。


&font(16,b){マップ}
-本作に登場する「バグブロック」というもので、これにより『KH1』以来久しぶりに本格的なジャンプアクションを求められる場面が多い。
--『KH2』以降顕著だったマップの立体さの不足への批判は緩和された。隠れたお宝を探す楽しみももちろんある。
//--とはいえ、見た目が同じようなブロックばかりで多様性には欠けるのが欠点ともいえる。←問題点と重複しているためこちらはCO

&font(16,b){ワールド}
-『KH1』に登場したワールドがメインだが、ディズニーキャラクター・FFキャラクターともに多く登場し、そこまで本筋のストーリーに深くかかわるわけではないが非常に賑やか。
--たとえばオリンポスコロシアムではFFのようなRPGでの戦闘となるのだが、ここでのパーティ編成はなんとソラ・ヘラクレス・クラウドという面々。


&font(16,b){ボス戦}
-本作ではボス戦(一部のワールドはボス戦以外も)が丸ごとミニゲームのようになっており、難易度とスコア次第でクリア後にもらえるものが変わるようになっている。
--横スクロール、3Dシューティング、FF風のRPGだったりと非常に多様だが、後述の欠点にもつながってしまっている。


&font(16,b){ストーリー・演出}
-ストーリーは『KH2』のエンディング~エピローグの間にあった出来事を描き、『KH2』のラストでソラ達が受け取った手紙の内容が明かされるなど、よりシリーズの理解を深める事に貢献している。
--メインストーリーは主人公であるデータソラが外からの王様達のバックアップを受けながら進むという珍しい構成。データソラが冒険を進める一方、王様達は謎を考察しつつも異変に巻き込まれるなどミステリアスな要素が含まれ、新鮮味がある。
--一部のワールドでは実に『KH2』以来久しぶりにソラ・ドナルド・グーフィーの三人で行動でき、嬉しかったという声が多い。
--エンディングでは本編と『BbS』『Days』とのリンクも描かれ、続編への期待感を高める終わり方となっている。

-本作のOPは今までのシリーズの総まとめといった風情となっており、新規の部分はほとんどないが評価は高い。曲はお馴染みの「光」。

----
**問題点
-『[[チェイン オブ メモリーズ>キングダム ハーツ チェイン オブ メモリーズ]]』(以下『COM』)でもあった問題だが、ストーリーは『KHI』の焼き直しに感じる部分もある。
--主人公データソラが『KHI』開始当初のソラとほぼ同じ状態という点、訪れるワールドがいずれも『KHI』のものである点から、また『KHI』を最初からやっているような感覚になるのも仕方ない話である。
---データソラの容姿、服装が『KHI』当時のソラと同じという所為で『KHI』のリメイクと勘違いしてしまった人も多かった((その為、ソラの姿がまた『KHI』当時に戻る次回作『3D』では、冒頭で新コスチュームに変えるという処置が取られている。))。
--そして最終章である忘却の城編は『COM』の焼き直しのような展開に感じる。どちらも過去作と展開自体は全然違うのだが、やはり同じ舞台、似た配役となると既視感は否めない。
--訪れるワールドも減っており、ゲーム全体のボリュームはそれほど多くはない。

-システムエリアというものがあり、攻略するとマップの異変が解消しストーリーが先に進むというようになっているのだが、数が多く見た目も同じ(内容は異なる)なので単調になりがち。高レベル推奨の裏ダンジョンともいうべき代物も存在したりはする。
--またすれちがい通信で上記のシステムエリアをミッションを設定しつつ交換する遊びがあり、すれちがい自体は本作同士でなくても成立する&ランダムでも発生するので集めやすいのだが、このシステムエリアを''100エリア集め''、さらに''1階から順番に攻略しないと獲得できないものが存在する''。攻略に必須なものではないのだが、やはりあまり評判がいいものではない。

-一部、バランスを壊しかねないほどに強力なデッキコマンドが存在する。

-前述のとおり本作ではボス戦そのものがミニゲームとなっている。
--過去作に登場したボスがほとんどだが、やはり通常通り3Dアクションでの戦いを望む声も聞かれた。

-システム上、仕方がないとは言え、コマンドパネルの売却が1枚ずつしか行えない。

----
**総評
ディレクターの野村哲也が「携帯機のKHの集大成」と語ったように、『Days』『BbS』の2作品のいいとこどりをしたようなシステムの完成度は高い。~
『Days』の反省も生きたのか、アクションとしての爽快感・RPGとしての探索性ともに高いクオリティを誇っている。~
下記の通り安く購入できる作品なので、シリーズファンでありながら未プレイの人はプレイしてみてほしい。~

----
**余談
-出荷がかなり多かったのと同じくDS『Days』の評判があまり良くなかったこと、携帯アプリのリメイクで期待度が薄かったこと、上述の通り第1作のリメイクと勘違いした者も多かったことなどが重なり新品・中古ともに価格が暴落している。
--そのためワゴンゲー扱いされ、そこから転化してクソゲー扱いされることもあるが、決して本作の完成度が低いわけではない。逆に安く買えるとありがたく思っておこう。
--ちなみに本作ほどの暴落っぷりではないが次回作の『[[キングダム ハーツ 3D [ドリーム ドロップ ディスタンス]]]』でも似たような状況となってしまっている。

-『HD2.5ReMIX』にてシナリオ部分の映像作品が収録。
--前作『1.5』収録の『Days』で戦闘描写がなかったことの反省か、戦闘シーンが若干追加されているうえ、ブラウザゲームの『キングダム ハーツ χ』と関わり深い映像と、『3D』に繋がる新たな映像が追加された。
--2D絵とテキストのみだったイベントシーンもフルボイスムービーとしてリメイクされており、戦闘シーンも話の流れの中に取り込まれている。カットされたゲームパートもミッキーの丁寧なナレーションで説明される。
--尚、ボイスが付いたことにより一部主要キャラの正体がバレバレになっている。