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サマーカーニバル'92 烈火 - (2013/01/07 (月) 07:36:12) のソース

*サマーカーニバル'92 烈火
【さまーかーにばるきゅうじゅうに れっか】
|ジャンル|シューティング|~|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|発売元|ナグザット|~|
|開発元|キッド|~|
|発売日|1992年7月17日|~|
|定価|4,980円|~|
|配信|バーチャルコンソール&br()【3DS】2012年12月12日 / 500円|~|
//|分類|''賛否分かれるゲーム''|~|
|ポイント|矢川シューティング黎明期&br()ボムとバリア命&br()ファミコンの限界に挑みすぎてチラツキまくり|~|
|>|CENTER:&color(black){サマーカーニバルシリーズ}&br()[[精霊戦士スプリガン]]/''&color(black){烈火}''/[[アルザディック>サマーカーニバル'92 アルザディック]]/[[ネクスザールSP>ネクスザール]]|~|
|>|CENTER:''[[ナグザットSTGシリーズ]]''|>|

**概要
-ナグザットが行った全国規模のSTG大会「サマーカーニバル」92年度正式タイトルとして開発された縦STG。
-ひたすらに展開が早くゲームスピードが速く敵が異常に多い超高速シューティング。無制限ボムをはじめ、システムを知らないとパワーアップすらままならず、圧倒的物量で押しつぶされる。
--92年のキャラバン大会で完走者0という記録が、その異常性と熾烈な出来を物語っている。
-発売後は評価が低く、未開封100円がワゴンで叩き売られる姿も珍しくなかった。
--現在は一転しFC屈指の高額ソフトとして知られ、箱説明書付きは6万を超える。
-2012年12月12日に3DSのバーチャルコンソールで配信されることが決まった。まさかのまさかである。
--配信元はナグザットの親会社である加賀電子。ほぼ完全移植だが、目に優しくなかった画面の点滅が軽減されている好例の配慮がなされている。

**システム
-Bボタンでショット。ショットはボタンを押したままにすると高速で連射するフルオート式。
--ショットボタンを押さないでいると自機前方にエネルギーが溜まる。このエネルギーは敵通常弾を消す能力があり、エネルギーチャージ中はスコアが上昇する。
---エネルギーが一定以上溜まった状態でショットボタンを押すとエネルギーを前方に発射し爆発、広範囲攻撃が可能。~
この爆発は攻撃範囲があり全画面に効果は及ぼさないが、全種の敵弾をかき消すため自機はほぼ無敵になる。
-アイテムを入手する事で自機両脇にオプションがつく。オプションはAボタンを押すとサブショットを発射する。
--オプションは敵通常弾をかき消す効果があるが、攻撃判定は無い。
-一定数の敵を倒すと4種類のアイテムが一定の法則に基づいて出現する。
--スコアアイテム:入手する事でスコアが上昇する。連続で入手すれば上昇するスコアも増えるが、一つでも取り逃すと初期値に戻ってしまう。
--ショットアイテム:一定時間経過するごとに書かれている英字が変化する。入手することで自機のショット性能が変化する。詳細は後述。~
現在装備しているショットのアイテムを入手すれば強化されるが、異なるショットアイテムを入手するとショット形態が変更するだけで強化はされない。
--オプションアイテム:ショットアイテム同様、一定時間経過するごとに書かれている英字が変化する。一つ入手するとオプションが一つ追加されるため、二個入手する必要がある。
--1UP:文字通り残機が一つ増える。出現周期は画面内に出現したアイテムの個数に準じるため、プレイヤー次第だが任意での入手が可能。
-セレクトボタンを押すとスピードを4段階から任意で切り替える事ができる。
-スタートボタンでタイム、ゲームを一時中断できるが、実はこのゲームには制限時間があり、長期中断していると勝手にゲームオーバーになる。
#region(各ショット性能)
-V
--バルカン。初期装備でパワーアップしやすい特徴がある。攻撃範囲が広く、連射力にも優れ、やたら大量に敵が出てくるこのゲームでは非常に頼りになる基本武器。その連射力は他のSTGと比較しても相当なものだが、FCゆえに画面表示数に限界があり、通称「弾切れ」と呼ばれる隙が生まれてしまうほか、場所によっては敵を受けきれない。
-B
--ブラスター。突出した連射力をほこり、前方に向かって飛んでいく強力なショット。横方向に弱くなるが、オプションのサブショットを併用すればある程度カバーは可能。だが最大パワーアップすると4連射になり、自機前方に数ドット分の隙間ができる為、防御は完璧ではない。
-L
--レーザー。連射力に優れるほか、パワーアップすると敵に向かって誘導するようになる。誘導性能は高くないが、動かなくても敵を倒せるという利点は魅力。誘導が始まるのが発射されてから少し離れた場所なので、接近戦に弱くなるのが難点。
-F
--フライヤー。連射力も攻撃力も高くないが、最大パワーアップでショットが後方にも発射されるようになる広範囲攻撃武器。敵が四方八方から出てくるため、使いにくいが無用の長物というわけではない。
-H
--ホーミング。優れた誘導性能があり、自機真後ろにまで飛んでいく。初期状態では威力は低いがパワーアップすれば威力も強化され、あらゆる場面で頼れるようになる。しかし狙いの敵を優先して倒す事が困難で、とかく大量の雑魚にまぎれて硬くて厄介な敵が出現する本作では、この欠点は致命的。後半戦では息切れしてしまう。
#endregion
 
**評価
-システム理解なくして先に進むことは決して出来ない。サーチオプション垂れ流しで画面中央でボム連打すれば動かなくても死なないし、敵弾は基本的に避けずにバリアで防御するために存在する。
--上記のような、これまでのシューティングの常識とは全くかけ離れた独特のシステムとゲームバランスが理解できる人がいなかった事は想像に難くない。
-通常モードだろうが裏モードだろうが&bold(){「動かずボム連打」を基本として要所で移動・バリア・ショットを織り交ぜるという常識と全く逆の行動が飛びぬけて強力}で、通常モードに至ってはボム連打だけでクリア可能と言っても過言ではなく、むしろ従来のシューティングよりも圧倒的に低難度である。
-「激ムズ」「最も難しいシューティング」などという間違った紹介文が多いが、それは執筆者が「たかがシューティング」とナメてかかりゲームシステムを理解する最低限の努力すら放棄した証拠である。
--ただし、裏モードに限れば話は別で、20分近くになる長丁場をほぼ休みなしで乗り越えなければならないため、精神的疲労も相当なもの。
---それを見越して「激ムズ」と評価しているプレイヤーはほとんどいないが。
-敵の数は多ければ良いってもんじゃない、チラツキが桁外れに激しすぎるとファミ通レビューにて非難されたが、FCの性能の限界に挑戦した一作。
--毎フレーム全BG書き換えによる豪快なボムの表現、ダブルラスタースクロールや超高速スクロールなどの工夫されすぎた演出など、表現面もFC最高峰。
--ゲームシステムの理解が大前提、という姿勢においても現在のアーケードシューティングの祖先のような立場にあり再評価されている。
--それ以前に後世ギャルゲーの一雄として名を知られるキッド(KID)の過去作という所で驚かされるが。
-敵によって適正なアイテムオプションを選ばないと物量で押し切られて潰される。しかし、適正なオプションを選んだところで敵撃破による「&bold(){無数のアイテムオプション}」を避けないといらないものを取得→お陀仏になる。つまるところ、「&bold(){自分以外は全て敵}」。

**その後に与えた影響
-この作品のメインプログラマーである矢川忍は、この後『[[バトルガレッガ>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/296.html]]』を始めとする『バトル』シリーズや『鋳薔薇』シリーズを手がける事となるが、相変わらず深いシステム理解なくして進行不能な作品を連発している。
-当時のゲーム雑誌「HIPPON SUPER!」の読者レビューに外山雄一(当時コンパイル在籍、後にライジングに移籍)が絶賛のレビューを送っている。
-同じシステムで実質的な続編にあたる『[[ピンクスゥイーツ ~鋳薔薇それから~>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/513.html]]』は、本作の知名度を悪い方向に上げた。