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ディズニー エピックミッキー2: 二つの力 - (2021/04/07 (水) 04:23:20) のソース

*ディズニー エピックミッキー2: 二つの力
【でぃずにー えぴっくみっきーつー ふたつのちから】

|ジャンル|アクションアドベンチャー|&amazon(B00DIZCO0S)&amazon(B00DIZCNFE)|
|対応機種|Wii&br;Wii U|~|
|発売元|スパイク・チュンソフト|~|
|開発元|ジャンクションポイント|~|
|発売日|2013年9月26日|~|
|定価|【Wii】5,040円&br【WiiU】6,090円(共に税込)|~|
|判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|
|ポイント|人気に押されたやっつけ仕事&brファン待望! オズワルドと一緒に冒険…のはずが&br;Wii U版は操作性最悪&brストーリーが前作から一気にチープ化&br本作の失敗で開発スタジオ解散|~|
|>|>|CENTER:''[[ディズニーシリーズリンク>ディズニーシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
エピックミッキーシリーズの第2弾として開発されたゲームの一つ。もう一つは3DSで発売された『ディズニー エピックミッキー: ミッキーのふしぎな冒険』。~
言うまでもなく、[[前作>ディズニー エピックミッキー ~ミッキーマウスと魔法の筆~]]のエピックミッキーが予想外の好評を受けたため、そう間を置かずに進められた続編である。プラットフォームは海外に限りPS3やXbox 360やパソコン版も展開されている。~
大地震が多発するようになったウェイストランドを救うべく、前作のトゥルーエンドで和解したミッキーとオズワルドが事件解決に挑む。

**特徴
-ミッキーマウスの行動は前作とほぼ同様。今作で新たに追加されたのは、しあわせウサギのオズワルドとのタッグプレイである。
--オズワルドはミッキーとは違い、電波を放出するメカを手に持っており、それによって敵を攻撃したり、一部のメカを作動させたりする。1Pプレイの場合は自動的にミッキーに追従するが、2PではWiiリモコンとヌンチャクで操作する。

-それ以外に基本的な操作やシステムは変わっておらず、ミッキーに関してはほとんど前作と同じ感覚で動かせる。ただし、オズワルドとのタッグで行うアクション(グライドなど)があり、出来る事自体はとても増えている。

**問題点
-オズワルドを必要とするパートが多いのにも拘らず、AIが稚拙でうまく追従してくれない。
--オズワルドは2P操作ならいざしらず、AI操作だと行動の一つ一つも遅いことが多く、ストレスがとにかく溜まる。オズワルドが来るまでミッキーが待機しなくてはいけない場面が多いのが最大の問題点。
--このため、アクションゲームとしては大味というより並な出来だった前作からさらに劣化している。せっかくオズワルドのおかげで増えたアクションもありがたみや楽しみが薄れる。

-前作と完全に異なる操作感による、操作性の劣化。
--WiiUゲームパッドのスタイルと魔法の筆が一切噛み合っておらず、ポインティングも難儀になるなど、裏目にしか出ていない。
--にも拘らず、多くの任天堂ソフトにあるようなコントローラ選択の余地はない。そのためついでに発売されたも同然のWii版のほうが前作と同じプレイスタイルで操作出来るのでやりやすいと言われる現象が起きている。
---プレイ自体はしやすくとも、Wii版は当然映像のクオリティが低くなる。よって、今作でせっかく評価点の一つと言える映像クオリティの上昇が潰れてしまうし、オズワルドのお荷物感はWii版でも解消されていない。
---WiiU版はゲームパッドには世界全体のマップやメニュー画面が表示されるなど、まったく全てが劣っているわけではないのだが…。

-ミッキー、オズワルドともにお互いに対して攻撃判定があり、当たるとそれぞれ文句を言い合う。
--ミッキーなら「やめて!」オズワルドなら「ふざけてるんだよな?」など台詞パターンは地味に豊富。そのため前作で和解したはずの二人にまだ隔たりがあるように見えてしまい、感動も薄れるというもの。

-演出が全般的にチープ化。
--細かいところではあるが、スタートメニュー画面の演出はかなり簡素になり、前作までのような「これは面白そう!」と期待させる細かな工夫がない。
--EDに至っては完全にやっつけ。同じオブジェクトをループさせて表示させているだけ。エンディングの映像でも楽しませようとしていた前作に比べて、本作がいかに急造品だったことかがわかる。
--これらを含めて、内容は全般的に余裕なく作ったことがわかってしまう部分が多い。

-ストーリーが一気にクオリティダウン。

#region(前作を含めたストーリーに関するネタバレ)

--前作は同じ生みの親からほとんど連続的に生み出された兄弟的な関係を持つキャラクターであるミッキーとオズワルドが、いかにしてお互いの悲しみや罪悪感を埋めていくかという、切なくも深いストーリーだった。
--しかし今回は、明らかに騙す気満々、胡散臭い挙動だらけのマッド・ドクターが、ウェイストランドの危機に対し警鐘を鳴らし、一つ一つ問題を潰していくというもの。予想を一切裏切ることなくマッド・ドクターは後に本性を表し、ミッキー・オズワルドと対立する。
---そんなバレバレな事情が判明するのも決戦のほぼ直前。引っ張る必要などあったのだろうか……?
--物語がチープになったことでボリュームもやや薄くなってしまうなど、前作の作り込みに反して今作のストーリーのつまらなさはエピックミッキーのファンの多くを失望させている。
--強いて言うなら本作のストーリーは「和解したミッキーとオズワルドの会話が見たい」という人のための番外編と言ったところだろう。

#endregion


-あちこちバグだらけ。
--有名な「音声が再生されないバグ」を始め、とにかく不具合が多い。一部では字幕がフライング気味に表示されてすぐに消え、また台詞が再生されてから再表示されるという稚拙なものも存在する。
--メーカーはそういった多くの声を一切無視、目立ったアップデートは今のところ確認されていない。
--Miiverseにもバグの数々が結構大量的に投稿されており、アップデートを望む声は明らかに多いのだが。

**評価点
-HDハードになって表現力が向上(WiiU版のみ)したことで、世界観がより美しく描かれるようになった。
--演出自体はチープ化したものも多いのだが、やはりHDハードに舞台を移したことで、特にムービーパートは綺麗になっている。
--ただしゲーム画面は劇的に綺麗になったかと言うとそうでもなく、特にミッキーは前作をHDリマスターしただけなのでは?というくらい代わり映えはない。

-フルボイスになったことで会話のあっさり感が減った。世界観も前作で事件を解決したことで明るくなったので、視界は全般的に良くなっている。
--ちなみに日本版は吹替もフルボイスとなっており、オズワルドキャラクターやグレムリン達に日本版の声優が初めて当てられた。ロボット・ドナルドなどの複製キャラ達も全員オリジナルキャストが用いられている。

-コスチュームチェンジを追加。
--なんとオズワルドも含めてコスチュームをアレンジすることが可能。懐かしの姿だけに留まらず、白目の入った以降のミッキーにもなれるなど、意外と種類は豊富。
---キャラゲーとしての本作はこれを初めとして進歩していると言える。

-2Pプレイならストレスを軽減して遊べる点。
--本作のプレイ面における問題は、このオズワルドのAIの低さ、行動の遅さがメインである。2人でプレイすれば示し合わせて行動し、戦略も練れるので本作で本当にやりたかったことが比較的実現されている。
--しかし馬が合わなければ、人によっては画面が分割されるだけでさらにストレスが溜まる羽目になることも…。

-任天堂監修ということもあってカットが多かった前作に対し、なるべくオリジナルに対して忠実にムービーを盛り込んでいる点。
--しかしその代償がバグ等の放置、など劣化点が多いのはいただけない。前作はむしろ問題点の多くを解消していたのだが…。

**総評
同じく評価の芳しくない3DS版と合わせて、開発チームが解散に追い込まれたのも無理は無いというほどの、やっつけ仕事見え見えの続編。~
一応前作から大きくシステムを変えたわけでもなく、世界観も「救済後」ということもあって、暗くてよく見えなかったステージも見通しがよくなり、ミッキーの存在だけ考えれば視覚面では圧倒的にプレイしやすくなっている。~
しかし、せっかくファン待望のオズワルドとの協力プレイの作り込みの浅さが、本来エピックミッキーにあった良さの多くを潰してしまい、待望だったはずのオズワルドがお荷物になるというお粗末な内容となった。~
つまり前作で及第点だったプレイ環境にいろいろ加えすぎてしまったがばっかりに、逆にアクションゲームとして問題が発生することになってしまったのだ。

一応、ある程度息のあった人同士で2Pプレイ(役割分担などをキチンとする)すればゲームとしてはそこそこ遊べる出来にはなっている。しかし、1Pでプレイするのが一応基本となっている以上、1人プレイにおける作り込みの浅さは、バグの多さと合わせてクソゲーたる要件を満たしてしまっている。~
ストーリー的には続編を考えられていた感があるのだが、開発スタジオが解散したこともあり、エピックミッキーブランドは頓挫、今後続編が作られる可能性は限りなくゼロに近いと思われる。

**余談
-こんなゲームではあるが、ファミ通での評価はゴールデン殿堂入りであり、公式サイトでもそれを誇っている。

-前作もマルチプラットフォーム化を検討されていたが、「&bold(){良いゲームを作るためにはプラットフォームを絞ったほうがいい}」というアドバイスから、Wiiに的を絞っている。本作は海外版のみとはいえPS3や360、そしてPCでも発売されており、&bold(){アドバイスを無視した結果}ゲームの方向性がブレてしまったのだろう。
--ただしWiiUとのマルチプラットフォーム化は、リモコン&ヌンチャクも使える点を考えると本来ならばそこまで問題が起きにくいはずなのである。何故WiiUゲームパッドだけに操作を絞ってしまったのか…。
--とはいえマルチプラットフォーム自体は他機種ユーザーから要望があったからという側面もあるため、一概に開発側の浅慮の結果とは言えない。
--ちなみにPC版はSteamにて2013年10月6日から配信が開始された。特に地域制限もかけられてはいないので、日本からの購入・プレイは可能((当然ながら日本語へのローカライズはされていないので注意))。また、パッケージ版は一度はキャンセルされたものの、チェコやポーランドなどの東欧地域限定でSteam版と同時期に発売された。

-ちなみにスタジオが潰れたことがディズニーによって把握されたのは、本記事で取り上げた''日本版の発売日から約8ヶ月前のこと''である。
--実際、2013年1月29日に親会社であるDisney Intaractiveからスタジオ閉鎖についての公式声明が出されたことがGamespot等海外のゲームメディアで報じられた。

-海外ではその後PSVita版が発売された。本作の問題点をいろいろ解消したうえで展開されるとのことだが詳細は不明。
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