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クレイジータクシー - (2015/10/11 (日) 12:02:13) のソース

*クレイジータクシー
【くれいじーたくしー】
|ジャンル|ドライビングアクション|CENTER:&amazon(B000069TA5)※画像はDC版|
|対応機種|アーケード(NAOMI)&br;ドリームキャスト&br;プレイステーション2&br;ニンテンドーゲームキューブ&br;他移植多数|~|
|発売元|セガ・エンタープライゼス((AC/DC版の時点での社名で、PS2/GC版ではセガ(現:セガゲームス及びセガ・インタラクティブ)。本文では便宜上セガとする。))|~|
|開発元|ヒットメーカー|~|
|稼動開始日【AC】|1999年2月|~|
|発売日|【DC】2000年1月27日&br;【PS2】2001年11月22日&br;【GC】2002年5月30日|~|
//|レーティング|CERO:D(17歳以上対象)|~|
//いつ付いたか分かりません。
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|&br()爽快感溢れるドライビングアクション&br()イカレたタクシードライバー達|~|


#center{&size(20){Hey! そこの兄ちゃん! しけた面してどうした? ん? この街は初めてか?&br() OK、後ろに乗りな! ''かっ飛ばすから、掴まってろよ!''}}

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#contents()
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**ヒュウ! まずは、挨拶からだ!&br() この街のやり方、良く覚えとけ!
セガが1999年に稼働開始したアーケードゲーム。ドライブゲームによくある専用筐体は用いず、アップライト筐体にハンドルを付けた小型特殊筐体でリリースされた。~
簡単に言うとタクシードライバーとなって客を乗せて走り回ると言うゲーム。~
単純操作であるがその爽快感抜群のシステムが受け、後に多数の機種に移植されるヒット作となった。~

**なんだよ兄ちゃん、No Licenseかい?&br() OK, OK、この街での走り方は簡単だ、すぐに覚えられるぜ!
-アーケード版はモード選択なしのシンプルなゲーム。移植版はアーケードモードに加えて、街の構造が異なるオリジナルモード、ミニゲーム集のクレイジーキューブが追加されている。
--各モード開始時に4人のドライバーから1人を選ぶ。キャラ毎に車=加速力や最高速も違う。

-基本ルールは「制限時間がなくなるまでに、より多くの客を目的地に運び運賃を稼ぐ」こと。運賃はこのゲームにおけるスコアで、客を運ぶことで初めてカウントされる。
--客は道端にいるので、客の周りのサークル内に車を止めれば乗せることができる。各客のサークルや、頭上に表示された「$」マークの色により目的地までの距離・運賃・制限時間が異なり、赤<黄<緑の順にそれぞれが大きくなる。
---ただし、車を高速で近づけるとさすがに客も逃げてしまう。人間を轢くことは絶対にないこのゲームだが、あまり勢いよく車を走らせていると客を乗せるのに時間がかかってしまう。
--この街の乗客たちも全員スピード狂だ。他の車スレスレを走る「クレイジースルー」、坂道から大きく飛び出す「クレイジージャンプ」、後述の操作で発動する「クレイジードリフト」などのスタント走行を決めると喜んでチップをくれ、もらえる運賃にボーナスが蓄積されていく。
---スタントを連続成功させればコンボがカウントされ、もらえるチップ量も上がる。他車と衝突してしまうとコンボカウントは途切れる。
--客を乗せることでゲームの制限時間はある程度回復(基本的に各客の持ち時間までは保証される)。目的地に運んだ速さによってもチップボーナスと数秒ほどのタイムボーナスを得る事ができる。~
一方、あまりに遅すぎて各客の持ち時間が尽きるとその客は怒って途中下車(%%%全力疾走中であっても%%%)してしまう。この場合、その客における運賃とそれまでのチップボーナスはロストしてしまう。
--移植版では「3分/5分/10分」の制限時間内に稼げる額を競うモードが追加されている。こちらではゲーム全体の制限時間回復がない、純然たるスコアアタックゲームである。

-運転システムはマニュアルギア式だが、シフトレバーは「D」と「R」の2方向。各ギアを入れた状態でアクセルを踏めば、前進/後退が可能。
--操作システムは単純だが、細かい基本テクニックが多い。それらを覚えていないとこのゲームプレイはまともに覚束ないだろう。
---クレイジーダッシュ……走行中にアクセルを離し、シフトレバーをD側に倒すと同時にアクセルを踏みなおす。スピードを上げることができる習得必須の操作。
---オーバーリミット……クレイジーダッシュ中に、シフトレバーを素早くR→Dと倒しながらアクセルを踏み直す。クレイジーダッシュよりさらに加速できる超基本テクニック。
---クレイジーバックダッシュ……こちらはレバーをR側に倒して同時にアクセル。効果も名前のまま、後ろ向きにクレイジーダッシュする。
---クレイジードリフト……ギアを素早くR→Dと倒しながらハンドルを切ると、ドリフトしてスピードを落とさずに曲がれる。高速走破のみならず、使うだけでボーナススコアも稼げる一石二鳥の基本スタント。
---クレイジーストップ……ギアをRに入れながらブレーキを踏むことで急停車できる。客を素早く乗せることに役立つ、地味ながら重要な基本操作。


**見えてきたぜ、これが最高にCOOL!なポイントだ!
-''とにかく「何でもあり」な疾走感''。これが本作最大の売り。
--言葉で表すのは難しいが、一度プレイすれば嫌でもわかる。'''このゲームに「やってはいけないこと」は何一つありはしない。'''
---ゲームの目的は「タクシードライバーとして運賃を稼ぐこと」。ゲームオーバーの条件は「時間切れ」以外には皆無。~
信号無視やスピード違反などタイムペナルティを食らうことも一切なく、目的地まで一切気にせず全力疾走が可能。「''歩道が広いではないか、行け''」ばりの暴走走行もオールオーケー。
--プレイヤーの運転するタクシーは60年代のアメ車がモデル。どれもデザインが格好いい。
---さらに恐ろしいハイスペックマシンでもある。車に激突すると相手の車の方が弾き飛ばされる有様。耐久力などという無粋な物は存在しない。坂道にクレイジーダッシュで突っ込めば空も飛べる!
---それどころか''オープンカーにも関わらず水中に入れる''始末。隠し要素の範疇だが''普通に水中に客がいる''。タクシーだけでなく、人間も桁外れの身体能力を持った世界観だったりする。
--あらゆるテクニックを駆使して並み居る車をすり抜けたり、[[ソニアド2>ソニックアドベンチャー2]]を髣髴とさせる大坂道を一気に飛び降りるスタントコンボを決めると爽快感抜群。英語でのボイスがテンションを跳ね上げる。
--BGMはハイテンポな洋楽。非常にノリが良く、聞いているだけでストレス解消。後年の移植版では版権の都合で差し替えられているのが残念。

-登場する4人のドライバーに各種客たちも個性的で印象に残る。
--客の種類・ボイス数は結構多く、様々なリアクションを返してくれるので、英語もわかるとニヤリとできる。
--各ドライバーのナンバープレートがそれぞれのモットーによる語呂合わせだったりと、細かいネタも。

-やりこめば腕前の向上が如実にわかるゲームデザイン。
--各テクニックがほとんど使えないであろう最初は赤マークの客を数人乗せ運んだ所で時間になってしまうだろうが、~
このゲームでは客の配置を含めたマップは完全固定である。道を覚え、客の配置を理解し、効率よく稼げるルートを模索できるようになれば、ガンガンスコアもプレイ時間も伸ばせる。
--各種テクニックも最初は慣れが必要だが練習すればすぐに習得できる。クレイジードリフトを思いっきり決めてやれば、最高に格好良いしスコアリングも美味しい。稼ぎルートを突き詰めればクレイジージャンプでショートカットまで!

-街の構造も凝っており、各地を巡って客を運ぶだけでも面白い。
--実在の企業とコラボしそれらの店を実際にゲーム内に出しているのも、後の%%[[龍が如くシリーズ]]の%%片鱗を伺わせるリアリティに一役買っている。こちらも後年版では差し替えられてしまっている。

**OK、認めよう。So Badなポイントだって世の中にはあるもんさ。
-ボリュームが薄い
--何を隠そう''コースとなる街は基本的に1つしかなかった''。客の配置が変わる「アナザーデイモード」もあるが、それと移植版でのオリジナルモードを含めても、全体的なボリュームはかなり薄目。
---元々やりこんでスコアを伸ばしていくことを競うタイプのゲームであり、嵌るのが早い反面飽きも早いという短所と言うことである。

-覚えゲーの側面が強く、初心者ではろくにスコアを稼げない。
--マップと配置が完全固定ということはつまりそういうことである。とにかく街の構造を知らないと話にならないため、何度もプレイして客の配置とそれぞれの目的地を良く把握するのが重要。リアルなタクシードライバーらしい、とも言えるが…。
---そこまで行き着くには「目的地を示す矢印が微妙に当てにならない」という点が厄介。壁の向こう側を指してしまったりということもしばしば。地図があれば良かった、という意見もある。
--逆に、腕前が上がるとワンクレジットで数十分〜一時間遊べてしまう側面もあるので、インカムが悪くゲームセンターでは早々に撤去されてしまった。「1人プレイ専用なので場所を取らない」「慣れていないうちはプレイ時間が短い」「しかも人気作」と、店からしてもそれなりに良い点を多数抱えていたにも関わらず、アーケード版は絶滅危惧種。

-アーケード版では前述のオーバーリミットを繰り返していくことで無制限に速度を上げることができ、壁や車などにぶつからない限り物凄いスピードで走行することが可能だった。
--その状態で超高速で坂道でジャンプすると壁を飛び越えてしまうなどの不具合が発生するのを防ぐためか、後の移植版では最高速度が250km/h付近に設定された。
---これはオーバーリミットを2~3回ほど行えば簡単に到達できる程度の速度であり、(アーケード版と比較すれば)明らかに超高速走行による爽快感は薄れた。また最高速度に達した時の処理も雑で(いきなり220km/hほどまで減速するだけ)、その時に車体が跳ねることがあるため、移植版では操作が不安定になる瞬間が多発するようになってしまった。

**ここが目的地だな? 楽しんだかい、兄ちゃん?&br() それじゃ、また乗りに来いよ、アディオス!
「単純ですぐ飽きるけど、何度もやりたくなる不思議な魅力のあるゲーム」と言われやすい。他のジャンルだと『[[テトリス]]』などに近い感覚の作品。~
とにかく本作の魅力は一に爽快感、二に爽快感。ストレスが溜まったりすると、なんとなくプレイしたくなるような雰囲気がある。~
ボリュームは薄いが、それを補って余りある魅力を持ち合わせた傑作である。

**他の街に行くのかい、兄ちゃん?&br() そこにだってきっとCrazyなドライバーがいるはずさ!
-続編として『2』『3』が発売された。どちらも家庭版オリジナルとして開発されたが、『3』は後に『クレイジータクシー ハイローラー』としてアーケードに逆移植されている。
--「クレイジーホップ」ボタンというハイドロジャンプ機能が追加されたことで、高低差が大きい立体的なマップが登場するようになった。

-BGMの一つ「All I Want / The Offspring」はサビが「ドーラえもーん!」と聞こえると話題になった。
--そして、それをネタにフラッシュ動画が作成され、こちらが爆発的に人気を得たため、「『クレイジータクシー』というゲームは知らないけど『ドーラえもーん!』は知っている」という逆転現象が起きてしまった。
--そのせいかどうかは不明だが、なんと十数年後に登場した同社のアーケード音ゲー「CHUNITHM」にまさかの原曲収録。驚いたのが当のクレイジードライバー達であったことは言うまでもない。
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